JP2004095074A - 垂直磁気記録媒体および磁気記録再生装置 - Google Patents
垂直磁気記録媒体および磁気記録再生装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2004095074A JP2004095074A JP2002255543A JP2002255543A JP2004095074A JP 2004095074 A JP2004095074 A JP 2004095074A JP 2002255543 A JP2002255543 A JP 2002255543A JP 2002255543 A JP2002255543 A JP 2002255543A JP 2004095074 A JP2004095074 A JP 2004095074A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- layer
- magnetic recording
- perpendicular magnetic
- recording medium
- magnetic
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Landscapes
- Magnetic Record Carriers (AREA)
- Thin Magnetic Films (AREA)
Abstract
【課題】記録再生特性が良好であり、かつ高密度の情報の記録再生が可能な垂直磁気記録媒体を得る。
【解決手段】磁気記録層が、Co、Cr、Pt及び0.2at%以上1at%未満のCを含むか、あるいは磁気記録層が、Co、Cr、Pt、Cを含有し、かつNi、Fe、Re、及びRuからなる群から選択される少なくとも1元素をさらに含有する垂直二層媒体。
【選択図】 図1
【解決手段】磁気記録層が、Co、Cr、Pt及び0.2at%以上1at%未満のCを含むか、あるいは磁気記録層が、Co、Cr、Pt、Cを含有し、かつNi、Fe、Re、及びRuからなる群から選択される少なくとも1元素をさらに含有する垂直二層媒体。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、磁気記録技術を用いたハードディスク装置等に用いられる磁気記録媒体、及びそれを用いた磁気記録再生装置に係り、特に、垂直方向の磁化変化を利用した垂直磁気記録媒体及びそれを用いた磁気記録再生装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
磁気記録再生装置の1種であるハードディスク装置(HDD)は、現在その記録密度が年率60%以上で増えており、今後もその傾向は続くと言われている。その為に、高記録密度に適した磁気記録用ヘッドの開発、及び磁気記録媒体の開発が進められている。
【0003】
現在、市販されている磁気記録再生装置に搭載されている磁気記録媒体は、主に、磁性層の磁化容易軸が基板に対して水平に配向した面内磁気記録媒体である。ここで磁化容易軸とは、磁化の向き易い軸のことであり、Co系合金の場合、Coのhcp構造のc軸のことを指す。
【0004】
このような面内磁気記録媒体では、高記録密度化すると、記録ビットの1ビットあたりの磁性層の体積が小さくなりすぎ、熱揺らぎ効果により、記録再生特性が悪化する可能性がある。また、高記録密度化した際に、記録ビット間の境界領域で発生する反磁界の影響により、媒体ノイズが増加する傾向がある。
【0005】
これに対し、磁性層の磁化容易軸が主に垂直に配向した、いわゆる垂直磁気記録媒体は、高記録密度化した際にも、記録ビット間の境界領域における反磁界の影響が小さく、鮮明なビット境界が形成されるため、ノイズの増加が抑えられる。しかも、面内磁気記録媒体よりも記録層が厚くても、良好な記録分解能が得られ、また、高記録密度化に伴う記録ビット体積の減少が少なくてすむため、熱揺らぎ効果にも強い。そこで、近年大きな注目を集めており、垂直磁気記録に適した媒体の構造が提案されている。
【0006】
また、近年では、磁気記録媒体の更なる高記録密度化が要望に対して、垂直磁気記録膜に対する書きこみ能力に優れている単磁極ヘッドと記録層である垂直磁気記録膜と基板との間に、裏打ち層として軟磁性材料からなる層を設けたいわゆる垂直二層膜媒体を組み合わせた垂直磁気記録装置が検討されている。
【0007】
しかしながら、現状の技術では、まだ、記録再生時の記録再生特性が不十分であり、垂直磁気記録装置を製品化するに至っていない。このため、記録再生特性に優れる磁気記録媒体が要望されていた。
【0008】
一般に、磁気記録媒体は、基板上に、磁性層の磁化容易軸を基板面に対して垂直または面内に配向させる下地層、磁性合金からなる垂直または面内磁気記録層および保護層の順で構成されている。この中で、磁気記録媒体の記録再生特性を改善するため、記録層の組成を検討したり、記録層を複数重ねるなどの層構造についても幾つかの改善手法が提案されている。しかし、従来の磁気記録媒体は、その記録再生特性がまだ、十分ではなく、さらに改善の必要がある。
【0009】
このような磁気記録媒体として、例えば非磁性基板上に、多結晶材料例えばCr系合金からなる下地層、及びCoCrPt合金に、W及びC(炭素)のうち少なくとも1種、あるいはTa及びNdのうち少なくとも1種を1ないし7at%添加した磁性層を積層し、この磁性層に含まれる磁性合金粒子の平面的な大きさが下地層を構成する多結晶粒子の平面的な大きさにより規定され、その大きさが20nm以下である面内磁気記録媒体等があげられる(例えば特許文献1参照。)。
【0010】
また、CoCrPt合金にホウ素(B)を添加した記録層組成も、面内磁気記録媒体の記録層に使用されている。Bは、結晶粒を微細化するとともに、粒界に偏析し、低ノイズ化に効果があると考えられており、垂直媒体においても、面内と同様に検討されているが、Bを多く添加すると、垂直配向性が低下してしまうため、垂直媒体の記録層としてはBの添加量が微量に限定され、粒界への偏析が期待できず、面内媒体ほどの効果が得られていない。
【0011】
【特許文献1】
特開2000−268338号(第1−5頁)
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、その第1の目的は、記録再生特性が良好であり、かつ高密度の情報の記録再生が可能な垂直磁気記録媒体を得ることにある。
【0013】
本発明の第2の目的は、記録再生特性が良好であり、高密度の情報の記録再生が可能な磁気記録再生装置を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明は、第1に、非磁性基板と、該非磁性基板上に設けられた軟磁性層と、該軟磁性層上に設けられ、Co、Cr、Pt及び0.2at%以上1at%未満の炭素を含む垂直磁気記録層とを具備することを特徴とする垂直磁気記録媒体を提供する。
【0015】
前記垂直磁気記録層は、さらに、ニッケル、鉄、レニウム、及びルテニウムからなる群から選択される少なくとも1元素を含有し得る。
【0016】
本発明は、第2に、非磁性基板と、該非磁性基板上に設けられた軟磁性層と、該軟磁性層上に設けられ、Co、Cr、Pt、炭素を含む垂直磁気記録層とを具備し、
前記垂直磁気記録層は、さらに、Ni、Fe、Re、及びRuからなる群から選択される少なくとも1元素をさらに含有することを特徴とする垂直磁気記録媒体を提供する。
【0017】
前記第2の発明において、炭素は、好ましくは、その含有量が前記垂直磁気記録層中に0.2at%ないし10at%である。
【0018】
前記垂直磁気記録層上にコバルト、クロム、プラチナ、及びホウ素を含有する層をさらに具備することができる。
【0019】
前記コバルト、クロム、プラチナ、及びホウ素を含有する層上に、前記垂直磁気記録層と同様の垂直磁気記録層をさらに具備することができる。
【0020】
前記垂直磁気記録層と前記軟磁性層との間に、CoTaZr、CoGd、CoNd、NiTa、NiNb、CoNiTa、CoNiZr、ゲルマニウム、チタン、ハフニウム、ルテニウム、NiAl.FeAl、CoCr、TiN、炭素、パラジウム、及びプラチナからなる群から選択される少なくとも1つの物質を含有するシード層をさらに具備することができる。
【0021】
前記垂直磁気記録層と前記シード層との間に、NiTa、NiNb、CoNiTa、CoNiZr、ゲルマニウム、チタン、ハフニウム、ルテニウム、NiAl、FeAl、CoCr、CoGd、TiN、炭素、パラジウム、及びプラチナからなる群から選択される少なくとも1つの物質を含有する配向制御層をさらに具備することができる。
【0022】
前記垂直磁気記録層と前記配向制御層との間にさらにCoCrPtを主成分として、ホウ素、銅、ルテニウム、ジルコニウム、タングステン、及び炭素からなる群から選択される少なくとも1つの物質を含有する中間層をさらに具備することができる。
【0023】
前記垂直磁気記録層と軟磁性層と間に、コバルト、クロム、プラチナ、及びホウ素を含有する層をさらに具備することができる。
【0024】
前記コバルト、クロム、プラチナ、及びホウ素を含有する層と前記軟磁性層との間に、CoTaZr、CoGd、CoNd、NiTa、NiNb、CoNiTa、CoNiZr、ゲルマニウム、チタン、ハフニウム、ルテニウム、NiAl、FeAl、CoCr、TiN、炭素、パラジウム、及びプラチナからなる群から選択される少なくとも1つの物質を含有するシード層をさらに具備することができる。
【0025】
前記コバルト、クロム、プラチナ、及びホウ素を含有する層と前記シード層との間に、NiTa、NiNb、CoNiTa、CoNiZr、ゲルマニウム、チタン、ハフニウム、ルテニウム、NiAl、FeAl、CoCr、CoGd、TiN、炭素、パラジウム、及びプラチナからなる群から選択される少なくとも1つの物質を含有する配向制御層をさらに具備することができる。
【0026】
前記コバルト、クロム、プラチナ、及びホウ素を含有する層と前記配向制御層との間にさらにCoCrPtを主成分として、ホウ素、銅、ルテニウム、ジルコニウム、タングステン、及び炭素からなる群から選択される少なくとも1つの物質を含有する中間層をさらに具備することができる。
【0027】
前記非磁性基板から一番遠い位置に設けられた垂直磁気記録層上に、コバルトと、マンガン、ツリウム、エルビウム、ホルミウム、ジスプロシウム、テルビウム、ガドリニウム、ユーロピウム、サマリウム、プロメチウム、ネオジム、プラセオジム 、セリウム、及びランタンからなる群から選択される少なくとも1元素とを含有するコバルト含有層をさらに具備することができる。
【0028】
前記垂直磁気記録層上に設けられた、コバルトと、マンガン、ツリウム、エルビウム、ホルミウム、ジスプロシウム、テルビウム、ガドリニウム、ユーロピウム、サマリウム、プロメチウム、ネオジム、プラセオジム、セリウム、及びランタンから選択される少なくとも1元素とを含有するコバルト含有層、及び該コバルト含有層上に設けられた、前記垂直磁気記録層と同様の垂直磁気記録層をさらに具備することができる。
【0029】
前記軟磁性層と前記非磁性基板との間に、面内硬磁性層をさらに具備することができる。
【0030】
本発明は、第3に、上記垂直磁気記録媒体と、前記垂直磁気記録媒体に対して情報の記録を行う単磁極記録ヘッドとを具備することを特徴とする磁気記録再生装置を提供する。
【0031】
【発明の実施の形態】
本発明の第1の観点にかかる垂直磁気記録媒体は、非磁性基板上に順次積層された軟磁性層及び垂直磁気記録層を有し、垂直磁気記録層がCo、Cr、Pt及び0.2at%以上1at%未満のCを含む。
【0032】
図1に、第1の観点に係る垂直磁気記録媒体の層構成を表す概略断面図を示す。
【0033】
図示するように、第1の観点に係る垂直磁気記録媒体は、非磁性基板1上に、軟磁性層2及びCo、Cr、Pt及び0.2at%以上1at%未満のCを含む垂直磁気記録層3が積層された構成を有する。
【0034】
本発明の第2の観点にかかる垂直磁気記録媒体は、非磁性基板上に、順次積層された軟磁性層、及び垂直磁気記録層を有し、垂直磁気記録層は、Co、Cr、Pt、Cを含有し、かつNi、Fe、Re、及びRuからなる群から選択される少なくとも1元素をさらに含有する。
【0035】
磁気記録層としては、垂直方向に磁化しやすい垂直磁気記録層が設けられる。垂直磁気記録層は、垂直方向が磁化容易軸となるような磁気異方性と配向性を持ち、高密度記録でも記録ビットが安定でノイズが小さくなるように、微細な磁化単位が求められる。
【0036】
CoCrPt記録層は、六方最密構造(HCP)をとり異方性が大きいCo合金を主元素として、これに異方性を高めるためPtを加え、粒子間の磁気的相互作用を弱め磁気単位を微細にして、高密度記録が可能なようにCrを添加したものである。磁気記録層製膜時に、基板の加熱等により、このCoCrPt記録層を加熱することで、Crは結晶粒界に偏析するようになり、HCPのC軸が基板に垂直に配向したCo合金結晶がCrによって磁気的に分離微細化した好ましい構造をとり得る。本発明では、上記CoCrPt記録層の特性をさらに改善するため、さらにCを添加する。
【0037】
Cは、CoやPtと固溶しにくく、Crと結合しやすい。このため、Coの含有量が多い磁性結晶粒子内から粒界に出やすく、さらに、磁性結晶粒子内のCrを粒界に引き出しやすい。この結果として、Crの偏析が促進され、磁気的分離がすすみ、媒体ノイズが低下する。
【0038】
第1の観点に係る垂直磁気記録層のCの添加量は0.2.以上1.0at.%以下である。Cが多すぎるとCo結晶粒子内に残る結果、Co結晶粒子の結晶異方性を低下させたり、垂直配向性を劣化させてしまう傾向がある。
【0039】
第2の観点に使用される垂直磁気記録層のCの添加量は、好ましくは10at.%以下、さらに好ましくは0.2ないし10at%である。Cの含有量が10at%を超えると、Co結晶粒子中にCが多量に残留し、Co結晶粒子の結晶異方性を低下させたり、垂直配向性を劣化させる傾向がある。
【0040】
第2の観点に係る垂直磁気記録層中に使用されるNi、Fe、Re、及びRuは、CoやPtとは固溶しやすいけれども、Cとは固溶し難いため、Cの効果例えばCが磁性結晶粒子内から容易に粒界に出ること、及びCが磁性結晶粒子内のCrを粒界に引き出すことを、阻害しない。
【0041】
また、これらのNi、Fe、Ru、及びReは、Ptと置換して添加することで、飽和磁化Msの大きさや異方性の大きさを制御し、ヘッドとの組み合わせで特性を最適化することができる。
【0042】
第1の観点にかかる垂直磁気記録層にもまた、Ni、Fe、Ru、及びReからなる群から選択される少なくとも1元素をさらに含有し得る。
【0043】
Ni、Fe、Ru、及びReの好ましい添加量は、1at%ないし10at%である。10at%を超えると、異方性が低下し、垂直保磁力が低下する傾向があり、1at%未満であると、Cが磁性結晶粒子内のCrを粒界に引き出すことを、阻害することなく、CoやPtと固溶する効果が現れ難い傾向がある。 第2の観点に係る垂直磁気記録媒体の層構成は、図1に示す層構成と同様である。
【0044】
第1及び第2の観点に係る垂直磁気記録媒体において、非磁性基板としては、結晶化ガラス基板、化学強化アルミノ珪酸アモルファスガラス等が好ましく用いられる。
【0045】
また、軟磁性層としては、例えばBsが高く軟磁気特性が良好なCoZrNb合金、FeCoB合金、FeTaC合金、FeHfN合金、CoFe合金、NiFe合金、FeAlSi合金などが好ましく用いられる。
【0046】
軟磁性層は、単磁極ヘッドとの組み合わせで磁界の垂直成分を増加させ、記録層に急峻で充分な垂直磁界を印加させるために設けられる。軟磁性層は、磁区を形成しやすく、この磁区はスパイク状のノイズを発生することから、アモルファス系の軟磁性膜では、面内硬磁性層や反強磁性層と組み合わせて使用し、半径方向にバイアス磁界をかけて磁区の発生を防止したり、あるいは、結晶性の軟磁性膜では、Cなどの非磁性膜と組み合わせて積層構造とし、結晶異方性を細かく分散して大きな磁区を形成し難くするなどの試みがなされている。
【0047】
この軟磁性層上には、好ましくは、磁気記録層の磁性粒子の粒径を制御し、垂直配向性を向上するための非磁性下地層を設けることができる。また、この下地層を設けて、記録層と軟磁性層との磁気的分離を起こすことにより、軟磁性層の特性の劣化を防止することができる。このような非磁性下地層としては、非磁性CoCr系やRu系、Ti系、Ni合金系などのHCP構造あるいはFCC(面心立方)構造を有し、その最密面が基板に平行に成長しやすく、記録層と格子定数が近いものや、GeやCのように非晶質となりやすいものが好ましく使用される。下地層は一層または二層以上形成することができる。
【0048】
本発明の第3の観点に係る垂直磁気記録媒体は、垂直磁気記録層上または垂直磁気記録層と軟磁性層との間に、Co、Cr、Pt、及びホウ素を含有するCoCrPtB系層が設けられる。
【0049】
CoCrPtB系層は、主としてCoCrPtを含み、これに少なくともホウ素Bが添加される。垂直配向性を乱さない程度にBを加えることで、Coの結晶粒子自体を微細化することができる。
【0050】
この膜は、Cr量を少なくし、磁性を持たせることにより、記録層の一部として用いることができる。このときのCr量は、好ましくは14ないし28at%である。
【0051】
あるいは、Crを多く添加して、非磁性にせしめ、上記CoCrPtB系層を下地層として使用することができる。とくに、本発明に用いられるCを含む磁気記録層の下に形成しておくと、この磁気記録層が、この下地層中のCoが微細な状態を引き継いで、これにより、Cr偏析が促進されるため、磁気的分離がさらに進み、媒体ノイズが低下する効果が大きくなる。このとき、Cr量は、好ましくは28ないし40at%である。
【0052】
また、Bの含有量は、0.2at%ないし6at%である。6at%を超えると、垂直配向性が劣化する傾向があり、0.2at%未満であると、Coの結晶粒子自体を微細化する効果が得られない傾向がある
第3の観点に係る垂直磁気記録媒体の層構成を表す図を図2ないし図5に示す。
【0053】
図2に示すように、第3の観点に係る垂直磁気記録媒体の第1の例は、非磁性基板1上に順次積層された軟磁性層2、上記CoCrPtB系層4及び垂直磁気記録層3を有し、垂直磁気記録層3はCo、Cr、Pt及び0.2at%以上1at%未満のCを含有する。
【0054】
図3に示すように、第3の観点に係る垂直磁気記録媒体の第2の例は、非磁性基板1上に順次積層された軟磁性層2、上記垂直磁気記録層3、及び上記CoCrPtB系層4を有する。
【0055】
図4に示すように、第3の観点に係る垂直磁気記録媒体の第3の例は、非磁性基板1上に順次積層された軟磁性層2、第1の垂直磁気記録層3a、上記CoCrPtB系層4、及び第2の垂直磁気記録層3bを有し、第1及び第2の垂直磁気記録層は、各々、Co、Cr、Pt及び0.2at%以上1at%未満のCを含有する。
【0056】
図5に示すように、第3の観点に係る垂直磁気記録媒体の第4の例は、
非磁性基板1上に順次積層された軟磁性層2、上記CoCrPtB系層4a、第1の垂直磁気記録層3a、上記CoCrPtB系層4b、及び第2の垂直磁気記録層3bを有し、CoCrPtB系層と垂直磁気記録層とが交互に積層されて多層体を構成している。CoCrPtB系層と垂直磁気記録層との順序は逆にすることができる。しかしながら、図5のように、第1の垂直磁気記録層3aの下地層として、CoCrPtB系層4aが設けられていることが好ましい。
【0057】
本発明の第4の観点によれば、上述の第1ないし第3の観点に係る垂直磁気記録媒体において、垂直磁気記録層上、2以上の垂直磁気記録層の中間、あるいは、2以上の垂直磁気記録層のうち一番上の層の上に、Coと、Mn、Tb、Nd、Gd、及びCeから選択される少なくとも1元素とを含有するCo含有層をさらに設けることができる。
【0058】
第4の観点に使用されるCoに、Tm、Er、Ho、Dy、Tb、 Gd 、Eu、Sm、Pm、Nd、Pr、Ce、及びLaからなる群から選択される少なくとも1種の元素を加えた層は、Msが小さく、膜自体の反磁界を小さくするため、分解能が向上し得る。とくに、Mn、やGd以降の重希土類(Tm、Er、Ho、Dy、Tb、及びGd)を添加したものでは、これらのスピン磁気モーメントがCoのスピン磁気モーメントと反平行を向く傾向があるため、この効果が大きく好ましい。このCo含有層の厚さは、好ましくは0.5ないし10nmである。10nmを超えると、記録層全体の保磁力が低下する傾向があり、0.5nm未満であると、膜自体の反磁界を小さくせしめ、分解能を向上する効果がみられない傾向がある。
【0059】
図6に、Co含有層を垂直磁気記録層の上層として使用する場合の層構成の一例を表す概略断面図を示す。図示するように、この垂直磁気記録媒体は、垂直磁気記録層3の上にCoに、Mn、Tb、Nd、Gd、及びCeからなる群から選択される少なくとも1種の元素を加えたCo含有層5が設けられていること以外は図1と同様の構成を有する。
【0060】
また、図7に、Co含有層を垂直磁気記録層の中間層として用いる場合の層構成の一例を示す概略断面図を示す。
【0061】
図示するように、中間層として、CoCrPtB系層4bの代わりにCo含有層5が形成されている以外は、図5と同様の構成を有する。
【0062】
第1及び第4の観点に係る垂直磁気記録媒体では、垂直磁気記録層と軟磁性層との間に、CoTaZr、CoGd、CoNd、NiTa、NiNb、CoNiTa、CoNiZr、Ge、Ti、Hf、Ru、NiAl、FeAl、CoCr、TiN、C、Pd、及びPtからなる群から選択される少なくとも1つの物質を含有するシード層をさらに設けることができる。
【0063】
図8に、シード層を有する垂直磁気記録媒体の一例を表す概略断面図を示す。
【0064】
図示するように、この垂直磁気記録媒体は、垂直磁気記録層3と軟磁性層2との間に、シード層6が設けられている以外は、図1と同様の構成を有する。
【0065】
また、垂直磁気記録層とシード層との間に、NiTa、NiNb、CoNiTa、CoNiZr、Ge、Ti、Hf、Ru、NiAl、FeAl、CoCr、CoGd、TiN、C、Pd、及びPtからなる群から選択される少なくとも1つの物質を含有する配向制御層をさらに設けることができる。
【0066】
図9に、シード層及び配向制御層を有する垂直磁気記録媒体の一例を表す概略断面図を示す。
【0067】
図示するように、垂直磁気記録層3とシード層6との間に配向制御層7がさらに設けられていること以外は、図8と同様の構成を有する。
【0068】
さらに、垂直磁気記録層と配向制御層との間に、記録層の初期成長層の役目を担うため、Cr含有量の高い組成を有するCoCrPtを主成分として、B、Cu、Ru、Zr、W、Cからなる群から選択される少なくとも1つの物質を含有する中間層をさらに設けることができる。
【0069】
図10に、シード層、配向制御層及び中間層を有する垂直磁気記録媒体の一例を表す概略断面図を示す。
【0070】
図示するように、垂直磁気記録層3と配向制御層7との間に中間層8がさらに設けられていること以外は、図9と同様の構成を有する。
【0071】
また、軟磁性層と前記非磁性基板との間に、軟磁性膜にバイアス磁界を印加させるための面内硬磁性層をさらに設けることができる。
【0072】
図11に、面内硬磁性層をさらに有する垂直磁気記録媒体の一例を表す概略断面図を示す。
【0073】
図示するように、軟磁性層2と基板1との間に面内硬磁性層9がさらに設けられていること以外は、図10と同様の構成を有する。
【0074】
さらに、この面内硬磁性層と軟磁性層との間に、面内硬磁性層とその上に形成される軟磁性層との磁化固着強度を制御するための弱磁性層を形成することができる。
【0075】
図12に、弱磁性層をさらに有する垂直磁気記録媒体の一例を表す概略断面図を示す。
【0076】
図示するように、軟磁性層2と面内硬磁性層9との間に弱磁性層10がさらに設けられていること以外は、図11と同様の構成を有する。
【0077】
面内硬磁性層と非磁性基板との間に、Cr合金、V合金、W合金、NiAl合金、FeAl合金、及びNiP合金等からなる群から選択される少なくとも1つの物質を含有する下地層を設けることができる。
【0078】
図13に、下地層をさらに有する垂直磁気記録媒体の一例を表す概略断面図を示す。
【0079】
図示するように、軟磁性層2と弱磁性層10との間に下地層11がさらに設けられていること以外は、図12と同様の構成を有する。
【0080】
垂直磁気記録層上に、Cなどによる保護膜を設けることができる。さらに、保護膜上に潤滑層を設けることができる。
【0081】
また、本発明の第5の観点によれば、上記垂直磁気記録媒体と、この垂直磁気記録媒体に対して情報の記録を行う単磁極記録ヘッドとを具備することを特徴とする磁気記録再生装置が提供される。
【0082】
図14に、本発明にかかる磁気記録再生装置の一例を一部分解した斜視図を示す。
【0083】
本発明に係る情報を記録するための剛構成の磁気ディスク121はスピンドル122に装着されており、図示しないスピンドルモータによって一定回転数で回転駆動される。磁気ディスク121にアクセスして情報の記録行う単磁極型記録ヘッド及び情報の再生を行うためのMRヘッドを搭載したスライダー123は、薄板状の板ばねからなるサスペンション124の先端に取付けられている。サスペンション124は図示しない駆動コイルを保持するボビン部等を有するアーム125の一端側に接続されている。
【0084】
アーム125の他端側には、リニアモータの一種であるボイスコイルモータ126が設けられている。ボイスコイルモータ126は、アーム125のボビン部に巻き上げられた図示しない駆動コイルと、それを挟み込むように対向して配置された永久磁石および対向ヨークにより構成される磁気回路とから構成されている。
【0085】
アーム125は、固定軸127の上下2カ所に設けられた図示しないボールベアリングによって保持され、ボイスコイルモータ126によって回転揺動駆動される。すなわち、磁気ディスク121上におけるスライダー123の位置は、ボイスコイルモータ126によって制御される。なお、図14中、128は蓋体を示している。
【0086】
【実施例】
実施例1、比較例1ないし3
2.5インチハードディスク形状の結晶化ガラス基板を用意した。
【0087】
スパッタ装置内を1×10−5Pa以下に真空引きした後に、この基板を装置内に載置して1700Wで7秒間加熱し、Ni−50at%Alターゲットを用いて、Ar圧0.6Paで、スパッタにより5nm の厚さを有するNiAlシード層を形成した。
【0088】
続いて、NiAlシード層上に、硬磁性層を面内に配向させるための5nmの厚さを有するCr合金下地層を形成した。
【0089】
次に、15nmの厚さを有するCoCrPt合金面内硬磁性層を形成した。
【0090】
さらに、この面内硬磁性層上に、CoCr合金弱磁性層を2nm厚さで形成した。
【0091】
その後、この弱磁性層上に、軟磁性裏打ち層としてCo−5at.%Zr−8at.%Nb軟磁性層を100nmの厚さで形成し、さらにCo−6at.%Ta−2at.%Zrシード層を20nmの厚さで形成した。
【0092】
さらに、このCo−6at.%Ta−2at.%Zrシード層上に、配向制御層として5nm 厚のNi−40at.%Ta層を形成した。
【0093】
次に、Co−37at.%Cr−16at.%Pt中間層を15nmの厚さに形成した。
【0094】
その後、この中間層上にCo−19at.%Cr−16at.%Pt−0.8at.%C垂直磁気記録層を20nmの厚さに形成した。
【0095】
さらに、この垂直磁気記録層上にCVD法でCVD−C保護層を6nm形成した後、潤滑層として、パーフルオロポリエーテル(PFPE)を約1nm強、ディップ法でコートし、垂直磁気記録媒体と得た。
【0096】
得られた垂直磁気記録媒体は、垂直磁気記録層上に保護層及び潤滑層を有すること以外は、図13と同様の層構成を有する。
【0097】
この後、着磁装置を用いて半径方向に1185kA/m以上のパルス磁界を印加し、面内硬磁性膜の磁化を半径方向にそろえることによって、軟磁性膜にバイアス磁界が印加されるようにし、軟磁性層の磁区を取り除いた。
【0098】
比較例1、比較例2、及び比較例3として、記録層をCo−20at.%Cr−16at.%Pt、Co−20at.%Cr−16at.%Pt−3at.%Ta、Co−20at.%Cr−16at.%Pt−3at.%Bを用いて形成する以外は同じ構成の垂直磁気記録媒体を各々作製し、磁気特性評価と記録再生特性の評価を行なった。
【0099】
磁気特性は、Kerr効果を用いて評価した。この媒体の磁気特性は、垂直保磁力が300.2kA/m、角型比0.92、逆磁区発生磁界Hnが15.8kA/mであった。
【0100】
また、0.23um幅の単磁極記録ヘッドと0.15um幅のGMR再生素子を備えた浮上量9nm対応ヘッドを用いて、記録再生特性を評価したところ、微分回路を通した後の再生波で、記録密度552kFCIでのノイズ(rms値)と低域孤信号の比SNmは、23.0dBが得られ、記録分解能の指標として孤立再生派を微分した波形の半値幅PW50として8.9nsecと良好な値が得られた。一方、比較例で用いた媒体は、記録層としてCo−20at.%Cr−16at.%Pt を用いたものが、Hcが292.3kA/m各型比0.92、逆磁区発生Hnが11.85kA/mで、媒体SNR(SNm)が20.5dB、PW50が9.2nsecとなり、記録層として、Co−20at.%Cr−16at.%Pt−3at.%Ta を用いたものが、Hc:252.8kA/m、角型比0.85、逆磁区発生磁界Hnが−15.8kA/m、SNmが20.0dB、PW50が9.4(nsec)となり、記録層としてCo−20at.%Cr−16at.%Pt−3at.%B を用いたものが、Hc260.7kA/m、角型比0.88、逆磁区発生磁界Hnが−11.85kA/m、SNmが21.0(dB)、PW50が9.1nsecとなった。このことから、本発明の垂直磁気記録媒体の方が優れていることがわかった。
【0101】
得られた結果を下記表1に示す。
【0102】
なお、垂直記録層のCoCrPtC組成において、C量を1at.%以上にしてしまうと、垂直保磁力が低下するとともに、角型比が0.7を割り込んでしまい、媒体SNmは良好であるものの、記録分解能が大きく低下してしまった。また、C量が0.2at.%未満であると、Cを添加しないものと違いが見られなくなった。したがって、Cの添加量は、0.2at.%以上、1at.%未満が適当であった。
【0103】
実施例2
垂直磁気記録層の組成をCo−16at.%Cr−14at.%Pt−10at.%Ru−3at.%Cに変更する以外は、実施例1と同様にして垂直磁気記録媒体を作成した。
【0104】
得られた垂直磁気記録媒体について、磁気特性と記録再生特性を同様にして評価した。
【0105】
Kerr効果を用いて評価した媒体の磁気特性は、垂直保磁力が312.05kA/m、角型比0.94、逆磁区発生磁界Hnが23.7kA/mであった。
【0106】
また、0.23um幅の単磁極記録ヘッドと0.15um幅のGMR再生素子を備えた浮上量9nm対応ヘッドを用いて、記録再生特性を評価したところ、微分回路を通した後の再生波で、記録密度552kFCIでのノイズ(rms値)と低域孤信号の比SNmは、23.5dB、記録分解能の指標である孤立再生派を微分した波形の半値幅PW50として8.8nsecが得られた。
【0107】
得られた結果を下記表1に示す。
【0108】
垂直磁気記録層にRuを添加していない実施例1と比較して、Ruを添加するとCをより多く添加しても、保磁力の低下が起こらず、記録分可能の低下が見られないことがわかった。媒体SNmは、C量の増加に伴って良好な結果となった。
【0109】
実施例3
Co−37at.%Cr−16at.%Pt中間層の組成を、Bが添加されたCo−26at.%Cr−12at.%Pt−4at.%Bに変更する以外は実施例2と同様にして垂直磁気記録媒体を得た。
【0110】
得られた垂直磁気記録媒体について、磁気特性と記録再生特性を同様にして評価した。
【0111】
Kerr効果を用いて評価した媒体の磁気特性は、垂直保磁力が292.3kA/m、角型比0.93、逆磁区発生磁界Hnが23.7kA/mであった。
【0112】
また、0.23um幅の単磁極記録ヘッドと0.15um幅のGMR再生素子を備えた浮上量9nm対応ヘッドを用いて、記録再生特性を評価したところ、微分回路を通した後の再生波で、記録密度552kFCIでのノイズ(rms値)と低域孤信号の比SNmは、媒体のSNとして24.0dB、記録分解能の指標である孤立再生派を微分した波形の半値幅PW50として8.7nsecが得られた。
【0113】
得られた結果を下記表1に示す。
【0114】
実施例3の媒体は、記録層の下にBを添加したCoCrPtB膜を用いたことで、実施例2の媒体と比較して、NiTa膜上に形成させたCo合金膜の結晶が微細化されているので、この粒径の微細化これによって、より良好な特性が得られたものと考えられる。
【0115】
実施例4
垂直磁気記録層とC膜との間にさらにCo−20at.%Gd層を3nm形成する以外は、実施例3と同様にして垂直磁気記録媒体を得た。
【0116】
得られた垂直磁気記録媒体について、磁気特性と記録再生特性を同様にして評価した。
【0117】
Kerr効果を用いて評価した本発明媒体の磁気特性は、垂直保磁力が300.2kA/m、角型比0.95、逆磁区発生磁界Hnが35.55kA/mであった。また、0.23um幅の単磁極記録ヘッドと0.15um幅のGMR再生素子を備えた浮上量9nm対応ヘッドを用いて、記録再生特性を評価したところ、微分回路を通した後の再生波で、記録密度552kFCIでのノイズ(rms値)と低域孤信号の比SNmは24.0dB、記録分解能の指標である孤立再生派を微分した波形の半値幅PW50として8.5nsecが得られた。
【0118】
得られた結果を下記表1に示す。
【0119】
CoCrPtRuC記録層の上にCo−希土類合金であるCo−Gd膜を形成したことで、記録分解能がより良好となった。
【0120】
一方、比較例4の媒体は、垂直保磁力が252.8kA/m、角型比0.9、逆磁区発生磁界が9.48kA/mであり、また、媒体SNmが21dB、記録分解能が9.0nsecであり、本実施例媒体の方が優れていた。
【0121】
実施例5
垂直磁気記録層の組成をCo−16at.%Cr−16at.%Pt−8at.%Ru−2at.%Cに変更し、かつCo−20at.%Gd層を、この垂直磁気記録層と交互に4回ずつ積層する以外は、実施例4と同様にして垂直磁気記録媒体を作成した。この際、Co−16at.%Cr−16at.%Pt−8at.%Ru−2at.%C膜の合計は20nm、CoGd膜の膜厚はそれぞれ0.8nmとした。
【0122】
得られた垂直磁気記録媒体について、磁気特性と記録再生特性を同様にして評価した。
【0123】
Kerr効果を用いて評価した媒体の磁気特性は、垂直保磁力が292.3kA/m、角型比0.95、逆磁区発生磁界Hnが31.6kA/mであった。
【0124】
また、0.23um幅の単磁極記録ヘッドと0.15um幅のGMR再生素子を備えた浮上量9nm対応ヘッドを用いて、記録再生特性を評価したところ、微分回路を通した後の再生波で、記録密度552kFCIでのノイズ(rms値)と低域孤信号の比SNmは24.0dB、記録分解能の指標である孤立再生派を微分した波形の半値幅PW50として8.5nsecが得られた。
【0125】
得られた結果を下記表1に示す。
【0126】
CoCrPtRuCのトップコートでなくとも、Co−希土類合金を記録層中に用いることで、同等の良好な特性が得られた。
【0127】
実施例6及び比較例5
垂直磁気記録層の組成をCo−16at.%Cr−12at.%Pt−2at.%Re−1at.%Cに変更する以外は、実施例4と同様にして垂直磁気記録媒体を得た。
【0128】
比較のため、記録層として、CのないCo−22at.%Cr−16at.%Ptを用いた以外は実施例6と同様にして、垂直磁気記録媒体を作製し、比較例5とした。
【0129】
得られた垂直磁気記録媒体について、磁気特性と記録再生特性を同様にして評価した。
【0130】
Kerr効果を用いて評価した媒体の磁気特性は、垂直保磁力が300.2kA/m、角型比0.95、逆磁区発生磁界Hnが33.18kA/mであった。
【0131】
また、0.23um幅の単磁極記録ヘッドと0.15um幅のGMR再生素子を備えた浮上量9nm対応ヘッドを用いて、記録再生特性を評価したところ、微分回路を通した後の再生波で、記録密度552kFCIでのノイズ(rms値)と低域孤信号の比SNmは22.5dB、記録分解能の指標である孤立再生派を微分した波形の半値幅PW50として8.5nsecが得られた。
【0132】
一方、比較例5の媒体は、垂直保磁力が260.7kA/m、角型比0.89、逆磁区発生磁界が7.9kA/mであり、また、媒体SNmが20.5dB、記録分解能が9.1nsecであった。
【0133】
得られた結果を下記表1に示す。
【0134】
これにより、実施例6の媒体の方が優れていることがわかった。
【0135】
実施例7及び比較例6
垂直磁気記録層の組成をCo−18at.%Cr−12at.%Pt−6at.%Ni−3at.%Cに、Co−20at.%Gd層の代わりにCo−25at.%Ce膜を形成する以外は実施例4と同様にして垂直磁気記録媒体を得た。
【0136】
得られた結果を下記表1に示す。
【0137】
また、比較のため、記録層としてCのないCo−22at.%Cr−16at.%Ptを用いた以外は実施例7と同様にして、同じ構成の垂直磁気記録媒体(比較例6)を作成し、比較例6とした。
【0138】
得られた垂直磁気記録媒体について、磁気特性と記録再生特性を同様にして評価した。
【0139】
Kerr効果を用いて評価した本発明媒体の磁気特性は、垂直保磁力が268.6kA/m、角型比0.95、逆磁区発生磁界Hnが31.6kA/mであった。
【0140】
また、0.23um幅の単磁極記録ヘッドと0.15um幅のGMR再生素子を備えた浮上量9nm対応ヘッドを用いて、記録再生特性を評価したところ、微分回路を通した後の再生波で、記録密度552kFCIでのノイズ(rms値)と低域孤信号の比SNmは22.0dB、記録分解能の指標である孤立再生派を微分した波形の半値幅PW50として8.4nsecが得られた。
【0141】
一方、比較例6の媒体は、垂直保磁力が233.05kA/m、角型比0.89、逆磁区発生磁界Hnが3.95kA/m、媒体SNmが20.5dB、PW50が9.1nsecであった。このことから実施例7の媒体の方が優れていることがわかった。
【0142】
実施例8
垂直磁気記録層の組成をCo−19at.%Cr−18at.%Pt−4at.%Fe−6at.%Cに変更し、さらにCo−20at.%Gd層の代わりに、Co−25at.%Gd層を形成する以外は、実施例4と同様にして、垂直磁気記録媒体を得た。
【0143】
Kerr効果を用いて評価した媒体の磁気特性は、垂直保磁力が276.5kA/m、角型比0.95、逆磁区発生磁界Hnが15.8kA/mであった。
【0144】
また、0.23um幅の単磁極記録ヘッドと0.15um幅のGMR再生素子を備えた浮上量9nm対応ヘッドを用いて、記録再生特性を評価したところ、微分回路を通した後の再生波で、記録密度552kFCIでのノイズ(rms値)と低域孤信号の比SNmは23dB、記録分解能の指標である孤立再生派を微分した波形の半値幅PW50として8.8nsecと良好な値が得られた。
【0145】
得られた結果を下記表1に示す。
【0146】
【表1】
【0147】
【発明の効果】
本発明によれば、垂直磁気記録方式を用いて、高密度で優れた記録再生を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の観点に係る垂直磁気記録媒体の層構成を表す概略断面図
【図2】第3の観点に係る垂直磁気記録媒体の層構成の第1の例を表す概略断面図
【図3】第3の観点に係る垂直磁気記録媒体の層構成の第2の例を表す概略断面図
【図4】第3の観点に係る垂直磁気記録媒体の層構成の第3の例を表す概略断面図
【図5】第3の観点に係る垂直磁気記録媒体の層構成の第4の例を表す概略断面図
【図6】第4の観点に係る垂直磁気記録媒体の一例の層構成を表す概略断面図
【図7】第4の観点に係る垂直磁気記録媒体の他の一例の層構成を表す概略断面図
【図8】本発明の垂直磁気記録媒体のさらに他の層構成の例を表す概略断面図
【図9】本発明の垂直磁気記録媒体のさらに他の層構成の例を表す概略断面図
【図10】本発明の垂直磁気記録媒体のさらに他の層構成の例を表す概略断面図
【図11】本発明の垂直磁気記録媒体のさらに他の層構成の例を表す概略断面図
【図12】本発明の垂直磁気記録媒体のさらに他の層構成の例を表す概略断面図
【図13】本発明の垂直磁気記録媒体のさらに他の層構成の例を表す概略断面図
【図14】本発明にかかる磁気記録再生装置の一例を一部分解した斜視図
【符号の説明】
1…基板、2…軟磁性層、3…垂直磁気記録層、4…CoCrPtB系層、5…非磁性層、6…シード層、7…配向制御層、8…中間層、9…面内硬磁性層、10…弱磁性層、11…下地層、121…磁気ディスク、122…スピンドル、123…スライダー、124…サスペンション、125…アーム、126…ボイスコイルモータ、127…固定軸
【発明の属する技術分野】
本発明は、磁気記録技術を用いたハードディスク装置等に用いられる磁気記録媒体、及びそれを用いた磁気記録再生装置に係り、特に、垂直方向の磁化変化を利用した垂直磁気記録媒体及びそれを用いた磁気記録再生装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
磁気記録再生装置の1種であるハードディスク装置(HDD)は、現在その記録密度が年率60%以上で増えており、今後もその傾向は続くと言われている。その為に、高記録密度に適した磁気記録用ヘッドの開発、及び磁気記録媒体の開発が進められている。
【0003】
現在、市販されている磁気記録再生装置に搭載されている磁気記録媒体は、主に、磁性層の磁化容易軸が基板に対して水平に配向した面内磁気記録媒体である。ここで磁化容易軸とは、磁化の向き易い軸のことであり、Co系合金の場合、Coのhcp構造のc軸のことを指す。
【0004】
このような面内磁気記録媒体では、高記録密度化すると、記録ビットの1ビットあたりの磁性層の体積が小さくなりすぎ、熱揺らぎ効果により、記録再生特性が悪化する可能性がある。また、高記録密度化した際に、記録ビット間の境界領域で発生する反磁界の影響により、媒体ノイズが増加する傾向がある。
【0005】
これに対し、磁性層の磁化容易軸が主に垂直に配向した、いわゆる垂直磁気記録媒体は、高記録密度化した際にも、記録ビット間の境界領域における反磁界の影響が小さく、鮮明なビット境界が形成されるため、ノイズの増加が抑えられる。しかも、面内磁気記録媒体よりも記録層が厚くても、良好な記録分解能が得られ、また、高記録密度化に伴う記録ビット体積の減少が少なくてすむため、熱揺らぎ効果にも強い。そこで、近年大きな注目を集めており、垂直磁気記録に適した媒体の構造が提案されている。
【0006】
また、近年では、磁気記録媒体の更なる高記録密度化が要望に対して、垂直磁気記録膜に対する書きこみ能力に優れている単磁極ヘッドと記録層である垂直磁気記録膜と基板との間に、裏打ち層として軟磁性材料からなる層を設けたいわゆる垂直二層膜媒体を組み合わせた垂直磁気記録装置が検討されている。
【0007】
しかしながら、現状の技術では、まだ、記録再生時の記録再生特性が不十分であり、垂直磁気記録装置を製品化するに至っていない。このため、記録再生特性に優れる磁気記録媒体が要望されていた。
【0008】
一般に、磁気記録媒体は、基板上に、磁性層の磁化容易軸を基板面に対して垂直または面内に配向させる下地層、磁性合金からなる垂直または面内磁気記録層および保護層の順で構成されている。この中で、磁気記録媒体の記録再生特性を改善するため、記録層の組成を検討したり、記録層を複数重ねるなどの層構造についても幾つかの改善手法が提案されている。しかし、従来の磁気記録媒体は、その記録再生特性がまだ、十分ではなく、さらに改善の必要がある。
【0009】
このような磁気記録媒体として、例えば非磁性基板上に、多結晶材料例えばCr系合金からなる下地層、及びCoCrPt合金に、W及びC(炭素)のうち少なくとも1種、あるいはTa及びNdのうち少なくとも1種を1ないし7at%添加した磁性層を積層し、この磁性層に含まれる磁性合金粒子の平面的な大きさが下地層を構成する多結晶粒子の平面的な大きさにより規定され、その大きさが20nm以下である面内磁気記録媒体等があげられる(例えば特許文献1参照。)。
【0010】
また、CoCrPt合金にホウ素(B)を添加した記録層組成も、面内磁気記録媒体の記録層に使用されている。Bは、結晶粒を微細化するとともに、粒界に偏析し、低ノイズ化に効果があると考えられており、垂直媒体においても、面内と同様に検討されているが、Bを多く添加すると、垂直配向性が低下してしまうため、垂直媒体の記録層としてはBの添加量が微量に限定され、粒界への偏析が期待できず、面内媒体ほどの効果が得られていない。
【0011】
【特許文献1】
特開2000−268338号(第1−5頁)
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、その第1の目的は、記録再生特性が良好であり、かつ高密度の情報の記録再生が可能な垂直磁気記録媒体を得ることにある。
【0013】
本発明の第2の目的は、記録再生特性が良好であり、高密度の情報の記録再生が可能な磁気記録再生装置を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明は、第1に、非磁性基板と、該非磁性基板上に設けられた軟磁性層と、該軟磁性層上に設けられ、Co、Cr、Pt及び0.2at%以上1at%未満の炭素を含む垂直磁気記録層とを具備することを特徴とする垂直磁気記録媒体を提供する。
【0015】
前記垂直磁気記録層は、さらに、ニッケル、鉄、レニウム、及びルテニウムからなる群から選択される少なくとも1元素を含有し得る。
【0016】
本発明は、第2に、非磁性基板と、該非磁性基板上に設けられた軟磁性層と、該軟磁性層上に設けられ、Co、Cr、Pt、炭素を含む垂直磁気記録層とを具備し、
前記垂直磁気記録層は、さらに、Ni、Fe、Re、及びRuからなる群から選択される少なくとも1元素をさらに含有することを特徴とする垂直磁気記録媒体を提供する。
【0017】
前記第2の発明において、炭素は、好ましくは、その含有量が前記垂直磁気記録層中に0.2at%ないし10at%である。
【0018】
前記垂直磁気記録層上にコバルト、クロム、プラチナ、及びホウ素を含有する層をさらに具備することができる。
【0019】
前記コバルト、クロム、プラチナ、及びホウ素を含有する層上に、前記垂直磁気記録層と同様の垂直磁気記録層をさらに具備することができる。
【0020】
前記垂直磁気記録層と前記軟磁性層との間に、CoTaZr、CoGd、CoNd、NiTa、NiNb、CoNiTa、CoNiZr、ゲルマニウム、チタン、ハフニウム、ルテニウム、NiAl.FeAl、CoCr、TiN、炭素、パラジウム、及びプラチナからなる群から選択される少なくとも1つの物質を含有するシード層をさらに具備することができる。
【0021】
前記垂直磁気記録層と前記シード層との間に、NiTa、NiNb、CoNiTa、CoNiZr、ゲルマニウム、チタン、ハフニウム、ルテニウム、NiAl、FeAl、CoCr、CoGd、TiN、炭素、パラジウム、及びプラチナからなる群から選択される少なくとも1つの物質を含有する配向制御層をさらに具備することができる。
【0022】
前記垂直磁気記録層と前記配向制御層との間にさらにCoCrPtを主成分として、ホウ素、銅、ルテニウム、ジルコニウム、タングステン、及び炭素からなる群から選択される少なくとも1つの物質を含有する中間層をさらに具備することができる。
【0023】
前記垂直磁気記録層と軟磁性層と間に、コバルト、クロム、プラチナ、及びホウ素を含有する層をさらに具備することができる。
【0024】
前記コバルト、クロム、プラチナ、及びホウ素を含有する層と前記軟磁性層との間に、CoTaZr、CoGd、CoNd、NiTa、NiNb、CoNiTa、CoNiZr、ゲルマニウム、チタン、ハフニウム、ルテニウム、NiAl、FeAl、CoCr、TiN、炭素、パラジウム、及びプラチナからなる群から選択される少なくとも1つの物質を含有するシード層をさらに具備することができる。
【0025】
前記コバルト、クロム、プラチナ、及びホウ素を含有する層と前記シード層との間に、NiTa、NiNb、CoNiTa、CoNiZr、ゲルマニウム、チタン、ハフニウム、ルテニウム、NiAl、FeAl、CoCr、CoGd、TiN、炭素、パラジウム、及びプラチナからなる群から選択される少なくとも1つの物質を含有する配向制御層をさらに具備することができる。
【0026】
前記コバルト、クロム、プラチナ、及びホウ素を含有する層と前記配向制御層との間にさらにCoCrPtを主成分として、ホウ素、銅、ルテニウム、ジルコニウム、タングステン、及び炭素からなる群から選択される少なくとも1つの物質を含有する中間層をさらに具備することができる。
【0027】
前記非磁性基板から一番遠い位置に設けられた垂直磁気記録層上に、コバルトと、マンガン、ツリウム、エルビウム、ホルミウム、ジスプロシウム、テルビウム、ガドリニウム、ユーロピウム、サマリウム、プロメチウム、ネオジム、プラセオジム 、セリウム、及びランタンからなる群から選択される少なくとも1元素とを含有するコバルト含有層をさらに具備することができる。
【0028】
前記垂直磁気記録層上に設けられた、コバルトと、マンガン、ツリウム、エルビウム、ホルミウム、ジスプロシウム、テルビウム、ガドリニウム、ユーロピウム、サマリウム、プロメチウム、ネオジム、プラセオジム、セリウム、及びランタンから選択される少なくとも1元素とを含有するコバルト含有層、及び該コバルト含有層上に設けられた、前記垂直磁気記録層と同様の垂直磁気記録層をさらに具備することができる。
【0029】
前記軟磁性層と前記非磁性基板との間に、面内硬磁性層をさらに具備することができる。
【0030】
本発明は、第3に、上記垂直磁気記録媒体と、前記垂直磁気記録媒体に対して情報の記録を行う単磁極記録ヘッドとを具備することを特徴とする磁気記録再生装置を提供する。
【0031】
【発明の実施の形態】
本発明の第1の観点にかかる垂直磁気記録媒体は、非磁性基板上に順次積層された軟磁性層及び垂直磁気記録層を有し、垂直磁気記録層がCo、Cr、Pt及び0.2at%以上1at%未満のCを含む。
【0032】
図1に、第1の観点に係る垂直磁気記録媒体の層構成を表す概略断面図を示す。
【0033】
図示するように、第1の観点に係る垂直磁気記録媒体は、非磁性基板1上に、軟磁性層2及びCo、Cr、Pt及び0.2at%以上1at%未満のCを含む垂直磁気記録層3が積層された構成を有する。
【0034】
本発明の第2の観点にかかる垂直磁気記録媒体は、非磁性基板上に、順次積層された軟磁性層、及び垂直磁気記録層を有し、垂直磁気記録層は、Co、Cr、Pt、Cを含有し、かつNi、Fe、Re、及びRuからなる群から選択される少なくとも1元素をさらに含有する。
【0035】
磁気記録層としては、垂直方向に磁化しやすい垂直磁気記録層が設けられる。垂直磁気記録層は、垂直方向が磁化容易軸となるような磁気異方性と配向性を持ち、高密度記録でも記録ビットが安定でノイズが小さくなるように、微細な磁化単位が求められる。
【0036】
CoCrPt記録層は、六方最密構造(HCP)をとり異方性が大きいCo合金を主元素として、これに異方性を高めるためPtを加え、粒子間の磁気的相互作用を弱め磁気単位を微細にして、高密度記録が可能なようにCrを添加したものである。磁気記録層製膜時に、基板の加熱等により、このCoCrPt記録層を加熱することで、Crは結晶粒界に偏析するようになり、HCPのC軸が基板に垂直に配向したCo合金結晶がCrによって磁気的に分離微細化した好ましい構造をとり得る。本発明では、上記CoCrPt記録層の特性をさらに改善するため、さらにCを添加する。
【0037】
Cは、CoやPtと固溶しにくく、Crと結合しやすい。このため、Coの含有量が多い磁性結晶粒子内から粒界に出やすく、さらに、磁性結晶粒子内のCrを粒界に引き出しやすい。この結果として、Crの偏析が促進され、磁気的分離がすすみ、媒体ノイズが低下する。
【0038】
第1の観点に係る垂直磁気記録層のCの添加量は0.2.以上1.0at.%以下である。Cが多すぎるとCo結晶粒子内に残る結果、Co結晶粒子の結晶異方性を低下させたり、垂直配向性を劣化させてしまう傾向がある。
【0039】
第2の観点に使用される垂直磁気記録層のCの添加量は、好ましくは10at.%以下、さらに好ましくは0.2ないし10at%である。Cの含有量が10at%を超えると、Co結晶粒子中にCが多量に残留し、Co結晶粒子の結晶異方性を低下させたり、垂直配向性を劣化させる傾向がある。
【0040】
第2の観点に係る垂直磁気記録層中に使用されるNi、Fe、Re、及びRuは、CoやPtとは固溶しやすいけれども、Cとは固溶し難いため、Cの効果例えばCが磁性結晶粒子内から容易に粒界に出ること、及びCが磁性結晶粒子内のCrを粒界に引き出すことを、阻害しない。
【0041】
また、これらのNi、Fe、Ru、及びReは、Ptと置換して添加することで、飽和磁化Msの大きさや異方性の大きさを制御し、ヘッドとの組み合わせで特性を最適化することができる。
【0042】
第1の観点にかかる垂直磁気記録層にもまた、Ni、Fe、Ru、及びReからなる群から選択される少なくとも1元素をさらに含有し得る。
【0043】
Ni、Fe、Ru、及びReの好ましい添加量は、1at%ないし10at%である。10at%を超えると、異方性が低下し、垂直保磁力が低下する傾向があり、1at%未満であると、Cが磁性結晶粒子内のCrを粒界に引き出すことを、阻害することなく、CoやPtと固溶する効果が現れ難い傾向がある。 第2の観点に係る垂直磁気記録媒体の層構成は、図1に示す層構成と同様である。
【0044】
第1及び第2の観点に係る垂直磁気記録媒体において、非磁性基板としては、結晶化ガラス基板、化学強化アルミノ珪酸アモルファスガラス等が好ましく用いられる。
【0045】
また、軟磁性層としては、例えばBsが高く軟磁気特性が良好なCoZrNb合金、FeCoB合金、FeTaC合金、FeHfN合金、CoFe合金、NiFe合金、FeAlSi合金などが好ましく用いられる。
【0046】
軟磁性層は、単磁極ヘッドとの組み合わせで磁界の垂直成分を増加させ、記録層に急峻で充分な垂直磁界を印加させるために設けられる。軟磁性層は、磁区を形成しやすく、この磁区はスパイク状のノイズを発生することから、アモルファス系の軟磁性膜では、面内硬磁性層や反強磁性層と組み合わせて使用し、半径方向にバイアス磁界をかけて磁区の発生を防止したり、あるいは、結晶性の軟磁性膜では、Cなどの非磁性膜と組み合わせて積層構造とし、結晶異方性を細かく分散して大きな磁区を形成し難くするなどの試みがなされている。
【0047】
この軟磁性層上には、好ましくは、磁気記録層の磁性粒子の粒径を制御し、垂直配向性を向上するための非磁性下地層を設けることができる。また、この下地層を設けて、記録層と軟磁性層との磁気的分離を起こすことにより、軟磁性層の特性の劣化を防止することができる。このような非磁性下地層としては、非磁性CoCr系やRu系、Ti系、Ni合金系などのHCP構造あるいはFCC(面心立方)構造を有し、その最密面が基板に平行に成長しやすく、記録層と格子定数が近いものや、GeやCのように非晶質となりやすいものが好ましく使用される。下地層は一層または二層以上形成することができる。
【0048】
本発明の第3の観点に係る垂直磁気記録媒体は、垂直磁気記録層上または垂直磁気記録層と軟磁性層との間に、Co、Cr、Pt、及びホウ素を含有するCoCrPtB系層が設けられる。
【0049】
CoCrPtB系層は、主としてCoCrPtを含み、これに少なくともホウ素Bが添加される。垂直配向性を乱さない程度にBを加えることで、Coの結晶粒子自体を微細化することができる。
【0050】
この膜は、Cr量を少なくし、磁性を持たせることにより、記録層の一部として用いることができる。このときのCr量は、好ましくは14ないし28at%である。
【0051】
あるいは、Crを多く添加して、非磁性にせしめ、上記CoCrPtB系層を下地層として使用することができる。とくに、本発明に用いられるCを含む磁気記録層の下に形成しておくと、この磁気記録層が、この下地層中のCoが微細な状態を引き継いで、これにより、Cr偏析が促進されるため、磁気的分離がさらに進み、媒体ノイズが低下する効果が大きくなる。このとき、Cr量は、好ましくは28ないし40at%である。
【0052】
また、Bの含有量は、0.2at%ないし6at%である。6at%を超えると、垂直配向性が劣化する傾向があり、0.2at%未満であると、Coの結晶粒子自体を微細化する効果が得られない傾向がある
第3の観点に係る垂直磁気記録媒体の層構成を表す図を図2ないし図5に示す。
【0053】
図2に示すように、第3の観点に係る垂直磁気記録媒体の第1の例は、非磁性基板1上に順次積層された軟磁性層2、上記CoCrPtB系層4及び垂直磁気記録層3を有し、垂直磁気記録層3はCo、Cr、Pt及び0.2at%以上1at%未満のCを含有する。
【0054】
図3に示すように、第3の観点に係る垂直磁気記録媒体の第2の例は、非磁性基板1上に順次積層された軟磁性層2、上記垂直磁気記録層3、及び上記CoCrPtB系層4を有する。
【0055】
図4に示すように、第3の観点に係る垂直磁気記録媒体の第3の例は、非磁性基板1上に順次積層された軟磁性層2、第1の垂直磁気記録層3a、上記CoCrPtB系層4、及び第2の垂直磁気記録層3bを有し、第1及び第2の垂直磁気記録層は、各々、Co、Cr、Pt及び0.2at%以上1at%未満のCを含有する。
【0056】
図5に示すように、第3の観点に係る垂直磁気記録媒体の第4の例は、
非磁性基板1上に順次積層された軟磁性層2、上記CoCrPtB系層4a、第1の垂直磁気記録層3a、上記CoCrPtB系層4b、及び第2の垂直磁気記録層3bを有し、CoCrPtB系層と垂直磁気記録層とが交互に積層されて多層体を構成している。CoCrPtB系層と垂直磁気記録層との順序は逆にすることができる。しかしながら、図5のように、第1の垂直磁気記録層3aの下地層として、CoCrPtB系層4aが設けられていることが好ましい。
【0057】
本発明の第4の観点によれば、上述の第1ないし第3の観点に係る垂直磁気記録媒体において、垂直磁気記録層上、2以上の垂直磁気記録層の中間、あるいは、2以上の垂直磁気記録層のうち一番上の層の上に、Coと、Mn、Tb、Nd、Gd、及びCeから選択される少なくとも1元素とを含有するCo含有層をさらに設けることができる。
【0058】
第4の観点に使用されるCoに、Tm、Er、Ho、Dy、Tb、 Gd 、Eu、Sm、Pm、Nd、Pr、Ce、及びLaからなる群から選択される少なくとも1種の元素を加えた層は、Msが小さく、膜自体の反磁界を小さくするため、分解能が向上し得る。とくに、Mn、やGd以降の重希土類(Tm、Er、Ho、Dy、Tb、及びGd)を添加したものでは、これらのスピン磁気モーメントがCoのスピン磁気モーメントと反平行を向く傾向があるため、この効果が大きく好ましい。このCo含有層の厚さは、好ましくは0.5ないし10nmである。10nmを超えると、記録層全体の保磁力が低下する傾向があり、0.5nm未満であると、膜自体の反磁界を小さくせしめ、分解能を向上する効果がみられない傾向がある。
【0059】
図6に、Co含有層を垂直磁気記録層の上層として使用する場合の層構成の一例を表す概略断面図を示す。図示するように、この垂直磁気記録媒体は、垂直磁気記録層3の上にCoに、Mn、Tb、Nd、Gd、及びCeからなる群から選択される少なくとも1種の元素を加えたCo含有層5が設けられていること以外は図1と同様の構成を有する。
【0060】
また、図7に、Co含有層を垂直磁気記録層の中間層として用いる場合の層構成の一例を示す概略断面図を示す。
【0061】
図示するように、中間層として、CoCrPtB系層4bの代わりにCo含有層5が形成されている以外は、図5と同様の構成を有する。
【0062】
第1及び第4の観点に係る垂直磁気記録媒体では、垂直磁気記録層と軟磁性層との間に、CoTaZr、CoGd、CoNd、NiTa、NiNb、CoNiTa、CoNiZr、Ge、Ti、Hf、Ru、NiAl、FeAl、CoCr、TiN、C、Pd、及びPtからなる群から選択される少なくとも1つの物質を含有するシード層をさらに設けることができる。
【0063】
図8に、シード層を有する垂直磁気記録媒体の一例を表す概略断面図を示す。
【0064】
図示するように、この垂直磁気記録媒体は、垂直磁気記録層3と軟磁性層2との間に、シード層6が設けられている以外は、図1と同様の構成を有する。
【0065】
また、垂直磁気記録層とシード層との間に、NiTa、NiNb、CoNiTa、CoNiZr、Ge、Ti、Hf、Ru、NiAl、FeAl、CoCr、CoGd、TiN、C、Pd、及びPtからなる群から選択される少なくとも1つの物質を含有する配向制御層をさらに設けることができる。
【0066】
図9に、シード層及び配向制御層を有する垂直磁気記録媒体の一例を表す概略断面図を示す。
【0067】
図示するように、垂直磁気記録層3とシード層6との間に配向制御層7がさらに設けられていること以外は、図8と同様の構成を有する。
【0068】
さらに、垂直磁気記録層と配向制御層との間に、記録層の初期成長層の役目を担うため、Cr含有量の高い組成を有するCoCrPtを主成分として、B、Cu、Ru、Zr、W、Cからなる群から選択される少なくとも1つの物質を含有する中間層をさらに設けることができる。
【0069】
図10に、シード層、配向制御層及び中間層を有する垂直磁気記録媒体の一例を表す概略断面図を示す。
【0070】
図示するように、垂直磁気記録層3と配向制御層7との間に中間層8がさらに設けられていること以外は、図9と同様の構成を有する。
【0071】
また、軟磁性層と前記非磁性基板との間に、軟磁性膜にバイアス磁界を印加させるための面内硬磁性層をさらに設けることができる。
【0072】
図11に、面内硬磁性層をさらに有する垂直磁気記録媒体の一例を表す概略断面図を示す。
【0073】
図示するように、軟磁性層2と基板1との間に面内硬磁性層9がさらに設けられていること以外は、図10と同様の構成を有する。
【0074】
さらに、この面内硬磁性層と軟磁性層との間に、面内硬磁性層とその上に形成される軟磁性層との磁化固着強度を制御するための弱磁性層を形成することができる。
【0075】
図12に、弱磁性層をさらに有する垂直磁気記録媒体の一例を表す概略断面図を示す。
【0076】
図示するように、軟磁性層2と面内硬磁性層9との間に弱磁性層10がさらに設けられていること以外は、図11と同様の構成を有する。
【0077】
面内硬磁性層と非磁性基板との間に、Cr合金、V合金、W合金、NiAl合金、FeAl合金、及びNiP合金等からなる群から選択される少なくとも1つの物質を含有する下地層を設けることができる。
【0078】
図13に、下地層をさらに有する垂直磁気記録媒体の一例を表す概略断面図を示す。
【0079】
図示するように、軟磁性層2と弱磁性層10との間に下地層11がさらに設けられていること以外は、図12と同様の構成を有する。
【0080】
垂直磁気記録層上に、Cなどによる保護膜を設けることができる。さらに、保護膜上に潤滑層を設けることができる。
【0081】
また、本発明の第5の観点によれば、上記垂直磁気記録媒体と、この垂直磁気記録媒体に対して情報の記録を行う単磁極記録ヘッドとを具備することを特徴とする磁気記録再生装置が提供される。
【0082】
図14に、本発明にかかる磁気記録再生装置の一例を一部分解した斜視図を示す。
【0083】
本発明に係る情報を記録するための剛構成の磁気ディスク121はスピンドル122に装着されており、図示しないスピンドルモータによって一定回転数で回転駆動される。磁気ディスク121にアクセスして情報の記録行う単磁極型記録ヘッド及び情報の再生を行うためのMRヘッドを搭載したスライダー123は、薄板状の板ばねからなるサスペンション124の先端に取付けられている。サスペンション124は図示しない駆動コイルを保持するボビン部等を有するアーム125の一端側に接続されている。
【0084】
アーム125の他端側には、リニアモータの一種であるボイスコイルモータ126が設けられている。ボイスコイルモータ126は、アーム125のボビン部に巻き上げられた図示しない駆動コイルと、それを挟み込むように対向して配置された永久磁石および対向ヨークにより構成される磁気回路とから構成されている。
【0085】
アーム125は、固定軸127の上下2カ所に設けられた図示しないボールベアリングによって保持され、ボイスコイルモータ126によって回転揺動駆動される。すなわち、磁気ディスク121上におけるスライダー123の位置は、ボイスコイルモータ126によって制御される。なお、図14中、128は蓋体を示している。
【0086】
【実施例】
実施例1、比較例1ないし3
2.5インチハードディスク形状の結晶化ガラス基板を用意した。
【0087】
スパッタ装置内を1×10−5Pa以下に真空引きした後に、この基板を装置内に載置して1700Wで7秒間加熱し、Ni−50at%Alターゲットを用いて、Ar圧0.6Paで、スパッタにより5nm の厚さを有するNiAlシード層を形成した。
【0088】
続いて、NiAlシード層上に、硬磁性層を面内に配向させるための5nmの厚さを有するCr合金下地層を形成した。
【0089】
次に、15nmの厚さを有するCoCrPt合金面内硬磁性層を形成した。
【0090】
さらに、この面内硬磁性層上に、CoCr合金弱磁性層を2nm厚さで形成した。
【0091】
その後、この弱磁性層上に、軟磁性裏打ち層としてCo−5at.%Zr−8at.%Nb軟磁性層を100nmの厚さで形成し、さらにCo−6at.%Ta−2at.%Zrシード層を20nmの厚さで形成した。
【0092】
さらに、このCo−6at.%Ta−2at.%Zrシード層上に、配向制御層として5nm 厚のNi−40at.%Ta層を形成した。
【0093】
次に、Co−37at.%Cr−16at.%Pt中間層を15nmの厚さに形成した。
【0094】
その後、この中間層上にCo−19at.%Cr−16at.%Pt−0.8at.%C垂直磁気記録層を20nmの厚さに形成した。
【0095】
さらに、この垂直磁気記録層上にCVD法でCVD−C保護層を6nm形成した後、潤滑層として、パーフルオロポリエーテル(PFPE)を約1nm強、ディップ法でコートし、垂直磁気記録媒体と得た。
【0096】
得られた垂直磁気記録媒体は、垂直磁気記録層上に保護層及び潤滑層を有すること以外は、図13と同様の層構成を有する。
【0097】
この後、着磁装置を用いて半径方向に1185kA/m以上のパルス磁界を印加し、面内硬磁性膜の磁化を半径方向にそろえることによって、軟磁性膜にバイアス磁界が印加されるようにし、軟磁性層の磁区を取り除いた。
【0098】
比較例1、比較例2、及び比較例3として、記録層をCo−20at.%Cr−16at.%Pt、Co−20at.%Cr−16at.%Pt−3at.%Ta、Co−20at.%Cr−16at.%Pt−3at.%Bを用いて形成する以外は同じ構成の垂直磁気記録媒体を各々作製し、磁気特性評価と記録再生特性の評価を行なった。
【0099】
磁気特性は、Kerr効果を用いて評価した。この媒体の磁気特性は、垂直保磁力が300.2kA/m、角型比0.92、逆磁区発生磁界Hnが15.8kA/mであった。
【0100】
また、0.23um幅の単磁極記録ヘッドと0.15um幅のGMR再生素子を備えた浮上量9nm対応ヘッドを用いて、記録再生特性を評価したところ、微分回路を通した後の再生波で、記録密度552kFCIでのノイズ(rms値)と低域孤信号の比SNmは、23.0dBが得られ、記録分解能の指標として孤立再生派を微分した波形の半値幅PW50として8.9nsecと良好な値が得られた。一方、比較例で用いた媒体は、記録層としてCo−20at.%Cr−16at.%Pt を用いたものが、Hcが292.3kA/m各型比0.92、逆磁区発生Hnが11.85kA/mで、媒体SNR(SNm)が20.5dB、PW50が9.2nsecとなり、記録層として、Co−20at.%Cr−16at.%Pt−3at.%Ta を用いたものが、Hc:252.8kA/m、角型比0.85、逆磁区発生磁界Hnが−15.8kA/m、SNmが20.0dB、PW50が9.4(nsec)となり、記録層としてCo−20at.%Cr−16at.%Pt−3at.%B を用いたものが、Hc260.7kA/m、角型比0.88、逆磁区発生磁界Hnが−11.85kA/m、SNmが21.0(dB)、PW50が9.1nsecとなった。このことから、本発明の垂直磁気記録媒体の方が優れていることがわかった。
【0101】
得られた結果を下記表1に示す。
【0102】
なお、垂直記録層のCoCrPtC組成において、C量を1at.%以上にしてしまうと、垂直保磁力が低下するとともに、角型比が0.7を割り込んでしまい、媒体SNmは良好であるものの、記録分解能が大きく低下してしまった。また、C量が0.2at.%未満であると、Cを添加しないものと違いが見られなくなった。したがって、Cの添加量は、0.2at.%以上、1at.%未満が適当であった。
【0103】
実施例2
垂直磁気記録層の組成をCo−16at.%Cr−14at.%Pt−10at.%Ru−3at.%Cに変更する以外は、実施例1と同様にして垂直磁気記録媒体を作成した。
【0104】
得られた垂直磁気記録媒体について、磁気特性と記録再生特性を同様にして評価した。
【0105】
Kerr効果を用いて評価した媒体の磁気特性は、垂直保磁力が312.05kA/m、角型比0.94、逆磁区発生磁界Hnが23.7kA/mであった。
【0106】
また、0.23um幅の単磁極記録ヘッドと0.15um幅のGMR再生素子を備えた浮上量9nm対応ヘッドを用いて、記録再生特性を評価したところ、微分回路を通した後の再生波で、記録密度552kFCIでのノイズ(rms値)と低域孤信号の比SNmは、23.5dB、記録分解能の指標である孤立再生派を微分した波形の半値幅PW50として8.8nsecが得られた。
【0107】
得られた結果を下記表1に示す。
【0108】
垂直磁気記録層にRuを添加していない実施例1と比較して、Ruを添加するとCをより多く添加しても、保磁力の低下が起こらず、記録分可能の低下が見られないことがわかった。媒体SNmは、C量の増加に伴って良好な結果となった。
【0109】
実施例3
Co−37at.%Cr−16at.%Pt中間層の組成を、Bが添加されたCo−26at.%Cr−12at.%Pt−4at.%Bに変更する以外は実施例2と同様にして垂直磁気記録媒体を得た。
【0110】
得られた垂直磁気記録媒体について、磁気特性と記録再生特性を同様にして評価した。
【0111】
Kerr効果を用いて評価した媒体の磁気特性は、垂直保磁力が292.3kA/m、角型比0.93、逆磁区発生磁界Hnが23.7kA/mであった。
【0112】
また、0.23um幅の単磁極記録ヘッドと0.15um幅のGMR再生素子を備えた浮上量9nm対応ヘッドを用いて、記録再生特性を評価したところ、微分回路を通した後の再生波で、記録密度552kFCIでのノイズ(rms値)と低域孤信号の比SNmは、媒体のSNとして24.0dB、記録分解能の指標である孤立再生派を微分した波形の半値幅PW50として8.7nsecが得られた。
【0113】
得られた結果を下記表1に示す。
【0114】
実施例3の媒体は、記録層の下にBを添加したCoCrPtB膜を用いたことで、実施例2の媒体と比較して、NiTa膜上に形成させたCo合金膜の結晶が微細化されているので、この粒径の微細化これによって、より良好な特性が得られたものと考えられる。
【0115】
実施例4
垂直磁気記録層とC膜との間にさらにCo−20at.%Gd層を3nm形成する以外は、実施例3と同様にして垂直磁気記録媒体を得た。
【0116】
得られた垂直磁気記録媒体について、磁気特性と記録再生特性を同様にして評価した。
【0117】
Kerr効果を用いて評価した本発明媒体の磁気特性は、垂直保磁力が300.2kA/m、角型比0.95、逆磁区発生磁界Hnが35.55kA/mであった。また、0.23um幅の単磁極記録ヘッドと0.15um幅のGMR再生素子を備えた浮上量9nm対応ヘッドを用いて、記録再生特性を評価したところ、微分回路を通した後の再生波で、記録密度552kFCIでのノイズ(rms値)と低域孤信号の比SNmは24.0dB、記録分解能の指標である孤立再生派を微分した波形の半値幅PW50として8.5nsecが得られた。
【0118】
得られた結果を下記表1に示す。
【0119】
CoCrPtRuC記録層の上にCo−希土類合金であるCo−Gd膜を形成したことで、記録分解能がより良好となった。
【0120】
一方、比較例4の媒体は、垂直保磁力が252.8kA/m、角型比0.9、逆磁区発生磁界が9.48kA/mであり、また、媒体SNmが21dB、記録分解能が9.0nsecであり、本実施例媒体の方が優れていた。
【0121】
実施例5
垂直磁気記録層の組成をCo−16at.%Cr−16at.%Pt−8at.%Ru−2at.%Cに変更し、かつCo−20at.%Gd層を、この垂直磁気記録層と交互に4回ずつ積層する以外は、実施例4と同様にして垂直磁気記録媒体を作成した。この際、Co−16at.%Cr−16at.%Pt−8at.%Ru−2at.%C膜の合計は20nm、CoGd膜の膜厚はそれぞれ0.8nmとした。
【0122】
得られた垂直磁気記録媒体について、磁気特性と記録再生特性を同様にして評価した。
【0123】
Kerr効果を用いて評価した媒体の磁気特性は、垂直保磁力が292.3kA/m、角型比0.95、逆磁区発生磁界Hnが31.6kA/mであった。
【0124】
また、0.23um幅の単磁極記録ヘッドと0.15um幅のGMR再生素子を備えた浮上量9nm対応ヘッドを用いて、記録再生特性を評価したところ、微分回路を通した後の再生波で、記録密度552kFCIでのノイズ(rms値)と低域孤信号の比SNmは24.0dB、記録分解能の指標である孤立再生派を微分した波形の半値幅PW50として8.5nsecが得られた。
【0125】
得られた結果を下記表1に示す。
【0126】
CoCrPtRuCのトップコートでなくとも、Co−希土類合金を記録層中に用いることで、同等の良好な特性が得られた。
【0127】
実施例6及び比較例5
垂直磁気記録層の組成をCo−16at.%Cr−12at.%Pt−2at.%Re−1at.%Cに変更する以外は、実施例4と同様にして垂直磁気記録媒体を得た。
【0128】
比較のため、記録層として、CのないCo−22at.%Cr−16at.%Ptを用いた以外は実施例6と同様にして、垂直磁気記録媒体を作製し、比較例5とした。
【0129】
得られた垂直磁気記録媒体について、磁気特性と記録再生特性を同様にして評価した。
【0130】
Kerr効果を用いて評価した媒体の磁気特性は、垂直保磁力が300.2kA/m、角型比0.95、逆磁区発生磁界Hnが33.18kA/mであった。
【0131】
また、0.23um幅の単磁極記録ヘッドと0.15um幅のGMR再生素子を備えた浮上量9nm対応ヘッドを用いて、記録再生特性を評価したところ、微分回路を通した後の再生波で、記録密度552kFCIでのノイズ(rms値)と低域孤信号の比SNmは22.5dB、記録分解能の指標である孤立再生派を微分した波形の半値幅PW50として8.5nsecが得られた。
【0132】
一方、比較例5の媒体は、垂直保磁力が260.7kA/m、角型比0.89、逆磁区発生磁界が7.9kA/mであり、また、媒体SNmが20.5dB、記録分解能が9.1nsecであった。
【0133】
得られた結果を下記表1に示す。
【0134】
これにより、実施例6の媒体の方が優れていることがわかった。
【0135】
実施例7及び比較例6
垂直磁気記録層の組成をCo−18at.%Cr−12at.%Pt−6at.%Ni−3at.%Cに、Co−20at.%Gd層の代わりにCo−25at.%Ce膜を形成する以外は実施例4と同様にして垂直磁気記録媒体を得た。
【0136】
得られた結果を下記表1に示す。
【0137】
また、比較のため、記録層としてCのないCo−22at.%Cr−16at.%Ptを用いた以外は実施例7と同様にして、同じ構成の垂直磁気記録媒体(比較例6)を作成し、比較例6とした。
【0138】
得られた垂直磁気記録媒体について、磁気特性と記録再生特性を同様にして評価した。
【0139】
Kerr効果を用いて評価した本発明媒体の磁気特性は、垂直保磁力が268.6kA/m、角型比0.95、逆磁区発生磁界Hnが31.6kA/mであった。
【0140】
また、0.23um幅の単磁極記録ヘッドと0.15um幅のGMR再生素子を備えた浮上量9nm対応ヘッドを用いて、記録再生特性を評価したところ、微分回路を通した後の再生波で、記録密度552kFCIでのノイズ(rms値)と低域孤信号の比SNmは22.0dB、記録分解能の指標である孤立再生派を微分した波形の半値幅PW50として8.4nsecが得られた。
【0141】
一方、比較例6の媒体は、垂直保磁力が233.05kA/m、角型比0.89、逆磁区発生磁界Hnが3.95kA/m、媒体SNmが20.5dB、PW50が9.1nsecであった。このことから実施例7の媒体の方が優れていることがわかった。
【0142】
実施例8
垂直磁気記録層の組成をCo−19at.%Cr−18at.%Pt−4at.%Fe−6at.%Cに変更し、さらにCo−20at.%Gd層の代わりに、Co−25at.%Gd層を形成する以外は、実施例4と同様にして、垂直磁気記録媒体を得た。
【0143】
Kerr効果を用いて評価した媒体の磁気特性は、垂直保磁力が276.5kA/m、角型比0.95、逆磁区発生磁界Hnが15.8kA/mであった。
【0144】
また、0.23um幅の単磁極記録ヘッドと0.15um幅のGMR再生素子を備えた浮上量9nm対応ヘッドを用いて、記録再生特性を評価したところ、微分回路を通した後の再生波で、記録密度552kFCIでのノイズ(rms値)と低域孤信号の比SNmは23dB、記録分解能の指標である孤立再生派を微分した波形の半値幅PW50として8.8nsecと良好な値が得られた。
【0145】
得られた結果を下記表1に示す。
【0146】
【表1】
【0147】
【発明の効果】
本発明によれば、垂直磁気記録方式を用いて、高密度で優れた記録再生を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の観点に係る垂直磁気記録媒体の層構成を表す概略断面図
【図2】第3の観点に係る垂直磁気記録媒体の層構成の第1の例を表す概略断面図
【図3】第3の観点に係る垂直磁気記録媒体の層構成の第2の例を表す概略断面図
【図4】第3の観点に係る垂直磁気記録媒体の層構成の第3の例を表す概略断面図
【図5】第3の観点に係る垂直磁気記録媒体の層構成の第4の例を表す概略断面図
【図6】第4の観点に係る垂直磁気記録媒体の一例の層構成を表す概略断面図
【図7】第4の観点に係る垂直磁気記録媒体の他の一例の層構成を表す概略断面図
【図8】本発明の垂直磁気記録媒体のさらに他の層構成の例を表す概略断面図
【図9】本発明の垂直磁気記録媒体のさらに他の層構成の例を表す概略断面図
【図10】本発明の垂直磁気記録媒体のさらに他の層構成の例を表す概略断面図
【図11】本発明の垂直磁気記録媒体のさらに他の層構成の例を表す概略断面図
【図12】本発明の垂直磁気記録媒体のさらに他の層構成の例を表す概略断面図
【図13】本発明の垂直磁気記録媒体のさらに他の層構成の例を表す概略断面図
【図14】本発明にかかる磁気記録再生装置の一例を一部分解した斜視図
【符号の説明】
1…基板、2…軟磁性層、3…垂直磁気記録層、4…CoCrPtB系層、5…非磁性層、6…シード層、7…配向制御層、8…中間層、9…面内硬磁性層、10…弱磁性層、11…下地層、121…磁気ディスク、122…スピンドル、123…スライダー、124…サスペンション、125…アーム、126…ボイスコイルモータ、127…固定軸
Claims (17)
- 非磁性基板と、該非磁性基板上に設けられた軟磁性層と、該軟磁性層上に設けられ、コバルト、クロム、プラチナ及び0.2at%以上1at%未満の炭素を含む垂直磁気記録層とを具備することを特徴とする垂直磁気記録媒体。
- 前記垂直磁気記録層は、さらに、ニッケル、鉄、レニウム、及びルテニウムからなる群から選択される少なくとも1元素を含有することを特徴とする請求項1に記載の垂直磁気記録媒体。
- 非磁性基板と、該非磁性基板上に設けられた軟磁性層と、該軟磁性層上に設けられ、コバルト、クロム、プラチナ、炭素を含む垂直磁気記録層とを具備し、
前記垂直磁気記録層は、さらに、ニッケル、鉄、レニウム、及びルテニウムからなる群から選択される少なくとも1元素をさらに含有することを特徴とする垂直磁気記録媒体。 - 前記炭素は、その含有量が前記垂直磁気記録層中に0.2at%ないし10at%である請求項3に記載の垂直磁気記録媒体。
- 前記垂直磁気記録層上にコバルト、クロム、プラチナ、及びホウ素を含有する層をさらに具備することを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の垂直磁気記録媒体。
- 前記コバルト、クロム、プラチナ、及びホウ素を含有する層上に、前記垂直磁気記録層と同様の垂直磁気記録層をさらに具備することを特徴とする請求項5に記載の垂直磁気記録媒体。
- 前記垂直磁気記録層と前記軟磁性層との間に、CoTaZr、CoGd、CoNd、NiTa、NiNb、CoNiTa、CoNiZr、ゲルマニウム、チタン、ハフニウム、ルテニウム、NiAl.FeAl、CoCr、TiN、炭素、パラジウム、及びプラチナからなる群から選択される少なくとも1つの物質を含有するシード層をさらに具備することを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1項に記載の垂直磁気記録媒体。
- 前記垂直磁気記録層と前記シード層との間に、NiTa、NiNb、CoNiTa、CoNiZr、ゲルマニウム、チタン、ハフニウム、ルテニウム、NiAl、FeAl、CoCr、CoGd、TiN、炭素、パラジウム、及びプラチナからなる群から選択される少なくとも1つの物質を含有する配向制御層をさらに具備することを特徴とする請求項7に記載の垂直磁気記録媒体。
- 前記垂直磁気記録層と前記配向制御層との間にさらにCoCrPtを主成分として、ホウ素、銅、ルテニウム、ジルコニウム、タングステン、及び炭素からなる群から選択される少なくとも1つの物質を含有する中間層をさらに具備することを特徴とする請求項8に記載の垂直磁気記録媒体。
- 該垂直磁気記録層と軟磁性層と間に、コバルト、クロム、プラチナ、及びホウ素を含有する層をさらに具備することを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1項に記載の垂直磁気記録媒体。
- 前記コバルト、クロム、プラチナ、及びホウ素を含有する層と前記軟磁性層との間に、CoTaZr、CoGd、CoNd、NiTa、NiNb、CoNiTa、CoNiZr、ゲルマニウム、チタン、ハフニウム、ルテニウム、NiAl、FeAl、CoCr、TiN、炭素、パラジウム、及びプラチナからなる群から選択される少なくとも1つの物質を含有するシード層をさらに具備することを特徴とする請求項10に記載の垂直磁気記録媒体。
- 前記コバルト、クロム、プラチナ、及びホウ素を含有する層と前記シード層との間に、NiTa、NiNb、CoNiTa、CoNiZr、ゲルマニウム、チタン、ハフニウム、ルテニウム、NiAl、FeAl、CoCr、CoGd、TiN、炭素、パラジウム、及びプラチナからなる群から選択される少なくとも1つの物質を含有する配向制御層をさらに具備することを特徴とする請求項11に記載の垂直磁気記録媒体。
- 前記コバルト、クロム、プラチナ、及びホウ素を含有する層と前記配向制御層との間にさらにCoCrPtを主成分として、ホウ素、銅、ルテニウム、ジルコニウム、タングステン、及び炭素からなる群から選択される少なくとも1つの物質を含有する中間層をさらに具備することを特徴とする請求項12に記載の垂直磁気記録媒体。
- 前記非磁性基板から一番遠い位置に設けられた垂直磁気記録層上に、コバルトと、マンガン、ツリウム、エルビウム、ホルミウム、ジスプロシウム、テルビウム、ガドリニウム、ユーロピウム、サマリウム、プロメチウム、ネオジム、プラセオジム、セリウム、及びランタンからなる群から選択される少なくとも1元素とを含有するコバルト含有層をさらに具備することを特徴とする請求項1ないし13のいずれか1項に記載の垂直磁気記録媒体。
- 前記垂直磁気記録層上に設けられた、コバルトと、マンガン、ツリウム、エルビウム、ホルミウム、ジスプロシウム、テルビウム、ガドリニウム、ユーロピウム、サマリウム、プロメチウム、ネオジム、プラセオジム、セリウム、及びランタンから選択される少なくとも1元素とを含有するコバルト含有層、及び該コバルト含有層上に設けられた、前記垂直磁気記録層と同様の垂直磁気記録層をさらに具備する請求項1ないし14のいずれか1項に記載の垂直磁気記録媒体。
- 前記軟磁性層と前記非磁性基板との間に、面内硬磁性層をさらに具備する請求項1ないし15のいずれか1項に記載の垂直磁気記録媒体。
- 請求項1ないし16のいずれか1項に記載の垂直磁気記録と、前記垂直磁気記録媒体に対して情報の記録を行う単磁極記録ヘッドとを具備することを特徴とする磁気記録再生装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002255543A JP2004095074A (ja) | 2002-08-30 | 2002-08-30 | 垂直磁気記録媒体および磁気記録再生装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002255543A JP2004095074A (ja) | 2002-08-30 | 2002-08-30 | 垂直磁気記録媒体および磁気記録再生装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004095074A true JP2004095074A (ja) | 2004-03-25 |
Family
ID=32061043
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002255543A Pending JP2004095074A (ja) | 2002-08-30 | 2002-08-30 | 垂直磁気記録媒体および磁気記録再生装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004095074A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007184019A (ja) * | 2006-01-04 | 2007-07-19 | Hitachi Global Storage Technologies Netherlands Bv | 垂直磁気記録媒体及びこれを用いた磁気記憶装置 |
JP2007299453A (ja) * | 2006-04-28 | 2007-11-15 | Fujitsu Ltd | 磁気記録媒体、磁気記録媒体の製造方法及び磁気記録装置 |
JP2015011734A (ja) * | 2013-06-27 | 2015-01-19 | 株式会社東芝 | 磁気記録媒体及び磁気記録再生装置 |
JP2019065385A (ja) * | 2017-10-03 | 2019-04-25 | 光洋應用材料科技股▲分▼有限公司 | Co−Pt−Re系スパッタリングターゲット、その製造方法及び磁気記録層 |
WO2020009095A1 (ja) * | 2018-07-04 | 2020-01-09 | 山陽特殊製鋼株式会社 | 磁気記録媒体のシード層用Ni系合金 |
-
2002
- 2002-08-30 JP JP2002255543A patent/JP2004095074A/ja active Pending
Cited By (10)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007184019A (ja) * | 2006-01-04 | 2007-07-19 | Hitachi Global Storage Technologies Netherlands Bv | 垂直磁気記録媒体及びこれを用いた磁気記憶装置 |
JP4499044B2 (ja) * | 2006-01-04 | 2010-07-07 | ヒタチグローバルストレージテクノロジーズネザーランドビーブイ | 垂直磁気記録媒体及びこれを用いた磁気記憶装置 |
JP2007299453A (ja) * | 2006-04-28 | 2007-11-15 | Fujitsu Ltd | 磁気記録媒体、磁気記録媒体の製造方法及び磁気記録装置 |
JP2015011734A (ja) * | 2013-06-27 | 2015-01-19 | 株式会社東芝 | 磁気記録媒体及び磁気記録再生装置 |
US9548075B2 (en) | 2013-06-27 | 2017-01-17 | Kabushiki Kaisha Toshiba | Magnetic recording medium and magnetic recording/reproduction apparatus |
JP2019065385A (ja) * | 2017-10-03 | 2019-04-25 | 光洋應用材料科技股▲分▼有限公司 | Co−Pt−Re系スパッタリングターゲット、その製造方法及び磁気記録層 |
JP2020073715A (ja) * | 2017-10-03 | 2020-05-14 | 光洋應用材料科技股▲分▼有限公司 | Co−Pt−Re系スパッタリングターゲット、その製造方法及び磁気記録層 |
WO2020009095A1 (ja) * | 2018-07-04 | 2020-01-09 | 山陽特殊製鋼株式会社 | 磁気記録媒体のシード層用Ni系合金 |
JP2020009510A (ja) * | 2018-07-04 | 2020-01-16 | 山陽特殊製鋼株式会社 | 磁気記録媒体のシード層用Ni系合金 |
JP7157573B2 (ja) | 2018-07-04 | 2022-10-20 | 山陽特殊製鋼株式会社 | 磁気記録媒体のシード層用Ni系合金 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP4169663B2 (ja) | 垂直磁気記録媒体 | |
JP4332833B2 (ja) | 垂直磁気記録媒体及びその製造方法 | |
US9728216B2 (en) | Feromagnetically coupled magnetic recording media | |
JP5103097B2 (ja) | 垂直磁気記録媒体及びそれを用いた磁気記録再生装置 | |
JP3730627B2 (ja) | 磁気記録媒体及び磁気記録再生装置 | |
JP2006155861A (ja) | 垂直磁気記録媒体及びその製造方法並びに磁気記録再生装置 | |
US6902835B2 (en) | Perpendicular magnetic recording medium and magnetic recording apparatus | |
JP2004079058A (ja) | 垂直磁気記録媒体及び磁気記録再生装置 | |
JP4534711B2 (ja) | 垂直磁気記録媒体 | |
JP2005032352A (ja) | 粒子分散型膜を下地に用いた磁気記録媒体、その製造方法、および磁気記録再生装置 | |
JP3625428B2 (ja) | 垂直磁気記録媒体 | |
JP2004303377A (ja) | 垂直磁気記録媒体及び磁気記録再生装置 | |
JP3684231B2 (ja) | 磁気記録媒体及び磁気記録再生装置 | |
JP2003157516A (ja) | 垂直磁気記録媒体および磁気記録装置 | |
JP5569213B2 (ja) | 垂直磁気記録媒体 | |
JP2004303375A (ja) | 垂直磁気記録媒体、及び磁気記録再生装置 | |
WO2004032121A1 (en) | Intermediate layer for perpendicular magnetic recording media | |
JP4287099B2 (ja) | 垂直磁気記録媒体及び磁気記録再生装置 | |
JP5782819B2 (ja) | 垂直磁気記録媒体 | |
JP4764308B2 (ja) | 垂直磁気記録媒体及び垂直磁気記録再生装置 | |
JP2004095074A (ja) | 垂直磁気記録媒体および磁気記録再生装置 | |
JP2004303376A (ja) | 垂直磁気記録媒体、及びこれを用いた磁気記録再生装置 | |
US20050153168A1 (en) | Co-based perpendicular magnetic recording media | |
JP2005302109A (ja) | 多層膜垂直磁気記録媒体の製造方法 | |
JP2012226792A (ja) | 磁気記録媒体 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20050307 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20050329 |
|
A521 | Written amendment |
Effective date: 20050525 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20060404 |