JP4052420B2 - 焙炒イモ類麹を用いる酒類、食品の製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、イモ類を焙炒処理してなる焙炒イモ類、それを製麹してなる焙炒イモ類麹及びそれらを用いる酒類、食品の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
イモ類とは、植物の地下茎又は根部の発達したものを総称していうが、これにはサツマイモ(甘藷)、ジャガイモ、キャッサバ、ヤマノイモ、サトイモ、コンニャク、カシュウイモ、チョロギイモ、ハスイモ、ガガイモ等が含まれる。
この中でサツマイモを例にとると、サツマイモの用途は、焼いたり、蒸したり、煮て食するほか、ヨウカン、あん、せんべい、アメ、デンプンの原料に使われ、また、酒類、アルコールの原料ともなる。
焼きサツマイモ、蒸しサツマイモなど甘味が強いのは、サツマイモ中にβ−アミラーゼを含み、加熱により相当量のデンプンがマルトースとデキストリンに変わるためである。
また、古くから保存用として乾燥サツマイモが作られてきたが、乾燥法は生切干しと蒸し切干しの二つの方法がある。生切干しは、サツマイモを1cm位の厚さに切り、簀の子に広げて数日間、天日で干す。なるべく風にさらして風乾させるほうがよい。よく乾燥したものは、翌年まで保存しておくことができる。蒸し切干しは、洗ったサツマイモを丸のまま1〜2時間蒸す。その間、2〜3回冷水を打つと、サツマイモが粘り強くなる。柔らかくなったら取出して冷めないうちに皮を剥き、しばらく放冷する。表面がやや堅くなってから6〜7cmの厚さに切り、簀の子に広げて天日乾燥をする。4〜5日経つと透明なべっこう色に干し上がる。このほかに、生のまま皮を剥いて1cm位の厚さに切り、水につけてアクを抜いてから沸騰水中で10分間位ゆで、後に乾燥したものは蒸し切干しよりも一層堅く干し上がり、1年以上も貯蔵できる〔改訂食品辞典4 野菜、発行所(株)真珠書院、編者河野友美、第105〜123頁、再版昭和61年(初版昭和49年)〕。
また、工業で使用されるサツマイモは、サツマイモを洗浄、切除(サツマイモの両端部、病根部の切除)、蒸し(こしき、蒸煮式、連続式)、破砕する工程を採る。この破砕は酒類においては、酵素の作用を受けやすくするためである。その方法は、チョッパー型、ロール式、ハンマーミル式、カッター式などがある。チョッパー型、ハンマーミル式は、破砕度を変えたり、チップの大きさを変えることができる〔本格焼酎製造技術、発行所(財)日本醸造協会、第65〜71頁、平成3年12月10日発行〕。
【0003】
サツマイモを原料とする酒類の製造方法として以下の方法がある。
甘藷を洗浄して大形のものは輪切りとなし、小型のものはそのまま150〜200℃の乾熱器若しくはパン焼器中で1〜1.5時間焼き、焼酎の掛原料として使用することが知られている〔甘藷焼酎醸造に関する研究(第3報)、鹿児島農林専門学校学術報告、第15号、第97〜100頁、1949年〕。
洗浄済みの生サツマイモを100〜400℃の熱風とセラミック焼結体より放射される遠赤外線とで90〜120分焙煎処理した後、粉砕機で粉末状のサツマイモとなし、アルコール飲料にすることが知られている〔特公平6−102008号公報〕。
【0004】
一方、サツマイモを原料とする麹について、以下のことが知られている。サツマイモを蒸して砕いて調製した原料は、水分過多で、団子状になってしまい、製麹しても麹菌の繁殖が悪く、雑菌に汚染もされやすい。また、切干しサツマイモを蒸して調製した原料は、切干しにする過程で、サツマイモが空気、光線に長時間さらされるために、酸素や酵素による酸化が進み、製麹しても麹の酵素力価が弱く、また該麹を用いた製品の風味が良くないとされている。特開平6−113800号公報によるサツマイモを磨砕、脱汁、蒸煮して造粒して調製した原料は、製麹しても酵素力価が弱いとされ、この方法を改良したサツマイモを主原料とする麹原料の製造法が知られている(特公平8−17677号)。該麹原料は、サツマイモを凍結して、圧搾脱汁し、磨砕したものに米糠を加えて、造粒して得られるサツマイモを主原料とするものである。
【0005】
これらのイモ類の例から、イモ類の生成分のよさを生かしておらず、酒類、食品への適性は必ずしも十分ではないと考えられる。すなわち、生イモ類は、β−アミラーゼやペクチナーゼを含有し、水分が60〜85%程度含有されているので、イモ類の従来技術を見る限り、イモ類の加熱処理は、イモ類のサイズからデンプン類を完全に糊化するのに長時間を要し、その間β−アミラーゼの作用が進行するのでマルトースやデキストリン又はペクチン分解物を生成し、これがアミノ酸等と反応して独特の焼きイモ臭が生ずることになる。また、生イモや切干しイモをそのまま、又は大きな形状での加熱処理では、イモ中に含有される酵素による物性変化と生成物間の反応を生じるので、酒類、食品の適性は必ずしも高いとはいえない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、上記従来技術にかんがみ、イモ類から食感や醸造及び食品の適性が向上したイモ類、ハンドリングが良く、高酵素力価であり、風味良好なイモ類麹及びそれらを用いる新規な酒類、食品の製造方法を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明を概説すれば、本発明の第1の発明は、フルイ目1〜10mmを通過するようにイモ類を裁断し、裁断物となし、焙炒処理後の含水量が25%以上〜50%以下であるように焙炒処理し焙炒イモ類を製麹してなる焙炒イモ類麹に関し、第2の発明は、麹として第1の発明の焙炒イモ類麹のみを用いることを特徴とする酒類、食品の製造方法に関し、第3の発明は、第1の発明の焙炒イモ類麹を用い、掛原料として蒸しイモ類及び/又は焙炒イモ類を用いることを特徴とする焼酎の製造方法に関する。
【0008】
本発明者らは、イモ類を原料とする新規な香味を有する酒類、食品を提供すべく、鋭意検討した。その結果、イモ類を裁断する際に、裁断物の大きさを選定し、焙炒処理をすることにより、表面が硬く(水分が少なく)、内面が軟らかい(水分が多く)、β−アミラーゼ作用が少なく、及び新規な香味を有する焙炒イモ類、該焙炒イモ類を製麹してなる焙炒イモ類麹は、製麹前後も接着することなく、型くずれすることなく、更にはぜ廻り、はぜ込みが良く、酸度が高く、酵素力価が高いこと、並びにそれらの焙炒イモ類及び/又は焙炒イモ類麹を用いる新規な香味を有する酒類、食品の製造方法を見出し、本発明を完成させた。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について具体的に説明する。
本発明でいうイモ類とは、植物の地下茎又は根部の発達したものを総称したイモ類である。例えば、サツマイモ、ジャガイモ、キャッサバ、ヤマノイモ、サトイモ、コンニャク、カシュウイモ、チョロギイモ、ハスイモ、ガガイモ等があるが、これらに限定されない。また、多くの品種も知られているが、品種にも限定されない。更に、イモ類の皮の剥皮の有無は問わない。
生イモ類は水分含量が多く、長期保存に耐えないので、収穫後速かに使用することが好ましいが、本発明でいうイモ類とは、収穫後、凍結保存等をしたものも含む。また、生イモ類は、必要に応じて、処理して水分を減少させたものでもよく、処理加工(浸漬、温水浸漬等)したものであってもよく、特に限定はないが、作業、エネルギー面からは生イモ類が好適である。
【0010】
また、焙炒処理とは、イモ類を高温の熱風で短時間加熱処理をする方法、及びこれと同等の効果を有する加熱処理方法をいう。
【0011】
イモ類を裁断し、裁断物となし、焙炒処理してなる焙炒イモ類について、イモ類として、生サツマイモを用いた検討例1で詳しく述べる。
〔検討例1〕
イモ類(生サツマイモ)を、裁断し、種々の大きさの裁断物を調製し、焙炒処理を行い、焙炒イモ類を製造した。なお、裁断物の大きさは、一辺の長さが20mm〔試験区1〕、15mm〔試験区2〕、10mm〔試験区3〕、5mm〔試験区4〕、3mm〔試験区5〕、1mm〔試験区6〕、0.5mm〔試験区7〕の立方体になるように裁断した。焙炒処理は、焙炒機を用いて260℃、100秒の条件で行った。焙炒機の中での生サツマイモの裁断物の流動性〔一定しないで流れ動く様子〕を観察し、流動性の程度〔良く流れ動く:(++)、流れ動く:(+)、流れ動かない:(−)〕を調べた。更に、焙炒処理した後に、生サツマイモの裁断物の表面の焦げの程度〔焦げなし:(++)、やや焦げあり:(+)、焦げあり:(−)〕と生サツマイモの裁断物への熱風の伝わり程度〔良い(++)、普通:(+)、不良:(−)〕を調べた。種々の大きさの焙炒サツマイモの結果を表1に示す。
【0012】
【表1】
Figure 0004052420
【0013】
表1に示したように、試験区1及び2の場合、裁断物は、焙炒中に流れ動かないので、熱風が裁断物の一個所に集中し、表面は焦げ、熱の伝わり程度は不良(外側は一部分のみ硬く、内側は生のまま)であった。試験区3の場合は、裁断物は、焙炒中に流れ動き、表面はやや焦げたが、熱の伝わり程度は普通(外側は硬く、内側は軟らかい)で、実用上問題は無かった。試験区4、5の場合は、裁断物は、焙炒中に良く流れ動き、表面は焦げず、熱風の伝わり程度は良好(外側は硬く、内側は軟らかい)であった。試験区6の場合は、裁断物は、焙炒中に良く流れ動き、表面は焦げず、熱風の伝わり程度は普通であったが、外側は硬く、内側は軟らかく、実用上問題はなかった。試験区7の場合は、裁断物は、焙炒中に良く流れ動き、表面は焦げず、熱風の伝わり程度は不良(外側は硬く、内側も硬い)で、しかも裁断作業の効率が悪く、また焙炒後の材料の品質がやや不均一という評価であった。
【0014】
本発明でいう裁断とは、イモ類の大きさを整えることをいうが、切断、粉砕等の方法に限定はない。例えば、手で包丁でカットして1〜10mm目の通過するようにしてもよいし、裁断機のカッター、チョッパー等で切断してサイズを整えてもよい。また、トコロテンに使用する先端にカッターのついた押出し器を使用してもよい。
【0015】
本発明でいう裁断物の形状は、フルイ目1〜10mmを通過するものであれば好ましく、限定はない。例えば、立方体、直角柱、直角錘、直角錘台、直円柱、直円錐、直円錐台、球、球帯、球欠、月形楔等が挙げられる。また、これらの形状のものを組合せてもよい。
また、本発明でいう裁断物は、イモ類の裁断物の体積1に対する表面積の比は0.5〜6.5よりであるが、0.5未満では上記の物性が外硬内軟の物性が得られず、6.5より以上では表面に焦げを生じ、焦げ臭を発生する等、焙炒イモ類の品質上0.5〜6.5が好ましい。
【0016】
イモ類を焙炒処理する方法としては、例えば、イモ類を熱風で流動させたり、放熱容器を回転させながらかくはんして、熱をイモ類へ均一に与える方法があるが、特にこれらに限定されない。バッチ法、連続法等のいずれも採用することができるが、安定した品質の焙炒イモ類を効率良く得るには連続法が好ましい。
焙炒処理時の加熱はガス、電気、石油等の熱源が使用でき、一定の熱風がイモ類に供給できればよい。
焙炒イモ類を高温のまま放置すると、余熱の影響で物性が変化してしまうことがあるので、必要に応じて空冷等の冷却工程をとることが望ましい。
【0017】
本発明の焙炒イモ類を得るためには、イモ類に焙炒処理を施すことが必要である。焙炒温度は150℃〜400℃の範囲内を選択すればよい。焙炒時間は使用するイモ類の種類、形状、水分含量、焙炒温度等に応じて適宜設定できる。但し、イモ類は、低温では長時間、高温では低温に比較して短時間焙炒処理すると焦げ臭が発生する。該焦げ臭が好ましくない場合には、短時間での焙炒処理を行えばよい。また、処理時間は数秒〜60分間、好ましくは数秒〜10分、更に熱エネルギーの省資源や作業効率の面からは数秒〜5分である。
【0018】
生イモ類(含水量60%〜85%)を用いる場合には、本発明でいう焙炒イモ類の含水量は、すなわち焙炒処理後の含水量は10%以上〜60%以下が好ましく、更に、品質上からは、15%以上〜50%以下が、食感として好ましく、25%以上〜50%以下が、製麹、掛原料として操作性及び醸造適正の面から好ましい。
【0019】
イモ類を前処理として、イモ類の大きさを工夫する(フルイ目1〜10mm通過の条件のもの)ことにより、更に短時間の加熱によりデンプンの糊化を短時間で行い、イモ類中の酵素類をすばやく不活性化することにより、新規な香味(ほのかに香ばしい、ほのかに甘い等)を有し、また表面が硬く(水分が少なく)、内面が軟らかい(水分が多い)、いわゆる外硬内軟の焙炒イモ類が得られる。
【0020】
本発明の焙炒イモ類は、そのまま食することが可能であり、表面が硬く、内面の軟らかい新しい食感と焙炒香を有し、酵素溶解性の向上したデンプンを含有する。更に、新規な香味を有する焙炒イモ類は、食品スナックの食感に好適となる。すなわち、β−アミラーゼ作用が少なく、イモ類の組成をそのまま有し、加熱による酵素分解された低分子の糖類やその糖類とアミノ酸等による化合物が少ないので、イモ類そのものの味覚が保有されている。
本発明の焙炒イモ類は、低温保存や凍結保存等をすることにより、香り、性状を保つことができる。
本発明の焙炒イモ類は、後述するように酒類、食品製造の掛原料、麹原料として用いることが可能であり、掛原料としてのハンドリングの向上、酵素溶解性の向上、製麹時のハンドリング(手入れ、切返し等)や通風性や麹のはぜ込みが良好な、良質な麹となる。
【0021】
次に、焙炒イモ類を製麹してなる焙炒イモ類麹について、イモ類として、生サツマイモを用いた検討例2及び検討例3で詳しく述べる。
〔検討例2〕
イモ類(生サツマイモ)を、裁断し、検討例1と同様に種々の大きさの裁断物を調製し、焙炒処理(260℃、100秒)を行い、焙炒イモ類を製造した。また対照として、一辺の長さが5mmの裁断物に、蒸し(50分)を行い、蒸しイモ類〔対照区〕を製造した。これらサツマイモと種麹(河内菌白麹)を用い、製麹し〔前半30時間を高温経過(38〜40℃)、後半15時間を低温経過(33〜35℃)、湿度98%恒湿〕、製麹前後の状貌と製麹後のはぜの程度、すなわち表面のはぜ廻りと内部のはぜ込みの程度〔最も良い(+++)、大変良い(++)、良い:(+)、不良:(−)〕を調べた。焙炒サツマイモ及び蒸しサツマイモの製麹の結果を表2に示す。
【0022】
【表2】
Figure 0004052420
【0023】
表2に示したように、蒸した場合は、蒸し後も製麹後も水分が多く、接着しやすい、潰れやすいという評価であり、はぜ廻りは良いが、はぜ込まなかった。
焙炒した試験区1〜7の場合はすべて、焙炒後も製麹後も接着することなく、型くずれすることなく、更に試験区3、4、5及び6の場合は、はぜ廻り、はぜ込み共に優れていた。また、はぜ込みの速さは、米麹と比較しても速いと評価された。
【0024】
〔検討例3〕
イモ類(生サツマイモ)を、裁断し、3mm×5mm×5mmの大きさの裁断物を調製し、焙炒処理(230℃、120秒)又は蒸し(50分)を行い、これら焙炒サツマイモ又は蒸しサツマイモと、種麹(河内菌白麹)を用い、検討例2と同様に製麹した。麹の水分含量、製麹後の酸度、酵素力価〔α−アミラーゼ、グルコアミラーゼ、酸性プロテアーゼ、酸性カルボキシペプチダーゼ、β−グルコシダーゼ〕を測定した。なお、酸度、グルコアミラーゼ、酸性プロテアーゼ及び酸性カルボキシペプチダーゼ力価は第四回改正国税庁所定分析法注解により、α−アミラーゼ力価はα−アミラーゼ測定キット〔キッコーマン(株)製〕を用い第四回改正国税庁所定分析法注解の力価に換算し、β−グルコシダーゼ力価は太田らの方法(醸造協会誌、第86巻、第7号、第536〜539頁、1991年)により測定した。麹の分析結果を表3に示す。なお、参考のために、米麹の文献値〔酸度、α−アミラーゼ、グルコアミラーゼ、酸性プロテアーゼ及び酸性カルボキシペプチダーゼ(醸造協会誌、第81巻、第7号、第495〜498頁、1986年、但し酸度は文献記載の麹当りの酸度から推定した乾燥麹当りの酸度である)、β−グルコシダーゼ(前述の太田らの方法)〕も表3に併記する。
【0025】
【表3】
Figure 0004052420
【0026】
表3の結果より、焙炒サツマイモ麹は、蒸しサツマイモ麹と比較して、酸度が高く、また調査したすべての酵素力価が高く、また米麹と比較して、α−アミラーゼ力価が低かったが、グルコアミラーゼ、酸性カルボキシペプチダーゼ力価は同等であり、酸性プロテアーゼ、β−グルコシダーゼ力価及び酸度は高かった。すなわち、焙炒イモ麹は、酸度が高いこと、また酵素力価が蒸しサツマイモ麹より優れているばかりでなく、米麹と比較しても同等又はそれ以上の力価を有していることが判明した。
【0027】
本発明のイモ類を裁断し、裁断物となし、焙炒処理してなる焙炒イモ類を製麹してなる焙炒イモ類麹は、接着することなく、型くずれもすることなく、ハンドリングも良い。好ましくは、該裁断物が、フルイ目1〜10mmを通過する焙炒イモ類を製麹してなる焙炒イモ類麹は、はぜ廻り、はぜ込み共に良い。更に好ましくは、外側が硬く、内側が軟らかく焙炒された焙炒イモ類を用いた焙炒イモ類麹は、はぜ廻り、はぜ込み共に最も優れている。更に、本発明の焙炒イモ類を製麹してなる焙炒イモ類麹は、蒸しイモ類麹より、酸度が高く、酵素力価も高い麹である。
【0028】
本発明でいう製麹方法については、古来からの麹箱等を用いる方法によっても、機械製麹法によってもよい。製麹条件は、特に限定されるものではなく、例えば、焙炒イモ類(水分25〜50%)に種麹を接種後、20〜45℃、20〜60時間程度培養し、焙炒イモ類麹(水分15〜50%)を調製することができる。また、焙炒イモ類の製麹時に窒素源の添加をしなくても、この焙炒イモ類麹を使用する醪は良好な発酵歩合を示すが、製麹時の窒素源の添加は任意である。
使用する種麹については、特に限定されるものではなく、一般的にはアスペルギルス属のカビ(主に、白麹菌、黒麹菌、黄麹菌)、クモノスカビ及び紅麹菌等が使用できる。
【0029】
本発明の酒類、食品の製造方法は、掛け原料として本発明の焙炒イモ類及び/又は麹として本発明の焙炒イモ類麹を用いればよく、特に限定はない。例えば、掛け原料として蒸しイモ類、穀類等、麹として米麹等も、単独又は組合せて併用することができる。
本発明の酒類、食品の製造方法において、醪性状の改良や発酵の促進等のために酵素剤の使用は任意であり、動物、植物、微生物由来の酵素剤を用いればよい。添加量は目的とする製造物の種類、原料の種類、特性等に応じて適宜設定すれば良い。例えば、焼酎を製造する場合、一次仕込みにペクチナーゼ、セルラーゼを添加することで、軟らかい醪になり、仕込み初期で発酵が非常に旺盛となり、二次仕込みにグルコアミラーゼを添加することは、二次仕込みの発酵が促進されるから好ましい。
本発明の酒類、食品の製造方法における仕込み方法は、限定されず、一段(次)仕込み、二段(次)仕込み、三段(次)仕込み、多段(次)仕込み等が可能であり、麹歩合も任意である。例えば、焼酎を製造する場合、焙炒イモ類麹の酸度に応じて、一次原料における麹歩合を決定することは、酸度低下による微生物汚染及び酸度上昇による酵母の弱体化を防御する点から好ましい。
【0030】
本発明でいう酒類、食品とは、食品として、イモ菓子類(ヨウカン、あん、せんべい、パン、まんじゅう)、イモ加工食品(フライ物、そうざい)、焙炒イモ類の麹及び/又は麹の処理物(焙炒イモあめ、麹の乾燥物、麹の凍結物、麹の乾燥凍結物、麹の自己消化物、該消化物の液分又は固形分等)、焙炒イモ類及び/又は焙炒イモ類麹を用いた醸造食品(みそ、醤油、酢、発酵調味料)、焙炒イモ類及び/又は焙炒イモ類麹を用いた甘酒(アルコールを含有しない)等、酒類として、焙炒イモ類及び/又は焙炒イモ類麹を用いた酒類(焼酎、雑酒)等が挙げられる。
【0031】
【実施例】
以下、本発明を実施例によって更に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
なお、実施例2全部、実施例3全部、また実施例5における本発明1は、本発明の参考例として付記した。
【0032】
実施例1
(サツマイモスナック)
生サツマイモを洗浄後、両端と病根部を切除し、スライス機で3mm×5mm×5mm角に裁断し、裁断物を調製した。該裁断物を焙炒機で260℃、100秒の条件で焙炒処理し、サツマイモスナックを製造した(本発明)。また、同様に生サツマイモを、15mm×15mm×15mm角に裁断し、290℃、180秒の条件で焙炒処理したサツマイモスナック(対照1)と、25mm×25mm×25mm角に裁断し、290℃、180秒の条件で焙炒処理したサツマイモスナック(対照2)を製造した。なお、焙炒処理条件は、裁断物の大きさが異なるので焙炒後の消化率がほぼ同じになる条件で行った。なお、消化率の測定は以下のように行った。焙炒処理したサツマイモスナックをアミラーゼ酵素製剤コクラーゼSS〔三共(株)製〕1.5w/v%水溶液中で55℃、18時間消化した。消化後の固形物を90℃で24時間乾燥した後の乾物重量を測定し、次式(数1)により消化率を求めた。
【0033】
(数1)
消化率(%)=[1−(消化後の乾物重量/消化前の乾物重量)]×100
【0034】
焙炒処理及び官能評価の結果を表4に示す。
【0035】
【表4】
Figure 0004052420
【0036】
表4に示したように、対照1、2の場合は、裁断物が大きいため、焙炒機の中での流動性が悪く、内部へ熱風が伝わらず、外部が焦げてしまい、焦げ臭のあるやや苦いサツマイモスナックとなった。本発明の場合は、焙炒機の中での流動性が良く、焦げはなく、内部へ熱風が伝わり、ほのかに香ばしい(焙炒香気)、ほのかに甘く美味なサツマイモスナックであった。
また、通常の蒸しサツマイモや焼きサツマイモに比べると、甘味はわずかで、香りもサツマイモ本来の香味が中心で、蒸しサツマイモや焼きサツマイモの香りとは異なったものであることが確認できた。
【0037】
実施例2
(雑酒)
掛原料として焙炒サツマイモを用いる雑酒の製造を行った。
一次仕込みは、精米歩合70%の白米を常法により水浸漬、水切り、蒸し及び放冷して、白麹菌を接種し、米麹を調製し、この米麹に汲み水及び酵母を加え、25℃で8日間培養を行った。
二次仕込みは、まず生サツマイモを洗浄後、両端と病根部を切除し、3mm×5mm×5mm角に裁断し、裁断物を調製した。該裁断物を焙炒機で260℃、90秒間(本発明1)、290℃、90秒間(本発明2)の条件で焙炒処理したものを、また、50分間蒸し(対照)たものを、掛原料として用いた〔麹歩合20%、汲水歩合70%、焙炒サツマイモは生のサツマイモと同様な水分含量になるように(乾物量が等量となるように)加えるべき水の量(原料の使用量)を計算した〕。二次仕込みとして、25℃で、12日間糖化と発酵を行い、発酵終了醪を上槽して雑酒が得られた。雑酒の仕込配合を表5に、雑酒の分析及び官能評価の結果を表6に示す。
【0038】
【表5】
Figure 0004052420
【0039】
【表6】
Figure 0004052420
【0040】
表6に示したように、対照の蒸しサツマイモを用いた場合は、濃厚な甘い香りがした。本発明の焙炒サツマイモを用いた場合は、スッキリとした軽い香り、スッキリして香ばしいという評価がえられ、新規な酒質の雑酒が得られた。
【0041】
実施例3
(焼酎)
掛原料として焙炒サツマイモ用いる焼酎の製造を行った。
一次仕込みは、実施例2と同様の方法で米麹を調製し、この米麹に汲み水及び酵母を加え、25〜30℃で7日間培養を行った。
二次仕込みは、生サツマイモを洗浄後、両端と病根部を切除し、3mm×5mm×5mm角に裁断し、裁断物を調製した。該裁断物を焙炒機で260℃、70秒の条件で焙炒処理した(本発明)ものを、また、50分間蒸した(対照)ものを、掛原料として用いた〔麹歩合20%、汲水歩合70%、焙炒サツマイモは生のサツマイモと同様な水分含量になるように(乾物量が等量となるように)加えるべき水の量(原料の使用量)を計算した〕。二次仕込みとして、25〜30℃で、14日間糖化、発酵を行い、発酵終了醪が得られた。焼酎の仕込配合を表7に、発酵終了醪の分析結果を表8に示す。
【0042】
【表7】
Figure 0004052420
【0043】
【表8】
Figure 0004052420
【0044】
上記、発酵終了醪を減圧蒸留(−700mmHg、初留カット約50ml、中留カットアルコール度数20v/v%)した。留液の分析値(ヘッドスペースガスクロマトグラフィー法、アルコール分25v/v%換算値)とアルコール分25v/v%に割水して得られた焼酎の官能評価の結果を表9に示す。
【0045】
【表9】
Figure 0004052420
【0046】
表9より、本発明の焙炒サツマイモを用いた焼酎は、対照の蒸しサツマイモを用いた焼酎と比べ、バナナ様芳香、リンゴ様芳香と称されるされる酢酸イソアミルが1.4倍増加し、果実様芳香と称されるされるカプロン酸エチルが2倍増加した。また、対照の焼酎が、サツマイモの特徴香がある、やや重厚で丸いというコメントに対し、本発明の焼酎は、軽い、きれい、ほのかに香ばしい、やや甘くて軽いという評価が得られ、新規な酒質の焼酎が製造できた。
【0047】
実施例4
(焙炒サツマイモ麹)
生サツマイモ〔黄金千貫とベニアズマ〕を洗浄後、両端と病根部を切除し、3mm×5mm×5mm角に裁断し、裁断物を調製した。該裁断物を焙炒機で230℃、120秒の条件で焙炒処理し、焙炒サツマイモを得た。該焙炒サツマイモは、外側が硬く、内側が軟らかかった。次に、河内菌白麹を接種し、製麹した〔前半30時間は高温経過(38〜40℃)、後半15時間は低温経過(33〜35℃)〕。得られた焙炒サツマイモ麹は、接着することなく、型くずれもすることなく、ハンドリングも良く、更にはぜ廻り、はぜ込み共に良好であった。焙炒サツマイモ麹の分析結果を表10に示す。
【0048】
【表10】
Figure 0004052420
【0049】
表10に示したように、焙炒サツマイモ麹は、酸度が高く、酸性プロテアーゼ、β−グルコシダーゼ力価が高い麹である。
【0050】
実施例5
(焼酎)
蒸しサツマイモ掛原料、米麹(対照)、焙炒サツマイモ掛原料、米麹(本発明1)、蒸しサツマイモ掛原料、焙炒サツマイモ麹(本発明2)、焙炒サツマイモ掛原料、焙炒サツマイモ麹(本発明3)を用いる焼酎の製造を行った。
米麹は実施例2と同様の方法で、焙炒サツマイモ麹は実施例4と同様の方法で製麹した。
蒸しサツマイモ掛原料は、生サツマイモを洗浄後、両端と病根部を切除し、そのまま50分間蒸した。焙炒サツマイモ掛原料は、生サツマイモを洗浄後、両端と病根部を切除し、3mm×5mm×5mm角に裁断し、裁断物を調製した。該裁断物を焙炒機で270℃、110秒の条件で焙炒処理した。
一次仕込みについて、米麹を用いる場合は、米麹に汲み水及び酵母を加え、25〜30℃で6日間培養を行い、焙炒サツマイモ麹を用いる場合は、焙炒サツマイモ麹に汲み水及び酵母を加え、25〜30℃で7日間培養を行った。なお、麹米と麹サツマイモは同じデンプン量になるような仕込み配合とした。
二次仕込みについて、蒸しサツマイモ掛原料又は焙炒サツマイモ掛原料〔焙炒サツマイモは生のサツマイモと同様な水分含量になるように(乾物量が等量となるように)加えるべき水の量(原料の使用量)を計算した〕を用い、28〜35℃で、糖化、発酵を行い、発酵終了醪が得られた。焼酎の仕込配合を表11に、発酵終了醪の分析結果を表12に示す。
【0051】
【表11】
Figure 0004052420
【0052】
【表12】
Figure 0004052420
【0053】
上記、発酵終了醪を常圧蒸留(初留カット約50ml、中留カットアルコール度数20v/v%)した留液の分析値(ガスクロマトグラフィー法、アルコール分25v/v%換算値)を表13に示す。なお、テルペンアルコールの面積比は、ガスクロマトグラフィーチャートにおける内部標準(セチルアルコール90ppmを使用した)面積と各々のテルペンアルコール面積を測定し、次式(数2)により求めた。
【0054】
(数2)
テルペンアルコールの面積比=(テルペンアルコール面積/内部標準面積)×100
【0055】
【表13】
Figure 0004052420
【0056】
表13の結果より、対照と比較して本発明1、2及び3は、バナナ様芳香、リンゴ様芳香と称される酢酸イソアミル、果実様芳香と称されるカプロン酸エチル、カプリル酸エチル及びカプリン酸エチル、並びにサツマイモ焼酎の特徴香と称されるリナロール、α−テルピネオール、ネロール、シトロネロールの合計が増加した。
【0057】
得られた留液をアルコール分25v/v%に割水して得られた焼酎の官能検査を行った。官能検査は、パネラー10名により、5点法(1:良〜5:悪)による10名の平均値とコメントで評価した。官能検査の結果を表14に示す。
【0058】
【表14】
Figure 0004052420
【0059】
表14に示したように、対照はくせが強い、濃醇、重厚等の評価に対し、本発明は華やか、きれい、サツマイモの特徴香がある、軽快等と評価され新規な酒質のさつまいも焼酎が得られた。
【0060】
実施例6
(焼酎)
焙炒サツマイモ麹、焙炒サツマイモ掛原料(一次仕込みに使用)、蒸しサツマイモ掛原料(二次仕込みに使用)、及び酵素剤を用いる焼酎の製造を行った。焙炒サツマイモ麹は実施例4と同様の方法で製麹した(出麹水分30%)。焙炒サツマイモ掛原料は、生サツマイモ(水分65%)を洗浄後、両端と病根部を切除し、3mm×5mm×5mm角に裁断し、裁断物を調製した。該裁断物を焙炒機で270℃、110秒の条件で焙炒処理した(焙炒後水分40%)。蒸しサツマイモ掛原料は、生サツマイモを洗浄後、両端と病根部を切除し、そのまま50分間蒸した(蒸し後水分63%)。
一次仕込みについて、焙炒サツマイモ麹、焙炒サツマイモ掛原料に汲み水、酵母及びセルラーゼ酵素剤〔スミチームAC、新日本化学工業(株)〕を加え、30℃、7日間培養を行った。なお、焙炒サツマイモ掛原料は生のサツマイモと同様な水分含量になるように(乾物量が等量となるように)加えるべき水の量(原料の使用量)を計算した。
二次仕込みについて、蒸しサツマイモに汲み水、グルコアミラーゼ酵素剤〔タカラチームMT、ナガセ生化学工業(株)〕を用い、30〜35℃で、12日間糖化、発酵を行い、発酵終了醪が得られた。焼酎の仕込配合を表15、醪の分析結果を表16に示す。
【0061】
【表15】
Figure 0004052420
【0062】
【表16】
Figure 0004052420
【0063】
一次仕込み醪は、麹歩合の削減、セルラーゼの使用により、軟らかい醪となった。二次仕込み醪はグルコアミラーゼの使用により仕込み初期で発酵が非常に旺盛となった。
【0064】
上記、発酵終了醪を常圧蒸留(初留カット約50ml、中留カットアルコール度数20v/v%)し、アルコール分25v/v%に割水をして焼酎を得た。分析の結果、酢酸イソアミル、カプロン酸エチル、カプリル酸エチル及びカプリン酸エチル、並びにリナロール、α−テルピネオール、ネロール、シトロネロールが多く含まれていた。官能検査の結果、香りについては華やかで豊か、サツマイモの特徴香が強く感じられる、味についてはきれい、丸い、すなわち、軽快で香味のバランスが良くふくらみがあるという評価が得られた。
【0065】
【発明の効果】
本発明により、イモ類から食感や食品や醸造の適性が向上した焙炒イモ類を提供することができる。この焙炒イモ類を用いて新規な食品や飲料を開発することができるので有効な原料素材として有用である。該焙炒イモ類を製麹してなる、接着することなく、型くずれもすることなく、ハンドリングも良い、更に酸度が高く、酵素力価も高い焙炒イモ類麹を提供できる。また、掛原料として焙炒イモ類及び/又は麹として焙炒イモ類麹を用いる新規な酒類、食品の製造方法を提供することができる。

Claims (3)

  1. フルイ目1〜10mmを通過するようにイモ類を裁断し、裁断物となし、焙炒処理後の含水量が25%以上〜50%以下であるように焙炒処理し焙炒イモ類を製麹してなる焙炒イモ類麹
  2. 麹として請求項に記載の焙炒イモ類麹のみを用いることを特徴とする酒類、食品の製造方法。
  3. 請求項1に記載の焙炒イモ類麹を用い、掛原料として蒸しイモ類及び/又は焙炒イモ類を用いることを特徴とする焼酎の製造方法。
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