JP3670728B2 - 磁気記録媒体およびこれを応用した磁気記録装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は磁気記録媒体およびこれを用いた磁気記憶装置に関し、特に磁気記録媒体から発生するノイズを著しく低減できるとともに、大きな再生出力を得ることができる、改良された垂直磁気記録媒体およびこれを用いた磁気記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
垂直磁気記録は、磁気記録媒体の膜面に対して垂直方向に情報の記録を行うものであって、高密度記録の際の各ビット間の反磁界が小さいので、記録密度を上げるのに適した方式である。
垂直磁気記録に使用できる磁気記録媒体としては、Co−Cr、Co−V、Co−Mo、Co−W、Co−Re、Co−Cr−Ta、Co−Cr−Pt、Co−Cr−Ta−PtおよびCo−Cr−Pt−Bなど、Co基合金膜が用いられた。これらのCo基合金膜は六方最密(hcp)構造を持ち、薄膜を構成する結晶粒のc軸が垂直に配向しやすい性質を持っている。
また、IEEE Trans. Magnetics, MAG-15,1456(1979)において論じられているように、磁気記録の感度を高くするためには、上記Co基合金膜の下に、パ−マロイなどの高透磁率を持った軟磁性材料からなる薄膜を設けることが有効とされている。
Co膜とCr膜からなる多層膜(特開平1−298519)、Co膜とPdもしくはPt膜の交互積層膜(特開平2−03102、特開平3−80421)およびCo−CoO膜(特開昭63−281215)からなる垂直磁化膜などが、それぞれ提案されており、さらに、従来は光磁気記録膜として検討されてきたTbなど稀土類金属にFeなどの遷移金属を添加した非晶質合金膜も、磁気記録用の垂直磁化膜として検討され始めている。
【0003】
パ−マロイなどの高透磁率を有する軟磁性材料からなる薄膜を設けた垂直磁気記録媒体は、単磁極ヘッドからなる自己録再兼用型ヘッドもしくは単磁極ヘッドと磁気抵抗効果(MR)型の再生ヘッドからなる録再分離型ヘッドと組み合わせて用いられる。一方、単層垂直磁化膜からなる磁気記録媒体の場合は、自己録音再生兼用型のリングヘッドもしくはリングヘッドとMR再生ヘッドを組み合わせた録音再生分離型ヘッドと組み合わせて用いられる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
磁気記録の面密度を向上させるためには、磁気記録の分解能を向上するとともに充分な再生出力を確保し、かつ磁気記録媒体から発生するノイズを低減し、再生信号のS/Nを向上させることが必要である。従来の垂直磁気記録技術では、磁気記録の面記録密度が2Gb/in2以上になると、従来の媒体では媒体のノイズ低減が困難になるとともに高密度記録時の再生出力が低下し、充分なエラ−レ−トが得難くなるという問題が生じていた。
【0005】
本発明の目的は、上記従来の磁気記録技術の有する問題を解決し、高密度磁気記録を行なうことのできる磁気記録媒体およびこれ用いた磁気記録装置を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明は、磁気記録媒体を構成する磁性膜を、複数の層の積層膜とし、それぞれの層に機能分担させることにより、高出力、高分解能、低ノイズ特性を実現するものである。例えば、第1の磁性膜に低ノイズおよび高分解能特性を有する磁性膜を用い、第2層の磁性膜として高出力特性を有する磁性膜を用いて積層することにより、上記目的が達成される。
【0007】
【発明の実施の形態】
磁化容易軸が垂直配向した例えばCo基合金系の多結晶垂直磁化膜は、高分解能で低ノイズであるが、膜面垂直方向で測定した磁化曲線の残留磁化が小さいため、磁気ヘッドとして用いたときの再生出力が低いという問題点がある。これに対し、例えばCo膜とPt膜を交互に積層して形成された多層膜からなる垂直磁化膜は、記録再生を行ったときの媒体ノイズは大きいが、磁化曲線の残留磁化が大きく、再生出力が大きいという特徴がある。このような異なる種類の垂直磁化膜を、直接もしくは薄い非磁性層を介して基板上に積層することにより、両者の特長を引き出すことができ、高分解能、低ノイズ、高出力の垂直磁気記録媒体を実現することができる。
【0008】
すなわち、上記多層膜からなる垂直磁化膜は垂直性の向上に有効で、一方、多結晶構造を有する垂直磁化膜をノイズを低減して記録再生特性の向上に有効であり、両者を組合わせて使用することによって極めて優れた磁気記録媒体が得られることが確認された。
【0009】
上記二つの垂直磁化膜の間に、薄い非磁性膜を介在させることにより、磁性膜間の磁気的な結合力を調整することができるので磁気媒体ノイズが低減される。この非磁性膜の望ましい膜厚は0.1〜10nm、特に望ましい範囲は0.5〜5nmである。
【0010】
Co基合金系の多結晶垂直磁化膜としては、Co−Cr、Co−V、Co−Mo、Co−W、Co−Re、Co−Cr−Ta、Co−Cr−Pt、Co−Cr−Pt−Ta、Co−Cr−Pt−Bなどを用いることができ、これにCr、Ta、Pt、B、Re、Ru、V、Nb、W、Mo、Ti、Zr、Hf、Fe、Ni、Si、B、O、Nから選ばれてなる少なくとも1種の元素を含む六方最密構造のCo基合金が最適である。
【0011】
Co基合金にSiO2やZrO2が添加された混合物、あるいはCo−CoOのように、六方最密構造のCoに他の結晶構造を持った材料が混じった混合物であってもよい。これらCo基合金系多結晶膜の望ましい膜厚は、10−100nmである。多層構造を有する垂直磁化膜としては、CoもしくはCo基合金とPt、Pt合金、Pd、Pd合金のいずれかの膜からなる多層膜が適当である。この多層膜の望ましい膜厚は、5〜50nmである。
【0012】
図1に、非磁性基板101上に上記2種の磁性膜102、103を積層して形成した本発明による磁気記録媒体の断面構造を示した。基板101と多結晶磁性膜102の間に、必要に応じて、多結晶磁性膜103と基板101の間の接着力強化あるいは磁性膜の構造制御のための非磁性の下地膜(図示せず)を介在させてもよい。
【0013】
また、本発明の磁気記録媒体は、図2に示すように、基板101と磁性膜102との間に軟磁性膜205を介在させても良い。さらに、図1、図2に示した多層膜からなる垂直磁化膜103の代わりに、光磁気記録膜として検討されているTbなどの稀土類金属にFeなどの遷移金属が添加された非晶質合金膜を用いても同様の望ましい効果が得られる。
さらに、媒体ノイズを低減するためには、図3、4に示したように、2枚の磁性膜102、103の間に、非磁性膜305を介在させることが有効であることが認められた。
【0014】
図1から図4に示した磁気記録媒体において、上記2枚の磁性膜102、103の積層順を逆にしても、同等の望ましい効果が得られる。また、上記2枚の垂直磁化膜102、103を複数回繰り返して積層しても良い。
【0015】
図1、図3に示した軟磁性膜を持たない磁気記録媒体は、自己録音再生兼用のリングヘッドもしくは記録用にリングヘッド再生用にMRヘッドを用いた録音再生分離ヘッドと組み合わせて用いられる。図2、4に示した軟磁性膜を有する磁気記録媒体は、単磁極ヘッドからなる自己録音再生兼用型ヘッドもしくは単磁極ヘッドとMR再生ヘッドを組み合わせた録音再生分離ヘッドを組み合わせて用いることができる。磁気記録の面記録密度が2Gb/in2以上の場合、磁気記録媒体表面と磁気ヘッド先端とのスペ−シングを0.1μm以下、望ましくは0.08μm以下0.02μm以上に設定しなければならない。0.1μm以上になると2Gb/in2以上の面記録密度を実現するのに必要な線記録密度が100kFCI以上の磁気信号が有効に記録できなくなり、また、0.02μm以下では磁気記録媒体表面に設ける耐摺動保護膜や潤滑膜の厚さが不十分となり、耐久性が極端に劣化するので望ましくない。
【0016】
記録音再生に用いる磁気ヘッドのトラック幅の望ましい範囲は2μm以下、0.3μm以上である。2μm以上であると、2Gb/in2以上の面記録密度を実現するための線記録密度を大きくしなければならいため、磁気記録系の設計上望ましくない。一方、0.3μm以下になると磁気ヘッドの加工精度を保つことが困難になり、実用上望ましくない。
【0017】
本発明の磁気記録媒体を磁気ヘッドと組み合わせて磁気記録装置を構成する場合、数Gb/in2以上の面記録密度を実現するためには、磁気ヘッドと磁気記録媒体を接触状態で相対運動させるコンタクト磁気記録方式を用いるのが望ましい。さらに、再生用の磁気ヘッド素子としては、巨大磁気抵抗効果(G−MR)を用いた高感度な再生素子を用いる方が、高い面記録密度を実現するには有利である。
【0018】
本発明により、特に磁気記録媒体から発生するノイズが低減され、かつ高分解能、高出力で高密度磁気記録に適することのできる改良された垂直磁気記録媒体が実現され、面記録密度を2Gb/in2以上の磁気記録装置の実現が容易になった。
【0019】
〈実施例1〉
図5は本発明の第1の実施例の磁気記録媒体の断面構造を示す図である。
直径2.5インチのガラスからなる基板101を300Cの温度に保って、周知の高周波DCマグネトロンスパッタ法を用いて、Cr−5at%Tiからなる厚さ30nmの下地膜502を形成した。こ膜は、磁性膜の結晶配向性を磁化容易軸が基板と垂直になるように制御するための膜であり、圧力10mTorrのArガスをスパッタガスに用いて形成した。
【0020】
上記下地膜502の上に、h.c.p.結晶構造を持ったCo−16at%Cr−4at%Taからなる厚さ40nmの多結晶の垂直磁化膜102を形成しタ後、厚さ2nmのPt膜と厚さ3nmのCo膜を交互に10層積層して、積層垂直磁化膜103を形成した。これら多結晶の垂直磁化膜102および積層垂直磁化膜103の形成時のAr圧力は、いずれも5mTorrとした。
【0021】
厚さ10nmカ−ボン膜からなる保護膜104および有機材料からなる厚さ5nmの潤滑膜(図示せず)を形成して、磁気記録媒体を作製し、得られた磁気記録媒体の、膜面垂直方向で測定した保磁力の値は、1.5kOeであった。
【0022】
この磁気記録媒体を(a)とし、上記Co−Cr−Taの代わりに(b)Co−15at%Cr−12at%Pt、(c)Co−13at%Cr−8at%Pt−4at%Ta、(d)Co−13at%Cr−10at%Pt−3at%Bおよび(e)Co−CoO、Co−10at%Cr−13at%Pt−3at%Zr−6at%Oの多結晶膜を、それぞれ上記多結晶垂直磁化膜102として用いて、第5図に示したのと同様な構造の磁気記録媒体を作成した。
【0023】
一方、比較例(1)として、厚さ30nmのCr−5at%Ti膜、厚さ90nmのCo−16at%Cr−4at%Ta、厚さ10nmのカ−ボン膜および厚さ5nmの潤滑膜をガラス基板上に順次積層して形成した垂直磁気記録媒体を作成した。同様に、比較例(2)として、厚さ2nmのPt膜と厚さ3nmのCo膜を交互に20層積層して形成した積層垂直磁化膜、厚さ10nmのカ−ボン膜および厚さ5nmの潤滑膜をガラス基板上に順次積層して、垂直磁気記録媒体を作成した。
【0024】
これらの磁気記録媒体の記録再生特性を、記録用にリングヘッド、再生用にMRヘッドからなる録再分離型の磁気ヘッドを用い、磁気ヘッドと磁気記録媒体間の距離を0.04μmとして測定した。リングヘッドのトラック幅は1.2μm、ギャップ間隔は0.18μm、MRヘッドのトラック幅は0.9μm、磁気シ−ルド間隔は0.25μmであった。
【0025】
測定結果を表1に示す。表1から明らかなように、本発明の磁気記録媒体は、比較例1、2よりも、記録分解能、再生信号および媒体ノイズ比(S/N)のバランスが良く、10~6以下の良好なエラ−レ−トが得られることが確認された。
【0026】
【表1】
【0027】
〈実施例2〉
本実施例は、図2に示す断面構造を有する磁気記録媒体を形成した例である。図2に示したように、直径2.5インチのSi基板101の上に、周知のDCマグネトロンスパッタ法を用いて、厚さ100nmのNi−Feパ−マロイ膜からなる軟磁性膜205を形成した。この際の基板温度は350Cとし、スパッタガスとしては圧力3mTorrのArガスを使用した。
【0028】
次に、hcp構造を持ったCo−17at%Cr−10at%Pt−3at%Taからなる厚さ25nmの多結晶垂直磁化膜102を、同様に、DCマグネトロンスパッタ法で形成し、厚さ2nmのPd膜と厚さ3nmのCo−10at%Cr膜を、高周波スパッタ法を用いて交互に10層積層して形成された積層垂直磁化膜103および、厚さ7nmのカ−ボンからなる保護膜205をDCマグネトロンスパッタ法で形成した。さらに成膜装置から試料をとりだして、有機材料からなる厚さ5nmの潤滑膜(図示せず)を形成して磁気記録媒体を作成した。得られた磁気記録媒体の媒体保磁力は2.7kOeであった。この磁気記録媒体を試料(a)とする。
【0029】
試料(a)において、上記多結晶垂直磁化膜102として、Co−Cr−Pt−Ta膜の代わりに、Co−21at%Cr、Co−23at%V、Co−18at%MoおよびCo−16at%Reをそれぞれ用いた以外は、試料(a)と同じである試料(b)、(c)、(d)および(e)を作成した。さらに上記積層垂直磁化膜14として、試料(a)において、PdとCo−Cr交互積層膜の代わりに光磁気記録媒体として検討されている非晶質のTb−Fe−Co膜を用いた以外は試料(a)と同じである試料(f)を作成した。
【0030】
これらの磁気記録媒体を単磁極ヘッドからなる自己録再兼用型ヘッドを用いてヘッドと記録媒体の間の平均スペ−シングが0.03μmとなるコンタクト磁気記録方式を用いて記録再生特性を調べた。磁気ヘッドのトラック幅は1μmとした。得られた結果を表2に示す。表2から明らかなように、いずれの磁気記録媒体においても、5Gb/in2の条件で10~6以下のエラ−レ−トが得らた。
【0031】
【表2】
【0032】
〈実施例3〉
本実施例は、図6に示す断面構造を有する磁気記録媒体を形成した例である。図6に示したように、直径1.8インチのSiディスクからなる基板101の上に、周知DCマグネトロンスパッタ法を用いて、hcp構造を持ったCo−15at%Cr−8at%Pt−4at%Taからなる厚さ30nmの多結晶垂直磁化膜102を、基板温度200Cとして形成した。
【0033】
次に、周知の高周波スパッタ法を用いて、Tb−76at%Fe−3at%Coからなる厚さ25nmの非晶質垂直磁化膜603およびカ−ボンからなる厚さ5nmの保護膜104を連続して形成して、磁気記録媒体を作成した。
上記Tb−Fe−Coからなる非晶質垂直磁化膜603の構造をX線回折法で調べ、非晶質であることを確認した。
【0034】
本実施例の磁気記録媒体において、Tb−Fe−Co膜の代わりに、Tb−81at%Fe、Gd−81at%Co、Sm−87at%Co、Sm−58at%Co−15at%Bを用いて作成した磁気記録媒体をそれぞれ作成した。Tb−Fe、Gd−Co、Sm−Co、Sm−Co−B膜は、いずれも非晶質構造をもつ垂直磁化膜であることが確認された。
【0035】
これらの磁気記録媒体の記録再生特性を、実施例1と同様な条件で調べたところ、3Gb/in2の条件で10~6以下のエラ−レ−トが得られた。
【0036】
〈実施例4〉
本実施例は、図7に示す断面構造を有する磁気記録媒体を形成した例である。図7に示したように、直径1.8インチのガラスからなる基板101上に、この基板101の温度を1000Cに保って、周知の高周波マグネトロンスパッタ法を用いてで厚さ25nmのTb−78at%Fe−3at%Co膜からなる非晶質垂直磁化膜603、DCマグネトロンスパッタ法を用いてhcp構造を持った厚さ30nmのCo−15at%Cr−8at%Pt−4at%Ta膜からなる多結晶垂直磁化膜102および厚さ7nmのカ−ボン膜からなる保護膜104を、順次形成して磁気記録媒体を作成した。
【0037】
上記Tb−Fe−Co膜は非晶質構造を持つ垂直磁化膜であることが確認された。これらの磁気記録媒体を実施例1と同様な磁気ヘッドを用いてコンタクト条件で記録再生特性を調べたところ、4Gb/in2の条件で10~6以下のエラ−レ−トが得られることが分かった。
【0038】
〈実施例5〉
上記実施例1において、多結晶垂直磁化膜102と積層垂直磁化膜103の間に厚さ2nmのTi−5at%Cr膜を挿入した以外は、実施例1と同じ構成を有する磁気記録媒体を作成した。これらの磁気記録媒体を、実施例1と同様な磁気ヘッドを用いて、コンタクト条件で記録再生特性を調べたところ、4Gb/in2の条件で2x10~7以下のエラ−レ−トが得られた。
【0039】
〈実施例6〉
上記実施例3において、多結晶垂直磁化膜102と非晶質垂直磁化膜603の間に、厚さ2nmの非磁性のRe膜を導入した以外は、実施例3と同じ構成を有する磁気記録媒体を作成した。これらの磁気記録媒体を、実施例1と同様な磁気ヘッドを用いてコンタクト条件で記録再生特性を調べたところ、4Gb/in2の条件で10~7以下のエラ−レ−トが得られた。
【0040】
〈実施例7〉
上記実施例2において、多結晶垂直磁化膜102と非晶質垂直磁化膜103の間に、厚さ2nmの非磁性のRe膜を導入した以外は、実施例2と同じ構成を有する磁気記録媒体を作成した。これらの磁気記録媒体を、実施例2と同様な磁気ヘッドを用いてコンタクト条件で記録再生特性を調べたところ、4Gb/in2の条件で10~7以下のエラ−レ−トが得られた。
【0041】
〈実施例8〉
図8は本発明の他の実施例を示す断面図である。
図8に示したように、直径2.5インチのガラスからなる基板101の上に、周知のDCマグネトロンスパッタ法を用いて、基板温度350C、Arガス圧力3mTorrという条件で、厚さ100nmのNi−Feパ−マロイからなる軟磁性膜205を形成した。
【0042】
非晶質構造を持つ厚さ25nmのTb−Fe−Coからなる非晶質垂直磁化膜603、厚さ25nmのCo−17at%Cr−10at%Pt−3at%Taからなる多結晶垂直磁化膜102おおび厚さ7nmのカ−ボン膜からなる保護膜104を、いずれもDCマグネトロンスパッタ法で順次形成した。さらに、成膜装置から試料を取り出し、厚さ5nmの潤滑膜806を形成して、図8に示した磁気記録媒体を作成した。
【0043】
得られた媒体保磁力は2.2kOeであった。この磁気記録媒体を試料(a)とする。
試料(a)において、上記Co−Cr−Pt−Ta膜804の代わりに、Co−21at%Cr−4at%Ta膜、Co−20at%Cr−5at%Pt膜、Co−CoO膜およびCo−18at%Cr−8at%Pt−3at%Si膜をそれぞれ用いた以外は、上記(a)と同じ試料(b)、(c)、(d)および(e)を作成した。さらに、上記試料(a)において、非晶質垂直磁化膜のTb−Fe−Co膜803とCo−Cr−Pt−Ta多結晶垂直磁化膜804の積層順を逆にした以外は上記試料(a)と同じ試料(f)を作成した。
【0044】
これらの磁気記録媒体を単磁極ヘッドからなる記録ヘッドとMRヘッドからなる再生ヘッドから構成された録再分離ヘッドを用い、記録媒体と磁気ヘッドの間の平均スペ−シングが0.035μmとなるコンタクト磁気記録方式を用いて記録再生特性を調べた。記録磁気ヘッドのトラック幅は0.8μm、再生磁気ヘッドのトラック幅は0.6μmとした。
得られた結果を表3に示す。表3から明らかなように、低周波再生出力が半減する記録密度(D50)はいずれも200kFCI以上であり、利用線記録密度が100kFCI以上の高密度磁気記録に適することが確認された。いずれの磁気記録媒体においても5Gb/in2の条件で10~6以下のエラ−レ−トが得られることが認められた。
【0045】
【表3】
【0046】
〈実施例9〉
上記実施例8において、2種類の上記垂直磁化膜603、205の間に、厚さ3nmのCo−28at%Cr膜を介在させた以外は、実施例8と同じ磁気記録媒体を作成した。上記Co−28at%Cr膜は、非磁性であった。
得られた磁気記録媒体を、トラック幅が0.8μmの単磁極リングヘッドとG−MR膜を用いた高感度再生ヘッドからなる録再分離ヘッドを、コンタクト条件で摺動させて記録再生特性を測定した。磁気ヘッドと媒体磁性膜表面との距離は0.03μmとした。その結果、8Gb/in2の条件で10~6以下のエラ−レ−トが得られることが確認された。
【0047】
【発明の効果】
本発明によれば、媒体ノイズが低減され、しかも再生出力が大きい垂直磁気記録媒体が得られたので、2Gb/in2以上の高い記録密度を持つ磁気ディスク装置を容易に実現することができ、装置の小型化と大容量化が容易になった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の磁気記録媒体を示す断面図、
【図2】本発明の第2の実施例を示す断面図、
【図3】非磁性膜を有する発明の磁気記録媒体を示す断面図、
【図4】非磁性膜を有する本発明の磁気記録媒体を示す断面図、
【図5】本発明の第1の実施例を示す断面図、
【図6】本発明の第3の実施例を示す断面図、
【図7】本発明の第4の実施例を示す断面図、
【図8】本発明の第8の実施例を示す断面図。
【符号の説明】
101……基板、102……多結晶垂直磁化膜、103……多層垂直磁化膜、
104……保護膜、205……軟磁性膜、305……非磁性膜、
603……非晶質垂直磁化膜、806……潤滑膜。
Claims (6)
- 基板上に垂直磁化膜が形成された垂直磁気記録媒体において、
該垂直磁化膜は、Co基合金を含有し多結晶構造を有する第1の垂直磁化膜と、遷移金属及び希土類金属を含有し非晶質構造を有する第2の垂直磁化膜とが積層された膜であることを特徴とする垂直磁気記録媒体。 - 基板上に垂直磁化膜が形成された垂直磁気記録媒体において、
該垂直磁化膜は、Co基合金を含有し多結晶構造を有する第1の垂直磁化膜と、Co又はCo合金を含む膜とPt、Pt合金、Pd又はPd合金を含む膜とが交互に積層された多層垂直磁化膜とが積層された膜であることを特徴とする垂直磁気記録媒体。 - 上記垂直磁化膜と基板との間に軟磁性膜が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の垂直磁気記録媒体。
- 上記第1の垂直磁化膜と基板との間に軟磁性膜が設けられていることを特徴とする請求項2に記載の垂直磁気記録媒体。
- 上記多結晶構造を有する第1の垂直磁化膜は、Cr、Ta、Pt、B、Re、Ru、V、Nb、W、Mo、Ti、Zr、Hf、Fe、Ni、Si、P、O及びNからなる群から選ばれた少なくとも一種の元素を含む六方最密構造を有するCo基合金を含有することを特徴とする請求項1又は2に記載の垂直磁気記録媒体。
- 垂直磁気記録媒体並びに記録用の薄膜磁気ヘッド素子及び磁気抵抗効果素子を応用した再生用のヘッド素子を組み合わせた記録再生分離型ヘッドを具備し、上記磁気記録媒体は、請求項1又は2に記載の垂直磁気記録媒体であることを特徴とする磁気記録装置。
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