JP2007164941A - 垂直磁気記録媒体 - Google Patents

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Abstract

【課題】高い飽和磁束密度と優れた軟磁気特性を有し磁気異方性の制御された軟磁性裏打ち膜、膜厚の薄い中間膜、および十分な垂直磁気異方性を有する記録膜の全ての条件を満たす垂直磁気記録媒体を提供する。
【解決手段】Taに代表される第1の下地膜と、Ptに代表される第2の下地膜と、Mn系合金膜と、一般式(FexCo1-xy(A)1-y(ここで、0.6≦x≦0.8であり、0≦1−y≦0.3であり、AはB、C、Mg、Al、Si、Ti、V、Cr、Mn、Ni、Cu、Zn、Ga、Ge、Y、Zr、Nb、Mo、Ru、Rh、Pd、Ag、In、Hf、Ta、W、Ir、PtおよびAuからなる群より選択される少なくとも1種の元素を含む、単体金属、合金、酸化物または窒化物である)で表される軟磁性裏打ち膜と、中間膜と、垂直磁気異方性を有する記録膜とを有することを特徴とする垂直磁気記録媒体。
【選択図】 図1

Description

本発明は、軟磁性裏打ち膜、中間膜、および垂直磁気異方性を有する記録膜を基本構成とする垂直磁気記録媒体に関し、特に記録密度の高密度化に対応できる垂直磁気記録媒体に関する。
情報記録の大容量・高速化に伴い、情報ストレージ装置の近年の進歩にはめざましいものがある。特に、大容量・高速で、信頼性に優れ、情報の書き換えが可能なハードディスクは、情報ストレージ装置の中では確固たる地位を築いてきた。
大容量化による記録密度の高密度化に伴って、製品レベルにおいても、記録方式は面内磁気記録から垂直磁気記録へと移り変わろうとしている。垂直磁気記録媒体は、基本的には、基板上に、軟磁性裏打ち膜、中間膜、記録膜が順次積層された膜構造を有する。
情報を記録するための磁性膜(記録膜)として用いられているCo−Pt系グラニュラー膜は、垂直磁気異方性を発現するために、c軸に結晶配向することが必要である。通常の室温製膜においては、十分な結晶配向が得られないため、記録膜の結晶配向を促進するために中間膜を用いている。十分な結晶配向を得るためには、この中間膜の膜厚をある程度厚くすることで、まず中間膜の結晶配向を確保し、その上に形成される記録膜の結晶配向を維持している。あるいは、中間膜に複数の膜からなる複合膜を用いることも有効であるが、複合膜全体の膜厚は厚くなってしまう。
また、軟磁性裏打ち膜はその膜厚が比較的厚いため、生産性の観点から、その膜厚の低減が必要であり、高い飽和磁束密度を持つ軟磁性材料が求められている。しかしながら、一般に、高い飽和磁束密度を持つ軟磁性裏打ち膜の結晶構造は、その上に積層される中間膜の結晶配向を劣化させてしまうことが多い。そのため、軟磁性裏打ち膜には、アモルファス膜やグラニュラー膜など、その結晶構造が中間膜の結晶配向に影響を与えにくい材料が選択される。このような材料は、必然的に飽和磁束密度が低くなってしまうため、膜厚が増大してしまう。また、軟磁性裏打ち膜の結晶構造が、中間膜の結晶配向を劣化させてしまう場合には、軟磁性裏打ち膜と中間膜との間に、アモルファス膜を積層し、軟磁性裏打ち膜の結晶構造の影響を取り除くということも行われるが、この場合においても、軟磁性裏打ち膜と記録膜の間の膜厚が増大してしまう。さらに、軟磁性裏打ち膜の別の課題としては、その磁気異方性の制御がある。
一方、垂直磁気記録方式による高記録密度を実現するためには、単磁極磁気ヘッドと垂直磁気記録媒体の裏打ち膜との距離を短縮し、単磁極磁気ヘッドのヘッド磁界を最大限に利用できるようにする必要がある。そのためには、上記の中間膜を薄くしなくてはならない。
本発明の目的は、高い飽和磁束密度と優れた軟磁気特性を有し磁気異方性の制御された軟磁性裏打ち膜、膜厚の薄い中間膜、および十分な垂直磁気異方性を有する記録膜の全ての条件を満たす垂直磁気記録媒体を提供することにある。
本発明の垂直磁気記録媒体は、
V、Cr、Fe、Nb、Mo、Ta、W、Ti、Co、Ru、Zr、Pt、ZnおよびHfからなる群より選択される少なくとも1種の元素を含有する第1の下地膜と、
Pt、Au、Ag、Ru、Pd、Al、Cu、Rh、IrおよびNiからなる群より選択される少なくとも1種の元素を含有する第2の下地膜(ただし第2の下地膜の材料は第1の下地膜の材料と異なる)と、
一般式Mna1-a(ここで、0.4≦a≦0.95であり、MはFe、Ir、Pt、Cr、Rh、Ru、Pd、Ni、Co、Au、CuおよびAgからなる群より選択される少なくとも1種の元素を含む)で表されるMn系合金膜と、
一般式(FexCo1-xy(A)1-y(ここで、0.6≦x≦0.8であり、0≦1−y≦0.3であり、AはB、C、Mg、Al、Si、Ti、V、Cr、Mn、Ni、Cu、Zn、Ga、Ge、Y、Zr、Nb、Mo、Ru、Rh、Pd、Ag、In、Hf、Ta、W、Ir、PtおよびAuからなる群より選択される少なくとも1種の元素を含む、単体金属、合金、酸化物または窒化物である)で表される軟磁性裏打ち膜と、
中間膜と、
垂直磁気異方性を有する記録膜と
を有することを特徴とする。
本発明に係る垂直磁気記録媒体は、軟磁性裏打ち膜が高い飽和磁束密度を有しているため、その膜厚を薄くすることができ、生産性を向上させることができる。また、優れた軟磁気特性を有し、磁気異方性が制御されているため、軟磁性裏打ち膜に起因するノイズを低減することができ、再生信号品質を向上させることができる。また、本発明に係る垂直磁気記録媒体は、中間膜の膜厚が薄いため、生産性を向上させるとともに磁気ヘッドの記録能力を向上させることができる。さらに、本発明に係る垂直磁気記録媒体は、記録膜が十分な垂直磁気異方性を発現するため、媒体の性能を向上させることができる。
以下、本発明に係る垂直磁気記録媒体について詳細に説明する。
本発明の垂直磁気記録媒体において、軟磁性裏打ち膜は、一般式(FexCo1-xy(A)1-y(ここで、0.6≦x≦0.8であり、0≦1−y≦0.3であり、AはB、C、Mg、Al、Si、Ti、V、Cr、Mn、Ni、Cu、Zn、Ga、Ge、Y、Zr、Nb、Mo、Ru、Rh、Pd、Ag、In、Hf、Ta、W、Ir、PtおよびAuからなる群より選択される少なくとも1種の元素を含む、単体金属、合金、酸化物または窒化物である)で表される軟磁性材料からなる。
適切な組成を有するFeCoは、スパッタリングターゲットや成膜条件を調整することによって、その飽和磁束密度が合金系で得られる最高値である2.45Tに到達することが知られている。FexCo1-x(0.6≦x≦0.8)で表される組成範囲のFeCo合金も、上記の値に近い飽和磁束密度を有する。また、FexCo1-x(0.6≦x≦0.8)に対して30%以下の成分A(ここで、AはB、C、Mg、Al、Si、Ti、V、Cr、Mn、Ni、Cu、Zn、Ga、Ge、Y、Zr、Nb、Mo、Ru、Rh、Pd、Ag、In、Hf、Ta、W、Ir、PtおよびAuからなる群より選択される少なくとも1種の元素を含む、単体金属、合金、酸化物または窒化物である)を含有した組成を有する合金も高い飽和磁束密度を有する。2.3T以上の高い飽和磁束密度を得るためには、成分Aの含有量は5%以下であることが好ましい。また、生産性の観点から、軟磁性裏打ち膜の膜厚は200nm以下であることが好ましい。
なお、軟磁性裏打ち膜の磁気異方性を制御するために、軟磁性裏打ち膜の中間に非磁性膜を挟んで層間結合を利用してもよい。
軟磁性裏打ち膜は、結晶配向性の指標である、X線回折プロファイルによるロッキングカーブの半値幅が6度以下であることが好ましい。結晶配向性の向上は、製膜条件の最適化によっても可能であるが、実際の製造プロセスとの整合性や生産性を考慮した場合、以下において説明するように多層の下地膜を用いることが有効である。
軟磁性裏打ち膜の磁気異方性の制御は、製膜する際に永久磁石などにより所望の方向に外部磁場を印加することによっても可能であるが、より強く磁気異方性を制御するには交換結合を利用する。そのための1つの手段として、軟磁性裏打ち膜の下に反強磁性膜を設ける。本発明の垂直磁気記録媒体は、軟磁性裏打ち膜の下に、反強磁性膜として一般式Mna1-a(ここで、0.4≦a≦0.95であり、MはFe、Ir、Pt、Cr、Rh、Ru、Pd、Ni、Co、Au、CuおよびAgからなる群より選択される少なくとも1種の元素を含む)で表されるMn系合金膜を有する。なお、Ir、RhまたはRuを含有するMn系合金では0.5≦a≦0.95、それ以外の元素を含有するMn系合金では0.4≦a≦0.85であることが好ましい。上記一般式で表されるMn系合金膜は、FeCo系軟磁性裏打ち膜の結晶配向性を向上させ、保磁力を低下させ、かつ交換結合によって磁気異方性を制御するのに有効である。
具体的なMn系合金膜としては、MnFe合金、MnIr合金、MnPt合金、MnCr合金、MnRh合金、MnRu合金、MnPd合金、MnNi合金、MnCo合金、MnAu合金、MnCu合金、MnAg合金、MnRhRu合金、MnFeRh合金、MnPtPd合金、MnPtCr合金、MnNiCr合金などが挙げられる。
本発明の垂直磁気記録媒体は、Mn系合金膜の下に第2の下地膜を有し、さらに第2の下地膜の下に第1の下地膜を有する。第1の下地膜は、V、Cr、Fe、Nb、Mo、Ta、W、Ti、Co、Ru、Zr、Pt、ZnおよびHfからなる群より選択される少なくとも1種の元素を含有する。第2の下地膜はPt、Au、Ag、Ru、Pd、Al、Cu、Rh、IrおよびNiからなる群より選択される少なくとも1種の元素を含有する第2の下地膜(ただし第2の下地膜の材料は第1の下地膜の材料と異なる)。
第1の下地膜および第2の下地膜の積層膜を設けたことにより、Mn系合金膜だけでなく、FeCo系軟磁性裏打ち膜、中間膜、および記録膜の結晶配向性をさらに向上させ、Mn系合金膜とFeCo系軟磁性裏打ち膜との間の交換結合を強めることができる。
本発明の垂直磁気記録媒体において、中間膜としては、Ag、Al、Au、Cr、Cu、Pd、Pt、Ru、Ta、Ti、WおよびZrからなる群より選択される少なくとも1種の元素を含む、単体金属、合金、または酸化物が挙げられる。中間膜は記録膜の結晶配向を促進するものであれば特に限定されない。中間膜はこれらの材料からなる多層膜でもよい。電磁変換特性および生産性の観点から、中間膜の膜厚は20nm以下であることが好ましい。
本発明の垂直磁気記録媒体において、垂直磁気異方性を有する記録膜としては、Co−Pt合金、Fe−Pt合金、Sm−Co合金、Co/Pd多層膜、Co/Pt多層膜、またはこれらに適量のCrなどの金属もしくはSiO2などの酸化物などを添加した材料からなるものが挙げられる。これらの材料は垂直磁気異方性を有し、高密度磁気記録に適した粒子サイズであれば、特に限定されない。記録膜はこれらの材料からなる多層膜でもよい。
本発明に係る垂直磁気記録媒体は、高い飽和磁束密度、良好な軟磁気特性、交換結合により制御された磁気異方性、および高い結晶配向性を示すFeCo系軟磁性裏打ち膜を有している。軟磁性裏打ち膜は、高い飽和磁束密度により膜厚を低減できるため、生産性が向上する。また、良好な軟磁気特性と交換結合により制御された磁気異方性により、軟磁性裏打ち膜に起因するノイズを低減することができるため、再生信号品質が向上する。また、高い結晶配向性により、FeCo系軟磁性裏打ち膜の上に積層される中間膜の膜厚を大きく低減できるため、生産性を向上させるとともに、磁気ヘッドの記録能力を向上させることができる。さらに、中間膜の上に積層される記録膜に十分な垂直磁気異方性を発現させることができるため、垂直磁気記録媒体の性能を向上させることができる。
本発明において、一般式(FexCo1-xy(A)1-yで表される軟磁性裏打ち膜はスパッタリング法により成膜することができる。具体的には、以下のような方法を用いることができる。
1)FeCoにAを5%以下含有させた焼結ターゲットを用いてスパッタリングを行う。
2)FeCo合金ターゲットとAターゲットを用いて同時スパッタリングを行う。
3)FeCo合金ターゲット上にAチップを添付した複合ターゲットを用いてスパッタリングを行う。
スパッタリング条件をいったん決定すれば、それ以降は安定して所望の磁気特性を有する軟磁性裏打ち膜を作製できる。それ以外の膜についても、同様の方法により成膜することができる。
実施例1
図1に本実施例において作製した垂直磁気記録媒体の断面図を示す。基板1上に、第1の下地膜2、第2の下地膜3、Mn系合金膜4、FeCo系軟磁性裏打ち膜5、中間膜6、および記録膜7が積層されている。
ターゲットとして、直径50mm、厚さ2mmの円盤状の、Ta、Pt、Mn0.8Ir0.2、(Fe0.70Co0.300.99(Al230.01、Ru、および(Co0.80Pt0.20)−(TiO2)[CoPt:TiO2=70:30vol%]を用いた。基板として、直径62.5mmのガラスディスクを用いた。
上記の6つのターゲットおよび基板を、8ターゲットの超高真空スパッタリング装置(アルバック製MPS−4000−C6)の真空槽内に固定した。基板とターゲットとの距離を約200mmに調整した。また、軟磁性裏打ち膜に磁気異方性を付与するために、基板の背面に永久磁石を配置し、基板の半径方向に100Oe以上の磁場が印加されるようにした。真空槽内を2×10-7Paになるまで排気した。その後、真空槽内にArガスを導入し、その流量によって圧力(0.1〜10Pa)を調整した。スパッタ速度は投入電力(10〜200W)によって調整した。
ガラス基板1上にTaターゲットを用いて第1の下地膜2を5nm堆積し、Ptターゲットを用いて第2の下地膜3を10nm堆積し、Mn0.8Ir0.2ターゲットを用いてMn系合金膜4を10nm堆積し、(Fe0.70Co0.300.99(Al230.01ターゲットを用いて軟磁性裏打ち膜5を50nm堆積し、Ruターゲットを用いて中間膜6を10nm堆積し、(Co0.80Pt0.20)−(TiO2)[CoPt:TiO2=70:30vol%]を用いて記録膜7を15nm堆積した。
第1の下地膜から軟磁性裏打ち膜までの製膜時のガス圧を1Pa、中間膜および記録膜の製膜時のガス圧を5Pa、投入電力を100Wとして作製された垂直磁気記録媒体について各種の測定を行った。
Kerr効果測定を行った。その結果、記録膜の保磁力は4.5kOe、角形比は1となり、垂直磁気記録媒体として十分な特性となった。
振動試料磁力計(VSM)を用い、(Fe0.70Co0.300.99(Al230.01からなる軟磁性裏打ち膜の特性評価を行った。図2に本実施例に係る軟磁性裏打ち膜の磁化曲線を示す。飽和磁束密度は2.42T、困難軸方向の保磁力は0.3Oe、異方性磁界は100Oeとなり、高飽和磁束密度、良好な軟磁気特性、良好な磁気異方性を示していた。さらに、容易軸方向の磁化曲線から、交換結合によりバイアス磁界が発生し、磁区が制御されていることがわかる。
比較例として、第1の下地膜を有しない垂直磁気記録媒体を作製した。記録膜の保磁力は2.4kOe、角形比は0.5となり、垂直磁気記録媒体として不十分な特性となった。
結晶配向性の指標として、X線回折プロファイルによるロッキングカーブの半値幅を測定するために、X線回折測定を行った。図3(a)および(b)に、本実施例および比較例に係る垂直磁気記録媒体のX線回折プロファイルおよび軟磁性裏打ち膜のロッキングカーブを示す。Taからなる第1の下地膜を有する本実施例の垂直磁気記録媒体(a)では、強い回折ピークが観測され、ロッキングカーブの半値幅は、軟磁性裏打ち膜、中間膜および記録膜に対して、すべて6度以下であり、高い結晶配向性を示した。一方、第1の下地膜を有しない比較例の垂直磁気記録媒体(b)では、弱い回折ピークしか観測されず、ロッキングカーブの半値幅はすべて10度以上であり、結晶配向性は低かった。
以上のように、高い結晶配向性を有するFeCo系軟磁性裏打ち膜により、垂直磁気記録媒体の特性は大きく改善されていることがわかる。
実施例2
実施例1と同様の手順で、基板1上に、第1の下地膜2としてTaを5nmに固定して堆積し、第2の下地膜3としてPtを10nmに固定して堆積し、Mn系合金膜4としてMnIrを10nmに固定して堆積し、軟磁性裏打ち膜5として(Fe0.70Co0.300.99(Al230.01を種々の膜厚で堆積し、中間膜6としてRuを10nmに固定して堆積し、記録膜7として(Co0.80Pt0.20)−(TiO2)[CoPt:TiO2=70:30vol%]を15nmに固定して堆積した。
図4に、得られた垂直磁気記録媒体について、(Fe0.70Co0.300.99(Al230.01軟磁性裏打ち膜の困難軸方向の保磁力および異方性磁界と膜厚との関係を示す。図4から、(Fe0.70Co0.300.99(Al230.01軟磁性裏打ち膜の膜厚が10〜500nmの範囲において、困難軸方向の保磁力は1Oe以下、異方性磁界は80Oe以上であることがわかる。
また、(Fe0.70Co0.300.99(Al230.01軟磁性裏打ち膜の膜厚が図4に示す範囲にあるすべての垂直磁気記録媒体において、飽和磁束密度は2.42Tとほぼ一定であった。
結晶配向性の指標として、X線回折プロファイルによるロッキングカーブの半値幅を測定したところ、軟磁性裏打ち膜、中間膜および記録膜に対して、すべて6度以下であり、高い結晶配向性を示した。
以上のように、軟磁性裏打ち層としての良好な軟磁気特性と高い結晶配向性を、膜厚が10〜500nmの範囲で示し、膜厚の選択範囲がきわめて広いことがわかる。従って、軟磁性裏打ち層の膜厚を大きく低減することが可能である。
実施例3
実施例1と同様の手順で、基板1上に、第1の下地膜2としてTaを5nmに固定して堆積し、第2の下地膜3としてPtを10nmに固定して堆積し、Mn系合金膜4としてMnIrを10nmに固定して堆積し、軟磁性裏打ち膜5として(Fe0.70Co0.300.99(Al230.01を50nmに固定して堆積し、中間膜6としてRuを種々の膜厚で堆積し、記録膜7として(Co0.80Pt0.20)−(TiO2)[CoPt:TiO2=70:30vol%]を15nmに固定して堆積した。
比較例として、第1の下地膜を有しない以外は上記と同様の種々の膜厚のRu中間膜を有する垂直磁気記録媒体を作製した。
図5に、(Co0.80Pt0.20)−(TiO2)[CoPt:TiO2=70:30vol%]からなる記録膜の保磁力とRu中間膜の膜厚との関係を示す。図6に、(Co0.80Pt0.20)−(TiO2)[CoPt:TiO2=70:30vol%]からなる記録膜の角形比とRu中間膜の膜厚との関係を示す。第1の下地膜(Ta)を有する結晶配向性の高い垂直磁気記録媒体では、Ru中間膜の膜厚が0.5nmで軟磁性裏打ち膜と記録膜との磁気的な結合が大きく弱まり、Ru中間膜の膜厚が1nmで保磁力が飽和し角形比が1になっている。一方、第1の下地膜を有しない結晶配向性の低い垂直磁気記録媒体は、保磁力が低下し、角形比が1にならない。
結晶配向性の指標として、X線回折プロファイルによるロッキングカーブの半値幅を測定したところ、軟磁性裏打ち膜、中間膜および記録膜に対して、第1の下地膜(Ta)を有する本実施例の垂直磁気記録媒体ではすべて6度以下であったが、第1の下地膜を有しない比較例の垂直磁気記録媒体ではすべて10度以上で結晶配向性は低かった。
以上のように、第1の下地膜(Ta)を有する本実施例の垂直磁気記録媒体では、Ru中間膜の膜厚を1nm程度まで低減できることがわかる。
実施例4
FeCo系軟磁性裏打ち膜のターゲットとして、Al23含有量が異なる(Fe0.70Co0.30y(Al23)1-y(0.005≦1−y≦0.05)の焼結体を用い、実施例1と同様の手順で垂直磁気記録媒体を作製した。
図7に、得られた垂直磁気記録媒体について、軟磁性裏打ち膜の飽和磁束密度および困難軸方向の保磁力とAl23含有量との関係を示す。図7から、Al23含有量が0.5〜5%であれば、飽和磁束密度は2.3T以上、困難軸方向の保磁力は1Oe以下であることがわかる。
また、(Fe0.70Co0.30y(Al231-y膜の組成が図7に示す範囲にあるすべての垂直磁気記録媒体において、軟磁性裏打ち膜の異方性磁界は80Oe以上であった。
結晶配向性の指標として、X線回折プロファイルによるロッキングカーブの半値幅を測定したところ、軟磁性裏打ち膜、中間膜および記録膜に対して、すべて6度以下であり、高い結晶配向性を示した。
実施例5
FeCo系軟磁性裏打ち膜のターゲットとして、成分AがB、C、Mg、Al、Si、Ti、V、Cr、Mn、Ni、Cu、Zn、Ga、Ge、Y、Zr、Nb、Mo、Ru、Rh、Pd、Ag、In、Hf、Ta、W、Ir、PtおよびAuからなる群より選択される少なくとも1種の元素を含む、単体金属、合金、酸化物または窒化物である、(Fe0.70Co0.300.99(A)0.01の焼結体を用い、実施例1と同様の手順で垂直磁気記録媒体を作製した。
表1に、得られたいくつかの垂直磁気記録媒体について、軟磁性裏打ち膜の飽和磁束密度(Bs)、困難軸方向の保磁力(Hch)、異方性磁界(Hk)の値を示す。
表1から、すべての軟磁性裏打ち膜で、飽和磁束密度は2.3T以上、困難軸方向の保磁力は1Oe以下、異方性磁界は80Oe以上であることがわかる。また、成分Aの含有量が0.5%以上、5%以下の範囲であれば、すべてのAに対して飽和磁束密度は2.3T以上、困難軸方向の保磁力は1Oe以下、異方性磁界は80Oe以上であった。
結晶配向性の指標として、X線回折プロファイルによるロッキングカーブの半値幅を測定したところ、軟磁性裏打ち膜、中間膜および記録膜に対して、すべて6度以下であり、高い結晶配向性を示した。
Figure 2007164941
実施例6
Mn系合金膜のターゲットとして合金成分MがFe、Ir、Pt、Cr、Rh、Ru、Pd、Ni、Co、Au、CuまたはAgであるMna1-a(0.4≦a≦0.95)を用い、実施例1と同様の手順で垂直磁気記録媒体を作製した。
表2に、得られた垂直磁気記録媒体について、軟磁性裏打ち膜の飽和磁束密度(Bs)、困難軸方向の保磁力(Hch)、異方性磁界(Hk)の値を示す。
表2から、すべての軟磁性裏打ち膜で、飽和磁束密度は2.3T以上、困難軸方向の保磁力は1Oe以下、異方性磁界は80Oe以上であることがわかる。
結晶配向性の指標として、X線回折プロファイルによるロッキングカーブの半値幅を測定したところ、軟磁性裏打ち膜、中間膜および記録膜に対して、すべて6度以下であり、高い結晶配向性を示した。
Figure 2007164941
実施例7
第1の下地膜のターゲットとしてV、Cr、Fe、Nb、Mo、Ta、W、Ti、Co、Ru、Zr、Pt、ZnまたはHf、第2の下地膜のターゲットとしてPt、Au、Ag、Ru、Pd、Al、Cu、Rh、IrまたはNiを用い、実施例1と同様の手順で垂直磁気記録媒体を作製した。
表3および表4に、得られたいくつかの垂直磁気記録媒体について、軟磁性裏打ち膜の飽和磁束密度(Bs)、困難軸方向の保磁力(Hch)、異方性磁界(Hk)の値を示す。
表3および表4から、すべての軟磁性裏打ち膜で、飽和磁束密度は2.3T以上、困難軸方向の保磁力は1Oe以下、異方性磁界は80Oe以上であることがわかる。
結晶配向性の指標として、X線回折プロファイルによるロッキングカーブの半値幅を測定したところ、軟磁性裏打ち膜、中間膜および記録膜に対して、すべて6度以下であり、高い結晶配向性を示した。
Figure 2007164941
Figure 2007164941
本発明の実施例において作製した垂直磁気記録媒体の断面図。 実施例1に係る軟磁性裏打ち膜の磁化曲線を示す図。 実施例1および比較例に係る垂直磁気記録媒体のX線回折プロファイルおよび軟磁性裏打ち膜のロッキングカーブを示す図。 実施例2に係る垂直磁気記録媒体について、軟磁性裏打ち膜の困難軸方向の保磁力および異方性磁界と膜厚との関係を示す図。 実施例3に係る垂直磁気記録媒体について、記録膜の保磁力とRu中間膜の膜厚との関係を示す図。 実施例3に係る垂直磁気記録媒体について、記録膜の角形比とRu中間膜の膜厚との関係を示す図。 実施例4に係る垂直磁気記録媒体について、軟磁性裏打ち膜の飽和磁束密度および困難軸方向の保磁力とAl23含有量との関係を示す図。
符号の説明
1…基板、2…第1の下地膜、3…第2の下地膜、4…Mn系合金膜、5…FeCo系軟磁性裏打ち膜、6…中間膜、7…記録膜。

Claims (2)

  1. V、Cr、Fe、Nb、Mo、Ta、W、Ti、Co、Ru、Zr、Pt、ZnおよびHfからなる群より選択される少なくとも1種の元素を含有する第1の下地膜と、
    Pt、Au、Ag、Ru、Pd、Al、Cu、Rh、IrおよびNiからなる群より選択される少なくとも1種の元素を含有する第2の下地膜(ただし第2の下地膜の材料は第1の下地膜の材料と異なる)と、
    一般式Mna1-a(ここで、0.4≦a≦0.95であり、MはFe、Ir、Pt、Cr、Rh、Ru、Pd、Ni、Co、Au、CuおよびAgからなる群より選択される少なくとも1種の元素を含む)で表されるMn系合金膜と、
    一般式(FexCo1-xy(A)1-y(ここで、0.6≦x≦0.8であり、0≦1−y≦0.3であり、AはB、C、Mg、Al、Si、Ti、V、Cr、Mn、Ni、Cu、Zn、Ga、Ge、Y、Zr、Nb、Mo、Ru、Rh、Pd、Ag、In、Hf、Ta、W、Ir、PtおよびAuからなる群より選択される少なくとも1種の元素を含む、単体金属、合金、酸化物または窒化物である)で表される軟磁性裏打ち膜と、
    中間膜と、
    垂直磁気異方性を有する記録膜と
    を有することを特徴とする垂直磁気記録媒体。
  2. 前記軟磁性裏打ち膜のX線回折プロファイルによるロッキングカーブの半値幅が6度以下であることを特徴とする請求項1に記載の垂直磁気記録媒体。
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