JP2015111482A - 垂直磁気記録媒体、及び磁気記録再生装置 - Google Patents

垂直磁気記録媒体、及び磁気記録再生装置 Download PDF

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Abstract


【課題】磁性粒子の良好な結晶配向性と低粒径分散が得られ、良好な記録再生特性を有し、高密度記録を可能とする垂直磁気記録媒体、及びこれを用いた磁気記録再生装置を提供する。
【解決手段】非磁性基板上に形成されたfcc構造を持つNi合金からなる配向制御層、fcc構造を持つ銀を含む非磁性バッファ層、fcc構造を持つAg粒子とAg粒子間に設けられた非晶質のGe粒界とからなる非磁性シード層、RuまたはRu合金からなる非磁性中間層、及び垂直磁気記録層を有し、配向制御層と非磁性バッファ層、非磁性バッファ層と非磁性シード層は接触して形成されている。
【選択図】図1

Description

本発明の実施形態は、垂直磁気記録媒体、及び磁気記録再生装置に関する。
コンピュータを中心に利用されている情報記録、再生を行う磁気記憶装置(HDD)は、その大容量、安価性、データアクセスの速さ、データ保持の信頼性などの理由により、家庭用ビデオデッキ、オーディオ機器、車載ナビゲーションシステムなど様々な分野で利用されている。HDDの利用の幅が広がるにつれ、その記憶容量の高密度化の要求も増し、近年HDDの高密度化開発はますます激しさを増している。
現在市販されているHDDの磁気記録方式として、いわゆる垂直磁気記録方式が近年主流となっている。垂直磁気記録方式は、情報を記録する磁気記録層を構成する磁性結晶粒子が、基板に対して垂直方向にその磁化容易軸を持つ。このため、高密度化の際にも記録ビット間の反磁界の影響が少なく、また高密度化においても静磁気的に安定である。垂直磁気記録媒体は、一般に、基板と、記録時に磁気ヘッドから発生する磁束を集中させる役割を担う軟磁性下地層と、垂直磁気記録層の磁性結晶粒を(00.1)面配向させ、かつその配向分散を低減する非磁性シード層及び/または非磁性下地層と、硬質磁性材料を含む垂直磁気記録層と、垂直磁気記録層の表面を保護する保護層から形成されている。
磁性結晶粒子が非磁性物質からなる粒界領域に取り囲まれた、いわゆるグラニュラ構造を有するグラニュラ型記録層は、磁性結晶粒子同士が非磁性粒界領域によって二次元的に、物理的に孤立化された構造となっているため、磁性粒子間に働く磁気的な交換相互作用が低減される。このため、記録・再生特性における遷移ノイズが低減でき、限界ビットサイズを低減することが可能となる。その反面、グラニュラ型記録層では粒子間の交換相互作用が低減されているため、粒子の組成、粒径の分散に伴う反転磁界の分散(SFD)が増大してしまう傾向があり、記録・再生特性における遷移ノイズやジッターノイズの増大を招く傾向がある。
また、記録ビットサイズの下限値はグラニュラ型記録層の磁性結晶粒径に強く依存しているため、HDDの高記録密度化には、グラニュラ型記録層の粒径微細化を行う必要がある。グラニュラ型記録層の粒径微細化法としては、微細な結晶粒径を有する下地層を用いて、その上に積層されるグラニュラ型記録層粒径を微細化する手法がある。下地層の粒径を微細化するために、例えば、非磁性シード層を工夫したり、下地層をグラニュラ化したりする等の方法が考えられる。
特開2003−123245号公報
本発明の実施形態は、上記事情に鑑みてなされたものであり、磁性粒子の良好な結晶配向性と低粒径分散が得られ、良好な記録再生特性を有し、高密度記録を可能とする垂直磁気記録媒体、及びこれを用いた磁気記録再生装置を提供することを目的とする。
実施形態によれば、非磁性基板、
該非磁性基板上に形成された面心立方構造(fcc構造)を持つニッケル合金からなる配向制御層、
該ニッケル合金配向制御層上に接触して形成された、fcc構造を持つ銀を含む非磁性バッファ層、
該非磁性バッファ層上に接触して形成された、fcc構造を持つ銀粒子と該銀粒子間に設けられた非晶質のゲルマニウム粒界とからなる非磁性シード層、
該非磁性シード層上に形成された、ルテニウムまたはルテニウム合金からなる非磁性中間層、及び
該非磁性中間層上に形成された垂直磁気記録層を具備することを特徴とする垂直磁気記録媒体が提供される。
実施形態にかかる垂直磁気記録媒体の一例の構成を表す断面図である。 実施形態にかかる磁気記録再生装置の一例を一部分解した斜視図である。 実施形態にかかる垂直磁気記録媒体の一例を表す概略的な断面図である。 比較の垂直磁気記録媒体の一例を表す概略的な断面図である。 比較の垂直磁気記録媒体の一例を表す概略的な断面図である。 比較の垂直磁気記録媒体の一例を表す概略的な断面図である。 比較の垂直磁気記録媒体の一例を表す概略的な断面図である。 比較の垂直磁気記録媒体の一例を表す概略的な断面図である。
以下、実施の形態について、図面を参照して説明する。
実施形態にかかる垂直磁気記録媒体は、非磁性基板、非磁性基板上に形成されたfcc構造を持つニッケル合金からなる配向制御層、配向制御層上に形成された、fcc構造を持つ銀を含む非磁性バッファ層、非磁性バッファ層上に形成された、fcc構造を持つ銀粒子と銀粒子間に設けられた非晶質のゲルマニウム粒界とからなる非磁性シード層、非磁性シード層上に形成された、ルテニウムまたはルテニウム合金からなる非磁性中間層、及び非磁性中間層上に形成された垂直磁気記録層を有する。
実施形態にかかる垂直磁気記録媒体では、配向制御層と非磁性バッファ層、非磁性バッファ層と非磁性シード層は接触して形成されている。
図1に、実施形態にかかる垂直磁気記録媒体の構成を表す断面図を示す。
図示するように、この垂直磁気記録媒体20は、基板1上に、軟磁性層3、fcc構造を持つニッケル合金からなる配向制御層4、fcc構造を持つ銀を含む非磁性バッファ層5、fcc構造を持つ銀粒子と銀粒子間に設けられた非晶質のゲルマニウム粒界とからなる非磁性シード層6、非磁性中間層7、及び垂直磁気記録層8を順に設けた構造を有する。
実施形態によれば、配向制御層と非磁性バッファ層を用いることで、垂直磁気記録層の結晶配向性を改善することができる。非磁性シード層を用いることで垂直磁気記録層の粒径分散を低減させることができる。また、これらの配向制御層、非磁性バッファ層、及び非磁性シード層を順番に形成し、層間をそれぞれ接触させることで、垂直磁気記録層の良好な結晶配向性と低粒径分散を同時に実現でき、媒体ノイズを低減することができる。
非磁性バッファ層は、fcc構造を持つAgであることが好ましい。また、より好ましくは、Agに、Ni、Ge、Hf、及びTiからなる群から選択される1種または2種の添加金属を含有する。さらに、非磁性バッファ層は、Agを主成分とするfcc構造を持つ結晶粒子と、結晶粒子を取り囲み、Ni、Ge、Hf、及びTiから選択される1種または2種の添加金属を含有する粒界層を含んでも良い。
Agに添加金属を添加する場合、合計の原子量に対し添加金属の原子量の含有量は、10at%ないし70at%であることが好ましい。10at%未満であると、添加の効果が得られない傾向があり、70at%を越えると、添加金属が多すぎて、Ag粒子の結晶構造が壊されて結晶配向性が悪化する傾向がある。さらに好ましくは20at%ないし60at%である。
非磁性バッファ層は、不活性ガス雰囲気下で0.5ないし1.0Paの圧力下でスパッタリングすることにより形成することができる。一方、非磁性シード層は、不活性ガス雰囲気下で0.05ないし0.3Paの圧力下でスパッタリングすることにより形成することができる。これにより、粒径分散の小さい柱状のAg粒子とそれを取り囲むGe粒界からなる層が得られる。
非磁性シード層のゲルマニウム含有量は、55at%ないし70at%であることが好ましい。
55at%未満であると、粒界物質が少ないために、Ag粒子同士が繋がり、粒径分散が悪化する傾向があり、70at%を越えると、粒界物質が多すぎて、Ag粒子の結晶構造が壊されて結晶配向性が悪化する傾向がある。
配向制御層はfcc構造を持ち、Niと、W、Cr、炭素、Mo、及びVからなる群から選択される少なくとも1種とからなることが好ましい。Niに添加される金属は5at%ないし30at%であることが好ましい。5at%未満であると、Niが磁性を持ち始め、磁気的なノイズとなり記録再生特性が悪化する傾向があり、30at%を超えると、Ni合金がfcc構造を保てなくなりアモルファス構造となって、結晶配向性が悪化する傾向がある。
実施形態に使用可能な基板としては、たとえばガラス基板、Al系合金基板、セラミック基板、カーボン基板、酸化表面を有するSi単結晶基板などがあげられる。ガラス基板としては、アモルファスガラスおよび結晶化ガラスが挙げられる。アモルファスガラスとしては、汎用のソーダライムガラス、アルミノシリケートガラスが挙げられる。結晶化ガラスとしては、リチウム系結晶化ガラスが挙げられる。セラミック基板としては、汎用の酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、窒化珪素などを主成分とする焼結体や、これらの繊維強化物などが挙げられる。基板としては、上述した金属基板や非金属基板の表面にメッキ法やスパッタ法を用いてNiP層などの薄膜が形成されたものを用いることもできる。基板上への薄膜の形成方法としてスパッタリングのみならず、真空蒸着や電解メッキなどでも同様の効果を得ることができる。
非磁性基板と磁気記録層との間には、さらに、密着層や軟磁性下地層(SUL)、非磁性下地層を設けることができる。
密着層は、基板との密着性の向上のために設けられる。密着層の材料としては、非晶質構造を持つ、Ti、Ta、W、Cr、Ptやこれらを含む合金、またはこれらの酸化物もしくは窒化物を用いることができる。
密着層は例えば5ないし30nmの厚さを有し得る。
5nm未満では、充分な密着性を確保することができず膜が剥がれる現象が起きやすくなる傾向があり、30nmを越えると、プロセス時間が長くなりスループットが悪くなる傾向がある。
SULは、垂直磁磁気記録層を磁化するための単磁極ヘッドからの記録磁界を水平方向に通して、磁気ヘッド側へ還流させるという磁気ヘッドの機能の一部を担っており、磁界の記録層に急峻で充分な垂直磁界を印加させ、記録再生効率を向上させる作用を有する。軟磁性下地層には、Co,FeまたはNiを含む材料を用いることができる。このような材料として、Coと、Zr、Hf、Nb、Ta、Ti、及びYのうち少なくとも1種とを含有するCo合金を挙げることができる。Co合金は80原子%以上のCoが含むことができる。このようなCo合金は、スパッタ法により製膜した場合にアモルファス層が形成されやすい。アモルファス軟磁性材料は、結晶磁気異方性、結晶欠陥および粒界がないため、非常に優れた軟磁性を示すとともに、媒体の低ノイズ化を図ることができる。好適なアモルファス軟磁性材料としては、たとえばCoZr、CoZrNbおよびCoZrTa系合金などを挙げることができる。他の軟磁性下地層の材料として、CoFe系合金たとえばCoFe、CoFeVなど、FeNi系合金たとえばFeNi、FeNiMo、FeNiCr、FeNiSiなど、FeAl系合金、FeSi系合金たとえばFeAl、FeAlSi、FeAlSiCr、FeAlSiTiRu、FeAlOなど、FeTa系合金たとえばFeTa、FeTaC、FeTaNなど、FeZr系合金たとえばFeZrNなどを挙げることができる。また、Feを60原子%以上含有するFeAlO、FeMgO、FeTaN、FeZrNなどの微結晶構造または微細な結晶粒子がマトリクス中に分散されたグラニュラ構造を有する材料を用いることもできる。
軟磁性下地層は例えば10ないし100nmの厚さを有し得る。
10nm未満では、磁気ヘッドからの記録磁界を充分取り込めずに記録再生効率を向上させることができない傾向があり、100nmを越えると、プロセス時間が長くなりスループットが悪くなる傾向がある。
さらに、スパイクノイズ防止のために軟磁性下地層を複数の層に分け、0.5〜1.5nmの非磁性分断層を挿入することで反強磁性結合させることができる。非磁性分断層として、例えばRu、Ru合金、Pd、Cu、Ptなどを用いることができる。また、CoCrPt、SmCo、FePtなどの面内異方性を持つ硬磁性膜またはIrMn、PtMnなどの反強磁性体からなるピン層と軟磁性下地層とを交換結合させることができる。交換結合力を制御するために、非磁性分断層の上下に磁性膜たとえばCoなど、または非磁性膜たとえばPtなどを積層することができる。
実施形態に使用可能な磁気記録層は、鉄またはコバルトから選ばれるいずれか一種とプラチナを主成分とすることができる。また、基板に対して垂直方向に磁気異方性を持った垂直磁気記録層を用いることが望ましい。垂直磁気記録層を用いると、高密度化した場合に、記録ドットから出る外部磁界が周囲の記録ドットの信号を保つ方向に働くため、熱揺らぎによって信号が消えにくく、高密度化を達成しやすいという傾向を持っている。
磁気記録層の厚さは、例えば3ないし30nm、さらには5ないし15nmにすることができる。この範囲であると、より高記録密度に適した磁気記録再生装置を作製することができる。磁気記録層の厚さが3nm未満であると、再生出力が低過ぎてノイズ成分の方が高くなる傾向がある。磁気記録層の厚さが30nmを超えると、再生出力が高過ぎて波形を歪ませる傾向がある。磁気記録層は二層以上の積層膜にすることもできるが、その際は、積層した合計を上述の範囲内にすることができる。磁気記録層の保磁力は、237000A/m(3000Oe)以上とすることができる。保磁力が237000A/m(3000Oe)未満であると、熱揺らぎ耐性が劣る傾向がある。磁気記録層の垂直角型比は、0.8以上であることが好ましい。垂直角型比が0.8未満であると、熱揺らぎ耐性に劣る傾向がある。
Coを用いたグラニュラ型記録層の場合、磁気記録層のPt含有量は、10原子%以上25原子%以下であることが好ましい。Pt含有量として上記範囲が好ましいのは、磁気記録層に必要な一軸結晶磁気異方性定数(Ku)が得られ、さらに磁性粒子の結晶配向性が良好であり、結果として高密度記録に適した熱揺らぎ特性、記録再生特性が得られるためである。Pt含有量が上記範囲を超えた場合も、上記範囲未満である場合も、どちらも高密度記録に適した熱揺らぎ特性に十分なKuが得られない傾向がある。
実施形態に使用可能な保護膜は、磁気記録層の腐食を防ぐとともに、磁気ヘッドが媒体に接触したときに媒体表面の損傷を防ぐ目的で設けられる。保護膜の材料としては、たとえばCを含むものが挙げられる。保護膜の厚さは1ないし10nmとすることが好ましい。これにより、ヘッドと媒体の距離を小さくできるので、高密度記録が可能である。カーボンは、sp結合炭素(グラファイト)とsp結合炭素(ダイヤモンド)に分類できる。耐久性、耐食性はsp結合炭素のほうが優れるが、結晶質であることから表面平滑性はグラファイトに劣る。通常、カーボンの製膜はグラファイトターゲットを用いたスパッタリング法で形成される。この方法では、sp2結合炭素とsp結合炭素が混在したアモルファスカーボンが形成される。sp3結合炭素の割合が大きいものはDLC(Diamond−like Carbon)と呼ばれ、耐久性、耐食性に優れ、アモルファスであることから表面平滑性にも優れるため、磁気記録媒体の表面保護膜として利用されている。化学気相成長法(CVD法)によるDLCの製膜は、原料ガスをプラズマ中で励起、分解し、化学反応によってDLCを生成させるため、条件を合わせることで、よりsp結合炭素に富んだDLCを形成することができる。
非磁性中間層の材料としては、Ru、またはRuとCr,Mo,Co,Mn,Siからなる群から選択される少なくとも1種の金属との合金があげられる。
他の実施形態かかる磁気記録再生装置は、非磁性基板、非磁性基板上に形成されたfcc構造を持つニッケル合金からなる配向制御層、配向制御層上に形成された、fcc構造を持つ銀を含む非磁性バッファ層、非磁性バッファ層上に形成された、fcc構造を持つ銀粒子と銀粒子間に設けられた非晶質のゲルマニウム粒界とからなる非磁性シード層、非磁性シード層上に形成された、ルテニウムまたはルテニウム合金からなる非磁性中間層、及び非磁性中間層上に形成された垂直磁気記録層を有する垂直磁気記録媒体と、垂直磁気記録媒体に対して情報の記録を行うための素子及び記録された情報の再生を行うための素子を有する磁気ヘッドを含む。
図2に、実施形態にかかる磁気記録再生装置の一例を、一部分解した斜視図を示す。
実施形態にかかる磁気記録再生装置70において、実施形態にかかる情報を記録するための剛構成の磁気ディスク62はスピンドル63に装着されており、図示しないスピンドルモータによって一定回転数で回転駆動される。磁気ディスク62にアクセスして情報の記録再生を行う磁気ヘッドを搭載したスライダーは、薄板状の板ばねからなるサスペンション65の先端に取付けられている。サスペンション65は図示しない駆動コイルを保持するボビン部等を有するアーム66の一端側に接続されている。
アーム66の他端側には、リニアモータの一種であるボイスコイルモータ67が設けられている。ボイスコイルモータ67は、アーム66のボビン部に巻き上げられた図示しない駆動コイルと、それを挟み込むように対向して配置された永久磁石および対向ヨークにより構成される磁気回路とから構成されている。
アーム66は、固定軸の上下2カ所に設けられた図示しないボールベアリングによって保持され、ボイスコイルモータ67によって回転揺動駆動される。すなわち、磁気ディスク62上におけるスライダー64の位置は、ボイスコイルモータ67によって制御される。
実施例
実施例1、および比較例1ないし10
図3に、実施例1にかかる垂直磁気記録媒体を表す概略的な断面図を示す。図4に比較例1、図5に比較例2、図6に比較例3、図7に比較例4、図8に比較例5にかかる垂直磁気記録媒体を表す概略的な断面図を示す。
図3に示すように、実施形態にかかる磁気記録媒体では、非磁性ガラス基板1(コニカミノルタ社製アモルファス基板MEL6、直径2.5インチ)を、DCマグネトロンスパッタ装置(キヤノンアネルバ社製C−3010)の製膜チャンバー内に収容して、到達真空度1×10−5Paとなるまで製膜チャンバー内を排気した。この基板上に、製膜チャンバー内に、ガス圧が0.7PaとなるようにArガスを導入して、密着層2として、Cr−25%TiをDC500Wで10nm形成した。
次いで、軟磁性層3として、Co−20at%Fe−7at%Ta−5at%Zrを、DC500Wで、40nm形成した。
その後、配向制御層4として、Ni−5at%Wを、DC500Wで、5nm形成した。
さらに、Agからなる非磁性バッファ層5として、DC500Wで、3nm形成した。
次いで、製膜チャンバー内に、ガス圧が0.1PaとなるようにArガスを導入して、非磁性シード層6として、DC100Wで、Ag−60%Ge膜を5nm形成した。 続いて、再び製膜チャンバー内に、ガス圧が0.7PaとなるようにArガスを導入して、非磁性中間層7として、Ruを、DC500Wで15nm形成した。
その後、垂直磁気記録層8として、Co−18at%Pt−14at%Cr−10mol%SiOを、DC500Wで12nm形成した。次いで、CVD法により、2.5nmのダイアモンドライクカーボン(DLC)保護層9を形成した。
最後に、ディッピング法により図示しない潤滑剤を塗布し、実施形態に係る垂直磁気記録媒体100を得た。
図4に示すように、Agバッファ層5を製膜しない以外は、実施例1と同様にして作製し、比較例1に係る垂直磁気記録媒体200を得た。
図5に示すように、NiW配向性制御層4を製膜しない以外は、実施例1と同様にして作製し、比較例2に係る垂直磁気記録媒体300を得た。
図6に示すように、AgGe非磁性シード層6を製膜しない以外は、実施例1と同様にして作製し、比較例3に係る垂直磁気記録媒体400を得た。
図7に示すように、Ta下地層10をAgバッファ層5とAgGe非磁性シード層6の間に形成した以外は、実施例1と同様にして作製し、比較例4に係る垂直磁気記録媒体500を得た。
図8に示すように、Ta下地層10をNiW配向制御層4とAgバッファ層5の間に形成した以外は、実施例1と同様にして作製し、比較例5に係る垂直磁気記録媒体600を得た。
また、バッファ層5の材料を下記表1の通りに変化させた以外は、実施例1の媒体と同様にして作製し、比較例6ないし10に係る垂直磁気記録媒体を各々得た。
このようにして得られた比較例6ないし10に係る垂直磁気記録媒体の断面構成は、図1と同様である。
以下に、実施例1及び比較例1ないし10の構成を示す。
実施例1、および比較例6ないし10の構成
非磁性ガラス基板1/CrTi密着層2/CoFeTaZr軟磁性層3/NiW配向制御層4/Agバッファ層5/AgGe非磁性シード層6/Ru非磁性中間層7/CoCrPt−SiO垂直磁気記録層8/C保護層9
比較例1の構成
非磁性ガラス基板1/CrTi密着層2/CoFeTaZr軟磁性層3/NiW配向制御層4/AgGe非磁性シード層6/Ru非磁性中間層7/CoCrPt−SiO垂直磁気記録層8/C保護層9
比較例2の構成
非磁性ガラス基板1/CrTi密着層2/CoFeTaZr軟磁性層3/Agバッファ層5/AgGe非磁性シード層6/Ru非磁性中間層7/CoCrPt−SiO垂直磁気記録層8/C保護層9
比較例3の構成
非磁性ガラス基板1/CrTi密着層2/CoFeTaZr軟磁性層3/NiW配向制御層4/Agバッファ層5/Ru非磁性中間層7/CoCrPt−SiO垂直磁気記録層8/C保護層9
比較例4の構成
非磁性ガラス基板1/CrTi密着層2/CoFeTaZr軟磁性層3/NiW配向制御層4/Agバッファ層5/Ta下地層10/AgGe非磁性シード層6/Ru非磁性中間層7/CoCrPt−SiO垂直磁気記録層8/C保護層9
比較例5の構成
非磁性ガラス基板1/CrTi密着層2/CoFeTaZr軟磁性層3/NiW配向制御層4/Ta下地層10/Agバッファ層5/AgGe非磁性シード層6/Ru非磁性中間層7/CoCrPt−SiO垂直磁気記録層8/C保護層9
上記構成を有する実施例1の媒体および比較例1ないし10の媒体に対して、以下の通りの分析を行いその特性を評価した。
まず、透過型電子顕微鏡(TEM)測定を用いて、非磁性シード層および垂直磁気記録層の膜平面方向の粒子構造を観測した。また、エネルギー分散型X線分光(TEM−EDX)を用いて、粒子や粒界の組成も分析した。
平面TEM分析により観測した結果を用いて、非磁性シード層および垂直磁気記録層の粒径解析を以下の手順で行った。倍率50〜200万倍の平面TEM像の中から,粒子数が少なく見積もっても100個以上ある任意の像をコンピュータに画像情報として取り込んだ。この画像情報を画像処理することにより、個々の結晶粒子の輪郭を抽出した。次に、結晶粒子の外周の2点を結ぶ重心を通る径を2度刻みに測定し、それらの平均値を測定して結晶粒子の結晶粒径として、平均粒径および粒径分散を求めた。また、粒界幅は粒子の重心と重心を結ぶ線上の粒界幅を測定し、それらの平均値を粒界幅とした。
実施例1および比較例1ないし10の粒径解析の結果を、表1に示す。比較例3を除く、実施例1の媒体および比較例1、2、比較例4ないし10の媒体について、非磁性シード層のAgGe膜は、平均粒径6nm程度の結晶質のAg粒子と、粒界幅2nm程度の非晶質のGe粒界からなることが分かった。この時、粒径分散は13.3%であった。一方、比較例3の媒体について、非磁性バッファ層の結晶粒子がAgからなり結晶粒子同士は互いに接しており、粒界幅が実質的に0であった。この時、Ag粒子の平均粒径は9nmであり、粒径分散は23.4%であった。続いて、垂直磁気記録層については、実施例1の媒体、比較例1ないし10の媒体において、粒子は結晶質のCoCrPtからなり、粒界は非晶質SiOからなることが分かった。実施例1の媒体の垂直磁気記録層の平均粒径は6.8nm、粒界幅1nm程度、粒径分散は13.4%と良好であった。すなわち、実施例1の媒体の垂直磁気記録層の平均粒径と粒界幅の和である粒子間ピッチは非磁性シード層とほぼ同等であり、かつ粒径分散も同等であることから、非磁性シード層の粒子構造が垂直磁気記録層まで伝達できていることが分かった。
一方、比較例1、2、比較例4ないし10の媒体において、垂直磁気記録層の平均粒径は7.6ないし7.8nmであり、非磁性シード層より肥大化していることが分かった。また粒径分散は、18.1ないし18.2%と非磁性シード層より悪化していることが分かった。すなわち、比較例1、2、比較例4ないし10の媒体において、非磁性シード層の粒子構造の垂直磁気記録層への伝達は不十分であることが分かった。また比較例3の媒体においては、垂直磁気記録層の平均粒径は8.8nmであり、粒径分散は22.8%であった。すなわち、比較例3の媒体は、実施例1の媒体や比較例1、2、比較例4ないし10の媒体の粒径分散に比べ、大幅に悪化していることが分かった。
次いで、これらの媒体の垂直磁気記録層の結晶配向性(Δθ50)をX線回折装置(XRD、スペクトリス社製、Xpert−MRD)を用いて、ロッキングカーブを測定することで調べた。得られた結果を下記表1に示す。実施例1の媒体の垂直磁気記録層のΔθ50は3.1°と良好な結晶配向性を持つことが分かった。
一方、比較例1、2、比較例4ないし10の媒体の垂直磁気記録層の結晶配向性は、Δθ50が10deg以上と実施例1の媒体と比べ、大幅に悪化していることが分かった。さらに、比較例3の媒体では、垂直磁気記録層のΔθ50は3.2°と実施例1の媒体とほぼ同等の良好な結晶配向性を持つことが分かった。
続いて、これらの媒体において、記録再生特性を評価した。記録再生特性の評価は、米国GUZIK社製リードライトアナライザRWA1632、およびスピンスタンドS1701MPを用いて測定した。記録再生特性の評価には、書き込みにシールド付(シールドは、磁気ヘッドから出る磁束を収束させる働きを持つ)のシングルポール磁極であるシールディットポール磁極、再生部にTMR素子を用いたヘッドを用いて、記録周波数の条件を線記録密度1400kBPIとして測定した。
得られた結果を下記表1に示す。
Figure 2015111482
表1に示すように、本願の実施例1の媒体は、22.1dBと比較例1ないし比較例10の媒体と比べて良好な記録再生特性を示すことが分かった。
以上をまとめると、比較例1、2、比較例4ないし10の媒体において、垂直磁気記録層の粒径分散が比較例3の媒体に比べては改善しているものの、実施例1の媒体に比べるとやや悪く、かつ結晶配向性が10degと大幅に悪化している。また比較例3の媒体においては、結晶配向性が実施例1の媒体と同等であるものの、粒径分散が20%以上と大幅に悪いことが分かった。すなわち、比較例1ないし10の媒体は、粒径分散の改善と結晶配向性の改善を両立できていない。よって、比較例の記録再生特性は、実施例1の媒体に比べて悪化していることが分かった。一方、実施例1の媒体は、非磁性シード層の粒子構造を垂直磁気記録層まで伝達しつつ、結晶配向性の改善も維持することで、低粒径分散と良結晶配向性が両立できていることが分かった。結果、記録再生特性も良好であった。
比較例11ないし13
軟磁性層3上に形成するNiW配向制御層、Ag非磁性バッファ層、及びAgGe非磁性シード層の製膜の順序を下記表2の通りに変更させた以外は、実施例1の媒体と同様にして作製し、比較例11に係る垂直磁気記録媒体800を得た。同様にして、比較例12,13を得た。なお、表2中、軟磁性層3上に形成される層を、軟磁性層3側から順に第1の層、第2の層、及び第3の層とした。
以下に、比較例11ないし13の媒体の構成を示す。
比較例11の構成
非磁性ガラス基板1/CrTi密着層2/CoFeTaZr軟磁性層3/Agバッファ層5/NiW配向制御層4/AgGe非磁性シード層6/Ru非磁性中間層7/CoCrPt−SiO垂直磁気記録層8/C保護層9
比較例12の構成
非磁性ガラス基板1/CrTi密着層2/CoFeTaZr軟磁性層3/AgGe非磁性シード層6/NiW配向制御層4/Agバッファ層5/Ru非磁性中間層7/CoCrPt−SiO垂直磁気記録層8/C保護層9
比較例13の構成
非磁性ガラス基板1/CrTi密着層2/CoFeTaZr軟磁性層3/Agバッファ層5/AgGe非磁性シード層6/NiW配向制御層4/Ru非磁性中間層7/CoCrPt−SiO垂直磁気記録層8/C保護層9
これらの媒体に対して、実施例1と同様に、結晶配向性、垂直磁気記録層の平均粒径、粒径分散、記録再生特性を調べた。
Figure 2015111482
表2に示すように、比較例11ないし13の媒体は、実施例1の媒体と比べて記録再生特性が劣ることが分かった。
比較例11ないし13の媒体の悪化のメカニズムを以下に述べる。比較例11の媒体は、比較例2と同等の結果を示している。これは、比較例11の媒体のように、Ag/NiWの順序では、AgGe膜の結晶配向性が改善できないことを示している。比較例12の媒体は、比較例3と同等の結果を示している。すなわち、AgGe非磁性シード層を、NiW/Agより下層で製膜すると、低粒径分散構造が伝達できないことを示している。比較例13の媒体は、比較例3と同等の結果を示している。すなわち、AgGe非磁性シード層を、NiWより下層で製膜すると、低粒径分散構造が伝達できないことを示している。
実施例2ないし7
非磁性バッファ層の材料を下記表3に示す材料に変更した以外は、実施例1の媒体と同様にして作製し、実施例2ないし7に係る垂直磁気記録媒体を得た。
以下に、実施例2ないし7の媒体の構成を示す。
実施例2ないし7の構成
非磁性ガラス基板1/CrTi密着層2/CoFeTaZr軟磁性層3/NiW配向制御層4/Ag合金バッファ層5/AgGe非磁性シード層6/Ru非磁性中間層7/CoCrPt−SiO垂直磁気記録層8/C保護層9
これらの媒体に対して、実施例1と同様に、結晶配向性、垂直磁気記録層の平均粒径、粒径分散、記録再生特性を調べた。
Figure 2015111482
表3に示すように、実施例2ないし7の媒体は、実施例1の媒体と比べて垂直磁気記録層の結晶配向性(Δθ50)に改善が見られ、これにより実施例1よりも記録再生特性の改善が見られている。
実施例8ないし12、および比較例14、15
非磁性バッファ層を下記表4に示す材料に変更すること以外は、実施例1の媒体と同様にして作製し、実施例8ないし12および比較例14、15に係る垂直磁気記録媒体を得た。
以下に、実施例8ないし12および比較例14、15の媒体の構成を示す。
実施例8ないし12および比較例14、15の構成
非磁性ガラス基板1/CrTi密着層2/CoFeTaZr軟磁性層3/NiW配向制御層4/Ag合金バッファ層5/AgGe非磁性シード層6/Ru非磁性中間層7/CoCrPt−SiO垂直磁気記録層8/C保護層9
これらの媒体に対して、実施例1と同様に、結晶配向性、垂直磁気記録層の平均粒径、粒径分散、記録再生特性を調べた。
Figure 2015111482
表4に示すように、実施例8ないし12の媒体は、実施例1の媒体と比べて垂直磁気記録層の結晶配向性(Δθ50)に改善が見られ、これにより実施例1よりも記録再生特性の改善が見られている。一方、比較例14、15の媒体は、実施例1、5、8ないし12の媒体に比べて、垂直磁気記録層の粒径分散等に悪化が見られ、よって、記録再生特性も悪化している。これは、Ag非磁性バッファ層に添加した材料の添加量が多すぎたことが原因であると考えられる。
実施例13ないし16
配向制御層を下記表5に示すNi合金に変更した以外は、実施例1の媒体と同様にして作製し、実施例13ないし16に係る垂直磁気記録媒体を得た。
以下に、実施例13ないし16の構成の媒体の構成を示す。
実施例13ないし16の構成
非磁性ガラス基板1/CrTi密着層2/CoFeTaZr軟磁性層3/Ni合金配向制御層4/Agバッファ層5/AgGe非磁性シード層6/Ru非磁性中間層7/CoCrPt−SiO垂直磁気記録層8/C保護層9
これらの媒体に対して、実施例1と同様に、結晶配向性、垂直磁気記録層の平均粒径、粒径分散、記録再生特性を調べた。
Figure 2015111482
表5に示すように、実施例13ないし16の媒体は、実施例1の媒体と同等の特性を持つことが分かる。
実施例17、18、および比較例16、17
非磁性シード層を作製する際の圧力を、表6に示すように0.01Paないし1.0Paの範囲で変更させて、非磁性シード層を形成した以外は、実施例1と同様にして、本願の実施例17、18の媒体、および比較例16、17の媒体を得た。ただし、0.01Paでの結果は、Ar圧力が低すぎてスパッタ放電せず、製膜することができなかったため記載していない。
実施例17、18、および比較例16、17の媒体の構成は以下の通りである。
実施例17、18、および比較例16、17の構成
非磁性ガラス基板1/CrTi密着層2/CoFeTaZr軟磁性層3/NiW配向制御層4/Agバッファ層5/AgGe非磁性シード層6/Ru非磁性中間層7/CoCrPt−SiO垂直磁気記録層8/C保護層9
これらの媒体に対して、実施例1と同様に、これらの媒体に対して、実施例1と同様に、結晶配向性、垂直磁気記録層の平均粒径、粒径分散、記録再生特性を調べた。
Figure 2015111482
表6に示すように、製膜圧力が0.05ないし0.3Paにおいて、比較例の媒体と比べて、良好な粒径分散および記録再生特性を持つことが分かった。
実施例19ないし21、比較例19ないし24
下記表7に示すように、非磁性シード層のGeの組成量を40at%ないし85at%まで変更させたAg−Geターゲットを用いて、非磁性シード層6を形成したこと以外は、実施例1と同様にして作製し、本発明の実施例19ないし21、比較例19ないし24に係る垂直磁気記録媒体を得た。
本願の実施例19ないし21、および比較例19ないし24の構成
非磁性ガラス基板1/CrTi密着層2/CoFeTaZr軟磁性層3/NiW配向制御層4/Agバッファ層5/AgGe非磁性シード層6/Ru非磁性中間層7/CoCrPt−SiO垂直磁気記録層8/C保護層9
これらの媒体の非磁性シード層に対して、平面方向のTEM分析を行った。
Figure 2015111482
実施例1、19ないし21の媒体の非磁性シード層について、AgGe膜は粒径5〜6nm程度の結晶質のAg粒子と、粒界幅1〜2nm程度の非晶質のGe粒界からなることが分かった。この時、粒径分散は13〜14%程度で低粒径分散であった。一方、比較例19ないし21の媒体の非磁性シード層について、数個のAg粒子が繋がったような構造を取っていることが分かった。これは、粒界物質であるGe量が少なすぎて、Ag粒子間を十分に分断できていないためと考えられる。次に、比較例22ないし24の媒体の非磁性シード層について、AgGe膜がアモルファス構造を取っていることが分かった。これは粒界物質であるGe量が多すぎて、粒子構造が壊されてしまったものと考えられる。これらの媒体に対して、実施例1と同様に記録再生特性を調べた。表7の通り、実施例1、19ないし21の媒体は、比較例の媒体と比べて良好な記録再生特性を持つことが分かった。
実施例22
垂直磁気記録層として、Fe−50%Pt−10mol%SiOを用いて垂直磁気記録層を形成した以外は、実施例1と同様にして、本願の実施例22の媒体を得た。
実施例22の媒体の構成は、以下の通りである。
実施例22の構成
非磁性ガラス基板1/CrTi密着層2/CoFeTaZr軟磁性層3/NiW配向制御層4/Agバッファ層5/AgGe非磁性シード層6/Ru非磁性中間層7/FePt−SiO垂直磁気記録層8/C保護層9
この媒体に対して、実施例1と同様に、TEM測定、XRD測定および記録再生特性を調べた。
Figure 2015111482
表8に示すように、良好な粒径分散および記録再生特性を持つことが分かった。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
1…基板、2…密着層、3…軟磁性層、4…配向制御層、5…非磁性バッファ層、6…非磁性シード層、7…非磁性中間層、8…垂直磁気記録層、9…保護層、20,62,100,200,300,400,500,600…垂直磁気記録媒体、64…スライダー、70…磁気記録再生装置

Claims (8)

  1. 非磁性基板、
    該非磁性基板上に形成されたfcc構造を持つニッケル合金からなる配向制御層、
    該ニッケル合金配向制御層上に接触して形成された、fcc構造を持つ銀を含む非磁性バッファ層、
    該非磁性バッファ層上に接触して形成された、fcc構造を持つ銀粒子と該銀粒子間に設けられた非晶質のゲルマニウム粒界とからなる非磁性シード層、
    該非磁性シード層上に形成された、ルテニウムまたはルテニウム合金からなる非磁性中間層、及び
    該非磁性中間層上に形成された垂直磁気記録層を具備することを特徴とする垂直磁気記録媒体。
  2. 前記非磁性バッファ層は、銀と、ニッケル、ゲルマニウム、ハフニウム、及びチタンからなる群から選択される1種または2種の金属とを含有することを特徴とする請求項1に記載の垂直磁気記録媒体。
  3. 前記非磁性バッファ層は、銀を主成分とするfcc構造を持つ結晶粒子と、該結晶粒子を取り囲み、該ニッケル、ゲルマニウム、ハフニウム、及びチタンから選択される1種または2種の金属を含有する粒界層とを含む請求項2に記載の垂直磁気記録媒体。
  4. 前記銀と前記金属の合計の原子量に対し前記金属の原子量の含有量は、10at%ないし70at%である請求項2または3に記載の垂直磁気記録媒体。
  5. 前記非磁性シード層は、不活性ガス雰囲気下で0.05ないし0.3Paの圧力でスパッタすることにより形成される請求項2ないし4のいずれか1項に記載の垂直磁気記録媒体。
  6. 前記非磁性シード層のゲルマニウム含有量は、55at%ないし70at%であることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項に記載の垂直磁気記録媒体。
  7. 前記配向制御層は、ニッケルと、タングステン、クロム、炭素、モリブデン、及びバナジウムからなる群から選択される少なくとも1種とからなることを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1項に記載の垂直磁気記録媒体。
  8. 請求項1ないし7のいずれか1項に記載の垂直磁気記録媒体と、
    前記垂直磁気記録媒体に対して情報の記録を行うための素子及び記録された情報の再生を行うための素子を有する磁気ヘッドを具備する磁気記録再生装置。
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