JP2002358615A - 磁気記録媒体、その製造方法、および磁気記録再生装置 - Google Patents

磁気記録媒体、その製造方法、および磁気記録再生装置

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JP2002358615A
JP2002358615A JP2002055042A JP2002055042A JP2002358615A JP 2002358615 A JP2002358615 A JP 2002358615A JP 2002055042 A JP2002055042 A JP 2002055042A JP 2002055042 A JP2002055042 A JP 2002055042A JP 2002358615 A JP2002358615 A JP 2002358615A
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magnetic
film
recording medium
magnetic recording
particles
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Application number
JP2002055042A
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English (en)
Inventor
Kenji Shimizu
謙治 清水
Akira Sakawaki
彰 坂脇
Hiroshi Sakai
浩志 酒井
Kazuyuki Hikosaka
和志 彦坂
Soichi Oikawa
壮一 及川
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Toshiba Corp
Resonac Holdings Corp
Original Assignee
Showa Denko KK
Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ノイズ特性を向上させ得る磁気記録媒体を提
供する。 【解決手段】 非磁性基板上に、軟磁性材料からなる軟
磁性下地膜と、直上の膜の配向性を制御する配向制御膜
と、磁化容易軸が基板に対し主に垂直に配向した垂直磁
性膜と、保護膜とが設けられ、垂直磁性膜は、多数の磁
性粒子7が粒界層8によって隔てられた構造を有し、互
いに隣接する磁性粒子7a、7bの重心7c、7dを結
ぶ直線上において、これら磁性粒子7a、7b間の平均
離間距離が1nm以上とされている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁気記録媒体、そ
の製造方法、およびこの磁気記録媒体を用いた磁気記録
再生装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】磁性膜内の磁化容易軸が主に垂直に配向
した、いわゆる垂直磁気記録媒体は、高記録密度化した
際にも、ビット境界での反磁界の影響が小さく、境界が
鮮明な記録磁区が形成されるため低ノイズ化が可能であ
り、しかも比較的ビット体積が大きくても高記録密度化
が可能であることから熱揺らぎ効果にも強く、大きな注
目を集めている。例えば、特開平7−44852号公報
には、CoCrPtTa合金からなる垂直磁性膜と、軟
磁性裏打ち層を有する磁気記録媒体が開示されている。
特開平5−334644号公報には、CoCrTa系合
金にVを添加した合金からなる垂直磁性膜を有する磁気
記録媒体が開示されている。特開平5−343225号
公報には、CoCrTa系合金にBを添加した合金から
なる垂直磁性膜を有する磁気記録媒体が開示されてい
る。特開平11−296833号公報には、2層構造の
垂直磁性膜を有する磁気記録媒体が開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】垂直磁気記録媒体で
は、保磁力や角型比などの磁気特性を得るため、垂直磁
性膜における垂直配向性を高めることが重要である。し
かしながら、従来の磁気記録媒体では、垂直磁性膜の配
向性を高めると、結晶の成長方向が均一となるため、磁
性粒子間の距離が小さくなり、磁性粒子間の交換結合の
影響によってノイズが増加することがあった。本発明
は、上記事情に鑑みてなされたもので、ノイズ特性を向
上させ得る磁気記録媒体、その製造方法、および磁気記
録再生装置を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明の磁気記録媒体
は、非磁性基板上に、少なくとも軟磁性材料からなる軟
磁性下地膜と、直上の膜の配向性を制御する配向制御膜
と、磁化容易軸が基板に対し主に垂直に配向した垂直磁
性膜と、保護膜とが設けられ、垂直磁性膜は、多数の磁
性粒子が粒界層によって隔てられた構造を有し、互いに
隣接する磁性粒子の重心を結ぶ直線上において、これら
磁性粒子間の平均離間距離が1nm以上とされているこ
とを特徴とする。磁性粒子の平均粒径は、4〜12nm
であることが好ましい。本発明の磁気記録媒体は、振動
式磁気特性測定装置を用いて測定した逆磁区核形成磁界
(−Hn)が、0(Oe)以上であることが好ましい。
なお、磁界強度の単位には、4π×10-3(Oe)=1
(A/m)という換算関係がある。この逆磁区核形成磁
界は、70℃において測定された値とするのが好適であ
る。垂直磁性膜は、CoCrPtX系(X:Mo、B、
V、W、Zr、Re、Cu、Ru、Hf、Ir、Yのう
ち1種以上)合金からなり、Xの含有率が0.5〜15
at%である構成が好ましい。本発明では、XがBであ
り、その含有率が10at%以下である構成を採用する
ことができる。垂直磁性膜が、Cr含有率が12〜26
at%、Pt含有率が10〜24at%、X含有率が
0.5〜15at%、残部がCoからなるものである構
成とすることができる。垂直磁性膜は、CoとCrを含
み、磁性粒子中のCr濃度をc1とし、粒界層中のCr
濃度をc2としたときに、c2/c1が1.4以上である
ことが好ましい。粒界層中のCr濃度c2が15at%
以上であることが好ましい。垂直磁性膜は、グラニュラ
ー構造を有する構成とすることができる。配向制御膜と
垂直磁性膜との間に、非磁性中間膜が設けられ、この非
磁性中間膜が、CoCrPtX1系合金(X1はMo、T
a、B、V、W、Zr、Re、Cu、Ru、Hf、I
r、Yのうち1種以上)からなり、Cr含有率が20〜
45at%、Pt含有率が5〜25at%、X1含有率
が0.5〜20at%、残部がCoからなる構成を採用
することができる。Cr含有率は、30〜45at%と
するのが好ましい。本発明の磁気記録媒体は、非磁性中
間膜が、CoとCrを含み、高Cr含有率の結晶粒子が
低Cr含有率の粒界層によって隔てられた構造を有し、
互いに隣接する結晶粒子の重心を結ぶ直線上において、
これら結晶粒子間の平均離間距離が1nm以上とされて
いることが好ましい。結晶粒子の平均粒径は、4〜12
nmであることが好ましい。本発明の磁気記録媒体の製
造方法は、非磁性基板上に、少なくとも軟磁性材料から
なる軟磁性下地膜と、直上の膜の配向性を制御する配向
制御膜と、磁化容易軸が基板に対し主に垂直に配向した
垂直磁性膜と、保護膜とを設ける磁気記録媒体の製造方
法であって、垂直磁性膜を、多数の磁性粒子が粒界層に
よって隔てられた構造を有し、互いに隣接する磁性粒子
の重心を結ぶ直線上においてこれら磁性粒子間の平均離
間距離が1nm以上とされた構成とすることを特徴とす
る。本発明の磁気記録再生装置は、磁気記録媒体と、該
磁気記録媒体に情報を記録再生する磁気ヘッドとを備
え、磁気記録媒体が、非磁性基板上に、少なくとも軟磁
性材料からなる軟磁性下地膜と、直上の膜の配向性を制
御する配向制御膜と、磁化容易軸が基板に対し主に垂直
に配向した垂直磁性膜と、保護膜とが設けられ、垂直磁
性膜が、多数の磁性粒子が粒界層によって隔てられた構
造を有し、互いに隣接する磁性粒子の重心を結ぶ直線上
において、これら磁性粒子間の平均離間距離が1nm以
上とされていることを特徴とする。
【0005】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の磁気記録媒体の
第1の実施形態を示すもので、ここに示す磁気記録媒体
は、非磁性基板1上に、軟磁性下地膜2と、配向制御膜
3と、垂直磁性膜4と、保護膜5と潤滑膜6とが順次形
成されて構成されている。非磁性基板1としては、アル
ミニウム、アルミニウム合金等の金属材料からなる金属
基板を挙げることができ、ガラス、セラミック、シリコ
ン、シリコンカーバイド、カーボンなどの非金属材料か
らなる非金属基板を挙げることもできる。ガラス基板と
しては、アモルファスガラス、結晶化ガラスがあり、ア
モルファスガラスとしては汎用のソーダライムガラス、
アルミノシリケートガラスを挙げることができる。ま
た、結晶化ガラスとしては、例えばリチウム系結晶化ガ
ラスを用いることができる。セラミック基板としては、
汎用の酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、窒化珪素
などを主成分とする焼結体や、これらの繊維強化物など
を挙げることができる。非磁性基板1としては、上記金
属基板、非金属基板の表面にメッキ法やスパッタ法を用
いてNiP膜が形成されたものを用いることもできる。
基板1表面の平均粗さRaは、0.01〜2nm(好ま
しくは0.05〜1.5nm)が好ましい。表面平均粗
さRaが0.01nm未満であると磁気ヘッドの振動が
起こりやすくなり、2nmを越えるとグライド特性が不
充分となりやすい。
【0006】軟磁性下地膜2は、磁気ヘッドから出る磁
束の基板垂直方向成分を大きくするとともに、情報が記
録される垂直磁性膜4の磁化を、より強固に基板1と垂
直な方向に固定するために設けられているものである。
軟磁性下地膜2の材料としては、Coを80at%以上
含有し、Zr、Ta、Nb、Yのうち少なくとも1種以
上の元素を2at%以上含み、アモルファス構造を有す
るCo合金を用いることが好ましい。この材料として
は、CoZr、CoZrNb、CoZrTa、CoZr
Cr、CoNbY系合金などを好適なものとして挙げる
ことができる。また、軟磁性下地膜2の材料としては、
Feを60at%以上含有し、Ta、Zr、Al、S
i、Hfのうちのうち少なくとも1種以上の元素を2a
t%以上含み、飽和磁束密度Bs(T)が0.8(T)
以上である、Fe合金を用いることができる。この材料
としては、FeAlSi、FeTaC、FeAlSiR
uTi、FeHfO,FeTaN、FeZrO系合金な
どを好適なものとして挙げることができる。また、軟磁
性下地膜2の材料としては、Feを60at%以上含有
し、O、N、B、Cのうちのうち少なくとも1種以上の
元素を2at%以上含み、飽和磁束密度Bs(T)が
0.8(T)以上であるFe合金を用いるのができる。
この材料としては、FeN、FeTaC、FeHfO、
FeTaN、FeAlO、FeB、FeZrN系合金な
どの微細結晶構造、あるいは微細な結晶粒子がマトリク
ス中に分散されたグラニュラー構造を有する材料を好適
なものとして挙げることができる。
【0007】軟磁性下地膜2の飽和磁束密度Bsと軟磁
性下地膜2の膜厚tとの積Bs・tは、40T・nm以
上(好ましくは60T・nm以上)であることが好まし
い。このBs・tが上記範囲未満であると、再生波形が
歪みをもつようになるため好ましくない。軟磁性下地膜
2の保磁力Hcは200(Oe)以下(好ましくは50
(Oe)以下)とするのが好ましい。この保磁力Hcが
上記範囲を越えると、軟磁気特性が不十分となり、再生
波形がいわゆる矩形波から歪みをもった波形になるため
好ましくない。また、軟磁性下地膜2の最大透磁率は、
100〜1000000(好ましくは1000〜500
000)とするのが好ましい。最大透磁率が上記範囲未
満であると、記録時に磁気記録媒体への書き込みが不十
分となり、十分な記録再生特性を得られなくなるおそれ
がある。なお、透磁率はCGS単位系で表した値であ
る。
【0008】軟磁性下地膜2の表面形状は、垂直磁性膜
4、保護膜5の表面形状に影響を与えるため、磁気記録
媒体の表面凹凸を小さくして、記録再生時における磁気
ヘッド浮上高さを低くするには、軟磁性下地膜2の表面
平均粗さRaを2nm以下とするのが好ましい。
【0009】配向制御膜3は、直上に設けられた垂直磁
性膜4の配向性や結晶粒径を制御するものであり、この
配向制御膜3は、第1配向制御層3a上に、第2配向制
御層3bを設けた2層構造を有するものであることが好
ましい。第1配向制御層3aの材料としては、NiA
l、FeAl、CoFe、CoZr、NiTi、AlC
o、AlRu、CoTiのうち1種または2種以上の合
金を主成分とするものが使用できる。また、これらの合
金にCr、Nb、V、W、Mo、B、O、N、Ru、N
d等の元素を添加した材料を用いることもできる。上記
2元系合金(NiAl、FeAl、CoFe、CoZ
r、NiTi、AlCo、AlRu、CoTi)を用い
る場合には、この合金を構成する2つの成分の含有率
は、いずれも40〜60at%(好ましくは45〜55
at%)とするのが好ましい。
【0010】第1配向制御層3aの厚さは、0.1〜5
0nm(好ましくは1.5〜30nm)とするのが好適
である。この厚さが上記範囲未満であると、垂直磁性膜
4における垂直配向性が低下し、ノイズ特性および熱揺
らぎ耐性が劣化する。また、この厚さが上記範囲を越え
ると、垂直磁性膜4における垂直配向性が低下し、ノイ
ズ特性および熱揺らぎ耐性が劣化する。なお熱揺らぎ耐
性とは、熱揺らぎによる出力低下の起こりにくさを意味
する。第1配向制御層3aは、bcc構造を有すること
が好ましい。
【0011】第2配向制御層3bは、Ti、Zn、Y、
Zr、Ru、Re、Gd、Tb、Hfのうち1種以上ま
たは2種以上を主成分とする材料からなるものとするの
が好ましい。第2配向制御層3bの厚さは、0.1〜5
0nm(好ましくは2〜25nm)とするのが好適であ
る。この厚さが上記範囲未満であると、垂直磁性膜4に
おける垂直配向性が低下し記録再生特性および熱揺らぎ
耐性が劣化する。この厚さが上記範囲を越えると、第2
配向制御層3bにおいて結晶粒子が粗大化し、垂直磁性
膜4において磁性粒子が粗大化し記録再生特性が悪化す
る。また記録再生時における磁気ヘッドと軟磁性下地膜
2との距離が大きくなり、再生信号の分解能が低下する
ため好ましくない。第2配向制御層3bは、hcp構造
を有することが好ましい。
【0012】なおこの実施形態では、配向制御膜3が、
第1配向制御層3aと第2配向制御層3bからなるもの
としたが、配向制御膜3は、第1配向制御層3aまたは
第2配向制御層3bからなる単層構造としてもよい。
【0013】垂直磁性膜4は、磁化容易軸が基板に対し
主に垂直に配向した磁性膜である。垂直磁性膜4の材料
としては、CoCr系、CoCrPt系、CoCrTa
系などを挙げることができる。なかでも特に、CoCr
PtX系(X:Mo、B、V、W、Zr、Re、Cu、
Ru、Hf、Ir、Yのうち1種以上)合金からなる磁
性材料を用いるのが好ましい。Xの含有率は0.5〜1
5at%(好ましくは2〜10at%)とするのが好適
である。Xの含有率が上記範囲未満であると、磁性粒子
7間の離間距離が小さくなりノイズ増加を招き、上記範
囲を越えると、保磁力が低下する。上記Xとしては、ノ
イズ特性の点からBが好適である。特にB含有率を10
at%以下としたときに優れたノイズ特性が得られる。
垂直磁性膜4の材料には、Cr含有率が12〜26at
%、Pt含有率が10〜24at%、X含有率が0.5
〜15at%、残部がCoからなるCoCrPtX系合
金を用いるのが好適である。
【0014】垂直磁性膜4には、CoCr系、CoCr
Pt系、CoCrTa系、CoCrPtX系(Xの含有
率は好ましくは0.5〜15at%(さらに好ましくは
2〜10at%))の合金等の磁性材料に、磁性粒子の
分離材としてAg、Ti、Ru、C等の非磁性金属やそ
の化合物などの非磁性材料を添加した材料を用いること
もできる。また磁性粒子の分離剤としては、酸化物、窒
化物、フッ化物、炭化物を用いることができる。具体的
には、SiO2、SiO、Si34、Al23、Al
N、TiO、TiO2、TiN、BN、CaF2、TiC
などを例示することができる。
【0015】垂直磁性膜4は、その組成によっては、T
aを含有させると保磁力が低下することがあるため、T
aを含有させない構成も可能である。
【0016】図2に示すように、垂直磁性膜4は、多数
の磁性粒子7が粒界層8によって隔てられた構造を有す
る。磁性粒子7は、上記垂直磁性膜4の材料として示し
た材料、例えばCoCrPtX系合金からなるものであ
る。磁性粒子7中のCr濃度c1は、例えば8〜15a
t%とすることができる。磁性粒子7の平均粒径は、4
〜12nmであることが好ましい。この平均粒径が上記
範囲未満であると、磁気余効の影響が大きくなり過ぎ、
上記範囲を越えると、ノイズ特性が低下するため好まし
くない。
【0017】平均粒径は、次のようにして算出すること
ができる。磁性粒子7と同一面積を有する円を想定し、
この円の粒径をその磁性粒子7の粒径とする。同様の手
順で複数の磁性粒子7について粒径を求め、これら複数
の磁性粒子7の粒径を平均し、平均粒径とする。平均粒
径を求めるにあたって、粒径測定の対象となる磁性粒子
7の数は、100以上(好ましくは500以上)とする
のが好適である。この対象磁性粒子数が上記範囲未満で
あると、データの信頼性が低下する。
【0018】粒界層8は、上記磁性粒子7と同じ構成元
素、例えばCoCrPtX系合金からなるものとされる
が、その組成が磁性粒子7の組成と異なり、Crの濃度
c2が、磁性粒子7中のCr濃度c1より高くなる構成と
するのが好ましい。上記粒界層8中のCr濃度c2は、
15at%以上とするのが好ましい。このCr濃度c2
が15at%未満であると、磁性粒子7どうしの交換相
互作用が増大し、ノイズ特性低下を招く。
【0019】 粒界層8のCr濃度c2は、磁性粒子7
中のCr濃度c1に対する割合、すなわちc2/c1が
1.4以上、好ましくは1.4〜3.0となる値とする
のが望ましい。この割合が1.4未満であると、粒界層
8中の磁性元素の相対的な濃度が高まり、粒界層8が磁
化されやすくなり、磁性粒子7どうしの交換相互作用が
増大し、ノイズ特性低下を招くおそれがある。
【0020】本実施形態の磁気記録媒体において、磁性
粒子7の平均離間距離、すなわち図2に示す平均離間距
離Aは、1nm以上(好ましくは1.5nm以上)とさ
れる。この離間距離Aが1nm未満であると、磁性粒子
7間の交換相互作用が大きくなり、ノイズ特性低下を招
くおそれがある。この離間距離Aは、磁性粒子7の平均
粒径の2分の1以下であることが好ましい。この離間距
離Aが上記範囲を越えると、単位体積あたりの磁化が小
さくなり、保磁力が低下する。
【0021】以下、垂直磁性膜4の表面付近における結
晶構造を示す写真(TEMなどによるもの)に基づいて
磁性粒子7間の平均離間距離Aを算出する手順につい
て、図2を参照して説明する。 (1)磁性粒子7のうち、特定のもの(符号7aで示す
特定磁性粒子)と、この特定磁性粒子7aに隣接する隣
接磁性粒子7bについて重心を求める。 (2)特定磁性粒子7aの重心7cと隣接磁性粒子7b
の重心7dとを結ぶ直線を引き、これら直線上におい
て、特定磁性粒子7aと隣接磁性粒子7bとの離間距離
a1〜a6を測定する。 (3)これら重心間の直線上の離間距離a1〜a6の平
均値を算出する。 (4)複数の磁性粒子7について、(1)〜(3)の手
順で離間距離の平均値を求め、これら複数の磁性粒子7
(特定磁性粒子7a)の離間距離平均値をさらに平均
し、上記平均離間距離Aとする。この手順(4)におい
て、離間距離測定の対象となる磁性粒子7の数は、10
0以上(好ましくは500以上)とするのが好適であ
る。この対象磁性粒子数が上記範囲未満であると、デー
タの信頼性が低下する。上記説明において、「磁性粒子
7bが磁性粒子7aに隣接する」とは、これら磁性粒子
7a、7bの重心7cと重心7dを結ぶ直線上に、他の
粒子が存在しない状態にあることをいう。すなわち重心
どうしを結ぶ直線上に他の粒子が存在しない位置関係に
ある粒子どうしを、隣接するとみなす。
【0022】垂直磁性膜4の厚さは、3〜100nm
(好ましくは5〜50nm)とするのが好適である。垂
直磁性膜4の厚さが上記範囲未満であると、十分な磁束
が得られず、再生出力が低下する。また、垂直磁性膜4
の厚さが上記範囲を越えると、垂直磁性膜4内の磁性粒
子の粗大化が起き、記録再生特性が低下するため好まし
くない。
【0023】垂直磁性膜4の保磁力は、3000(O
e)以上とすることが好ましい。保磁力が3000(O
e)より小さい場合には、高密度記録が難しく、熱揺ら
ぎ耐性にも劣るため好ましくない。
【0024】この磁気記録媒体では、逆磁区核形成磁界
(−Hn)が0(Oe)以上(好ましくは500(O
e)以上)であることが好ましい。逆磁区核形成磁界
(−Hn)が上記範囲未満であると、熱揺らぎ耐性が低
下する。逆磁区核形成磁界(−Hn)の測定には、軟磁
性下地膜2の影響を除くため、基板1、配向制御膜3、
垂直磁性膜4、保護膜5のみからなるディスクを用い、
このディスクについて振動式磁気特性測定装置を用いて
測定を行うのが好適である。また磁気記録媒体をそのま
ま用いて逆磁区核形成磁界を測定することもできる。
【0025】図3に示すように、逆磁区核形成磁界(−
Hn)とは、履歴曲線(MH曲線)において、磁化が飽
和した状態から外部磁場を減少させる過程で、外部磁場
が0となる点aから磁化反転を起こす点bまでの距離
(Oe)で表すことができる。この逆磁区核形成磁界
(−Hn)は、70℃の条件で測定されたときに、上記
範囲となることが好ましい。これは、この磁気記録媒体
を磁気記録再生装置に使用したときに、通常の使用条件
下において磁気記録媒体がさらされる温度が70℃以下
であることから、70℃の条件下での逆磁区核形成磁界
(−Hn)が上記範囲であれば、十分な熱揺らぎ耐性を
示すと考えられるためである。なお、逆磁区核形成磁界
(−Hn)は、図3に示すように、磁化反転を起こす点
bが、外部磁場がマイナスとなる領域にある場合にプラ
スの値をとり、逆に、点bが、外部磁場がプラスとなる
領域にある場合にマイナスの値をとる。
【0026】なお、垂直磁性膜は、組成、構造が異なる
層を2層以上重ね合わせたものとしてもよい。例えば、
垂直磁性膜は、複数の磁性層と各磁性層間に設けられた
中間層とからなり、中間層の結晶構造がB2構造または
hcp構造である構成を用いることができる。各磁性層
の組成、構造は互いに同じものとしてもよいし、異なる
ものとしてもよい。中間膜の材料としては限定されるも
のではないが、格子の整合性を考慮すると、Ru、Ru
にCo、Cr、Fe、Ni、C、O、N、Si、B等を
添加した合金や、CoCrにFe、Ni、Ru、Pt、
Ta、C、O、N、Si、B等を添加した合金を用いる
のが特に好ましい。
【0027】保護膜5は垂直磁性膜4の腐食を防ぐとと
もに、磁気ヘッドが媒体に接触したときに媒体表面の損
傷を防ぐためのもので、従来公知の材料を使用でき、例
えばC、SiO2、ZrO2を含むものが使用可能であ
る。保護膜5の厚さは、1〜10nmとするのが望まし
い。潤滑剤6には、パーフルオロポリエーテル、フッ素
化アルコール、フッ素化カルボン酸などを用いるのが好
ましい。
【0028】上記構成の磁気記録媒体を製造するには、
前述した組成を有する材料を用いて、基板1上に、軟磁
性下地膜2、配向制御膜3、垂直磁性膜4を順次、スパ
ッタリング、真空蒸着、イオンプレーティングなどによ
り形成する。次いで保護膜5を、好ましくはプラズマC
VD法、イオンビーム法、スパッタリング法により形成
する。潤滑剤6を形成するには、ディッピング法、スピ
ンコート法などの従来公知の方法を採用することができ
る。
【0029】上記構成の磁気記録媒体にあっては、垂直
磁性膜4が、多数の磁性粒子7が粒界層8によって隔て
られた構造を有し、互いに隣接する磁性粒子7の重心を
結ぶ直線上において、これら磁性粒子7間の平均離間距
離Aが1nm以上とされているので、磁性粒子7どうし
の交換相互作用を小さくし、ノイズ特性を向上させるこ
とができる。
【0030】さらに、垂直磁性膜4が、CoCrPtX
系(X:Mo、B、V、W、Zr、Re、Cu、Ru、
Hf、Ir、Yのうち1種以上)合金からなり、Xの含
有率が0.5〜15at%である構成を用いることによ
って、粒界層8へのCr偏析を促し、磁性粒子7と粒界
層8の間のCr濃度比c2/c1を高くすることができ
る。これによって、磁性粒子7内の保磁力を高めるとと
もに、磁性粒子7間の交換結合を抑制することができ
る。従って、再生出力を向上させるとともに、ノイズ低
減を図り、優れたノイズ特性を得ることができる。
【0031】図4は本発明の磁気記録媒体の第2の実施
形態を示すもので、ここに示す磁気記録媒体では、配向
制御膜3と垂直磁性膜4との間に、非磁性中間膜9が設
けられている。非磁性中間膜9には、非磁性のCoCr
合金、特にCoCrPtX1系合金(X1はMo、Ta、
B、V、W、Zr、Re、Cu、Ru、Hf、Ir、Y
のうち1種以上)を用いるのが好ましい。CoCrPt
X1系合金としては、Cr含有率が20〜45at%
(好ましくは30〜45at%)、Pt含有率が5〜2
5at%、X1含有率が0.5〜20at%、残部がC
oからなるものを用いるのが好ましい。
【0032】非磁性中間膜9は、CoCr系合金からな
り、高Cr含有率の結晶粒子が低Cr含有率の粒界層に
よって隔てられた構造を有し、結晶粒子間の平均離間距
離が1nm以上である構成とするのが好ましい。この平
均離間距離が上記範囲未満であると、垂直磁性膜4にお
ける磁性粒子7間の離間距離が小さくなり、ノイズ特性
が低下しやすくなる。この平均離間距離は、垂直磁性膜
4の磁性粒子7の離間距離と同様に、互いに隣接する結
晶粒子の重心を結ぶ直線上において、これら結晶粒子間
の離間距離の平均値として算出することができる。また
結晶粒子の平均粒径は4〜12nmであることが好まし
い。この平均粒径が上記範囲未満であると磁気余効の影
響が大きくなり、上記範囲を越えると、ノイズ特性が低
下するため好ましくない。平均粒径は、垂直磁性膜4の
磁性粒子7と同様に、複数の結晶粒子について、同一面
積を有する円の粒径を求め、これらを平均して得ること
ができる。粒子間の平均離間距離、平均粒径を求めるに
あたって、対象となる結晶粒子の数は、データの信頼性
の点から、100以上(好ましくは500以上)とする
のが好適である。非磁性中間膜9の厚さは、垂直磁性膜
4における磁性粒子の粗大化による記録再生特性の悪化
や、磁気ヘッドと軟磁性下地膜2との距離が大きくなる
ことによる記録分解能の低下が起こらないようにするた
めに、20nm以下(好ましくは10nm以下)とする
のが好ましい。本実施形態の磁気記録媒体においては、
非磁性中間膜9を設けることによって、垂直磁性膜4の
垂直配向性を高めることができるため、垂直磁性膜4の
保磁力Hcを高め、記録再生特性および熱揺らぎ耐性を
さらに向上させることができる。
【0033】図5に示すように、配向制御膜は、2層構
造に限らず、単一の材料からなる単層構造とすることも
できる。この場合、配向制御膜23には、Ti、Zn、
Y、Zr、Ru、Re、Gd、Tb、Hfのうち1種以
上または2種以上を主成分とする材料を用いることが好
ましい。なかでも特にRuを用いると、垂直磁性膜4の
垂直配向性を高めることができるのが好ましい。この材
料としては、垂直磁性膜に対する格子の整合性を考慮し
て、これらの材料にCo、Cr、Fe、Ni等を添加し
た合金を用いることができる。またこの材料としては、
結晶粒子を微細化するため、これらの材料にC、O、
N、Si、Bを添加した合金を用いることもできる。配
向制御膜23には、上記第1配向制御層3aと第2配向
制御層3bのうちいずれかの構成を採用することもでき
る。配向制御膜23の厚さは、0.1〜50nm(好ま
しくは1〜25nm、より好ましくは2〜25nm)と
するのが好適である。この厚さが上記範囲未満である
と、垂直磁性膜4における垂直配向性が低下し記録再生
特性および熱揺らぎ耐性が劣化する。またこの厚さが上
記範囲を越えると、結晶粒子が粗大化し、垂直磁性膜4
において結晶粒子が粗大化し記録再生特性が悪化する。
また記録再生時における、磁気ヘッドと軟磁性下地膜2
との距離が大きくなるため、再生信号の分解能が低下す
るため好ましくない。
【0034】図6は、上記磁気記録媒体を用いた磁気記
録再生装置の例を示すものである。ここに示す磁気記録
再生装置は、磁気記録媒体10と、磁気記録媒体10を
回転駆動させる媒体駆動部11と、磁気記録媒体10に
情報を記録再生する磁気ヘッド12と、ヘッド駆動部1
3と、記録再生信号処理系14とを備えている。記録再
生信号処理系14は、入力されたデータを処理して記録
信号を磁気ヘッド12に送ったり、磁気ヘッド12から
の再生信号を処理してデータを出力することができるよ
うになっている。磁気ヘッド12としては、MR素子や
GMR素子を有する複合型薄膜磁気ヘッドを用いること
もできるし、垂直記録用の単磁極ヘッドを用いることも
できる。
【0035】上記磁気記録再生装置によれば、上記磁気
記録媒体10を用いるので、ノイズ特性を高め、高記録
密度化を図ることができる。なお、本明細書において、
主成分とは当該成分を50at%を越えて含むことを指
す。
【0036】
【実施例】以下、実施例を示して本発明の作用効果を明
確にする。 (試験例1)洗浄済みのガラス基板1(オハラ社製、外
径65mm、厚さ0.635mm)をDCマグネトロン
スパッタ装置(アネルバ社製C−3010)のチャンバ
内に収容して、到達真空度1×10-5Paとなるまでチ
ャンバ内を排気した後、このガラス基板1上に89at
%Co−4at%Zr−7at%Nb(89Co4Zr
7Nb)からなるターゲットを用いて、100℃以下の
条件で、89Co4Zr7Nbからなる軟磁性下地膜2
(厚さ250nm)をスパッタリングにより形成した。
次いで、210℃の条件で、軟磁性下地膜2上に50a
t%−Ni50at%Alからなる第1配向制御層(厚
さ20nm)と、60at%Ru−40at%Coから
なる第2配向制御層(厚さ20nm)からなる配向制御
膜3を形成した。次いで、65at%Co−20at%
Cr−15at%Ptからなる垂直磁性膜4(厚さ20
nm)を形成した。次いで、CVD法により厚さ6nm
のDLC(ダイアモンドライクカーボン)からなる保護
膜5を形成した。次いで、パーフルオロポリエーテルか
らなる潤滑膜6(厚さ2nm)をディップコーティング
法により形成し、磁気記録媒体を得た。
【0037】(試験例2、3)垂直磁性膜4を、それぞ
れ73Co12Cr15Pt、58Co24Cr18P
tからなるものとすること以外は試験例1と同様にして
磁気記録媒体を得た。
【0038】(試験例4〜13)垂直磁性膜4に、Co
CrPtX((65−x)at%Co−20at%Cr
−15at%Pt−xat%X)を用いたこと以外は試
験例1と同様にして磁気記録媒体を得た。
【0039】上記試験例1〜13の磁気記録媒体につい
て、垂直磁性膜4をTEMを用いて基板1に平行な面に
ついて観察した結果、垂直磁性膜4は、多数の磁性粒子
7と、これらを隔てる粒界層8とを有する構造となって
いた。磁性粒子7の平均粒径(磁性粒子径)および磁性
粒子7間の平均離間距離(粒界層8の厚さ)を求めた結
果を表1に示す。また電解放射型透視電子顕微鏡を用い
て測定した粒界層8のCr濃度c2と磁性粒子7のCr
濃度c1に対する割合c2/c1を表1に示す。また上記
磁気記録媒体の磁気特性を振動式磁気特性装置(VS
M)を用いて、保磁力Hcおよび逆磁区核形成磁界(−
Hn)について測定した。また、これら磁気記録媒体の
記録再生特性をGUZIK社製リードライトアナライザ
RWA1632、およびスピンスタンドS1701MP
を用いて測定した。記録再生特性の評価には、再生部に
巨大磁気抵抗(GMR)素子を有する複合型薄膜磁気ヘ
ッドを用い、線記録密度600kFCIとして測定を行
った。またLFTAAは、50kFCIで再生を行った
際の出力を示し、SNRは600kFCIでの記録にお
けるノイズと50kFCIでの再生出力の比を示す。ま
た、熱揺らぎ耐性の評価では、基板を70℃に加熱して
線記録密度50kFCIにて書き込みをおこなった後、
書き込み後1秒後の再生出力に対する出力の低下率(%
/decade)を、(So−S)×100/(So×
3)に基づいて算出した。この式において、Soは磁気
記録媒体に信号記録後1秒経過時の再生出力を示し、S
は1000秒後の再生出力を示す。試験結果を表1に示
す。
【0040】(試験例14〜29)垂直磁性膜4に表2
〜4に示す材料を用いること以外は試験例1と同様にし
て磁気記録媒体を得た。試験例1〜13と同様に、磁性
粒子径、粒子間の離間距離、磁気特性、記録再生特性、
熱揺らぎ耐性を評価した結果を表2〜4に示す。
【0041】(試験例30〜52)配向制御膜3と垂直
磁性膜4との間に非磁性中間膜9を形成して磁気記録媒
体を作製した。試験例1〜13と同様に、磁性粒子径、
粒子間の離間距離、磁気特性、記録再生特性、熱揺らぎ
耐性を評価した結果を表5に示す。
【0042】
【表1】
【0043】
【表2】
【0044】
【表3】
【0045】
【表4】
【0046】
【表5】
【0047】表1〜5より、垂直磁性膜4にCoCrP
tX系(X:Mo、B、V、W、Zr、Re、Cu、R
u、Hf、Ir、Yのうち1種以上)合金を用いた磁気
記録媒体は、磁性粒子7の離間距離が大きく、Cr濃度
比c2/c1も1.4以上となり、さらに逆磁区核形成磁
界(−Hn)が大きくなり、熱揺らぎ耐性が大幅に向上
することがわかる。また配向制御膜3と垂直磁性膜4と
の間に、CoCrPtX1系合金(X1はMo、Ta、
B、V、W、Zr、Re、Cu、Ru、Hf、Ir、Y
のうち1種以上、Cr含有率が20at%以上)を用い
た場合でも、同様の効果が得られた。
【0048】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の磁気記録
媒体にあっては、垂直磁性膜が、多数の磁性粒子が粒界
層によって隔てられた構造を有し、互いに隣接する磁性
粒子の重心を結ぶ直線上において、これら磁性粒子間の
平均離間距離が1nm以上とされているので、磁性粒子
どうしの交換相互作用を小さくし、ノイズ特性を向上さ
せることができる。また垂直磁性膜が、CoCrPtX
系(X:Mo、B、V、W、Zr、Re、Cu、Ru、
Hf、Ir、Yのうち1種以上)合金からなり、Xの含
有率が0.5〜15at%である構成を採用することに
よって、粒界層へのCr偏析を促し、磁性粒子と粒界層
の間のCr濃度比を高くすることができる。これによっ
て、磁性粒子内の保磁力を高めるとともに、磁性粒子間
の交換結合を抑制することができる。従って、再生出力
を向上させるとともに、ノイズ低減を図り、優れたノイ
ズ特性を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の磁気記録媒体の第1の実施形態を
示す一部断面図である。
【図2】 図1に示す磁気記録媒体の結晶構造を示す
図である。
【図3】 図1に示す磁気記録媒体に係る履歴曲線で
ある。
【図4】 本発明の磁気記録媒体の第2の実施形態を
示す一部断面図である。
【図5】 本発明の磁気記録媒体の第3の実施形態を
示す一部断面図である。
【図6】 本発明の磁気記録再生装置の一例を示す概
略図である。
【符号の説明】
1…非磁性基板、2…軟磁性下地膜、3、23…配向制
御膜、4…垂直磁性膜、5…保護膜、6…潤滑膜、7、
7a、7b・・・磁性粒子、7c、7d・・・重心、8…粒界
層、9…非磁性中間膜、10…磁気記録媒体、12…磁
気ヘッド
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01F 10/16 H01F 10/16 10/30 10/30 (72)発明者 坂脇 彰 千葉県市原市八幡海岸通5番の1 昭和電 工エイチ・ディー株式会社内 (72)発明者 酒井 浩志 千葉県市原市八幡海岸通5番の1 昭和電 工エイチ・ディー株式会社内 (72)発明者 彦坂 和志 神奈川県川崎市幸区柳町70番地 株式会社 東芝柳町工場内 (72)発明者 及川 壮一 神奈川県川崎市幸区柳町70番地 株式会社 東芝柳町工場内 Fターム(参考) 5D006 BB02 BB07 CB01 DA03 DA08 EA03 5D112 AA03 AA05 AA24 BB05 BB06 BD04 FA04 5E049 AA04 AA09 BA06 CB02 DB12

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非磁性基板上に、少なくとも軟磁性材
    料からなる軟磁性下地膜と、直上の膜の配向性を制御す
    る配向制御膜と、磁化容易軸が基板に対し主に垂直に配
    向した垂直磁性膜と、保護膜とが設けられ、 垂直磁性膜は、多数の磁性粒子が粒界層によって隔てら
    れた構造を有し、互いに隣接する磁性粒子の重心を結ぶ
    直線上において、これら磁性粒子間の平均離間距離が1
    nm以上とされていることを特徴とする磁気記録媒体。
  2. 【請求項2】 磁性粒子の平均粒径が4〜12nmで
    あることを特徴とする請求項1記載の磁気記録媒体。
  3. 【請求項3】 振動式磁気特性測定装置を用いて測定
    した逆磁区核形成磁界が0(Oe)以上であることを特
    徴とする請求項1または2記載の磁気記録媒体。
  4. 【請求項4】 逆磁区核形成磁界が、70℃において
    測定された値であることを特徴とする請求項3記載の磁
    気記録媒体。
  5. 【請求項5】 垂直磁性膜が、CoCrPtX系
    (X:Mo、B、V、W、Zr、Re、Cu、Ru、H
    f、Ir、Yのうち1種以上)合金からなり、Xの含有
    率が0.5〜15at%であることを特徴とする請求項
    1〜4のうちいずれか1項記載の磁気記録媒体。
  6. 【請求項6】 XはBであり、その含有率が10at
    %以下であることを特徴とする請求項5記載の磁気記録
    媒体。
  7. 【請求項7】 垂直磁性膜は、Cr含有率が12〜2
    6at%、Pt含有率が10〜24at%、X含有率が
    0.5〜15at%、残部がCoからなることを特徴と
    する請求項5または6記載の磁気記録媒体。
  8. 【請求項8】 垂直磁性膜は、CoとCrを含み、磁
    性粒子中のCr濃度をc1とし、粒界層中のCr濃度を
    c2としたときに、c2/c1が1.4以上であることを
    特徴とする請求項1〜7のうちいずれか1項記載の磁気
    記録媒体。
  9. 【請求項9】 粒界層中のCr濃度c2が15at%以
    上であることを特徴とする請求項8記載の磁気記録媒
    体。
  10. 【請求項10】 垂直磁性膜は、グラニュラー構造を
    有することを特徴とする請求項1〜9のうちいずれか1
    項記載の磁気記録媒体。
  11. 【請求項11】 配向制御膜と垂直磁性膜との間に非
    磁性中間膜が設けられ、この非磁性中間膜が、CoCr
    PtX1系合金(X1はMo、Ta、B、V、W、Zr、
    Re、Cu、Ru、Hf、Ir、Yのうち1種以上)か
    らなり、Cr含有率が20〜45at%、Pt含有率が
    5〜25at%、X1含有率が0.5〜20at%、残
    部がCoからなることを特徴とする請求項1〜10のう
    ちいずれか1項記載の磁気記録媒体。
  12. 【請求項12】 Cr含有率が30〜45at%であ
    ることを特徴とする請求項11記載の磁気記録媒体。
  13. 【請求項13】 非磁性中間膜が、CoとCrを含
    み、高Cr含有率の結晶粒子が低Cr含有率の粒界層に
    よって隔てられた構造を有し、互いに隣接する結晶粒子
    の重心を結ぶ直線上において、これら結晶粒子間の平均
    離間距離が1nm以上とされていることを特徴とする請
    求項11または12記載の磁気記録媒体。
  14. 【請求項14】 結晶粒子の平均粒径が4〜12nm
    であることを特徴とする請求項13記載の磁気記録媒
    体。
  15. 【請求項15】 非磁性基板上に、少なくとも軟磁性
    材料からなる軟磁性下地膜と、直上の膜の配向性を制御
    する配向制御膜と、磁化容易軸が基板に対し主に垂直に
    配向した垂直磁性膜と、保護膜とを設ける磁気記録媒体
    の製造方法であって、 垂直磁性膜を、多数の磁性粒子が粒界層によって隔てら
    れた構造を有し、互いに隣接する磁性粒子の重心を結ぶ
    直線上においてこれら磁性粒子間の平均離間距離が1n
    m以上とされた構成とすることを特徴とする磁気記録媒
    体の製造方法。
  16. 【請求項16】 磁気記録媒体と、該磁気記録媒体に
    情報を記録再生する磁気ヘッドとを備えた磁気記録再生
    装置であって、 磁気記録媒体は、非磁性基板上に、少なくとも軟磁性材
    料からなる軟磁性下地膜と、直上の膜の配向性を制御す
    る配向制御膜と、磁化容易軸が基板に対し主に垂直に配
    向した垂直磁性膜と、保護膜とが設けられ、 垂直磁性膜は、多数の磁性粒子が粒界層によって隔てら
    れた構造を有し、互いに隣接する磁性粒子の重心を結ぶ
    直線上において、これら磁性粒子間の平均離間距離が1
    nm以上とされていることを特徴とする磁気記録再生装
    置。
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