JP2010211921A - 垂直磁気記録ディスクの製造方法及び垂直磁気記録ディスク - Google Patents

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Abstract

【課題】磁気特性のより一層の向上を実現することにより、高情報記録密度化に資することができる垂直磁気記録ディスクの製造方法及び垂直磁気記録ディスクを提供する。
【解決手段】基板1上に少なくとも磁気記録層を備え、垂直磁気記録に用いる磁気ディスクの製造方法であって、基板1上に、グラニュラー構造の強磁性層5と、該強磁性層5上に形成される積層からなる交換エネルギー制御層7とから構成される磁気記録層を形成する工程において、少なくとも前記交換エネルギー制御層7をアルゴンガスより質量の重い希ガス雰囲気中においてスパッタリング成膜する。アルゴンガスより質量の重い希ガスは、クリプトン(Kr)ガスである。前記交換エネルギー制御層7は、CoまたはCo合金を含む第1層とパラジウム(Pd)または白金(Pt)を含む第2層との積層である。
【選択図】図1

Description

本発明は垂直磁気記録方式のHDD(ハードディスクドライブ)等の磁気ディスク装置に搭載される垂直磁気記録ディスクに関する。
近年の情報処理の大容量化に伴い、各種の情報記録技術が開発されている。特に磁気記録技術を用いたHDD(ハードディスクドライブ)の面記録密度は年率100%程度の割合で増加し続けている。最近では、HDD等に用いられる2.5インチ径磁気ディスクにして、1枚当り60Gバイトを超える情報記録容量が求められるようになってきており、このような所要に応えるためには1平方インチ当り100Gビットを超える情報記録密度を実現することが求められる。HDD等に用いられる磁気ディスクにおいて高記録密度を達成するためには、情報信号の記録を担う磁気記録層を構成する磁性結晶粒子を微細化すると共に、その層厚を低減していく必要があった。ところが、従来より商業化されている面内磁気記録方式(長手磁気記録方式、水平磁気記録方式とも呼称される)の磁気ディスクの場合、磁性結晶粒子の微細化が進展した結果、超常磁性現象により記録信号の熱的安定性が損なわれ、記録信号が消失してしまう、熱揺らぎ現象が発生するようになり、磁気ディスクの高記録密度化への阻害要因となっていた。
この阻害要因を解決するために、近年、垂直磁気記録方式用の磁気ディスクが提案されている。垂直磁気記録方式の場合では、面内磁気記録方式の場合とは異なり、磁気記録層の磁化容易軸は基板面に対して垂直方向に配向するよう調整されている。垂直磁気記録方式は面内記録方式に比べて、熱揺らぎ現象を抑制することができるので、高記録密度化に対して好適である。垂直磁気記録ディスクにあっては、基板上に軟磁性体からなる軟磁性下地層と、硬磁性体からなる垂直磁気記録層を備える、いわゆる二層型垂直磁気記録ディスクが好ましいとされている。二層型垂直磁気記録ディスクにあっては、磁気記録時に、磁気ヘッドと垂直磁気記録層と軟磁性下地層間に好適な磁気回路を形成することができ、垂直磁気記録層に磁気記録するのを軟磁性下地層が助ける働きをしている。このような二層型垂直磁気記録ディスクとしては例えば、特開2002-74648号公報(特許文献1)に記載されたような垂直磁気記録媒体が知られている。また、特開2002-92865号公報(特許文献2)では、基板上に下地層、Co系垂直磁気記録層、保護層をこの順で形成してなる垂直磁気記録媒体に関する技術が開示されている。また、米国特許第6468670号明細書(特許文献3)には、粒子性の記録層に交換結合した人口格子膜連続層(交換結合層)を付着させた構造からなる垂直磁気記録媒体が開示されている。
特開2002−74648号公報 特開2002−92865号公報 米国特許第6468670号明細書
磁気ディスクの記録密度の向上は、主に、磁気記録層の磁化遷移領域ノイズの低減により行われる。ノイズ低減のためには、磁気記録層の結晶配向性の向上や結晶粒径および磁気的相互作用の大きさを小さくする必要がある。すなわち、媒体の高記録密度化のためには、磁気記録層の結晶粒径を均一化、微細化し、しかも個々の磁性結晶粒子が磁気的に分断された偏析状態とすることが望ましく、そのためには、磁気記録層の微細構造を適切に制御する必要がある。ところで、特許文献1等に開示されているCo系垂直磁気記録層、中でもCoPt系垂直磁気記録層は、保磁力Hcが高く、磁化反転生成磁界Hnをゼロ未満の小さな値とすることができるので熱揺らぎに対する耐性を向上させることができ、また高いS/N比が得られるので好適である。さらに、この垂直磁気記録層にCr等の元素を含有させることにより、磁性結晶粒子の粒界部分にCrを偏析させることができるので、磁性結晶粒子間の交換相互作用を遮断して高記録密度化に資することができる。
また、CoPt系垂直磁気記録層にSiO2やO等の酸化物を添加すると、CoPtのエピタキシャル成長を阻害することなく良好な偏析構造を形成することができる。つまり、粒界にSiO2やO等の酸化物が偏析し、磁気記録層の結晶粒子間の磁気的相互作用を低減することができる。また、SiO2やO等の酸化物の添加により結晶粒径を微細化することができる。結晶粒径や磁気的相互作用の大きさは、粒界に偏析したSiO2層の厚みや下地層の結晶粒径に影響される。磁気記録層に添加するSiO2量を増加させると、微細化と磁気的な分断が進み、高記録密度時のS/N比は向上する。これにより最大磁気異方性エネルギーKuは、従来のSiO2が無添加である媒体に比べて2倍近く高くなった。このような磁気記録ディスクであれば、S/N比や熱安定性の問題が200〜400Gbit/inch2までは生じないことがわかった。
しかし、本発明者らの検討によると、400Gbit/inch2以上に対応可能な媒体を目指すとき、SiO2やO等の酸化物を添加していくだけでは熱安定性や記録特性が良い媒体を作ることが困難であることがわかった。つまり、例えばSiO2量を一定量以上に増加させると、保持力Hcおよび垂直磁気異方性の劣化が生じることがわかった。
上記要望に対して、磁気記録層中のPt量を増加させて磁気異方性エネルギーを増加させる方法も考えられるが、磁気異方性エネルギーの増加に伴い十分な記録ができなくなるという新たな問題も生じることがわかっている。特に100Gbit/inch2以上の記録密度領域においては、その狭トラック化に伴い磁気ヘッド自体の有する記録能力が著しく低下してくるため、磁気記録層側で記録能力を向上させるような改善が必要であり、これが新たな課題となってきた。情報記録密度の増大の要求はとどまるところを知らず、年々増大する一方であり、このような高記録密度を達成するためには、磁気ディスクの磁気特性のより一層の向上が求められている。
本発明はこのような従来の課題に鑑みなされたものであって、本発明の目的は、磁気特性のより一層の向上を実現することにより、高情報記録密度化に資することができる垂直磁気記録ディスクの製造方法及び垂直磁気記録ディスクを提供することにある。
本出願人の一人は、先に、S/N比を向上させることにより高記録密度化に資することができる垂直磁気記録ディスクとして、Coを含有するグラニュラー構造の強磁性層と、該強磁性層上に形成される例えばCo若しくはその合金と、Pd又はPtとの交互積層膜からなる交換エネルギー制御層とから構成される磁気記録層を備えた垂直磁気記録ディスクについて提案した(特願2004−194175)。
ところで、このようなグラニュラー構造の強磁性層と、該強磁性層上に形成される例えば特定の交互積層膜からなる交換エネルギー制御層とから構成される磁気記録層を備えた垂直磁気記録ディスクにおいては、通常、交換エネルギー制御層の膜厚が強磁性層に比べ薄くなるため、磁気特性を決める界面の状態がとても重要である。本発明者らの検討によると、交換エネルギー制御層は通常スパッタリング法により成膜されるが、ターゲットに衝突反射し基板に到達する中性ガス原子のエネルギーが大きくなると、膜の表面粗さが大きくなるなど、膜の界面状態が劣化し、磁気特性が低下する場合があることがわかった。従来の製造プロセスでは、スパッタリング成膜時のプロセスガスとしてArガスが使用されているが、このようなArガス雰囲気でスパッタリング成膜すると、ターゲットに衝突反射し基板に到達する中性ガス原子のエネルギーが比較的大きくなり、成膜された膜の界面状態が劣化し易いことも判明した。
そこで、本発明者らは、磁気特性のより一層の向上を図るためには、従来の製造プロセスの改良が必要であるとの観点から、鋭意研究を進めた結果、従来のArガスより質量の重い希ガス、例えばKrガスを上記交換エネルギー制御層のスパッタリング成膜ガスに用いることにより、成膜された膜の界面状態の劣化を好適に抑制できることを見い出し、本発明を完成するに至ったものである。
すなわち、本発明は、上記課題を解決するため、以下の構成を有するものである。
(構成1)基板上に少なくとも磁気記録層を備え、垂直磁気記録に用いる磁気ディスクの製造方法であって、基板上に、グラニュラー構造の強磁性層と、該強磁性層上に形成される交換エネルギー制御層とから構成される磁気記録層を形成する工程において、少なくとも前記交換エネルギー制御層をアルゴンガスより質量の重い希ガス雰囲気中においてスパッタリング成膜することを特徴とする垂直磁気記録ディスクの製造方法である。
(構成2)前記アルゴンガスより質量の重い希ガスは、クリプトン(Kr)ガスであることを特徴とする構成1記載の垂直磁気記録ディスクの製造方法である。
(構成3)前記交換エネルギー制御層は、CoまたはCo合金を含む第1層とパラジウム(Pd)または白金(Pt)を含む第2層との積層であることを特徴とする構成1又は2記載の垂直磁気記録ディスクの製造方法である。
(構成4)前記強磁性層は、コバルト(Co)を主体とする結晶粒子と、酸化物または珪素(Si)または珪素(Si)酸化物を主体とする粒界部を有することを特徴とする構成1乃至3の何れか一に記載の垂直磁気記録ディスクの製造方法である。
(構成5)前記強磁性層と前記交換エネルギー制御層との間に、スペーサ層を形成することを特徴とする構成1乃至4の何れか一に記載の垂直磁気記録ディスクの製造方法である。
(構成6)垂直磁気記録に用いる磁気ディスクであって、基板と、該基板上に形成された、グラニュラー構造を有する、酸化物または珪素(Si)または珪素(Si)の酸化物を含む強磁性層と、該強磁性層上に形成された、コバルト(Co)またはCo合金を含む第1層とパラジウム(Pd)または白金(Pt)を含む第2層との積層、あるいはCo合金を含む単層からなる交換エネルギー制御層とを有し、前記交換エネルギー制御層にはクリプトン(Kr)元素が含まれていることを特徴とする垂直磁気記録ディスクである。
構成1のように、本発明の垂直磁気記録ディスクの製造方法は、基板上に少なくとも磁気記録層を備え、垂直磁気記録に用いる磁気ディスクの製造方法であって、基板上に、グラニュラー構造の強磁性層と、該強磁性層上に形成される交換エネルギー制御層とから構成される磁気記録層を形成する工程において、少なくとも前記交換エネルギー制御層をアルゴンガスより質量の重い希ガス雰囲気中においてスパッタリング成膜することを特徴としている。
本発明によれば、従来のArガスより質量の重い希ガス、例えばKrガスを、磁気記録層を構成するグラニュラー構造の強磁性層上に形成される交換エネルギー制御層のスパッタリング成膜ガスに用いることにより、成膜された膜の界面状態の劣化を好適に抑制できる理由については、本発明者らの考察によると次のように考えられる。交換エネルギー制御層のスパッタリング成膜ガスとしてKrガスを用いることにより、ターゲットに衝突反射し基板に到達するガス原子のエネルギーがArガスのものに比べ小さくなる。そのため、交換エネルギー制御層の界面での原子ミックスする効果が緩和され、よりシャープな界面(例えばCoまたはCo合金を含む第1層とPdまたはPtを含む第2層とのそれぞれの層がTEM等で観察した場合はっきり分かれて観察される)ができる。その結果、磁気記録層の垂直磁気異方性が大きくなり、保磁力特性を向上することができる。また、Arガスより質量の重い希ガスとしてはキセノン(Xe)ガスを用いることもできる。キセノンガスを用いた場合、とくに磁気特性や記録再生特性(電磁変換特性)が向上する。
上記強磁性層を構成する磁性材料としては、Co系磁性材料が挙げられ、特にCoPt系又はCoPtCr系磁性材料が好ましい。CoPt系又はCoPtCr系磁性材料は、保磁力Hcが高く、磁化反転生成磁界Hnをゼロ未満の小さな値とすることができるので熱揺らぎに対する耐性を向上させることができ、高いS/N比が得られるので好適である。また、CoPt系又はCoPtCr系磁性材料に珪素(Si)等の元素や酸化物を含有させることにより、磁性結晶粒子の粒界部分にSi等や酸化物を偏析させることができるので、磁性結晶粒子間の交換相互作用を低減して媒体ノイズを低減させると共に高記録密度時のS/N比を向上させることができる。なお、CoPt系又はCoPtCr系磁性材料にSiを単体として添加するだけでなく、酸化物やSiO2等のSiの酸化物として添加してもよい。SiO2等のSiの酸化物として添加すると、粒界にSiの酸化物が偏析し、磁気記録層の結晶粒子間の磁気的相互作用を低減して媒体ノイズを低減させると共に高記録密度時のS/N比を向上させることができる。
また、CoPt系又はCoPtCr系磁性材料にSi又はSiの酸化物を添加すると結晶粒径を微細化することができる。ところが、Si又はSiの酸化物の添加量が多いと結晶粒子が小さくなりすぎて熱揺らぎが大きくなるという問題が発生するため、従来では例えばSiの酸化物の添加量を5原子%以下に抑えていた。そのため、高記録密度化にも自ずと限界があった。これに対し、本発明では、Si又はSiの酸化物の添加量を多くしても、酸化物または珪素(Si)または珪素(Si)の酸化物を含む強磁性層上に交換エネルギー制御層を設けたことにより熱安定性の劣化を防止することができるので、熱安定性の劣化を起こさずに高記録密度化に資することが出来る。
本発明においては、強磁性層は、Coを主体とする結晶粒子と、酸化物または珪素(Si)または珪素(Si)酸化物を主体とする粒界部とを有する。これにより、微細化された結晶粒子間を磁気的に遮蔽することが可能となる。
なお、強磁性層中の珪素(Si)の含有量としては、6原子%以上が好ましく、より好ましくは8原子%〜15原子%である。強磁性層中の珪素(Si)の含有量が6原子%以上であれば、S/N比が急激に向上するが、以下の理由から8原子%〜15原子%が好ましい。8原子%より含有量が少ないと媒体ノイズを低減させる効果が小さく、かつ高記録密度時のS/N比を充分に向上させることができない。また15原子%より含有量が多いと垂直磁気異方性の劣化が起りはじめ、それに伴い高記録密度時の熱安定性の劣化やDCノイズの増大が起る。同様な理由から、特に好ましくは10〜15原子%、更に好ましくは12〜15原子%である。本発明では、前記強磁性層は、Coを含有する磁性結晶粒子の間にSi又はその酸化物を含むグラニュラー構造である。また、この強磁性層の膜厚は、20nm以下が好ましい。望ましくは、8〜16nmの範囲が好適である。
前記交換エネルギー制御層は、前記強磁性層と隣接し、或いはスペーサ層を介して、強磁性層と磁気的な結合をすると共に互いの層における磁化容易軸方向を略同一方向に揃える機能を有する。この交換エネルギー制御層は、層内において結晶粒子が磁気的に結合している。交換エネルギー制御層は、Co系磁性材料からなる強磁性層に対しては、具体的には、コバルト(Co)若しくはその合金とパラジウム(Pd)との交互積層膜、又は、コバルト(Co)若しくはその合金と白金(Pt)との交互積層膜からなることが好適である。このような材料からなる交互積層膜は磁気的なKuが大きいため、該積層膜にできる磁壁幅を薄くすることができる。その膜厚は、1〜8nmが好ましい。望ましくは、2〜5nmが好適である。なお、交換エネルギー制御層の材料は、上記多層膜のほかに、Pt含有量の多いCoCrPtや、CoPt、CoPd,FePt,CoPt3、CoPd3などの単層膜を用いても同様の効果が得られる。
また、交換結合による好適な垂直磁気記録特性を発揮するには、前記強磁性層の膜厚を増加させた場合は、前記交換エネルギー制御層の膜厚を増加させ、かつ、前記強磁性層の膜厚を減少させた場合は、前記交換エネルギー制御層の膜厚を減少させ、両層を好適な膜厚比に設定する必要がある。前記強磁性層の膜厚をA、前記交換エネルギー制御層の膜厚をBとした場合、A/B(B分のA)は2〜5の範囲が好ましい。望ましくは3〜4が好適である。また、前記強磁性層と前記交換エネルギー制御層との間に、スペーサ層を有することが好適である。スペーサ層を設けることにより、前記強磁性層と前記交換エネルギー制御層との間の交換結合を好適に制御することができる。スペーサ層としては、例えば、交換エネルギー制御層の材質に応じてPd層またはPt層が好適に用いられる。交換エネルギー制御層にPd層を使用する場合には、スペーサ層にもPd層を用いる。製造装置の制約上、同じ組成を使用することが経済的に好ましいためである。スペーサ層の膜厚は、2nm以下であることが好ましく、望ましくは、0.1〜1.5nmの範囲である。
なお、強磁性層と交換エネルギー制御層とは隣接して、或いは上記スペーサ層を介して配置されるが、HDI(Head DiskInterface)の観点から、基板からみて交換エネルギー制御層を強磁性層の上方に配置する場合が好ましい。また、前記強磁性層は単層に限らず複数層で構成されてもよい。この場合、Si又はSiの酸化物を含有するCo系磁性層同士を組み合わせてもよいし、Si又はSiの酸化物を含有するCo系磁性層とSi又はSiの酸化物を含まないCo系磁性層を組み合わせてもよい。なお、交換エネルギー制御層と隣接する側にはSi又はSiの酸化物を含有するCo系磁性層を配置することが好ましい。
本発明の垂直磁気記録層の形成方法としては、スパッタリング法で成膜することが好ましい。特にDCマグネトロンスパッタリング法で形成すると均一な成膜が可能となるので好ましい。本発明では、基板上に、前記強磁性層と、前記交換エネルギー制御層とから構成される垂直磁気記録層を形成するに際し、基板上に前記強磁性層をアルゴンガス雰囲気中でスパッタリング成膜した後、前記交換エネルギー制御層をアルゴンガスより質量の重い希ガス、例えばクリプトン(Kr)ガス雰囲気中においてスパッタリング成膜する。
交換エネルギー制御層の成膜に用いる成膜ガスとしては、アルゴンガスより質量の重い希ガスであれば、クリプトン(Kr)ガスに限られないが、クリプトンガスは取り扱いやすいので好ましい。また、交換エネルギー制御層の成膜時のガス圧は、低いガス圧で成膜するのが好ましい。その理由は、隣接して強磁性層がなければ、磁壁が自由に動くように、どこでも強磁性層の磁気的な粒子からのピニング力で磁壁(磁化転移点)を固定するために、上記交換エネルギー制御層を磁気的に一様にする必要があり、そのためには低いガス圧で成膜することが好適だからである。この場合、例えばガス圧が1〜10mTorr、好ましくは3〜4mTorrの範囲内でスパッタリング成膜することが好ましい。また、交換エネルギー制御層の成膜時の基板温度としては、特に制約はされないが、積層の界面での拡散を抑制する観点から、例えば室温〜150℃の範囲内とすることが好ましい。
本発明では、前記交換エネルギー制御層を例えばクリプトンガス雰囲気中においてスパッタリング成膜することにより、成膜された交換エネルギー制御層にはクリプトン(Kr)元素が含まれている。
一方、上記強磁性層は、高いガス圧で成膜するのが好ましい。その理由は、媒体ノイズを低減させるために上記強磁性層における磁気的な粒子サイズを小さくし、かつCo含有の磁性結晶粒子の間にSiまたはSiの酸化物を均一の厚さで粒界偏析させることができるからである。上記強磁性層は、例えばガス圧15〜30mTorrでスパッタリング成膜することが好ましい。
なお、本発明では、上記交換エネルギー制御層の成膜ガスとして、例えばクリプトンガスを用いているが、上記強磁性層の成膜ガスとしても、アルゴンガスの代わりにクリプトンガスを用いてもよい。
本発明の垂直磁気記録ディスクは、基板上に少なくとも、上述の垂直磁気記録層を備えるが、この他に各種の機能層を設けることが好ましい。例えば、基板上に垂直磁気記録層の磁気回路を好適に調整するための軟磁性層を設けてもよい。本発明において、軟磁性層は、軟磁気特性を示す磁性体により形成されていれば特に制限はないが、例えば、保磁力(Hc)で0.01〜80エルステッド、好ましくは0.01〜50エルステッドの磁気特性であることが好ましい。また、飽和磁束密度(Bs)は500emu/cc〜1920emu/ccの磁気特性であることが好ましい。軟磁性層と材料としては、Fe系、Co系などが挙げられる。例えば、FeTaC系合金、FeTaN系合金、FeNi系合金、FeCoB系合金、FeCo系合金などのFe系軟磁性材料、CoTaZr系合金、CoNbZr系合金などのCo系軟磁性材料、或いはFeCo系合金軟磁性材料等を用いることができる。また、これらの合金材料の単層構成だけでなく、これらの合金材料の複数層の間に例えばRu層などを挟む積層構成としてもよい。
本発明において、軟磁性層の膜厚は30nm〜1000nm、望ましくは50nm〜200nmであることが好ましい。30nm未満では、磁気ヘッドと垂直磁気記録層と軟磁性層間に好適な磁気回路を形成を形成することが困難になる場合があり、1000nmを超えると表面粗さが増加する場合がある。また、1000nmを超えるとスパッタリング成膜が困難となる場合がある。
本発明において、基板上に、垂直磁気記録層の結晶配向を基板面に対して垂直方向に配向させるための非磁性下地層を設けることが好ましい。非磁性下地層の材料としては、Ruや、Pd,Pt、Ta系合金、Ti系合金が好ましい。Ta系合金からなる非磁性下地層としては、Ta単体の他、CoCrTa系合金、NiTa系合金等が挙げられる。Ti系合金からなる非磁性下地層としては、Ti単体の他、TiCr系合金、TiCo系合金等が挙げられる。このような非磁性下地層の膜厚は2nm〜30nmが好適である。下地層の膜厚が2nm未満の場合、垂直磁気記録層の結晶軸を制御する作用が不十分であり、また30nmを越えると、垂直磁気記録層を構成する磁性結晶粒子のサイズが増大し、ノイズを増大させるため好ましくない。
本発明において、基板は、軟磁性層の磁区制御のために、磁場中アニールが必要な場合は、ガラスであることが好ましい。ガラス基板は耐熱性に優れるので、基板の加熱温度を高くすることができる。 基板用ガラスとしては、アルミノシリケートガラス、アルミノボロシリケートガラス、ソーダタイムガラス等が挙げられるが、中でもアルミノシリケートガラスが好適である。また、アモルファスガラス、結晶化ガラスを用いることができる。軟磁性層をアモルファスとする場合にあっては、基板をアモルファスガラスとすると好ましい。なお、化学強化したガラスを用いると、剛性が高く好ましい。本発明において、基板主表面の表面粗さはRmaxで6nm以下、Raで0.6nm以下であることが好ましい。このような平滑表面とすることにより、垂直磁気記録層と軟磁性層間の間隙を一定にすることができるので、磁気ヘッドと垂直磁気記録層と軟磁性層間に好適な磁気回路を形成することができる。
本発明においては、基板と軟磁性層との間に、付着層を形成することも好ましい。付着層を形成することにより、基板と軟磁性層との間の付着性を向上させることができるので、軟磁性層の剥離を防止することができる。付着層の材料としては、例えばTi含有材料を用いることができる。実用上の観点からは付着層の膜厚は、1nm〜50nmとすることが好ましい。
本発明の垂直磁気記録ディスクにあっては、前記垂直磁気記録層の上に、保護層を設けることが好適である。保護層を設けることにより、磁気ディスク上を浮上飛行する磁気記録ヘッドから磁気ディスク表面を保護することができる。保護層の材料としては、たとえば炭素系保護層が好適である。また、保護層の膜厚は1.5nm〜7nm程度が好適である。
また、前記保護層上に、更に潤滑層を設けることが好ましい。潤滑層を設けることにより、磁気ヘッドと磁気ディスク間の磨耗を抑止でき、磁気ディスクの耐久性を向上させることができる。潤滑層の材料としては、たとえばPFPE(パーフロロポリエーテル)が好ましい。また、潤滑層の膜厚は0.5nm〜1.5nm程度が好適である。
なお、前記軟磁性層、下地層、付着層と保護層についてもスパッタリング法で成膜することが好ましい。特にDCマグネトロンスパッタリング法で形成すると均一な成膜が可能となるので好ましい。インライン型成膜方法を用いることも好ましい。保護層についてはプラズマCVD法で成膜することも好ましい。また、前記潤滑層は、例えばディップコート法で形成することが好ましい。
本発明によれば、磁気特性のより一層の向上を実現することにより、高情報記録密度化に資することができる垂直磁気記録ディスクの製造方法及び垂直磁気記録ディスクを提供することができる。
本発明の一実施形態に係る垂直磁気記録ディスクの断面模式図である。
本発明になる垂直磁気記録ディスクの一実施の形態を図1に掲げる。図1によれば、本発明の垂直磁気記録ディスク10の一実施の形態は、ガラス基板1上に順に、付着層2、軟磁性層3、第1下地層4a、第2下地層4b、強磁性層5、スペーサ層6、積層からなる交換エネルギー制御層7、炭素系保護層8、及び潤滑層9を備えた構成である。以下実施例、比較例を挙げて、本発明を更に具体的に説明する。
(実施例1)
アモルファスのアルミノシリケートガラスをダイレクトプレスで円盤状に成型し、ガラスディスクを作成した。このガラスディスクに研削、研磨、化学強化を順次施し、化学強化ガラスディスクからなる平滑な非磁性ガラス基板1を得た。ディスク直径は65mmである。このガラス基板1の主表面の表面粗さをAFM(原子間力顕微鏡)で測定したところ、Rmaxが4.8nm、Raが0.42nmという平滑な表面形状であった。なお、Rmax及びRaは、日本工業規格(JIS)に従う。
次に、得られたガラス基板1上に、真空引きを行なった成膜装置を用いて、DCマグネトロンスパッタリング法にて、Arガス雰囲気中で、付着層2、軟磁性層3を順次成膜した。このとき、付着層2は、膜厚10nmのCrTi(Cr:55at%、Ti:45at%)層となるように、CrTiターゲットを用いて成膜した。また、軟磁性層3として、膜厚20nmのアモルファスCoTaZr(Co:88at%、Ta:7at%、Zr:5at%)層となるように、CoTaZrターゲットを用いて成膜し、その上に膜厚0.7nmのRu層を成膜し、更にその上に膜厚20nmの上記と同じCoTaZr層を成膜した。
こうして軟磁性層3までの成膜を終えた垂直磁気記録ディスク用基板を成膜装置から取り出した。得られた軟磁性層3までの成膜を終えた垂直磁気記録ディスク用基板の表面粗さをAFMで同様に測定したところ、Rmaxが5.1nm、Raが0.48nmという平滑な表面形状であった。さらに、VSM(Vibrating Sample Magnetometer:振動試料型磁化測定装置)で上記基板の磁気特性を測定したところ、保磁力(Hc)は2エルステッド、飽和磁束密度は950emu/ccであり、好適な軟磁性特性を示していた。Rmaxが5.5nm以下、およびRaが0.5nm以下という平滑な表面形状を有する軟磁性層3上に下地層、垂直磁気記録層が形成されることにより、ノイズの低減に好適である。
次に、得られた上記基板上に、真空引きを行なった枚葉・静止対向型成膜装置を用いて、DCマグネトロンスパッタリング法にて、Arガス雰囲気中で、第1下地層4a、第2下地層4b、強磁性層5、スペーサ層6を順次成膜した。
軟磁性層3までの成膜を終えた上記基板上に、まず、Taからなる3nm厚の第1下地層4aと、Ruからなる20nm厚の第2下地層4bを形成した。なお、ここでRuからなる層を2層としてもよい。すなわち、上層側Ruを形成する際に、下層側Ruを形成するときのArガスのガス圧よりも高いガス圧で形成することで、結晶配向性を改善することができる。
次に、SiO2を含有するCoCrPtからなる硬磁性体のターゲットを用いて、13nmのhcp結晶構造からなる強磁性層5を形成した。該強磁性層5を形成するためのターゲットの組成は、Co:66.6at%、Cr:9at%、Pt:14.4at%、SiO2:10mol%である。なお、強磁性層5はガス圧30mTorrで成膜した。
次いで、Pdからなる0.2nm厚のスペーサ層6を形成した。
次に、成膜ガスをKrガスに変えて、Krガス雰囲気中で、CoPtとPdとの交互積層膜からなる交換エネルギー制御層7を形成した。まず、CoPt(Co:75at%、Pt:25at%)を0.4nm成膜し、その上にPdを0.4nm成膜して1周期とし、これを3周期繰り返して成膜した。従って、この積層膜の総厚は2.4nmである。なお、交換エネルギー制御層7はガス圧10mTorrで成膜した。
次に、プラズマCVD法により、水素化カーボンからなる炭素系保護層8を形成した。炭素系保護層8の膜厚は3.5nmである。水素化炭素とすることで、膜硬度が向上するので、磁気ヘッドからの衝撃に対して垂直磁気記録層を防護することができる。
上述のように成膜された交換エネルギー制御層7にはKrが含まれている。
以下に交換エネルギー制御層内のクリプトン測定について説明する。
保護層まで形成した磁気ディスク表面を、飛行時間型二次イオン質量分析法により測定した。
飛行時間型二次イオン質量分析(time offlight-secondary ion mass spectrometer:以下TOF-SIMSという)とは、検出系に飛行時間型質量分析計を用いる二次イオン質量分析法である。
本測定では、PHI社製のTOF-SIMSであるTRIFT IIを利用した。本測定のTOF-SIMS分析においては、一次イオンをガリウムイオン(Ga+)とした。
なお、本測定においては、ビームのエネルギーを15KeVとした。
一次イオンの照射面(スパッタサイズ)は、磁気ディスク表面において、縦200μm、横200μmの正方領域であり、面積は40000μmであり、解析した領域は縦50μm、横50μmの正方領域であり面積は2500μmである。
各深さにおける解析時間は1分間である。二次イオンの検出質量数(Mass Range)は、質量数1から質量数1000とした。
上記条件によって、磁気ディスクの表面から掘り進めながら炭素、クリプトン、コバルトの量を測定した。
測定の初めの段階では、コバルトと炭素が検出されていたが、交換エネルギー制御層が存在する深さになると、クリプトンが多く検出された。
このとき、クリプトンの量は、35イオンカウントであった。
その後、更に掘り進めながら観測したところ、クリプトンの量が減っていった。
このことから、交換エネルギー制御層の内にはクリプトンが存在していることが確認できた。
この後、PFPE(パーフロロポリエーテル)からなる潤滑層9をディップコート法により形成した。潤滑層9の膜厚は1nmである。
以上の製造工程により、本実施例の垂直磁気記録ディスクが得られた。得られた垂直磁気記録ディスクの表面粗さをAFMで同様に測定したところ、Rmaxが4.53nm、Raが0.40nmという平滑な表面形状であった。スペーサ層6と交換エネルギー制御層7を形成することで表面粗さRmax、Raが改善された。この粗さの改善は、主に、Krガス雰囲気中で成膜した交換エネルギー制御層7の表面粗さが小さいことによるものと考えられる。これにより、グライド(Glide)特性、浮上特性が改善され、保護膜厚を小さくできるという新たな効果もある。
得られた本実施例の垂直磁気記録ディスクにおける垂直磁気記録層(強磁性層5とスペーサ層6と交換エネルギー制御層7を併せて垂直磁気記録層と呼ぶ。以下同様。)の配向性をX線回折法にて分析したところ、hcp(六方細密充填)結晶構造のc軸がディスク面に対して垂直方向に配向していた。また、得られた垂直磁気記録ディスクにおける強磁性層5を透過型電子顕微鏡(TEM)を利用して詳細に分析したところ、グラニュラー構造を備えていた。具体的には、Coを含有するhcp結晶構造の結晶粒子の間に、Siの酸化物からなる粒界部分が形成されていることを確認した。この分析から約6nmの磁気粒子と約2nmの非磁性体からなる境界領域から形成されていることがわかった。一方、グラニュラー構造となっている強磁性層5の上の層である交換エネルギー制御層7をTEMで詳細に分析したところ、グラニュラー構造とはなっていなかった。これは、交換エネルギー制御層7が磁気的に連続に近い構造からできていることを示している。つまり、グラニュラー構造の強磁性層5の磁性粒子が、交換エネルギー制御層7を介して磁気的に結合されていることを示している。これにより熱安定性が向上していると考えられる。
(実施例2)
実施例1における強磁性層5の膜厚を13.5nmとし、スペーサー層6の膜厚を0.3nmとし、交換エネルギー制御層7を、2.2nm厚のCoPtと0.4nm厚のPdの1周期の積層膜としたこと以外は、実施例1と同様にして垂直磁気記録ディスクを得た(実施例2)。
得られた垂直磁気記録ディスクにおける垂直磁気記録層の配向性をX線回折法にて分析したところ、実施例1と同様にhcp(六方細密充填)結晶構造のc軸がディスク面に対して垂直方向に配向していた。また、得られた垂直磁気記録ディスクにおける強磁性層5を透過型電子顕微鏡(TEM)を利用して詳細に分析したところ、実施例1と同様にグラニュラー構造を備えていた。
(実施例3)
実施例1における第1下地層4aを膜厚3nmのCoCrTa(Co:55at%、Cr:35at%、Ta:10at%)とし、強磁性層5の膜厚を12nmとし、スペーサー層6の膜厚を0.8nmとし、交換エネルギー制御層7を、0.35nm厚のCoB(Co:95at%、B:5at%)と0.8nm厚のPdの3周期の交互積層膜としたこと以外は、実施例1と同様にして垂直磁気記録ディスクを得た(実施例3)。
得られた垂直磁気記録ディスクにおける垂直磁気記録層の配向性をX線回折法にて分析したところ、実施例1と同様にhcp(六方細密充填)結晶構造のc軸がディスク面に対して垂直方向に配向していた。また、得られた垂直磁気記録ディスクにおける強磁性層5を透過型電子顕微鏡(TEM)を利用して詳細に分析したところ、実施例1と同様にグラニュラー構造を備えていた。
(実施例4)
実施例1における第1下地層4aを成膜時のガス圧を変えた二層構造のTa(総膜厚3nm)とし、強磁性層5の膜厚を10.5nmとし、スペーサー層6を膜厚0.8nmのPtとし、交換エネルギー制御層7を、0.35nm厚のCoB(Co:95at%、B:5at%)と0.8nm厚のPtの3周期の交互積層膜としたこと以外は、実施例1と同様にして垂直磁気記録ディスクを得た(実施例4)。
得られた垂直磁気記録ディスクにおける垂直磁気記録層の配向性をX線回折法にて分析したところ、実施例1と同様にhcp(六方細密充填)結晶構造のc軸がディスク面に対して垂直方向に配向していた。また、得られた垂直磁気記録ディスクにおける強磁性層5を透過型電子顕微鏡(TEM)を利用して詳細に分析したところ、実施例1と同様にグラニュラー構造を備えていた。
(比較例)
実施例1において、交換エネルギー制御層7のスパッタリング成膜をArガス雰囲気中で行ったこと(但しガス圧は実施例1と同じ)以外は、実施例1と同様にして垂直磁気記録ディスクを得た。得られた垂直磁気記録ディスクの表面粗さをAFMで測定したところ、Rmaxが6.26nm、Raが0.48nmという表面形状であった。これは上述した実施例1の垂直磁気記録ディスクに比べて粗い表面となっている。さらに、得られた垂直磁気記録ディスクにおける強磁性層5の配向性をX線回折法にて分析したところ、hcp(六方細密充填)結晶構造のc軸がディスク面に対して垂直方向に配向していた。また、得られた垂直磁気記録ディスクにおける強磁性層5を透過型電子顕微鏡(TEM)を利用して詳細に分析したところ、グラニュラー構造を備えていた。
得られた各実施例及び比較例の垂直磁気記録ディスクの静磁気特性をVSMと極カーループトレーサーで評価し、保磁力(Hc)及び磁化反転核生成磁界(Hn)の測定結果をまとめて下記表1に示した。
また、各実施例及び比較例の垂直磁気記録ディスクの電磁変換特性は以下のようにして測定し、その結果をまとめて下記表1に示した。
R/Wアナライザー(DECO)と、記録側がSPT素子、再生側がGMR素子を備える垂直磁気記録方式用磁気ヘッドとを用いて測定した。このとき、磁気ヘッドの浮上量は10nmであった。
S/N(DC)、S/N(MF)及びオーバーライト特性(O/W)の測定方法は以下のとおりである。
最高記録密度(1F)を960kfciとして、S/N比は、S/N(DC)とS/N(MF)の測定を行った。S/N(DC)は、24F記録密度(40kfci)で垂直磁気記録媒体上にキャリア信号記録した後に、DC周波数領域から1Fの1.2倍の周波数領域までの媒体ノイズをスペクトロアナライザーを用いて観測し算出した。また、S/N(MF)は、2F記録密度(480kfci)で垂直磁気記録媒体上にキャリア信号記録した後に、DC周波数領域から1Fの1.2倍の周波数領域までの媒体ノイズをスペクトロアナライザーを用いて観測し算出した。さらに、オーバーライト特性は、24F(40kfci)記録密度で垂直磁気記録媒体上にキャリア信号記録した後に、1F記録密度(960kfci)でキャリアを上書きし、元々の24F(40kfci)記録密度のキャリア再生出力と、1F上書き後の12Fキャリアの残存再生出力を測定して求めた。
さらに、各実施例及び比較例の垂直磁気記録ディスクの磁気記録幅(Magnetic Write Width:MWWと表記する。)を以下のようにして測定し、その結果をまとめて下記表1に示した。
すなわち、MWWは、AC消磁後に6Fの信号を記録し、一つのトラックのプロファイル(最大(max.)TAA(Track AverageAmplitude))の半値幅を測定して求めた。なお、最終値(表1の値)は5回測定の平均値とした。
Figure 2010211921
表1の結果から、垂直磁気記録層を構成する前記交換エネルギー制御層のスパッタリング成膜時のスパッタガスとしてアルゴンより質量の重い例えばクリプトンガスを用いることにより、従来のアルゴンガスを用いた場合と比べ、媒体の磁気特性をより一層向上させることができるので、本発明によれば、より一層の高記録密度化に資することが可能であることがわかる。
本発明によれば、磁気特性のより一層の向上を実現することにより、高情報記録密度化に資することができる垂直磁気記録ディスクの製造方法及び垂直磁気記録ディスクを提供することができるので産業上の利用可能性は極めて大きい。
1 ガラス基板
2 付着層
3 軟磁性層
4a 第1下地層
4b 第2下地層
5 強磁性層
6 スペーサ層
7 交換エネルギー制御層(積層)
8 炭素系保護層
9 潤滑層
10 垂直磁気記録ディスク

Claims (4)

  1. 基板上に少なくとも磁気記録層を備え、垂直磁気記録に用いる磁気ディスクの製造方法であって、
    基板上に、グラニュラー構造の強磁性層と、該強磁性層上に形成される交換エネルギー制御層とから構成される磁気記録層を形成する工程において、
    前記交換エネルギー制御層は、前記強磁性層よりも膜厚の薄い、グラニュラー構造となっていない、CoまたはCo合金を含む第1層とパラジウム(Pd)または白金(Pt)を含む第2層との積層であり、
    少なくとも前記交換エネルギー制御層をクリプトン(Kr)ガス雰囲気中においてスパッタリング成膜することを特徴とする垂直磁気記録ディスクの製造方法。
  2. 前記強磁性層は、コバルト(Co)を主体とする結晶粒子と、珪素(Si)酸化物を主体とする粒界部を有することを特徴とする請求項1に記載の垂直磁気記録ディスクの製造方法。
  3. 前記強磁性層と前記交換エネルギー制御層との間に、スペーサ層を形成することを特徴とする請求項1又は2に記載の垂直磁気記録ディスクの製造方法。
  4. 垂直磁気記録に用いる磁気ディスクであって、
    基板と、該基板上に形成された、グラニュラー構造を有する、珪素(Si)の酸化物を含む強磁性層と、該強磁性層上に形成された、コバルト(Co)またはCo合金を含む第1層とパラジウム(Pd)または白金(Pt)を含む第2層との積層からなる交換エネルギー制御層とを有し、前記交換エネルギー制御層にはクリプトン(Kr)元素が含まれていることを特徴とする垂直磁気記録ディスク。
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