JP4578737B2 - 磁気記録媒体および磁気記録再生装置 - Google Patents

磁気記録媒体および磁気記録再生装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、磁化容易軸が基板に対し主に垂直に配向した垂直磁性膜を有する磁気記録媒体、その製造方法、および磁気記録再生装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
現在市販されている磁気記録媒体は、磁性膜内の磁化容易軸が主に基板に対し水平に配向した面内磁気記録媒体がほとんどである。
面内磁気記録媒体において、高記録密度化を実現するには、磁性粒子を小粒径化し、ノイズ低減を図ることが有効であるが、磁性粒子の粒径を小さくすると、この粒子の体積が小さくなるため、熱揺らぎに起因する再生特性の悪化が生じやすくなる。また記録密度を高めた際に、記録ビット境界での反磁界の影響により媒体ノイズが増加することがある。
これに対し、磁性膜内の磁化容易軸が主に基板に対し垂直に配向した、いわゆる垂直磁気記録媒体は、高記録密度化した場合でもビット境界での反磁界の影響が小さく、境界が鮮明な記録磁区が形成されるため低ノイズ化が可能である。
さらに、垂直磁気記録媒体は、比較的磁性粒子の体積が大きくても高記録密度化が可能であるため熱揺らぎ耐性を高めることができることから、近年大きな注目を集めている。
例えば、特開昭60−214417号公報には、Co合金からなる垂直磁性膜の下地膜の材料としてGe、Siを用いた垂直磁気記録媒体が開示されている。
また特開昭63−211117号公報には、Co合金からなる垂直磁性膜の下地膜として1〜100Åの厚さの炭素含有材料膜を形成した垂直磁気記録媒体が開示されている。
しかしながら、これら従来の磁気記録媒体では、角型比を高めるのが難しく、逆磁区核形成磁界Hnが低くなる問題があった。このため、低記録密度における熱揺らぎ耐性に劣る問題があった。
これに対し、Hnを向上させ得る磁気記録媒体として、遷移金属(Coなど)と貴金属(Ptなど)とを多層に積層した多層膜を設けた磁気記録媒体が提案されている。(特開平6−111403号公報、特開平8−30951号公報、US5660930)
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
近年では、磁気記録媒体の更なる高記録密度化が要望されており、これに伴いノイズ特性の向上が要求されている。
しかしながら上記従来の磁気記録媒体(遷移金属/貴金属多層膜を設けたもの)は、ノイズ特性の点で満足できるものでなく、よりノイズ特性に優れた磁気記録媒体が要望されていた。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、角型比および逆磁区核形成磁界Hnを高めることができ、かつノイズ特性に優れた磁気記録媒体、その製造方法、および磁気記録再生装置を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明の磁気記録媒体は、基板上に、カーボンからなる厚さ30〜100nmのカーボン下地膜が設けられ、その上に磁化容易軸が基板に対し主に垂直に配向した垂直磁性膜が設けられ、基板とカーボン下地膜との間に、軟磁性膜が設けられ、垂直磁性膜が、PtとPdのうち少なくとも1種とCo含有材料とを、それぞれ複数回にわたってスパッタすることによって形成されたものであり、PtとPdのうち少なくとも1種からなる貴金属層と、Coを含むコバルト層とを複数積層した多層構造を有し貴金属層は、厚さが0.4〜1.4nmとなるように形成され、コバルト層は、厚さが0.1〜0.6nmとなるように形成されていることを特徴とする。
本発明の磁気記録媒体は、Hnを1500〜4500(Oe)とするのが好ましい。垂直磁性膜は、少なくとも一部が、PtとPdのうち少なくとも1種とCoとを含む合金からなるものとすることができる。
本発明の磁気記録再生装置は、磁気記録媒体と、該磁気記録媒体に情報を記録再生する磁気ヘッドとを備え、磁気記録媒体が、本発明の磁気記録媒体であることを特徴とする。
【0005】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の磁気記録媒体の一実施形態を示すもので、ここに示す磁気記録媒体は、基板1上にカーボン下地膜2が設けられ、その上に磁化容易軸が基板に対し主に垂直に配向した垂直磁性膜3が設けられ、その上に保護膜4、潤滑膜5が設けられたものである。
基板1としては、磁気記録媒体用基板として一般に用いられるNiPメッキ膜が形成されたアルミニウム合金基板(以下、「NiPメッキAl基板」という)、ガラス基板、セラミック基板、カーボン基板、可撓性樹脂基板、またはこれらの基板にNiP膜をメッキあるいはスパッタ法により形成した基板などを用いることができる。
【0006】
カーボン下地膜2は、カーボンを含む材料からなるものである。
カーボン下地膜2の厚さは、1nmを越え、100nm以下となる範囲(すなわち10Åを越え、1000Å以下となる範囲)とするのが好ましい。
この厚さは、ノイズ特性、保磁力、逆磁区核形成磁界Hnなどの点から30〜100nm(300〜1000Å)、好ましくは40〜90nm(400〜900Å)とするのが望ましい。
この厚さが上記範囲未満であると、保磁力、ノイズ特性が低下しやすくなる。
また上記範囲を越えると、カーボン下地膜2の表面性が悪化しやすくなる。
【0007】
垂直磁性膜3は、PtとPdのうち少なくとも1種とCo含有材料とを複数回にわたってスパッタすることによって形成されたものである。
図1(b)に示すように、本実施形態では、垂直磁性膜3は、PtとPdのうち少なくとも1種からなる複数の貴金属層3aと、Coを含む材料からなる複数のコバルト層3bとを交互に積層した多層構造を有する。
貴金属層3aの材料としては、Pt、Pdのほか、PtとPdの合金が使用可能である。
貴金属層3aの厚さは、0.4〜1.4nm(4〜14Å)(好ましくは0.6〜1.0nm)とするのが好ましい。この厚さが上記範囲を外れると、保磁力および逆磁区核形成磁界Hnが低下する。またノイズ特性が劣化しやすくなる。
【0008】
コバルト層3bの材料としては、Coを用いてもよいし、Coを主成分とし、他の元素(Cr、Ta、Cなど)を含むCo合金を用いてもよい。
コバルト層3bの厚さは0.1〜0.6nm(1〜6Å)(好ましくは0.1〜0.4nm)とするのが好ましい。この厚さが上記範囲を外れると、保磁力および逆磁区核形成磁界Hnが低下する。またノイズ特性が劣化しやすくなる。
貴金属層3aおよびコバルト層3bの形成数は、合計で10〜60とするのが好ましい。
垂直磁性膜3は、最下層側に貴金属層3aを形成してもよいし、コバルト層3bを形成してもよいが、特に、貴金属層3aを最下層側に形成するのが好ましい。
垂直磁性膜3の厚さは、5〜40nmとするのが好ましい。
【0009】
保護膜4は、垂直磁性膜3の腐食を防ぐとともに、ヘッドが媒体に接触したときに媒体表面の損傷を防ぎ、かつヘッドと媒体の間の潤滑特性を確保するためのもので、従来公知の材料を使用でき、例えばC、SiO2、ZrO2の単一組成、またはこれらを主成分とし他元素を含むものが使用可能である。
保護膜4の厚さは、1〜10nm(10〜100Å)が望ましい。
【0010】
潤滑膜5には、パーフルオロポリエーテル、フッ素化アルコール、フッ素化カルボン酸などの潤滑剤を使用できる。
【0011】
この磁気記録媒体は、逆磁区核形成磁界Hnを1500〜4500(Oe)とすることが好ましい。Hnが上記範囲未満であると、低記録密度における熱揺らぎ耐性が低下し、上記範囲を越えると、記録特性が低下する。
ここで、逆磁区核形成磁界Hnとは、一方向に外部磁界を加えて磁気記録媒体を十分に磁化した後、外部磁界を反転させ、逆方向の磁界強度を高めていったときに、磁化反転を起こすときの外部磁界を指す。
逆磁区核形成磁界Hnは、図2に示すヒステリシスループ(MHループ)において、上記逆方向の磁界強度を高めていったときに、外部磁界が0となる点aから磁化反転を起こす点bまでの距離で表すことができる。
【0012】
図3は、上記磁気記録媒体を用いた磁気記録再生装置の例を示すものである。
ここに示す磁気記録再生装置は、図1に示す構成の磁気記録媒体7と、磁気記録媒体7を回転駆動させる媒体駆動部8と、磁気記録媒体7に情報を記録再生する磁気ヘッド9と、ヘッド駆動部10と、記録再生信号処理系11とを備えている。記録再生信号処理系11は、入力されたデータを処理して記録信号を磁気ヘッド9に送ったり、磁気ヘッド9からの再生信号を処理してデータを出力することができるようになっている。
【0013】
上記構成の磁気記録媒体を製造するには、基板1上に、スパッタ法などによりカーボン下地膜2を形成し、次いで垂直磁性膜3をスパッタ法により形成する。
垂直磁性膜3を形成するには、貴金属層3aを構成する材料(PtとPdのうち少なくとも1種)からなる第1ターゲットと、コバルト層3bを構成する材料(Co含有材料)からなる第2ターゲットとを交互に用いて、貴金属層3aの構成材料と、コバルト層3bの構成材料とを積層させて、垂直磁性膜3を形成する。
なおカーボン下地膜2の形成には、真空蒸着、イオンプレーティングなどを用いることもできる。
次いで保護膜4を、好ましくはプラズマCVD法、イオンビーム法、スパッタリング法により形成する。
次いで、ディッピング法、スピンコート法などによって潤滑膜5を形成する。
【0014】
上記構成の磁気記録媒体にあっては、垂直磁性膜3が、PtとPdのうち少なくとも1種と、Co含有材料とを複数回にわたってスパッタすることによって形成されたものであるので、角型比およびHnを高めることができる。
また媒体ノイズを低減させ、ノイズ特性を向上させることができる。
また角型比およびHnに優れていることから、熱揺らぎ耐性を向上させ、熱揺らぎに起因するデータ消失などのトラブルを未然に防ぐことができる。
【0015】
また上記製造方法にあっては、貴金属層3aを構成する材料からなる第1ターゲットと、コバルト層3bを構成する材料からなる第2ターゲットとを交互に用いて、貴金属層3aの構成材料(PtとPdのうち少なくとも1種)と、コバルト層3bの構成材料(Co含有材料)とを積層させることによって、垂直磁性膜3を形成するので、角型比、Hn、ノイズ特性に優れた磁気記録媒体を容易に製造することができる。
【0016】
また上記磁気記録再生装置では、磁気記録媒体の角型比およびHnを高め、かつノイズ特性を向上させることができるため、高記録密度化が可能となる。
また角型比およびHnに優れていることから、熱揺らぎ耐性を向上させ、熱揺らぎに起因するデータ消失などのトラブルを未然に防ぐことができる。
【0017】
また本発明の磁気記録媒体において、垂直磁性膜は、PtとPdのうち少なくとも1種と、Co含有材料とを複数回にわたってスパッタすることによって形成されたものであればよく、図1(b)に示すような多層構造を有するものに限定されない。
すなわちPtとPdのうち少なくとも1種と、Co含有材料とが、明確な境界を形成することなく垂直磁性膜を構成するものも本発明の範囲に含まれる。
例えば、図4に示すように、符号13で示す垂直磁性膜が、PtとPdのうち少なくとも1種とCo含有材料とを複数回にわたってスパッタすることによって形成されたものであり、かつ多層構造でなく単層構造をなすものも本発明の磁気記録媒体の一例として挙げることができる。
ここに示す磁気記録媒体では、成膜時において、PtとPdのうち少なくとも1種とCo含有材料とが、少なくとも一部において互いに混合するために、これら2種の材料が明確な境界を形成することなく垂直磁性膜13が形成されている。
このため、この垂直磁性膜13では、少なくとも一部が、PtとPdのうち少なくとも1種とCoとを含む合金となっている。
ここに示す例の磁気記録媒体においても、角型比、Hn、およびノイズ特性を向上させることができるという効果を得ることができる。
【0018】
また本発明では、基板1とカーボン下地膜2との間に、軟磁性膜を設けることもできる。
図5は、基板1とカーボン下地膜2との間に軟磁性膜6を設けた例を示すものである。
この軟磁性膜6は、特に限定されるものでないが、Fe、Ni、Coの単一組成膜、またはFe、Ni、Coに他の元素を含有させた合金からなるものとするのが好ましい。
軟磁性膜の材料の具体例としては、NiFe、FeC、FeAlSi、CoZrNb、CoTaZr、FeTaC等の各種合金を挙げることができる。
なお本明細書において主成分とは当該成分を50at%を越えて含むことを指す。
【0019】
【実施例】
(実施例1)
以下、具体例を示して本発明の作用効果を明確にする。
洗浄済みのガラス製基板1(オハラ社製。外径2.5インチ)をDCマグネトロンスパッタ装置(アネルバ社製3010)のチャンバ内に収容し、チャンバ内を真空到達度2×10-7Torrとなるまで排気した後、この基板1上に、カーボンからなるカーボン下地膜2を形成した。
次いで、カーボン下地膜2上に、Pdからなる第1ターゲット、およびCoからなる第2ターゲットを交互に用いて、PdとCoとを10回ずつ交互にスパッタすることにより垂直磁性膜3を形成した。
第1ターゲットを用いたPdのスパッタ量は、1回あたり厚さ0.8nm(8Å)に相当する量とした。第2ターゲットを用いたCoのスパッタ量は、1回あたり厚さ0.2nm(2Å)に相当する量とした。垂直磁性膜3の厚さは20nm(200Å)となった。
垂直磁性膜3上には、カーボンからなる保護膜4(厚さ7nm(70Å))を形成し、保護膜4上にはパーフルオロポリエーテルからなる潤滑膜5をディッピング法により形成した。
【0020】
(実施例2〜4)
カーボン下地膜2の厚さを変えたこと以外は試験例1と同様にして磁気記録媒体を作製した。
【0021】
(実施例5)
Pdからなる第1ターゲットに代えて、Ptからなる第1ターゲットを用いること以外は実施例2と同様にして磁気記録媒体を作製した。
【0022】
(実施例6)
基板1とカーボン下地膜2との間に、CoZrNb合金からなる軟磁性膜6(厚さ250nm)を設けたこと以外は実施例1と同様にして磁気記録媒体を作製した。
【0023】
(比較例1)
カーボン下地膜2に代えて、Pdからなる下地膜を設けること以外は試験例1と同様にして磁気記録媒体を作製した。
【0024】
(比較例2)
垂直磁性膜3に代えて、CoCrPtTa合金からなる垂直磁性膜(厚さ20nm(200Å))を設けること以外は試験例1と同様にして磁気記録媒体を作製した。
この垂直磁性膜は、CoCrPtTa合金からなるターゲットを用いたスパッタ法により形成した。
【0025】
上記実施例1〜6および比較例1、2の磁気記録媒体の静磁気特性を振動式磁気特性測定装置(VSM)を用いて測定した。
また、これら磁気記録媒体の電磁変換特性を、GUZIK社製リードライトアナライザRWA1632、およびスピンスタンドS1701MPを用いて測定した。
電磁変換特性の評価には、磁気ヘッドとして、再生部に巨大磁気抵抗(GMR)素子を有する複合型薄膜磁気記録ヘッドを用い、記録条件を線記録密度250kFCIとして測定を行った。
熱揺らぎ特性は、媒体を70℃に加熱しておき、線記録密度50kFCIにて書き込みを行った後、経時的な出力の低下を測定する方法によって評価した。
結果を表1に示す。なお表中、積層数とは、垂直磁性膜3を形成する際の、第1ターゲットを用いてスパッタする工程の数と、第2ターゲットを用いてスパッタする工程の数との合計を示すものである。
【0026】
【表1】
Figure 0004578737
【0027】
表1より、カーボン下地膜2を設け、垂直磁性膜3を多層構造(または単層構造)とした実施例1〜6の磁気記録媒体は、下地膜にPdを用いた比較例1に比べ、HcおよびHnが高く、しかもノイズ特性および熱揺らぎ耐性の点でも優れた結果が得られたことがわかる。
また実施例1〜6の磁気記録媒体は、垂直磁性膜をCoCrPtTa合金からなるものとした比較例2に比べ、HcおよびHnが高く、熱揺らぎ耐性にも優れていることがわかる。
【0028】
(比較例3)
カーボン下地膜2を設けないこと以外は実施例2と同様にして磁気記録媒体を作製した。
実施例2および比較例3の磁気記録媒体のヒステリシスループを図6に示す(符号Bは実施例2、符号Aは比較例3)。
この図より、カーボン下地膜2を設けることによって、逆磁区核形成磁界Hnの値が高くなることがわかる。
【0029】
(実施例7)
カーボン下地膜2の厚さを0〜100nmの範囲で変化させること以外は実施例1と同様にして磁気記録媒体を作製した。
カーボン下地膜2の厚さδcと、保磁力Hc(垂直方向)および逆磁区核形成磁界Hnとの関係を図7に示す。
この図より、カーボン下地膜2の厚さを30〜100nm、特に40〜90nmとすることによって保磁力Hcおよび逆磁区核形成磁界Hnを向上させることができることがわかる。
【0030】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の磁気記録媒体は、垂直磁性膜が、PtとPdのうち少なくとも1種とCo含有材料とを複数回にわたってスパッタすることによって形成されたものであるので、角型比およびHnを高めることができる。
またノイズ特性、熱揺らぎ耐性を向上させることができる。
【0031】
また本発明の磁気記録媒体の製造方法にあっては、PtとPdのうち少なくとも1種と、Co含有材料とをそれぞれ複数回にわたってスパッタすることにより垂直磁性膜を形成するので、角型比、Hn、ノイズ特性、熱揺らぎ耐性に優れた磁気記録媒体を容易に製造することができる。
【0032】
また本発明の磁気記録再生装置では、磁気記録媒体の角型比およびHnを高め、かつノイズ特性を向上させることができるため、高記録密度化が可能となる。
また角型比およびHnに優れていることから、熱揺らぎ耐性を向上させ、熱揺らぎに起因するデータ消失などのトラブルを未然に防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)本発明の磁気記録媒体の一実施形態を示す一部断面図である。(b)(a)に示す磁気記録媒体の要部拡大図である。
【図2】逆磁区核形成磁界Hnについての説明図である。
【図3】図1に示す磁気記録媒体を用いた磁気記録再生装置の一例を示す概略構成図である。
【図4】(a)本発明の磁気記録媒体の他の実施形態を示す一部断面図である。(b)(a)に示す磁気記録媒体の要部拡大図である。
【図5】本発明の磁気記録媒体の他の実施形態を示す一部断面図である。
【図6】試験結果を示すグラフである。
【図7】試験結果を示すグラフである。
【符号の説明】
1・・・基板、2・・・カーボン下地膜、3・・・垂直磁性膜、3a・・・貴金属層、3b・・・コバルト層

Claims (4)

  1. 基板(1)上に、カーボンからなる厚さ30〜100nmのカーボン下地膜(2)が設けられ、その上に磁化容易軸が基板に対し主に垂直に配向した垂直磁性膜(3)が設けられ、
    基板とカーボン下地膜との間に、軟磁性膜が設けられ、
    垂直磁性膜が、PtとPdのうち少なくとも1種とCo含有材料とを、それぞれ複数回にわたってスパッタすることによって形成されたものであり、PtとPdのうち少なくとも1種からなる貴金属層(3a)と、Coを含むコバルト層(3b)とを複数積層した多層構造を有し
    貴金属層は、厚さが0.4〜1.4nmとなるように形成され、
    コバルト層は、厚さが0.1〜0.6nmとなるように形成されている
    ことを特徴とする磁気記録媒体。
  2. Hnが1500〜4500(Oe)であることを特徴とする請求項1に記載の磁気記録媒体。
  3. 垂直磁性膜は、少なくとも一部が、PtとPdのうち少なくとも1種とCoとを含む合金からなるものであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の磁気記録媒体。
  4. 磁気記録媒体と、該磁気記録媒体に情報を記録再生する磁気ヘッドとを備え、磁気記録媒体が、請求項1に記載の磁気記録媒体であることを特徴とする磁気記録再生装置。
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