JP4453479B2 - 交換結合型軟磁性材料 - Google Patents

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Description

本発明は、交換結合により磁気異方性が制御された軟磁性材料に関し、特に垂直磁気記録媒体の軟磁性裏打ち膜および高保磁力記録媒体に対応できる磁気ヘッドのコア材料として好適に使用できる、交換結合により磁気異方性が制御された軟磁性材料に関する。
情報記録の大容量・高速化に伴い、情報ストレージ装置の近年の進歩にはめざましいものがある。特に、大容量・高速で、信頼性に優れ、情報の書き換えが可能なハードディスクは、情報ストレージ装置の中では確固たる地位を築いてきた。
大容量化による記録密度の高密度化に伴って、記録方式は面内磁気記録から垂直磁気記録へと移り変わろうとしている。垂直磁気記録媒体には軟磁性膜からなる裏打ち膜が必要となり、その磁気異方性の制御が課題となっている。また、軟磁性裏打ち膜はその膜厚が比較的厚いため、生産性の観点から膜厚の低減が必要であり、高い飽和磁束密度を持つ軟磁性膜が求められている。
一方、磁気記録媒体の保磁力は増大する傾向にある。こうした高保磁力の記録媒体に記録をするための磁気ヘッドのコア材料には、より高い飽和磁束密度を持つ軟磁性膜が求められるとともに、磁気異方性の制御が課題となっている。
その他に、軟磁性裏打ち膜でも磁気ヘッドコア材料でも、高周波領域でのうず電流損失を低減させるために、電気抵抗率の高い軟磁性膜も求められている。
上述したように、垂直磁気記録媒体用軟磁性裏打ち膜または磁気ヘッドコア材料に用いられる軟磁性膜に求められる特性として、高い飽和磁束密度が挙げられる。FexCo1-y合金(0.6≦x≦0.8)は2.4T以上の高い飽和磁束密度を持つことが知られており、これまで長年に渡り研究されてきた。しかし、この組成のFeCo合金を通常のスパッタリング法によって薄膜にした場合、保磁力が50〜100Oeとなり、垂直磁気記録媒体用軟磁性裏打ち膜または磁気ヘッドコア材料としては使用できなかった。ところが、最近になって、軟磁性下地膜上にFeCo系合金膜を積層することにより、FeCo系合金の困難軸方向の保磁力を低下させることはできることが報告された(非特許文献1参照)。これにより、2.3T以上の高い飽和磁束密度を有するFeCo系合金を用い、高い飽和磁束密度、優れた軟磁気特性、広い膜厚範囲を同時に達成することができる。さらに、こうした積層構造の軟磁性材料は設計マージンや製造マージンも大きくなるため、軟磁性裏打ち膜材料および磁気ヘッドコア材料だけでなく、薄膜インダクタ、薄膜トランス、高周波ノイズフィルタなどにも適用できる。しかし、従来の技術では、FeCo合金の磁気異方性をうまく制御することはできない。
次に、垂直磁気記録媒体用軟磁性裏打ち膜または磁気ヘッドコア材料に用いられる軟磁性膜に求められる別の特性として、高い電気抵抗率が挙げられる。FexCo1-x合金(0.6≦x≦0.8)は2.4T以上の高い飽和磁束密度を持つが、その電気抵抗率は10μΩ・cm程度である。前記組成のFexCo1-x合金に絶縁物を添加することによって電気抵抗率は増大させることはできるが、良好な軟磁気特性を保ったまま、磁気異方性をうまく制御することはできない。
従って、一方では、高い飽和磁束密度、優れた軟磁気特性、広い膜厚範囲という優れた特長を損なうことなく、磁気異方性を良好に制御できる軟磁性材料を見いだすことが必要となる。また、他方では、優れた軟磁気特性、広い膜厚範囲という優れた特長を損なうことなく、高い電気抵抗率を有し、磁気異方性を良好に制御できる軟磁性材料を見いだすことが必要となる。
K. Shintaku, K. Yamakawa, and K. Ouchi, "High-Bs Fe-Co-Al-O soft magnetic films," J. Appl. Phys., vol. 93, no. 10, pp. 6474-6476, 2003.
本発明の目的は、高い飽和磁束密度または高い電気抵抗率を有し、かつ優れた軟磁気特性、広い膜厚範囲を有する、交換結合により磁気異方性が制御された軟磁性材料を提供することにある。
本発明の第1の態様に係る交換結合により磁気異方性が制御された軟磁性材料は、Ag、Al、Au、Co、Cr、Cu、Fe、Ir、Mo、Nb、Ni、Pd、Pt、Rh、Ru、Ta、Ti、V、W、Zrからなる群より選択される少なくとも1種を含む金属下地膜と、前記金属下地膜上に設けられた、下記一般式Mn a 1-a (ここで、0.4≦a≦0.95であり、MはFe、Ir、Pt、Cr、Rh、Ru、Pd、Ni、Co、Au、CuおよびAgからなる群より選択される少なくとも1種である)で表されるMn系合金下地膜と、前記Mn系合金下地膜上に設けられた、下記一般式(FexCo1-xy(A)1-y(ここで、0.6≦x≦0.8であり、0<1−y≦0.05であり、AはMg、Al、Si、Ti、V、CrおよびMnの酸化物および窒化物からなる群より選択される少なくとも1種である)で表される軟磁性膜とを含むことを特徴とする。
本発明の第2の態様に係る交換結合により磁気異方性が制御された軟磁性材料は、Ag、Al、Au、Co、Cr、Cu、Fe、Ir、Mo、Nb、Ni、Pd、Pt、Rh、Ru、Ta、Ti、V、W、Zrからなる群より選択される少なくとも1種を含む金属下地膜と、前記金属下地膜上に設けられた、下記一般式Mn a 1-a (ここで、0.4≦a≦0.95であり、MはFe、Ir、Pt、Cr、Rh、Ru、Pd、Ni、Co、Au、CuおよびAgからなる群より選択される少なくとも1種である)で表されるMn系合金下地膜と、前記Mn系合金下地膜上に設けられた、下記一般式(FexCo1-xy(A)1-y(ここで、0.6≦x≦0.8であり、0.05≦1−y≦0.3であり、AはMg、Al、Si、Ti、V、CrおよびMnの酸化物および窒化物からなる群より選択される少なくとも1種である)で表される軟磁性膜とを含むことを特徴とする。
本発明に係る軟磁性材料においては、前記金属下地膜の膜厚が3nm以上、前記Mn系合金下地膜の膜厚が5nm以上、前記(FexCo1-xy(A)1-y で表される軟磁性膜の膜厚が20〜1000nmであることが好ましい。
本発明の第1の態様に係る軟磁性材料は、高い飽和磁束密度、優れた軟磁気特性を有し、かつ交換結合により磁気異方性が制御されている。この軟磁性材料を垂直磁気記録媒体用軟磁性裏打ち膜として用いた場合、裏打ち膜に起因するノイズを低減することができるため、再生信号品質が向上する。この軟磁性材料を磁気ヘッドコア材料として用いた場合、高い保磁力を有する記録媒体への情報の書き込みが容易になり、記録媒体上に安定した磁区を形成できるため、再生信号品質が向上する。
本発明の第2の態様に係る軟磁性材料は、高い電気抵抗率、優れた軟磁気特性を有し、かつ交換結合により磁気異方性が制御されている。この軟磁性材料を垂直磁気記録媒体用軟磁性裏打ち膜または磁気ヘッドコア材料として用いた場合、高周波領域でのうず電流損失を低減することができるため、再生信号品質が向上する。
また、本発明に係る軟磁性材料は、広い範囲の膜厚で所望の磁気特性が得られることから、垂直磁気記録媒体および磁気ヘッドの設計マージンおよび製造マージンを大きくすることができる。
以下、本発明に係る交換結合により磁気異方性が制御された軟磁性材料について、詳細に説明する。
本発明に係る交換結合により磁気異方性が制御された高飽和磁束密度軟磁性材料は、Mn系合金下地膜と金属下地膜からなる複合下地膜を有する。
Mn系合金下地膜としては、MnFe合金、MnIr合金、MnPt合金、MnCr合金、MnRh合金、MnRu合金、MnPd合金、MnNi合金、MnCo合金、MnAu合金、MnCu合金、MnAg合金、MnRhRu合金、MnFeRh合金、MnPtPd合金、MnPtCr合金、MnNiCr合金などが挙げられる。
金属下地膜としては、Ag、Al、Au、Co、Cr、Cu、Fe、Mn、Ir、Mo、Nb、Ni、Pd、Pt、Rh、Ru、Ta、Ti、V、W、Zr、AgCu合金、AuCu合金、AuNi合金、AuPd合金、CoFe合金、CoMn合金、CoNi合金、CoPd合金、CrFe合金、CrMo合金、CrNi合金、CrV合金、CrW合金、CuMn合金、CuNi合金、CuPd合金、CuV合金、FeMn合金、FeNi合金、FePd合金、MnNi合金、MoNb合金、MoTa合金、MoTi合金、MoV合金、MoW合金、MoZr合金、NbTa合金、NbTi合金、NbV合金、NbW合金、NbZr合金、NiPd合金、TaTi合金、TaV合金、TaW合金、TiV合金、TiZr合金などが挙げられる。
Mn系合金下地膜としては、FeCo系合金軟磁性膜の下地膜として用いたときに、FeCo系合金軟磁性膜の保磁力を低下させる機能を示すものが用いられる。Mn系合金下地膜を一般式Mna1-a(MはFe、Ir、Pt、Cr、Rh、Ru、Pd、Ni、Co、Au、CuおよびAgからなる群より選択される少なくとも1種である)で表したとき、Mn組成aは0.4≦a≦0.95であることが必要である。なお、Ir、RhまたはRuを含有するMn系合金では0.5≦a≦0.95、それ以外の元素を含有するMn系合金では0.4≦a≦0.85であることが好ましい。
Mn系合金下地膜の下部に設けられる金属下地膜は、Mn系合金下地膜の結晶性、配向性を向上させる機能を示すものが用いられる。この金属下地膜の材料は、非常に幅広い範囲から選択できる。金属下地膜を設けることにより、Mn系合金下地膜とFeCo系合金軟磁性膜との間に強い交換結合を生じさせる。
FeCo系合金軟磁性膜は、FexCo1-x(0.6≦x≦0.8)を主成分とする。適切な組成を有するFeCoは、スパッタリングターゲットや成膜条件を調整することによって、その飽和磁束密度が合金系で得られる最高値である2.45Tに到達することが知られている。FexCo1-x(0.6≦x≦0.8)で表される組成範囲のFeCo合金は、上記の値に近い飽和磁束密度を有する。本発明においては、FexCo1-x(0.6≦x≦0.8)に対して30%以下のA(ここで、AはMg、Al、Si、Ti、V、CrおよびMnの酸化物および窒化物からなる群より選択される少なくとも1種である)を含有した組成を有する軟磁性膜が用いられる。
本発明の第1の態様に係る軟磁性材料において、2.3T以上の高い飽和磁束密度を得るためには、A含有量は0.5〜5%であることが好ましい。A含有量が0.5%未満であると、困難軸方向の保磁力が高くなる傾向がある。A含有量が5%を超えると、飽和磁束密度が低下する傾向がある。
本発明の第2の態様に係る軟磁性材料において、100μΩ・cm以上の高い電気抵抗率を得るためには、A含有量は5〜30%であることが好ましい。A含有量が5%未満であると、電気抵抗率が低くなる傾向がある。A含有量が30%を超えると、軟磁気特性が劣化する傾向がある。
本発明に係る軟磁性材料は、Mn系合金下地膜と金属下地膜で形成されている複合下地膜上に(FexCo1-xy(A)1-y膜を形成したことにより、高い飽和磁束密度または高い電気抵抗率、かつ良好な軟磁気特性を示すとともに、交換結合により磁気異方性が制御されている。
本発明の第1の態様に係る軟磁性材料は、高い飽和磁束密度、優れた軟磁気特性を有し、かつ交換結合により磁気異方性が制御されている。この軟磁性材料を垂直磁気記録媒体用軟磁性裏打ち膜として用いた場合、裏打ち膜に起因するノイズを低減することができるため、再生信号品質が向上する。この軟磁性材料を磁気ヘッドコア材料として用いた場合、高い保磁力を有する記録媒体への情報の書き込みが容易になり、記録媒体上に安定した磁区を形成できるため、再生信号品質が向上する。
本発明の第2の態様に係る軟磁性材料は、高い電気抵抗率、優れた軟磁気特性を有し、かつ交換結合により磁気異方性が制御されている。この軟磁性材料を垂直磁気記録媒体用軟磁性裏打ち膜または磁気ヘッドコア材料として用いた場合、高周波領域でのうず電流損失を低減することができるため、再生信号品質が向上する。
本発明に係る交換結合により磁気異方性が制御された軟磁性材料については、Mn系合金下地膜の膜厚が5nm以上、金属下地膜の膜厚が3nm以上、(FexCo1-xy(A)1-y膜の膜厚が20〜1000nmであることが好ましい。この範囲の膜厚であれば、優れた軟磁気特性が得られるとともに、交換結合により制御された大きな異方性磁界を得ることができる。このように広い範囲の膜厚で所望の磁気特性が得られることから、垂直磁気記録媒体または磁気ヘッドの設計マージンおよび製造マージンを大きくすることができる。
本発明において、(FexCo1-xy(A)1-y膜はスパッタリング法により成膜することができる。具体的には、以下のような方法を用いることができる。
1)FeCoにAを5%以下含有させた焼結ターゲットを用いてスパッタリングを行う。
2)FeCo合金ターゲットとAターゲットを用いて同時スパッタリングを行う。
3)FeCo合金ターゲット上にAチップを添付した複合ターゲットを用いてスパッタリングを行う。
スパッタリング条件をいったん決定すれば、それ以降は安定して所望の磁気特性を有する軟磁性材料を作製できる。Mn系合金下地膜と金属下地膜についても、同様の方法により成膜することができる。
以下の実施例においては、図1に示す構成の軟磁性材料を作製した。図1に示すように、基板1上に、金属下地膜2、Mn系合金下地膜3およびFeCo系軟磁性膜4が形成される。
実施例1
ターゲットとして、直径100mm、厚さ3mmの円盤状のPt、Mn0.8Ir0.2および(Fe0.70Co0.300.99(Al230.01の焼結体を用いた。基板として、10mm角、厚さ1mmのシリコンの表面に酸化シリコンを形成したものを用いた。
上記の3つのターゲットおよび基板を、6ターゲットの高周波マグネトロンスパッタリング装置(トッキ製SPM−505)の真空槽内に固定し、基板とターゲットとの距離を約75mmに調整した。また、軟磁性膜に磁気異方性を付与するために、基板の外側に永久磁石を配置し、基板の中心部で100Oe以上の磁場が印加されるようにした。
真空槽内を2×10-5Paになるまで排気した。その後、真空槽内にArガスを導入し、圧力1Paになるようにガス流量を調整した。放電電力400W、放電周波数13.56MHzで高周波スパッタリングを行った。基板上にPt合金ターゲットを用いて金属下地膜を10nm、Mn0.8Ir0.2合金ターゲットを用いてMn系合金下地膜を10nm、(Fe0.70Co0.300.99(Al230.01合金ターゲットを用いてFeCo系軟磁性膜を100nm堆積した。
比較例として、Al23を含有しないFe70Co30合金ターゲットのみを用意し、上記と同様の手順で基板上に厚さ約100nmのFe70Co30膜のみを堆積した。
参考のために、MnIr/Pt下地膜を形成することなく、上記と同様の手順で基板上に厚さ約100nmの(Fe0.70Co0.300.99(Al230.01膜を堆積した。
以上のようにして作製したFeCo系軟磁性膜の特性評価を行った。測定には振動試料磁力計(VSM)を用いた。
図2にMnIr/Pt下地膜と(Fe0.70Co0.300.99(Al230.01膜とを有する本実施例の軟磁性材料の磁化曲線を示す。飽和磁束密度は2.42T、困難軸方向の保磁力は0.3Oe、異方性磁界は50Oeとなり、高飽和磁束密度と良好な軟磁気特性、磁気異方性を示していた。また、容易軸方向の磁化曲線から、交換結合によりバイアス磁界が発生し、磁区が制御されていることがわかる。
図3にFe70Co30膜のみの代表的な磁化曲線を示す。飽和磁束密度は2.45T、困難軸方向の保磁力は100Oeであった。
図4に(Fe0.70Co0.300.99(Al230.01膜のみの磁化曲線を示す。飽和磁束密度は2.42T、困難軸方向の保磁力は3Oe、異方性磁界は20Oeであった。
図2〜図4の結果から、本実施例の軟磁性材料は、MnPt/Pt下地膜を設けたことにより、FeCo系膜の軟磁気特性および磁気異方性を大幅に改善できることがわかる。
実施例2
実施例1と同様の手順で、基板上にPt膜の膜厚を10nmに固定して堆積し、その上にMnIr膜の膜厚を10nmに固定して堆積し、その上に(Fe0.70Co0.300.99(Al230.01膜を種々の膜厚で堆積した。
図5に、得られた軟磁性材料について、困難軸方向の保磁力および異方性磁界と(Fe0.70Co0.300.99(Al230.01膜の膜厚との関係を示す。図5から、(Fe0.70Co0.300.99(Al230.01膜の膜厚が20〜1000nmの膜厚であれば、困難軸方向の保磁力は1Oe以下、異方性磁界は20Oe以上であることがわかる。
また、(Fe0.70Co0.300.99(Al230.01膜の膜厚が図5に示す範囲にあるすべての軟磁性材料において、飽和磁束密度は2.42Tとほぼ一定であった。
実施例3
実施例1と同様の手順で、基板上にPt膜を種々の膜厚で堆積し、その上にMnIr膜の膜厚を10nmに固定して堆積し、その上に(Fe0.70Co0.300.99(Al230.01膜を膜厚約100nmに固定して堆積した。
図6に、得られた軟磁性材料について、困難軸方向の保磁力および異方性磁界とPt下地膜の膜厚との関係を示す。図6から、Pt膜の膜厚が3nm以上の膜厚であれば、困難軸方向の保磁力は1Oe以下、異方性磁界は50Oe以上であることがわかる。
また、Pt膜の膜厚が図6に示す範囲にあるすべての軟磁性材料において、飽和磁束密度は2.42Tとほぼ一定であった。
実施例4
実施例1と同様の手順で、基板上にPt膜を膜厚10nmに固定して堆積し、その上にMnIr膜を種々の膜厚で堆積し、その上に(Fe0.70Co0.300.99(Al230.01膜を膜厚約100nmに固定して堆積した。
図7に、得られた軟磁性材料について、困難軸方向の保磁力および異方性磁界とMnIr膜の膜厚との関係を示す。図7から、MnIr膜の膜厚が5nm以上の膜厚であれば、困難軸方向の保磁力は1Oe以下、異方性磁界は50Oe以上であることがわかる。
また、MnIr膜の膜厚が図7に示す範囲にあるすべての軟磁性材料において、飽和磁束密度は2.42Tとほぼ一定であった。
実施例5
FeCo系軟磁性膜のターゲットとして、Al23含有量が異なる(Fe0.70Co0.30y(Al23)1-y(0.005≦1−y≦0.05)の焼結体を用いた以外、実施例1と同様の手順で、基板上にMnIr/Pt下地膜を介して種々の含有量でAl23を含有したFeCo系軟磁性膜を堆積した。
図8に、得られた軟磁性材料について、飽和磁束密度および困難軸方向の保磁力とAl23含有量との関係を示す。図8から、Al23含有量が0.5〜5%であれば、飽和磁束密度は2.3T以上、困難軸方向の保磁力は1Oe以下であることがわかる。
また、(Fe0.70Co0.30y(Al231-y膜の組成が図8に示す範囲にあるすべての軟磁性材料において、異方性磁界は50Oe以上であった。
実施例6
金属下地膜(M’)のターゲットとしてAg、Al、Au、Co、Cr、Cu、Fe、Mn、Ir、Mo、Nb、Ni、Pd、Pt、Rh、Ru、Ta、Ti、V、W、Zrからなる群より選択される少なくとも1種からなる単体金属または合金を用い、実施例1と同様の手順で、基板上に金属下地膜を堆積し、その上にMnIr膜を堆積し、その上に(Fe0.70Co0.300.99(Al230.01膜を堆積した。
表1に、得られたいくつかの軟磁性材料について、飽和磁束密度(Bs)、困難軸方向の保磁力(Hch)、異方性磁界(Hk)の値を示す。
表1から、すべての軟磁性材料で、飽和磁束密度は2.3T以上、困難軸方向の保磁力は1Oe以下、異方性磁界は30Oe以上であることがわかる。
Figure 0004453479
実施例7
Mn系合金下地膜ターゲットとして合金成分MがFe、Ir、Pt、Cr、Rh、Ru、Pd、Ni、Co、Au、CuまたはAgであるMna1-a(0.4≦a≦0.95)を用い、実施例1と同様の手順で、基板上にPt下地膜を堆積し、その上にMn系合金下地膜を堆積し、その上に(Fe0.70Co0.300.99(Al230.01膜を堆積した。
表2に、得られた軟磁性材料について、飽和磁束密度(Bs)、困難軸方向の保磁力(Hch)、異方性磁界(Hk)の値を示す。
表2から、すべての軟磁性材料で、飽和磁束密度は2.3T以上、困難軸方向の保磁力は1Oe以下、異方性磁界は20Oe以上であることがわかる。
Figure 0004453479
実施例8
FeCo系軟磁性膜のターゲットとして、Aが異なる(Fe0.70Co0.300.99(A)0.01の焼結体を用いた以外は、上記実施例1と同様の手順で、基板上にPt下地膜を堆積し、その上にMn系合金下地膜を堆積し、その上にFeCo系軟磁性膜を堆積した。
表3に、得られたいくつかの軟磁性材料について、飽和磁束密度(Bs)、困難軸方向の保磁力(Hch)、異方性磁界(Hk)の値を示す。
表3から、すべての軟磁性材料で、飽和磁束密度は2.3T以上、困難軸方向の保磁力は1Oe以下、異方性磁界は40Oe以上であることがわかる。また、Aの含有量が0.5%以上、5%以下の範囲であれば、すべてのAに対して飽和磁束密度は2.3T以上、困難軸方向の保磁力は1Oe以下、異方性磁界は30Oe以上であった。
Figure 0004453479
実施例9
ターゲットとして、Al23含有量が異なる(Fe0.70Co0.30y(Al231-y(0.005≦1−y≦0.3)の焼結体を用いた以外、実施例1と同様の手順で、基板上にMnIr/Pt下地膜を介して種々の含有量でAl23を含有量したFeCo系軟磁性膜を堆積した。
図9に、得られた軟磁性材料について、電気抵抗率および困難軸方向の保磁力とAl23含有量との関係を示す。図9から、Al23含有量が5〜30%であれば、電気抵抗率は100μΩ・cm以上、困難軸方向の保磁力は2Oe以下であることがわかる。
また、(Fe0.70Co0.30y(Al231-y膜の組成が図9に示す範囲にあるすべての軟磁性材料において、異方性磁界は30Oe以上であった。
本発明の実施例において作製した軟磁性材料の断面図。 実施例1におけるMnIr/Pt下地膜と(Fe0.70Co0.300.99(Al230.01膜を含む軟磁性材料の磁化曲線を示す図。 Fe70Co30膜のみの磁化曲線を示す図。 (Fe0.70Co0.300.99(Al230.01膜のみの磁化曲線を示す図。 実施例2における軟磁性材料について、困難軸方向の保磁力および異方性磁界と(Fe0.70Co0.300.99(Al230.01膜の膜厚との関係を示す図。 実施例3における軟磁性材料について、困難軸方向の保磁力および異方性磁界とPt膜の膜厚との関係を示す図。 実施例4における軟磁性材料について、困難軸方向の保磁力および異方性磁界とMnIr膜の膜厚との関係を示す図。 実施例5における軟磁性材料について、飽和磁束密度および困難軸方向の保磁力とFeCo系軟磁性膜中のAl23含有量との関係を示す図。 実施例9における軟磁性材料について、電気抵抗率および困難軸方向の保磁力とFeCo系軟磁性膜中のAl23含有量との関係を示す図。
符号の説明
1…基板、2…金属下地膜、3…Mn系合金下地膜、4…FeCo系軟磁性膜。

Claims (3)

  1. Ag、Al、Au、Co、Cr、Cu、Fe、Ir、Mo、Nb、Ni、Pd、Pt、Rh、Ru、Ta、Ti、V、W、Zrからなる群より選択される少なくとも1種を含む金属下地膜と、
    前記金属下地膜上に設けられた、下記一般式
    Mn a 1-a
    (ここで、0.4≦a≦0.95であり、MはFe、Ir、Pt、Cr、Rh、Ru、Pd、Ni、Co、Au、CuおよびAgからなる群より選択される少なくとも1種である)
    で表されるMn系合金下地膜と、
    前記Mn系合金下地膜上に設けられた、下記一般式
    (FexCo1-xy(A)1-y
    (ここで、0.6≦x≦0.8であり、0<1−y≦0.05であり、AはMg、Al、Si、Ti、V、CrおよびMnの酸化物および窒化物からなる群より選択される少なくとも1種である)
    で表される軟磁性膜
    を含むことを特徴とする交換結合により磁気異方性が制御された軟磁性材料。
  2. Ag、Al、Au、Co、Cr、Cu、Fe、Ir、Mo、Nb、Ni、Pd、Pt、Rh、Ru、Ta、Ti、V、W、Zrからなる群より選択される少なくとも1種を含む金属下地膜と、
    前記金属下地膜上に設けられた、下記一般式
    Mn a 1-a
    (ここで、0.4≦a≦0.95であり、MはFe、Ir、Pt、Cr、Rh、Ru、Pd、Ni、Co、Au、CuおよびAgからなる群より選択される少なくとも1種である)
    で表されるMn系合金下地膜と、
    前記Mn系合金下地膜上に設けられた、下記一般式
    (FexCo1-xy(A)1-y
    (ここで、0.6≦x≦0.8であり、0.05≦1−y≦0.3であり、AはMg、Al、Si、Ti、V、CrおよびMnの酸化物および窒化物からなる群より選択される少なくとも1種である)
    で表される軟磁性膜
    を含むことを特徴とする交換結合により磁気異方性が制御された軟磁性材料。
  3. 前記金属下地膜の膜厚が3nm以上、前記Mn系合金下地膜の膜厚が5nm以上、前記(FexCo1-xy(A)1-y で表される軟磁性膜の膜厚が20〜1000nmであることを特徴とする請求項1または2に記載の交換結合により磁気異方性が制御された軟磁性材料。
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