JP3328018B2 - 酒類の製造方法 - Google Patents
酒類の製造方法Info
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、酒類の製造に関し、更
に詳細には、もろみ中酵母の増殖の促進、原料利用率の
向上、品質の調整及び製品の香味の改良を可能にした酒
類の製造方法に関する。
に詳細には、もろみ中酵母の増殖の促進、原料利用率の
向上、品質の調整及び製品の香味の改良を可能にした酒
類の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、原料利用率の向上及び製造管理の
改善を図るため、掛米として使用する原料米をそのまま
又は粉砕した後、蒸きょうすることなく酵素剤により液
化して使用し、清酒を製造する技術が開発され実用化さ
れている。一方、清酒の品質の多様化を図るため、原料
米を直接又は水分含量を高めた後、焙炒し、掛米又は麹
米として使用し、従来の仕込方法に従って製造し、アミ
ノ酸の少ない淡麗な清酒を製造する技術が開発され実用
化されている(特公平5−28591号、特開平3−2
92878号)。また、上記焙炒法と液化法の組合せに
より清酒を製造する方法が提案されている(特開平4−
166075号)。
改善を図るため、掛米として使用する原料米をそのまま
又は粉砕した後、蒸きょうすることなく酵素剤により液
化して使用し、清酒を製造する技術が開発され実用化さ
れている。一方、清酒の品質の多様化を図るため、原料
米を直接又は水分含量を高めた後、焙炒し、掛米又は麹
米として使用し、従来の仕込方法に従って製造し、アミ
ノ酸の少ない淡麗な清酒を製造する技術が開発され実用
化されている(特公平5−28591号、特開平3−2
92878号)。また、上記焙炒法と液化法の組合せに
より清酒を製造する方法が提案されている(特開平4−
166075号)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】丸米を液化して掛米と
して使用する酒類製造において、液化工程で米粒が磨砕
され粉砕されるので、蒸米のような米粒仕込のもろみに
比較して、もろみ中の溶存酸素が不足し、酵母の増殖が
遅れる等の欠点があり、酵母の生育を促して発酵速度を
大きくする方法の開発が望まれていた。本発明の目的
は、これらの課題を解決し、しかも、原料利用率の向
上、品質の調整及び香味の改良を可能にした酒類の製造
方法を提供することにある。
して使用する酒類製造において、液化工程で米粒が磨砕
され粉砕されるので、蒸米のような米粒仕込のもろみに
比較して、もろみ中の溶存酸素が不足し、酵母の増殖が
遅れる等の欠点があり、酵母の生育を促して発酵速度を
大きくする方法の開発が望まれていた。本発明の目的
は、これらの課題を解決し、しかも、原料利用率の向
上、品質の調整及び香味の改良を可能にした酒類の製造
方法を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明を概説すれば、乾
熱処理した穀類、又は湿熱処理した芋類由来の原料粒を
液化する工程を含有する酒類の製造において、該液化工
程を麹の存在下、全原料粒に対する麹原料粒の重量比が
11〜50重量%、及び液化温度を55〜80℃で実質
上原料粒をつぶすことなく行い、該液化物をそのまま用
いることを特徴とする酒類の製造方法に関する。
熱処理した穀類、又は湿熱処理した芋類由来の原料粒を
液化する工程を含有する酒類の製造において、該液化工
程を麹の存在下、全原料粒に対する麹原料粒の重量比が
11〜50重量%、及び液化温度を55〜80℃で実質
上原料粒をつぶすことなく行い、該液化物をそのまま用
いることを特徴とする酒類の製造方法に関する。
【0005】本発明者らは、前記の従来技術の問題を解
決するため、鋭意研究を重ねた結果、原料粒を液化する
工程を含有する酒類の製造において、原料粒を麹の存在
下に液化することにより、前記課題を解決した高品質の
酒類を得ることが可能であることを見出した。
決するため、鋭意研究を重ねた結果、原料粒を液化する
工程を含有する酒類の製造において、原料粒を麹の存在
下に液化することにより、前記課題を解決した高品質の
酒類を得ることが可能であることを見出した。
【0006】清酒の製造は、原料処理、仕込、糖化及び
発酵、熟成、上槽及び精製工程からなる。また焼酎の製
造は、原料処理、仕込、糖化及び発酵(糖化、発酵)、
蒸留及び熟成工程からなる。更に、みりんの製造は原料
処理、仕込、熟成、上槽、及び精製工程よりなる。ここ
でいう原料処理は製麹工程も含む。
発酵、熟成、上槽及び精製工程からなる。また焼酎の製
造は、原料処理、仕込、糖化及び発酵(糖化、発酵)、
蒸留及び熟成工程からなる。更に、みりんの製造は原料
処理、仕込、熟成、上槽、及び精製工程よりなる。ここ
でいう原料処理は製麹工程も含む。
【0007】本発明における原料としては、粳米、糯
米、大麦、小麦、ライ麦、燕麦、ヒエ、アワ、コウリャ
ン、ソバ、トウモロコシ、モロコシ、マイロ等の穀類及
びサツマイモ、ジャガイモ、サトイモ、タロイモ、キャ
ッサバ等の芋類等がある。
米、大麦、小麦、ライ麦、燕麦、ヒエ、アワ、コウリャ
ン、ソバ、トウモロコシ、モロコシ、マイロ等の穀類及
びサツマイモ、ジャガイモ、サトイモ、タロイモ、キャ
ッサバ等の芋類等がある。
【0008】本発明の原料粒としては穀類は精白及び/
又は未精白の原料が使用され、芋類は適当な大きさに裁
断されたものが使用される。また、原料は液化前の前処
理として加熱処理を行ってもよい。本発明における加熱
処理としては、穀類は乾燥熱風による焙炒法等の乾熱処
理等が、芋類は蒸煮法等の湿熱処理が好ましい。原料米
を直接焙炒する一例では、200〜400℃の熱風で数
秒〜5分間焙炒することが望ましい(特公平5−285
91号)。また、加水焙炒する場合は、加水後の水分含
量が例えば25〜35%で焙炒を行うことが望ましい
(特開平3−292878号)。この焙炒処理により、
原料由来と思われる臭いのない、淡麗な酒質の酒類が得
られる。
又は未精白の原料が使用され、芋類は適当な大きさに裁
断されたものが使用される。また、原料は液化前の前処
理として加熱処理を行ってもよい。本発明における加熱
処理としては、穀類は乾燥熱風による焙炒法等の乾熱処
理等が、芋類は蒸煮法等の湿熱処理が好ましい。原料米
を直接焙炒する一例では、200〜400℃の熱風で数
秒〜5分間焙炒することが望ましい(特公平5−285
91号)。また、加水焙炒する場合は、加水後の水分含
量が例えば25〜35%で焙炒を行うことが望ましい
(特開平3−292878号)。この焙炒処理により、
原料由来と思われる臭いのない、淡麗な酒質の酒類が得
られる。
【0009】本発明における液化にはα−アミラーゼ単
独による液化のほか、糖化酵素が作用する液化も含まれ
る。
独による液化のほか、糖化酵素が作用する液化も含まれ
る。
【0010】本発明における液化工程は麹の存在下、す
なわち液化時に少なくとも一部麹があればよく、液化酵
素製剤との併用により液化することもできる。酵素製剤
としては、中温性のスピターゼCP−3〔ナガセ生化学
工業(株)製〕、コクゲン〔大和化成(株)製〕、クラ
イスターゼ〔大和化成(株)製〕、α−アミラーゼ−8
00〔上田化学工業(株)製〕や、高温性のスピターゼ
HS〔ナガセ生化学工業(株)製〕、ターマミル〔ノボ
(株)製〕、クライスターゼTS〔大和化成(株)
製〕、コクゲンT20M〔大和化成(株)製〕等が使用
できる。液化方法は麹の存在下で行うこと以外は公知の
ものであればよい。また、液化時に麹の使用量が多い場
合は濃醇な品質をもたらす。したがって、この液化処理
時の麹量を調整することにより、品質を淡麗〜濃醇の間
で適宜選択することも可能になる。また、粕となる麹残
渣の量が液化により減少するので原料利用率が向上す
る。
なわち液化時に少なくとも一部麹があればよく、液化酵
素製剤との併用により液化することもできる。酵素製剤
としては、中温性のスピターゼCP−3〔ナガセ生化学
工業(株)製〕、コクゲン〔大和化成(株)製〕、クラ
イスターゼ〔大和化成(株)製〕、α−アミラーゼ−8
00〔上田化学工業(株)製〕や、高温性のスピターゼ
HS〔ナガセ生化学工業(株)製〕、ターマミル〔ノボ
(株)製〕、クライスターゼTS〔大和化成(株)
製〕、コクゲンT20M〔大和化成(株)製〕等が使用
できる。液化方法は麹の存在下で行うこと以外は公知の
ものであればよい。また、液化時に麹の使用量が多い場
合は濃醇な品質をもたらす。したがって、この液化処理
時の麹量を調整することにより、品質を淡麗〜濃醇の間
で適宜選択することも可能になる。また、粕となる麹残
渣の量が液化により減少するので原料利用率が向上す
る。
【0011】以下に、麹存在下に液化した場合及び対照
として焙炒米を液化酵素を加え液化した場合の成分値を
表1に示した。
として焙炒米を液化酵素を加え液化した場合の成分値を
表1に示した。
【0012】
【表1】
【0013】焙炒条件:75%精白米(滋賀県産日本
晴)に、加水後の水分が28%になるよう加水し、29
0℃、30秒間焙炒した。糊化度は、95%〔BAP法
−澱粉化学:第28巻、第4号、第235〜240頁
(1981)による〕であった。 液化条件:焙炒米、麹液化区;焙炒処理米100g(白
米換算)、麹20g(白米換算)及び水192gを混合
し55℃、一夜液化した。焙炒米液化区;焙炒処理米1
00g(白米換算)、液化酵素スピターぜCP−3〔ナ
ガセ生化学工業(株)製〕3g及び水192gを混合
し、80℃、30分間液化した。 酸度:試料10mlを中和するのに要するN/10NaO
H滴定数(ml)
晴)に、加水後の水分が28%になるよう加水し、29
0℃、30秒間焙炒した。糊化度は、95%〔BAP法
−澱粉化学:第28巻、第4号、第235〜240頁
(1981)による〕であった。 液化条件:焙炒米、麹液化区;焙炒処理米100g(白
米換算)、麹20g(白米換算)及び水192gを混合
し55℃、一夜液化した。焙炒米液化区;焙炒処理米1
00g(白米換算)、液化酵素スピターぜCP−3〔ナ
ガセ生化学工業(株)製〕3g及び水192gを混合
し、80℃、30分間液化した。 酸度:試料10mlを中和するのに要するN/10NaO
H滴定数(ml)
【0014】表1に示すように、麹存在下に液化した区
は、液化酵素のみで液化した区に比較して、約10倍の
窒素成分が生成される。したがって、もろみ初期酵母の
増殖にとって、十分な成分が供給されることになる。こ
の場合、液化中、微生物汚染を防ぐため乳酸などの酸を
添加することができる。
は、液化酵素のみで液化した区に比較して、約10倍の
窒素成分が生成される。したがって、もろみ初期酵母の
増殖にとって、十分な成分が供給されることになる。こ
の場合、液化中、微生物汚染を防ぐため乳酸などの酸を
添加することができる。
【0015】次に、焙炒米100g(白米換算)、水1
60gを混合し、液化酵素スピターゼCP−3〔ナガセ
生化学工業(株)製〕4gを加え、85℃、30分間液
化した液化物(以下、焙炒米液化と略称する)に、麹2
0g(白米換算)と水32gを混合したもろみと、焙炒
米100g(白米換算)、麹20g((白米換算)及び
水192gを混合し液化した液化物(以下、焙炒米、麹
液化と称する)のもろみに、それぞれ酵母を接種し、酵
母の増殖を試験した。結果を表2に示した。
60gを混合し、液化酵素スピターゼCP−3〔ナガセ
生化学工業(株)製〕4gを加え、85℃、30分間液
化した液化物(以下、焙炒米液化と略称する)に、麹2
0g(白米換算)と水32gを混合したもろみと、焙炒
米100g(白米換算)、麹20g((白米換算)及び
水192gを混合し液化した液化物(以下、焙炒米、麹
液化と称する)のもろみに、それぞれ酵母を接種し、酵
母の増殖を試験した。結果を表2に示した。
【0016】
【表2】
【0017】酵母数:個/1g培地 pHの調整:乳酸を添加し、pHを4.1に調整した。 培地の温度:15℃に保持した。 酵母:協会酵母701号を用いた。
【0018】表2に示すように、麹の存在下液化した場
合は、酵母の増殖が促進された。次に、焙炒米100
g、麹20g及び水192gを混合し、55℃で、5時
間液化したものを80℃達温まで加熱した後冷却し、対
照の加熱処理なしの液化処理物と共に残存酵素活性を測
定した。結果を表3に示した。
合は、酵母の増殖が促進された。次に、焙炒米100
g、麹20g及び水192gを混合し、55℃で、5時
間液化したものを80℃達温まで加熱した後冷却し、対
照の加熱処理なしの液化処理物と共に残存酵素活性を測
定した。結果を表3に示した。
【0019】
【表3】
【0020】活性:もろみグラム当りの活性を示した。 麹:精米歩合72%日本晴を浸漬後、100℃で40分
間蒸きょうした後、市販種麹を0.1%添加して常法に
より培養した。麹の酵素活性は、α−アミラーゼ 1,
670単位/g、グルコアミラーゼ 680単位/g、
酸性プロテアーゼ 6,000単位/g、酸性カルボキ
シペプチダーゼ 4,900単位/gであった。 酵素活性:国税庁所定分析法注解によった。 試料の調製:液化物に食塩を添加し酵素を抽出し、遠心
分離し上澄液を酵素液とした。
間蒸きょうした後、市販種麹を0.1%添加して常法に
より培養した。麹の酵素活性は、α−アミラーゼ 1,
670単位/g、グルコアミラーゼ 680単位/g、
酸性プロテアーゼ 6,000単位/g、酸性カルボキ
シペプチダーゼ 4,900単位/gであった。 酵素活性:国税庁所定分析法注解によった。 試料の調製:液化物に食塩を添加し酵素を抽出し、遠心
分離し上澄液を酵素液とした。
【0021】表3に示すように、もろみ単位重量(g)
当りの活性は、80℃達温の加熱でアミラーゼの活性低
下はわずかであったが、プロテアーゼの活性は1/4〜
1/5に低下した。したがって、この液化物を加熱処理
することによって、プロテアーゼ力価を低下させ、その
結果、酒類中の窒素量を少なくすることも可能になる。
麹の使用量が多い場合に、そのまま使用すると酒類中の
窒素成分が増加し、清酒の場合は雑味が多くなるが、こ
のような処理によって酒中の窒素成分を減少させ淡麗な
品質の清酒を製造できる。また、前記液化時の麹の使用
量調整によっても、品質の調整が可能となる。みりんの
場合は麹存在下で液化した液化物を用いることにより、
香味、特に味の濃醇な製品が得られる。更に、本発明の
酒類全般にいえることとして、液化により麹残渣量が減
少するので原料利用率が向上する。
当りの活性は、80℃達温の加熱でアミラーゼの活性低
下はわずかであったが、プロテアーゼの活性は1/4〜
1/5に低下した。したがって、この液化物を加熱処理
することによって、プロテアーゼ力価を低下させ、その
結果、酒類中の窒素量を少なくすることも可能になる。
麹の使用量が多い場合に、そのまま使用すると酒類中の
窒素成分が増加し、清酒の場合は雑味が多くなるが、こ
のような処理によって酒中の窒素成分を減少させ淡麗な
品質の清酒を製造できる。また、前記液化時の麹の使用
量調整によっても、品質の調整が可能となる。みりんの
場合は麹存在下で液化した液化物を用いることにより、
香味、特に味の濃醇な製品が得られる。更に、本発明の
酒類全般にいえることとして、液化により麹残渣量が減
少するので原料利用率が向上する。
【0022】
【実施例】以下、本発明を実施例で、更に具体的に説明
するが、本発明は、これらの実施例に限定されない。
するが、本発明は、これらの実施例に限定されない。
【0023】実施例1 焙炒米を麹で液化した場合と焙炒米を液化酵素で液化し
た場合の酵母の増殖、アルコールの生成、得られた清酒
の成分及び官能上の品質に与える影響について検討し
た。焙炒米、麹液化区が焙炒米(白米換算)6.5kg、
水10.4kg及び麹0.83kgを混合し、55℃、5時
間液化した。焙炒米液化区は焙炒米(白米換算)6.5
kg、水10.4kg及び液化酵素スピターゼCP−3〔ナ
ガセ生化学工業(株)製〕260gを混合し、85℃、
30分間液化した。液化時のかくはんは、いずれも米粒
を破砕しないような構造のかくはん機(特開平5−28
591号)を用いた。清酒の仕込配合は表4によった。
発酵は15℃になるように管理した。発酵経過を表5及
び表6、官能検査結果を表7に示す。
た場合の酵母の増殖、アルコールの生成、得られた清酒
の成分及び官能上の品質に与える影響について検討し
た。焙炒米、麹液化区が焙炒米(白米換算)6.5kg、
水10.4kg及び麹0.83kgを混合し、55℃、5時
間液化した。焙炒米液化区は焙炒米(白米換算)6.5
kg、水10.4kg及び液化酵素スピターゼCP−3〔ナ
ガセ生化学工業(株)製〕260gを混合し、85℃、
30分間液化した。液化時のかくはんは、いずれも米粒
を破砕しないような構造のかくはん機(特開平5−28
591号)を用いた。清酒の仕込配合は表4によった。
発酵は15℃になるように管理した。発酵経過を表5及
び表6、官能検査結果を表7に示す。
【0024】
【表3】
【0025】米:75%精白米(滋賀県産日本晴) 焙炒条件:加水後の水分が28%になるよう、加水し2
90℃、30秒間焙炒した。 酵母:協会酵母701号、培養酵母
90℃、30秒間焙炒した。 酵母:協会酵母701号、培養酵母
【0026】
【表5】
【0027】酸度:試料10mlを中和するのに要するN
/10NaOH滴定数(ml)
/10NaOH滴定数(ml)
【0028】
【表6】
【0029】酸度:試料10mlを中和するのに要するN
/10NaOH滴定数(ml)
/10NaOH滴定数(ml)
【0030】
【表7】
【0031】評価法:3点法 1:良、 2:普通、
3:不良 (パネラー 10名)
3:不良 (パネラー 10名)
【0032】焙炒米、麹液化区の方が、いずれの段階で
も酵母数が多く、酵母の増殖は良好であった。したがっ
て、ボーメの切れも良く、かつアルコールの生成も早く
発酵経過は良好であった。成分経過は、両者共ほぼ同じ
であった。官能検査の結果は、焙炒米、麹液化区の方
が、香りが高く、優れていたが、味は両者とも淡麗であ
った。
も酵母数が多く、酵母の増殖は良好であった。したがっ
て、ボーメの切れも良く、かつアルコールの生成も早く
発酵経過は良好であった。成分経過は、両者共ほぼ同じ
であった。官能検査の結果は、焙炒米、麹液化区の方
が、香りが高く、優れていたが、味は両者とも淡麗であ
った。
【0033】実施例2 酵母の増殖を早めるため、麹歩合を多くし、液化時高温
に加熱し酵素を失活させたものと、しないものについて
得られた清酒の成分及び官能上の品質に与える影響につ
いて検討した。仕込配合は実施例1と同様である。掛米
6.5kg、米麹1.35kg(白米換算)及び汲水10.
4kgを混合し、55℃で5時間液化した後、その1/2
量は80℃まで加熱したのち、冷却し仕込に供し、残り
の1/2量は冷却した後仕込に供した。対照の液化物を
80℃達温加熱をしない仕込は、55℃で5時間液化し
た後、仕込に供した。発酵は、15℃に保持した。発酵
経過を、表8及び表9に、官能検査結果を表10に示
す。
に加熱し酵素を失活させたものと、しないものについて
得られた清酒の成分及び官能上の品質に与える影響につ
いて検討した。仕込配合は実施例1と同様である。掛米
6.5kg、米麹1.35kg(白米換算)及び汲水10.
4kgを混合し、55℃で5時間液化した後、その1/2
量は80℃まで加熱したのち、冷却し仕込に供し、残り
の1/2量は冷却した後仕込に供した。対照の液化物を
80℃達温加熱をしない仕込は、55℃で5時間液化し
た後、仕込に供した。発酵は、15℃に保持した。発酵
経過を、表8及び表9に、官能検査結果を表10に示
す。
【0034】
【表8】
【0035】酸度:試料10mlを中和するのに要するN
/10NaOH滴定数(ml)
/10NaOH滴定数(ml)
【0036】
【表9】
【0037】酸度:試料10mlを中和するのに要するN
/10NaOH滴定数(ml)
/10NaOH滴定数(ml)
【0038】
【表10】
【0039】評価法:3点法 1:良、 2:普通、
3:不良 (パネラー 10名)
3:不良 (パネラー 10名)
【0040】酵母の増殖は、両仕込でほぼ同じであっ
た。ボーメの切れは、良好で、アルコールの生成も良好
であった。成分の経過は、液化糖化後加熱した仕込で
は、アミノ酸の生成が少なかった。得られた清酒の官能
検査の結果、加熱仕込の方の味が淡麗であった。また、
ここで仕込配合、発酵経過は示さないが、麹使用液化処
理物や麹の使用量の調節により淡麗〜濃醇の選択が可能
であった。
た。ボーメの切れは、良好で、アルコールの生成も良好
であった。成分の経過は、液化糖化後加熱した仕込で
は、アミノ酸の生成が少なかった。得られた清酒の官能
検査の結果、加熱仕込の方の味が淡麗であった。また、
ここで仕込配合、発酵経過は示さないが、麹使用液化処
理物や麹の使用量の調節により淡麗〜濃醇の選択が可能
であった。
【0041】実施例3 麹存在下に液化した液化物を用いて焼酎を試醸した。仕
込配合を表11に示した。
込配合を表11に示した。
【0042】
【表11】
【0043】麹:90%精白米を蒸し、焼酎用種もやし
を接種し、常法により培養した。 掛米:加水後の水分が28%になるように加水し、90
%精白米を290℃、30秒間焙炒した。 酵母:焼酎用酵母を培養し、一次もろみに添加した。
を接種し、常法により培養した。 掛米:加水後の水分が28%になるように加水し、90
%精白米を290℃、30秒間焙炒した。 酵母:焼酎用酵母を培養し、一次もろみに添加した。
【0044】一次、二次原料とも液化した後、仕込に使
用した(液化仕込)。また対照として液化しない原料を
使用した(通常仕込)。一次もろみは、20℃で7日
間、二次もろみは20℃で14日間発酵させた後、減圧
下(100mmHg) で蒸留した。収量及び成分を表12に
示した。
用した(液化仕込)。また対照として液化しない原料を
使用した(通常仕込)。一次もろみは、20℃で7日
間、二次もろみは20℃で14日間発酵させた後、減圧
下(100mmHg) で蒸留した。収量及び成分を表12に
示した。
【0045】
【表12】
【0046】酸度:試料10mlを中和するのに要するN
/10NaOH滴定数(ml)
/10NaOH滴定数(ml)
【0047】表12に示すように、焙炒米、麹液化仕込
の方が、収量が多く且つ香気成分の生成量も多い。ま
た、もろみでの酵母の増殖も早く発酵が良好に推移し
た。表13に官能検査の結果を示した。官能検査法はパ
ネラー15人による2点嗜好試験法を用いた。
の方が、収量が多く且つ香気成分の生成量も多い。ま
た、もろみでの酵母の増殖も早く発酵が良好に推移し
た。表13に官能検査の結果を示した。官能検査法はパ
ネラー15人による2点嗜好試験法を用いた。
【0048】
【表13】
【0049】官能検査の結果、焙炒米、麹液化仕込の方
が、芳香があり、味に幅があり、より良いという評価で
あった。
が、芳香があり、味に幅があり、より良いという評価で
あった。
【0050】実施例4 麹存在下に液化した液化物を用いてみりんを試醸した。
仕込配合を表14に示した。
仕込配合を表14に示した。
【0051】
【表14】
【0052】麹:90%精白米を蒸し、みりん用種もや
しを接種し、常法により培養した。 掛米:90%精白米を、290℃で30秒間焙炒した。
しを接種し、常法により培養した。 掛米:90%精白米を、290℃で30秒間焙炒した。
【0053】原料(麹、掛米)に、液化酵素を添加し液
化した後、仕込に使用した。30℃で30日間反応させ
た後、しぼり機でしぼりみりんを得た。対照として、掛
米を、麹を用いては液化せず、液化酵素のみで液化して
仕込を行い、同様に反応させしぼりみりんを得た。みり
んの収量及び成分を表15に示した。
化した後、仕込に使用した。30℃で30日間反応させ
た後、しぼり機でしぼりみりんを得た。対照として、掛
米を、麹を用いては液化せず、液化酵素のみで液化して
仕込を行い、同様に反応させしぼりみりんを得た。みり
んの収量及び成分を表15に示した。
【0054】
【表15】
【0055】酸度:試料10mlを中和するのに要するN
/10NaOH滴定数(ml)
/10NaOH滴定数(ml)
【0056】表15に示したように、焙炒米、麹液化仕
込では、みりんの収量は明らかに向上し粕の減少がみら
れた。また、成分も全体に多かった。官能検査の結果を
表16に示した。
込では、みりんの収量は明らかに向上し粕の減少がみら
れた。また、成分も全体に多かった。官能検査の結果を
表16に示した。
【0057】
【表16】
【0058】パネル:当社専用パネラー 15名 検査方法:2点嗜好試験法
【0059】表16に示すように、焙炒米、麹液化仕込
みりんは、熟成感があり且つ濃厚であるという評価であ
った。
みりんは、熟成感があり且つ濃厚であるという評価であ
った。
【0060】
【発明の効果】以上述べたように、本発明に従って酒類
を製造することにより、酵母の増殖を促進し、したがっ
て発酵速度が大きくなり、また淡麗〜濃醇の品質の調整
も可能となり、原料利用率が向上し、製品の香味が改善
された。したがって、本発明は優れた酒類の製造方法を
提供することが可能である。
を製造することにより、酵母の増殖を促進し、したがっ
て発酵速度が大きくなり、また淡麗〜濃醇の品質の調整
も可能となり、原料利用率が向上し、製品の香味が改善
された。したがって、本発明は優れた酒類の製造方法を
提供することが可能である。
フロントページの続き (72)発明者 宮部 敏則 滋賀県大津市瀬田3丁目4番1号 寳酒 造株式会社 中央研究所内 (56)参考文献 特開 平4−166075(JP,A) 特開 平3−191774(JP,A) 特開 昭62−208264(JP,A) 特許135859(JP,C2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C12G 1/00 - 3/14 JICST(JOIS)
Claims (1)
- 【請求項1】 乾熱処理した穀類、又は湿熱処理した芋
類由来の原料粒を液化する工程を含有する酒類の製造に
おいて、該液化工程を麹の存在下、全原料粒に対する麹
原料粒の重量比が11〜50重量%、及び液化温度を5
5〜80℃で実質上原料粒をつぶすことなく行い、該液
化物をそのまま用いることを特徴とする酒類の製造方
法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP20812893A JP3328018B2 (ja) | 1993-08-02 | 1993-08-02 | 酒類の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP20812893A JP3328018B2 (ja) | 1993-08-02 | 1993-08-02 | 酒類の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0739364A JPH0739364A (ja) | 1995-02-10 |
JP3328018B2 true JP3328018B2 (ja) | 2002-09-24 |
Family
ID=16551109
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP20812893A Expired - Fee Related JP3328018B2 (ja) | 1993-08-02 | 1993-08-02 | 酒類の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3328018B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4052420B2 (ja) * | 1999-07-28 | 2008-02-27 | 宝ホールディングス株式会社 | 焙炒イモ類麹を用いる酒類、食品の製造方法 |
JP2016015905A (ja) * | 2014-07-07 | 2016-02-01 | サッポロビール株式会社 | 清酒及び清酒の製造方法 |
JP6592703B2 (ja) * | 2017-08-08 | 2019-10-23 | ナオライ株式会社 | 醸造酒の減圧蒸留方法及び熟成方法、並びにアルコール飲料 |
-
1993
- 1993-08-02 JP JP20812893A patent/JP3328018B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
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