JP2011040153A - 垂直磁気記録ディスク及びその製造方法 - Google Patents
垂直磁気記録ディスク及びその製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2011040153A JP2011040153A JP2010206401A JP2010206401A JP2011040153A JP 2011040153 A JP2011040153 A JP 2011040153A JP 2010206401 A JP2010206401 A JP 2010206401A JP 2010206401 A JP2010206401 A JP 2010206401A JP 2011040153 A JP2011040153 A JP 2011040153A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- layer
- magnetic
- crystal
- matrix
- granular
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Landscapes
- Physical Vapour Deposition (AREA)
- Magnetic Record Carriers (AREA)
- Manufacturing Of Magnetic Record Carriers (AREA)
- Thin Magnetic Films (AREA)
Abstract
【課題】 強磁性層における磁性結晶粒子を適切に微細化する。
【解決手段】 垂直磁気記録に用いる磁気ディスク10であって、基体12と、下地層18と、グラニュラー構造の微細化促進層20(非磁性グラニュラー層)と、グラニュラー構造の強磁性層32を有する磁気記録層22とを備え、微細化促進層20は、無機酸化物のマトリックスと、非磁性の金属結晶粒子とを有し、強磁性層32は、無機酸化物のマトリックスと、金属結晶粒子の結晶方位に応じた所定の方位に磁化容易軸が向く磁性結晶粒子とを有する。
【選択図】図1
【解決手段】 垂直磁気記録に用いる磁気ディスク10であって、基体12と、下地層18と、グラニュラー構造の微細化促進層20(非磁性グラニュラー層)と、グラニュラー構造の強磁性層32を有する磁気記録層22とを備え、微細化促進層20は、無機酸化物のマトリックスと、非磁性の金属結晶粒子とを有し、強磁性層32は、無機酸化物のマトリックスと、金属結晶粒子の結晶方位に応じた所定の方位に磁化容易軸が向く磁性結晶粒子とを有する。
【選択図】図1
Description
本発明は、垂直磁気記録方式HDD(ハードディスクドライブ)等に搭載される磁気ディスク及びその製造方法に関する。
近年の情報化社会は急激な高度化を続けており、HDD(ハードディスクドライブ)に代表される磁気記録装置では、2.5インチ径磁気ディスクにして、1枚辺り60Gバイトを超える情報記録容量が求められるようになってきた。磁気ディスクにおいて、これらの所要に応えるためには1平方インチ辺り100Gビット(100Gbit/inch2)を越える情報記録密度を実現することが求められる。このような高記録密度で安定した記録再生を行うには、磁気記録再生方式として垂直磁気記録方式を採用することが好ましいとされる。
そこに用いる磁気記録媒体としては、高い熱安定性と良好な記録特性を示すことから、CoCrPt−SiO2垂直磁気記録媒体(非特許文献1)やCGC型垂直媒体(非特許文献2)が提案されている。また、S/N比改善のために、これらの技術とあわせてRu−SiO2下地層(特許文献1、2)等が提案されている。そこでの成膜プロセスは、磁性粒子の微細化を目的に高Arガス圧スパッタプロセスが通常用いられている。
T.Oikawa et.a1.,IEEE Trans.Magn,vol.38,1976−1978(2002)`
Y.Sonobe etal.,IEEE Trans.Magn,vol.37,1667−1670(2001)
記録密度の向上は、主に、磁気記録層の磁化遷移領域ノイズの低減により行われる。ノイズ低減のためには、磁気記録層の結晶配向性の向上や結晶粒径及び磁気的相互作用の大きさを小さくする必要がある。CoCrPt−SiO2型垂直磁気記録媒体では、高Arガス圧スパッタプロセスを用いて、磁性粒子を微細化すると同時に、粒界にSiO2を偏析し、磁気記録層の結晶粒間の磁気的相互作用を低減する。結晶粒径や磁気的相互作用の大きさは粒界に偏析したSiO2の厚みに影響される。SiO2量を増加させると、高記録密度時のS/N比は向上する。一方、SiO2量を増加させると垂直磁気異方性の劣化が起こる。それによって、熱安定性の劣化やノイズの増大が起こる。また、高Arガス圧スパッタプロセスを用いるいため、磁気記録層の配向性の劣化及び媒体表面性の劣化が起こる。
本発明者は上述の課題を解決すべく研究を進めた結果、以下の発明を完成させた。上記の課題を解決するために、本発明は以下の構成を有する。
(構成1)垂直磁気記録に用いる磁気ディスクであって、基体と、上層の結晶方向を制御するための下地層であって、基体上に形成された下地層と、下地層上に形成されたグラニュラー構造の非磁性グラニュラー層と、非磁性グラニュラー層上に形成されたグラニュラー構造の強磁性層を有する磁気記録層とを備え、非磁性グラニュラー層は、無機酸化物のマトリックスと、非磁性グラニュラー層のマトリックス中に分散する金属結晶粒子であって、下地層の結晶方位に応じた所定の方位に結晶方位が向く非磁性の金属結晶粒子とを有し、強磁性層は、無機酸化物のマトリックスと、強磁性層のマトリックス中に分散する磁性結晶粒子であって、金属結晶粒子の結晶方位に応じた所定の方位に磁化容易軸が向く磁性結晶粒子とを有する。
非磁性グラニュラー層を用いずに、例えば強磁性層を下地層上に形成した場合、磁性結晶粒子は下地層上のいずれの位置からも成長できるため、例えば下地層との界面付近において、磁性結晶粒子の分布に乱れが生じてしまう場合もある。この場合、例えば下地層との界面付近で磁性結晶粒子が大きくなってしまい、磁性結晶粒子間の磁気的相互作用が生じてしまうおそれがある。また、下地層上に直接強磁性層を形成する場合には、Arのガス圧を高めた高Arガス圧スパッタプロセスを用いることが必要になる場合がある。高ガス圧のスパッタリングプロセスを用いた場合には、磁気記録層の配向性の劣化や媒体表面性の劣化等を生じてしまうおそれがある。
しかし、構成1のようにした場合、非磁性グラニュラー層における金属結晶粒子は、例え下地層との界面付近において分布に乱れを生じていたとしても、強磁性層との界面付近では、ほぼ均一に分布することとなる。そのため、このように構成すれば、強磁性層における磁性結晶粒子の結晶配向性を高め、磁性結晶粒子を適切に微細化することができる。
また、下地層と強磁性層との間の層を非磁性にすることにより、強磁性層の磁性に影響が生じるのを防ぐことができる。尚、非磁性とは、完全に非磁性の場合の他、磁気ディスクの機能上問題とならない程度の弱い磁性を有する場合も含む。非磁性グラニュラー層は、例えば、強磁性層と比べて無視できる程度の弱い磁性を有してもよい。
また、無機酸化物のマトリックスにより個々の磁性結晶粒子が磁気的に分断された偏析状態となるため、磁性結晶粒子間の磁気的相互作用を低減できる。そのため、磁気的相互作用の低減により、磁気記録層の磁化遷移領域ノイズ(媒体ノイズ)を低減できる。また、磁気ディスクのS/N比を向上させることができる。
更には、構成1のようにすれば、非磁性グラニュラー層及び強磁性層を、低温のプロセスにより形成できる。そのため、磁気記録層の配向性の劣化や媒体表面性の劣化等を防ぐことができる。
しかし、構成1のようにした場合、非磁性グラニュラー層における金属結晶粒子は、例え下地層との界面付近において分布に乱れを生じていたとしても、強磁性層との界面付近では、ほぼ均一に分布することとなる。そのため、このように構成すれば、強磁性層における磁性結晶粒子の結晶配向性を高め、磁性結晶粒子を適切に微細化することができる。
また、下地層と強磁性層との間の層を非磁性にすることにより、強磁性層の磁性に影響が生じるのを防ぐことができる。尚、非磁性とは、完全に非磁性の場合の他、磁気ディスクの機能上問題とならない程度の弱い磁性を有する場合も含む。非磁性グラニュラー層は、例えば、強磁性層と比べて無視できる程度の弱い磁性を有してもよい。
また、無機酸化物のマトリックスにより個々の磁性結晶粒子が磁気的に分断された偏析状態となるため、磁性結晶粒子間の磁気的相互作用を低減できる。そのため、磁気的相互作用の低減により、磁気記録層の磁化遷移領域ノイズ(媒体ノイズ)を低減できる。また、磁気ディスクのS/N比を向上させることができる。
更には、構成1のようにすれば、非磁性グラニュラー層及び強磁性層を、低温のプロセスにより形成できる。そのため、磁気記録層の配向性の劣化や媒体表面性の劣化等を防ぐことができる。
尚、磁性結晶粒子の分布や大きさを制御するためには、例えば、下地層をグラニュラー構造にして、下地層上に強磁性層を形成することも考えられる。しかし、結晶配向制御層として機能する層である下地層は、上層の結晶方向に結晶学的に十分な影響を及ぼすために、非磁性グラニュラー層と比べて厚く形成する必要がある。そのため、下地層をグラニュラー構造にしたとしても、金属結晶粒子間の間隔が大きくなりすぎ、磁性結晶粒子を適切に微細化するのは困難である。
また、非磁性グラニュラー層及び強磁性層を、例えばCoCr合金又はCoCrPT合金等を組成分離させた偏析構造により形成することも考えられる。しかし、この場合には、組成分離を生じさせるため、非磁性グラニュラー層及び強磁性層を高温のプロセスにより形成する必要がある。高温のプロセスにより強磁性層等を形成した場合には、磁気記録層の配向性の劣化や媒体表面性の劣化等を生じてしまうおそれがある。
これに対し、構成1のようにすれば、コバルトとクロムとが層分離する温度よりも低い温度の低温のプロセスを用いて、磁性結晶粒子を適切に微細化できる。そのため、磁気記録層の配向性の劣化や媒体表面性の劣化等を防ぐことができる。
また、非磁性グラニュラー層及び強磁性層を、例えばCoCr合金又はCoCrPT合金等を組成分離させた偏析構造により形成することも考えられる。しかし、この場合には、組成分離を生じさせるため、非磁性グラニュラー層及び強磁性層を高温のプロセスにより形成する必要がある。高温のプロセスにより強磁性層等を形成した場合には、磁気記録層の配向性の劣化や媒体表面性の劣化等を生じてしまうおそれがある。
これに対し、構成1のようにすれば、コバルトとクロムとが層分離する温度よりも低い温度の低温のプロセスを用いて、磁性結晶粒子を適切に微細化できる。そのため、磁気記録層の配向性の劣化や媒体表面性の劣化等を防ぐことができる。
(構成2)垂直磁気記録に用いる磁気ディスクであって、基体と、上層の結晶方向を制御するための下地層であって、基体上に形成された下地層と、下地層上に形成されたグラニュラー構造の非磁性グラニュラー層と、非磁性グラニュラー層上に形成されたグラニュラー構造の強磁性層を有する磁気記録層とを備え、非磁性グラニュラー層は、珪素(Si)又は酸化珪素(SiOx)を含むマトリックスと、非磁性グラニュラー層のマトリックス中に分散する金属結晶粒子であって、下地層の結晶方位に応じた所定の方位に結晶方位が向く非磁性の金属結晶粒子とを有し、強磁性層は、珪素又は酸化珪素を含むマトリックスと、非磁性グラニュラー層における金属結晶粒子と接するように強磁性層のマトリックス中に分散しており、金属結晶粒子の結晶方位に応じた所定の方位に磁化容易軸が向く磁性結晶粒子とを有する。このように構成すれば、構成1と同様の効果を得ることができる。酸化珪素は、例えばSiO2である。
(構成3)下地層は、少なくともルテニウム(Ru)を含有する層であり、非磁性グラニュラー層のマトリックスは少なくとも酸化珪素を含有し、非磁性グラニュラー層の金属結晶粒子は、少なくともコバルト(Co)とクロム(Cr)とを含有する結晶粒子であり、強磁性層のマトリックスは少なくとも酸化珪素を含有し、強磁性層の磁性結晶粒子は、少なくともコバルトを含有する結晶粒子である。このように構成すれば、下地層、非磁性グラニュラー層、及び強磁性層を適切に形成できる。
また、このように構成した場合、強磁性層の磁性結晶粒子であるCo alloy結晶粒子は、主として、非磁性グラニュラー層の金属結晶粒子であるCoCr結晶粒子上に成長する。強磁性層のマトリックスである酸化珪素は、主として、非磁性グラニュラー層のマトリックスである酸化珪素上に成長する。
そのため、下地層のRu、非磁性グラニュラー層のCoCr、及び強磁性層のCo alloyは結晶学的につながることとなる。また、強磁性層のCo alloyの結晶配向は、下地層のRu、及び非磁性グラニュラー層のCoCrにより制御されることになる。そのため、このように構成すれば、下地層のRuの厚みを低減できる。また、これにより、磁気ディスクのコストを著しく低減することができる。尚、非磁性グラニュラー層は、例えば非磁性CoCr−SiO2層である。強磁性層は、例えばCCP−SiO2磁性層である。
また、下地層のRuとCCP−SiO2磁性層の間に、非磁性CoCr−SiO2層を挿入することによって、磁性結晶粒子を適切に微細化できる。また、磁性結晶粒子の間にSiO2を偏析させることにより、S/N比を向上させることができる。
更には、このように構成した場合、非磁性グラニュラー層及び強磁性層を、低Arガス圧スパッタプロセスにより形成することができる。低Arガス圧スパッタプロセスを利用した場合には、磁気ディスクに生じる媒体表面粗さの劣化を抑えることができる。また、これにより、安定したヘッド浮上が得られる磁気ディスクを製造することができる。尚、低Arガス圧スパッタプロセスとは、例えば、Arガス圧力が1〜20mTorr、更に好ましくはArガス圧力が2〜10mTorrにて行うスパッタリングプロセスである。
そのため、下地層のRu、非磁性グラニュラー層のCoCr、及び強磁性層のCo alloyは結晶学的につながることとなる。また、強磁性層のCo alloyの結晶配向は、下地層のRu、及び非磁性グラニュラー層のCoCrにより制御されることになる。そのため、このように構成すれば、下地層のRuの厚みを低減できる。また、これにより、磁気ディスクのコストを著しく低減することができる。尚、非磁性グラニュラー層は、例えば非磁性CoCr−SiO2層である。強磁性層は、例えばCCP−SiO2磁性層である。
また、下地層のRuとCCP−SiO2磁性層の間に、非磁性CoCr−SiO2層を挿入することによって、磁性結晶粒子を適切に微細化できる。また、磁性結晶粒子の間にSiO2を偏析させることにより、S/N比を向上させることができる。
更には、このように構成した場合、非磁性グラニュラー層及び強磁性層を、低Arガス圧スパッタプロセスにより形成することができる。低Arガス圧スパッタプロセスを利用した場合には、磁気ディスクに生じる媒体表面粗さの劣化を抑えることができる。また、これにより、安定したヘッド浮上が得られる磁気ディスクを製造することができる。尚、低Arガス圧スパッタプロセスとは、例えば、Arガス圧力が1〜20mTorr、更に好ましくはArガス圧力が2〜10mTorrにて行うスパッタリングプロセスである。
(構成4)下地層は、SiO2、Al2O3、ZrO2、Cr2O3のうちから選ばれる少なくとも1種の物質をルテニウムに添加した層である。このように構成すれば、非磁性グラニュラー層における金属結晶粒子を微細化できる。また、これにより、強磁性層における磁性結晶粒子を更に適切に微細化できる。
(構成5)非磁性グラニュラー層の金属結晶粒子は、B、Ta、Nb、Ruのうちから選ばれる少なくとも1種の元素と、コバルトと、クロムとを含有する結晶粒子である。
(構成6)非磁性グラニュラー層のマトリックスは、少なくとも珪素を含有し、非磁性グラニュラー層中の珪素の含有量が、4原子%〜20原子%である。
(構成7)強磁性層のマトリックスは、少なくとも珪素を含有し、強磁性層中の珪素の含有量が、8原子%〜15原子%である。
(構成8)非磁性グラニュラー層のマトリックス、及び強磁性層のマトリックスは、少なくとも珪素を含有し、非磁性グラニュラー層中の珪素の含有量をA原子%、強磁性層中の珪素の含有量をB原子%とした場合、AとBとの比A/Bは0.7〜1.5の範囲である。
(構成6)非磁性グラニュラー層のマトリックスは、少なくとも珪素を含有し、非磁性グラニュラー層中の珪素の含有量が、4原子%〜20原子%である。
(構成7)強磁性層のマトリックスは、少なくとも珪素を含有し、強磁性層中の珪素の含有量が、8原子%〜15原子%である。
(構成8)非磁性グラニュラー層のマトリックス、及び強磁性層のマトリックスは、少なくとも珪素を含有し、非磁性グラニュラー層中の珪素の含有量をA原子%、強磁性層中の珪素の含有量をB原子%とした場合、AとBとの比A/Bは0.7〜1.5の範囲である。
構成5〜8のようにすれば、非磁性グラニュラー層上に、強磁性層を適切に形成できる。また、強磁性層の磁性結晶粒子を適切に微細化できる。
ここで、強磁性層中の珪素の含有量が8原子%より少ないと、媒体ノイズを低減させる効果が小さく、高密度記録時のS/Nを十分に向上させることができない。また、15原子%より多いと、垂直磁気異方性の劣化が起こり始め、それに伴い高記録密度時の熱安定性の劣化やDCノイズの増大が生じる。同様の理由から、強磁性層中の珪素の含有量は、更に好ましくは10〜15原子%である。また、強磁性層の膜厚は、20nm以下が好ましい。より好ましくは、8〜16nmが好適である。
非磁性グラニュラー層の膜厚は2〜30nmが好ましい。より好ましくは、5〜20nmが好適である。また、非磁性グラニュラー層中の珪素の含有量は、4〜20原子%、更に好ましくは10〜15原子%である。このように構成すれば、強磁性層を、非磁性グラニュラー層上に適切に成長させることができる。
ここで、強磁性層中の珪素の含有量が8原子%より少ないと、媒体ノイズを低減させる効果が小さく、高密度記録時のS/Nを十分に向上させることができない。また、15原子%より多いと、垂直磁気異方性の劣化が起こり始め、それに伴い高記録密度時の熱安定性の劣化やDCノイズの増大が生じる。同様の理由から、強磁性層中の珪素の含有量は、更に好ましくは10〜15原子%である。また、強磁性層の膜厚は、20nm以下が好ましい。より好ましくは、8〜16nmが好適である。
非磁性グラニュラー層の膜厚は2〜30nmが好ましい。より好ましくは、5〜20nmが好適である。また、非磁性グラニュラー層中の珪素の含有量は、4〜20原子%、更に好ましくは10〜15原子%である。このように構成すれば、強磁性層を、非磁性グラニュラー層上に適切に成長させることができる。
(構成9)基体と下地層との間に、アモルファスのシード層を備える。
(構成10)基体と下地層との間に、アモルファスの軟磁性層を備える。
(構成11)基体はアモルファスガラスである。
構成9〜11ようにすれば、垂直磁気記録に用いる磁気ディスクを適切に製造できる。
(構成10)基体と下地層との間に、アモルファスの軟磁性層を備える。
(構成11)基体はアモルファスガラスである。
構成9〜11ようにすれば、垂直磁気記録に用いる磁気ディスクを適切に製造できる。
(構成12)磁気記録層は、磁化容易軸が強磁性層と略同一方向に揃った交換エネルギー制御層を更に有する。磁気記録層は、強磁性層上に形成された磁気的結合制御層を更に有してもよい。交換エネルギー制御層は、磁気的結合制御層上に形成されてよい。
交換エネルギー制御層は、磁気的に結合した結晶粒子を層内に有しており。強磁性層と隣接し、或いは磁気的結合制御層を介して、強磁性層と磁気的な結合をする。そして、交換エネルギー制御層は、この磁気的な結合により、互いの層における磁化容易軸を略同一方向に揃える。
交換エネルギー制御層は、Co系磁性材料からなる強磁性層に対しては、具体的には、コバルト(Co)若しくはその合金とパラジウム(Pd)との交互積層膜、又は、コバルト(Co)若しくはその合金と白金(Pt)との交互積層膜からなることが好適である。このような材料からなる交互積層膜は磁気的なKuが大きいため、交換エネルギー制御層にできる磁壁幅を薄くすることができる。その膜厚は、1〜8nmが好ましい。より好ましくは、2〜5nmが好適である。尚、交換エネルギー制御層の材料は、上記多層膜の他に、Pt含有量の多いCoCrPtや、CoPt、CoPd,FePt,CoPt3、CoPd3を用いても同様の効果が得られる。
また、交換結合による好適な垂直磁気記録特性を発揮するには、強磁性層の膜厚を増加させた場合は、交換エネルギー制御層の膜厚を増加させ、かつ、強磁性層の膜厚を減少させた場合は、交換エネルギー制御層の膜厚を減少させ、両層を好適な膜厚比に設定する必要がある。強磁性層の膜厚をA、交換エネルギーの制御層の膜厚をBとした場合、AとBとの比A/Bは2〜5の範囲が好ましい。より好ましくは3〜4が好適である。
また、強磁性層と交換エネルギー制御層との間に、磁気的結合制御層を有することが好適である。磁気的結合制御層を設けることにより、強磁性層と交換エネルギー制御層との間の交換結合を好適に制御することができる。磁気的結合制御層としては、例えば、Pd層又はPt層が好適に用いられる。その膜厚は、2mm以下であることが好ましく、より好ましくは、0.5〜1.5nmの範囲である。尚、強磁性層と交換エネルギー制御層とは隣接して、或いは磁気的結合制御層を介して配置されるが、基体から見て交換エネルギー制御層を強磁性層の上方に配置する場合が好ましい。
交換エネルギー制御層は、Co系磁性材料からなる強磁性層に対しては、具体的には、コバルト(Co)若しくはその合金とパラジウム(Pd)との交互積層膜、又は、コバルト(Co)若しくはその合金と白金(Pt)との交互積層膜からなることが好適である。このような材料からなる交互積層膜は磁気的なKuが大きいため、交換エネルギー制御層にできる磁壁幅を薄くすることができる。その膜厚は、1〜8nmが好ましい。より好ましくは、2〜5nmが好適である。尚、交換エネルギー制御層の材料は、上記多層膜の他に、Pt含有量の多いCoCrPtや、CoPt、CoPd,FePt,CoPt3、CoPd3を用いても同様の効果が得られる。
また、交換結合による好適な垂直磁気記録特性を発揮するには、強磁性層の膜厚を増加させた場合は、交換エネルギー制御層の膜厚を増加させ、かつ、強磁性層の膜厚を減少させた場合は、交換エネルギー制御層の膜厚を減少させ、両層を好適な膜厚比に設定する必要がある。強磁性層の膜厚をA、交換エネルギーの制御層の膜厚をBとした場合、AとBとの比A/Bは2〜5の範囲が好ましい。より好ましくは3〜4が好適である。
また、強磁性層と交換エネルギー制御層との間に、磁気的結合制御層を有することが好適である。磁気的結合制御層を設けることにより、強磁性層と交換エネルギー制御層との間の交換結合を好適に制御することができる。磁気的結合制御層としては、例えば、Pd層又はPt層が好適に用いられる。その膜厚は、2mm以下であることが好ましく、より好ましくは、0.5〜1.5nmの範囲である。尚、強磁性層と交換エネルギー制御層とは隣接して、或いは磁気的結合制御層を介して配置されるが、基体から見て交換エネルギー制御層を強磁性層の上方に配置する場合が好ましい。
(構成13)垂直磁気記録に用いる磁気ディスクの製造方法であって、上層の結晶方向を制御するための下地層を基体上に形成し、無機酸化物のマトリックスと、当該マトリックス中に分散する金属結晶粒子であって、下地層の結晶方位に応じた所定の方位に結晶方位が向く非磁性の金属結晶粒子とを有するグラニュラー構造の非磁性グラニュラー層を下地層上に形成し、無機酸化物のマトリックスと、当該マトリックス中に分散しており、金属結晶粒子の結晶方位に応じた所定の方位に磁化容易軸が向く磁性結晶粒子とを有するグラニュラー構造の強磁性層を有する磁気記録層を非磁性グラニュラー層上に形成する。このようにすれば、構成1と同様の効果を得ることができる。
(構成14)垂直磁気記録に用いる磁気ディスクの製造方法であって、上層の結晶方向を制御するための下地層を基体上に形成し、珪素又は酸化珪素を含むマトリックスと、当該マトリックス中に分散する金属結晶粒子であって、下地層の結晶方位に応じた所定の方位に結晶方位が向く非磁性の金属結晶粒子とを有するグラニュラー構造の非磁性グラニュラー層を下地層上に形成し、珪素又は酸化珪素を含むマトリックスと、当該マトリックス中に非磁性グラニュラー層における金属結晶粒子と接するように分散しており、金属結晶粒子の結晶方位に応じた所定の方位に磁化容易軸が向く磁性結晶粒子とを有するグラニュラー構造の強磁性層を有する磁気記録層を非磁性グラニュラー層上に形成する。このようにすれば、構成1と同様の効果を得ることができる。
(構成15)非磁性グラニュラー層の金属結晶粒子は、少なくともコバルトとクロムとを含有する結晶粒子であり、金属結晶粒子におけるコバルトとクロムとが層分離する温度よりも低い温度で、非磁性グラニュラー層を形成する。
(構成16)強磁性層の磁性結晶粒子は、少なくともコバルトとクロムとを含有する結晶粒子であり、磁性結晶粒子におけるコバルトとクロムとが層分離する温度よりも低い温度で、強磁性層を形成する。
構成15、16のようにすれば、非磁性グラニュラー層及び強磁性層を、低温のプロセスにより形成できる。そのため、磁気記録層の配向性の劣化や媒体表面性の劣化等を防ぐことができる。
(構成16)強磁性層の磁性結晶粒子は、少なくともコバルトとクロムとを含有する結晶粒子であり、磁性結晶粒子におけるコバルトとクロムとが層分離する温度よりも低い温度で、強磁性層を形成する。
構成15、16のようにすれば、非磁性グラニュラー層及び強磁性層を、低温のプロセスにより形成できる。そのため、磁気記録層の配向性の劣化や媒体表面性の劣化等を防ぐことができる。
本発明によれば、強磁性層における磁性結晶粒子を適切に微細化することができる。
以下、本発明に係る実施形態を、図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る磁気ディスク10の構成の一例を示す。本実施形態において、磁気ディスク10は、基体12、付着層14、軟磁性層16、下地層18、微細化促進層20、磁気記録層22、保護膜24、及び潤滑層26をこの順で備える。尚、磁気ディスク10は、軟磁性層16と下地層18との間に、アモルファスのシード層を更に備えてもよい。シード層とは、下地層18の結晶配向性を向上させるための層である。例えば、下地層18がRuの場合、シード層は、hcp結晶構造のC軸配向性を向上させるための層である。
図1は、本発明の一実施形態に係る磁気ディスク10の構成の一例を示す。本実施形態において、磁気ディスク10は、基体12、付着層14、軟磁性層16、下地層18、微細化促進層20、磁気記録層22、保護膜24、及び潤滑層26をこの順で備える。尚、磁気ディスク10は、軟磁性層16と下地層18との間に、アモルファスのシード層を更に備えてもよい。シード層とは、下地層18の結晶配向性を向上させるための層である。例えば、下地層18がRuの場合、シード層は、hcp結晶構造のC軸配向性を向上させるための層である。
基体12は、磁気ディスク10の各層を形成するためのガラス基板である。基体12用のガラスとしては、アルミノシリケートガラス、アルミノボロシリケートガラス、ソーダタイムガラス等が挙げられるが、中でもアルミノシリケートガラスが好適である。アモルファスガラス、結晶化ガラスを用いることができる。軟磁性層16をアモルファスとする場合にあっては、基体12をアモルファスガラスとすると好ましい。尚、化学強化したガラスを用いると、剛性が高く好ましい。
基体12の主表面の表面粗さはRmaxで6nm以下、Raで0.6nm以下であると好ましい。尚、Rmax及びRaは、日本工業規格(JIS)に従う。このような平滑表面とすることにより、垂直磁気記録層である磁気記録層22と、軟磁性層16との間の間隙を一定にすることができる。そのため、ヘッド−磁気記録層22−軟磁性層16間に好適な磁気回路を形成することができる。
付着層14は、基体12と軟磁性層16との間の付着性を向上させるための層であり、基体12と軟磁性層16との間に形成される。付着層14を用いることにより、軟磁性層16の剥離を防止することができる。付着層14の材料としては、例えばTi含有材料を用いることができる。実用上の観点から、付着層14の膜厚は、1nm〜50nmとすることが好ましい。
軟磁性層16は、磁気記録層22の磁気回路を調整するための層である。軟磁性層16は、軟磁気特性を示す磁性体により形成されていれば特に制限はないが、例えば、保磁力(Hc)で0.01〜80エルステッド、好ましくは0.01〜50エルステッドの磁気特性であることが好ましい。また、飽和磁束密度(Bs)は500emu/cc〜1920emu/ccの磁気特性であることが好ましい。軟磁性層16の材料としては、Fe系、Co系等が挙げられる。例えば、FeTaC系合金、FeTaN系合金、FeNi系合金、FeCoB系合金、FeCo系合金等のFe系軟磁性材料、CoTaZr系合金、CoNbZr系合金等のCo系軟磁性材料、或いはFeCo系合金軟磁性材料等を用いることができる。
軟磁性層16の膜厚は例えば30nm〜1000nm、より好ましくは50nm〜200nmである。30nm未満では、ヘッド−磁気記録層22−軟磁性層16間に好適な磁気回路を形成を形成することが困難になる場合があり、1000nmを超えると表面粗さが増加する場合がある。また、1000nmを超えるとスパッタリング成膜が困難となる場合がある。
また、軟磁性層16の磁区制御のために、磁場中アニールが必要な場合は、基体12としてガラスを用いることが好ましい。ガラスの基体12は耐熱性に優れるので、加熱温度を高くすることができる。
下地層18は、微細化促進層20及び磁気記録層22の結晶方向を制御するための層であり、例えばルテニウム(Ru)を含む。本実施形態において、下地層18は、複数の層により形成されている。そして、下地層18において、微細化促進層20と接する界面を含む層は、Ru結晶粒子により形成されている。
微細化促進層20は、非磁性グラニュラー層の一例である。本実施形態において、微細化促進層20は、グラニュラー構造の非磁性CoCr−SiO2層である。
磁気記録層22は、強磁性層32、磁気的結合制御層34、交換エネルギー制御層36を、微細化促進層20上にこの順で有する。強磁性層32は、グラニュラー構造のCCP−SiO2層であり、磁性結晶粒子として、CoCrPtの結晶粒子を有する。
磁気的結合制御層34は、強磁性層32と交換エネルギー制御層36との磁気的な結合を制御するためのカップリング制御層である。磁気的結合制御層34は、例えばパラジウム(Pd)層又は白金(Pt)層からなる。また、磁気的結合制御層34の膜厚は、例えば2nm以下であり、より好ましくは、0.5〜1.5nmである。
交換エネルギー制御層36は、磁化容易軸が強磁性層32と略同一方向に揃った磁性層(Continuous層)である。強磁性層32との交換結合により、交換エネルギー制御層36は、磁気ディスク10の磁気記録特性を向上させる。交換エネルギー制御層36は、例えば、コバルト(Co)若しくはその合金とパラジウム(Pd)との交互積層膜([CoX/Pd]n)、又は、コバルト(Co)若しくはその合金と白金(Pt)との交互積層膜([CoX/Pt]n)からなる多層膜で構成され、その膜厚は、1〜8nmが好ましい。より好ましくは、3〜6nmが好適である。
保護膜24は、磁気ヘッドの衝撃から磁気記録層22を防護するための保護層である。また、潤滑層26は、磁気ヘッドと磁気ディスク10との間の潤滑性を高めるための層である。
磁気ディスク10の各層の製造方法として、スパッタリング法で成膜することが好ましい。特にDCマグネトロンスパッタリング法で形成すると均一な成膜が可能となるので好ましい。また、同様の理由から、インライン型成膜方法を用いることが好ましい。
図2は、下地層18、微細化促進層20、及び強磁性層32の詳細な構成を示す。下地層18において、微細化促進層20と接する界面を含む層は、Ru結晶粒子102により形成されている。微細化促進層20は、酸化珪素(SiOx)のマトリックス106中にCoCr結晶粒子である金属結晶粒子104が分散しているグラニュラー構造に形成されている。金属結晶粒子104は、マトリックス106により互いに分離されつつ、Ru結晶粒子102と結晶学的につながるように柱状に形成されている。
強磁性層32は、酸化珪素(SiOx)のマトリックス110中にCo alloyの結晶粒子である磁性結晶粒子108が分散しているグラニュラー構造に形成されている。磁性結晶粒子108は、マトリックス110により互いに分離されつつ、金属結晶粒子104と結晶学的につながるように柱状に形成されている。そのため、本実施形態によれば、磁性結晶粒子108を適切に微細化できる。また、磁性結晶粒子108の微細化により、磁気ディスク10(図1参照)の磁気特性(Hc、S/N比等)を向上させることができる。
以下実施例、比較例を挙げて、本発明を詳細に説明する。
アモルファスのアルミノシリケートガラスをダイレクトプレスで円盤状に成型し、
ガラスディスクを作成した。このガラスディスクに研削、研磨、化学強化を順次施し、化学強化ガラスディスクからなる平滑な非磁性ディスク状の基体12を得た。基体12の主表面の表面粗さをAFM(原子間力顕微鏡)で測定したところ、Rmaxが4.8nm、Raが0.42nmという平滑な表面形状であった。得られた基体12上に、真空引きを行った成膜装置を用いて、DCマグネトロンスパッタリング法にて、Ar雰囲気中で、付着層14、及び軟磁性層16を順次成膜した。
ガラスディスクを作成した。このガラスディスクに研削、研磨、化学強化を順次施し、化学強化ガラスディスクからなる平滑な非磁性ディスク状の基体12を得た。基体12の主表面の表面粗さをAFM(原子間力顕微鏡)で測定したところ、Rmaxが4.8nm、Raが0.42nmという平滑な表面形状であった。得られた基体12上に、真空引きを行った成膜装置を用いて、DCマグネトロンスパッタリング法にて、Ar雰囲気中で、付着層14、及び軟磁性層16を順次成膜した。
このとき、付着層14は、20nmのTi層となるように、Tiターゲットを用いて成膜した。また、軟磁性層16は、200nmのアモルファスCoTaZr(Co:88原子%、Ta:7原子%、Zr:5原子%)層となるように、CoTaZrターゲットを用いて成膜した。
軟磁性層16までの成膜を終えた垂直磁気記録媒体用ディスク(磁気ディスク10)基板を、成膜装置から取り出し、大気雰囲気に置いた。得られた垂直磁気記録媒体用ディスク基板の表面粗さを同様に測定したところ、Rmaxが5.1nm、Raが0.48nmという平滑な表面形状であった。VSM(振動試料型磁化測定装置)でディスク基板の磁気特性を測定したところ、保磁力(Hc)は2エルステッド、飽和磁束密度は810emu/ccであり、好適な軟磁性特性を示していた。
得られたディスク基板を、真空引きを行った枚葉・静止対向型成膜装置を用いて、DCマグネトロンスパッタリング法にて、低Ar(50sccm)雰囲気中で、下地層18、微細化促進層20、強磁性層32、磁気的結合制御層34、交換エネルギー制御層36、及び保護膜24を順次成膜した。本実施例において、下地層18は、第1層及び第2層を有する2層構造である。
この工程においては、最初に、ディスク基板上に、下地層18の第1層として、アモルファスのNiTa(Ni:40原子%、Ta:10原子%)からなる10nm厚の層を形成し、第2層として、10〜15nm厚のRu層を形成した。
次に、非磁性CoCr−SiO2からなるターゲットを用いて、2〜20nmのhcp結晶構造からなる微細化促進層20を形成した。更に、CoCrPt−SiO2からなる硬磁性体のターゲットを用いて、15nmのhcp結晶構造からなる強磁性層32を形成した。強磁性層32作成のための、ターゲットの組成は、Co:62原子%、Cr:10原子%、Pt:16原子%、SiO2:12原子%である。更に、Pd層からなる磁気的結合制御層34を形成し、[CoB/Pd]n層からなる交換エネルギー制御層36を形成した。
次に、Arに水素を30%含有させた混合ガスを用いて、カーボンターゲットをスパッタリングすることにより、水素化カーボンからなる保護膜24を形成した。水素化カーボンとすることで、膜硬度が向上するので、磁気ヘッドからの衝撃に対して磁気記録層22を防護することができる。
この後、PFPE(パーフロロポリエーテル)からなる潤滑層26をディップコート法により形成した。潤滑層26の膜厚は1nmである。以上の製造工程により、垂直磁気記録媒体である磁気ディスク10が得られた。
得られた磁気ディスク10の静磁気特性をKerrで評価した。従来型のRu下地のみ
のCoCrPt−SiO2媒体と比較するために、比較例として、非磁性CoCr−SiO2膜を形成していない媒体を作成した。
のCoCrPt−SiO2媒体と比較するために、比較例として、非磁性CoCr−SiO2膜を形成していない媒体を作成した。
図3は、実施例及び比較例の結果を比較するグラフである。図3中、◆で示したプロット点は、Ru下地膜厚を150Å一定とし、その上に積層する非磁性グラニュラー層CoCr−SiO2の膜厚を変化させた時のHcの値、■で示したプロット点は、Ru下地膜厚を125Å一定とし、その上に積層する非磁性グラニュラー層CoCr−SiO2の膜厚を変化させた時のHcの値、▲で示したプロット点は、Ru下地膜厚を100Å一定とし、その上に積層する非磁性グラニュラー層CoCr−SiO2の膜厚を変化させた時のHcの値をそれぞれ示している。また、図3中、×で示したプロット点は、Ru下地膜のみで、その上には非磁性グラニュラー層CoCr−SiO2は積層しておらず、Ru下地膜の膜厚のみを変化させた時のHcの値を示している。この図より、従来型媒体である比較例と比較して、保磁力Hcが約3倍得られることが分かる。また、両者のR/W特性を調べたところ、S/N比で、約10dBから15dBの改善が見られた。
以上、本発明を実施形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態に記載の範囲には限定されない。上記実施形態に、多様な変更又は改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
本発明は、例えば垂直磁気記録方式HDD(ハードディスクドライブ)等に搭載される磁気ディスクに好適に利用できる。
10・・・磁気ディスク、12・・・基体、14・・・付着層、16・・・軟磁性層、18・・・下地層、20・・・微細化促進層(非磁性グラニュラー層)、22・・・磁気記録層、24・・・保護膜、26・・・潤滑層、32・・・強磁性層、34・・・磁気的結合制御層、36・・・交換エネルギー制御層、102・・・Ru結晶粒子、104・・・金属結晶粒子、106・・・マトリックス、108・・・磁性結晶粒子、110・・・マトリックス
Claims (16)
- 垂直磁気記録に用いる磁気ディスクであって、
基体と、
上層の結晶方向を制御するための下地層であって、前記基体上に形成された下地層と、
前記下地層上に形成されたグラニュラー構造の非磁性グラニュラー層と、
前記非磁性グラニュラー層上に形成されたグラニュラー構造の強磁性層を有する磁気記
録層と
を備え、
前記非磁性グラニュラー層は、
無機酸化物のマトリックスと、
前記非磁性グラニュラー層の前記マトリックス中に分散する金属結晶粒子であって、前
記下地層の結晶方位に応じた所定の方位に結晶方位が向く非磁性の金属結晶粒子と
を有し、
前記強磁性層は、
無機酸化物のマトリックスと、
前記強磁性層の前記マトリックス中に分散する磁性結晶粒子であって、前記金属結晶粒
子の結晶方位に応じた所定の方位に磁化容易軸が向く磁性結晶粒子と
を有することを特徴とする磁気ディスク。 - 垂直磁気記録に用いる磁気ディスクであって、
基体と、
上層の結晶方向を制御するための下地層であって、前記基体上に形成された下地層と、
前記下地層上に形成されたグラニュラー構造の非磁性グラニュラー層と、
前記非磁性グラニュラー層上に形成されたグラニュラー構造の強磁性層を有する磁気記
録層と
を備え、
前記非磁性グラニュラー層は、
珪素又は酸化珪素を含むマトリックスと、
前記非磁性グラニュラー層の前記マトリックス中に分散する金属結晶粒子であって、前
記下地層の結晶方位に応じた所定の方位に結晶方位が向く非磁性の金属結晶粒子と
を有し、
前記強磁性層は、
珪素又は酸化珪素を含むマトリックスと、
前記非磁性グラニュラー層における前記金属結晶粒子と接するように前記強磁性層の前
記マトリックス中に分散しており、前記金属結晶粒子の結晶方位に応じた所定の方位に磁
化容易軸が向く磁性結晶粒子と
を有することを特徴とする磁気ディスク。 - 前記下地層は、少なくともルテニウムを含有する層であり、
前記非磁性グラニュラー層の前記マトリックスは少なくとも酸化珪素を含有し、
前記非磁性グラニュラー層の前記金属結晶粒子は、少なくともコバルトとクロムとを含
有する結晶粒子であり、
前記強磁性層の前記マトリックスは少なくとも酸化珪素を含有し、
前記強磁性層の前記磁性結晶粒子は、少なくともコバルトを含有する結晶粒子であるこ
とを特徴とする請求項1又は2に記載の磁気ディスク。 - 前記下地層は、SiO2、Al2O3、ZrO2、Cr2O3のうちから選ばれる少なく
とも1種の物質をルテニウムに添加した層であることを特徴とする請求項1乃至3のいず
れかに記載の垂直磁気記録ディスク。 - 前記非磁性グラニュラー層の前記金属結晶粒子は、B、Ta、Nb、Ruのうちから選ば
れる少なくとも1種の元素と、コバルトと、クロムとを含有する結晶粒子であることを特
徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の垂直磁気記録ディスク。 - 前記非磁性グラニュラー層の前記マトリックスは、少なくとも珪素を含有し、
前記非磁性グラニュラー層中の珪素の含有量が、4原子%〜20原子%であることを特
徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の垂直磁気記録ディスク。 - 前記強磁性層の前記マトリックスは、少なくとも珪素を含有し、
前記強磁性層中の珪素の含有量が、8原子%〜15原子%であることを特徴とする請求
項1乃至6のいずれかに記載の垂直磁気記録ディスク。 - 前記非磁性グラニュラー層の前記マトリックス、及び前記強磁性層の前記マトリックスは
、少なくとも珪素を含有し、
前記非磁性グラニュラー層中の珪素の含有量をA原子%、前記強磁性層中の珪素の含有
量をB原子%とした場合、AとBとの比A/Bは0.7〜1.5の範囲であることを特徴
とする請求項1乃至7のいずれかに記載の垂直磁気記録ディスク。 - 前記基体と前記下地層との間に、アモルファスのシード層を備えることを特徴とする請求
項1乃至8のいずれかに記載の垂直磁気記録ディスク。 - 前記基体と前記下地層との間に、アモルファスの軟磁性層を備えることを特徴とする請求
項1乃至9のいずれかに記載の垂直磁気記録ディスク。 - 前記基体はアモルファスガラスであることを特徴とする請求項1乃至10のいずれかに記
載の垂直磁気記録ディスク。 - 前記磁気記録層は、磁化容易軸が前記強磁性層と略同一方向に揃った交換エネルギー制御
層を更に有することを特徴とする請求項1乃至11のいずれかに記載の垂直磁気記録ディ
スク。 - 垂直磁気記録に用いる磁気ディスクの製造方法であって、
上層の結晶方向を制御するための下地層を基体上に形成し、
無機酸化物のマトリックスと、当該マトリックス中に分散する金属結晶粒子であって、
前記下地層の結晶方位に応じた所定の方位に結晶方位が向く非磁性の金属結晶粒子とを有
するグラニュラー構造の非磁性グラニュラー層を前記下地層上に形成し、
無機酸化物のマトリックスと、当該マトリックス中に分散しており、前記金属結晶粒子
の結晶方位に応じた所定の方位に磁化容易軸が向く磁性結晶粒子とを有するグラニュラー
構造の強磁性層を有する磁気記録層を前記非磁性グラニュラー層上に形成することを特徴
とする磁気ディスクの製造方法。 - 垂直磁気記録に用いる磁気ディスクの製造方法であって、
上層の結晶方向を制御するための下地層を基体上に形成し、
珪素又は酸化珪素を含むマトリックスと、当該マトリックス中に分散する金属結晶粒子
であって、前記下地層の結晶方位に応じた所定の方位に結晶方位が向く非磁性の金属結晶
粒子とを有するグラニュラー構造の非磁性グラニュラー層を前記下地層上に形成し、
珪素又は酸化珪素を含むマトリックスと、当該マトリックス中に前記非磁性グラニュラ
ー層における前記金属結晶粒子と接するように分散しており、前記金属結晶粒子の結晶方
位に応じた所定の方位に磁化容易軸が向く磁性結晶粒子とを有するグラニュラー構造の強
磁性層を有する磁気記録層を前記非磁性グラニュラー層上に形成することを特徴とする磁
気ディスクの製造方法。 - 前記非磁性グラニュラー層の前記金属結晶粒子は、少なくともコバルトとクロムとを含有
する結晶粒子であり、
前記金属結晶粒子におけるコバルトとクロムとが層分離する温度よりも低い温度で、前
記非磁性グラニュラー層を形成することを特徴とする請求項13又は14に記載の磁気デ
ィスクの製造方法。 - 前記強磁性層の前記磁性結晶粒子は、少なくともコバルトとクロムとを含有する結晶粒子
であり、
前記磁性結晶粒子におけるコバルトとクロムとが層分離する温度よりも低い温度で、前
記強磁性層を形成することを特徴とする請求項13乃至15のいずれかに記載の磁気ディ
スクの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2010206401A JP2011040153A (ja) | 2010-09-15 | 2010-09-15 | 垂直磁気記録ディスク及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2010206401A JP2011040153A (ja) | 2010-09-15 | 2010-09-15 | 垂直磁気記録ディスク及びその製造方法 |
Related Parent Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2005086220A Division JP2006268972A (ja) | 2005-03-24 | 2005-03-24 | 垂直磁気記録ディスク及びその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2011040153A true JP2011040153A (ja) | 2011-02-24 |
Family
ID=43767738
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2010206401A Pending JP2011040153A (ja) | 2010-09-15 | 2010-09-15 | 垂直磁気記録ディスク及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2011040153A (ja) |
Citations (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002025030A (ja) * | 2000-07-06 | 2002-01-25 | Hitachi Ltd | 垂直磁気記録媒体とその製法および磁気記録装置 |
JP2002133645A (ja) * | 2000-10-20 | 2002-05-10 | Fuji Electric Co Ltd | 磁気記録媒体およびその製造方法 |
JP2004220737A (ja) * | 2003-01-17 | 2004-08-05 | Fuji Electric Device Technology Co Ltd | 垂直磁気記録媒体およびその製造方法 |
JP2004296030A (ja) * | 2003-03-28 | 2004-10-21 | Hitachi Ltd | 垂直磁気記録媒体及びその製造方法 |
JP2004310910A (ja) * | 2003-04-07 | 2004-11-04 | Showa Denko Kk | 磁気記録媒体、その製造方法および磁気記録再生装置 |
JP2005322384A (ja) * | 2004-05-10 | 2005-11-17 | Heraeus Inc | 磁気記録媒体及びその製造方法 |
JP2006185511A (ja) * | 2004-12-27 | 2006-07-13 | Toshiba Corp | 垂直磁気記録媒体及び磁気記録再生装置 |
-
2010
- 2010-09-15 JP JP2010206401A patent/JP2011040153A/ja active Pending
Patent Citations (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002025030A (ja) * | 2000-07-06 | 2002-01-25 | Hitachi Ltd | 垂直磁気記録媒体とその製法および磁気記録装置 |
JP2002133645A (ja) * | 2000-10-20 | 2002-05-10 | Fuji Electric Co Ltd | 磁気記録媒体およびその製造方法 |
JP2004220737A (ja) * | 2003-01-17 | 2004-08-05 | Fuji Electric Device Technology Co Ltd | 垂直磁気記録媒体およびその製造方法 |
JP2004296030A (ja) * | 2003-03-28 | 2004-10-21 | Hitachi Ltd | 垂直磁気記録媒体及びその製造方法 |
JP2004310910A (ja) * | 2003-04-07 | 2004-11-04 | Showa Denko Kk | 磁気記録媒体、その製造方法および磁気記録再生装置 |
JP2005322384A (ja) * | 2004-05-10 | 2005-11-17 | Heraeus Inc | 磁気記録媒体及びその製造方法 |
JP2006185511A (ja) * | 2004-12-27 | 2006-07-13 | Toshiba Corp | 垂直磁気記録媒体及び磁気記録再生装置 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US8003237B2 (en) | Perpendicular magnetic recording disk and manufacturing method thereof | |
US8603650B2 (en) | Perpendicular magnetic recording disk and manufacturing method thereof | |
JP4169663B2 (ja) | 垂直磁気記録媒体 | |
JP4380577B2 (ja) | 垂直磁気記録媒体 | |
US20090311557A1 (en) | Perpendicular magnetic recording disk and method of manufacturing the same | |
WO2009119708A1 (ja) | 垂直磁気記録媒体および垂直磁気記録媒体の製造方法 | |
JP2012009086A (ja) | 垂直磁気記録媒体及びその製造方法 | |
JP2010211921A (ja) | 垂直磁気記録ディスクの製造方法及び垂直磁気記録ディスク | |
JP2011253597A (ja) | 垂直磁気記録媒体及びその製造方法 | |
JP2009110641A (ja) | 垂直磁気記録媒体 | |
JP2009238299A (ja) | 垂直磁気記録媒体および垂直磁気記録媒体の製造方法 | |
JP2006155861A (ja) | 垂直磁気記録媒体及びその製造方法並びに磁気記録再生装置 | |
JP2005032352A (ja) | 粒子分散型膜を下地に用いた磁気記録媒体、その製造方法、および磁気記録再生装置 | |
JP2006120231A (ja) | 垂直磁気記録媒体 | |
JP2005004945A (ja) | 垂直磁気記録媒体およびその製造方法 | |
JP2004178748A (ja) | 垂直磁気記録媒体、その製造方法、及び磁気記録再生装置 | |
JPH11328647A (ja) | 磁気記録媒体および磁気記録媒体の製造方法 | |
JP3892401B2 (ja) | 垂直磁気記録媒体用ディスク基板の製造方法、並びに垂直磁気記録ディスクの製造方法 | |
JP5782819B2 (ja) | 垂直磁気記録媒体 | |
JP4367326B2 (ja) | 垂直磁気記録媒体 | |
JP2005196959A (ja) | 垂直磁気記録媒体 | |
JP2007102833A (ja) | 垂直磁気記録媒体 | |
JP4626861B2 (ja) | 垂直磁気記録媒体 | |
JP2008257759A (ja) | 磁気記録媒体の製造方法 | |
JP2011040153A (ja) | 垂直磁気記録ディスク及びその製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20110119 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20110415 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20110914 |