JP2003203330A - 磁気記録媒体 - Google Patents

磁気記録媒体

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JP2003203330A
JP2003203330A JP2002000926A JP2002000926A JP2003203330A JP 2003203330 A JP2003203330 A JP 2003203330A JP 2002000926 A JP2002000926 A JP 2002000926A JP 2002000926 A JP2002000926 A JP 2002000926A JP 2003203330 A JP2003203330 A JP 2003203330A
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JP2002000926A
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Masa Nakamura
雅 中村
Takahiro Shimizu
貴宏 清水
Hiroyuki Uwazumi
洋之 上住
Naoki Takizawa
直樹 滝澤
Tadaaki Oikawa
忠昭 及川
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Fuji Electric Co Ltd
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Fuji Electric Co Ltd
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    • GPHYSICS
    • G11INFORMATION STORAGE
    • G11BINFORMATION STORAGE BASED ON RELATIVE MOVEMENT BETWEEN RECORD CARRIER AND TRANSDUCER
    • G11B5/00Recording by magnetisation or demagnetisation of a record carrier; Reproducing by magnetic means; Record carriers therefor
    • G11B5/62Record carriers characterised by the selection of the material
    • G11B5/64Record carriers characterised by the selection of the material comprising only the magnetic material without bonding agent
    • G11B5/65Record carriers characterised by the selection of the material comprising only the magnetic material without bonding agent characterised by its composition
    • G11B5/658Record carriers characterised by the selection of the material comprising only the magnetic material without bonding agent characterised by its composition containing oxygen, e.g. molecular oxygen or magnetic oxide

Abstract

(57)【要約】 【課題】 磁気特性と電磁変換特性に優れ、熱擾乱の影
響の少ない安定な高密度記録が可能な磁気記録媒体を提
供すること。 【解決手段】 非加熱のポリカーボネートまたはポリオ
レフィン等のプラスチック樹脂基板1を用い、磁性層4
を、六方最密充填構造を有する強磁性結晶粒子と、強磁
性結晶粒子間に介在する酸化物を主成分とする非磁性粒
界とから構成されるグラニュラー構造で構成し、下地層
2を体心立方格子構造とし、磁性層4と下地層2との間
に、Ru、Os、Reのうちの少なくとも1つの元素を
主成分とする非磁性金属で構成した優先結晶配向面がh
cp(100)面である六方最密充填構造を有する非磁
性の中間層3を備えさせ、強磁性結晶と非磁性中間層3
を構成する非磁性金属のa軸格子定数のミスマッチ(Δ
a)が6%以内、c軸格子定数のミスマッチ(Δc)が
4%以内であり、かつ、ΔaとΔcの比(Δa/Δc)
が1.5以上であるように構成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁気記録媒体に関
し、より詳細には、磁気特性と電磁変換特性に優れ、熱
擾乱の影響の少ない安定な高密度記録が可能な磁気記録
媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】近年の高度情報化社会を支える情報記録
装置の一つに磁気記憶装置があり、情報の大量化に伴っ
て、磁気記憶装置に用いられる磁気記録媒体には記録密
度の向上や低ノイズ化が要求されている。高記録密度を
実現するためには、磁化反転が生じる単位を小さくしな
ければならず、そのためには、磁性粒子のサイズを微細
化することが必要である。また、ノイズを低減するため
には、磁性粒子のサイズの微細化のみならず、磁気的な
粒子間相互作用による磁化の揺らぎを低減することが重
要である。
【0003】これらの課題を解決するために、様々な磁
性層組成や構造、及び、種々の非磁性下地層やシード層
の材料等が提案されており、特に、一般にグラニュラー
磁性層と呼ばれる、酸化物や窒化物等の非磁性マトリク
スに囲まれた磁性結晶粒子構造を持つ媒体が提案されて
いる。グラニュラー媒体は、磁性粒子間が非磁性物質の
介在によりほぼ完全に磁気的に絶縁されており、個々の
粒子(4〜10nm程度)が最小の磁化単位となり、少
なくともこの程度のサイズまでの微小な高密度記録が可
能となるのみならず、非磁性マトリクスの包囲による粒
子間交換相互作用の抑圧も期待できる。
【0004】例えば、米国特許第5,679,473号
明細書には、SiO等の酸化物が添加されたCoNi
Ptターゲットを用いてRFスパッタリング成膜を行な
うことで、各々の磁性結晶粒が非磁性の酸化物で囲まれ
て個々に分離した構造を持つグラニュラー記録膜が形成
でき、低ノイズ化が実現されることが記載されている。
このようなグラニュラー磁性膜は、非磁性非金属の粒界
相が磁性粒子を物理的に分離するため、磁性粒子間の磁
気的な相互作用が低下し、記録ビットの遷移領域に生じ
るジグザグ磁壁の形成を抑制することにより、低ノイズ
特性が得られると考えられている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】グラニュラー磁性層を
用いて優れた電磁変換特性を有する媒体を実現するため
には、ターゲット中に含まれるSiOのような酸化物
等とCo系合金とを膜中で良好に分離させる必要があ
り、かつ、磁性粒子のサイズを微細化してノイズを低減
させることが重要である。
【0006】しかしながら、磁性層と非磁性中間層のc
軸格子定数のミスマッチが5%以上になると、これらの
層間の格子不整合性により、非磁性中間層の上に成膜さ
れる磁性層のエピタキシャル成長が阻害され、磁性層を
構成する結晶粒子の配向性や結晶性へ影響を及ぼすだけ
でなく、Co系合金粒子からの酸化物の偏析をも阻害し
てしまうという問題がある。
【0007】また、これらの現象は電磁変換特性の劣化
に繋がるため、非磁性中間層と磁性層との間の格子整合
性を制御することにより低ノイズ化を図ることが求めら
れている。
【0008】本発明は、このような問題に鑑みてなされ
たもので、その目的とするところは、磁気特性と電磁変
換特性に優れ、熱擾乱の影響の少ない安定な高密度記録
が可能な磁気記録媒体を提供することにある。
【0009】本発明者らが、グラニュラー磁性層を用い
た磁気記録媒体において、非磁性中間層結晶粒子と磁性
層結晶粒子との格子整合性について鋭意検討した結果、
スパッタ法により作製した非磁性中間層と磁性層とのa
軸格子定数のミスマッチ(Δa)が6%以内であり、か
つ、c軸格子定数のミスマッチ(Δc)が4%以内で両
者の比(Δa/Δc)が1.5以上になると、中間層と
同じ六方最密充填(hcp)構造を有する磁性層の強磁
性結晶粒の良好なエピタキシャル成長が起こり、その結
果、配向性と結晶性が向上され、優れた諸特性を実現で
きることが明らかとなった。すなわち、非磁性中間層の
結晶に対する格子ミスマッチが低下した結果、粒子サイ
ズの小さな微結晶の場合においても、個々の微結晶にお
いて良好なエピタキシャル成長が可能となることが判明
した。
【0010】また、hcp(100)面に優先配向する
非磁性中間層を設けてその上に磁性層を成膜すると、格
子整合性の良いc軸方向と比較して格子整合性の劣るa
軸方向では、磁性層結晶粒子のエピタキシャル成長の際
に結晶成長が阻害・制限される効果が働き、そのためC
o粒子の微細化が実現できる。そして、水平方向(a軸
方向)への結晶成長が制限された結果、磁性層hcp
(100)配向結晶粒の粒界への酸化物の偏析を促すこ
とが判明した。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、このような目
的を達成するために、請求項1に記載の発明は、非磁性
基体上に、非磁性の下地層と、磁性層と、保護層と、液
体潤滑剤膜とを順次成膜して積層された構成の磁気記録
媒体において、前記磁性層が、六方最密充填(hcp)
構造を有する強磁性結晶粒子と、該強磁性結晶粒子間に
介在する酸化物を主成分とする非磁性粒界とから構成さ
れるグラニュラー構造を有し、前記下地層が、体心立方
格子(bcc)構造を有することを特徴とする。
【0012】また、請求項2に記載の発明は、請求項1
に記載の磁気記録媒体において、前記磁性層と前記下地
層との間に、hcp構造を有する非磁性中間層を備え、
該非磁性中間層は、Ru、Os、Reのうちの少なくと
も1つの元素を主成分とする非磁性金属で構成されてお
り、かつ、前記非磁性基体の成膜面と平行な優先結晶配
向面がhcp(100)面であることを特徴とする。
【0013】また、請求項3に記載の発明は、請求項1
又は2に記載の磁気記録媒体において、前記磁性層中の
強磁性結晶粒子は、Cr、Ni、Taのうちの少なくと
も1つの元素を添加したCoPt合金で構成されてお
り、該強磁性結晶と前記非磁性中間層を構成する非磁性
金属のa軸格子定数のミスマッチ(Δa)が6%以内、
c軸格子定数のミスマッチ(Δc)が4%以内であり、
かつ、ΔaとΔcの比(Δa/Δc)が1.5以上であ
ることを特徴とする。
【0014】また、請求項4に記載の発明は、請求項1
乃至3のいずれかに記載の磁気記録媒体において、前記
非磁性基体が、ポリカーボネートまたはポリオレフィン
等のプラスチック樹脂基板であることを特徴とする。
【0015】更に、請求項5に記載の発明は、請求項1
乃至4のいずれかに記載の発明において、前記非磁性基
体が、成膜前の加熱がなされていないものであることを
特徴とする。
【0016】
【発明の実施の形態】以下に、図面を参照して、本発明
の実施の形態について説明する。
【0017】(実施例1)図1は、本発明の磁気記録媒
体の構成例を説明するための図で、この磁気記録媒体
は、非磁性の樹脂基板1の上に、下地層2、非磁性中間
層3、磁性層4、保護層5、および、液体潤滑剤6を順
次積層した層構造となっており、DCスパッタ法を用い
て作製した膜を下地層2に用い、この上にDCスパッタ
法により非磁性層3を成膜し、更にこの上にCo系合金
の磁性層4をエピタキシャル成長させて作製している。
【0018】ここでは、基板として、3.5″直径の樹
脂基板1(ポリカーボネートやポリオレフィン等のプラ
スチック樹脂基板)を用い、これを洗浄後、スパッタ装
置内に導入し、DCスパッタ法で体心立方格子(bc
c)構造を有する下地層2を成膜し、その上にRuター
ゲットを用いて、hcp構造を有する非磁性中間層3を
成膜速度2.3nm/sec、放電Arガス圧30mT
orr下で30nm形成した。
【0019】これに続いて、SiOを10mol%添
加したCoCr12Pt12ターゲットを用い、RFス
パッタ法により放電Arガス圧5mTorr下で、六方
最密充填(hcp)構造を有する強磁性結晶粒子と、こ
れらの強磁性結晶粒子間に介在する酸化物を主成分とす
る非磁性粒界とから構成されるグラニュラー構造を有す
る磁性層4を10nmを形成し、次いで、カーボンの保
護膜層5を厚み8nmで積層した後、真空中から取り出
し、その後、液体潤滑剤6を1.5nmの厚みで塗布し
て磁気記録媒体とした。尚、これらの成膜に先立つ基板
加熱は行っていない。
【0020】第1表に、このようにして作製した非磁性
の中間層と磁性層の結晶構造を、面内X線回折法により
解析した結果を示す。
【0021】
【表1】
【0022】この結果から分るとおり、2θ=28°付
近に現れるCoの(002)の強いピークに加え、2θ
=30°及び46°付近にCo(101)とCo(11
0)の弱いピークが観測される。また、磁性層を構成す
るCoの格子面間隔が3%程度増加しており、非磁性中
間層Ruとのa軸格子定数のミスマッチ(Δa)が6
%、c軸格子定数のミスマッチ(Δc)が3%であり、
理論的に求められる格子ミスマッチよりも低いミスマッ
チ度となっており、両者の比(Δa/Δc)は2以上で
ある。また、磁性層はCo(100)面が面内優先配向
であることが分かる。
【0023】図2は、非磁性中間層と磁性層の断面構造
を解析した透過電子顕微鏡(TEM)像であり、このT
EM像から、非磁性中間層より磁性層がエピタキシャル
成長していることが確認できる。
【0024】一方、平面TEM観察を行なってこれらの
層を構成する結晶粒子の粒径調査を行なった結果から
は、非磁性中間層と磁性層の結晶粒径分布は共に正規分
布を示し、平均粒径はそれぞれ、6nmと4nmであ
り、標準偏差を求めると両者ともに1.3nmであっ
た。また、粒界幅を求めると、1.3nmであった。
【0025】これらの評価の結果、本発明の磁気記録媒
体では、非磁性中間層と磁性層との間の格子定数のミス
マッチ度が低下したことに起因して、磁性層の結晶性と
結晶配向性が向上すると共に、磁性層を構成する結晶粒
子も充分に微細化されており、結晶粒界も明瞭となって
いる。
【0026】なお、本実施例では、磁性層4中の強磁性
結晶粒子は、CoCr12Pt12の組成を有するCo
Pt合金としたが、この組成に限らず、Cr、Ni、T
aのうちの少なくとも1つの元素を添加したCoPt合
金で構成することとしてもよい。
【0027】また、非磁性中間層3をRuターゲットを
用いて成膜することとしたが、Ru、Os、Reのうち
の少なくとも1つの元素を主成分とする非磁性金属で構
成することとすればよい。
【0028】(比較例1)本比較例においては、Co系
合金の磁性層の成膜に、SiOを10mol%添加し
たCoCr12Pt12ターゲットを用いた以外は実施
例1で説明したのと同様の条件下で磁気記録媒体を作製
した。
【0029】第2表に、このようにして作製した磁気記
録媒体の、非磁性中間層と磁性層の結晶構造を面内X線
回折法により解析した結果を示す。
【0030】
【表2】
【0031】この結果から分るとおり、2θ=28°付
近に現れるCoの(002)の強いピークに加え、2θ
=26°、30°、及び、46°付近にCo(10
0)、Co(101)、及び、Co(110)の弱いピ
ークが観測される。また、磁性層を構成するCoの格子
面間隔が若干増加しており、非磁性中間層Ruとのa軸
格子定数のミスマッチが7%、c軸格子定数のミスマッ
チが5%であり、理論的に求められる格子ミスマッチ度
にほぼ一致する結果が得られている。また、磁性層はC
o(100)面が面内に優先的に配向していることが分
かる。
【0032】これに続いて磁性層を平面TEM観察して
結晶構造解析を実行したところ、粒界幅は狭く、かつ、
所々に粒界が不明瞭な領域が存在していることが分かっ
た。また、平面TEM観察による粒径調査において、磁
性層の結晶粒径分布は粒径4nmと9nm付近に分布を
示し、平均粒径は4nmであり、標準偏差を求めると
1.8nmであった。更に、粒界幅を求めると、1.0
nmであった。
【0033】これらの評価の結果、非磁性中間層と磁性
層の格子ミスマッチ度が理論値に近似している場合に
は、磁性層の配向性や結晶性が阻害され、良好なグラニ
ュラー構造の形成に悪影響を与えることが分る。
【0034】(比較例2)本比較例では、非磁性中間層
に体心立方格子(bcc)構造を有するTaを用いて磁
気記録媒体を作製してその結晶性を評価した。なお、非
磁性中間層をTaで構成した以外は実施例1で説明した
のと同様の条件下で磁気記録媒体を作製した。
【0035】第3表に、このようにして作製した磁気記
録媒体の非磁性中間層と磁性層の結晶構造を面内X線回
折法により解析した結果を示す。
【0036】
【表3】
【0037】この結果から分るとおり、2θ=30°及
び28°付近に現れるCoの(002)とCoの(10
1)の強いピークに加え、2θ=26°と46°付近
に、Co(100)及びCo(110)の弱いピークが
観測される。また、磁性層を構成するCoの格子面間隔
が若干増加しており、非磁性中間層Ruとのa軸格子定
数のミスマッチが8%、c軸格子定数のミスマッチが1
2%と非常に大きく、磁性層はランダム配向に近いこと
が分る。
【0038】この磁性層の結晶構造を平面TEM観察に
より解析したところ、粒界幅が狭く、所々に粒界が不明
瞭な領域のあることが分かった。また、粒径調査におい
て、平均粒径は10nmであり、標準偏差を求めると
2.7nmであった。更に、粒界幅を求めると1.0n
mであった。
【0039】これらの結果から、格子定数のミスマッチ
が理論値に近い状態で成膜された磁性層、特に、非磁性
中間層と磁性層のc軸のミスマッチが10%以上と非常
に大きく、磁性層Coと同様のhcp構造ではない材料
を非磁性中間層として用いると、磁性層を構成する結晶
粒子はランダム配向になり、その粒径も大きくなること
が分る。
【0040】(比較例3)実施例1、比較例1、及び、
実施例2で説明した磁気記録媒体について、電磁変換特
性の比較を行った。
【0041】表4は、振動試料型磁力計(VSM)によ
り測定した磁気特性の結果と磁気ディスクの記録再生特
性結果を纏めたものである。なお、記録再生特性はスピ
ンスタンドテスターを用いて孤立再生波形の再生出力、
線記録密度400kFClにて測定したものである。
【0042】
【表4】
【0043】この結果から分るとおり、実施例1の磁気
記録媒体は、比較例2、3の磁気記録媒体と比較し、ノ
イズが60%以上小さくなり、SNRが30%以上向上
している。また、実施例1の磁気記録媒体の保磁力(H
c)が高く、角型性を示す指標(S)が1に近い(角
型に近い)のは、既に実施例1において説明したよう
に、格子ミスマッチ度の低下によって磁性層の成長がエ
ピタキシャル的に起こることにより、磁性層の結晶性と
配向性が向上したことによる。更に、磁性層と非磁性中
間層とのa軸格子定数のミスマッチを6%以内、c軸格
子定数のミスマッチを4%以内にしたことにより、磁性
層を構成する結晶粒子の粒径が微細化され、結晶粒界へ
の偏析も促進されたために磁性結晶粒子間の相互作用が
低減されたことにより、ノイズが低減しSNR値が向上
している。
【0044】なお、磁性層と非磁性中間層との間の格子
整合性をより良好に制御することとすれば、より良好な
電磁変換特性を得ることが可能となる。
【0045】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
非磁性中間層と磁性層との間の格子整合性を最適な値と
することにより、磁性層の結晶性や配向性の向上、及
び、結晶粒径の制御、更には、粒界への偏析の促進が可
能となり、低ノイズで磁気特性と電磁変換特性に優れた
磁気記録媒体を提供することが可能となる。
【0046】さらに、非磁性中間層の構造を制御するこ
とにより、酸化物の粒界への偏析を促進できるため、磁
性結晶粒子間の相互作用の低減が可能である。したがっ
て、本発明の磁気記録媒体は磁性微粒子を小さくした場
合においても、室温において充分に高い保磁力を有する
こととなる。このため、熱擾乱の影響が少なく、安定な
高密度記録化の実現が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の磁気記録媒体の構成例を説明するため
の図である。
【図2】実施例1の磁気記録媒体の断面構造を示すTE
M像である。
【符号の説明】
1 樹脂基板 2 下地層 3 非磁性中間層 4 磁性層 5 保護層 6 液体潤滑剤
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 上住 洋之 神奈川県川崎市川崎区田辺新田1番1号 富士電機株式会社内 (72)発明者 滝澤 直樹 神奈川県川崎市川崎区田辺新田1番1号 富士電機株式会社内 (72)発明者 及川 忠昭 神奈川県川崎市川崎区田辺新田1番1号 富士電機株式会社内 Fターム(参考) 5D006 BB01 BB06 BB07 CA01 CA05 CA06 CB01

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非磁性基体上に、非磁性の下地層と、磁
    性層と、保護層と、液体潤滑剤膜とを順次成膜して積層
    された構成の磁気記録媒体において、 前記磁性層が、六方最密充填(hcp)構造を有する強
    磁性結晶粒子と、該強磁性結晶粒子間に介在する酸化物
    を主成分とする非磁性粒界とから構成されるグラニュラ
    ー構造を有し、 前記下地層が、体心立方格子(bcc)構造を有するこ
    とを特徴とする磁気記録媒体。
  2. 【請求項2】 前記磁性層と前記下地層との間に、hc
    p構造を有する非磁性中間層を備え、 該非磁性中間層は、Ru、Os、Reのうちの少なくと
    も1つの元素を主成分とする非磁性金属で構成されてお
    り、かつ、前記非磁性基体の成膜面と平行な優先結晶配
    向面がhcp(100)面であることを特徴とする請求
    項1に記載の磁気記録媒体。
  3. 【請求項3】 前記磁性層中の強磁性結晶粒子は、C
    r、Ni、Taのうちの少なくとも1つの元素を添加し
    たCoPt合金で構成されており、 該強磁性結晶と前記非磁性中間層を構成する非磁性金属
    のa軸格子定数のミスマッチ(Δa)が6%以内、c軸
    格子定数のミスマッチ(Δc)が4%以内であり、か
    つ、ΔaとΔcの比(Δa/Δc)が1.5以上である
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の磁気記録媒
    体。
  4. 【請求項4】 前記非磁性基体が、ポリカーボネートま
    たはポリオレフィン等のプラスチック樹脂基板であるこ
    とを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の磁気
    記録媒体。
  5. 【請求項5】 前記非磁性基体が、成膜前の加熱がなさ
    れていないものであることを特徴とする請求項1乃至4
    のいずれかに記載の磁気記録媒体。
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