JP4089051B2 - 画像処理装置および画像処理方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、投写型画像表示装置において、画像をあおり投写させた場合に発生する画像の歪みを補正する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
図18は、従来の投写型表示装置における投写画像の様子を示す説明図である。投写型表示装置20は、光源から入射された光を液晶ライトバルブ(液晶パネル)などの光変調手段によって画像信号に基づいて変調し、液晶ライトバルブから射出された変調光を投写光学系を介してスクリーン30上に結像させて投写するものが一般的である。すなわち、このような投写型表示装置は、液晶ライトバルブに表示された画像をスクリーン30上に拡大表示する。
【0003】
図18(A)に示すように、投写型表示装置20の光軸20cとスクリーン30の中心位置の法線30nとが一致するように投写型表示装置20を配置した場合には、スクリーン30上に投写された画像32は、液晶ライトバルブに与えられた画像信号に応じた画像と相似な歪のない画像(以下、正画像とも呼ぶ)となる(図18(B))。しかし、このような配置にした場合には、例えばユーザとスクリーンとの間に投写型表示装置が存在しているときには、ユーザが投写画像を観察する場合に投写型表示装置が邪魔になるという問題が発生する。
【0004】
そこで、例えば、図18(C)に示すように、投写型表示装置20を、図18(A)に示す位置よりも低い位置(高い位置でもよい)に配置し、投写型表示装置20の光軸20cとスクリーン30の法線30nとのなす角(以下、「あおり角」と呼ぶ。)θpが0度以上となるように傾けて配置することが一般的である。このように所定のあおり角を有して配置された投写型表示装置による画像の投写は、一般に「あおり投写」と呼ばれている。しかし、あおり投写となるように投写型表示装置を配置した場合にスクリーン30上に投写される画像34には、図18(D)に示すように、画像32よりも垂直上方向に拡大され、かつ画像の上端縁側で水平方向に拡大された台形形状となる台形歪(「キーストーン歪」、「あおり歪」とも呼ばれる。)が発生する。以下、スクリーン上に表示された台形形状の画像を歪画像とも呼ぶ。なお、投写型画像表示装置が高い位置に配置された場合は、画像の下端縁側で水平方向に拡大された台形歪が発生する。この台形歪は、あおり角θpが大きくなるほど大きくなる。
【0005】
このような台形歪は、光学的に補正したり、画像を電気的に処理して補正することができる。図19は、画像を電気的に処理して台形歪を補正する方式について示す説明図である。図19(A)は、あおり投写の場合にスクリーン30上に投写された画像34(歪画像)と、あおり投写でない場合にスクリーン30上に投写された画像32(正画像)とを画像の下端縁側を基準に示している。歪画像34の歪を除去して、正画像32と相似な画像34’(図19(B))となるようにするためには、あおり投写でない場合にスクリーン30上に投写される画像が図19(B)に破線で示された補正画像32’となるように、画像信号を液晶ライトバルブに与えるようにすればよい。すなわち、歪画像34とは逆の形状に歪ませた画像部分32’aに対応する画像信号を液晶ライトバルブに与えるようにすればよい。なお、以下ではこの画像部分32’aを「有効画像部分」と呼び、これ以外の画像部分32’b(斜線で示す)を「無効画像部分」と呼ぶ。
【0006】
ここで、液晶ライトバルブは、2次元に複数配列された画素を有し、各画素には投写させたい画像を表す画素信号が与えられて、入射される光を変調する。従って、液晶ライトバルブの各画素のすべてに画素信号を与える必要がある。そこで、補正画像32’のうち、有効画像部分32’aに対応する液晶ライトバルブの画素には表示させたい画像に対応した画素信号を与え、無効画像部分32’bの画素には、何も表示しない領域とするために黒を表す画素信号を与える。あおり投写の場合に、この補正画像32’に対応する画像信号が液晶ライトバルブに与えられると、スクリーン30上に投写される画像は、歪画像34ではなく、画像32にほぼ相似な歪のない画像(正画像)34’とすることができる。
【0007】
このような補正の方式の一例として、特開平8−98119号公報に記載されているものがある。この補正の方式は、あおり角θpに基づいて、あおり投写においてスクリーン30上に投写された画像34’内の任意の画素FP’(図19(B))の位置と、補正画像32’内の対応する画素FP(図19(B))の位置との関係から、補正画像32’の有効画像部分32’aと無効画像部分32’bとを求める方式である。なお、投写された画像34’内の任意の画素FP’の位置と、補正画像32’内の対応する画素FPの位置との関係は、以下の式で示される。
【0008】
【数5】
【0009】
ここで、パラメータYbは、投写された画像34’内の下端縁から画素FP’の位置までの垂直方向の距離を示している。パラメータXbは、投写された画像34’内の左端縁から画素FP’の位置までの水平方向の距離を示している。パラメータVnは、補正画像32’内の下端縁から画素FPの位置までの垂直方向の距離を示している。パラメータhnは、補正画像32’内の左端縁から画素FPの位置までの水平方向の距離を示している。また、パラメータVmは、補正画像32’内の有効画像部分32’bの下端と上端との距離を示している。パラメータLは、投写型表示装置20内の投写レンズからスクリーン30までの距離を示している。パラメータθpは垂直方向のあおり角、すなわち、投写型表示装置20の光軸20cとスクリーン30の法線30nとの垂直方向のなす角を示している。
【0010】
上記式(5a),(5b)から、垂直方向のあおり投写においてスクリーン30上に台形歪のない画像34’を投写させる場合に、画像34’の各画素の画素信号を液晶ライトバルブのどの配列画素に与えればよいかを決定することができる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来例は、水平面内において投写型表示装置20の光軸20nとスクリーン30の法線30nとが一致し、垂直面内において投写型表示装置20の光軸20nとスクリーン30の法線30nとが一致せず、あおり角θpを有する場合、すなわち、左右対称な台形歪が発生する場合の補正方式の例を示している。しかし、実際には、水平面内において投写型表示装置20の光軸20nとスクリーン30の法線30nとが一致しないような場合、すなわちスクリーン30に対して投写型表示装置20が左右に傾いて配置される場合もある。このような場合に、発生する台形歪は、左右非対称な形状となる。このような場合には、上記従来例の技術では歪をうまく補正することができない。
【0012】
また、上記式(5a),(5b)は、垂直方向のあおり角θp以外に、投写型表示装置20(投写レンズ)と、スクリーン30との距離Lにも依存するが、この距離Lは、使用環境によって変化するパラメータである。上記式(5a),(5b)を利用するためには、個々の使用環境で、距離Lを求めて設定しなくてはならないので、実際には式(5a),(5b)を利用して台形歪を適切に補正するのは困難であるという問題があった。
【0013】
この発明は、従来技術における上述の課題を解決するためになされたものであり、スクリーン上に画像をあおり投写する場合に発生する画像歪を容易に補正することができる技術を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段およびその作用・効果】
上述の課題の少なくとも一部を解決するため、本発明の第1の画像処理装置は、
画像形成部上に形成された画像をスクリーン上に投写して表示する投写型表示装置の前記画像形成部に形成される画像を処理するための画像処理装置であって、
前記画像形成部に形成された歪のない原画像が前記スクリーン上にあおり投写される場合に表示される画像の歪を補正するために、前記原画像の形状を補正した歪補正画像を作成して前記画像形成部に与える画像補正部を備え、
前記画像補正部は、前記歪補正画像の左側と右側の歪の補正量を表す水平補正パラメータに基づいて、前記画像形成部の各水平ラインごとに、前記歪補正画像の表示開始位置と表示終了位置とで挟まれた表示画素領域を決定するとともに、前記表示画素領域内の画素数と前記原画像の1ラインに含まれる画素数との関係から前記表示画素領域内の各画素と前記原画像の各画素との第1の対応関係を決定し、前記第1の対応関係に基づいて前記原画像から前記歪補正画像を作成する第1の補正部を備え、
前記水平補正パラメータは、前記歪補正画像の、互いに独立して設定可能な左端縁および右端縁の傾きであり、
前記第1の補正部は、前記歪補正画像を作成する際に、前記左端縁および右端縁の傾きに基づいて、水平方向の台形歪を補正する水平方向台形歪補正パラメータを算出して前記第1の対応関係を決定する、ことを特徴とする。
【0015】
本発明の第1の画像処理装置によれば、前記歪補正画像の左側と右側の歪の補正量を表す水平補正パラメータである、前記歪補正画像の、互いに独立して設定可能な左端縁および右端縁の傾きに基づいて、あおり投写による水平方向の画像歪を容易に補正することができる。なお、画像形成部は、CRTのような画像表示手段だけでなく、ライトバルブや空間光変調器等の光変調手段を含む。ライトバルブとしては、例えば、液晶パネルが挙げられる。また空間光変調器としては、例えば、画素に応じて配置された鏡面素子における反射を利用したものが挙げられる。
【0017】
また、歪補正画像の左側の補正量と右側の補正量とを独立して設定することができれば、水平方向の画像歪が左右非対称な場合でも容易に補正することができる。
【0018】
また、前記第1の補正部は、
前記歪補正画像の前記表示画素領域内の画素に対して、前記原画像に基づいた補間フィルタ処理を行う画素フィルタ処理部を備えることが好ましい。
【0019】
上記構成によれば、不連続画素の存在による画像の劣化を緩和することができる。
【0020】
また、前記画像補正部は、さらに、
前記歪補正画像の上下方向の歪の補正量を表す垂直補正パラメータに基づいて、前記画像形成部における前記歪補正画像の表示開始ラインと表示終了ラインとで挟まれた表示ライン領域を決定するとともに、前記表示ライン領域内の各ラインと前記原画像の各ラインとの第2の対応関係を決定し、前記第2の対応関係に基づいて前記原画像から前記歪補正画像を作成する第2の補正部を備えることが好ましい。
【0021】
この構成によれば、垂直補正パラメータを適切に設定することにより、上下方向に発生する画像歪を容易に補正することができる。
【0022】
ここで、前記第2の対応関係は、前記歪補正画像の中の略台形形状の有効画像部分の高さと前記原画像の高さとに基づいて決定され、前記略台形形状の小さい方の底辺に近いほど前記有効画像部分の1ラインに対応する前記原画像のライン数が多く、前記略台形形状の大きい方の底辺に近いほど前記有効画像部分の1ラインに対応する前記原画像のライン数が少なくなるような関係である、ことが好ましい。
【0023】
このようにすれば、簡単に第2の対応関係を決定することができる。
【0024】
なお、前記第2の対応関係は、以下に示す式により決定することができる。
【0025】
【数6】
ここで、MLADは前記原画像のラインを示し、RSYは前記原画像の高さに対する前記表示画像領域の高さの比を示し、LADは前記表示ライン領域内のラインを示し、IMGYは前記原画像の高さを示し、KSSYは前記略台形形状の有効画像部分の高さを示す。
【0026】
また、前記第2の補正部は、
前記歪補正画像の前記表示ライン領域内のラインに対して、前記原画像に基づいた補間フィルタ処理を行うラインフィルタ処理部を備えることが好ましい。
【0027】
このようにすれば、不連続ラインの存在による画像の劣化を緩和することができる。
【0028】
本発明の第2の画像処理装置は、
画像形成部上に形成された画像をスクリーン上に投写して表示する投写型表示装置の前記画像形成部に形成される画像を処理するための画像処理装置であって、
前記画像形成部に形成された歪のない原画像が前記スクリーン上にあおり投写される場合に表示される画像の歪を補正するために、前記原画像の形状を補正した歪補正画像を作成して前記画像形成部に与える画像補正部を備え、
前記画像補正部は、
前記原画像を縮小して縮小画像を生成する縮小部と、
前記縮小画像の各水平ラインを、前記歪補正画像の左側と右側の歪の補正量を表す水平補正パラメータおよび各水平ラインの位置に応じた1以上の拡大率でそれぞれ拡大するとともに、前記左側と右側の歪を補正することによって前記歪補正画像を作成する水平補正部と、を備えることを特徴とする。
【0029】
第2の画像処理装置においても、左側と右側の歪の補正量をあらわす水平補正パラメータに基づいて、あおり投写による水平方向の画像歪を容易に補正することができる。さらに、縮小画像を1以上の拡大率で拡大することにより歪補正画像を作成するので、歪補正画像の水平方向の解像度をほぼ一定とすることができる。
【0030】
ここで、前記縮小画像の水平幅は、前記歪補正画像の中の略台形形状の有効画像部分の最小の水平幅に等しくすればよい。
【0031】
また、前記水平補正パラメータは、前記歪補正画像の左側と右側の歪の補正量を表す少なくとも2つのパラメータを含み、
前記左側と右側の歪の補正量は、それぞれ独立して設定可能であることが好ましい。
【0032】
歪補正画像の左側の補正量と右側の補正量とを独立して設定することができれば、水平方向の画像歪が左右非対称な場合でも容易に補正することができる。
【0033】
また、前記水平補正部は、
前記歪補正画像の前記表示画素領域内の画素に対して、前記縮小画像に基づいた補間フィルタ処理を行う画素フィルタ処理部を備えることが好ましい。
【0034】
上記構成によれば、不連続画素の存在による画像の劣化を緩和することができる。
【0035】
また、前記縮小画像の垂直方向の高さは、前記歪補正画像の中の略台形形状の有効画像部分の垂直方向の高さ以下であり、
前記画像補正部は、さらに、
前記歪補正画像の上下方向の歪の補正量を表す垂直補正パラメータに基づいて、前記画像形成部における前記歪補正画像の表示開始ラインと表示終了ラインとで挟まれた表示ライン領域を決定するとともに、前記表示ライン領域内の各ラインと前記縮小画像の各ラインとの対応関係を決定し、前記対応関係に基づいて前記縮小画像を拡大して前記歪補正画像を作成する垂直補正部を備えることが好ましい。
【0036】
この構成によれば、垂直補正パラメータを適切に設定することにより、上下方向に発生する画像歪を容易に補正することができる。さらに、表示ライン領域内の各ラインと前記縮小画像の各ラインとの対応関係に基づいて縮小画像を拡大することにより歪補正画像を作成するので、歪補正画像の水垂直方向の解像度をほぼ一定とすることができる。
【0037】
前記対応関係は、前記画像形成部に歪のない画像が形成されたとしたときに前記スクリーン上にあおり投写される場合に発生する垂直方向の歪を打ち消すように、前記縮小画像から前記歪補正画像への垂直方向の拡大率を垂直方向の位置ごとに調整することにより、前記歪補正画像の中の略台形状の有効画像部分が作成されるように決定すればよい。
【0038】
特に、前記対応関係は、前記歪補正画像の中の略台形形状の有効画像部分の高さと前記縮小画像の高さとに基づいて決定され、前記略台形形状の小さい方の底辺に近いほど前記有効画像部分の1ラインに対応する前記原画像の実質的なライン数が多く、前記略台形形状の大きい方の底辺に近いほど前記有効画像部分の1ラインに対応する前記原画像の実質的なライン数が少なくなるような関係である、ことが好ましい。
【0039】
このようにすれば、簡単に対応関係を決定することができる。
【0040】
なお、前記対応関係は、以下に示す式により決定することができる。
【0041】
【数7】
ここで、MLADは前記原画像のラインを示し、LADは前記表示ライン領域内のラインを示し、IMGYは前記原画像の高さを示し、KSSYは前記略台形形状の有効画像部分の高さを示し、MEMYは前記縮小画像の高さを示す。
【0042】
本発明の第1の画像処理方法は、
画像形成部上に形成された画像をスクリーン上に投写して表示する投写型表示装置の前記画像形成部に形成される画像を処理するための画像処理方法であって、
前記画像形成部に形成された歪のない原画像が前記スクリーン上にあおり投写される場合に表示される画像の歪を補正するために、前記原画像の形状を補正した歪補正画像を作成して前記画像形成部に与える画像補正工程を備え、
前記画像補正工程は、前記歪補正画像の左側と右側の歪の補正量を表す水平補正パラメータに基づいて、前記画像形成部の各水平ラインごとに、前記歪補正画像の表示開始位置と表示終了位置とで挟まれた表示画素領域を決定するとともに、前記表示画素領域内の画素数と前記原画像の1ラインに含まれる画素数との関係から前記表示画素領域内の各画素と前記原画像の各画素との第1の対応関係を決定し、前記第1の対応関係に基づいて前記原画像から前記歪補正画像を作成する第1の補正工程を備え、
前記水平補正パラメータは、前記歪補正画像の、互いに独立して設定可能な左端縁および右端縁の傾きであり、
前記第1の補正工程は、前記歪補正画像を作成する際に、前記左端縁および右端縁の傾きに基づいて、水平方向の台形歪を補正する水平方向台形歪補正パラメータを算出して前記第1の対応関係を決定する、ことを特徴とする。
【0043】
本発明の第2の画像処理方法は、
画像形成部上に形成された画像をスクリーン上に投写して表示する投写型表示装置の前記画像形成部に形成される画像を処理するための画像処理方法であって、
前記画像形成部に形成された歪のない原画像が前記スクリーン上にあおり投写される場合に表示される画像の歪を補正するために、前記原画像の形状を補正した歪補正画像を作成して前記画像形成部に与える画像補正工程を備え、
前記画像補正工程は、
前記原画像を縮小して縮小画像を生成する縮小工程と、
前記縮小画像の各水平ラインを、前記歪補正画像の左側と右側の歪の補正量を表す水平補正パラメータおよび各水平ラインの位置に応じた1以上の拡大率でそれぞれ拡大するとともに、前記左側と右側の歪を補正することによって前記歪補正画像を作成する水平補正工程と、を備えることを特徴とする。
【0044】
本発明の第1、第2の画像処理方法によれば、上記画像処理装置と同様の作用・効果を有することができる。
【0045】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態を以下に示す実施例に基づいて説明する。
【0046】
A.第1実施例:
A−1.画像処理装置の全体構成:
図1は、この発明の第1実施例としての画像処理装置の全体構成を示すブロック図である。この画像処理装置100は、第1のビデオセレクタ110と、AD変換器112と、第2のビデオセレクタ114と、ビデオデコーダ116と、フレームメモリ120と、ビデオプロセッサ122と、液晶パネル駆動回路124と、液晶パネル126と、CPU130と、リモコン制御部132とを備えるコンピュータシステムである。
【0047】
画像処理装置100は、液晶プロジェクタ(液晶投写型表示装置)内に設けられており、液晶パネル126に形成される画像を処理するための装置である。液晶パネル126に形成された画像は、図示しない光学系を用いて投写スクリーン上に投写される。
【0048】
第1のビデオセレクタ110には、パーソナルコンピュータから出力された複数の画像信号GCAV1,GCAV2が与えられており、ビデオプロセッサ122から与えられる選択信号SEL1に応じてその中の1つが選択的に出力される。第1のビデオセレクタから出力される画像信号には、赤(R)、緑(G)、青(B)の3色のアナログ画像信号AR1,AG1,AB1と、水平同期信号HSYNC1および垂直同期信号VSYNC1とが含まれている。このような画像信号は、コンポーネント画像信号と呼ばれる。
【0049】
AD変換器112は、第1のビデオセレクタ110から出力された3つのアナログ画像信号AR1,AG1、AB1を、AD変換器112内の3つのAD変換回路によってそれぞれデジタル画像信号DR1,DG1,DB1に変換する。なお、これらのデジタル画像信号DR1,DG1,DB1をまとめてデジタル画像信号DV1と呼ぶ場合もある。
【0050】
第2のビデオセレクタ114には、ビデオレコーダやテレビなどから出力された複数のビデオ信号TVAV1,TVAV2が与えられており、ビデオプロセッサ122から与えられる選択信号SEL2に応じてその中の1つが選択的に出力される。これらのビデオ信号は、輝度信号と色信号と同期信号とが重畳された画像信号で、コンポジット画像信号と呼ばれる。
【0051】
ビデオデコーダ116は、第2のビデオセレクタ110から与えられたコンポジット画像信号から水平同期信号HSYNC2および垂直同期信号VSYNC2を分離するとともに、R,G,Bの3つのデジタル画像信号DR2,DG2,DB2に変換する。なお、これらのデジタル画像信号DR2,DG2,DB2をまとめてデジタル画像信号DV2と呼ぶ場合もある。
【0052】
ビデオプロセッサ122は、フレームメモリ120への画像の書込みや読出しを行うためのプロセッサであり、画像の拡大・縮小、キーストーン歪(台形歪)補正、画面表示調整を行う機能を有している。ビデオプロセッサ122の内部構成と機能の詳細については後述する。ビデオプロセッサ122には、AD変換器112から与えられるデジタル画像信号DV1、ビデオデコーダ116から与えられるデジタル画像信号DV2の他に、CPU130からバスを介してデジタル画像信号DV3も供給可能である。
【0053】
フレームメモリ120から読み出されてビデオプロセッサ122で処理されたデジタル画像信号DV4は、液晶パネル駆動回路124に供給される。液晶パネル126には、このディジタル画像信号DV4に応じて画像が形成される。また、液晶パネル駆動回路124は、画像形成のための垂直同期信号VSYNC3と水平同期信号HSYNC3とを生成して他の回路に出力している。なお、垂直同期信号VSYNC3および水平同期信号HSYNC3を生成する回路は、液晶パネル駆動回路124ではなく他の回路において生成されるようにしてもよい。例えば、ビデオプロセッサ122に備えるようにしてもよい。なお、液晶パネル126が本発明の画像形成部に相当する。
【0054】
フレームメモリ120からの画像信号の読み出しと、読み出された画像信号の処理とは、液晶パネル駆動回路124から出力された同期信号VSYNC3,HSYNC3に同期して行われる。一方、前述したAD変換器112におけるサンプリングや、フレームメモリ120に画像信号を書き込むための処理は、第1のビデオセレクタから出力された同期信号VSYNC1,HSYNC1やビデオデコーダ116から出力された同期信号VSYNC2,HSYNC2に同期して行われる。これらの第1の同期信号VSYNC1,HSYNC1と、第2の同期信号VSYNC2,HSYNC2、第3の同期信号VSYNC3,HSYNC3とは互いに非同期である。もちろん、第1の同期信号VSYNC1,HSYNC1と第3の同期信号VSYNC3,HSYNC3として、互いに同期する信号を使用することも可能である。また、第2の同期信号VSYNC2,HSYNC2と第3の同期信号VSYNC3,HSYNC3として、互いに同期する信号を使用することも可能である。
【0055】
リモコン制御部132は、リモコン134からの指令に基づいて、投写型表示装置の各部の機能を制御する。例えば、後述する画面調整や、台形歪補正等のための各種パラメータの設定をリモコン29からの指令に基づいて行い、各部の機能を制御する。
【0056】
A−2.ビデオプロセッサ122の内部構成:
図2は、ビデオプロセッサ122内の構成を示すブロック図である。ビデオプロセッサ122は、データセレクタ142と、縮小/フィルタ回路144と、書込/読出制御回路146と、調整画面表示回路148と、ビデオセレクタ150と、台形歪補正回路152と、拡大/フィルタ回路154と、画像調整回路156と、制御条件レジスタ158と、第1の書込クロック生成回路160と、第2の書込クロック生成回路162と、読出クロック生成回路164とを備えている。
【0057】
データセレクタ回路142は、AD変換器112から与えられたデジタル画像信号DV1と、ビデオデコーダ116から与えられたデジタル画像信号DV2とのうちのいずれか一方を選択して出力する。なお、データセレクタ142に与えられる選択信号は、CPU130から供給される。
【0058】
縮小/フィルタ回路144は、フレームメモリ120(図1)に書き込まれる画像を垂直および水平方向に縮小するとともに、縮小の際に欠落するラインや欠落する画素に関するフィルタリング処理を行う。例えば、供給されるデジタル画像信号(画像データ)DV1,DV2の画像が液晶パネル126(図1)の画像形成可能領域よりも大きい場合や、液晶パネル126の画像形成可能領域内の所定の部分領域に画像を形成させたい場合などに、縮小/フィルタ回路144に入力される画像データの縮小処理が実行される。
【0059】
書込/読出制御回路146は、画像信号をフレームメモリ120に書き込む際やフレームメモリ120から読み出す際のメモリのアドレスや制御信号を生成して供給する機能を有する。
【0060】
フレームメモリ120から読み出されたデジタル画像信号は、第3のビデオセレクタ150に入力される。第3のビデオセレクタ150には、調整画面表示回路148から出力されたもう1つのデジタル画像信号も供給されている。調整画面表示回路148は、液晶パネル126(図1)に形成される画像の表示状態(輝度、コントラスト、同期、トラッキング、色の濃さ、色合い)等をユーザが調整するためのメニュー画面を表すデジタル画像信号を生成している。第3のビデオセレクタ150は、調整画面表示回路148から供給される選択信号に応じて、入力された2つのデジタル画像信号を切り換えつつ出力する。この結果、フレームメモリ120から読み出されたデジタル画像信号の表す画像内に、メニュー画面が重畳された合成画像を表すデジタル画像信号が第3のビデオセレクタ150から出力される。なお、メニュー画面のサイズは、フレームメモリ120から読み出されたデジタル画像信号の表す画像のサイズに応じて調整されて出力される。
【0061】
台形歪補正回路152は、あおり投写において発生する台形歪を補正するように、ビデオセレクタ150から出力されたデジタル画像信号(画像データ)の表す画像に、あおり投写で発生する台形歪とは逆の形状の歪を与える。なお、台形歪補正回路152の内部構成と動作についてはさらに後述する。
【0062】
拡大/フィルタ回路154は、台形歪補正回路152から出力された画像データの表す画像を、液晶ディスプレイパネルの表示解像度に対応した画像となるように垂直および水平方向に拡大するとともに、拡大の際に追加されるラインや追加される画素に関するフィルタリング処理を行う。例えば、第3のビデオセレクタ150から出力される画像データの表す画像が液晶パネル126(図1)の画像形成可能領域よりも小さい場合に、拡大/フィルタ回路154に入力される画像データの拡大処理が実行される。
【0063】
画像調整回路156は、調整画面表示回路148によって表示されたメニュー画面に従ってユーザが設定した表示状態となるように、拡大/フィルタ回路154から供給された画像信号を調整する。
【0064】
制御条件レジスタ158は、画像信号をフレームメモリ120に書き込む際やフレームメモリ120から読み出す際の種々の条件を記憶するレジスタである。これらの条件は、バスを介してCPU130によって設定される。図2において、「*」が付されているブロックは、制御条件レジスタ158に設定された条件に従って、それぞれの処理を実行する。すなわち、制御条件レジスタに登録される条件としては、データセレクタ142や第1,第2のビデオセレクタ110,114(図1)における選択、縮小/フィルタ回路144における縮小パラメータ(例えば縮小率)、拡大/フィルタ回路154における拡大パラメータ(例えば、拡大率)、台形歪補正回路152における歪補正パラメータ(例えば、あおり角)、フレームメモリ120の書込/読出開始位置、画像調整回路156における調整パラメータ等がある。
【0065】
第1の書込クロック生成回路160は、ビデオセレクタ110(図1)から供給される水平同期信号HSYNC1に従ってドットクロック信号DCLK1を生成する。また、第2の書込クロック生成回路162は、ビデオデコーダ116から供給される水平同期信号HSYNC2に従ってドットクロック信号DCLK2を生成する。第1、第2の書込クロック生成回路160,162や読出クロック生成回路164は、図示しないPLL回路を有している。これらのPLL回路における分周比は、制御条件レジスタ158から与えられる。なお、図2に示す書込/読出制御回路146における書込処理は、フレームメモリ120に書き込まれる画像信号に応じて、ドットクロック信号DCLK1と、同期信号VSYNC1,HSYNC1とに同期して、あるいは、ドットクロック信号DCLK2と、同期信号VSYNC2,HSYNC2とに同期して実行される。
【0066】
読出クロック生成回路164は、液晶パネル駆動回路124(図1)から供給される水平同期信号HSYNC3に従ってドットクロック信号DCLK3を生成する。読出クロック生成回路164も、図示しないPLL回路を有している。このPLL回路における分周比も、制御条件レジスタ158から与えられる。なお、図2に示す書込/読出制御回路146における読出処理は、ドットクロック信号DCLK3と、同期信号VSYNC3,HSYNC3とに同期して実行される。
【0067】
図3は、台形歪補正回路152の内部構成を示すブロック図である。台形歪補正回路152は、垂直補正回路170と、水平補正回路172とを備えている。なお、図3に示されているラインアドレス発生回路200と画素アドレス発生回路202は、図2に示した書込/読出制御回路146に含まれる回路である。
【0068】
垂直補正回路170は、垂直補正制御回路180と、ラインバッファ182と、加算器184と、乗算器186と、セレクタ188とを有している。水平補正回路172も、垂直補正回路170とほぼ同様な構成を有しており、水平補正制御回路190と、画素バッファ192と、加算器194と、乗算器196と、セレクタ198とを有している。但し、垂直補正回路170のラインバッファ182は1ライン分の画像信号を格納する容量を有しているのに対して、水平補正回路172の画素バッファ192は1画素分の画像信号を格納する容量を有している。ラインバッファ182は、入力された画素信号が1ライン分だけ遅れて出力されるように遅延させる回路である。
【0069】
A−3.歪補正画像の概要および補正パラメータの設定:
図4は、フレームメモリ120に書き込まれた原画像MFと、液晶パネル126(図1)に与えられるべき画像のサイズを示す表示画像領域IFと、台形歪補正回路152によって補正されて実際に液晶パネル126に与えられる歪補正画像CFの例について示す説明図である。
【0070】
原画像MFは、垂直ライン数ORGYが500、水平画素数ORGXが700の解像度を有する画像であり、フレームメモリ120には、図4(A)に示すように、同じ解像度を有する画像として書き込まれる。すなわち、フレームメモリ120に書き込まれた原画像MFは、垂直ライン数MEMYが500、水平画素数MEMXが700の解像度を有する画像である。図4(B)に破線で示す表示画像領域IFも、原画像MFと同様に、垂直ライン数IMGYが500、水平画素数IMGXが700の解像度を有する画像領域である。従って、図4は、原画像MFと表示画像領域IF内の画像との間の拡大/縮小率が等倍、すなわち、垂直拡大/縮小率RSYが1、水平拡大/縮小率RSXも1である例を示している。
【0071】
歪補正画像CFは、表示画像領域IF内に形成された矩形形状の画像であり、原画像MFに相当する台形画像部CFaと、スクリーン上になにも表示されないようにするための補完画像部CFbとを有している。補完画像部CFb内の各画素の画像データは、黒レベルに設定されている。補完画像部CFbはスクリーン上では観察できないので、台形画像部CFaを狭義の歪補正画像と呼ぶこともできる。
【0072】
台形画像部CFaの上端縁は、表示画像領域IFの上端縁よりもKSY(=IMGY−KSSY)ライン分下に存在する。この値KSYは、垂直補正率KRSY(=KSSY/IMGY)に応じて決定される。ここで、KSSYは台形画像部CFaの垂直ライン数、IMGYは表示画像領域IFの垂直ライン数である。台形画像部CFaの左端縁は、表示画像領域IFの左端縁に対して左下点を基準に傾きθ1Xだけ内側に傾いており、また、右端縁は、表示画像領域IFの右端縁に対して右下点を基準に傾きθ2Xだけ内側に傾いている。図4(B)のXSTは、台形画像部CFaの上端ラインを含む歪補正画像CFのラインにおける台形画像部CFaの左側の補完画像部CFbの画素数(以下、左上端補完画素数と呼ぶ)を示している。XEDは、台形画像部CFaの上端ラインを含む歪補正画像CFのラインにおける台形画像部CFaの右側の補完画像部CFbの画素数(以下、右上端補完画素数と呼ぶ)を示している。なお、後述する演算においては、傾きθ1X,θ2Xとしては、画像が垂直方向に補正されたときの値XST/(KSSY−1),XED/(KSSY−1)ではなく、画像が垂直方向に補正されていないときの値XST/(IMGY−1),XED/(IMGY−1)が使用される。本例の歪補正画像CFは、垂直補正率KRSY=0.86、傾きθ1X 0.08、傾きθ2X 0.12に設定されている場合を示している。
【0073】
垂直方向の補正パラメータである垂直補正率KRSYと、水平方向の補正パラメータである傾きθ1X、θ2Xとは、全く独立して設定することができる。垂直補正率KRSYや傾きθ1X,θ2Xは、ユーザによって任意に設定されて制御条件レジスタ158に格納されている。この垂直補正率KRSYや傾きθ1X,θ2Xは、例えば、リモコン134(図1)に備えられた設定ボタンによって設定することができる。
【0074】
垂直補正率KRSYは、例えば0から1までの間の任意の値に設定することができる。設定された垂直補正率KRSYと表示画像領域IF(図4)の垂直方向のライン数IMGYとに基づいて、台形画像部CFaの垂直方向のライン数KSSY(=KRSY・IMGY)および補完画像部CFbの垂直方向のライン数KSY(=IMGY−KSSY)を求めることができる。なお、垂直補正率KRSYの代わりに台形画像部CFaのライン数KSSYや補完画像部CFbのライン数KSYをパラメータとして設定するようにしてもよい。
【0075】
水平方向の補正量、すなわち、台形歪の補正量を決定するパラメータである傾きθ1X,θ2Xも、ユーザがそれぞれ独立に任意の値に設定することができる。あるいは、傾きθ1X,θ2Xの値を直接設定する代わりに、以下に説明するように、他の2つ以上のパラメータを用いて傾きθ1X、θ2Xを設定することが可能である。
【0076】
図5および図6は、台形歪の補正量を決定するパラメータである傾きθ1X,θ2Xを設定する設定方法について示す説明図である。図5(a)は、液晶パネル126の表示画面に相当する表示画像領域IFと、表示画像領域IFの左端縁に対する傾きθ1Xと右端縁に対する傾きθ2Xとによって決定される台形画像部CFa’とが、それらの下端が表示画像領域IFの下端と一致するようにXY座標系の第1象限に配置されている例を示している。なお、傾きθ1X,θ2Xの設定は、図5の例では、台形画像部CFa(図4)の垂直方向のライン数KSSY(図4(B))が表示画像領域IFの垂直方向のライン数IMGYと等しいと仮定している。
【0077】
XY座標上の任意の点KP(KPX1,KPY1)をユーザが設定したときに、この点KPと表示画像領域IFの左下点P0および右下点P1とを結ぶ線分KP−P0および線分KP−P1を形成できる。そこで、これらの線分KP−P0,KP−P1が、台形画像部CFa’の左端縁および右端縁上に重なるように台形画像部CFa’の傾きθ1X,θ2Xが決定される。このとき、傾きθ1Xおよび傾きθ2Xは、下式に示すように、点KPの座標と、表示画像領域IFのサイズ(垂直方向のライン数IMGY,水平方向の画素数IMGX)とによって決定される。
【0078】
【数8】
【0079】
このように、XY座標の第1象限上の点KPの座標(KPX1,KPY1)を任意に設定することにより、任意の台形画像部CFa’に対応した傾きθ1X,θ2Xを設定することができる。
【0080】
上述したように、垂直方向の補正パラメータKRSYは水平方向の補正パラメータθ1X,θ2Xとは全く独立して設定できる。従って、図4(B)に示すように、垂直補正率KRSY=1として設定された台形画像部CFa’(破線で示された台形画像)の傾きθ1X,θ2Xは、垂直方向に補正された台形画像部CFa(実線で示された台形画像)の実際の傾きとは異なっている。但し、後述する補正演算では、垂直補正率KRSYの値に関わらず、破線で示された台形画像部CFa’の傾きθ1X,θ2Xの値を垂直補正率KRSYと共に使用することによって、実線で示す台形画像部CFaを得ることができる。
【0081】
なお、図5(A)とは逆に、台形画像部CFaの下端縁側の幅が縮小されるような形状に補正したい場合もある。このような場合には、図6に示すように表示画像領域IFと、台形画像部CFa’の上端が重なるように、かつ、それらの左上点が原点となるように、XY座標系の第4象限に配置されている場合を考えればよい。この場合にも、点KPのY座標の値が負となるだけで、図5(a)に示す場合と全く同様に傾きθ1X,θ2Xを決定することが可能である。
【0082】
なお、傾きθ1X,θ2Xの代わりに、図4(B)に示す左上端補完画素数XSTおよび右上端補完画素数XEDをパラメータとして設定するようにしてもよい。但し、この場合には、パラメータXST,XEDを、表示画像領域IFの水平画素数IMGXに対する割合で定義することが好ましい。このようにすれば、画像処理装置に複数の異なる解像度の画像が入力されても、同じあおり角で投写表示される場合には、共通の補正パラメータ値で画像の補正を行うことができる。
【0083】
以下では、図4(A)に示す原画像MFを、図4(B)に示す歪補正画像CFに補正する場合の台形歪補正回路152の動作を説明することにより、歪補正画像の生成内容について説明する。
【0084】
A−4.歪補正画像生成の概要および台形歪補正回路152の動作:
図7は、歪補正処理の手順を示す説明図である。歪補正処理ではまず、図7(A)に示す原画像MFが各水平ライン毎に傾きθ1X,θ2Xに応じた水平補正率FRSXで縮小される(図7(B))。そして、水平方向に縮小された画像を垂直補正率KRSYで縮小することによって図7(C)に示す歪補正画像CFの台形画像部CFaが求められる。なお、垂直方向の縮小は、上方向のあおり投写によって表示画像の下部側に比べて上部側が大きく拡大されるのを補正するように、原画像MFの下部側を基準に上部側を大きく縮小するように行われる。
【0085】
まず、図3に示す水平補正回路172の動作について説明する。水平補正制御回路190には、ラインアドレスLADと、画素アドレスPADと、第1のラインアドレス制御信号DSPVとが入力される。ラインアドレスLADおよび画素アドレスPADは、表示画像領域IFのラインアドレスおよび画素アドレス、すなわち、書込/読出制御回路146(図2)から出力された液晶パネル126の垂直方向のラインアドレスおよび水平方向の画素アドレスを示している。第1のラインアドレス制御信号DSPVは、後述する垂直補正回路170の垂直補正制御回路170から出力される制御信号である。水平補正制御回路190には、制御条件レジスタ158(図2)に格納されている台形画像部CFaの左右両端縁の傾きθ1X,θ2X(図4)が与えられる。水平補正制御回路190は、このラインアドレスLADおよび画素アドレスPADと、第1のラインアドレス制御信号DSPVと、傾きθ1X,θ2Xとに応じて、後述する演算を行って第1,第2の画素セレクト信号DSPH,SELHと、第1,第2の画素アドレス制御信号PADC1,PADC2とを生成する。第1,第2の画素セレクト信号DSPH,SELHは、セレクタ198に供給される。第1、第2の画素アドレス制御信号PADC1,PADC2は、画素アドレス発生回路202に供給される。
【0086】
画素アドレス発生回路202は、供給された第1,第2の画素アドレス制御信号PADC1,PADC2に基づいてフレームメモリ120(図2)に書き込まれている原画像MFを読み出すための読出アドレスを生成し、フレームメモリ120に供給する。
【0087】
フレームメモリ120から読み出された1画素分の画像信号VPaは画素バッファ192に格納される。画素バッファ192に格納された画像信号は、次の画素の画像信号がフレームメモリ120から供給される時に画素バッファ192から読み出される。従って、画素バッファ192から読み出される画像信号VPbは、フレームメモリ120から与えられている画像信号VPaよりも1画素手前の画像信号である。加算器194は、フレームメモリ120から供給された画像信号VPaと、画素バッファ192から読み出された画像信号VPbとを加算し、加算された画像信号には、乗算器196において1/2が乗じられる。乗算器196から出力される画像信号VPabは、フレームメモリ120から与えられた画像信号VPaと、その1画素手前の画像信号VPbとを平均したものである。この平均化された画像信号VPabは、セレクタ198のA入力端子に入力される。セレクタ198のB入力端子には、フレームメモリ120から与えられた画像信号VPaがそのまま入力されている。また、セレクタ198のC入力端子には、黒レベル信号VBLKが入力されている。セレクタ198は、第1,第2の画素セレクト信号DSPH,SELHのレベルに従って、入力された3つの画像信号VPab,VPa,VBLKのいずれか一つを選択して出力する。
【0088】
図8は、水平補正制御回路190および画素アドレス発生回路202の動作に関連する各種のパラメータのうち垂直方向の各ラインごとに算出されるパラメータについて示す説明図である。ここで、LADは液晶パネル126(表示画像領域IF)の垂直方向のラインアドレスである。DSPVは、表示画像領域IFの各ラインごとにフレームメモリ120から画像データを読み出すか画像を読み出さずに黒レベルの画像とするかを制御するための第1のラインセレクト信号を示している。MLAD*は後述する原画像MFの読出ラインアドレスMLADと同じ値を示している。STAは表示画像領域IFの各ラインにおいて原画像MFの画像データの表示を開始する画素アドレスを、EDAは原画像MFの画像データの表示を終了する画素アドレスを示している。FRSXは液晶パネル126の水平方向の全画素数(表示画像領域IFの全画素数)と、原画像MFの水平方向の画像が表示される領域の画素数との比を示している。
【0089】
水平補正制御回路190(図3)は、第1のラインセレクト信号DSPVおよびラインアドレスLADに基づいて読出ラインアドレスMLADと等しいアドレス値MLAD*を求める。この機能は後述するラインアドレス発生回路200に有する機能と同様である。従って、第1のラインセレクト信号DSPVを水平補正制御回路190に入力するのではなく、ラインアドレス発生回路200から出力される読出ラインアドレスMLADを入力するようにしてもよい。第1のラインセレクト信号DSPVおよび読出ラインアドレスMLADの詳細については後述する。
【0090】
水平補正制御回路190は、傾きθ1X,θ2Xと、表示画像領域IFの垂直方向のライン数IMGY(液晶パネル126の垂直方向のライン数)と、読出ラインアドレスMLADとに基づいて、開始画素アドレスSTAおよび終了画素アドレスEDAを下式(9a),(9b)によって算出する。
【0091】
【数9】
【0092】
水平補正制御回路190は、さらに、開始画素アドレスSTAと、終了画素アドレスEDAと、表示画像領域IFの水平画素数IMGXとに基づいて、表示画像領域IFに対する台形画像部CFaの水平補正率KRSXを下式(10)によって計算する。
【0093】
【数10】
【0094】
そして、フレームメモリ120に記憶されている原画像MFの水平画素数MEMXと、表示画像領域IFの水平画素数IMGXとの比率(縮小率RSX=IMGX/MEMX)と上記(10)式で与えられる水平補正率KRSXとに基づいて、原画像MFから歪補正画像(図5(B))を得るための水平補正率FRSXが計算される。
【0095】
【数11】
【0096】
上記計算は、表示画像領域IFの各ラインごとに実行されて、開始画素アドレスSTAと、終了画素アドレスEDAと、水平補正率FRSXとが計算される。図8は、図4に示す原画像MF(MEMX=700画素,MEMY=500ライン)と、表示画像領域IF(IMGX=700画素,IMGY=500ライン)と、傾きθ1X 0.08と、傾きθ2X 0.12とに基づいて計算された各ラインごとのパラメータを示している。
【0097】
垂直補正制御回路180から水平補正制御回路190に与えられる第1のラインセレクト信号DSPVは、図7(C)の上端のKSYライン分の間はLレベルに保たれる。この間は、後述するように各ラインには画像が表示されないので、必ずしも画像信号をフレームメモリ120から読み出す必要はない。そこで、水平補正制御回路190は第1のラインセレクト信号DSPVがLレベルの間は第1の画素セレクト信号DSPHをLレベルとし、セレクタ198ではC入力端子に入力されている画像信号、すなわち黒レベル信号VBLKが選択されて出力画像信号RV2として出力される。また、第1のラインセレクト信号DSPVがLレベルの間は図7に示す読出ラインアドレスMLADは0から変化せず、(9)式〜(11)式に基づいて計算される各パラメータの値も変化しない。第1のラインセレクト信号DSPVがHレベルに変化後はラインアドレスLADの変化に伴って、読出ラインアドレスMLAD*も変化し、これに応じて各パラメータの値が計算される。
【0098】
上記のように、傾きθ1Xに基づいて開始画素アドレスSTAを、また、傾きθ2Xに基づいて終了画素アドレスEDAを、それぞれ独立して求めることができ、原画像MF(図4)の1ライン分の画像を表示画像領域IF(図4)の対応するライン中のどれだけの画素に表示するかを決定するための水平補正率FRSXを求めることができる。
【0099】
なお、図8に示したラインアドレスLAD毎の読出ラインアドレスMLAD*と、開始画素アドレスSTAと、終了画素アドレスEDAと、水平補正率FRSXとは、設定された傾きθ1X,θ2Xおよび垂直補正率(垂直縮小率)KRSYに基づいて、予めCPU130によって算出されて制御条件レジスタ158に記憶され、垂直補正制御回路180や水平補正制御回路190に供給されるようにしてもよい。
【0100】
図9は、水平補正制御回路190および画素アドレス発生回路202の動作に関連する各種のパラメータのうち1ライン中の各画素ごとに算出されるパラメータについて、ラインアドレスLAD=70(図8参照)の場合を例に示す説明図である。ここで、FRSXは、図7(B)に示すように液晶パネル126の水平方向の全画素数(表示画像領域IFの水平方向の全画素数)と、その中で実際に原画像MFが表示される画素数との比を示している。PADは液晶パネル126の水平方向の画素アドレス(表示画像領域IFの水平方向の画素アドレス)を示し、BPADは各ライン上において台形画像部CFa(図4(B))の左端位置から右に向かって1ずつ順次増加する基準画素アドレスを示し、RSPADは基準画素アドレスBPADを水平補正率FRSXで除算した結果を示し、MPADは原画像MFの読出画素アドレスを示している。また、PADC1およびPADC2は画素アドレス発生回路202に供給される第1,第2の画素アドレス制御信号を示し、DSPH,SELHはセレクタ198に供給される第1,第2の画素セレクト信号を示している。RV1はフレームメモリ120から読み出される画像データが原画像MFのどの画素に対応しているかを、RV2はセレクタ198から出力される画像データが原画像MFのどの画素に対応しているかを示している。
【0101】
図7(C)から解るように台形画像部CFaは各ラインごとに異なった画素数を有している。図9に示す基準画素アドレスBPADは、台形画像1ライン中の各画素の番号を示している。具体的には、基準画素アドレスBPADの値は、台形画像部CFaの左端位置(例えばLAD=70におけるPAD=40の位置)の画素では0であり、台形画像部CFaの右端位置(例えばLAD=70におけるPAD=639の位置)の画素では599である。一方、フレームメモリ120に与えられる読出画素アドレスMPADの値は、台形画像部CFaの左端位置(LAD=70では、PAD=40)の画素では0であり、台形画像部CFaの右端位置(LAD=70では、PAD=639)の画素では698である。従って、液晶ディスプレイパネルの画素アドレスPADと読出画素アドレスMPADとは、フレームメモリ120に記憶されている原画像MFの各ライン中の各画素と、台形画像部CFaの各ライン中の各画素との対応関係を示していると考えることができる。
【0102】
開始画素アドレスSTA(図8)以上の画素アドレスPADが水平補正制御回路190に入力されると、画素アドレス制御信号PADC1がLレベルからHレベルに変化し、これ以降、画素アドレスPADが1つ増加する毎に基準画素アドレスBPADも0から順に1ずつ増加する。そして、終了画素アドレスEDAよりも大きい画素アドレスPADが水平補正制御回路190に入力されると、第1の画素アドレス制御信号PADC1がLレベルからHレベルに変化し、これ以降、画素アドレスPADが増加しても基準画素アドレスBPADは変化しない。図9の例では、画素アドレスPAD=40より基準画素アドレスBPADの増加が開始され画素アドレスPAD=639で基準画素アドレスBPADの更新が停止する(BPAD=599)。なお、RSPADは、基準画素アドレスBPADを水平補正率FRSXで除算した結果を整数化した値であり、図9の例では、RSPADが求められる。0,1,2,3,4,5,7,8,9,…のように変化する。
【0103】
第2の画素アドレス制御信号PADC2は、除算結果RSPADがその前の除算結果から+2増加した値となったときにHレベルとなり、それ以外のときはLレベルとなる。すなわち、水平補正制御回路190は、基準画素アドレスが更新される度に、基準画素アドレスBPADを水平補正率FRSXで除算して、その除算結果RSPADが前回の除算結果から2つ増加した場合には、第2の画素アドレス制御信号PADC2をHレベルに変化させる。一方、除算結果RSPADが前回の除算結果から+1増加した場合には、画素アドレス制御信号PADC2をLレベルに変化させる。図8の例では、基準画素アドレスBPADが6の場合に画素アドレス制御信号PADC2がHレベルになっていることが解る。
【0104】
読出画素アドレスMPADは、画素アドレス制御信号PADC2がLレベルになっている場合には+1増加し、Hレベルになっている場合には+2増加する。従って、MPADはRSPADと同じ値を示している。
【0105】
画素アドレスPADが0からSTA(=40)までの間は画素アドレス制御信号PADC1はLレベルを維持し、基準ラインアドレスBPAD、読出画素アドレスMPADも0のままで変化しない。このとき、第1,第2の画素セレクト信号DSPH,SELHはLレベルを維持し、セレクタ198ではC入力端子に入力されている画像信号、すなわち黒レベル信号VBLKが選択されて出力画像信号RV2として出力される。
【0106】
画素アドレスPADがSTA以上(PAD≧40)でEDA以下(PAD≦639)の間では、第1の画素アドレス制御信号PADC1および第1の画素セレクト信号DSPHがHレベルに保たれるとともに、基準画素アドレスBPADが画素アドレスPADの更新に応じて変化し、読出画素アドレスMPADが画素アドレス発生回路202(図3)から出力される。フレームメモリ120から読出画素アドレスMPADの変化0,1,2,3,4,5,7,9,…に応じて画像データDP0,DP1,DP2,DP3,DP4,DP5,DP7,DP9,…が読み出され、画像信号RV1として水平補正回路172に入力される。第2のセレクト信号SELHは、画素アドレス制御信号PADC2と同じである。第2のセレクト信号SELHがLレベルである場合には、セレクタ198ではB入力端子に入力されている画像信号VPaが選択されて出力画像信号RV2として出力される。すなわち、読出画素アドレスMPADが0から+1ずつ変化しているときは、これに応じてフレームメモリ120から読み出された画像データDP0,DP1,DP2,DP3,…が選択されて出力画像信号RV2として出力される。
【0107】
一方、画素アドレス制御信号PADC2がHレベルに変化したときは、第2の画素セレクト信号SELHもLレベルからHレベルに変化する。セレクタ198ではA入力端子に入力されている画像信号VPabが選択されて出力画像信号RV2として出力される。すなわち、1画素飛ばして読み出された画像信号VPa(7画素目の画像データDP7)とその1画素前に読み出された画像信号VPb(1画素目の画像データDP5)とを平均した信号((DP5+DP7)/2)が出力画像信号RV2として出力される。この画像信号VPabは、読出ラインアドレスが1画素飛ばされることによって欠落したその間の画素の画像データを補間するために、欠落前後の画素の画像信号を平均した信号である。すなわち、図3に示す画素バッファ192、加算器194、乗算器196、およびセレクタ198は、画素の欠落により発生する画像の不連続性を緩和するフィルタ回路としての機能を有している。
【0108】
画素アドレスPADがEDA(=639)よりも大きくなると、画素アドレス制御信号PADC1はHレベルからLレベルに変化し、基準ラインアドレスBPAD、読出画素アドレスMPADは更新が停止される。このとき、第1,第2の画素セレクト信号DSPH,SELHもLレベルのままとなり、セレクタ198ではC入力端子に入力されている画像信号、すなわち黒レベル信号VBLKが選択されて出力画像信号RV2として出力される。
【0109】
なお、画素アドレス発生回路202における読出画素アドレスMPADの更新を、上述のように第1,第2の画素アドレス制御信号PADC1,PADC2のレベルに応じて制御する代わりに、画素アドレス発生回路202内において独自に読出画素アドレスMPADの更新を制御することも可能である。この場合には、画素アドレス発生回路202内に、水平補正制御回路190とほぼ同様の回路を設けて、第1,第2の画素アドレス制御信号PADC1,PADC2と等価な信号を生成するようにすればよい。特に、水平補正率FRSXが0.5よりも小さい場合には、読出画素アドレスMPAD(除算結果RSPAD)が2以上変化する場合があり、第1,第2の画素アドレス制御信号PADC1,PADC2に応じて上述のように画素アドレス発生回路202において読出画素アドレスMPADを発生することは困難である。このような場合には、水平補正制御回路190に画素アドレス発生回路を備えるようにすることが好ましい。
【0110】
図10は、水平補正回路172の動作を示すタイミングチャートである。図10(a)は画素アドレスPADを示し、図10(c)は基準画素アドレスBPADを示している。図10(b)は第1の画素アドレス制御信号PADC1を、図10(d)は第2の画素アドレス制御信号PADC2を示している。図10(e)は読出画素アドレスMPADを示している。図10(f)に示す読出制御信号MPR#は、フレームメモリ120における読み出しを許可する信号であり、書込/読出制御回路146からフレームメモリ120に供給されている。この信号MPR#は負論理であり、Lレベルの時にのみ画像信号の読み出しが許可される。
【0111】
図10(a)〜(c)に示すように、画素アドレスPADが1つずつ増加して開始画素アドレスSTA(=40)になるまでは第1の画素アドレス制御信号PADC1はLレベルのままで、基準画素アドレスBPADは0から変化しない。画素アドレスPADが開始画素アドレスSTA以上となって第1の画素アドレス制御信号PADC1がHレベルに変化すると、基準画素アドレスBPADも画素アドレスPADの変化に応じて1つずつ増加する。基準画素アドレスBPADの変化に応じて図10(e)に示す読出画素アドレスも1つずつ増加する。但し、図10(d)に示す第2の画素アドレス制御信号PADC2がHレベルのときは、読出画素アドレスMPADは2つ増加する。なお、これらのアドレスの変化は、図10(m)に示すドットクロック信号DCLK3に同期して実行される。そして、図10(f)に示す読出制御信号MPR#がLレベルの間に、図10(g)に示すようにフレームメモリ120(図1)から読出画素アドレスMPADに応じた画像データDP0,DP1,DP2,DP3,DP4,DP5,DP7,DP9,…が画像信号VPaとして水平補正回路172(図3)に入力され、セレクタ198に入力される。また、画素バッファ192(図3)からは、1画素前の画像信号VPbが出力され、セレクタ198に入力される。さらに、画像信号VPaおよび画像信号VPbとが加算平均されて図10(i)に示すVPabが作成される。そして、この画像信号VPabがセレクタ198に入力される。
【0112】
図10(j)に示す第1の画素セレクト信号DSPHは、図10(b)に示す第1の画素アドレス制御信号PADC1の変化に合わせて変化する。第1の画素セレクト信号DSPHがLレベルの間は、セレクタ198では黒レベル信号VBLKが選択されて出力画像信号RV2として出力される。第1の画素セレクト信号DSPHがHレベルに変化後において、図10(k)に示す第2の画素セレクト信号SELHがLレベルの間は、セレクタ198では画像信号VPaが選択されて出力画像信号RV2として出力される。一方、第2の画素セレクト信号SELHがHレベルの間、すなわち、第2の画素アドレス制御信号PADC2がHレベルに変化して読出画素アドレスMPADが2つ増加したときは、セレクタ198では画像信号VPabが選択されて出力画像信号RV2として出力される。
【0113】
このように、図3に示す水平補正回路172では、水平補正制御回路190において算出された水平方向台形歪補正パラメータ(図8、図9)に従って、液晶パネル126(図1)に対応する表示画像領域IF(図4)の各ラインの各画素に対して原画像MF(図4)のどの画素を対応させるかを決定して出力することができる。しかも、この算出に用いられる(9)式〜(11)式の各計算式において、台形歪補正のためにユーザが調整しなければならない水平補正パラメータは傾きθ1X、θ2Xのみなので、容易に調整が可能である。また、傾きθ1X,θ2Xをそれぞれ独立に設定することができるので、上下方向にあおり角が発生しているときのみならず、左右方向にあおり角が発生し、発生する台形歪の形状が左右対称でないような場合にも台形歪を補正することが可能である。なお、台形歪の形状が左右対称であるときは、θ1X=θ2Xとすればよく、共通の1つの傾きθXを用いて台形歪を補正することもできる。
【0114】
次に、図3に示す垂直補正回路170の動作について説明する。垂直補正制御回路180には、表示画像領域IFのラインアドレス、すなわち、液晶パネル126の垂直方向のラインアドレスLADが書込/読出制御回路146(図2)から入力される。また、制御条件レジスタ158(図2)に格納されている垂直補正率KRSYが与えられる。垂直補正制御回路180は、このラインアドレスLADと垂直補正率KRSYとに応じて、後述する演算を行って第1,第2のラインセレクト信号DSPV,SELVと、第1,第2のラインアドレス制御信号LADC1,LADC2とを生成する。第1,第2のラインセレクト信号DSPV,SELVは、セレクタ188に供給される。第1、第2のラインアドレス制御信号LADC1,LADC2は、ラインアドレス発生回路200に供給される。
【0115】
ラインアドレス発生回路200は、供給された第1,第2のラインアドレス制御信号LADC1,LADC2に基づいてメモリ120に書き込まれている原画像MFの読出アドレスを生成し、原画像MFの読出しを実行する。
【0116】
水平補正回路172から出力された1ライン分の画像信号VLaはラインバッファ182に格納される。ラインバッファ182に格納された画像信号は、次のラインの画像信号が水平補正回路172から供給される時にラインバッファ182から読み出される。従って、ラインバッファ182から読み出される画像信号VLbは、水平補正回路172から与えられている画像信号VLaよりも1ライン手前の画像信号である。加算器184は、水平補正回路172から供給された画像信号VLaと、ラインバッファ182から読み出された画像信号VLbとを加算し、加算された画像信号には、乗算器186において1/2が乗じられる。乗算器186から出力される画像信号VLabは、水平補正回路172から与えられた画像信号VLaと、その1ライン手前の画像信号VLbとを平均したものである。この平均化された画像信号VLabは、セレクタ188のA入力端子に入力される。セレクタ188のB入力端子には、水平補正回路172から与えられた画像信号VLaがそのまま入力されている。また、セレクタ188のC入力端子には、黒レベル信号VBLKが入力されている。セレクタ188は、第1,第2のラインセレクト信号DSPV,SELVのレベルに従って、入力された3つの画像信号VLab,VLa,VBLKのいずれか一つを選択して出力する。
【0117】
図11は、垂直補正制御回路180およびラインアドレス発生回路200の動作に関連する各種のパラメータについて示す説明図である。ここで、LADは液晶パネル126の垂直方向のラインアドレスを示し、BLADは台形画像部CFa(図4(B))の上端位置から下に向かって、1ずつ順次増加する基準ラインアドレスを示し、OFFLADは基準ラインアドレスBLADと実際にフレームメモリ120に与えられる読出ラインアドレスMLADとの差(オフセットラインアドレス)を示している。LADC1およびLADC2はラインアドレス発生回路200に供給される第1,第2のラインアドレス制御信号を示し、DSPV,SELVはセレクタ188に供給される第1,第2のラインセレクト信号を示している。RV2は水平補正回路172から出力される画像データが原画像MFのどのラインに対応しているかを示し、RV3はセレクタ188から出力される画像データが原画像MFのどのラインに対応しているかを示している。
【0118】
基準ラインアドレスのインクリメントが開始されるラインアドレスLAD(開始ラインアドレスSTLAD)の値は、垂直補正率KRSYおよび表示画像領域IFの垂直方向のライン数IMGYに基づいて下式(12a),(12b)によって算出される。
【0119】
【数12】
【0120】
また、オフセットラインアドレスOFFLADは、例えば下式(13)によって算出される。
【0121】
【数13】
【0122】
なお、オフセットラインアドレスOFFLADを求める計算式に用いられる関数は、(LAD−STLAD)=0のときに0となり、(LAD−STLAD)=(KSSY−1)のときに1となるような任意の単調な関数を利用することができ、三角関数だけでなく、指数関数等の他の関数を利用することができる。上方向へのあおり投写によって発生する垂直方向の歪は、画像の上側ほど大きく拡大され、投写スクリーン上に表示される画像のライン密度は、画像の上側ほど小さく、画像の下側ほど大きい。従って、台形画像CFaの小さい方の底辺に対応する原画像MFのライン数は多く、大きい方の底辺に対応する原画像MFのライン数は小さくなることが好ましい。オフセットラインアドレスOFFLADは、台形画像CFaの各ラインと原画像MFの各ラインとが上記関係を満足するように設定されている。
【0123】
読出ラインアドレスMLADは、基準ラインアドレスBLADとオフセットラインアドレスOFFLADとに基づいて下式(14)から算出される。
【0124】
【数14】
【0125】
ここで、RSYは、原画像MFの垂直ライン数MEMYに対する表示画像領域IFの垂直ライン数IMGYの比である垂直拡大/縮小率を示している。本例では、図4に示すようにRSY=1である。垂直拡大/縮小率RSYについては後述する。
【0126】
図4(B)から解るように台形画像部CFaは430本のラインを有している。図11に示す基準ラインアドレスBLADは、台形画像部CFaの430本の各ラインの番号を示している。すなわち、基準ラインアドレスBLADの値は、台形画像部CFaの上端位置(LAD=70)のラインでは0であり、台形画像部CFaの下端位置(LAD=499)のラインでは429である。一方、フレームメモリ120に与えられる読出ラインアドレスMLADの値は、台形画像部CFaの上端位置(LAD=70)のラインでは0であり、台形画像部CFaの下端位置(LAD=499)のラインでは499である。従って、液晶ディスプレイパネルのラインアドレスLADと読出ラインアドレスMLADとは、フレームメモリ120に記憶されている原画像IMの各ラインと、台形画像部CFaの各ラインとの対応関係を示していると考えることができる。また、オフセットアドレスOFFLADは、補完画像部CFbの上端における70本分の高さを、台形画像部CFaの430本のラインの中のどの位置で吸収するかを示している。
【0127】
開始ラインアドレスSTLAD(=70)以上のラインアドレスLADが垂直補正制御回路180に入力されると、ラインアドレス制御信号LADC1がLレベルからHレベルに変化し、これ以降、ラインアドレスLADが1つ増加する毎に基準ラインアドレスBLADも0から順に1ずつ増加する。ラインアドレスLADが0からSTLADまでの間では、ラインアドレス制御信号LADC1はLレベルを維持し、基準ラインアドレスBLADと、オフセットラインアドレスOFFLADと、読出ラインアドレスMLADとは、いずれも0ラインのままで変化しない。このとき、第1,第2のラインセレクト信号DSPV,SELVはLレベルを維持し、セレクタ188ではC入力端子に入力されている画像信号、すなわち黒レベル信号VBLKが選択されて出力画像信号RV3として出力される。
【0128】
ラインアドレスLADがSTLAD以上(LAD≧70)のときは、第1のラインアドレス制御信号LADC1および第2のラインセレクト信号DSPVがHレベルに保たれる。このとき、基準ラインアドレスBLADがラインアドレスLADの変化に応じて0から順に1ずつ変化し(12)式〜(14)式により読出ラインアドレスMLADが算出される。
【0129】
但し、図3の回路では、ラインアドレス発生回路200は、(12)式〜(14)式を用いる代わりに、垂直補正制御回路180から与えられるラインアドレス制御信号LADC1,LADC2に応じて読出ラインアドレスMLADを以下のように更新する。オフセットラインアドレスOFFLADが一つ前のラインアドレスLADにおけるオフセットラインアドレスOFFLADの値から変化しないときは、ラインアドレス制御信号LADC2はLレベルを維持し、読出ラインアドレスMLADは基準ラインアドレスBLADの変化に応じて1ずつ変化する。一方、オフセットラインアドレスOFFLADが変化したときは、ラインアドレス制御信号LADC2がHレベルに変化する。ラインアドレス制御信号LADC2がHレベルに変化したときは、ラインアドレス発生回路200(図3)は読出ラインアドレスMLADを+2増加させる。図11では、例えば、ラインアドレスLADが71から72に変化すると、オフセットラインアドレスOFFLADが0から1に変化する。このとき、ラインアドレス制御信号LADC2はHレベルに変化し、読出ラインアドレスMLADは1から3に変化する。
【0130】
水平補正回路172からは、読出ラインアドレスMLADの変化0,1,3,4,…に応じて画像データDL0,DL1,DL3,DL4…が出力画像信号RV2として垂直補正回路170に入力される。ここで、読出ラインアドレスMLADが1ずつ順に変化している場合には、第2のセレクト信号SELVはLレベルを維持し、セレクタ188ではB入力端子に入力されている画像信号VLaが選択されて出力画像信号RV3として出力される。一方、読出ラインアドレスMLADが+2変化する場合には、第2のセレクト信号SELVはHレベルに変化し、セレクタ188ではA入力端子に入力されている画像信号VLabが選択されて出力画像信号RV3として出力される。すなわち、1ライン飛ばして読み出された画像信号VLa(3ライン目の画像データDL3)とその1ライン前に読み出された画像信号VLb(1ライン目の画像データDL1)とを加重平均した信号が出力画像信号RV3として出力される。この画像信号VLbは、読出ラインアドレスが1ライン飛ばされることによって欠落したその間のラインの画像データを補間するために、欠落前後のラインの画像信号を平均した信号である。すなわち、図3に示すラインバッファ182、加算器184、乗算器186、およびセレクタ188は、ラインの欠落を緩和するフィルタ回路としての機能を有している。
【0131】
なお、ラインアドレス発生回路200における読出ラインアドレスMLADの更新を、上述のように第1,第2のラインアドレス制御信号LADC1,LADC2のレベルに応じて制御する代わりに、ラインアドレス発生回路200内において独自に読出ラインアドレスMLADの更新を制御することも可能である。この場合には、ラインアドレス発生回路200内に、垂直補正制御回路180とほぼ同様の回路を設けて、第1,第2のラインアドレス制御信号LADC1,LADC2と等価な信号を生成するようにすればよい。特に、垂直方向の補正率KRSYが0.5よりも小さい場合には、読出ラインアドレスMLAD(オフセットラインアドレスOFFLAD)が2以上変化する場合があり、第1,第2のラインアドレス制御信号LADC1,LADC2に応じて上述のようにラインアドレス発生回路200において読出ラインアドレスMLADを発生することは困難である。このような場合には、垂直補正制御回路180にラインアドレス発生回路を備えるようにすることが好ましい。
【0132】
図12は、垂直補正回路170の動作を示すタイミングチャートである。図12(a)はフレームメモリ120におけるラインアドレスLADを示し、図12(c)は基準ラインアドレスBLADを示している。図12(b)は第1のラインアドレス制御信号LADC1を、図12(d)は第2のラインアドレス制御信号LADC2を示している。図12(e)は読出ラインアドレスMLADを示している。図12(f)に示す読出制御信号MLR#は、フレームメモリ120における読み出しを許可する信号であり、書込/読出制御回路146からフレームメモリ120に供給されている。この信号MLR#は負論理であり、Lレベルの時にのみ画像信号の読み出しが許可される。また、図3に示すラインバッファ182も、この信号MLR#と同様な信号が入力され、フレームメモリ120からの読出とほぼ同じタイミングでラインバッファ182に対する画像信号の入力および出力が実行される。
【0133】
図12(a)〜(c)に示すように、ラインアドレスLADが1つずつ増加して開始ラインアドレスSTLAD(=70)になるまでは第1のラインアドレス制御信号LADC1はLレベルのままで、基準ラインアドレスBLADは0から変化しない。ラインアドレスLADが開始ラインアドレスSTLAD以上となって第1のラインアドレス制御信号LADC1がHレベルに変化すると、基準ラインアドレスBLADもラインアドレスLADの変化に応じて0から1ずつ増加する。基準ラインアドレスBLADの変化に応じて図12(e)に示す読出ラインアドレスも1ずつ増加する。但し、図12(d)に示す第2のラインアドレス制御信号LADC2がHレベルのときは、読出ラインアドレスMLADは2増加する。なお、これらのアドレスの変化は、図12(m)に示す同期信号HSYNC3に同期して実行される。そして、図12(f)に示す読出制御信号MLR#がLレベルの間に、図12(g)に示すようにフレームメモリ120(図1)から読出ラインアドレスMLADに応じた画像データDL0,DL1,DL3…が読み出され、水平補正回路172を介して画像信号RV2として垂直補正回路170(図3)に入力される。画像信号RV2は、画像信号VLaとしてセレクタ188およびラインバッファ182に入力される。また、ラインバッファ182(図3)への画像信号VLaの入力とほぼ同時に、ラインバッファ182からは1ライン前の画像信号VLbが出力され、セレクタ188に入力される。さらに、画像信号VLaおよび画像信号VLbが加算平均されて図12(i)に示すVLabが作成される。そして、この画像信号VLabがセレクタ188に入力される。
【0134】
図12(j)に示す第1のラインセレクト信号DSPVは、図12(b)に示す第1のラインアドレス制御信号LADC1の変化に合わせて変化する。第1のラインセレクト信号DSPVがLレベルの間は、セレクタ188では黒レベル信号VBLKが選択されて出力画像信号RV3として出力される。第1のラインセレクト信号DSPVがHレベルに変化後において、図12(k)に示す第2のラインセレクト信号SELVがLレベルの間は、セレクタ188では画像信号VLaが選択されて出力画像信号RV3として出力される。一方、第2のラインセレクト信号SELVがHレベルの間、すなわち、第2のラインアドレス制御信号LADC2がHレベルに変化して読出ラインアドレスMLADが2つ増加したときは、セレクタ188では画像信号VLabが選択されて出力画像信号RV3として出力される。
【0135】
このように、図3に示す垂直補正回路170では、垂直補正制御回路180において決定された垂直方向の補正パラメータ(図11)に従って、液晶パネル126(図1)に対応する表示画像領域IF(図4)の各ラインに対して原画像MF(図4)のどのラインを対応させるかを決定することができる。しかも、この決定に用いられる(6)式〜(8)式の各計算式において、あおり投写によって発生する歪画像を補正するためにユーザが調整しなければならないパラメータは垂直補正率KSRYのみであり、従来に比べて容易に調整が可能である。
【0136】
なお、上記垂直補正回路170では、垂直補正率KSRYに応じて歪補正画像CFのうち黒画像とする領域(ライン数KSYの領域)を台形画像部CFaの上側に設ける場合を例に説明しているが、この領域を下に設けるようにしてもよい。
【0137】
また、上記垂直補正回路170、水平補正回路172の動作説明では、拡大/縮小率RSX=1,RSY=1として説明しているが、もちろん拡大/縮小率RSX,RSYを0〜1の範囲で設定することもできる。例えば、図2に示したように縮小/フィルタ回路144を介さずにフレームメモリに書き込まれるような画像信号DV3、例えば、CPU130に接続されたバスを介して書き込まれるような画像信号は、液晶パネル126の表示サイズ、すなわち、表示画像領域IF(図4)よりも大きいサイズの画像である場合がある。このような場合には、縮小率RSX,RSYを対応する値に設定することによりフレームメモリ120に書き込まれた画像を表示画像領域IFのサイズに縮小することも可能である。すなわち、台形歪補正回路152は、縮小/フィルタ回路としての機能も有している。また、原画像MFが表示画像領域IFよりも小さい画像である場合には、拡大/縮小率RSX=1,RSY=1として、台形歪補正回路152において歪補正画像を生成し、拡大/フィルタ回路154において歪補正後の画像を拡大するようにすればよい。
【0138】
また、縮小/フィルタ回路144において、垂直補正率KRSYに応じて画像を縮小することにより垂直方向の補正を行い、台形歪補正回路152において水平方向の補正のみを行うようにすることもできる。
【0139】
また、上述の説明では、図4(B)に示すように、歪補正画像CFを構成する画像CFaが画像の上端縁側の幅が縮小されるような台形画像である場合を例に説明している。上限逆の形状をした台形画像の場合には、(9)式の代わりに以下の式を用いれば良い。
【0140】
【数15】
【0141】
上記説明のように、台形歪補正回路152においては、ユーザが容易に設定可能な垂直補正率KRSYと、傾きθ1X,θ2Xとに応じて、あおり投写によって発生する歪画像を補正するための歪補正画像を生成することができる。また、傾きθ1X,θ2Xはそれぞれ独立に設定できるので、左右対称形の歪画像だけでなく、左右非対称な歪画像も補正可能である。
【0142】
なお、上記実施例では、欠落ラインの補間処理は、欠落ラインの前後のラインを用いて行われているが、欠落ラインと、欠落ラインに隣接する1本のラインあるいは2本のラインを用いて補間を行うようにしてもよい。欠落画素の補間処理も同様である。なお、欠落ラインや欠落画素そのものを用いて補間処理を行いたい場合には、表示速度の2倍以上の速度でフレームメモリ120から画像を読み出して補間処理を実行する。このときには、台形歪補正回路152に、2倍の速度で読み出された画像信号を表示速度でラッチするラッチ回路、すなわち、バッファ回路を設ければよい。また、垂直補正制御回路180や水平補正制御回路190における読出アドレスの生成方法が異なるが、基本的には上述した台形歪補正回路152の処理と同様である。
【0143】
以上の説明からわかるように、第1実施例においては、ビデオプロセッサ122が本発明の画像補正部に相当する。また、水平補正回路172が第1の補正部に相当し、垂直補正回路170が第2の補正部に相当する。
【0144】
B.第2実施例:
第2実施例としての画像処理装置の各構成は、第1実施例の画像処理装置100と同じである。第1実施例と第2実施例の違いは、台形歪補正のための歪補正画像を生成する処理内容にある。以下では、第2実施例における歪補正画像を生成する処理内容について説明する。
【0145】
B−1.歪補正画像の概要:
図13は、第2実施例における歪補正処理の手順を示す説明図である。まず、図13(A)に示すように、原画像MFの全体を、縮小/フィルタ回路144(図3)において縮小し、図13(B)に示す縮小画像MFaを作成する。なお、原画像MFは、第1実施例において図4に示したものと同じであり、水平方向の幅ORGX(=IMGY)が700画素で、垂直方向の高さORGY(=IMGY)が500ラインである。縮小画像MFaの水平方向の幅は、台形画像CF1aの台形の上底と下底の短い方の長さに等しく設定される。また、縮小画像MFaの原画像MFに対する垂直方向の縮小率は、垂直補正率KRSYの2乗に設定される。なお、この縮小率については後述する。従って、図13(B)の例では、フレームメモリ120に書き込まれた縮小画像MFaの水平方向の幅MEMXは600画素であり、垂直方向の高さMEMYは370ラインである。縮小/フィルタ回路144で得られた縮小画像Maは、フレームメモリ120に書き込まれる。次に、図13(C)に示すように、台形歪補正回路152(図3)において、縮小画像MFaを、台形画像部CF1a’の左端縁および右端縁の傾き(θ1X’ 0.11),(θ2X’ 0.16)に応じた水平拡大率FRSX’で各水平ライン毎に拡大する。さらに、図13(D)に示すように、全体の垂直拡大率(KRSY’ 1.16)で垂直方向を拡大することにより、歪補正画像CF1の台形画像部CF1aを得る。ここで、垂直方向の拡大は、上方向のあおり投写によって、表示画像の下部側に比べて上部側が大きく拡大されるのを補正するように、縮小画像MFaの上部側を基準に下部側を大きく拡大するように行われる。
【0146】
ここで、傾きθ1X’,θ2X’は、図13(C)に示すように縮小画像画像MFaを水平方向にのみ拡大補正する場合における台形画像部CF1aの左端縁および右端縁の傾きを示している。傾きθ1X’,θ2X’は、下式(16a),(16b)により求められる。あるいは、傾きθ1x’,θ2X’を直接設定するようにしてもよい。
【0147】
【数16】
【0148】
図13(D)の台形画像部CF1aに応じてスクリーン上に投写される投写画像は、ほぼ矩形の正画像となる。すなわち、台形画像部CF1aの上底部分は、下底部分よりも光学的におおきな拡大率で拡大されて投写表示される。一方、台形画像部CF1aの下底部分は、水平補正時(図13(B)→(C))に、上底部よりも大きな拡大率で電子的に拡大されている。このような光学的拡大と電子的拡大とを合わせて考えると、投写画像の上端部と下端部は、縮小画像MFaの上端部と下端部が互いにほぼ等しい総合的な拡大率で水平方向にそれぞれ拡大されて投写表示されているということができる。従って、投写画像の各部は、縮小画像MFaが総合的(電子的/光学的)にほぼ一定の拡大率で拡大されたものである。このように、第2実施例では、投写画像の各部がほぼ一定の拡大率で水平方向にそれぞれ拡大されて投写表示されるので、第1実施例に比べて投写画像内での画像品質をより均一にすることができるという利点がある。
【0149】
B−2.台形歪補正回路152の動作:
第2実施例においても台形歪補正回路152の動作は第1実施例と基本的に同じであるが、水平補正制御回路190および画素アドレス発生回路202の動作に関連する各種のパラメータの処理内容が異なっている。以下では、第2実施例において第1実施例と異なる水平補正制御回路190および画素アドレス発生回路202の動作に関連する各種のパラメータの処理内容について説明する。
【0150】
図14は、水平補正制御回路190および画素アドレス発生回路202の動作に関連する各種のパラメータのうち垂直方向の各ラインごとに算出されるパラメータについて示す説明図であり、図13(B)に示す縮小画像MFa(MEMX=600画素,MEMY=370ライン)と、図13(A)に示す原画像MF(ORGX=700画素,ORGY=500ライン)に等しい表示画像領域IF(IMGX=700画素,IMGY=500ライン)と、傾きθ1X’ 0.11と、傾きθ2X’ 0.16とに基づいて計算された各ラインごとのパラメータを示している。図14のパラメータは、第1実施例における図8のパラメータと基本的に同じである。但し、図8のFRSXが表示画像領域IFの前画素数IMGXと、原画像MFの水平方向の画像が表示される領域の画素数との比(水平補正率)を示しているのに対して、図14のFRSX’は縮小画像MFaの水平方向の画素数MEMXと、台形画像部CF1aの画素数、すなわち縮小画像MFaの水平方向の画像が表示される領域の画素数との比(水平拡大率)を示している。
【0151】
水平補正制御回路190(図3)は、第2実施例においても第1実施例(図8)と同様に、第1のラインセレクト信号DSPVおよびラインアドレスLADに基づいて求められた基準ラインアドレスBLAD*にしたがって、読出ラインアドレスMLAD*を求める。さらに、傾きθ1X’,θ2X’と、縮小画像MFaの垂直方向のライン数MEMYと、表示画像領域IFの水平画素数IMGXと、読出ラインアドレスMLAD*とに基づいて、開始画素アドレスSTAおよび終了画素アドレスEDAが下式(17a),(17b)によって算出される。
【0152】
【数17】
【0153】
また、開始画素アドレスSTAと、終了画素アドレスEDAと、原画像MFの水平画素数MEMXとに基づいて、縮小画像MFaに対する台形画像部CF1aの水平拡大率FRSX’、すなわち、原画像MFの各水平ラインごとの水平拡大率が下式(18)によって計算される。
【0154】
【数18】
【0155】
第1のラインセレクト信号DSPVは、第1実施例と同様に、図13(D)の上端のKSYライン分の間はLレベルに保たれ、黒レベル信号VBLKが選択されて出力画像信号RV2として水平補正回路172(図3)から出力される。また、第1のラインセレクト信号DSPVがLレベルの間は図14に示す読出ラインアドレスMLAD*は0から変化せず、(17)式,(18)式に基づいて計算される各パラメータの値も変化しない。第1のラインセレクト信号DSPVがHレベルに変化後は読出ラインアドレスMLAD*の変化に応じて各パラメータの値が計算される。
【0156】
上記のように、傾きθ1X’に基づいて開始画素アドレスSTAを、また、傾きθ2X’に基づいて終了画素アドレスEDAを、それぞれ独立して求めることができ、縮小画像MFa(図13(B))の各ラインの画像を表示画像領域IF(図4)の対応するライン中のどれだけの画素に表示するかを決定するための水平拡大率FRSX’を求めることができる。
【0157】
図15は、水平補正制御回路190および画素アドレス発生回路202の動作に関連する各種のパラメータのうち1ライン中の各画素ごとに算出されるパラメータについて、ラインアドレスLAD=399(図14参照)の場合を例に示す説明図である。図15に示すパラメータは、第1実施例における図9に示すパラメータと同じである。ここでは、各パラメータのうち処理内容の異なるパラメータについてのみ説明する。
【0158】
第2の画素アドレス制御信号PADC2は、除算結果RSPADがその前の除算結果と同じ値となったときにHレベルとなり、それ以外のときはLレベルとなる。すなわち、水平補正制御回路190は、基準画素アドレスが更新される度に、基準画素アドレスBPADを水平拡大率FRSX’で除算して、その除算結果RSPADが前回の除算結果と同じ場合には、第2の画素アドレス制御信号PADC2をHレベルに変化させる。一方、除算結果RSPADが前回の除算結果から+1増加した場合には、画素アドレス制御信号PADC2をLレベルに変化させる。図15の例では、基準画素アドレスBPADが5の場合に画素アドレス制御信号PADC2がHレベルになっていることが解る。
【0159】
読出画素アドレスMPADは、第1の画素アドレス制御信号PADC1がHレベルである間においてのみ、その値が変化するように設定される。このとき、読出画素アドレスMPADは、画素アドレス制御信号PADC2がHレベルからLレベルに変化した場合を除いて+1増加し、HレベルからLレベルに変化した場合には増加しない。図15では、例えば、基準画素アドレスBPADが4,5において、除算結果RSPADは4のまま変化せず、基準画素アドレスBPADが5においてLレベルからHレベルに変化し、基準画素アドレスBPADが6においてHレベルからLレベルに変化する。従って、基準画素アドレスBPADが5から6に変化しても読出画素アドレスMPADは5のまま変化しない。
【0160】
図16は、垂直補正制御回路180およびラインアドレス発生回路200の動作に関連する各種のパラメータについて示す説明図である。図16のパラメータは、第1実施例における図11のパラメータと同じである。ここでは、各パラメータのうち処理内容の異なるパラメータについてのみ説明する。
【0161】
基準ラインアドレスのインクリメントが開始されるラインアドレスLAD(開始ラインアドレスSTLAD)の値は、垂直補正率KRSYおよび表示画像領域IFの垂直方向のライン数IMGYに基づいて下式(19a),(19b)によって算出される。
【0162】
【数19】
【0163】
また、オフセットラインアドレスOFFLADは、例えば下式(20a)〜(20c)によって算出される。
【0164】
【数20】
【0165】
読出ラインアドレスMLADは、基準ラインアドレスBLADとオフセットラインアドレスOFFLADとに基づいて下式(21)から算出される。
【0166】
【数21】
【0167】
オフセットアドレスOFFLADは、原画像MFと台形画像部CF1aとのライン数の差分を、台形画像部CF1aの430本のラインの中のどの位置で吸収するかを示し、あおり投写によって発生する垂直方向の拡大歪を補正するように設定される。
【0168】
但し、図3の回路では、第1実施例において説明したと同様に、ラインアドレス発生回路200は、(19)式〜(21)式を用いる代わりに、垂直補正制御回路180から与えられる第1,第2のラインアドレス制御信号LADC1,LADC2に応じて読出ラインアドレスMLADを更新する。
【0169】
第2のラインアドレス制御信号LADC2は、オフセットラインアドレスOFFLADが一つ前のラインアドレスLADにおけるオフセットラインアドレスOFFLADの値に対して変化したときは、ラインアドレス制御信号LADC2はLレベルを維持し、読出ラインアドレスMLADは、第1のラインアドレス制御信号LADC1がHレベルである間においてのみ、その値が変化するように設定される。このとき、読出ラインアドレスMLADは、ラインアドレス制御信号LADC2がHレベルからLレベルに変化した場合を除いて+1増加し、HレベルからLレベルに変化した場合には増加しない。図16では、例えば、基準ラインアドレスBLADの180から181への変化すると、オフセットラインアドレスOFFLADが12から13へ変化し、第2のラインアドレス制御信号LADC2がLレベルからHレベルに変化する。そして、基準ラインアドレスBLADの181から182へ変化すると、オフセットラインアドレスOFFLADは13を維持し、第2のラインアドレス制御信号LADC2がHレベルからLレベルに変化する。従って、基準ラインアドレスBLADが181から182に変化しても読出ラインアドレスMLADは169のまま変化しない。
【0170】
なお、水平補正回路172および垂直補正回路170の動作タイミングは、図9および図11に示した第1実施例のタイミングチャートと同様であるので説明を省略する。
【0171】
図17は、歪補正画像CF1と投写された表示画像との関係を垂直方向に着目して示す説明図である。第1実施例においては、図17(A−1)に示すように垂直方向に500ラインを有する原画像MFを垂直方向に縮小して、図17(A−2)に示すように歪補正画像CFを作成し、この歪補正画像CFを投写して、図17(A−3)に示すようにほとんど歪のない表示画像を得る。歪補正画像CFのラインアドレスが99,199,299,399,499の各ラインには原画像MFのラインアドレスが37,161,281,394,499の各ラインが対応する。そして、表示画像のラインアドレスが37〜161,161〜281,281〜394,394〜499の各ライン間には、それぞれ歪補正画像CFのラインアドレスが99〜199,199〜299,299〜399,399〜499の各ライン間の画像が表示される。従って、表示画像のラインアドレスが37〜161の間の124本の表示ライン上には、歪補正画像CFの100ライン分の画像が表示されるので、この部分における実質的なライン密度KLは約0.81(100/124)である。同様に、表示画像のラインアドレスが161〜281,281〜394,394〜499の各ライン間における実質的なライン密度KLは、それぞれ約0.83,0.89,0.95である。このように、第1実施例では、表示画像における実質的なライン密度が垂直方向の位置に応じてかなり大きく変化し、この結果、表示画像の上部と下部における垂直方向の実質的な解像度が大きく変化する。
【0172】
一方、第2実施例においては、図17(A−1)と同じ垂直方向に500ラインを有する原画像MFを図17(B−1)に示すように縮小し、縮小された画像MFaを垂直方向に拡大して、図17(B−2)に示すように歪補正画像CF1を作成し、この歪補正画像CF1を投写して、図17(B−3)に示すようにほとんど歪のない表示画像を得る。歪補正画像CF1のラインアドレスが99,199,299,399,499の各ラインには縮小画像MFaのラインアドレスが29,122,209,290,369の各ラインが対応する。歪補正画像CF1のラインアドレスが99〜199の間の100本のラインは、縮小画像MFaの93本のラインが拡大されたものなので、この部分の実質的なライン数MLは93本である。同様に、歪補正画像CF1の199〜299,299〜399,399〜499の各ライン間の実質的なライン数ML(すなわち縮小画像MFaのライン数)は、それぞれ87,81,79本である。従って、表示画像のラインアドレスが37〜161の間の124本の表示ライン上には、実質的なライン数MLが93本である歪補正画像CF1の100ライン分の画像が表示されるので、この部分における実質的なライン密度KLは約0.75(93/124)である。同様に、表示画像のラインアドレスが161〜281,281〜394,394〜499の各ライン間には、実質的なライン数MLが87,81,79本である画像がそれぞれ表示されるので、これらの部分における実質的なライン密度KLは、それぞれ約0.73,0.72,0.75である。このように、第2実施例では、第1実施例に比べて各ライン間の実質的なライン密度KLの変化が小さくい。従って、第2実施例は、第1実施例に比べて表示画像の上部と下部における垂直方向の実質的な解像度の変化を小さくすることができるので、投写表示される画像の垂直方向の画像品質をより均一にすることができるという利点がある。
【0173】
なお、上方向へのあおり投写によって発生する垂直方向の歪は、画像の上側ほど大きく拡大され、投写スクリーン上に表示される画像のライン密度は、画像の上側ほど小さく、画像の下側ほど大きい。従って、台形画像CF1aの小さい方の底辺に対応する原画像MFの実質的なライン数は多く、大きい方の底辺に対応する原画像MFの実質的なライン数は少なくなることが好ましい。
【0174】
また、前述したように、第2実施例は、第1実施例に比べて水平方向の画像品質もより均一にすることができるという利点がある。従って、第2実施例は、第1実施例に比べてあおり投写によって表示される画像の品質をより均一にできるという利点がある。
【0175】
なお、垂直拡大率KRSY’は、上述のように垂直上方向のあおり投写によって発生する表示画像の下部側よりも上部側のライン密度が低くなるライン密度の変化を補正するように設定することが好ましい。そこで、本実施例では、垂直拡大率KRSY’は、垂直補正率KRSYの逆数に相当する拡大率に設定し、縮小画像MFaを縮小画像MFaの上部側を基準に上部側から下部側により大きく拡大するように、原画像MFを縮小して縮小画像MFaを生成している。この代わりに、図13(D)に示す補完画像部CF1bの垂直ライン数KSYに等しいライン数だけ縮小画像を垂直方向に拡大して台形画像部CF1aを生成できるように、縮小画像MFaの垂直ライン数を決定するようにしてもよい。すなわち、垂直拡大率KRSY’が1以上に設定されるように、縮小画像MFaのライン数を歪補正画像CF1の有効画像部CF1aのライン数以下になるように設定すればよい。
【0176】
なお、上記理由による垂直方向の解像度の低下の画像品質に対する影響はあまり顕著ではないので、垂直拡大利率KRSY’を1として、台形歪補正回路152における垂直方向の拡大処理を行わないようにしてもよい。また、垂直方向の歪補正を第1実施例と同様にしてもよい。すなわち、原画像MFを水平方向にのみ縮小した画像を縮小画像MFaとする。そして、水平方向の歪補正は、上記のように、縮小画像MFaを拡大することにより行い、垂直方向の歪補正は、あおり投写による画像の拡大を打ち消すように縮小するようにしてもよい。
【0177】
上述のように、第2実施例においても図3に示す水平補正回路172では、水平補正制御回路190において算出された水平方向台形歪補正パラメータ(図14、図15)に従って、液晶パネル126(図1)に対応する表示画像領域IF(図12)の各ラインの各画素に対して原画像MF(図13)のどの画素を対応させるかを決定して出力することができる。しかも、この算出に用いられる(17)式,(18)式の各計算式において、台形歪補正のためにユーザが調整しなければならない水平補正パラメータは傾きθ1X’,θ2X’、すなわち、傾きθ1X,θ2Xのみである。従って、容易に調整が可能である。また、傾きθ1x’,θ2x’をそれぞれ独立に設定することができるので、上下方向にあおり角が発生しているときのみならず、左右方向にあおり角が発生し、発生する台形歪の形状が左右対称でないような場合にも対応可能である。なお、台形歪の形状が左右対称であるときは、θ1X=θ2Xとすればよく、共通の1つの傾きθXを用いて台形歪を補正することもできる。
【0178】
また、垂直補正制御回路180においても、決定された垂直方向の補正パラメータ(図16)に従って、液晶パネル126(図1)に対応する表示画像領域IF(図12)の各ラインに対して原画像MF(図13)のどのラインを対応させるかを決定することができる。しかも、この決定に用いられる(19)式〜(21)式の各計算式において、あおり投写によって発生する歪画像を補正するためにユーザが調整しなければならないパラメータは、第1実施例と同様に垂直補正率KSRYのみであり、従来に比べて容易に調整が可能である。
【0179】
さらに、上記第2実施例においては、原画像MFを、一旦縮小し、縮小画像MFaを台形画像部CF1aの左端縁および右端縁の傾きに応じた水平拡大率で各水平ライン毎に拡大することにより歪補正画像CF1の台形画像部CF1aを生成している。これにより、投写画像の上部側と下部側における各画像品質をほぼ均一にすることができる。
【0180】
また、上記第2実施例における垂直補正回路170、水平補正回路172の動作説明では、水平拡大/縮小率RSX=1,垂直拡大/縮小率RSY=1として説明しているが、もちろん拡大/縮小率RSX,RSYを1以上の範囲で設定することもできる。例えば、原画像MFが歪補正画像CF1の台形画像部CF1aの上底部水平画素数よりも小さい場合がある。このような場合には、拡大/縮小率RSX,RSYを対応する値に設定することによりフレームメモリ120に書き込まれた画像を表示画像領域IFのサイズに拡大することも可能である。このような場合には、台形歪補正回路152においては台形歪補正のための拡大処理のみを行い、拡大/縮小率RSX,RSYに対応する拡大は、拡大/フィルタ回路154において行うようにすればよい。なお、上述したように、台形歪補正回路152は、水平拡大率FRSX’および垂直拡大率KRSY’に応じて縮小画像MFaを拡大処理する回路であり、拡大/フィルタ回路としての機能も有している。従って、水平拡大率FRSX’,垂直拡大率KRSY’にそれぞれ水平拡大/縮小率RSX,垂直拡大/縮小率RSYを乗算した値を水平拡大率FRSX’,垂直拡大率KRSY’とすることにより、拡大/フィルタ回路154を省略することも可能である。
【0181】
また、台形歪補正回路154を、縮小/フィルタ回路144と書込/読出制御回路146との間に設けることにより、歪補正処理後の画像をフレームメモリ120に書込むようにすることも可能である。
【0182】
以上の説明からわかるように、第2実施例においては、ビデオプロセッサ122が本発明の画像補正部に相当し、縮小/フィルタ回路144および台形歪補正回路152が第1の補正部に相当する。また、縮小/フィルタ回路144が縮小部に相当し、水平補正回路172が水平補正部に相当し、垂直補正回路170が垂直補正部に相当する。
【0183】
本発明においては、ユーザが容易に設定可能な垂直補正パラメータとしての垂直補正率KRSYと、水平補正パラメータとしての傾きθ1X,θ2X、あるいは左上端/右上端補完画素数XST,XEDとに応じて、あおり投写によって発生する歪画像を補正するための歪補正画像を生成することができる。また、水平補正パラメータは、画像の左側と右側でそれぞれ独立に設定できるので、左右対称形の歪画像だけでなく、左右非対称な歪画像も補正可能である。さらに、第2実施例においては、歪補正画像の生成において台形歪に応じて発生する解像度の変化を抑制し、画像品質の低下を抑制することができる。
【0184】
なお、この発明は上記の実施例や実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
【0185】
(1)上記実施例において、ハードウェアによって実現されていた構成の一部をソフトウェアに置き換えるようにしてもよく、逆に、ソフトウェアによって実現されていた構成の一部をハードウェアに置き換えるようにしてもよい。
【0186】
(2)上記実施例では、台形歪補正時のラインの欠落や画素の欠落の緩和に対して、画像データの加重平均処理によって実現していたが、加重平均処理以外の種々の補間処理を使用して、画像の欠落の緩和を実現することも可能である。補間処理としては、例えば幾何平均や直線補間、非直線補間などの種々の処理を利用できる。
【0187】
(3)上記実施例では、光変調手段として液晶ライトバルブ(液晶パネル)を用いた投写型表示装置の画像処理装置を例に説明しているが、液晶ライトバルブと同様に2次元に配列された配列画素を有するもの、例えばプラズマディスプレイ等に適用可能である。また、CRTを用いたものにも適用可能である。
【0188】
(4)上記実施例では、左右の補正量を表す水平補正パラメータとしてそれぞれ独立した2つのパラメータ(例えば、θ1X,θ2X)を用いた例を示しているが、左右の補正量が対称である場合には、共通する1つの水平補正パラメータ(例えば、傾きθ1Xまたはθ2Xの一方に相当する傾きθX)に基づいて歪補正を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施例としての画像処理装置の全体構成を示すブロック図。
【図2】ビデオプロセッサ122内の構成を示すブロック図である。
【図3】台形歪補正回路152の内部構成を示すブロック図である。
【図4】フレームメモリ120に書き込まれた原画像MFと、液晶パネル126に与えられるべき画像のサイズを示す表示画像領域IFと、台形歪補正回路152によって補正されて実際に液晶パネル126に与えられる歪補正画像CFの例について示す説明図である。
【図5】台形歪の補正量を決定するパラメータである傾きθ1X,θ2Xを設定する設定方法について示す説明図である。
【図6】台形歪の補正量を決定するパラメータである傾きθ1X,θ2Xを設定する設定方法について示す説明図である。
【図7】歪補正処理の手順を示す説明図である。
【図8】水平補正制御回路190および画素アドレス発生回路202の動作に関連する各種のパラメータのうち垂直方向の各ラインごとに算出されるパラメータについて示す説明図である。
【図9】水平補正制御回路190および画素アドレス発生回路202の動作に関連する各種のパラメータのうち1ライン中の各画素ごとに算出されるパラメータについて、ラインアドレスLAD=70の場合を例に示す説明図である。
【図10】水平補正回路172の動作を示すタイミングチャートである。
【図11】垂直補正制御回路180およびラインアドレス発生回路200の動作に関連する各種のパラメータについて示す説明図である。
【図12】垂直補正回路170の動作を示すタイミングチャートである。
【図13】第2実施例における歪補正処理の手順を示す説明図である。
【図14】水平補正制御回路190および画素アドレス発生回路202の動作に関連する各種のパラメータのうち垂直方向の各ラインごとに算出されるパラメータについて示す説明図である。
【図15】水平補正制御回路190および画素アドレス発生回路202の動作に関連する各種のパラメータのうち1ライン中の各画素ごとに算出されるパラメータについて、ラインアドレスLAD=549の場合を例に示す説明図である。
【図16】垂直補正制御回路180およびラインアドレス発生回路200の動作に関連する各種のパラメータについて示す説明図である。
【図17】歪補正画像CFと投写された表示画像との関係を垂直方向に着目して示す説明図である。
【図18】従来の投写型表示装置における投写画像の様子を示す説明図である。
【図19】画像を電気的に処理して補正する方式について示す説明図である。
【符号の説明】
20…投写型表示装置
30…スクリーン
110…第1のビデオセレクタ
112…AD変換器
114…第2のビデオセレクタ
116…ビデオデコーダ
120…フレームメモリ
122…ビデオプロセッサ
124…液晶ディスプレイ駆動回路
126…液晶ディスプレイパネル
130…CPU
132…リモコン制御部
134…リモコン
142…データセレクタ
144…縮小/フィルタ回路
146…書込/読出制御回路
148…調整画面表示回路
150…第3のビデオセレクタ
152…台形歪補正回路
154…拡大/フィルタ回路
156…画像調整回路
158…制御条件レジスタ
160…第1の書込クロック生成回路
162…第2の書込クロック生成回路
164…読出クロック生成回路
170…垂直補正回路
172…水平補正回路
180…垂直補正制御回路
182…ラインバッファ
184…加算器
186…乗算器
188…セレクタ
190…水平補正制御回路
192…画素バッファ
194…加算器
196…乗算器
198…セレクタ
200…ラインアドレス発生回路
202…画素アドレス発生回路
Claims (17)
- 画像形成部上に形成された画像をスクリーン上に投写して表示する投写型表示装置の前記画像形成部に形成される画像を処理するための画像処理装置であって、
前記画像形成部に形成された歪のない原画像が前記スクリーン上にあおり投写される場合に表示される画像の歪を補正するために、前記原画像の形状を補正した歪補正画像を作成して前記画像形成部に与える画像補正部を備え、
前記画像補正部は、前記歪補正画像の左側と右側の歪の補正量を表す水平補正パラメータに基づいて、前記画像形成部の各水平ラインごとに、前記歪補正画像の表示開始位置と表示終了位置とで挟まれた表示画素領域を決定するとともに、前記表示画素領域内の画素数と前記原画像の1ラインに含まれる画素数との関係から前記表示画素領域内の各画素と前記原画像の各画素との第1の対応関係を決定し、前記第1の対応関係に基づいて前記原画像から前記歪補正画像を作成する第1の補正部を備え、
前記水平補正パラメータは、前記歪補正画像の、互いに独立して設定可能な左端縁および右端縁の傾きであり、
前記第1の補正部は、前記歪補正画像を作成する際に、前記左端縁および右端縁の傾きに基づいて、水平方向の台形歪を補正する水平方向台形歪補正パラメータを算出して前記第1の対応関係を決定する、
画像処理装置。 - 請求項1記載の画像処理装置であって、
前記第1の補正部は、
前記歪補正画像の前記表示画素領域内の画素に対して、前記原画像に基づいた補間フィルタ処理を行う画素フィルタ処理部を備える、
画像処理装置。 - 請求項1または請求項2記載の画像処理装置であって、
前記画像補正部は、さらに、
前記歪補正画像の上下方向の歪の補正量を表す垂直補正パラメータに基づいて、前記画像形成部における前記歪補正画像の表示開始ラインと表示終了ラインとで挟まれた表示ライン領域を決定するとともに、前記表示ライン領域内の各ラインと前記原画像の各ラインとの第2の対応関係を決定し、前記第2の対応関係に基づいて前記原画像から前記歪補正画像を作成する第2の補正部を備える、
画像処理装置。 - 請求項3記載の画像処理装置であって、
前記第2の対応関係は、前記歪補正画像の中の略台形形状の有効画像部分の高さと前記原画像の高さとに基づいて決定され、前記略台形形状の小さい方の底辺に近いほど前記有効画像部分の1ラインに対応する前記原画像のライン数が多く、前記略台形形状の大きい方の底辺に近いほど前記有効画像部分の1ラインに対応する前記原画像のライン数が少なくなるような関係である、
画像処理装置。 - 請求項3ないし請求項5のいずれかに記載の画像処理装置であって、
前記第2の補正部は、
前記歪補正画像の前記表示ライン領域内のラインに対して、前記原画像に基づいた補間フィルタ処理を行うラインフィルタ処理部を備える、
画像処理装置。 - 画像形成部上に形成された画像をスクリーン上に投写して表示する投写型表示装置の前記画像形成部に形成される画像を処理するための画像処理装置であって、
前記画像形成部に形成された歪のない原画像が前記スクリーン上にあおり投写される場合に表示される画像の歪を補正するために、前記原画像の形状を補正した歪補正画像を作成して前記画像形成部に与える画像補正部を備え、 前記画像補正部は、
前記原画像を縮小して縮小画像を生成する縮小部と、
前記縮小画像の各水平ラインを、前記歪補正画像の左側と右側の歪の補正量を表す水平補正パラメータおよび各水平ラインの位置に応じた1以上の拡大率でそれぞれ拡大するとともに、前記左側と右側の歪を補正することによって前記歪補正画像を作成する水平補正部と、を備える、
画像処理装置。 - 請求項7記載の画像処理装置であって、
前記縮小画像の水平幅は、前記歪補正画像の中の略台形形状の有効画像部分の最小の水平幅に等しい、
画像処理装置。 - 請求項7または請求項8記載の画像処理装置であって、
前記水平補正パラメータは、前記歪補正画像の左側と右側の歪の補正量を表す少なくとも2つのパラメータを含み、
前記左側と右側の歪の補正量は、それぞれ独立して設定可能である、
画像処理装置。 - 請求項7ないし請求項9のいずれかに記載の画像処理装置であって、
前記水平補正部は、
前記歪補正画像の前記表示画素領域内の画素に対して、前記縮小画像に基づいた補間フィルタ処理を行う画素フィルタ処理部を備える、
画像処理装置。 - 請求項7ないし請求項10のいずれかに記載の画像処理装置であって、
前記縮小画像の垂直方向の高さは、前記歪補正画像の中の略台形形状の有効画像部分の垂直方向の高さ以下であり、
前記画像補正部は、さらに、
前記歪補正画像の上下方向の歪の補正量を表す垂直補正パラメータに基づいて、前記画像形成部における前記歪補正画像の表示開始ラインと表示終了ラインとで挟まれた表示ライン領域を決定するとともに、前記表示ライン領域内の各ラインと前記縮小画像の各ラインとの対応関係を決定し、前記対応関係に基づいて前記縮小画像を拡大して前記歪補正画像を作成する垂直補正部を備える、
画像処理装置。 - 請求項11記載の画像処理装置であって、
前記対応関係は、前記画像形成部に歪のない画像が形成されたとしたときに前記スクリーン上にあおり投写される場合に発生する垂直方向の歪を打ち消すように、前記縮小画像から前記歪補正画像への垂直方向の拡大率を垂直方向の位置ごとに調整することにより、前記歪補正画像の中の略台形状の有効画像部分が作成されるように決定される、
画像処理装置。 - 請求項12記載の画像処理装置であって、
前記対応関係は、前記歪補正画像の中の略台形形状の有効画像部分の高さと前記縮小画像の高さとに基づいて決定され、前記略台形形状の小さい方の底辺に近いほど前記有効画像部分の1ラインに対応する前記原画像の実質的なライン数が多く、前記略台形形状の大きい方の底辺に近いほど前記有効画像部分の1ラインに対応する前記原画像の実質的なライン数が少なくなるような関係である、
画像処理装置。 - 請求項11ないし請求項14のいずれかに記載の画像処理装置であって、
前記垂直補正部は、
前記歪補正画像の前記表示ライン領域内のラインに対して、前記縮小画像に基づいた補間フィルタ処理を行うラインフィルタ処理部を備える、
画像処理装置。 - 画像形成部上に形成された画像をスクリーン上に投写して表示する投写型表示装置の前記画像形成部に形成される画像を処理するための画像処理方法であって、
前記画像形成部に形成された歪のない原画像が前記スクリーン上にあおり投写される場合に表示される画像の歪を補正するために、前記原画像の形状を補正した歪補正画像を作成して前記画像形成部に与える画像補正工程を備え、
前記画像補正工程は、前記歪補正画像の左側と右側の歪の補正量を表す水平補正パラメータに基づいて、前記画像形成部の各水平ラインごとに、前記歪補正画像の表示開始位置と表示終了位置とで挟まれた表示画素領域を決定するとともに、前記表示画素領域内の画素数と前記原画像の1ラインに含まれる画素数との関係から前記表示画素領域内の各画素と前記原画像の各画素との第1の対応関係を決定し、前記第1の対応関係に基づいて前記原画像から前記歪補正画像を作成する第1の補正工程を備え、
前記水平補正パラメータは、前記歪補正画像の、互いに独立して設定可能な左端縁および右端縁の傾きであり、
前記第1の補正工程は、前記歪補正画像を作成する際に、前記左端縁および右端縁の傾きに基づいて、水平方向の台形歪を補正する水平方向台形歪補正パラメータを算出して前記第1の対応関係を決定する、
画像処理方法。 - 画像形成部上に形成された画像をスクリーン上に投写して表示する投写型表示装置の前記画像形成部に形成される画像を処理するための画像処理方法であって、
前記画像形成部に形成された歪のない原画像が前記スクリーン上にあおり投写される場合に表示される画像の歪を補正するために、前記原画像の形状を補正した歪補正画像を作成して前記画像形成部に与える画像補正工程を備え、
前記画像補正工程は、
前記原画像を縮小して縮小画像を生成する縮小工程と、
前記縮小画像の各水平ラインを、前記歪補正画像の左側と右側の歪の補正量を表す水平補正パラメータおよび各水平ラインの位置に応じた1以上の拡大率でそれぞれ拡大するとともに、前記左側と右側の歪を補正することによって前記歪補正画像を作成する水平補正工程と、を備える、
画像処理方法。
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