JP3937778B2 - 情報処理装置及び方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、印刷すべき文書の各種設定を行う情報処理装置及び方法に関し、特に文書を編集し、編集した文書を印刷装置に出力する情報処理装置及び方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
文字や表、画像など、データの種類が異なると、データを定義する構造やそれらデータに対する編集操作が異なるために、データの種類に応じた様々なアプリケーションプログラムが提供されている。利用者は、文字を編集するためには文字処理プログラム、表を編集するためには表計算プログラム、画像を編集するためには画像編集プログラムといった具合に、データの種類別にアプリケーションを使い分けている。
【0003】
このように、利用者はデータの種類ごとにアプリケーションプログラムを使い分けるのが一般的である。しかし、利用者が作成しようとする文書としては、例えば文字のみや、表のみ、画像のみといった1種類のデータのみから構成される文書よりも、文字と表、文字と画像など、複数種類のデータから構成される文書の方が一般的である。そこで複数種類のデータを含む目的文書を作成するために、利用者は各種アプリケーションが備えている印刷機能を利用してアプリケーションごとにデータを印刷させ、印刷物を所望の順序に組み合わせる必要があった。
【0004】
あるいは、いわゆるオフィススイートと呼ばれる、各種アプリケーションによってひとつの統合アプリケーションを形成するプログラムには、各アプリケーションで生成されたデータを組み合わせ、ひとつの文書を構成する機能を提供するものもある。この統合アプリケーションを使用する場合には、利用者は、各アプリケーションで作成したデータを、統合アプリケーションに含まれる特定のアプリケーションによってひとつの目的文書にまとめることができる。
【0005】
このようにして作成された文書などの印刷指示をパーソナルコンピュータ等の情報処理装置上で行い、使用する印刷装置の機能を利用するには、通常プリンタドライバと呼ばれる印刷装置ごとに用意された制御プログラムを利用する。プリンタドライバは、印刷装置の持つ機能を把握しており、その機能を利用するためのユーザインターフェースを持ち、各種アプリケーションから利用可能に構成されている。逆に、各種アプリケーションは、印刷装置の持つ機能を利用するために、プリンタドライバのユーザインターフェースを呼び出し、プリンタドライバを用いて印刷装置の機能を利用する指示を作成することが従来行われてきた。
【0006】
通常、アプリケーションは、オペレーティングシステム(以下、「OS」)が認識する一部の印刷装置の機能、例えば用紙サイズや解像度といった基本的な印刷装置の機能は制御可能に構成されているが、ステイプルやパンチ、Z折りなどといった限られた印刷装置でのみ利用可能な機能に関しては、プリンタドライバを利用しなければ印刷時に指示することはできなかった。
【0007】
上記従来の方法では、OSが認識しない機能に関しては、アプリケーション側で把握できないために、アプリケーションで作成した文書の印刷結果を文書表示に反映することができず、事前に印刷結果をディスプレイ上で確認することができないという問題点があった。
【0008】
この問題を解決するために、限られた印刷装置のみを使用することを前提とし、その印刷装置の持つ機能のみを指示可能なシステムが従来実現されてきた。また、プリンタドライバと連携することにより印刷装置の機能を把握し、印刷装置の機能の指示を作成し、印刷結果をディスプレイ表示することを実現する方法が特開2001−67347号公報で開示されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、利用者が各種アプリケーションによる印刷物を組み合わせてひとつの目的文書を作成する場合、例えばページ番号を各ページに振るためには、いったん必要なデータをすべて印刷出力し、文書としてまとめてから付すべきページ番号を決定する必要がある。そして、各アプリケーションによって、そのアプリケーションで作成された原稿の各ページ(これを論理ページあるいは原稿ページと呼ぶ)ごとに、決定されたページ番号を書き込んでいく。アプリケーションプログラムがページ番号を振る機能を有している場合であっても、不連続部分があればその部分についてはやはり利用者がページ番号を指定しなければならない。また、目的文書のページを再配置した場合には、ページ番号もそれに合わせて振り直さなければならない。あるいは、複数の原稿ページを、印刷物としての1ページ(これを物理ページあるいは印刷ページと呼ぶ)にまとめたり、片面印刷から両面印刷に変更するなど、データの内容にかかる変更ではなく、単に書式を変更する場合であっても、アプリケーションによって編集および印刷のし直しが必要となる。
【0010】
このように、データの種類ごとにそれを管理できるアプリケーションが異なることから、アプリケーション間のインターフェースを利用者自身が人手によって提供しなければならない。このことは、利用者に多大な労力が要求されるということであり、生産性の低下をもたらす。さらに、多くの人手を介することからエラーの発生も生じやすかった。
【0011】
一方、統合アプリケーションを利用して目的文書を作成する場合、印刷出力せずに、データの状態で各種データを配置することができる。このため、印刷物を組み合わせて目的文書を作成する場合ほどには労力は必要とされることはない。しかしながら、各種データを編集・作成するためのアプリケーションは、統合アプリケーションに含まれるものに限られてしまい、利用者が望むアプリケーションが使用できるとは限らない。また、統合アプリケーションによって作成された目的文書はひとつの文書ファイルであり、ファイル単位で編集・出力等の管理が行われる。そのために、文書ファイルの一部について書式を設定しようとしてもアプリケーションの機能による制約が多く、例えば書式が変わる部分ごとに書式設定を変更しては印刷し直すといった作業が必要とされる。このため、多くの労力が必要とされて生産性が低い点においては、前述した方法と変わりはなかった。
【0012】
また、限られた印刷装置特有の印刷機能を使用する場合、従来の方法では、特定の印刷装置に対して作成した指示を用いるため、他の印刷装置に出力できないという問題点があった。また、最終的に出力する印刷装置の情報が無い環境では、その装置で出力するための指示の作成ができないという問題点があった。
【0013】
さらに、この問題を解決するために、特定の印刷装置に対して作成した指示を、他の印刷装置への印刷時に使用したり、あるいは最終的に出力する印刷装置の情報が無い環境で、その装置で出力するための指示を作成する場合には、実現できない指示が含まれる場合があるという問題点が発生する。
【0014】
また、印刷装置への指示を容易にするために、複数の指示を予め組み合わせたテンプレートから選択して、一括して指示を行う方法を提供する場合にも、指定したテンプレートに含まれる指示の内、出力先の印刷装置で実現できない指示が含まれることがあるという問題点が発生する。
【0015】
本発明は上記問題点を鑑みてなされたものであり、利用者の望むアプリケーションプログラムによって作成されるデータをひとまとめにした文書の作成および編集を可能とするとともに、その操作性を高めて文書編集の生産性を向上させる文書処理システム及び方法を提供することを第1の目的とする。
【0016】
更に、最終的に文書を印刷する印刷装置の情報の有無に関わらず、任意の印刷装置の機能に合わせて、又は、印刷装置の機能に制限されずに文書の編集を行えるようにすることを第2の目的とする。
【0017】
また、特定の印刷装置の機能に合わせて文書の編集を行う場合に、適切な設定を確実に行えるようにすることを第3の目的とする。
【0018】
また、任意の印刷装置の機能に合わせて、又は、印刷装置の機能に制限されずに編集した文書を、異なる機能を有する印刷装置により実際に印刷する場合に、適切な印刷設定を行えるようにすることを第4の目的とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、印刷すべき文書の各種設定を行うための本発明の情報処理方法は、使用する印刷装置を指定する指定工程と、前記指定工程で指定された印刷装置の機能に制限せずに、前記文書に対する印刷設定項目を設定すべく、任意の印刷設定項目を選択項目として有効にする第1の設定表示モードと、前記任意の印刷設定項目の内、前記指定工程で指定された印刷装置で使用可能な印刷設定項目を選択項目として有効にする第2の設定表示モードの内のいずれかの設定表示モードを設定するモード設定工程と、前記モード設定工程で前記第1の設定表示モードが設定された場合には、前記指定される印刷装置の機能に制限せずに、前記任意の印刷設定項目を選択項目として有効にした印刷設定画面を表示し、前記モード設定工程で前記第2の設定表示モードが設定された場合には、前記指定工程で指定された印刷装置で使用可能な印刷設定項目を選択項目として有効にし、前記印刷装置で使用不可能な印刷設定項目を選択項目として無効にした印刷設定画面を表示する設定画面表示工程と、を有する。
【0021】
好ましくは、前記モード設定工程で前記第1の設定表示モードに設定されており、前記指定工程で使用する印刷装置が指定されている場合に、前記任意の印刷設定項目の内、前記モード設定工程で前記第2の設定表示モードが設定された場合に当該指定された印刷装置で使用できなくなる印刷設定項目を判断する判断工程と、前記モード設定工程で前記第2の設定表示モードが選択された場合に前記指定された印刷装置で使用できなくなる印刷設定項目を、使用できない機能一覧として表示する使用不可能機能一覧表示工程とを更に有し、前記モード設定工程で前記第2の設定表示モードが設定されている場合には、前記使用できない機能一覧の表示は行わない。
【0022】
更に好ましくは、前記モード設定工程で前記第1の設定表示モードから前記第2の設定表示モードに切り換えられた場合に、前記任意の印刷設定項目の内、前記指定工程で指定された印刷装置で使用できない印刷設定項目を判断する判断工程と、前記判断工程により前記指定された印刷装置が使用できないと判断された当該印刷設定項目を、使用できない機能一覧として表示する使用不可能機能一覧表示工程とを更に有する。
【0023】
また、前記指定工程で使用する印刷装置が変更された場合に、前記任意の印刷設定項目の内、変更後の印刷装置で使用できない印刷設定項目を判断する判断工程と、変更後の印刷装置で使用できないと判断された当該印刷設定項目を、使用できない機能一覧として表示する使用不可機能一覧表示工程とを更に有する。
【0024】
また、別の構成によれば、印刷すべき文書の各種設定を行うための本発明の情報処理方法は、使用する印刷装置を指定する指定工程と、
前記指定工程で指定された印刷装置の機能に制限せずに、前記文書に対する印刷設定項目を設定すべく、任意の印刷設定項目を選択項目として有効にする第1の設定表示モードと、前記任意の印刷設定項目の内、前記指定工程で指定された印刷装置で使用可能な印刷設定項目を選択項目として有効にする第2の設定表示モードの内のいずれかの設定表示モードを設定するモード設定工程と、前記印刷設定項目を異なる状態に設定した複数の設定組み合わせを保持手段に保持しておき、前記指定工程で指定された印刷装置及び/又は前記モード設定工程で設定されたモードに基づいて、前記複数の設定組み合わせの内、選択可能な設定組み合わせを判断する組み合わせ判断工程と、前記組み合わせ判断工程により判断された選択可能な設定組み合わせを選択可能に、且つ、選択できない設定組み合わせを選択できないように、前記設定組み合わせを選択するための設定組み合わせ選択画面を表示する表示工程とを有する。
【0025】
また、更に好ましくは、前記判断工程は、前記モード設定工程で前記第2の設定表示モードに設定されており、前記指定工程で使用する印刷装置が指定されている場合に、前記複数の設定組み合わせの内、前記モード設定工程で前記第2の設定表示モードが設定された場合に前記指定工程で指定された印刷装置で使用できない印刷設定項目を含まない設定組み合わせを判断し、前記表示工程は、前記判断工程で前記指定された印刷装置で使用できない印刷設定項目を含まないと判断された設定組み合わせを表示し、前記モード設定工程で前記第1の設定表示モードが設定されている場合には、前記判断工程による前記指定された印刷装置で使用できない印刷設定項目を含まない設定組み合わせの判断は行わない。
【0026】
また、更に好ましくは、前記判断工程は、前記モード設定工程で前記第1の設定表示モードから前記第2の設定表示モードに切り換えられた場合に、前記複数の設定組み合わせの内、前記指定工程で指定された印刷装置で使用できない印刷設定項目を含まない設定組み合わせを判断し、前記表示工程は、前記判断工程で前記印刷装置で使用できないと判断された当該設定組み合わせを非表示にし、印刷装置で使用できると判断された当該設定組み合わせを表示する。
【0027】
また、更に好ましくは、前記判断工程は、前記指定工程で使用する印刷装置が変更された場合に、前記複数の設定組み合わせの内、変更後の印刷装置で使用できない印刷設定項目を含まない設定組み合わせを判断し、前記表示工程は、変更後の印刷装置で使用できないと判断された当該設定組み合わせを非表示にし、印刷装置が制御できると判断された当該設定組み合わせを表示する。
【0028】
また、更に好ましくは、前記判断工程で選択された印刷設定項目に設定された内容に基づいて文書を編集可能に制御する制御工程を更に有する。
【0029】
また、上記目的を達成するために、印刷すべき文書の各種設定を行う本発明の情報処理装置は、使用する印刷装置を指定する指定手段と、前記指定手段により指定された印刷装置の機能に制限せずに、前記文書に対する印刷設定項目を設定すべく、任意の印刷設定項目を選択項目として有効にする第1の設定表示モードと、前記任意の印刷設定項目の内、前記指定手段により指定された印刷装置で使用可能な印刷設定項目を選択項目として有効にする第2の設定表示モードの内のいずれかの設定表示モードを設定するモード設定手段と、前記モード設定手段により前記第1の設定表示モードが設定された場合には、前記指定される印刷装置の機能に制限せずに、前記任意の印刷設定項目を選択項目として有効にした印刷設定画面を表示し、前記モード設定手段により前記第2の設定表示モードが設定された場合には、前記指定手段により指定された印刷装置で使用可能な印刷設定項目を選択項目として有効にし、前記印刷装置で使用不可能な印刷設定項目を選択項目として無効にした印刷設定画面を表示する設定画面表示手段とを有する。
【0031】
好ましくは、前記モード設定手段により前記第1の設定表示モードに設定されており、前記指定手段により使用する印刷装置が指定されている場合に、前記任意の印刷設定項目の内、前記モード設定手段により前記第2の設定表示モードが設定された場合に当該指定された印刷装置で使用できなくなる印刷設定項目を判断する判断手段と、前記モード設定手段により前記第2の設定表示モードが選択された場合に前記指定された印刷装置で使用できなくなる印刷設定項目を、使用できない機能一覧として表示する使用不可能機能一覧表示手段とを更に有し、前記モード設定手段により前記第2の設定表示モードが設定されている場合には、前記使用できない機能一覧の表示は行わない。
【0032】
更に好ましくは、前記モード設定手段により前記第1の設定表示モードから前記第2の設定表示モードに切り換えられた場合に、前記任意の印刷設定項目の内、前記指定手段により指定された印刷装置で使用できない印刷設定項目を判断する判断手段と、前記判断手段により前記指定された印刷装置が使用できないと判断された当該印刷設定項目を、使用できない機能一覧として表示する使用不可能機能一覧表示手段とを更に有する。
【0033】
また、更に好ましくは、前記指定手段により、使用する印刷装置が変更された場合に、前記任意の印刷設定項目の内、変更後の印刷装置で使用できない印刷設定項目を判断する判断手段と、前記変更後の印刷装置で使用できないと判断された当該印刷設定項目を、使用できない機能一覧として表示する使用不可機能一覧表示手段とを更に有する。
【0034】
また、別の構成によれば、印刷すべき文書の各種設定を行う本発明の情報処理装置は、使用する印刷装置を指定する指定手段と、前記指定手段により指定された印刷装置の機能に制限せずに、前記文書に対する印刷設定項目を設定すべく、任意の印刷設定項目を選択項目として有効にする第1の設定表示モードと、前記任意の印刷設定項目の内、前記指定手段により指定された印刷装置で使用可能な印刷設定項目を選択項目として有効にする第2の設定表示モードの内のいずれかの設定表示モードを設定するモード設定手段と、前記印刷設定項目を異なる状態に設定した複数の設定組み合わせを保持する保持手段と、前記指定手段により指定された印刷装置及び/又は前記モード設定手段により設定されたモードに基づいて、前記複数の設定組み合わせの内、選択可能な設定組み合わせを判断する組み合わせ判断手段と、前記組み合わせ判断手段により判断された選択可能な設定組み合わせを選択可能に、且つ、選択できない設定組み合わせを選択できないように、前記設定組み合わせを選択するための設定組み合わせ選択画面を表示する表示手段とを有する。
【0035】
また、更に好ましくは、前記判断手段は、前記モード設定手段により前記第2の設定表示モードに設定されており、前記指定手段により使用する印刷装置が指定されている場合に、前記複数の設定組み合わせの内、前記モード設定手段により前記第2の設定表示モードが設定された場合に前記指定手段により指定された印刷装置で使用できない印刷設定項目を含まない設定組み合わせを判断し、前記表示手段は、前記判断手段により前記指定された印刷装置で使用できない印刷設定項目を含まないと判断された設定組み合わせを表示し、前記モード設定手段によりで前記第1の設定表示モードが設定されている場合には、前記判断手段による前記指定された印刷装置で使用できない印刷設定項目を含まない設定組み合わせの判断は行わない。
【0036】
また、更に好ましくは、前記判断手段は、前記モード設定手段により前記第1の設定表示モードから前記第2の設定表示モードに切り換えられた場合に、前記複数の設定組み合わせの内、前記指定手段により指定された印刷装置で使用できない印刷設定項目を含まない設定組み合わせを判断し、前記表示手段は、前記判断手段により前記印刷装置で使用できないと判断された当該設定組み合わせを非表示にし、印刷装置で使用できると判断された当該設定組み合わせを表示する。
【0037】
また、更に好ましくは、前記判断手段は、前記指定手段により、使用する印刷装置が変更された場合に、前記複数の設定組み合わせの内、変更後の印刷装置で使用できない印刷設定項目を含まない設定組み合わせを判断し、前記表示手段は、変更後の印刷装置で使用できないと判断された当該設定組み合わせを非表示にし、印刷装置が制御できると判断された当該設定組み合わせを表示する。
また、更に好ましくは、前記判断手段により選択された設定項目に設定された内容に基づいて文書を編集可能に制御する制御手段を更に有する。
【0038】
以上説明したように本発明によれば、特定の印刷装置に対して作成した指示を他の印刷装置に出力することが可能である。また、最終的に出力する印刷装置の情報が無い環境で、任意の印刷装置で出力するための指示の作成が可能である。
【0041】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して本発明の好適な実施の形態を詳細に説明する。
【0042】
<システム概要>
本発明の情報処理システムの好適な実施の形態である文書処理システムの概要を、図1〜図12を参照して説明する。この文書処理システムでは、一般アプリケーションにより作成されたデータファイルが、電子原稿ライタによって電子原稿ファイルに変換される。製本アプリケーションはその電子原稿ファイルを編集する機能を提供している。以下、その詳細は説明する。
【0043】
<システム構成及び動作>
図1は、本実施の形態の文書処理システムのソフトウェア構成を示す図である。文書処理システムは、本発明の情報処理装置の好適な実施形態であるデジタルコンピュータ100(以下、ホストコンピュータとも呼ばれる)によって実現されている。一般アプリケーション101は、ワードプロセシングやスプレッドシート、フォトレタッチ、ドローあるいはペイント、プレゼンテーション、テキスト編集などの機能を提供するアプリケーションプログラムであり、OSに対する印刷機能を有している。これらアプリケーションは、作成された文書データや画像データなどのアプリケーションデータを印刷するにあたって、オペレーティングシステム(OS)により提供される所定のインターフェース(一般に、GDIと呼ばれる)を利用する。すなわち、アプリケーション101は、作成したデータを印刷するために、前記インターフェースを提供するOSの出力モジュールに対して、あらかじめ定められる、OSに依存する形式の出力コマンド(GDI関数と呼ばれる)を送信する。出力コマンドを受けた出力モジュールは、プリンタ等の出力デバイスが処理可能な形式にそのコマンドを変換し、変換されたコマンド(DDI関数と呼ばれる)を出力する。出力デバイスが処理可能な形式はデバイスの種類やメーカ、機種などによって異なるために、デバイスごとにデバイスドライバが提供されており、OSではそのデバイスドライバを利用してコマンドの変換を行い、印刷データを生成し、JL(Job Language)でくくることにより印刷ジョブが生成される。OSとしてマイクロソフト社のウインドウズを利用する場合には、前述した出力モジュールとしてはGDI(Graphic Device Interface)と呼ばれるモジュールが相当する。
【0044】
電子原稿ライタ102は、前述のデバイスドライバを改良したものであり、本文書処理システム実現のために提供されるソフトウエアモジュールである。ただし、電子原稿ライタ102は特定の出力デバイスを目的としておらず、後述の製本アプリケーション104やプリンタドライバ106により処理可能な形式に出力コマンドを変換する。この電子原稿ライタ102による変換後の形式(以後、「電子原稿形式」と呼ぶ。)は、ページ単位の原稿を詳細な書式をもって表現可能であれば特に問わない。実質的な標準形式のうちでは、例えばアドビシステムズによるPDF形式や、SVG形式などが電子原稿形式として採用できる。アプリケーション101により電子原稿ライタ102を利用させる場合には、出力に使用するデバイスドライバとして電子原稿ライタ102を指定してから印刷を実行させる。ただし、電子原稿ライタ102によって作成されたままの電子原稿ファイルは、電子原稿ファイルとして完全な形式を備えていない。そのため、デバイスドライバとして電子原稿ライタ102を指定するのは製本アプリケーション104であり、その管理下でアプリケーションデータの電子原稿ファイルへの変換が実行される。製本アプリケーション104は、電子原稿ライタ102が生成した新規の不完全な電子原稿ファイルを後述する形式を備えた電子原稿ファイルとして完成させる。以下では、この点を明瞭に識別する必要がある際には、電子原稿ライタ102によって作成されたファイルを電子原稿ファイルと呼び、製本アプリケーションによって構造を与えられた電子原稿ファイルをブックファイルと呼ぶ。また、特に区別する必要がない場合は、アプリケーションにより生成されるドキュメントファイル、電子原稿ファイル、及びブックファイルをいずれも文書ファイル(または文書データ)と呼ぶ。
【0045】
このようにデバイスドライバとして電子原稿ライタ102を指定し、一般アプリケーション101によりそのデータを印刷させることで、アプリケーションデータはアプリケーション101によって定義されたページ(以後、「論理ページ」あるいは「原稿ページ」と呼ぶ。)を単位とする電子原稿形式に変換され、電子原稿ファイル103としてハードディスクなどの記憶媒体に格納される。なお、ハードディスクは、本実施の形態の文書処理システムを実現するコンピュータが備えているローカルドライブであってもよいし、ネットワークに接続されている場合にはネットワーク上に提供されるドライブであっても良い。
【0046】
製本アプリケーション104は電子原稿ファイルあるいはブックファイル103を読み込み、それを編集するための機能を利用者に提供する。ただし製本アプリケーション104は、各ページの内容を編集する機能は提供しておらず、ページを最小単位として構成される、後述する章やブックの構造を編集するための機能を提供している。
【0047】
製本アプリケーション104によって編集されたブックファイル103を印刷する際には、製本アプリケーション104によって電子原稿デスプーラ105が起動される。電子原稿デスプーラ105は、製本アプリケーションと共にコンピュータ内にインストールされるプログラムモジュールであり、製本アプリケーションで利用するドキュメント(ブックファイル)を印刷する際に、プリンタドライバへ描画データを出力するために使用されるモジュールである。電子原稿デスプーラ105は、指定されたブックファイルをハードディスクから読み出し、ブックファイルに記述された形式で各ページを印刷するために、前述したOSの出力モジュールに適合する出力コマンドを生成し、不図示の出力モジュールに出力する。その際に、出力デバイスとして使用されるプリンタ107のドライバ106がデバイスドライバとして指定される。出力モジュールは、指定されたプリンタ107のプリンタドライバ106を用いて受信した出力コマンドを、プリンタ107で解釈実行可能なデバイスコマンドに変換する。そしてデバイスコマンドはプリンタ107に送信され、プリンタ107によってコマンドに応じた画像が印刷される。
【0048】
図2は、コンピュータ100のハードウェアブロック図である。図2において、CPU201は、ROM203のプログラム用ROMに記憶された、あるいはハードディスク211からRAM202にロードされたOSや一般アプリケーション、製本アプリケーションなどのプログラムを実行し、図1のソフトウエア構成や、後述するフローチャートの手順を実現し、さらに、システムバス204に接続される各デバイスを総括的に制御する。また、ROM3のフォント用ROMあるいは外部メモリ11には上記製本アプリケーションなどの実行の際に使用するフォントデータ等が記憶されており、ROM3のデータ用ROMあるいは外部メモリ11には上記文書処理等を行う際に使用する各種データを記憶する。RAM202は、CPU201の主メモリ、ワークエリア等として機能する。キーボードコントローラ(KBC)205は、キーボード209や不図示のポインティングデバイスからのキー入力を制御する。CRTコントローラ(CRTC)206は、CRTディスプレイ210の表示を制御する。ディスクコントローラ(DKC)207は、ブートプログラム、種々のアプリケーション、フォントデータ、ユーザファイル、後述する編集ファイル、プリンタ制御コマンド生成プログラム(以下プリンタドライバ)等を記憶するハードディスク(HD)211や不図示のフロッピーディスク(FD)等とのアクセスを制御する。プリンタコントローラ(PRTC)208は、接続されたプリンタ107(図1参照)との間の信号の交換を制御する。ネットワークコントローラ(NC)212はネットワークに接続されて、ネットワークに接続された他の機器との通信制御処理を実行する。
【0049】
なお、CPU201は、例えばRAM202上に設定された表示情報RAMへのアウトラインフォントの展開(ラスタライズ)処理を実行し、CRT210上でのWYSIWYGを可能としている。また、CPU201は、CRT210上の不図示のマウスカーソル等で指示されたコマンドに基づいて、登録された種々のウインドウを開き、種々のデータ処理を実行する。ユーザは印刷を実行する際、印刷の設定に関するウインドウを開き、プリンタの設定や、印刷モードの選択を含むプリンタドライバに対する印刷処理方法の設定を行うことができる。
【0050】
<電子原稿データの形式>
製本アプリケーション104の詳細を言及する前に、ブックファイルのデータ形式を説明する。ブックファイルは紙媒体の書物を模した3層の層構造を有する。上位層は「ブック」と呼ばれ、1冊の本を模しており、その本全般に係る属性が定義されている。その下の中間層は、本でいう章に相当し、やはり「章」と呼ばれる。各章についても、章ごとの属性が定義できる。下位層は「ページ」であり、アプリケーションプログラムで定義された各ページに相当する。各ページついてもページごとの属性が定義できる。ひとつのブックは複数の章を含んでいてよく、また、ひとつの章は複数のページを含むことができる。
【0051】
図3(A)は、ブックファイルの形式の一例を模式的に示す図である。この例のブックファイルにおける、ブック、章、ページは、それぞれに相当するノードにより示されている。ひとつのブックファイルはひとつのブックを含む。ブック、章は、ブックとしての構造を定義するための概念であるから、定義された属性値と下位層へのリンクとをその実体として含む。ページは、アプリケーションプログラムによって出力されたページごとのデータを実体として有する。そのため、ページは、その属性値のほか、原稿ページの実体(原稿ページデータ)と各原稿ページデータへのリンクを含む。なお、紙媒体等に出力する際の印刷ページは複数の原稿ページを含む場合がある。この構造に関してはリンクによって表示されず、ブック、章、ページ各階層における属性として表示される。
【0052】
図3において、ブック301には、ブック属性が定義されているとともに、2つの章302A,302Bがリンクされている。このリンクにより、章302A,302Bがブック301に包含されていることが表示される。章302Aには、ページ303A,303Bがリンクされ、これらページが含まれることが示されている。各ページ303A,303Bにはそれぞれ属性値が定義され、その実体である原稿ページデータ(1)、(2)へのリンクが含まれる。これらリンクは、図3(B)に示す原稿ページデータ304のデータ(1)、(2)を指し示し、ページ303A、303Bの実体が、原稿ページデータ(1)、(2)であることを表示する。
【0053】
図4は、ブック属性のリストである。下位層と重複して定義可能な項目に関しては、下位層の属性値が優先採用される。そのため、ブック属性にのみ含まれる項目に関しては、ブック属性に定義された値はブック全体を通して有効な値となる。しかし、下位層と重複する項目については、下位層において定義されていない場合における既定値としての意味を有する。なお、図示された各項目は具体的に1項目に対応するのではなく、関連する複数の項目を含むものもある。
【0054】
図5は章属性の、図6はページ属性のリストである。章属性とページ属性との関係もブック属性と下位層の属性との関係と同様である。
【0055】
ブック属性に固有の項目は、印刷方法、製本詳細、表紙/裏表紙、インデックス紙、合紙、章区切りの6項目である。これらは、ブックを通して定義される項目である。印刷方法属性としては、片面印刷、両面印刷、製本印刷の3つの値を指定できる。製本印刷とは、別途指定する枚数の用紙を束にして2つ折りにし、その束をつづり合わせることで製本が可能となる形式で印刷する方法である。製本詳細属性としては、製本印刷が指定されている場合に、見開き方向や、束になる枚数等が指定できる。
【0056】
表紙/裏表紙属性は、ブックとしてまとめられる電子原稿ファイルを印刷する際に、表紙および裏表紙となる用紙を付加することの指定、及び付加した用紙への印刷内容の指定を含む。インデックス紙属性は、章の区切りとして、印刷装置に別途用意される耳付きのインデックス紙の挿入の指定およびインデックス(耳)部分への印刷内容の指定を含む。この属性は、印刷用紙とは別に用意された用紙を所望の位置に挿入するインサート機能を持ったインサータが使用する印刷装置に備えられている場合か、あるいは、複数の給紙カセットを使用可能である場合に有効となる。これは合紙属性についても同様である。
【0057】
合紙属性は、章の区切りとして、インサータからあるいは給紙カセットから供給される用紙の挿入の指定、および、合紙を挿入する場合には、給紙元の指定などを含む。
【0058】
章区切り属性は、章の区切り目において、新たな用紙を使用するか、新たな印刷ページを使用するか、特に何もしないか等の指定を含む。片面印刷時には新たな用紙の使用と新たな印刷ページの使用とは同じ意味を持つ。両面印刷時には、「新たな用紙の使用」を指定すれば連続する章が1枚の用紙に印刷されることは無いが、「新たな印刷ページの使用」を指定すれば、連続する章が1枚の用紙の表裏に印刷されることがあり得る。
【0059】
章属性に関しては、章に固有の項目はなく、すべてブック属性と重複する。したがって、章属性における定義とブック属性における定義とが異なれば、章属性で定義された値が優先する。ブック属性と章属性とにのみ共通する項目は、用紙サイズ、用紙方向、N−up印刷指定、拡大縮小、排紙方法の5項目である。このうち、N−up印刷指定属性は、1印刷ページに含まれる原稿ページ数を指定するための項目である。指定可能な配置としては、1×1や1×2、2×2、3×3、4×4などがある。排紙方法属性は、排出した用紙にステイプル処理を施すか否かを指定するための項目であり、この属性の有効性は使用する印刷装置がステイプル機能を有するか否かに依存する。
【0060】
ページ属性に固有の項目には、ページ回転属性、ズーム、配置指定、アノテーション、ページ分割などがある。ページ回転属性は、原稿ページを印刷ページに配置する際の回転角度を指定するための項目である。ズーム属性は、原稿ページの変倍率を指定するための項目である。変倍率は、仮想論理ページ領域のサイズを100%として指定される。仮想論理ページ領域とは、原稿ページを、N−up等の指定に応じて配置した場合に、1原稿ページが占める領域である。例えば1×1であれば、仮想論理ページ領域は1印刷ページに相当する領域となり、1×2であれば、1印刷ページの各辺を約70パーセントに縮小した領域となる。
【0061】
ブック、章、ページについて共通な属性として、ウォーターマーク属性およびヘッダ・フッタ属性がある。ウォーターマークとは、アプリケーションで作成されたデータに重ねて印刷される、別途指定される画像や文字列などである。ヘッダ・フッタは、それぞれ各ページの上余白および下余白に印刷されるウォーターマークである。ただし、ヘッダ・フッタには、ページ番号や日時など、変数により指定可能な項目が用意されている。なお、ウォーターマーク属性およびヘッダ・フッタ属性において指定可能な内容は、章とページとは共通であるが、ブックはそれらと異なっている。ブックにおいてはウォーターマークやヘッダ・フッタの内容を設定できるし、また、ブック全体を通してどのようにウォーターマークやヘッダ・フッタを印刷するかを指定することができる。一方、章やページでは、その章やページにおいて、ブックで設定されたウォーターマークやヘッダ・フッタを印刷するか否かを指定できる。
【0062】
<ブックファイルの生成手順>
ブックファイルは上述したような構造および内容を有している。次に、製本アプリケーション104および電子原稿ライタ102によってブックファイルを作成する手順を説明する。ブックファイルの作成は、製本アプリケーション104によるブックファイルの編集操作の一環として実現される。図7は、製本アプリケーション104によりブックファイルを開く際の手順である。
【0063】
まず、開こうとするブックファイルが、新規作成すべきものであるか、それとも既存のものであるか判定する(ステップS701)。新規作成の場合には、章を含まないブックファイルを新規に作成する(ステップS702)。新規に作成されるブックファイルは、図3の例で示せば、ブックノード301のみ有し、章のノードに対するリンクが存在しないブックのノードとなる。ブック属性は、新規作成用としてあらかじめ用意された属性のセットが適用される。そして、新規ブックファイルを編集するためのユーザインターフェース(UI)画面を表示する(ステップS704)。図11は、新規にブックファイルが作成された際のUI画面の一例である。この場合には、ブックファイルは実質的な内容を持たないために、UI画面1100には何も表示されない。
【0064】
一方、既存のブックファイルがあれば、指定されたブックファイルを開き(ステップS703)、そのブックファイルの構造、属性、内容に従ってユーザインターフェース(UI)画面を表示する。図10は、このUI画面の一例である。UI画面1100は、ブックの構造を示すツリー部1101と、印刷された状態を表示するプレビュー部1102とを含む。ツリー部1101には、ブックに含まれる章、各章に含まれるページが、図3(A)のような木構造で表示される。ツリー部1101に表示されるページは原稿ページである。プレビュー部1102には、印刷ページの内容が、後述する選択された印刷機能に基づく印刷結果を示すように、縮小されて表示される。その表示順序は、ブックの構造を反映したものとなっている。
【0065】
さて、開かれたブックファイルには、電子原稿ライタ102によって電子原稿ファイルに変換されたアプリケーションデータを、新たな章として追加することができる。この機能を電子原稿インポート機能と呼ぶ。図7の手順によって新規に作成されたブックファイルに電子原稿インポートすることで、そのブックファイルには実体が与えられる。この機能は、図10の画面にアプリケーションデータをドラッグアンドドロップ操作することで起動される。図8に電子原稿インポートの手順を示す。
【0066】
まず、指定されたアプリケーションデータを生成したアプリケーションプログラムを起動し、デバイスドライバとして電子原稿ライタ102を指定してアプリケーションデータを印刷出力させることで、電子原稿データに変換する(ステップS801)。変換を終えたなら、変換されたデータが画像データであるか否かを判定する(ステップS802)。この判定は、ウインドウズOSの下であれば、アプリケーションデータのファイル拡張子に基づいて行うことができる。例えば、拡張子が「bmp」であればウインドウズビットマップデータであり、「jpg」であればjpeg圧縮された画像データ、「tiff」であればtiff形式の画像データであると判定できる。また、このような画像データの場合はステップS801のようにアプリケーションを起動せずに、画像データから直接電子原稿ファイルを生成することが可能であるため、ステップS801の処理を省略することも可能である。
【0067】
画像データでなかった場合には、ステップS801で生成された電子原稿ファイルを、現在開かれているブックファイルのブックに、新たな章として追加する(ステップS803)。章属性としては、ブック属性と共通するものについてはブック属性の値がコピーされ、そうでないものについては、あらかじめ用意された規定値に設定される。
【0068】
画像データである場合には、原則として新たな章は追加されず、指定されている章に、ステップS801で生成された電子原稿ファイルに含まれる各原稿ページが追加される(ステップS804)。ただし、ブックファイルが新規作成されたファイルであれば、新たな章が作成されて、その章に属するページとして電子原稿ファイルの各ページが追加される。ページ属性は、上位層の属性と共通のものについてはその属性値が与えられ、アプリケーションデータにおいて定義された属性を電子原稿ファイルに引き継いでいるものについてはその値が与えられる。例えば、N−up指定などがアプリケーションデータにおいてされていた場合には、その属性値が引き継がれる。このようにして、新規なブックファイルが作成され、あるいは、新規な章が追加される。
【0069】
図9は、図8のステップS801において、電子原稿ライタ102により電子原稿ファイルを生成させる手順を示すフローチャートである。まず、新たな電子原稿ファイルを作成してそれを開く(ステップS901)。指定したアプリケーションデータに対応するアプリケーションを起動し、電子原稿ライタ102をデバイスドライバとして、OSの出力モジュールに対して出力コマンドを送信させる。出力モジュールは、受信した出力コマンドを電子原稿ライタによって電子原稿形式のデータに変換し、出力する(ステップS902)。出力先はステップS901で開いた電子原稿ファイルである。指定されたデータすべてについて変換が終了したか判定し(ステップS903)、終了していれば電子原稿ファイルを閉じる(ステップS904)。電子原稿ライタ102によって生成される電子原稿ファイルは、図3(B)に示した、原稿ページデータの実体を含むファイルである。
【0070】
<ブックファイルの編集>
以上のようにして、アプリケーションデータからブックファイルを作成することができる。生成されたブックファイルについては、章及びページに対して次のような編集操作が可能である。
【0071】
(1)新規追加
(2)削除
(3)コピー
(4)切り取り
(5)貼り付け
(6)移動
(7)章名称変更
(8)ページ番号名称振り直し
(9)表紙挿入
(10)合紙挿入
(11)インデックス紙挿入
(12)各原稿ページに対するページレイアウト。
このほか、一旦行った編集操作を取り消す操作や、さらに取り消した操作をやり直す操作が可能である。これら編集機能により、例えば複数のブックファイルの統合、ブックファイル内で章やページの再配置、ブックファイル内で章やページの削除、原稿ページのレイアウト変更、合紙やインデックス紙の挿入などといった編集操作が可能となる。これらの操作を行うと、図4乃至図6に示す属性に操作結果が反映されたり、あるいはブックファイルの構造に反映される。たとえば、ブランクページの新規追加操作を行えば、指定された箇所にブランクページが挿入される。このブランクページは原稿ページとして扱われる。また、原稿ページに対するレイアウトを変更すれば、その変更内容は、印刷方法やN−up印刷、表紙/裏表紙、インデックス紙、合紙、章区切りといった属性に反映される。
【0072】
<ブックファイルの出力>
以上のように作成・編集されるブックファイルは印刷出力を最終目的としている。利用者が図10に示す製本アプリケーションのUI画面1100からファイルメニューを選択し、そこから印刷を選択すると、指定した出力デバイスにより印刷出力される。この際、まず製本アプリケーション104は、現在開かれているブックファイルからジョブチケットを作成して電子原稿デスプーラ105に渡す。電子原稿デスプーラ105は、ジョブチケットをOSの出力コマンド、例えばウインドウズのGDIコマンドに変換し、それを出力モジュール、例えばGDIに送信する。出力モジュールは、指定されたプリンタドライバ106によってデバイスに適したコマンドを生成し、そのデバイスに送信する。
【0073】
ジョブチケットは原稿ページを最小単位とする構造を有するデータである。ジョブチケットにおける構造は、用紙上における原稿ページのレイアウトを定義している。ジョブチケットは1ジョブにつき1つ発行される。そのため、まず最上位にドキュメントというノードがあり、文書全体の属性、例えば両面印刷/片面印刷などが定義されている。その下には、用紙ノードが属し、用いるべき用紙の識別子や、プリンタにおける給紙口の指定などの属性が含まれる。各用紙ノードには、その用紙で印刷されるシートのノードが属する。1シートは1枚の用紙に相当する。各シートには、印刷ページ(物理ページ)が属する。片面印刷ならば1シートには1物理ページが属し、両面印刷ならば1シートに2物理ページが属する。各物理ページには、その上に配置される原稿ページが属する。また物理ページの属性として、原稿ページのレイアウトが含まれる。
【0074】
電子原稿デスプーラ105は、上述のジョブチケットを、出力モジュールへの出力コマンドに変換する。
【0075】
<そのほかのシステム構成>
本実施の形態の文書処理システムの概要は以上のようなものである。これはスタンドアロン型のシステムであるが、これを拡張したサーバクライアントシステムでもほぼ同様の構成・手順でブックファイルが作成・編集される。ただし、ブックファイルや印刷処理はサーバによって管理される。
【0076】
図12はサーバクライアント型文書処理システムの構成を示すブロック図である。クライアント文書処理システムは、スタンドアロン型システムに、クライアントモジュールであるDOMS(Document Output Management Service:文書出力管理サービス)ドライバ109およびDOMSプリントサービスモジュール110、DS(文書サービス)クライアントモジュール108を加えた構成を有する。このクライアント文書処理システム1200に、文書管理サーバ1201および印刷集中管理サーバ1202およびプリントサーバ1203が接続されている。これらサーバは、通常ネットワークによってクライアント文書処理システムと接続されるが、サーバが同時にクライアントとしても機能する場合には、ネットワーク間の通信をシミュレートするプロセス間通信によって接続される。なお図12では文書管理サーバ1201と印刷集中管理サーバ1202の両サーバがクライアントに接続されているが、いずれか一方のみがネットワーク上に存在する場合もあり得る。接続されているサーバが文書管理サーバであれば、そのクライアントモジュールを含む文書管理サーバクライアントシステム1201SCが、印刷集中管理サーバ1202であれば、そのクライアントモジュールを含む印刷管理サーバクライアントシステム1202SCが、スタンドアロン型文書管理システムに追加される。
【0077】
文書管理サーバ1201は、製本アプリケーション104により作成・編集されたブックファイルを格納するサーバである。文書管理サーバ1201によってブックファイルを管理する場合、ブックファイルは、クライアントPCのローカルHDに代わって、あるいはそれに加えて、文書管理サーバ1201のデータベース1211に保存される。製本アプリケーション104と文書管理サーバ1201との間のブックファイルの保存および読み出しは、DSクライアント108及びDSコア1212を介して行われる。
【0078】
印刷集中管理サーバ1202は、クライアント文書管理システム1200に格納された、あるいは文書管理サーバ1201に格納されたブックファイルの印刷を管理するサーバである。クライアントにおける印刷要求は、DOMSドライバ109およびDOMSプリントサービスモジュール110を介して印刷集中管理サーバ1202のDOMSWGサーバモジュール1221に送信される。集中印刷管理サーバ1202は、クライアントのプリンタで印刷する場合にはクライアントのDOMSプリントサービスモジュール110を介して電子原稿デスプーラ105に電子原稿データを渡し、プリントサーバ1203により印刷する場合には、プリントサーバ1203のDOMSプリントサービスモジュール1203に送信する。集中印刷管理サーバは、例えば保存されているブックファイルに対して印刷要求を発行した利用者の資格などについてセキュリティチェックを行ったり、印刷処理のログを保存したりする。このように、文書処理システムは、スタンドアロンとしても、クライアントサーバシステムとしても実現できる。
【0079】
<プレビュー表示の内容>
すでに説明したとおり、ブックファイルが製本アプリケーションによって開かれると、図10に示すユーザインターフェース画面1100が表示される。ツリー部1101には、開いているブック(以下、「注目ブック」と呼ぶ。)の構造を示すツリーが表示される。プレビュー部には、利用者の指定に応じて、3通りの表示方法が用意されている。第1は原稿ページをそのまま表示する原稿ビューと呼ばれるモードである。原稿ビューモードでは、注目ブックに属する原稿ページの内容が縮小されて表示される。プレビュー部の表示にレイアウトは反映されない。第2は印刷ビューモードである。印刷ビューモードでは、プレビュー部1102には、後述する選択された印刷機能に基づく印刷結果を示すように、原稿ページのレイアウトが反映された形で原稿ページが表示される。第3は簡易印刷ビューモードである。簡易印刷ビューモードでは、各原稿ページの内容はプレビュー部の表示には反映されず、レイアウトのみが反映される。
【0080】
次に、製本アプリケーション104による印刷設定処理動作について説明する。
【0081】
この製本アプリケーション104は、特定の印刷装置で利用可能な機能の範囲で印刷設定を行うことも、特定の印刷装置の機能によらず、自由に印刷設定を行うことも可能に構成されている。以後、前者を機能限定モード、後者を機能非限定モードと呼ぶ。文書作成者は、文書作成環境で利用可能な特定プリンタに印刷する前提で文書を作成する場合は機能限定モードで文書を作成することにより、特定プリンタで実現できる範囲で文書の印刷設定を行うことが可能となる。一方、文書作成環境に無いプリンタで印刷する前提で文書を作成する、あるいは印刷するプリンタを限定しない前提で作成する場合には、機能非限定モードで文書を作成することにより、高機能なプリンタが無い環境においても、文書に対して高機能を利用した印刷設定をすることが可能となる。
【0082】
製本アプリケーション104で新規の文書を作成するには、ファイルメニューの新規作成を選択するなどの操作を行って、図13に示す「新規作成」ダイアログを表示させる。
【0083】
「新規作成」ダイアログの「プリンタ名」ドロップダウンリストには、現在の環境で利用可能なプリンタがリスト表示される。この中から印刷に使用するプリンタを選択する。一方、リストに含まれるプリンタへ印刷することを前提とせずに文書を作成する場合には、ここではどのプリンタを選択しても構わない。
【0084】
「機能一覧」には、「プリンタ名」で指定したプリンタの持つ機能が領域1301にリスト表示されており、「プリンタ名」の選択プリンタを変更すると、「機能一覧」の表示もプリンタに合わせて変更されるように構成されている。文書作成者は、「機能一覧」の表示内容を参照することにより、作成しようとしている文書設定を実現できるプリンタを選択することが可能である。
【0085】
上述した通り、プリンタの機能の内、基本的な機能についてはOSで認識されており、アプリケーションから出力先のプリンタの基本的な機能に関する能力を取得できる構成になっているOSも存在する。例えばWindows OSでは、印刷部数、両面印刷、用紙サイズ、解像度などの機能は、アプリケーション、OS、プリンタドライバの間で、能力の取得、設定値の取得および設定などが可能となっている。
【0086】
本発明の印刷制御システムでは、OSが認識する基本的な機能の範囲に留まらず、例えばステイプル、サドルステッチ(中綴じ)、Z折りといった、現在のOSでは一般的に認識されていないプリンタの機能に関しても、能力の取得、設定値の取得および設定などが可能に構成されている。例えばWindows OSではこれらの機能は認識されておらず、アプリケーション、OS、プリンタドライバの間で、能力の取得、設定値の取得および設定などは一般に行うことはできない。
【0087】
図14に、アプリケーション104がプリンタドライバ106から取得する機能情報の例を示す。アプリケーション104がプリンタドライバ106に制御可能な機能の問い合わせをした場合、プリンタドライバ106は図14のような制御可能機能のIDリストを返却する。図14(a)に示す高機能機の例では、プリンタドライバは、両面印刷、出力用紙サイズ、ステイプル、パンチ、Z折り、サドルステッチが制御可能なプリンタであると返している。一方、図14(b)に示す低機能機の例では、制御可能な機能は出力用紙サイズのみとなっている。プリンタドライバは特定のプリンタ専用のものであるので、個々の機能を制御可能かといった情報をプリンタドライバ内に備えている。この情報をアプリケーションからの問い合わせに対して返却するように構成されている。
【0088】
さらに、ここでリストされた機能に関して、現在の設定値、設定値の変更、設定値の範囲の取得あるいは設定可能な選択肢のリストなどを、アプリケーション104がプリンタドライバ106から取得できるように構成されている。
【0089】
また、図13の「選択されている機種の機能に合わせて印刷体裁を制限する」チェックボックス1301をオンにすると、「プリンタ名」ドロップダウンリストで指定したプリンタの持つ機能の範囲で印刷設定するモード(以下、「機能限定モード」と呼ぶ。)を指定することができる。また、このチェックボックス1301をオフにすることで、特定の印刷装置の機能によらず印刷設定を行うモード(以下、「機能非限定モード」と呼ぶ。)を指定することができる。
【0090】
「体裁テンプレート」には、あらかじめ複数の設定項目の設定値を組み合わせた体裁テンプレートの定義が用意されている。左側の領域1303中のテンプレートアイコンを選択すると、右側の領域1304に、選択されたテンプレートに含まれる設定値が表示される。図15に、テンプレートの内容例を示す。図15(a)のテンプレート1は、両面印刷、左上(1箇所)にステイプル、Z折りを指定する内容となっている。図15(b)のテンプレート2は、製本印刷、サドルステッチ(中綴じ)、中央とじ部にとじ代10mmを指定する内容となっている。なお製本印刷とは、紙の両面に2ページずつ面付けし、印刷結果をまとめて中央で二つ折りにし、本の体裁に仕上げる出力体裁を意味する。テンプレート内に保存される設定項目はあらかじめ定義されている項目であるが、すべての項目が常に有効とは限らない。例えば印刷方法の設定値が製本印刷の時のみ、製本とじ代やサドルステッチの設定値は意味があり、逆に製本印刷の時には、ステイプルやとじ方向などの設定値は意味をなさない。よって、「体裁テンプレート」の右側の領域に表示される項目は、テンプレートによって異なる。
【0091】
図16に、テンプレート表示処理のフローチャートを示す。以下、図13及び図16を参照しながら説明する。
【0092】
ステップS1601では、図13に示すチェックボックス1301の状態、すなわち、機能限定モードか機能非限定モードかを調べ、機能非限定モードの場合は、ステップS1602ですべてのテンプレートのアイコンを領域1303に表示する。文書作成者はこの中から任意のテンプレートを選択することができる。
【0093】
一方、機能限定モードの場合には、ステップS1603で「プリンタ名」ドロップダウンリストから選択されているプリンタのプリンタドライバより、図14に示すような機能情報を取得する。そしてステップS1604で、予め設定されているテンプレートの内の1つを取得する。ステップS1605ではすべてのテンプレートを取得したか、すなわちすべてのテンプレートに対してステップS1606以降で行われる表示・非表示の判定処理を終了したか調べ、終了していない場合、すなわち、判定処理が終わっていないテンプレートを取得できた場合にはステップS1606に進む。ステップS1606では、ステップS1603で取得した機能情報を元に、ステップS1604で取得したテンプレートの内容が実現可能か調べ、実現可能な場合はステップS1607にてテンプレートを表示し、実現不可能な場合には、ステップS1608でテンプレートを非表示とする処理を行う。そして、ステップS1605ですべてのテンプレートを取得したと判定された場合、すなわち、ステップS1604で未処理のテンプレートを取得できなかった場合には、テンプレート表示処理を終了する。
【0094】
このようにして、機能限定モードにおいては、選択されたプリンタの能力では実現不可能なテンプレートを非表示にし、そのテンプレートを選択できないようにすることが可能である。
【0095】
なお、用紙の向き設定が、仮に任意のプリンタで設定可能であれば、そのような設定はテンプレートに含まれていても機能情報を用いて判定する必要はない。また、ページレイアウトの設定が、仮にプリンタの機能に非依存な設定であれば、そのような設定も機能情報を用いて判定する必要はない。そのような前提では、例えば図15に示すテンプレート1の場合、以下の条件を備えたプリンタで実現可能と判断する。
【0096】
・プリンタドライバから、両面印刷、出力用紙サイズ、ステイプル、Z折りのすべての機能情報が取得できること
・ 出力用紙サイズに設定可能な選択肢の取得で、「Letter」が含まれていること
これらの条件を満たすテンプレートのみを「体裁テンプレート」の領域1303に表示することにより、チェックボックス1301がオンの場合にも、表示されている任意のテンプレートを選択することで、「プリンタ名」ドロップダウンリストで選択されているプリンタで実現可能な設定を指定することが可能となる。
【0097】
図17は、アプリケーション104の「文書の詳細設定」ウインドウを示している。このウインドウは、図10のアプリケーション操作画面にある編集メニューの「文書の詳細設定」メニューなどから起動される。「文書の詳細設定」ウインドウは、文書全体に影響する属性の設定を行うためのウインドウである。このウインドウは、ページ設定、仕上げ、編集、給紙の4つのシートから構成されており、図17は仕上げシートを表示した状態を示している。
【0098】
図18は、アプリケーション104が扱う文書ファイルのデータ構造を示している。
【0099】
フィールド1801の選択プリンタ情報には、図13の「新規作成」ダイアログの「プリンタ名」で選択したプリンタを識別する情報を格納する。なお、後述するように、「プリンタの選択」ダイアログまたは「印刷」ダイアログで選択プリンタ情報を変更することが可能である。
【0100】
フィールド1802の機能限定モード情報には、「新規作成」ダイアログのチェックボックス1301で指定された機能限定モードあるいは機能非限定モードを示す情報を格納する。
【0101】
フィールド1803の文書の構造情報は、図10に示したアプリケーション操作画面のツリービュー1101に表示する文書の構造に関する情報を記録する。フィールド1804の文書の詳細設定情報には、図17に示した「文書の詳細設定」ウインドウで設定される情報を記録する。フィールド1805の章の詳細設定情報、フィールド1806のページの詳細設定情報は、章ごと、あるいはページごとに設定可能な詳細設定情報を記録するための領域であるが、ここでは説明は省略する。フィールド1807の原稿情報には、各原稿ページの描画情報が記録されており、図10の右側領域1102のプレビュー表示に使用する情報がページ単位で保存されている。文書ファイルには、その他文書ごとに必要な情報が含まれているが、ここでは説明を省略する。
【0102】
図19は、図18のフィールド1804に示された文書の詳細設定情報をさらに詳細に図示したものである。フィールド1901には文書のページ設定情報、フィールド1902には文書の仕上げ情報、フィールド1903には文書の編集情報、フィールド1904には文書の給紙情報がそれぞれ格納されており、これらの情報は、図17に示した文書の詳細設定ウインドウのページ設定、仕上げ、編集、給紙の各シートで設定した内容と一致している。
【0103】
図20は、図19のフィールド1902に示された文書の仕上げ情報をさらに詳細に図示したものである。フィールド2001には印刷方法、フィールド2002にはとじ方向、フィールド2003にはとじ幅、フィールド2004には原稿の調整、フィールド2005にはステイプルの指定、フィールド2006にはステイプルの位置、フィールド2007にはパンチ穴、フィールド2008にはZ折りの有無、フィールド2009には章の区切り、フィールド2010にはその他の設定値がそれぞれ格納されており、これらの情報は、図17に示した文書の詳細設定ウインドウの仕上げシートで設定した内容と一致している。なお、フィールド2010には、例えば印刷方法2001で製本印刷を指定した場合に必要となる不図示の設定(中綴じ、中央綴じ代など、製本印刷時のみ有効な設定)などが含まれるが、ここでは説明を省略する。
【0104】
図21に、図17の「文書の詳細設定」ウインドウの表示処理のフローチャートを示す。
【0105】
ステップS2101では、図18のフィールド1802の機能限定モード情報が機能限定モードであるか判定し、機能非限定モードと判定された場合には、ステップS2102でアプリケーション104が制御可能なすべてのプリンタ制御項目を編集可能な状態で「文書の詳細設定」ウインドウを表示する。例えば、フィールド1801の選択プリンタ情報で示されるプリンタ(図13の「プリンタ名」で選択されているプリンタ)が図14(b)の低機能機の機能しか制御可能でない場合、すなわち両面印刷が制御できないプリンタであっても、「文書の詳細設定」ウインドウの仕上げシートの「印刷方法」を、片面印刷だけでなく、両面印刷、製本印刷も選択可能な状態で表示する。同様に、ステイプル、パンチ、Z折りなどを制御できないプリンタであっても、設定可能な状態で「文書の詳細設定」ウインドウを表示する。
一方、ステップS2101で機能限定モードと判定された場合には、フィールド1801の選択プリンタ情報で示されるプリンタの機能情報を、当該プリンタのプリンタドライバからステップS2103で取得する。そしてステップS2104でアプリケーション104が予め有する設定項目の内、1つを取得する。ステップS2105ではすべての設定項目を取得したか、すなわちすべての設定項目に対してステップS2106以降で行われる表示・非表示の判定処理を終了したか調べ、終了していない場合、すなわち、判定処理が済んでいない設定項目を1つ取得できた場合にはステップS2106に進む。ステップS2106においてステップS2103で取得した機能情報を元に、ステップS2104で取得した設定項目がそのプリンタで制御可能か調べ、制御可能な場合はステップS2107にてその設定項目を表示し、制御不可能な場合には、ステップS2108で制御項目を非表示とする処理を行う。そして、ステップS2105ですべての設定項目を取得したと判定された場合、すなわち、ステップS2104で未処理の設定項目を取得できなかった場合には、「文書の詳細設定」ウインドウ表示処理を終了する。
【0106】
なお、任意のプリンタで設定可能な設定項目は、機能情報を用いて判定する必要はない。また、プリンタの機能に非依存な設定項目であれば、そのような設定項目も機能情報を用いて判定する必要はない。そのような前提では、「文書の詳細設定」ウインドウのページ設定シートは図14(b)に示す機能を持つ低機能なプリンタに対しても図22に示すように特に制限なく表示される。一方、仕上げシートは図23に示すように、印刷方法は片面印刷のみ選択可能、ステイプル、パンチ、Z折りなどは指定不可の状態で表示されることになる。
【0107】
このように、プリンタで制御可能な設定項目のみ表示し、制御不可能な設定項目を非表示にすることにより、機能限定モードの場合にも、表示されている任意の設定項目を設定することで、選択されているプリンタで実現可能な設定のみを指定することが可能となる。
【0108】
図24は、アプリケーション104の「プリンタの選択」ウインドウを示している。このウインドウは、図10のアプリケーション操作画面にあるファイルメニューの「プリンタの選択」メニューなどから起動される。「プリンタの選択」ウインドウは、「新規作成」ウインドウで文書作成時に指定した出力先プリンタ、および機能限定モードの設定を変更するためのウインドウである。「プリンタ名」ドロップダウンリストには、現在選択しているプリンタが指定されており、変更可能になっている。「選択されている機種の機能に合わせて印刷体裁を制限する」チェックボックス2401で、機能限定モード、機能非限定モードを指定するのも、「新規作成」ダイアログと同様である。チェックボックス2401が指定されていない場合には、選択されているプリンタには無い機能、すなわち、文書作成時には使用されるが、選択されているプリンタでは使用できない機能を領域2402に表示する。
【0109】
図25に、「プリンタの選択」ウインドウの領域2402の使用できない機能一覧の表示処理フローを示す。
【0110】
ステップS2501では、図18のフィールド1802の機能限定モード情報が機能限定モードであるか判定し、機能限定モードと判定された場合には、ステップS2502で「使用できない機能一覧」には何も表示しない処理を行う。機能限定モードで編集している場合、「文書の詳細設定」ウインドウの表示処理で説明した通り、選択しているプリンタで制御できない機能を設定することはできないように制御しているためである。
【0111】
一方、ステップS2501で機能非限定モードと判定された場合には、フィールド1801の選択プリンタ情報で示されるプリンタの機能情報を当該プリンタのプリンタドライバからステップS2503で取得する。そしてステップS2504でアプリケーション104が予め有する設定項目の内、1つを取得する。ステップS2505ではすべての設定項目を取得したか、すなわちすべての設定項目に対してステップS2506以降で行われる表示・非表示の判定処理を終了したか調べ、終了していない場合、すなわち、未処理の設定項目を取得できた場合にはステップS2506に進む。ステップS2506ではステップS2503で取得した機能情報を元に、ステップS2504で取得した設定項目がそのプリンタで制御可能か調べ、制御不可能な場合はステップS2507にてその設定項目を表示し、制御可能な場合には、ステップS2508で制御項目を非表示とする処理を行う。そして、ステップS2505ですべての設定項目を取得したと判定された場合、すなわち、ステップS2504で未処理の設定項目を取得できなかった場合には、「使用できない機能一覧」ウインドウの表示処理を終了する。
【0112】
なお、任意のプリンタで設定可能な設定項目は、機能情報を用いて判定する必要はない。また、プリンタの機能に非依存な設定項目であれば、そのような設定項目も機能情報を用いて判定する必要はない。そのような設定項目は、「使用できない機能一覧」には常に表示されないことになる。
【0113】
このようにして、チェックボックス2401がチェックされている場合には、現在の機能指示のうち、選択したプリンタで実現できない機能を「使用できない機能一覧」の領域に表示することが可能となる。
【0114】
図26に図24のチェックボックス2401をオフからオンへ変更した場合の処理を示す。
【0115】
このチェックボックス2401がチェックされると、ステップS2601で「使用できない機能一覧」の内容を参照し、何も表示されていない場合には、ステップS2606で図18のフィールド1802の機能限定モード情報を機能非限定モードから機能限定モードへ変更し、処理を終了する。
【0116】
「使用できない機能一覧」の領域2402に何らかの使用できない機能が表示されている場合には、ステップS2602で「プリンタ情報」ダイアログを表示する。図27に「プリンタ情報」ダイアログの例を示す。
【0117】
ステップS2603では、「使用できない機能一覧」に表示していた設定項目を無効にした場合の変更内容を「プリンタ情報」ダイアログに表示し、ステップS2604で変更するかどうかの選択を行わせる。「OK」すなわち変更すると選択された場合には、ステップS2605で設定項目の変更を行い、ステップS2606で機能限定モードへ変更し、処理を終了する。「キャンセル」すなわち変更しないが選択された場合には、機能非限定モードのまま処理を終了する。
【0118】
このようにして、文書の編集中に、機能限定モード、機能非限定モードの切り替えを行うことが可能であり、切り替えるには設定項目の変更が必要な場合には、その内容を事前に指示作成者に通知することが可能となる。
【0119】
図28は、図24に示す「プリンタ名」ドロップダウンリストでプリンタを変更する場合の処理を示すフローチャートである。
【0120】
ステップS2801では、機能限定モード情報を調べ、機能限定モードの場合には、ステップS2802で機能非限定モードに変更する。これにより、現在の設定項目が変更後のプリンタで制御不可能であっても、その設定内容が無効にならないように編集内容を保つことが可能となる。ステップS2503以降の処理は、図25で説明した「プリンタの選択」ウインドウの「使用できない機能一覧」の表示処理フローと同一の処理で表示することが可能であるので、同じ処理には同じステップ番号を付し、ここでは説明を省略する。
【0121】
図29に「テンプレートの選択」ダイアログを示す。このダイアログは、図10のアプリケーション操作画面にある印刷形式メニューの「テンプレートの選択」メニューなどから起動される。
【0122】
このダイアログでは、編集中の文書に対して、テンプレートを変更して指定することが可能である。テンプレート一覧に表示するテンプレートは、図16で示した「新規作成」ダイアログのテンプレート表示処理フローと同様の処理により、機能限定モード、非限定モード共に、編集中の文書に適用可能なテンプレートのみ表示することが可能である。
【0123】
図30に「印刷」ダイアログを示す。
【0124】
このダイアログは、図10のアプリケーション操作画面にあるファイルメニューの「印刷」メニューなどから起動される。
【0125】
このダイアログでは、出力先のプリンタの指定、機能限定モード、非限定モードの切り替え、非限定モードでの使用できない機能一覧の表示がなされるが、処理フローは「プリンタの選択」ダイアログにおける処理フローと同一であるので、ここでは説明を省略する。このダイアログにより、特定の印刷装置に対して作成した指示を他の印刷装置に出力することが可能である。
【0126】
図30の「印刷」ダイアログで「OK」ボタンが押されると、図18に示される文書ファイルのデータ内容に基づき、選択されたプリンタに設定された各種設定を指示し、原稿情報1807に基づいて描画命令を発行することにより、所望の印刷結果を得ることができる。
【0127】
なお、上記のフローチャートの説明において、「非表示」の処理を行う場合、「表示」と判断された項目と見分けが付くようにしていれば良く、必ずしも表示を行わないとは限らない。例えば、各ダイアログウインドウを示す図にあるように「表示」と判断された項目を濃く、「非表示」と判断された項目を薄く表示したり、異なる色を用いて表示するなど、様々な表示方法が考えられる。もちろん、「非表示」と判断された項目の全部又は一部を表示しないように制御することも可能である。
【0128】
なお、本発明は、複数の機器から構成されるシステムに適用しても、一つの機器からなる装置に適用してもよい。
【0129】
以上説明したように本実施の形態によれば、特定の印刷装置に対して作成した指示を他の印刷装置に出力することができる。また、最終的に出力する印刷装置の情報が無い環境で、任意の装置で出力するための指示の作成が可能となる。
【0130】
さらに、特定の印刷装置に対して作成した指示を、他の印刷装置で印刷出力する時に使用する、あるいは最終的に出力する印刷装置の情報が無い環境で、任意の印刷装置で出力するための指示を作成する場合には、実現できない指示を予めs指示作成者に通知することができる。
【0131】
また、複数の指示の組み合わせを定義したテンプレートを指定して、一括して指示を行う方法を提供する場合に、出力先の印刷装置で実現できる指示で構成されるテンプレートから選択させることができる。或いは、指定したテンプレートに含まれる指示の内、実現できない指示を事前に指示作成者に通知することができる。
【0132】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、特定の印刷装置の機能に合わせて文書の各種設定を行う場合に、適切な設定を確実に行うことができ、更に、印刷装置を特定しないで文書の各種設定を行う場合には、印刷装置の機能に制限されずに文書に各種設定を行うことができるため、利用者の望む環境に合わせて、適切に文書に各種設定を行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】スタンドアロン型の文書処理システムのブロック図である。
【図2】文書処理システムを実現するコンピュータのブロック図である。
【図3】ブックファイルの構造の一例を示す図である。
【図4】ブック属性の一覧を示す図である。
【図5】章属性の一覧を示す図である。
【図6】ページ属性の一覧を示す図である。
【図7】ブックファイルを開く手順のフローチャートである。
【図8】電子原稿ファイルをブックファイルにインポートする手順のフローチャートである。
【図9】アプリケーションデータを電子原稿ファイルに変換する手順のフローチャートである。
【図10】既存のブックファイルを開いた際のユーザインターフェース画面の一例を示す図である。
【図11】新規のブックファイルを開いた際のユーザインターフェース画面の一例を示す図である。
【図12】クライアントサーバ型の文書処理システムのブロック図である。
【図13】本発明の実施の形態における「新規作成」ダイアログの一例を示す図である。
【図14】本発明の実施の形態における製本アプリケーションがプリンタドライバから取得する機能情報の例を示す図である。
【図15】本発明の実施の形態におけるテンプレートの内容例を説明する図である。
【図16】本発明の実施の形態におけるテンプレート表示処理を示すフローチャートである。
【図17】本発明の実施の形態における「文書の詳細設定」ウインドウを示す図である。
【図18】本発明の実施の形態における文書ファイルのデータ構造を示す図である。
【図19】本発明の実施の形態における図18のフィールド1804に示された文書の詳細設定情報をさらに詳細に示す図である。
【図20】本発明の実施の形態における図19のフィールド1902に示された文書の仕上げ情報をさらに詳細に示す図である。
【図21】本発明の実施の形態における図17の「文書の詳細設定」ウインドウの表示処理を示すフローチャートである。
【図22】本発明の実施の形態における機能限定モードでの「ページ設定シート」の表示を示す図である。
【図23】本発明の実施の形態における機能限定モードでの「仕上げシート」の表示を示す図である。
【図24】本発明の実施の形態における「プリンタの選択」ウインドウを示す図である。
【図25】本発明の実施の形態における「プリンタの選択」ウインドウの「使用できない機能一覧」の表示処理を示すフローチャートである。
【図26】本発明の実施の形態における機能非限定モードから機能限定モードへ変更する場合の処理を示すフローチャートである。
【図27】本発明の実施の形態における「プリンタ情報」ダイアログを示す図である。
【図28】本発明の実施の形態におけるプリンタを変更した場合の処理を示すフローチャートである。
【図29】本発明の実施の形態における「テンプレートの選択」ダイアログを示す図である。
【図30】本発明の実施の形態における「印刷」ダイアログを示す図である。
【符号の説明】
100 コンピュータ
201 CPU
202 RAM
203 ROM
204 システムバス
205 キーボードコントローラ
206 CRTコントローラ
207 ディスクコントローラ
208 プリンタコントローラ
209 キーボード
210 CRTディスプレイ
211 ハードディスク
212 ネットワークコントローラ
Claims (21)
- 印刷すべき文書の各種設定を行うための情報処理方法であって、
使用する印刷装置を指定する指定工程と、
前記指定工程で指定された印刷装置の機能に制限せずに、前記文書に対する印刷設定項目を設定すべく、任意の印刷設定項目を選択項目として有効にする第1の設定表示モードと、前記任意の印刷設定項目の内、前記指定工程で指定された印刷装置で使用可能な印刷設定項目を選択項目として有効にする第2の設定表示モードの内のいずれかの設定表示モードを設定するモード設定工程と、
前記モード設定工程で前記第1の設定表示モードが設定された場合には、前記指定される印刷装置の機能に制限せずに、前記任意の印刷設定項目を選択項目として有効にした印刷設定画面を表示し、前記モード設定工程で前記第2の設定表示モードが設定された場合には、前記指定工程で指定された印刷装置で使用可能な印刷設定項目を選択項目として有効にし、前記印刷装置で使用不可能な印刷設定項目を選択項目として無効にした印刷設定画面を表示する設定画面表示工程と、
を有することを特徴とする情報処理方法。 - 前記モード設定工程で前記第1の設定表示モードに設定されており、前記指定工程で使用する印刷装置が指定されている場合に、前記任意の印刷設定項目の内、前記モード設定工程で前記第2の設定表示モードが設定された場合に当該指定された印刷装置で使用できなくなる印刷設定項目を判断する判断工程と、
前記モード設定工程で前記第2の設定表示モードが選択された場合に前記指定された印刷装置で使用できなくなる印刷設定項目を、使用できない機能一覧として表示する使用不可能機能一覧表示工程とを更に有し、
前記モード設定工程で前記第2の設定表示モードが設定されている場合には、前記使用できない機能一覧の表示は行わないことを特徴とする請求項1に記載の情報処理方法。 - 前記モード設定工程で前記第1の設定表示モードから前記第2の設定表示モードに切り換えられた場合に、前記任意の印刷設定項目の内、前記指定工程で指定された印刷装置で使用できない印刷設定項目を判断する判断工程と、
前記判断工程により前記指定された印刷装置が使用できないと判断された当該印刷設定項目を、使用できない機能一覧として表示する使用不可能機能一覧表示工程と
を更に有することを特徴とする請求項1に記載の情報処理方法。 - 前記指定工程で使用する印刷装置が変更された場合に、前記任意の印刷設定項目の内、変更後の印刷装置で使用できない印刷設定項目を判断する判断工程と、
変更後の印刷装置で使用できないと判断された当該印刷設定項目を、使用できない機能一覧として表示する使用不可機能一覧表示工程と
を更に有することを特徴とする請求項1に記載の情報処理方法。 - 印刷すべき文書の各種設定を行うための情報処理方法であって、
使用する印刷装置を指定する指定工程と、
前記指定工程で指定された印刷装置の機能に制限せずに、前記文書に対する印刷設定項目を設定すべく、任意の印刷設定項目を選択項目として有効にする第1の設定表示モードと、前記任意の印刷設定項目の内、前記指定工程で指定された印刷装置で使用可能な印刷設定項目を選択項目として有効にする第2の設定表示モードの内のいずれかの設定表示モードを設定するモード設定工程と、
前記印刷設定項目を異なる状態に設定した複数の設定組み合わせを保持手段に保持しておき、
前記指定工程で指定された印刷装置及び/又は前記モード設定工程で設定されたモードに基づいて、前記複数の設定組み合わせの内、選択可能な設定組み合わせを判断する組み合わせ判断工程と、
前記組み合わせ判断工程により判断された選択可能な設定組み合わせを選択可能に、且つ、選択できない設定組み合わせを選択できないように、前記設定組み合わせを選択するための設定組み合わせ選択画面を表示する表示工程と
を有することを特徴とする情報処理方法。 - 前記判断工程は、前記モード設定工程で前記第2の設定表示モードに設定されており、前記指定工程で使用する印刷装置が指定されている場合に、前記複数の設定組み合わせの内、前記モード設定工程で前記第2の設定表示モードが設定された場合に前記指定工程で指定された印刷装置で使用できない印刷設定項目を含まない設定組み合わせを判断し、
前記表示工程は、前記判断工程で前記指定された印刷装置で使用できない印刷設定項目を含まないと判断された設定組み合わせを表示し、
前記モード設定工程で前記第1の設定表示モードが設定されている場合には、前記判断工程による前記指定された印刷装置で使用できない印刷設定項目を含まない設定組み合わせの判断は行わないことを特徴とする請求項5に記載の情報処理方法。 - 前記判断工程は、前記モード設定工程で前記第1の設定表示モードから前記第2の設定表示モードに切り換えられた場合に、前記複数の設定組み合わせの内、前記指定工程で指定された印刷装置で使用できない印刷設定項目を含まない設定組み合わせを判断し、
前記表示工程は、前記判断工程で前記印刷装置で使用できないと判断された当該設定組み合わせを非表示にし、印刷装置で使用できると判断された当該設定組み合わせを表示することを特徴とする請求項5又は6に記載の情報処理方法。 - 前記判断工程は、前記指定工程で使用する印刷装置が変更された場合に、前記複数の設定組み合わせの内、変更後の印刷装置で使用できない印刷設定項目を含まない設定組み合わせを判断し、
前記表示工程は、変更後の印刷装置で使用できないと判断された当該設定組み合わせを非表示にし、印刷装置が制御できると判断された当該設定組み合わせを表示することを特徴とする請求項5乃至7のいずれかに記載の情報処理方法。 - 前記判断工程で選択された印刷設定項目に設定された内容に基づいて文書を編集可能に制御する制御工程を更に有することを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載の情報処理方法。
- 印刷すべき文書の各種設定を行う情報処理装置であって、
使用する印刷装置を指定する指定手段と、
前記指定手段により指定された印刷装置の機能に制限せずに、前記文書に対する印刷設定項目を設定すべく、任意の印刷設定項目を選択項目として有効にする第1の設定表示モードと、前記任意の印刷設定項目の内、前記指定手段により指定された印刷装置で使用可能な印刷設定項目を選択項目として有効にする第2の設定表示モードの内のいずれかの設定表示モードを設定するモード設定手段と、
前記モード設定手段により前記第1の設定表示モードが設定された場合には、前記指定される印刷装置の機能に制限せずに、前記任意の印刷設定項目を選択項目として有効にした印刷設定画面を表示し、前記モード設定手段により前記第2の設定表示モードが設定された場合には、前記指定手段により指定された印刷装置で使用可能な印刷設定項目を選択項目として有効にし、前記印刷装置で使用不可能な印刷設定項目を選択項目として無効にした印刷設定画面を表示する設定画面表示手段と
を有することを特徴とする情報処理装置。 - 前記モード設定手段により前記第1の設定表示モードに設定されており、前記指定手段により使用する印刷装置が指定されている場合に、前記任意の印刷設定項目の内、前記モード設定手段により前記第2の設定表示モードが設定された場合に当該指定された印刷装置で使用できなくなる印刷設定項目を判断する判断手段と、
前記モード設定手段により前記第2の設定表示モードが選択された場合に前記指定された印刷装置で使用できなくなる印刷設定項目を、使用できない機能一覧として表示する使用不可能機能一覧表示手段とを更に有し、
前記モード設定手段により前記第2の設定表示モードが設定されている場合には、前記使用できない機能一覧の表示は行わないことを特徴とする請求項10に記載の情報処理装置。 - 前記モード設定手段により前記第1の設定表示モードから前記第2の設定表示モードに切り換えられた場合に、前記任意の印刷設定項目の内、前記指定手段により指定された印刷装置で使用できない印刷設定項目を判断する判断手段と、
前記判断手段により前記指定された印刷装置が使用できないと判断された当該印刷設定項目を、使用できない機能一覧として表示する使用不可能機能一覧表示手段と
を更に有することを特徴とする請求項10に記載の情報処理装置。 - 前記指定手段により、使用する印刷装置が変更された場合に、前記任意の印刷設定項目の内、変更後の印刷装置で使用できない印刷設定項目を判断する判断手段と、
前記変更後の印刷装置で使用できないと判断された当該印刷設定項目を、使用できない機能一覧として表示する使用不可機能一覧表示手段と
を更に有することを特徴とする請求項10に記載の情報処理装置。 - 印刷すべき文書の各種設定を行う情報処理装置であって、
使用する印刷装置を指定する指定手段と、
前記指定手段により指定された印刷装置の機能に制限せずに、前記文書に対する印刷設定項目を設定すべく、任意の印刷設定項目を選択項目として有効にする第1の設定表示モードと、前記任意の印刷設定項目の内、前記指定手段により指定された印刷装置で使用可能な印刷設定項目を選択項目として有効にする第2の設定表示モードの内のいずれかの設定表示モードを設定するモード設定手段と、
前記印刷設定項目を異なる状態に設定した複数の設定組み合わせを保持する保持手段と、
前記指定手段により指定された印刷装置及び/又は前記モード設定手段により設定されたモードに基づいて、前記複数の設定組み合わせの内、選択可能な設定組み合わせを判断する組み合わせ判断手段と、
前記組み合わせ判断手段により判断された選択可能な設定組み合わせを選択可能に、且つ、選択できない設定組み合わせを選択できないように、前記設定組み合わせを選択するための設定組み合わせ選択画面を表示する表示手段と
を有することを特徴とする情報処理装置。 - 前記判断手段は、前記モード設定手段により前記第2の設定表示モードに設定されており、前記指定手段により使用する印刷装置が指定されている場合に、前記複数の設定組み合わせの内、前記モード設定手段により前記第2の設定表示モードが設定された場合に前記指定手段により指定された印刷装置で使用できない印刷設定項目を含まない設定組み合わせを判断し、
前記表示手段は、前記判断手段により前記指定された印刷装置で使用できない印刷設定項目を含まないと判断された設定組み合わせを表示し、
前記モード設定手段によりで前記第1の設定表示モードが設定されている場合には、前記判断手段による前記指定された印刷装置で使用できない印刷設定項目を含まない設定組 み合わせの判断は行わないことを特徴とする請求項14に記載の情報処理装置。 - 前記判断手段は、前記モード設定手段により前記第1の設定表示モードから前記第2の設定表示モードに切り換えられた場合に、前記複数の設定組み合わせの内、前記指定手段により指定された印刷装置で使用できない印刷設定項目を含まない設定組み合わせを判断し、
前記表示手段は、前記判断手段により前記印刷装置で使用できないと判断された当該設定組み合わせを非表示にし、印刷装置で使用できると判断された当該設定組み合わせを表示することを特徴とする請求項14又は15に記載の情報処理装置。 - 前記判断手段は、前記指定手段により、使用する印刷装置が変更された場合に、前記複数の設定組み合わせの内、変更後の印刷装置で使用できない印刷設定項目を含まない設定組み合わせを判断し、
前記表示手段は、変更後の印刷装置で使用できないと判断された当該設定組み合わせを非表示にし、印刷装置が制御できると判断された当該設定組み合わせを表示することを特徴とする請求項14乃至16のいずれかに記載の情報処理装置。 - 前記判断手段により選択された印刷設定項目に設定された内容に基づいて文書を編集可能に制御する制御手段を更に有することを特徴とする請求項10乃至17のいずれかに記載の情報処理装置。
- 請求項1乃至9のいずれかに記載の情報処理方法を実現するためのプログラムコードを有する情報処理装置が実行可能なプログラム。
- 情報処理装置が実行可能なプログラムであって、前記プログラムを実行した情報処理装置を、請求項10乃至18のいずれかに記載の情報処理装置として機能させることを特徴とするプログラム。
- 請求項19又は20に記載のプログラムを記憶した記憶媒体。
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