JP4287099B2 - 垂直磁気記録媒体及び磁気記録再生装置 - Google Patents

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    • G11B5/672Record carriers characterised by the selection of the material comprising only the magnetic material without bonding agent the record carriers consisting of several layers having different compositions in a plurality of magnetic layers, e.g. layer compositions having differing elemental components or differing proportions of elements

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ハードディスク装置として使用される磁気記録再生装置、特に、垂直方向磁化を利用する磁気記録再生装置、及びこれに用いられる垂直磁気記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】
垂直磁気異方性をもつ非晶質の希土類−遷移金属合金磁性層は、光磁気記録媒体用の記録層として一般に用いられている。
【0003】
近年、この非晶質の希土類−遷移金属合金磁性膜をハードディスク等の垂直磁気記録媒体の垂直磁気記録層として利用することが、例えば特開平5−54358、及び特開2001−76332等に提案されている。しかしながら、希土類−遷移金属合金非晶質磁性層は、偏析構造を持たないすなわち磁性結晶粒子と結晶粒界をもたない連続層であるために、磁気記録媒体として用いた場合、書き込まれた信号をその場所にとどめておくための核となるものが存在しない。その結果、記録された信号がシフトしたり、消えてしまう現象が起きていた。特に、この現象は、高い周波数での記録時に発生し易く、垂直磁気記録の高記録密度化には不適当であった。
【0004】
また、特開2002−25031には、CoCrなどの従来の磁気記録媒体に用いられている材料と、この非晶質の希土類−遷移金属合金磁性層を組み合わせた多層構成を有する垂直磁気記録媒体が開示されている。しかし、この媒体でも、従来のCoCr記録層を用いた磁気記録媒体と比較すると媒体ノイズが大きいという問題を有していた。
【0005】
このように、従来の希土類−遷移金属合金磁性層を用いた垂直磁気記録層は、高密度化に不向きであり、また媒体ノイズが大きく、実用的ではなかった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、媒体ノイズが低く、記録分解能及び熱ゆらぎ耐性が高い垂直磁気記録媒体を得ることを目的とする。
【0007】
また、本発明は、媒体ノイズが低く、記録分解能及び熱ゆらぎ耐性が高い磁気記録媒体を用いることにより、良好な磁気記録再生が可能な磁気記録再生装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、第1に、非磁性基板と、
該非磁性基板上に形成された軟磁性裏打ち層と、
該軟磁性裏打ち層上に形成され、垂直方向に磁化容易軸を持ち、コバルト、プラチナ、及びクロムからなる、あるいはコバルト、プラチナ、クロム、及び酸素からなる第1の垂直磁気記録層と、
該第1の垂直磁気記録層上に設けられ、垂直方向に磁化容易軸を持ち、希土類元素と遷移金属としてコバルト及びクロムとを含む結晶質の合金を主に含み、該第1の垂直磁気記録層とは異なる第2の垂直磁気記録層とを具備することを特徴とする垂直磁気記録媒体を提供する。
【0009】
本発明は、第2に、非磁性基板と、
該非磁性基板上に形成され、垂直方向に磁化容易軸を持ち、コバルト、プラチナ、及びクロムからなる、あるいはコバルト、プラチナ、クロム、及び酸素からなる第1の垂直磁気記録層と、
該第1の垂直磁気記録層上に設けられ、垂直方向に磁化容易軸を持ち、希土類元素と遷移金属としてコバルト及びクロムとを含む結晶質の合金を主に含み、該第1の垂直磁気記録層とは異なる第2の垂直磁気記録層とを具備することを特徴とする垂直磁気記録媒体を提供する。
【0010】
本発明は、第3に、上記垂直磁気記録媒体と、該垂直磁気記録媒体を支持および回転駆動する機構と、該垂直磁気記録媒体に対して情報の記録を行うための素子及び記録された情報の再生を行うための素子を有する磁気ヘッドと、該磁気ヘッドを該垂直磁気記録媒体に対して移動自在に支持したキャリッジアッセンブリとを具備することを特徴とする磁気記録再生装置を提供する。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明の第1の観点に係る垂直磁気記録媒体は、非磁性基板上に、軟磁性裏打ち層と、垂直方向に磁化容易軸を持ち、コバルトを主に含む第1の垂直磁気記録層と、第1の垂直磁気記録層上に設けられ、垂直方向に磁化容易軸を持ち、希土類元素と遷移金属を含む結晶質の合金を主に含む第2の垂直磁気記録層とが順に積層された構成を有する。
【0012】
本発明に用いられるコバルトを主に含む第1の垂直磁気記録層は、磁性結晶粒子と結晶粒界を持つ偏析構造を有する。この上に、希土類元素と遷移金属を含む結晶質の合金を主に含む第2の垂直磁気記録層を設けることにより、第1の垂直磁気記録層から成長してきた磁性結晶粒子がより微細化され、粒界が広がることで、さらに偏析構造が促進される。また、磁気記録層をこのような二層構造とすることで、従来の一層だけのCoCr系磁性層を有する垂直磁気記録媒体と比較し、その磁気異方性を大きくすることができる。
【0013】
本発明によれば、第1に、垂直磁気記録層、特に第2の垂直磁気記録層の磁性結晶粒子を微細化して、その記録分解能を改善し、第2に、垂直磁気記録層全体の磁気異方性を促進することによって熱ゆらぎ耐性を改善し、かつ第3に、垂直磁気記録層、特に第2の磁気記録層の偏析構造を促進することによって媒体ノイズを改善し得る。
【0014】
なお、希土類元素と遷移金属を含む合金は、希土類元素を多く含ませると、磁性膜は非晶質の連続膜になる傾向があるので、本発明では、希土類元素の添加量及び磁性層の厚さ等を制御することにより、結晶質を有するものを使用する。
【0015】
軟磁性層としては、例えばCoZrNb、FeTaC,FeZrN,FeSi合金,FeAl合金,パーマロイなどのFeNi合金,パーメンジュールなどのFeCo系合金,パーミンバーなどのFeCoNi合金,NiCo合金,センダスト,MnZn系フェライト,NiZn系フェライト,MgZn系フェライト,MgMn系フェライト,FeAlGa,FeCuNbSiB,FeGaGe,FeGeSi,FeNiPb,FeRuGaSi,FeSiB,FeSiC,FeZrB,FeZrBCu,CoFeSiB,CoTi,及びCoZrTa等の高透磁率を有する軟磁性材料があげられる。
【0016】
高透磁率な軟磁性層を設けることにより、軟磁性層上に垂直磁気記録層を有するいわゆる垂直二層媒体が構成される。この垂直二層媒体において、軟磁性層は,垂直磁気記録層を磁化するための磁気ヘッドからの記録磁界を、水平方向に通して、磁気ヘッド側へ還流させるという磁気ヘッドの機能の一部を担っており、記録再生効率を向上させる役目を果たし得る。
【0017】
また、軟磁性層と非磁性基板との間には、強磁性層を設けることができる。媒体作成後、強磁性層に対し、半径方向の一方向に磁界を印加することにより、軟磁性層にバイアス磁界をかけて磁壁の発生を防ぐことができる。
【0018】
強磁性層としては、例えばCoSm、CoPt,CoCrPtおよびCoCrPtCu等があげられる。
【0019】
また、軟磁性層と基板との間に、例えばCr、V,およびNiAl等の下地層を設けることができる。
【0020】
得られた磁気記録層表面上に、例えばカーボン等の保護層を設けることができる。
【0021】
さらに、垂直磁気記録媒体表面例えば磁気記録層表面あるいは保護層表面の上に、例えばディップ法等によりパーフルオロポリエーテル等の潤滑剤を塗布し、潤滑層を形成することができる。
【0022】
図1に、本発明の垂直磁気記録媒体の一例を表す断面図を示す。
【0023】
図示するように、この垂直磁気記録媒体10は、例えば2.5インチのガラス基板からなる非磁性基板1上に、軟磁性裏打ち層7と、コバルトを含む第1の垂直磁気記録層2及び希土類元素と遷移金属を含む結晶質の合金を主に含む第2の垂直磁気記録層3が順に積層された構成を有する。
【0024】
第2の垂直磁気記録層に使用される遷移金属としては、例えばコバルト及びクロムがあげられる。
【0025】
また、遷移金属として、さらにプラチナを使用することができる。
【0026】
また、第2の垂直磁気記録層に使用される希土類元素としては、イットリウム,ランタン,セリウム,プラセオジム,ネオジム,サマリウム,ユーロピウム,ガドリニウム、テルビウム、ジスプロシウム、ホルミウム、ツリウム、イッテルビウム及びルテチウム等があげられる。
【0027】
希土類元素は、結晶質の合金中に0.1ないし20at%含まれていることが好ましい。0.1at%未満であると、希土類元素を加えた効果である微細化の効果が見られず、希土類元素を0.1at%添加した場合に比して、磁性粒子が大きくなりノイズが大きくなるという傾向があり、20at%を超えると、微細化が過剰に進んで非晶質化し、連続膜となる。これによって、第2垂直磁気記録層の偏析構造が消失しノイズが増大する傾向がある。
【0028】
第1の垂直磁気記録層は、プラチナ及びクロムのうち少なくとも1つの金属を含むことが好ましい。
【0029】
このとき、第2の垂直磁気記録層は、イットリウム、ランタン、セリウム、サマリウム、ユーロピウム、ツリウム、イッテルビウム、及びルテチウムからなる群から選択される少なくとも1種を含むことが好ましく、その含有量は、結晶質の合金中0.1ないし20at%であることが好ましい。0.1at%未満であると、やはり希土類を加えた効果が現れず、希土類元素を0.1at%添加した場合に比して、磁性粒子が大きくなってノイズが増大する傾向があり、20at%を超えると、非晶質連続膜化して、第2の垂直磁気記録層の偏析構造が消失してノイズが増大する傾向がある。
【0030】
あるいは、このとき、第2の垂直磁気記録層は、プラセオジム、ネオジム、ガドリニウム、テルビウム、ジスプロシウム、及びホルミウムからなる群から選択される少なくとも1種を含むことが好ましく、その含有量は結晶質の合金中0.1ないし10at%であることが好ましい。0.1at%未満であると、希土類元素を加えた効果が現れず、希土類元素を0.1at%添加した場合に比して、磁性粒子が大きくなってノイズが増大する傾向があり、10at%を超えると、非晶質化して連続膜となり、第2の垂直磁気記録層の偏析構造が消失してノイズが増大する傾向がある。
【0031】
第1の垂直磁気記録層は、プラチナ及びクロムのうち少なくとも1つの金属と、さらに酸素を含むことが好ましい。
【0032】
このとき、希土類元素は、イットリウム,ランタン,セリウム,プラセオジム,ネオジム,サマリウム,ユーロピウム,ガドリニウム、テルビウム、ジスプロシウム、ホルミウム、ツリウム、イッテルビウム及びルテチウムからなる群から選択される少なくとも1種であることが好ましく、その含有量は結晶質の合金中0.1ないし20at%であることが好ましい。0.1at%未満であると、希土類元素を加えた効果が現れず、希土類元素を0.1at%添加した場合に比して、磁性粒子が大きくなってノイズが増大する傾向があり、20at%を超えると、非晶質化して連続膜となり、第2の垂直磁気記録層の偏析構造が消失してノイズが増大する傾向がある。
【0033】
また、第2の垂直磁気記録層に含まれる合金には、Ta及びNbのうち少なくとも1種の金属を添加することができる。Ta及びNbを添加することにより、より偏析構造が進み、ノイズが低減される傾向がある。
【0034】
その添加量は、第2の垂直磁気記録層中、0.1ないし20at%であることが好ましい。0.1at%未満であると、Ta及びNbを添加した効果が現れず、それらを添加した媒体に比して、ノイズ低減の効果が少ない傾向があり、20at%を超えると、過剰なTa,Nbによって結晶性が乱され、記録分解能が大きく悪化する傾向がある。
【0035】
第2の垂直磁気記録層の厚さは、好ましくは0.1以上20nm未満、さらに好ましくは0.1以上15nm以下である。0.1nm未満であると、第2の垂直磁性記録層の効果が現れず、0.1nm以上の厚さの場合に比して、磁性粒子が大きくなってノイズが増大する傾向があり、20nm以上であると、膜上層部での結晶性が悪くなり、記録分解能が悪化する傾向がある。
【0036】
第1の垂直磁性記録層の材料としては、例えばCoPt,CoCr,CoCrPt,CoCrO,CoPtO,CoPtCrO、CoCrPtB,CoCrPtTa,CoCrPtW,CoCrPtMo,CoCrPtCu,CoCrPtRu,CoCrPtWC,CoCrPtRuC,CoCrPtCuB,CoCrPtWB,CoCrPtTaCu,CoCrPtTaW、CoPt−SiO2,及びCoPtSiOを使用することができる。
【0037】
また、第1の垂直磁気記録層の厚さは、好ましくは1ないし30nm、さらに好ましくは5ないし20nmである。1nm未満であると、偏析構造が充分に現れず、ノイズが増大する傾向があり、30nmを超えると、磁性粒子が大きくなり、記録分解能が悪化する傾向がある。
【0038】
第1の垂直磁気記録層上には、第2の垂直磁気記録層を含む2以上の磁性層を積層することができる。
【0039】
図2に、本発明の垂直磁気記録媒体の他の一例の構成を表す断面図を示す。
【0040】
図示するように、この垂直磁気記録媒体20は、例えば第1の垂直磁気記録層2及び第2の垂直磁気記録層3間に、例えばCoCrPtBからなる磁性層4が設けられていること以外は、図1と同様の構成を有する。
【0041】
また、非磁性基板上に、第1と第2の垂直磁気記録層を交互に積層することができる。
【0042】
図3に、本発明の垂直磁気記録媒体のさらに他の一例の構成を表す断面図を示す。
【0043】
図示するように、この垂直磁気記録媒体30は、例えば第1の垂直磁気記録層2及び第2の垂直磁気記録層3上に、さらに第1の垂直磁気記録層2層及び第2の垂直磁気記録層3が形成され、これにより、非磁性基板上に第1の垂直磁気記録層2と第2の垂直磁気記録層が交互に積層された構成を有すること以外は、図1と同様の構成を有する。
【0044】
なお、第1の垂直磁気記録層上には、第2の垂直磁気記録層を含む2層以上の磁性層を積層する場合、磁気記録層全体の厚さは、5ないし30nmであることが好ましい。5nm未満であると、結晶性の悪い初期層が、磁気記録層全体の大きな部分を占めることになり、記録分解能が悪化する傾向があり、30nmであると、磁性粒子が大きくなりノイズが増大する傾向がある。
【0045】
また、第1の垂直磁気記録層と第2の垂直磁気記録層、及び各磁性層との間には、任意の中間層を設けることができる。このような中間層として、例えばCr,Mo,W,CrMo,CrW,CoCr,CoCrPt、及びCoCrPtB等があげられる。このような中間層を設けることにより、中間層から偏析源を供給することができ、偏析構造を促進することができる。
【0046】
また、中間層の厚さは、好ましくは0.1ないし5nmである。0.1nm未満であると、中間層による偏析構造促進の効果は現れず、5nmを超えると、上層側の磁性記録層の結晶性が乱れて記録分解能が悪化する傾向がある。
【0047】
さらに、第1の垂直磁気記録媒体と非磁性基板との間には、任意に、非磁性下地層等を設けることができる。
【0048】
下地層としては、例えばTi,TiCr,Ru,RuCr,Hf,NiAl、NiTa,NiNb、CoCrPt、およびCoCrPtBを使用することができる。
【0049】
本発明に用いられる非磁性下地層の好ましい厚さは、1ないし50nm、さらに好ましくは5ないし30nmである。1nm未満であると、非磁性下地層の結晶性が悪く、よって磁性記録層の結晶性も悪くなり、ノイズが大きくなる傾向があり、50nmを超えると、磁性記録層の磁性粒子が大きくなりノイズが増大する傾向がある。
【0050】
また、本発明の第2の観点に係る発明は、非磁性基板と第1の垂直磁気記録層との間に軟磁性裏打ち層を設けないこと以外は、第1の観点に係る発明と同様の構成を有する。
【0051】
図4に、本発明の垂直磁気記録媒体のさらにまた他の一例の構成を表す概略断面図を示す。
【0052】
図示するように、この垂直磁気記録媒体40は、軟磁性裏打ち層7を設けないこと以外は、図1と同様の構成を有する。
【0053】
この垂直磁気記録媒体は、垂直磁気記録層と軟磁性裏打ち層を具備する、いわゆる垂直二層媒体を構成しないので、垂直二層媒体による記録再生効率の向上は期待できないけれども、第1の観点に係る垂直磁気記録媒体と同様に、第2の垂直磁気記録層の磁性結晶粒子を微細化して、その記録分解能を改善し、垂直磁気記録層全体の磁気異方性を促進することによって熱ゆらぎ耐性を改善し、かつ磁気記録層特に第2の磁気記録層の偏析構造を促進することによって媒体ノイズを改善し得る。
【0054】
また、本発明の第3の観点に係る磁気記録再生装置は、非磁性基板と、非磁性基板上に形成され、垂直方向に磁化容易軸を持ち、コバルトを主に含む第1の垂直磁気記録層と、第1の垂直磁気記録層上に設けられ、垂直方向に磁化容易軸を持ち、希土類元素と遷移金属を含む結晶質の合金を主に含む第2の垂直磁気記録層とを有する垂直磁気記録媒体と、垂直磁気記録媒体を支持および回転駆動する機構と、垂直磁気記録媒体に対して情報の記録を行うための素子及び記録された情報の再生を行うための素子を有する磁気ヘッドと、磁気ヘッドを垂直磁気記録媒体に対して移動自在に支持したキャリッジアッセンブリとを具備する。
【0055】
図5に、本発明にかかる磁気記録再生装置の一例を一部分解した斜視図を示す。
【0056】
本発明に係る情報を記録するための剛構成の磁気ディスク121はスピンドル122に装着されており、図示しないスピンドルモータによって一定回転数で回転駆動される。磁気ディスク121にアクセスして情報の記録を行う例えば単磁極型記録ヘッド及び情報の再生を行うためのMRヘッドを搭載したスライダー123は、薄板状の板ばねからなるサスペンション124の先端に取付けられている。サスペンション124は図示しない駆動コイルを保持するボビン部等を有するアーム125の一端側に接続されている。
【0057】
アーム125の他端側には、リニアモータの一種であるボイスコイルモータ126が設けられている。ボイスコイルモータ126は、アーム125のボビン部に巻き上げられた図示しない駆動コイルと、それを挟み込むように対向して配置された永久磁石および対向ヨークにより構成される磁気回路とから構成されている。
【0058】
アーム125は、固定軸127の上下2カ所に設けられた図示しないボールベアリングによって保持され、ボイスコイルモータ126によって回転揺動駆動される。すなわち、磁気ディスク121上におけるスライダー123の位置は、ボイスコイルモータ126によって制御される。なお、図4中、128は蓋体を示している。
【0059】
以下、実施例を示し、本発明を具体的に説明する。
【0060】
【実施例】
実施例1
2.5インチ磁気ディスク用のガラス基板からなる非磁性基板を用意した。
【0061】
1×10−5Paの真空度の真空チャンバー内に非磁性基板を設置し、基板温度を250℃まで加熱して、ガス圧0.6PaのAr雰囲気中でDCマグネトロンスパッタリングを行った。
【0062】
まず,非磁性基板をターゲットに対向するように配置し、DC500Wでターゲットに放電し、強磁性層用非磁性下地層として、厚さ40nmのCr膜を形成した。その上に厚さ25nmになるようにCoCrPt強磁性層を形成した。得られたCoCrPt強磁性層上に、厚さ200nmのCoZrNb軟磁性裏打ち層を形成した。
【0063】
次に、CoZrNb軟磁性裏打ち層上に、第1の下地層としてDC300WでTiターゲットに放電し、厚さ5nmのTi層を形成した。得られたTi層上に、第2の下地層として、Co−37at%Cr−8at%PtをDC500Wで放電させ、厚さ20nmの非磁性CoCrPt層を形成した。
【0064】
その後、Co−20at%Cr−16at%Ptのターゲットを用意し、非磁性CoCrPt下地層上に、第1の垂直磁気記録層として、CoCrPt垂直磁気記録層15nmを形成した。
【0065】
その後、Co−20at%Cr−15at%Ceのターゲットを用い、第2の垂直磁気記録層として、CoCrPt垂直磁気記録層上に、厚さ9nmのCoCrCe垂直磁気記録層を形成した。
【0066】
最後に、厚さ7nmのカーボン保護層を形成し、垂直磁気記録媒体を得た。
【0067】
このように真空容器内で連続してスパッタリングした基板を大気中に取り出した後、ディップ法によりパーフルオロポリエーテル(PFPE)系潤滑層を1.5nmの厚さに形成し、垂直磁気録媒体を得た。
【0068】
図6に、実施例1に係る垂直磁気記録媒体の構成を表す断面図を示す。
【0069】
図示するように、この垂直磁気記録媒体50は、非磁性基板1上に、Cr非磁性層5、CoCrPt強磁性層6、CoZrNb軟磁性膜7、Ti第1の下地膜8、CoCrPt第2の下地層9、CoCrPt垂直磁気記録層11、CoCrCe垂直磁気記録層12、C保護層13、及び図示しない潤滑層を順次積層した構造を有する。
【0070】
得られた垂直磁気録媒体の第2の垂直磁気記録層であるCoCrCe垂直磁気記録層の結晶性を、以下のように調べた。
【0071】
比較として、第2の垂直磁気記録層CoCrCe層を形成しない以外は、実施例1と同様にして、垂直磁気記録媒体を作成した。
【0072】
図7に、比較の垂直磁気記録媒体の構成を表す断面図を示す。図示するように、この垂直磁気記録媒体60は、非磁性基板1上に、Cr非磁性下地層5、CoCrPt強磁性層6、CoZrNb軟磁性層7、Ti第1の下地層8、CoCrPt第2の下地層9、CoCrPt垂直磁気記録層11、C保護層12、及び図示しない潤滑層を順次積層した構造を有する。
【0073】
得られた垂直磁気記録媒体50及び60に対して、X線回折測定を行い、垂直磁気記録層のCo(0002)強度を観測した。垂直磁気記録媒体40に対して、Coの(0002)ピーク強度には、第1の垂直磁気記録層CoCrPt層のCoと第2の垂直磁気記録層CoCrCe層のCoの両方からの信号が重なって観測される。そこで、垂直磁気記録媒体50のX線回折測定を行い、第1の垂直磁気記録層CoCrPtからのCo(0002)ピーク強度を観測する。これら2つの垂直磁気記録媒体のCo(0002)ピーク強度の差をとることで、第2の垂直磁気記録層CoCrCeのCo(0002)ピーク強度を調べた。その結果、Co(0002)ピーク強度は100cps以上であることが明確に確認でき、これにより、第2の垂直磁気記録層CoCrCeが非晶質ではなく結晶質であることがわかった。
【0074】
また、得られた垂直磁気録媒体40について、電磁石を備えた着磁装置を用いて,円板上基板の半径方向外向きに15kOe(約1.2×106A/m)の磁界を印加し,面内硬磁性を示すCoCrPt強磁性層に、半径方向への磁化を行った。着磁された垂直磁気記録媒体について,磁気抵抗効果を利用した、記録トラック幅0.3μm、再生トラック幅0.2μmの単磁極ヘッドを用いて、記録再生特性の評価を行った。その結果、記録分解能を示す指標である微分波形の半値幅dPW50が89nm,SNRm(S:50kFCI、N:400kFCIの周波数で信号を記録した場合の積分ノイズ)が23.9dBという良好な媒体を得ることができた。さらに、熱揺らぎ指標である低域出力50kFCIでの減衰値は、−0.05%/decadeであった。得られたdPW50とSNRmの結果を下記表1に示す。
【0075】
比較例1
実施例1と同様の非磁性基板上に、第1の垂直磁気記録層として、CoCrPt層を24nmの厚さで形成し、第2の垂直磁気記録層であるCoCrCe層を形成しないこと以外は、実施例1と同様にして垂直磁気記録媒体を得た。
【0076】
得られた垂直磁気記録媒体について、実施例1と同様に記録再生特性の評価を行ったところ、記録分解能を示す指標であるdPW50が105nm,SNRmが17.1dBであった。また、低域出力50kFCIでの減衰値は−0.15%/decadeであった。得られたdPW50とSNRmの結果を下記表1に示す。
【0077】
比較例2
実施例1と同様の非磁性基板上に、Co−20at%Cr−15at%Ceのターゲットを用い、第2の垂直磁気記録層であるCoCrCe層を9nmの厚さで形成し、その上に、第1の垂直磁気記録層であるCo−20at%Cr−16at%Ptのターゲットを用い、CoCrPt層を15nmの厚さで形成する以外は、実施例1と同様にして垂直磁気記録媒体を得た。
【0078】
図8に、比較例2に係る垂直磁気記録媒体の構成を表す断面図を示す。
【0079】
図示するように、この垂直磁気記録媒体70は、非磁性基板1上に、Cr非磁性層5、CoCrPt強磁性層6、CoZrNb軟磁性層7、Ti第1の下地層8、CoCrPt第2の下地層9、CoCrCe垂直磁気記録層12、CoCrPt垂直磁気記録層11、C保護層13、及び図示しない潤滑層を順次積層した構造を有する。
【0080】
得られた垂直磁気記録媒体70について、実施例1と同様に記録再生特性の評価を行ったところ、dPW50が115nm,SNRmが15.2dBであった。また、低域出力50kFCIでの減衰値が−0.11%/decadeであった。得られたdPW50とSNRmの結果を下記表1に示す。
【0081】
【表1】
Figure 0004287099
【0082】
実施例2
希土類元素として、セリウムを使用し、その膜厚を0ないし30nmで適宜変化させる以外は、実施例1と同様にして、種々の厚さをもつ第2の垂直磁気記録層を有する複数種の垂直磁気記録媒体を作成した。
【0083】
第2の磁気記録層とSNRm及びdPW50と、第2磁性層の膜厚との関係を下記表2に示す。
【0084】
【表2】
Figure 0004287099
【0085】
上記表2に示すように、第2の磁気記録層の厚さが0.1ないし20nmの範囲で、SNRmに対して改善の効果があることが分かった。特に、第2の磁気記録層の厚さとして、1nmないし15nmが望ましい。
【0086】
実施例3
第2の垂直磁気記録層として、Co−20at%Cr−14at%Pt−9at%Ceのターゲットを用い、9nmの厚さでCoCrPtCe層を形成する以外は、実施例1と同様にして垂直磁気記録媒体を得た。
【0087】
得られた垂直磁気録媒体について、実施例1と同様にして、記録再生特性の評価を行ったところ,dPW50=85nm、SNRm=24.2dBという良好な媒体を得ることができた。また、dPW50は、85nmであり、低域出力50kFCIでの減衰値は、−0.06%/decadeであった。
【0088】
実施例4
第2の垂直磁気記録層として、Co−20at%Cr−14at%Pt−9at%Ce−2at%Taのターゲットを用い、9nmの厚さでCoCrPtCeTa層を形成する以外は、実施例1の垂直磁気記録媒体10と同様にして垂直磁気記録媒体を得た。
【0089】
得られた垂直磁気録媒体について、実施例1と同様にして記録再生特性の評価を行ったところ,dPW50=83nm、SNRm=24.4dBという良好な媒体を得ることができた。また、同様の効果は、CoCrPtCeTa層の代わりに、9nmの厚さでCoCrPtCeNb層を用いた垂直磁気記録媒体に対しても得られた。また、低域出力50kFCIでの減衰値は、−0.04%/decadeであった。
【0090】
実施例5
第2の垂直磁気記録層の希土類元素としてセリウムを使用し、Co−20at%Cr−Ceターゲットのセリウムの組成を0ないし25at%で適宜変化させた以外は実施例1と同様にして、第2の垂直記録層として、種々の組成比をもつCo−20at%Cr−Ce層を有する複数の垂直磁気記録媒体を作成した。
【0091】
得られた垂直磁気記録媒体に対して、実施例1と同様にして記録再生特性の評価を行った。その結果として、セリウム含有量とSNRmとの関係を表すグラフ図を図9に示す。図9のグラフから、セリウムの組成が0.1ないし20at%未満までSNRmが良い特性を示すことが分かった。また、これら複数の垂直磁気記録媒体に対して、実施例1と同様に、X線回折測定を行い、垂直磁気記録層のCo(0002)強度を観測した。その結果、Co(0002)強度を明確に観測することができた。同様の効果は、セリウムの代わりに、各々、イットリウム、ランタン、ツリウム、イッテルビウム及びルテチウムを用いた垂直磁気記録媒体に対しても得られた。
【0092】
実施例6
希土類元素としてガドリニウムを使用し、Co−20at%Cr−Gdターゲットを用いて、ガドリニウムの組成を0ないし25at%で適宜変化させた以外は実施例5と同様にして、種々の組成のCo−20at%Cr−Gd層を有する複数の垂直磁気記録媒体を作製した。
【0093】
得られた垂直磁気記録媒体に対して、実施例5と同様に記録再生特性の評価を行った。その結果として、ガドリニウム含有量とSNRmとの関係を表すグラフ図を図10に示す。
【0094】
図10のグラフから、ガドリニウムの組成が0.1ないし10at%未満で良いSNRmを示すことがわかった。また、これら複数の垂直磁気記録媒体に対して、実施例5と同様に、X線回折測定を行い、垂直磁気記録層のCo(0002)強度を観測した。その結果、Co(0002)強度を明確に観測することができた。同様の効果は、ガドリニウムの代わりに、各々、プラセオジミウム、サマリウム、ユーロピウム、テルビウム、ジスプロシウム及びホルミウムを用いた垂直磁気記録媒体に対しても得られた。
【0095】
実施例7
実施例1と同様にして、非磁性基板上に、CoCrPt強磁性層及びCoZrNb軟磁性裏打ち層を形成した。
【0096】
次に、基板を冷却し、基板温度を室温まで低下させた。続いて、CoZrNb軟磁性裏打ち層上に、第1の下地層としてTiをDC300Wで放電し、厚さ4nmのTi層を形成した。Ti層上に、第2の下地層として、Co−37at%Cr−8at%PtをDC500Wで放電させ、厚さ20nmの非磁性CoCrPt層を形成した。
【0097】
その後、Co−20at%Pt−16at%Crのターゲットを用い、酸素を含むアルゴン雰囲気中で、CoCrPt層上に、CoPtCrO垂直磁気記録層15nm、続いて、Co−20at%Cr−15at%Ceのターゲットを用い、CoCrCe垂直磁気記録層を9nm形成した。
【0098】
最後に、CoCrCe垂直磁気記録層上に、C保護層を7nmの厚さで製膜した。
【0099】
このように真空容器内で連続して製膜した基板を大気中に取り出した後、ディップ法によりPFPE系潤滑剤を1.5nmの厚さに形成し、垂直磁気録媒体を得た。
【0100】
得られた垂直磁気記録媒体は、CoCrPt垂直磁気記録層の代わりに、CoPtCrO垂直磁気記録層が形成されていること以外は、実施例1と同様の構成を有する。
【0101】
得られた垂直磁気録媒体について、実施例1と同様に記録再生特性の評価を行ったところ,SNRm=23.0dBという良好な媒体を得ることができた。また、dPW50は、82nmであり、低域出力50kFCIでの減衰値は、−0.07%/decadeであった。
【0102】
また、同様の効果が、セリウムの代わりに、各々、イットリウム、ランタン、プラセオジミウム、ネオジミウム、サマリウム、ユーロピウム、ガドリニウム、テルビウム、ジスプロシウム、ホルミウム、ツリウム、イッテルビウムおよびルテチウムを用いた垂直磁気記録媒体に対しても得られた。
【0103】
得られたdPW50とSNRmの結果を、各々、下記表3に示す。
【0104】
【表3】
Figure 0004287099
【0105】
表3より、希土類元素として、軽希土類例えばイットリウム、ランタン、セリウム、プラセオジム、ネオジム、サマリウム、ユーロピウム及びガドリニウム等を使用すると、SNRmの改善に効果があることが分かった。一方、希土類元素として、重希土類例えばテルビウム、ジスプロシウム、ホルミウム、ツリウム、イッテルビウム及びルテチウム等を用いると、SNRmの改善よりむしろ、記録分解能dPW50の改善に効果があることが分かった。
【0106】
比較例3
第2の垂直磁気記録層として、CoCrCe層の代わりに、Co−20at%Cr−16at%Ptのターゲットを用い、CoCrPt層を形成する以外は、実施例7と同様にして垂直磁気記録媒体を得た。
【0107】
得られた従来の垂直磁気記録媒体について、実施例1と同様に記録再生特性の評価を行ったところ、SNRmが16.8dBであった。また、dPW50は、96nmであり、低域出力50kFCIでの減衰値は、−0.17%/decadeであった。
【0108】
比較例4
第1の垂直磁気記録層として、Co−20at%Pt−16at%Crのターゲットを用い、酸素を含むアルゴン雰囲気中で、CoPtCrO層を24nmの厚さで形成し、第2の垂直磁気記録層としてCoCrCe層を形成しないこと以外は、実施例7と同様にして垂直磁気記録媒体を得た。
【0109】
得られた垂直磁気記録媒体について、実施例1と同様に記録再生特性の評価を行ったところ、SNRmが17.3dBであった。また、dPW50は、98nmであり、低域出力50kFCIでの減衰値は、−0.12%/decadeであった。
【0110】
実施例8
Co−20at%Cr−16at%Ptからなる第1の垂直磁気記録層用ターゲットと、Co−20at%Cr−15at%Ceからなる第2の垂直磁気記録層用ターゲットとを、DC300Wで放電し、それぞれ厚さ5nmずつ、交互に3層ずつ合計30nmになるように形成する以外は、実施例1と同様にして垂直磁気記録媒体を作成した。
【0111】
得られた垂直磁気録媒体について、実施例1と同様にして記録再生特性の評価を行ったところ,dPW50=80nm、SNRm=22dBという良好な媒体を得ることができた。また、低域出力50kFCIでの減衰値は、−0.04%/decadeであった。
【0112】
実施例9
非磁性Cr下地層5、CoCrPt強磁性裏打ち層6及びCoZrNb軟磁性裏打ち層7を形成しないこと以外は、実施例1と同様にして、垂直磁気記録媒体を形成した。図11に、実施例9に係る垂直磁気記録媒体の構成を表す図を示す。図示するように、垂直磁気記録媒体70は、非磁性基板1上に、Ti第1の下地層8,CoCrPt第2の下地層9、CoCrPt第1の垂直磁気記録層11,CoCrCe第2の垂直磁気記録層12、C保護層13、及び図示しない潤滑層を順次積層した構成を有する。
【0113】
次に、磁気抵抗効果を利用した、記録トラック幅0.3μm、再生トラック幅0.2μmのリング型ヘッドを用いて記録再生特性の評価を行ったところ,SNRmが20dBという良好な磁気記録媒体が得られた。また、垂直単層媒体における記録分解能を示す指標である、波形の半値幅PW50は、86nmであり、低域出力50kFCIでの減衰値は、−0.07%/decadeであった。
【0114】
比較例5
非磁性基板上に、第1の垂直磁気記録層として、Co−20at%Cr−16at%Ptのターゲットを用い、CoCrPt層を24nmの厚さで形成し、第2の垂直磁気記録層CoCrCe層を製膜しない以外は、実施例9と同様にして垂直磁気記録媒体を得た。
【0115】
得られた従来の垂直磁気記録媒体について、実施例1と同様に記録再生特性の評価を行ったところ、SNRmが16.8dBであった。また、PW50は、102nmであり、低域出力50kFCIでの減衰値は、−0.13%/decadeであった。
【0116】
【発明の効果】
本発明の垂直磁気記録媒体を用いることにより、熱ゆらぎ耐性及び記録分解能が高く、媒体ノイズの少ない磁気記録再生を行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の垂直磁気記録媒体の一例を表す概略断面図
【図2】 本発明の垂直磁気記録媒体の他の一例の構成を表す概略断面図
【図3】 本発明の垂直磁気記録媒体のさらに他の一例の構成を表す概略断面図
【図4】 本発明の垂直磁気記録媒体のさらにまた他の一例の構成を表す概略断面図
【図5】 本発明の磁気記録再生装置の一例を表す概略図
【図6】 実施例1に係る垂直磁気記録媒体の構成を表す概略断面図
【図7】 従来の垂直磁気記録媒体の構成を表す概略断面図
【図8】 比較例2に係る垂直磁気記録媒体の構成を表す概略断面図
【図9】 セリウム含有量とSNRmとの関係を表すグラフ図
【図10】 ガドリニウム含有量とSNRmとの関係を表すグラフ図
【図11】 実施例9に係る垂直磁気記録媒体の構成を表す図
【符号の説明】
1…非磁性基板、2,11…第1の垂直磁気記録層、3,12…第2の垂直磁気記録層、5…強磁性層用非磁性下地層、6…強磁性層、7…軟磁性裏打ち層、8…第1の下地層、9…第2の下地層、10,20,30,40,50,60,70,121…垂直磁気記録媒体、13…保護層、122…スピンドル、123…スライダー、124…サスペンション、125…アーム、126…ボイスコイルモータ、127…固定軸、128…蓋体

Claims (15)

  1. 非磁性基板と、
    該非磁性基板上に形成された軟磁性裏打ち層と、
    該軟磁性裏打ち層上に形成され、垂直方向に磁化容易軸を持ち、コバルト、プラチナ、及びクロムからなる、あるいはコバルト、プラチナ、クロム、及び酸素からなる第1の垂直磁気記録層と、
    該第1の垂直磁気記録層上に設けられ、垂直方向に磁化容易軸を持ち、希土類元素と遷移金属としてコバルト及びクロムとを含む結晶質の合金を主に含み、該第1の垂直磁気記録層とは異なる第2の垂直磁気記録層とを具備することを特徴とする垂直磁気記録媒体。
  2. 非磁性基板と、
    該非磁性基板上に形成され、垂直方向に磁化容易軸を持ち、コバルト、プラチナ、及びクロムからなる、あるいはコバルト、プラチナ、クロム、及び酸素からなる第1の垂直磁気記録層と、
    該第1の垂直磁気記録層上に設けられ、垂直方向に磁化容易軸を持ち、希土類元素と遷移金属としてコバルト及びクロムとを含む結晶質の合金を主に含み、該第1の垂直磁気記録層とは異なる第2の垂直磁気記録層とを具備することを特徴とする垂直磁気記録媒体。
  3. 前記第2の垂直磁気記録層上に、保護層、潤滑層、または保護層とその上に形成された潤滑層との積層をさらに有することを特徴とする請求項1または2に記載の垂直磁気記録媒体。
  4. 前記遷移金属は、さらにプラチナを含むことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の垂直磁気記録媒体。
  5. 前記第2の垂直磁気記録層は、0.1nm以上20nm未満の厚さを有することを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の垂直磁気記録媒体。
  6. 前記第2の垂直磁気記録層が、0.1nm以上15nm以下の厚さを有することを特徴とする請求項5に記載の垂直磁気記録媒体。
  7. 前記希土類元素は、イットリウム,ランタン,セリウム,プラセオジム,ネオジム,サマリウム,ユーロピウム,ガドリニウム、テルビウム、ジスプロシウム、ホルミウム、ツリウム、イッテルビウム及びルテチウムからなる群から選択される少なくとも1種であることを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1項に記載の垂直磁気記録媒体。
  8. 前記希土類元素は、前記結晶質の合金中に0.1ないし20at%含まれることを特徴とする請求項1ないし7のいずれか1項に記載の垂直磁気記録媒体。
  9. 前記希土類元素は、イットリウム、ランタン、セリウム、サマリウム、ユーロピウム、ツリウム、イッテルビウム、及びルテチウムからなる群から選択される少なくとも1種であることを特徴とする請求項1ないし8のいずれか1項に記載の垂直磁気記録媒体。
  10. 前記希土類元素は、プラセオジム、ネオジム、ガドリニウム、テルビウム、ジスプロシウム、及びホルミウムからなる群から選択される少なくとも1種であり、かつ前記結晶質の合金中に0.1ないし10at%含まれることを特徴とする請求項9に記載の垂直磁気記録媒体。
  11. 前記結晶質の合金が、タンタル及びニオブのうち少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項1ないし10のいずれか1項に記載の垂直磁気記録媒体。
  12. 前記第1の垂直磁気記録層と前記第2の垂直磁気記録層との間、及び/または前記第2の垂直磁気記録層上に少なくとも一層の磁性層をさらに有することを特徴とする請求項1ないし11のいずれか1項に記載の垂直磁気記録媒体。
  13. 前記第2の垂直磁気記録層上に、さらに前記第1の垂直磁気記録層及び前記第2の垂直磁気記録層を積層したことを特徴とする請求項12に記載の垂直磁気記録媒体。
  14. 非磁性基板と、前記第1の垂直磁気記録層との間に、少なくとも1層以上の非磁性下地層を持つことを特徴とする請求項1ないし13のいずれか1項に記載の垂直磁気記録媒体。
  15. 請求項1ないし14のいずれか1項に記載の垂直磁気記録媒体と、該垂直磁気記録媒体を支持および回転駆動する機構と、該垂直磁気記録媒体に対して情報の記録を行うための素子及び記録された情報の再生を行うための素子を有する磁気ヘッドと、該磁気ヘッドを該垂直磁気記録媒体に対して移動自在に支持したキャリッジアッセンブリとを具備することを特徴とする磁気記録再生装置
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