JP3962415B2 - 磁気記録媒体および磁気記録再生装置 - Google Patents

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本発明は、表面にテキスチャー条痕を有する磁気ディスク用非磁性基板上に、配向調整層、非磁性下地層、非磁性中間層、磁性層および保護層が順次積層された磁気記録媒体、およびその磁気記録媒体への磁気信号の記録再生を行う磁気記録再生装置に関するものである。
磁気記録再生装置の1種であるハ−ドディスク装置(HDD)は、現在その記録密度が年率60%で増えており今後もその傾向は続くと言われている。それに伴い高記録密度に適した磁気記録用ヘッドの開発、磁気記録媒体の開発が進められている。
ハ−ドディスク装置に用いられる磁気記録媒体は、高記録密度化が要求されており、これに伴い保磁力の向上、SNR(信号/ノイズ比)の向上などが求められている。
ハ−ドディスク装置に用いられる磁気記録媒体としては、磁気記録媒体用の基板にスパッタリング法により金属膜を積層した構造が主流となっている。磁気記録媒体に用いられる基板としては、アルミニウム基板とガラス基板が広く用いられている。アルミニウム基板とは鏡面研磨したAl−Mg合金の基板上にNi−P系合金層を無電解メッキで10μm程度の厚さに形成し、その表面を更に鏡面仕上げしたものである。ガラス基板にはアモルファスガラスや結晶化ガラスなどの種類がある。どちらのガラス基板も鏡面仕上げしたものが用いられる。
現在一般的に用いられているハ−ドディスク装置用磁気記録媒体は、非磁性基板上に非磁性下地層(Cr、Cr系合金、Ni−Al系合金、等)、非磁性中間層(Co−Cr、Co−Cr−Ta系合金、等)、磁性層(Co−Cr−Pt−Ta、Co−Cr−Pt−B系合金、等)、保護膜(カ−ボン等)が順次成膜されており、その上に液体潤滑剤からなる潤滑膜が形成されている。
磁気記録媒体の保磁力を向上させる方法としてはいくつかの方法があるが、たとえば磁性層がCoを主成分とする合金系の場合にPtを添加することが有効であり、すでに多数の報告がある。また非磁性下地としてCrMn系合金を用いることなども提案されている(特許文献1参照)。
米国特許第5993956号公報
磁気記録媒体の静磁気特性としては、前記の保磁力の向上とともに、円周方向を磁化容易軸とする磁気異方性を付与し高めることも、記録特性向上、媒体特性の均質化などに有効である。そのため、現在、アルミニウム合金にNi−P系合金層をメッキした基板(アルミ基板ともいう)を用いた磁気記録媒体は、Ni−P系合金表面に機械的に微細な溝を円周方向に入れるテクスチャー加工を施すことにより、円周方向を容易軸とする磁気異方性を発現させることが一般に知られている(非特許文献1、2参照)。
IEEE Trans on Mag.Vol.Mag−22、No.5(1986)、379 日本応用磁気学会誌 Vol.17、No.5(1993)784
一方、非磁性基板として、例えばガラス基板は耐衝撃性にすぐれた剛性を有し、かつ優れた平坦性を有するので、高記録密度に適した非磁性基板といえる。非磁性基板にガラスを用いた磁気記録媒体に円周方向の磁気異方性を付与することができれば、優れた記録再生特性が得られることが期待される。
ガラス基板にテクスチャー加工を施し、テクスチャー条痕を形成する方法はいくつか知られている。例えば、微細且つ均一なテクスチャー条痕を形成するために、水酸基を有する溶液を含有した砥粒懸濁液とプラスチック繊維からなる織布テープを用いることが提案されている(特許文献2参照)。
特許第3117438号公報
また、微細且つ均一なテクスチャー条痕を形成するために、ダイアモンド砥粒とCeO2砥粒を一緒に用いることが提案されている。
しかし、ガラス基板はテクスチャー条痕を形成しただけでは円周方向に充分な磁気異方性を付与することは難しい。そのため、ライン状テクスチャーが表面に形成されたガラス基板に、円周方向の磁気異方性を付与するため、スパッタ法によりプリコート層を形成させること(特許文献3参照)、NiとPとを少なくとも含むアモルファス層を形成させること(特許文献4参照)、Co−W系合金、Co−Mo系合金などの配向調整層を形成させること(特許文献5参照)などが提案されている。
特開平4−205916号公報 特開2001−209927号公報 特開2004−86936号公報
前述のように、テクスチャー条痕が形成されたガラス基板で、磁気異方性を付与する方法が、すでにいくつか提案されているが、一般にアルミ基板を用いた場合に比べると、その異方性の程度は小さい。またガラス基板のみならずアルミ基板を用いた場合でも、更なる異方性の向上が求められている。
この発明は上記に鑑み提案されたもので、高密度記録に適した、磁気異方性が高く、記録特性に優れる磁気記録媒体および磁気記録再生装置を提供することを目的としている。
(1)上記目的を達成するために、第1の発明は、表面にテキスチャー条痕を有する磁気ディスク用非磁性基板上に、配向調整層、非磁性下地層、非磁性中間層、磁性層および保護層が順次積層された磁気記録媒体において、上記配向調整層は、Co−W系合金、Co−Mo系合金、Co−Ta系合金、Co−Nb系合金、Ni−Ta系合金、Ni−Nb系合金、Fe−W系合金、Fe−Mo系合金、Fe−Nb系合金の中から選択される少なくとも1つの合金からなり、上記配向調整層の膜厚は1nm〜30nmの範囲内であり、上記非磁性下地層は、少なくともCr−Mn系合金からなる層とその上に形成されたCr−Mo系合金からなる層を含み、上記非磁性下地層の合計の膜厚は0.5nm〜15nmの範囲内であり、上記Cr−Mn系合金からなる層のMn含有量は、5〜40at%の範囲であり、上記非磁性中間層は、Coを主成分とするCo−Cr系合金からなり、膜厚は0.5nm〜3nmの範囲内であり、上記磁性層は、Cr含有量が8at%〜28at%、Pt含有量が8at%〜18at%のCo−Cr−Pt合金からなり、膜厚は10〜30nmの範囲内であり、且つ円周方向を容易軸とする磁気異方性を有し、残留磁化量の磁気異方性指数(円周方向の残留磁化量/半径方向の残留磁化量)が1.3以上である、ことを特徴としている。
(2)第2の発明は、上記した(1)項に記載の発明の構成に加えて、上記Cr−Mn系合金が、Mo,W,V,Tiからなる群から選ばれた何れか1種以上を含む、ことを特徴としている。
(3)第3の発明は、上記した(1)項記載の発明の構成に加えて、上記Cr−Mn系合金が、Cr−Mn−Mo合金である、ことを特徴としている。
(4)第4の発明は、上記した(1)項から(3)項の何れか1項に記載の発明の構成に加えて、上記非磁性下地層がBを含む、ことを特徴としている。
(5)第5の発明は、上記した(1)項から(4)項の何れか1項に記載の発明の構成に加えて、上記非磁性基板はアモルファルガラスまたは結晶化ガラスからなる、ことを特徴としている。
(6)第6の発明は、上記した(1)項から()項の何れか1項に記載の発明の構成に加えて、上記非磁性基板は単結晶Siまたは多結晶Siからなる、ことを特徴としている。
(7)第7の発明は、磁気記録再生装置であって、上記した(1)項から(6)項の何れか1項に記載の磁気記録媒体と、該磁気記録媒体に情報を記録再生する磁気ヘッドを備えたことを特徴としている。
本発明の磁気記録媒体は、表面にテキスチャー条痕を有する磁気ディスク用非磁性基板上に、配向調整層、非磁性下地層、非磁性中間層、磁性層および保護層が順次積層され、該非磁性下地層が少なくともCr−Mn系合金からなる層を含む構成であることを特徴とし、この特定の構成により、周方向を容易軸とする強い磁気異方性が発現し、磁気記録媒体の特性を向上させることができる。その結果、高記録密度に適した、磁気異方性が高く、記録特性に優れる磁気記録媒体および磁気記録再生装置を得ることができる。
本発明の磁気記録媒体は、表面にテキスチャー条痕を有する磁気ディスク用非磁性基板上に、配向調整層、非磁性下地層、非磁性中間層、磁性層および保護層が順次積層された磁気記録媒体において、該非磁性下地層が少なくともCr−Mn系合金からなる層を含む構成をもち、磁性層が円周方向を容易軸とする磁気異方性を有することを特徴とする。
図1は本発明の磁気記録媒体の一実施形態を模式的に示す図である。1は非磁性基板、2は配向調整層、3は非磁性下地層、4は非磁性中間層、5は磁性層、6は保護層を示す。1〜6の各層は単層構成に限定されるものではなく、必要に応じて複数の層からなる積層構造であってもよい。
非磁性基板1としては、前述のアルミ基板のようにアルミニウム合金にNi−P系合金層をメッキした非磁性の金属で構成される基板、アモルファスガラスや結晶化ガラス、単結晶Siまたは多結晶Siからなる非磁性の非金属材料で構成される基板が用いられる。アモルファスガラスの場合は、汎用のソーダライムガラス、アルミノほう珪酸ガラス、アルミノシリケートガラスなどが使用できる。また結晶化ガラスとしては、リチウム系結晶化ガラスを用いることができる。中でも特に、硬度などの物性が均一なアモルファスガラスを用いると、表面に均一なテクスチャ加工を施すことができるため好ましい。
非磁性基板1の表面は、例えば固定砥粒を用いたラッピングテープや遊離砥粒によるテクスチャ加工などにより、テキスチャー条痕が形成される。表面に形成された条痕は基板円周方向に沿うものであることが好ましい。条痕が表面に形成された基板の表面平均粗さRaは、0.05nm〜1nm、好ましくは0.1nm〜0.5nmの範囲内とするのが望ましい。
表面平均粗さRaが0.05nm未満であると、基板が過度に平滑になり磁性層5の磁気異方性を高める効果が薄れる。また表面平均粗さRaが1nmを越えると、媒体表面の平滑性が劣化し、記録再生時における磁気ヘッドのフライングハイトを低くすることが困難となる。
テキスチャー条痕の線密度は、7500(本/mm)以上であることが好ましい。線密度は非磁性基板1の半径方向に測定したものである。線密度が7500(本/mm)以上としたのは、条痕の効果が磁気的特性(例えば保磁力の向上効果)、記録再生特性(例えばSNR向上効果)により反映されるからである。さらに好ましくは線密度が20000(本/mm)以上の条痕を有していれば上述の効果がより一層顕著になる。
条痕は、例えば固定砥粒を用いたラッピングテープや遊離砥粒によるメカニカルテクスチャ加工などにより形成するのが好ましい。
配向調整層2は、その表面に形成される非磁性下地層3の結晶配向性を整え、さらにはその上に形成される非磁性中間層4、磁性層5の結晶配向性を調整し、磁性層5の円周方向の磁気異方性を向上させるためのものである。また配向調整層2は、結晶配向性を調整するだけでなく、非磁性下地層3、非磁性中間層4および磁性層5中の結晶粒を微細化する機能も有する。
配向調整層2に用いられる材料は特に限定されるものではないが、好ましくはCo−W系合金、Co−Mo系合金、Co−Ta系合金、Co−Nb系合金、Ni−Ta系合金、Ni−Nb系合金、Fe−W系合金、Fe−Mo系合金、Fe−Nb系合金の中から選択される少なくとも1つの合金層を用いることが好ましい。Fe76構造を含む合金を用いることが磁性膜の円周方向の磁気異方性をより向上させると考えられている。
配向調整層2には、補助的効果を有する元素を添加しても良い。添加元素としてはTi,V,Cr,Mn,Zr,Hf,Ru,B,Al,Si,Pなどが例示される。添加元素の合計含有率は20at%以下であることが好ましい。合計含有率が20at%を超えると上述の配向調整膜の効果が低下してしまう。合計含有量の下限は、0.1at%であり、含有量が0.1at%未満では添加元素の効果が無くなる。
配向調整層2の膜厚は1nm〜30nmの範囲内であるとことが好ましい。配向調整膜の膜厚が1nm未満では、非磁性下地層3の結晶配向が十分ではなく保磁力を低下させる。配向調整膜の膜厚が30nmを超えると磁性膜の円周方向の磁気異方性が低下してしまう。さらに好ましくは、配向調整膜の膜厚は2nm〜10nmの範囲内である方が、磁性膜の円周方向の磁気異方性を上げるために望ましい。
配向調整層2と非磁性基板1の間に、密着性を向上させるためTi、Crなどを主成分とした層を形成することが好ましい。材料として特に限定されるものではないが、Ti、Cr、Cr−Ti系合金、Cr−Mo系合金、Cr−Ta系合金などが好ましい。これらの合金系での第二元素の含有率は、10〜60at%の範囲が好ましい。
配向調整層2の表面は、層を形成した後に酸素雰囲気に曝露し酸化させることが好ましい。曝露する酸素雰囲気は、例えば5×10-4Pa以上の酸素ガスを含む雰囲気とするのが好ましい。また曝露用の雰囲気ガスを水と接触させたものを用いることもできる。また曝露時間は、0.5秒〜15秒の範囲内とするのが好ましい。例えば、配向調整膜を形成後チャンバから取出し外気雰囲気または酸素雰囲気中に曝露させることが好ましい。またはチャンバから取り出さずチャンバ内に大気または酸素を導入して曝露させる方法を用いることも好ましい。特に、チャンバ内で曝露させる方法は、真空室から取り出すような煩雑な工程がいらないので、非磁性下地層3、磁性層5の成膜を含めて一連の成膜工程として続けて処理することができるので好ましい。その場合は例えば、到達真空度が1×10-6Pa以下において5×10-4Pa以上の酸素ガスを含む雰囲気とするのが好ましい。なお、酸素による暴露時の酸素ガス圧の上限であるが、大気圧での暴露も可能であるが、好ましくは、5×10-2Pa以下とするのが良い。
非磁性下地層3は、少なくともCr−Mn系合金層を含む構成からなる。Cr−Mn系合金のMn組成範囲は、BCC構造(体心立方構造)をもつ範囲が好ましく、1〜60at%、さらに好ましくは5〜40at%の範囲が好適である。1at%以下では、磁気異方性の向上効果が顕著ではない。また60at%以上では、BCC構造の比率が低下し保磁力も低下する。Cr−Mn系合金層の格子定数を大きくするため、Mo、W、V、Tiなどを添加してCr−Mn系合金の格子定数を広げ、非磁性中間層4および磁性層5のCo合金と格子定数がマッチングするように調整することも好ましい。Bを添加することは、結晶微細化に効果があり、磁気記録媒体のSNR特性向上の点から好ましい。
非磁性下地層3のCr−Mn系合金層の結晶配向は、(100)面を優先配向面とするのが好ましい。その結果、非磁性下地層3の上に形成した磁性層5のCo合金の結晶配向がより強く(11・0)を示すので、磁気的特性例えば保磁力の向上、記録再生特性例えばSNRの向上効果が得られる。
なお、結晶面表記の中の「・」は、結晶面を表すミラ−ブラベ−指数の省略形を示す。すなわち、結晶面を表わすのにCoのような六方晶系では、通常(hkil)と4つの指数で表わすが、この中で「i」に関してはi=−(h+k)と定義されており、この「i」の部分を省略した形式では、(hk・l)と表記する。
非磁性下地層3は、少なくともCr−Mn系合金層とその上に形成されたCr−Mo系合金層からなる積層構造をもつようにするのが好ましい。Cr−Mo系合金層に代えてCr−Ti系合金層や、Cr−W系合金層、Cr−V系合金層を積層させるようにしてもよい。
すなわち非磁性下地層3と非磁性中間層4の間に、非磁性中間層4および磁性層5との格子定数のマッチングを良くするため、Cr−Mo系合金層、Cr−Ti系合金層、Cr−W系合金層、Cr−V系合金層の少なくとも1層を形成することが好ましい。その結果、非磁性下地層3の上に形成した非磁性中間層4、磁性層5のCo合金の結晶配向がより強く(11・0)を示すので、磁気的特性例えば保磁力の向上、記録再生特性例えばSNRの向上効果が得られる。
非磁性中間層4に用いられる材料は特に限定されるものではないが、Coを主成分としたCo合金であって、HCP構造(六方細密構造)であることが好ましい。例えば、Co−Cr系合金、Co−Cr−Ta系合金、Co−Cr−Ru系合金、Co−Cr−Zr系合金、Co−Cr−Pt系合金から選ばれた何れか1種を含むものとするのが好ましい。Co−Cr系合金としたときCrの含有量は25at%〜45at%の範囲内であるのがSNR向上の点から好ましい。またBを添加することは、結晶微細化に効果があり、磁気記録媒体のSNR特性向上の点から好ましい。非磁性中間層4の膜厚は0.5nm〜3nmの範囲内であるのがSNR向上の点から好ましい。
また、これらの非磁性Co合金層の上にRuまたはRuを主成分とした非磁性合金層を形成することが好ましい。これにより保磁力が向上する。
磁性層5は、直下の非磁性中間層4の、例えば(100)面と充分に良く格子がマッチングするCoを主原料としたCo合金であって、HCP構造である材料とするのが好ましい。例えば、Co−Cr−Ta系、Co−Cr−Pt系、Co−Cr−Pt−Ta系、Co−Cr−Pt−B−Ta系、Co−Cr−Pt−B−Cu系合金から選ばれた何れか1種を含むものとするのが好ましい。
例えば、Co−Cr−Pt系合金の場合、Crの含有量は8at%〜28at%の範囲内、Ptの含有量は8at%〜18at%の範囲内とするのがSNR向上の点から好ましい。
例えば、Co−Cr−Pt−B系合金の場合、Crの含有量は8at%〜28at%の範囲内、Ptの含有量は8at%〜18at%の範囲内、Bの含有量は1at%〜20at%の範囲内とするのがSNR向上の点から好ましい。
例えば、Co−Cr−Pt−B−Ta系合金の場合、Crの含有量は8at%〜25at%の範囲内、Ptの含有量は8at%〜18at%の範囲内、Bの含有量は1at%〜20at%の範囲内、Taの含有量は1at%〜4at%の範囲内とするのがSNR向上の点から好ましい。
例えば、Co−Cr−Pt−B−Cu系合金の場合、Crの含有量は8at%〜28at%の範囲内、Ptの含有量は8at%〜18at%の範囲内、Bの含有量は1at%〜20at%の範囲内、Cuの含有量は1at%〜8at%の範囲内とするのがSNR向上の点から好ましい。
磁性層5の膜厚は10nm以上であれば熱揺らぎの観点から問題ないが、高記録密度への要求から30nm以下であるのが好ましい。30nmを越えると、磁性層5の結晶粒径が増大してしまい、好ましい記録再生特性が得られないからである。磁性層5は、多層構造としても良く、その材料は上記のなかから選ばれる何れかを用いた組み合わせとすることができる。
保護層6は、従来の公知の材料、例えば、カ−ボン、SiC、SiNの単体またはそれらを主成分とした材料を使用することができる。保護膜の膜厚は1nm〜10nmの範囲内であるのが高記録密度状態で使用した場合の、磁気的スペ−シングの低減または耐久性の点から好ましい。磁気的スペーシングとは、ヘッドのリードライト素子と磁性層5との距離を表す。磁気的スペーシングが狭くなるほど電磁変換特性は向上する。なお保護膜はヘッドのリードライト素子と磁性層5の間に存在するので、磁気的スペーシングを広げる要因となる。
保護層6上には必要に応じ例えばパ−フルオロポリエ−テルのフッ素系潤滑剤からなる潤滑層を設けることができる。
本発明の磁気記録媒体の磁性層5は、残留磁化量の磁気異方性指数(円周方向の残留磁化量/半径方向の残留磁化量)が1.3以上、より好ましくは1.5以上であると、磁気的特性の、例えば保磁力の向上効果、また記録再生特性の、例えばSNR、PW50(孤立反転信号の半値幅)の向上効果が得られる。磁気異方性指数の測定にはVSM(試料振動型磁気測定器)を使用することができる。
次に本発明の製造方法の一例を説明する。
非磁性基板1としては、アルミニウム合金にNi−P系合金層をメッキした非磁性の金属で構成される基板、アモルファスガラスや結晶化ガラス、また単結晶Siまたは多結晶Siからなる非磁性の非金属材料で構成される基板が用いられる。アモルファスガラスの場合は、汎用のソーダライムガラス、アルミノほう珪酸ガラス、アルミノシリケートガラスなどが使用できる。また結晶化ガラスとしては、リチウム系結晶化ガラスを用いることができる。なかでも特に、硬度などの物性が均一なアモルファスガラスを用いると、表面に均一なテクスチャ加工を施すことができるため、アモルファスガラスを使用することが好ましい。
非磁性基板1は、平均表面粗さRaが2nm以下、好ましくは1nm以下であるとことが望ましい。
また、表面の微小うねり(Wa)が0.3nm以下(より好ましくは0.25nm以下。)であるのが好ましい。端面のチャンファ−部の面取り部、側面部の少なくとも一方の、いずれの表面平均粗さRaが10nm以下(より好ましくは9.5nm以下。)のものを用いることが磁気ヘッドの飛行安定性にとって好ましい。微少うねり(Wa)は、例えば、表面粗さ測定装置P−12(KLM−Tencor社製)を用い、測定範囲80μmでの表面平均粗さとして測定することができる。
最初に、非磁性基板1の表面に線密度が7500(本/mm)以上である条痕を形成するように、基板の表面にテクスチャー加工を施す。例えば、ガラス基板の表面に線密度が7500(本/mm)以上であるテクスチャー条痕が形成されるように、基板の表面に固定砥粒または/および遊離砥粒を用いた機械的加工(「メカニカルテクスチャー加工」ともいう。)により円周方向にテクスチャを施す。例えば、基板の表面に研磨テープを押し付け接触させ、基板と研磨テープとの間に研磨砥粒を含む研磨スラリーを供給して、基板を回転させると供に、研磨テープを送ることによるテクスチャー加工をおこなう。基板の回転は200rpm〜1000rpmの範囲内とすることができる。研磨スラリーの供給量は10ml/分〜100ml/分の範囲内とすることができる。研磨テープの送り速度は、1.5mm/分〜150mm/分の範囲内とすることができる。研磨スラリーに含まれる砥粒の粒径はD90(累積質量%が90質量%に相当する時の粒径値)で0.05μm〜0.3μmとすることができる。テープの押し付け力は1kgf〜15kgf(9.8N〜147N)の範囲内とすることができる。線密度が7500(本/mm)以上(より好ましくは20000(本/mm)以上。)のテクスチャー条痕を形成するように、これらの条件を設定するのが好ましい。
テクスチャー条痕が表面に形成されたガラス基板1の表面平均粗さRaは0.05nm〜1nm(0.5オングストローム〜10オングストローム)、好ましくは0.1nm〜0.5nm(1オングストローム〜5オングストローム)の範囲内とするのが望ましい。
オッシレーションを加えたテクスチャー加工を施すことができる。オッシレーションとは、テープを基板の円周方向に走行させると同時に、テープを基板の半径方向に揺動させる操作のことである。オッシレーションの条件は60回/分〜1200回/分とするのが好ましい。
テクスチャー加工の方法としては、線密度が7500(本/mm)以上のテクスチャー条痕を形成する方法を用いることができ、前述したメカニカルテクスチャーによる方法以外に固定砥粒を用いた方法、固定砥石を用いた方法、レーザー加工を用いた方法を用いることができる。
膜を形成する方法として通常のスパッタリング法を用いることができる。スパッタリングの条件としては、例えば次のようにする。形成に用いるチャンバ内は真空度が10-4Pa〜10-7Paの範囲内となるまで排気する。チャンバ内にテクスチャー条痕が表面に形成された非磁性基板1を収容し、スパッタ−用ガスとしてArガスを導入して放電させスパッタ成膜をおこなう。このとき、供給するパワ−は0.05kW〜2.0kWの範囲内とし、放電時間と供給するパワ−を調節することによって、所望の膜厚を得ることができる。
非磁性基板1を加熱することにより非磁性下地層3、および、磁性層5の結晶配向性を向上させることが出来る。非磁性基板1の加熱温度は100〜400℃の範囲であることが好ましい。また、配向調整膜を成膜後に、加熱することがより好ましい。
非磁性基板1上に、配向調整層2を、配向調整層2の材料からなるスパッタリング用タ−ゲットを用いてスパッタリング法により形成する。スパッタリング用タ−ゲットは、例えば、Co−W系合金、Co−Mo系合金、Co−Ta系合金、Co−Nb系合金、Ni−Ta系合金、Ni−Nb系合金、Fe−W系合金、Fe−Mo系合金、Fe−Nb系合金の中から選択される少なくとも1つの合金層を用いることが好ましい。配向調整層2には、補助的効果を有する元素を添加しても良い。添加元素としてはTi,V,Cr,Mn,Zr,Hf,Ru,B,Al,Si,Pなどが例示される。添加元素の合計含有率は20at%以下であることが好ましい。合計含有率が20at%を超えると上述の配向調整膜の効果が低下してしまう。合計含有量の下限は、0.1at%であり、含有量が0.1at%未満では添加元素の効果が無くなる。
配向調整層2の膜厚は1nm〜30nmの範囲内であるとことが好ましい。配向調整膜の膜厚が1nm未満では、非磁性下地層3の結晶配向が十分ではなく保磁力を低下させる。配向調整膜の膜厚が30nmを超えると磁性膜の円周方向の磁気異方性が低下してしまう。さらに好ましくは、配向調整膜の膜厚は2nm〜10nmの範囲内である方が、磁性膜の円周方向の磁気異方性を上げるために望ましい。
配向調整層2と非磁性基板1の間に、密着性を向上させるためTi、Crなどを主成分とした層を形成することが好ましい。材料として特に限定されるものではないが、Ti、Cr、Cr−Ti系合金、Cr−Mo系合金、Cr−Ta系合金などが好ましい。これらの合金系での第二元素の含有率は、10〜75at%の範囲が好ましい。
配向調整層2の表面(配向調整膜)を酸素雰囲気に曝露する工程を有することが好ましい。曝露する酸素雰囲気は、例えば5×10-4Pa以上の酸素ガスを含む雰囲気とするのが好ましい。また曝露用の雰囲気ガスを水と接触させたものを用いることもできる。また曝露時間は、0.5秒〜15秒の範囲内とするのが好ましい。例えば、配向調整膜を形成後チャンバから取出し外気雰囲気または酸素雰囲気中に曝露させることが好ましい。またはチャンバから取り出さずチャンバ内に大気または酸素を導入して曝露させる方法を用いることも好ましい。特に、チャンバ内で曝露させる方法は、真空室から取り出すような煩雑な工程がいらないので、非磁性下地層3、磁性層5の成膜を含めて一連の成膜工程として続けて処理することができるので好ましい。その場合は例えば、到達真空度が10-6Pa以下において5×10-4Pa以上の酸素ガスを含む雰囲気とするのが好ましい。なお、酸素による暴露時の酸素ガス圧の上限であるが、大気圧での暴露も可能であるが、好ましくは、5×10-2Pa以下とするのが良い。
配向調整層2を形成した後、非磁性下地層3として、少なくともCr−Mn系合金層を含む構成の非磁性下地層3をスパッタリング法により形成する。Cr−Mn系合金のMn組成範囲は、1〜60at%の範囲が好ましく、さらに好ましくは5〜40at%の範囲が好適である。Cr−Mn系合金層には、格子定数を大きくするため、Mo、W、V、Tiなどを添加することができる。またBやSiを添加することは、結晶微細化に効果があり、磁気記録媒体のSNR特性向上の点から好ましい。
非磁性下地層3の膜厚は、0.5nm〜15nmの範囲内であるとことが好ましい。非磁性下地層3の膜厚が0.5nm未満では、磁性層5の結晶配向が十分ではなく保磁力を低下させる。非磁性下地層3の膜厚が15nmを超えると磁性層5の円周方向の磁気異方性が低下してしまう。
非磁性下地層3と非磁性中間層4の間に、非磁性中間層4および磁性層5との格子定数のマッチングを良くするため、Cr−Mo系合金層、Cr−Ti系合金層、Cr−W系合金層、Cr−V系合金層の少なくとも1層を形成することが好ましい。その結果、非磁性下地層3の上に形成した非磁性中間層4、磁性層5のCo合金の結晶配向がより強く(11・0)を示すので、磁気的特性例えば保磁力の向上、記録特性例えばSNRの向上効果が得られる。
非磁性下地層3を形成した後、非磁性中間層4として、Coを主成分とした非磁性Co合金層の材料からなるスパッタリング用ターゲットを用いて、同様にスパッタリング法により形成する、例えば、Co−Cr系合金、Co−Cr−Ta系合金、Co−Cr−Ru系合金、Co−Cr−Zr系合金、Co−Cr−Pt系合金から選ばれた何れか1種を含むものとするのが好ましい。Co−Cr系合金としたときCrの含有量は25at%〜45at%の範囲内であるのがSNR向上の点から好ましい。またBを添加することは、結晶微細化に効果があり、磁気記録媒体のSNR特性向上の点から好ましい。非磁性中間層4の膜厚は0.5nm〜3nmの範囲内であるのがSNR向上の点から好ましい。
また、これらの非磁性Co合金層の上にRuまたはRuを主成分とした非磁性合金層を形成することが好ましい。これにより保磁力が向上する。
非磁性中間層4を形成した後、5nm〜40nmの膜厚を有した磁性層5を、磁性層5の材料からなるスパッタリング用タ−ゲットを用いて同様にスパッタリング法により形成する。スパッタリング用タ−ゲットは、例えば、Co−Cr−Pt系、Co−Cr−Pt−B系、Co−Cr−Pt−B−Ta系、Co−Cr−Pt−B−Cu系合金から選ばれた何れか1種を含むものとするのが好ましい。例えば、Co−Cr−Pt系合金の場合、Crの含有量は8at%〜28at%の範囲内、Ptの含有量は8at%〜18at%の範囲内とするのがSNR向上の点から好ましい。 例えば、Co−Cr−Pt−B系合金の場合、Crの含有量は8at%〜28at%の範囲内、Ptの含有量は8at%〜18at%の範囲内、Bの含有量は1at%〜20at%の範囲内とするのがSNR向上の点から好ましい。例えば、Co−Cr−Pt−B−Ta系合金の場合、Crの含有量は8at%〜25at%の範囲内、Ptの含有量は8at%〜18at%の範囲内、Bの含有量は1at%〜20at%の範囲内、Taの含有量は1at%〜4at%の範囲内とするのがSNR向上の点から好ましい。例えば、Co−Cr−Pt−B−Cu系合金の場合、Crの含有量は8at%〜28at%の範囲内、Ptの含有量は8at%〜18at%の範囲内、Bの含有量は1at%〜20at%の範囲内、Cuの含有量は1at%〜8at%の範囲内とするのがSNR向上の点から好ましい。
磁性層5の膜厚は、熱揺らぎの観点から10nm以上であることが好ましい。また高記録密度への要求から30nm以下であるのが好ましい。30nmを越えると、磁性層5の結晶粒径が増大してしまい、好ましい記録再生特性が得られないからである。磁性層5は、多層構造としても良く、その材料は上記のなかから選ばれる何れかを用いた組み合わせとすることができる。多層構造とした場合、非磁性下地層3の直上は、Co−Cr−Pt−B−Ta系合金またはCo−Cr−Pt−B−Cu系合金またはCo−Cr−Pt−B系合金からなるものであるのが、記録再生特性のSNR特性の改善の点からは好ましい。最上層は、Co−Cr−Pt−B−Cu系合金またはCo−Cr−Pt−B系合金からなるものであるのが、記録再生特性のSNR特性の改善の点からは好ましい。
磁性層5を形成した後、公知の方法、例えばスパッタリング法、プラズマCVD法またはそれらの組み合わせを用いて保護膜、たとえばカ−ボンを主成分とする保護膜を形成する。
さらに、保護膜上には必要に応じパ−フルオロポリエ−テルのフッ素系潤滑剤をディップ法、スピンコ−ト法などを用いて塗布し潤滑層を形成する。
本発明の磁気記録媒体は、該磁気記録媒体に情報を記録再生する磁気ヘッドとを組み合わせることにより高性能の磁気記録再生装置を製造することが可能となる。
(実施例1) 非磁性基板には、MYG社製アモルファスガラス基板MEL−3を使用した。ガラス基板のサイズは外径65mm、内径20mm、板厚0.635mmである。
このガラス基板にメカニカルテクスチャー加工を施した。メカニカルテクスチャー加工の条件は以下の通りである。スラリーに含まれる砥粒はD90が0.12μmのダイアモンド砥粒を使用した。スラリーは50ml/分で加工が開始される前に2秒間滴下した。研磨テープにはポリエステル製の織物布を使用した。研磨テープの送りは75mm/分とした。ディスクの回転数は600rpmとした。ディスクの揺動は120回/分とした。テープの押し付け力は2.0kgf(19.6N)とした。加工時間は10秒とした。基板表面を、Degital Instrument社製AFMで測定したところ、平均粗さRaが0.3nm、線密度が29000本/mmのテクスチャー条痕を有するガラス基板が得られた。
この基板を十分に洗浄し乾燥した後、 DCマグネトロンスパッタ装置(アネルバ社(日本)製C3010)内にセットした。真空到達度を2×10-7Torr(2.7×10-5Pa)まで排気した後、配向調整膜として、Crからなるタ−ゲットを用いて常温にて1nm積層し、引き続きCo−W合金(Co:45at%、W:55at%)からなるタ−ゲットを用いて常温にて1nm積層した。
その後、基板を250℃に加熱した。加熱後、酸素暴露を0.05Paで5秒間実施した。非磁性下地層として、Cr−Mn合金(Cr:70at%、Mn:30at%)からなるタ−ゲットを用いて6nm積層した。非磁性中間層としてはCo−Cr合金(Co:65at%、Cr:35at%)からなるタ−ゲットを用いて2nm積層した。磁性層としてCo−Cr−Pt−B合金(Co:60at%、Cr:20at%、Pt:13at%、B:7at%)からなるタ−ゲットを用いて磁性層であるCo−Cr−Pt−B合金層を17nmの膜厚で形成し、保護膜(カ−ボン)3nmを積層した。成膜時のAr圧は3mTorr(0.4Pa)とした。パ−フルオロポリエ−テルからなる潤滑剤2nmをディップ法で塗布し潤滑層を形成した。
その後グライドテスタ−を用いて、テスト条件のグライド高さを0.3μインチとして、グライドテストを行ない、合格した磁気記録媒体をリ−ドライトアナライザ−RWA2550(GUZIK社製)を用いて記録再生特性を調べた。記録再生特性は、TAA(再生信号出力)、PW50(孤立反転信号の半値幅)、SNR(信号/ノイズ比)などを測定した。記録再生特性の評価には、再生部に巨大磁気抵抗(GMR)素子を有する複合型薄膜磁気記録ヘッドを用いた。ノイズの測定は343.5FCIのパタ−ン信号を書き込んだ時の、1MHzから515.3kFCI相当周波数までの積分ノイズを測定した。再生出力を343.5kFCIで測定し、SNR=20×log(再生出力/1MHzから515.3kFCI相当周波数までの積分ノイズ)として算出した。保磁力(Hc)の測定にはカ−効果式磁気特性測定装置(RO1900、日立電子エンジニアリング社(日本)製)を用いた。磁気的異方性指数の測定にはVSM(BHV−35、理研電子社(日本)製)を用いた。測定結果を表1に示す。
Figure 0003962415
(実施例2〜12) 非磁性下地層の構成を表1に示す構成にした以外は、実施例1と同様の処理をした。
(比較例1〜3) 非磁性下地層の構成を表1に示す構成にした以外は、実施例1と同様の処理をした。
実施例1〜12、比較例1〜3の磁気特性(保磁力、磁気的異方性指数)、記録再生特性の結果を表1に示す。
実施例1は、非磁性下地層として、Cr−Mn合金層の単層を用いた場合である。また実施例2〜7はCr−Mn合金層とCr―Mo合金層の積層構成を用いた場合である。いずれも、磁気異方性指数が1.3以上の高い値を示し、記録再生特性も優れる。
実施例9〜12は、Cr−Mn合金層とCr―Mo合金層の積層構成を用いた場合で、Cr−Mn合金に第3元素を添加した例である。これらの磁気異方性指数は1.5〜1.7であり、強い磁気異方性を示し、また記録再生特性も優れる。
比較例1〜2は、非磁性下地層がCr−Mn合金層を含まない例である。比較例1は、Cr−Mo合金層からなる単層の場合である。また比較例2は、Cr層とCr−Mo合金層の2層の場合である。比較例3は、Mnの含有量が80at%のCr−Mn合金層を含む場合である。これらの磁気異方性は、いずれも1.3未満であり、記録再生特性も実施例に比べ劣る。
このように本発明の磁気記録媒体は、表面にテキスチャー条痕を有する磁気ディスク用非磁性基板上に、配向調整層、非磁性下地層、非磁性中間層、磁性層および保護層が順次積層され、該非磁性下地層が少なくともCr−Mn系合金からなる層を含む構成であることを特徴とし、この特定の構成により、周方向を容易軸とする強い磁気異方性が発現し、磁気記録媒体の特性を向上させることができた。その結果、高記録密度に適した磁気記録媒体を得ることができた。
また上記の磁気記録媒体と、この磁気記録媒体に情報を記録再生する磁気ヘッドとで構成した磁気記録再生装置は、磁気記録媒体への磁気信号の記録再生を高密度にまた優れた記録特性で行うことができた。
本発明の磁気記録媒体の一実施形態を模式的に示す図である。
符号の説明
1 非磁性基板
2 配向調整層
3 非磁性下地層
4 非磁性中間層
5 磁性層
6 保護層

Claims (7)

  1. 表面にテキスチャー条痕を有する磁気ディスク用非磁性基板上に、配向調整層、非磁性下地層、非磁性中間層、磁性層および保護層が順次積層された磁気記録媒体において、
    上記配向調整層は、Co−W系合金、Co−Mo系合金、Co−Ta系合金、Co−Nb系合金、Ni−Ta系合金、Ni−Nb系合金、Fe−W系合金、Fe−Mo系合金、Fe−Nb系合金の中から選択される少なくとも1つの合金からなり、
    上記配向調整層の膜厚は1nm〜30nmの範囲内であり、
    上記非磁性下地層は、少なくともCr−Mn系合金からなる層とその上に形成されたCr−Mo系合金からなる層を含み
    記非磁性下地層の合計の膜厚は0.5nm〜15nmの範囲内であり、
    上記Cr−Mn系合金からなる層のMn含有量は、5〜40at%の範囲であり、
    上記非磁性中間層は、Coを主成分とするCo−Cr系合金からなり、膜厚は0.5nm〜3nmの範囲内であり、
    上記磁性層は、Cr含有量が8at%〜28at%、Pt含有量が8at%〜18at%のCo−Cr−Pt合金からなり、膜厚は10〜30nmの範囲内であり、且つ円周方向を容易軸とする磁気異方性を有し、
    残留磁化量の磁気異方性指数(円周方向の残留磁化量/半径方向の残留磁化量)が1.3以上である、
    ことを特徴とする磁気記録媒体。
  2. 上記Cr−Mn系合金はMo,W,V,Tiからなる群から選ばれた何れか1種以上を含む、請求項1に記載の磁気記録媒体。
  3. 上記Cr−Mn系合金はCr−Mn−Mo合金である、請求項1に記載の磁気記録媒体。
  4. 上記非磁性下地層がBを含む、請求項1から3の何れか1項に記載の磁気記録媒体。
  5. 上記非磁性基板はアモルファルガラスまたは結晶化ガラスからなる、請求項1から4の何れか1項に記載の磁気記録媒体。
  6. 上記非磁性基板は単結晶Siまたは多結晶Siからなる、請求項1から4の何れか1項に記載の磁気記録媒体。
  7. 請求項1から6の何れか1項に記載の磁気記録媒体と、該磁気記録媒体に情報を記録再生する磁気ヘッドを備えたことを特徴とする磁気記録再生装置。
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