JP3050282B2 - 液晶プロジェクタの歪み補正装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は液晶プロジェクタの
歪み補正装置に関し、特に液晶パネルを介して得られる
映像をスクリーンに投影して表示する際に、液晶パネル
に表示すべき映像信号に対して台形歪み補正処理を施し
た後にスクリーンに投影するようにした液晶プロジェク
タにおける歪み補正装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】投射型液晶プロジェクタにあっては、液
晶パネルを介して得られる映像光を形成してスクリーン
へ投影するようになっている。この場合、図５（Ａ）に
示す如き液晶パネル画面をスクリーン投影すると、図５
（Ｂ）に示す如くスクリーン投影画面が逆台形状とな
り、キーストーン歪みとなる。尚、図５（Ｂ）におい
て、黒部分はブランク部分を示す。

【０００３】このキーストーン歪みを補正するために
は、図６（Ａ）に示す如く、液晶パネルに表示する映像
信号を台形状に予め歪ませて補正しておき、この映像信
号に対応した液晶パネル画面をスクリーン投影すると、
図６（Ｂ）に示す様に、正常な投影画面が得られる。

【０００４】この様に、映像信号に対して電気的に補正
処理を施す技術が、特開平４−３２３９７９号公報に開
示されている。すなわち、液晶パネル画面の垂直位置に
応じて映像信号の有効表示期間内と有効表示期間外（ブ
ランク部分）とで、クロック数の比を順次変化させ、ブ
ランクデータを図６（Ａ）の黒部分の如く表示させるこ
とで、電気的にキーストーン歪みを補正するようになっ
ている。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】この種の従来の液晶プ
ロジェクタキーストーン歪み補正装置においては、液晶
パネルへ入力する映像信号データを加工することで、液
晶パネル上の画面を逆台形となるように歪ませているの
で、スクリーン上の画面には図７（Ｂ）に示す如く、ブ
ランク部分と表示部分との境界にギザギザが生じるとい
う欠点がある。

【０００６】尚、図７（Ａ）は液晶パネル表示画面を示
し、図７（Ｃ）はその一部拡大図である。

【０００７】本発明の目的は、液晶プロジェクタのキー
ストーン歪み補正により生ずる投影画面上のギザギザを
解消可能なプロジェクタの歪み補正装置を提供すること
である。

【０００８】

【課題を解決するための手段】本発明によれば、液晶パ
ネルを介して得られる映像をスクリーンに投影して表示
する際に、前記液晶パネルに表示すべき映像信号に対し
て台形歪み補正処理を施した後にスクリーンに投影する
ようにした液晶プロジェクタにおける歪み補正装置であ
って、前記台形歪み補正処理を施した後の映像信号の少
なくともブランキング部と映像部との境界位置に相当す
る映像部の画素である補正対象画素とこの画素に隣接す
る周囲の全画素との平均値を算出し、この算出結果を前
記補正対象画素と置換する補正手段を含むことを特徴と
する液晶プロジェクタの歪み補正装置が得られる。

【０００９】

【発明の実施の形態】本発明の作用について述べる。液
晶パネルに表示する映像信号データをキーストーン歪み
を補正した映像信号データについて、補正対象画素の周
囲近傍画素のデータを参照して、補正対象画素のデータ
を置換するようにしている。すなわち補正対象画素とこ
の画素に隣接する周囲の全画素との平均値を算出し、こ
の算出結果を補正対象画素と置換するようにしている。
これにより、画像データが補間されキーストーン歪み補
正における画面のギザギザが解消される。

【００１０】以下に図面を用いて本発明の実施例につい
て説明する。

【００１１】図１は本発明の実施例のブロック図であ
る。図１において、メモリ４は、図７（Ａ）に示した液
晶パネル画面の映像信号データであるキーストーン補正
処理後の映像信号データを格納するものである。

【００１２】補正改善装置１は本発明によるものであ
り、メモリ４からの読込みデータを補正処理してメモリ
５へ格納する。この補正改善装置１は、メモリ４の読込
みアドレス及びメモリ５への書込みアドレスを生成する
アドレス生成部３と、メモリ４からの読込みデータ（画
素単位）を補正演算するデータ演算部２とを有してい
る。

【００１３】図２は図１の補正改善装置１の動作を示す
フローチャートである。図２を参照しつつ本発明の実施
例の動作を説明する。メモリ４には、前述した如く、図
７（Ａ）に示すキーストーン補正された後の映像信号デ
ータが１フレーム分予め格納されているものとする。

【００１４】メモリ４から、映像信号データを画素単位
に、順次画面の左上から右方向（水平方向）に、かつ上
から下へ向けて（垂直方向に）、走査する如く読込むべ
く、この順にメモリ４の読込みアドレスが生成される
（ステップ２１）。このアドレスに従ってメモリ４から
対応画素データが順次読込まれる（ステップ２２）。

【００１５】この読込まれた画素データが補正対象画素
かどうか判定される（ステップ２３）。この判定方法と
しては、図７（Ａ）のブランク部分（黒部分）と画面部
分（白部分）との境界から、ある一定数画面部分（白部
分）へ連続して位置する画素群に属する画素かどうか判
定することにより行われる。ある一定数連続して画面部
分に位置する画素群に属していれば、補正対象画素であ
り、そうでなければ、補正対象画素とはされない。

【００１６】尚、この画素群に属する画素かどうかの判
定は、メモリ４の読込みアドレスにより判定可能であ
る。

【００１７】補正対象画素であれば、この補正対象画素
を取囲む隣接する周囲の全画素のアドレスを生成してメ
モリ４から読込む（ステップ２４，２５，２６）。

【００１８】図３には、補正対象画素がＤ０の場合に、
その周囲の全画素Ｄ１〜Ｄ８の位置関係を示している。
これ等Ｄ０とＤ１〜Ｄ８との全ての画素のデータの平均
値をとる移動平均法等の手法を用いて、補正演算が行わ
れる（ステップ２７）。この補正演算結果がメモリ５の
該当部分に書込まれることになる（ステップ２８，２
９）。

【００１９】ステップ２３において、補正対象画素でな
ければ、補正演算は行われることなく、そのままメモリ
５の該当部分に書込まれるのである（ステップ２８，２
９）。

【００２０】この様に、補正対象画素をその周囲の全画
素を参照して平均値をとる等の補正を行うことにより、
この補正後の画素は平均化されることになるので、図４
に一部拡大を示す如き表示となり、スクリーン上の投影
画面にはギザギザが実質的になくなって見えることにな
る。

【００２１】尚、補正対象画素の判定の例としては、ブ
ランク部分と画素部分との境界位置画素を含める一定の
画素群を予め定めておき、この画素群に相当するメモリ
４のアドレスのときに補正対象画素とすれば良いもので
ある。

【００２２】

【発明の効果】以上述べた如く、本発明によれば、液晶
プロジェクタのキーストーン補正後の映像信号データに
対して更に補正処理を加えることにより、スクリーン投
影画面上のギザギザを防ぐことができるという効果があ
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施例のブロック図である。

【図２】本発明の実施例の動作を示すフローチャートで
ある。

【図３】補正画素Ｄ０とその周囲画素Ｄ１〜Ｄ８との関
係を示す図である。

【図４】補正処理によるギザギザ解消の状態を示す図で
ある。

【図５】キーストーン歪みを説明する図である。

【図６】キーストーン歪み補正処理を説明する図であ
る。

【図７】キーストーン歪み補正処理に起因するギザギザ
の発生例を示す図である。

【符号の説明】

１ 補正改善装置 ２ データ演算部 ３ アドレス生成部 ４，５ メモリ

Claims (2)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 液晶パネルを介して得られる映像をスク
   リーンに投影して表示する際に、前記液晶パネルに表示
   すべき映像信号に対して台形歪み補正処理を施した後に
   スクリーンに投影するようにした液晶プロジェクタにお
   ける歪み補正装置であって、前記台形歪み補正処理を施
   した後の映像信号の少なくともブランキング部と映像部
   との境界位置に相当する映像部の画素である補正対象画
   素とこの画素に隣接する周囲の全画素との平均値を算出
   し、この算出結果を前記補正対象画素と置換する補正手
   段を含むことを特徴とする液晶プロジェクタの歪み補正
   装置。
2. 【請求項２】 前記補正手段は、前記補正対象画素とし
   て前記境界位置から一定数の連続する画素とし、これ等
   各補正対象画素に対して補正処理をなすことを特徴とす
   る請求項１記載の液晶プロジェクタの歪み補正装置。