JP3896058B2 - 電池用活物質およびその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は電池用活物質およびその製造方法に関し、さらに詳しくは容量特性、寿命、放電電位、電力量特性などの電気化学的特性および熱的安定性が向上した電池用活物質およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
最近、携帯用電子機器の小型化および軽量化傾向と関連して、これらの機器の電源として用いられる電池の高性能化および大容量化に対する必要性が高まっている。また、安全性に優れていて経済性にも優れた電池についても集中的に研究されている。
【0003】
一般に電池は使い捨てとして使用する1次電池と再充電して使用する2次電池に分けられる。前記1次電池としてはマンガン電池、アルカリ電池、水銀電池、酸化銀電池などがあり、2次電池としては鉛蓄電池、Ni−MH(ニッケル金属ハイドライド)電池、密閉形ニッケル−カドミウム電池、リチウム金属電池、リチウムイオン電池、リチウムポリマー電池、リチウム−硫黄電池などがある。
【0004】
このような電池は正極と負極に電気化学反応が可能な物質を使用することによって電力を発生させる。電池の容量、寿命、電力量のような電池の性能および安全性と信頼性を左右する要素は、正極と負極の電気化学反応に参加する活物質の電気化学的特性と熱的安定性である。従って、このような正極や負極活物質の電気化学的特性と熱的安定性を改善しようという研究が継続して進められている。
【0005】
現在用いられている電池活物質の中でリチウムは単位質量当り電気容量が大きく、電気陰性度が大きく、電圧の高い電池を提供することができる。しかし、リチウム金属自体では安全性を確保するのに問題があり、リチウム金属またはリチウムイオンの挿入(intercalation)、脱離(deintercalation)が可能な物質を電池の活物質として用いる電池が活発に研究されている。
【0006】
このような電池のうち代表的な例としては、リチウムイオンが正極および負極で挿入/脱離される際の酸化、還元反応によって電気エネルギーを生成するリチウム二次電池がある。リチウム二次電池はリチウムイオンの可逆的な挿入/脱離可能な物質を正極と負極の活物質として使用し、前記正極と負極の間に有機電解液またはポリマー電解液を充填して製造する。
【0007】
リチウム二次電池の負極活物質としてはリチウム金属が使用されうるが、リチウム金属を使用する場合、デンドライトの形成による電池短絡によって爆発する危険性がある。そこで、リチウム金属の代わりに非晶質炭素または結晶質炭素などの炭素系物質に代替されている。特に、最近では炭素系物質の容量を増加させるために炭素系物質にホウ素を添加して、ホウ素コーティングされたグラファイトを製造している。
【0008】
正極活物質としてはLiCoO2、LiMn2O4、LiNiO2、LiNi1-xCoxO2(0<x<1)、LiMnO2などの複合金属酸化物またはカルコゲナイド(chalcogenide)化合物が研究されている。前記正極活物質のうちLiMn2O4、LiMnO2などのMn系正極活物質は合成も容易で、値段が比較的に安く、環境に対する汚染のおそれも少ないので魅力のある物質ではあるが、容量が少ないという短所を持っている。LiCoO2は良好な電気伝導度と高い電池電圧、そして優れた電極特性を示し、現在Sony社等で商用化され市販されている代表的な正極活物質であるが、値段が高いという短所がある。LiNiO2は前記に言及した正極活物質のうち最も値段が安く、最も高い放電容量を示しているが、合成するのが難しいという短所を持っている。
【0009】
リチウム二次電池の正極活物質として全世界に流通している電池の95%以上が高価なLiCoO2を使用しており、このようなLiCoO2を代替しようとする努力が多く進められている。LiCoO2粉末を正極素材として用いるリチウム二次電池は寿命特性が比較的に優れていて、放電平坦性が優れてはいるが、持続的な性能改善を通じた寿命増大と電力特性の向上要求など持続的な性能改善に対する要求があって、多くの研究が進められている。
【0010】
このような正極素材であるLiCoO2の改善方法の一つとしてCoの一部を金属酸化物に置換する研究が進められてきた。Sony社はAl2O3を約1〜5質量%ドーピングして、Coの一部をAlに置換したLiCo1-xAlxO2粉末を開発して量産に適用しており、A&TB(Asahi&Thosiba Battery Co.)はSnO2をドーピングしてCoの一部をSnに置換した正極活物質を開発した。
【0011】
また、LiCoO2の性能を改善した活物質としてLixMO2(MはCo、NiおよびMnのうち一つ以上の元素であり、xは0.5〜1である)が挙げられる(例えば、特許文献1参照)。また、酸化ホウ素、ホウ酸、水酸化リチウム、酸化アルミニウム、アルミン酸リチウム、メタホウ酸リチウム、二酸化ケイ素、リチウムシリケートまたはこれらの混合物を含む組成物とリチウム層間化合物(lithiated intercalation compound)を混合し、これを400℃以上の温度で焼成して前記リチウム層間化合物表面を酸化物でコーティングする技術がある(例えば、特許文献2参照)。
【0012】
また、リチウム−ニッケル系酸化物をCo、Al、Mnのアルコキシドでコーティングした後、熱処理して製造される正極活物質が開発されており(例えば、特許文献3参照)、Ti、Sn、Bi、Cu、Si、Ga、W、Zr、B、またはMoの金属および/またはこれらの酸化物でコーティングされたリチウム系酸化物が開発されており(例えば、特許文献4参照)、リチウムマンガン酸化物の表面に金属酸化物を共沈法でコーティングした後、熱処理する正極活物質が開発されている(例えば、特許文献5参照)。
【0013】
リチウム二次電池は最近電子機器が小型化および軽量化されることによってますます高容量、長寿命、電力量特性などの電気化学的特性に優れた電池を開発するための研究が進められている。既存の正極極板は図3Aに示すように活物質と導電剤を乾式法で混合した後、これをバインダーを含む溶液に添加して製造されたスラリーを集電体にコーティングした後、圧延して製造される。このような導電剤は表面積が大略2500m2/g以上であって体積が非常に大きいために極板厚さを増加させる原因となる。また、導電剤が添加された量ほど活物質の量が減少するので高容量の電池を製造するのに障害となる。
【0014】
リチウム二次電池の正極活物質とその開発例について前述したが、最近電子機器の小型化および軽量化傾向と関連して電池性能および電池安全性と信頼性を確保できる電池の活物質開発に対する必要性は他の電池でも同様に要請されているのが実情である。また、熱露出、燃焼、過充電状態でも電池システムの安全性と信頼性を確保するために活物質の熱的安全性を向上させようという研究が進められている。従って、高性能、安全性および信頼性を有する電池を提供するために、電気化学的特性と熱的安定性に優れた電池用活物質の開発が加速されている。
【0015】
このような問題を解決するための方法として、導電剤とバインダーの含有量を減らす方法が提案されているが、このような方法は電池の電気化学的特性が全く改善されないという短所がある。
【0016】
【特許文献1】
米国特許第5,292,601号
【特許文献2】
米国特許第5,705,291号
【特許文献3】
特開平9−55210号公報
【特許文献4】
特開平11−16566号公報
【特許文献5】
特開平11−185758号公報
【0017】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上述した問題点を解決するためのものであって、本発明の目的は容量特性、寿命、放電電位、電力量特性など電気化学的特性および熱的安定性に優れた電池用活物質を提供することにある。
【0018】
本発明の他の目的は、生産性が優れていて経済的な電池用活物質の製造方法を提供することにある。
【0019】
本発明の他の目的は高密度の電池用極板を提供することにある。
【0020】
本発明の他の目的は電池性能と安全性が優れている電池を提供することにある。
【0021】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために本発明は、電気化学的酸化/還元が可能な物質、および、前記物質上に形成されてなる、導電剤とリチウムイオン伝導性高分子分散剤との混合物からなるコーティング層を含み、前記コーティング層はリチウム塩を含まないことを特徴とする電池用活物質を提供する。
【0022】
また本発明は、正極、負極、および前記正極と前記負極との間に存在するセパレータを含む電池であって、前記正極および前記負極のうち少なくとも一方は、集電体および前記集電体にコーティングされてなる活物質を含み、前記活物質は導電剤とリチウムイオン伝導性高分子分散剤との混合物からなるコーティング層を有し、前記コーティング層はリチウム塩を含まないことを特徴とする電池を提供する。
【0023】
また本発明は、電気化学的酸化/還元が可能な物質を、導電剤とリチウムイオン伝導性高分子分散剤との混合物でコーティングする段階を含み、前記混合物はリチウム塩を含まないことを特徴とする電池用活物質の製造方法を提供する。
【0024】
前記コーティングする段階は、a)導電剤、リチウムイオン伝導性高分子分散剤、および界面活性剤を溶媒に添加して分散コーティング液を製造する段階;b)前記分散コーティング液に前記電気化学的酸化/還元が可能な物質を添加して前記電気化学的酸化/還元が可能な物質表面に前記導電剤をコーティングする段階;および、c)前記導電剤がコーティングされた前記電気化学的酸化/還元が可能な物質を熱処理する段階を含むことが好ましい。
【0025】
前記コーティングする段階は、a)導電剤およびリチウムイオン伝導性高分子分散剤を溶媒に添加して分散コーティング液を製造する段階;b)界面活性剤含有懸濁液に前記電気化学的酸化/還元が可能な物質を添加して混合する段階;c)前記段階a)で製造された分散コーティング液と前記段階b)で製造された懸濁液とを混合して前記電気化学的酸化/還元が可能な物質表面に前記導電剤をコーティングする段階;および、d)表面に前記導電剤がコーティングされた前記電気化学的酸化/還元が可能な物質を熱処理する段階を含んでいてもよい。
【0026】
前記コーティングする段階は、a)導電剤およびリチウムイオン伝導性高分子分散剤を溶媒に添加して導電剤とリチウムイオン伝導性高分子分散剤とを含む分散コーティング液を製造する段階;b)前記分散コーティング液に前記電気化学的酸化/還元が可能な物質を添加して前記電気化学的酸化/還元が可能な物質表面に前記導電剤と前記リチウムイオン伝導性高分子分散剤とをコーティングする段階;および、c)前記導電剤と前記リチウムイオン伝導性高分子分散剤とがコーティングされた前記電気化学的酸化/還元が可能な物質を乾燥する段階を含んでいてもよい。
【0027】
本発明はまた前記電池用活物質を含む高密度極板を提供する。
【0028】
本発明はまた正極を製造する段階;負極を製造する段階;および、前記正極と前記負極との間にセパレータが位置するようにして電解液を含浸させる段階を含む、電池の製造方法であって、前記正極と負極のうち少なくとも一方は、導電剤とリチウムイオン伝導性高分子分散剤との混合物がコーティングされた活物質を含み、前記混合物はリチウム塩を含まないことを特徴とする、電池の製造方法を提供する。
【0029】
本発明はまたa)バインダーを溶媒に添加してバインダー溶液を製造する段階;b)本発明の電池用活物質を前記バインダー溶液に添加してスラリーを製造する段階;およびc)前記スラリーを極板製造用集電体にコーティングする段階を含む高密度極板の製造方法を提供する。
【0030】
本発明はまたa)導電剤、リチウムイオン伝導性高分子分散剤およびバインダーを溶媒に添加してコーティング液を製造する段階;b)前記コーティング液に活物質を添加してスラリーを製造する段階;およびc)前記スラリーを極板製造用集電体にコーティングする段階を含む高密度極板の製造方法を提供する。
本発明はまた電気化学的酸化/還元が可能な物質、および、前記物質上に形成されてなる、導電剤からなるコーティング層、を含み、MPO4、MSO4、およびMWO4(ここでMは第13族元素である)からなる群より選択される化合物からなる第2コーティング層を、前記コーティング層下にさらに含む電池用活物質を提供する。
本発明はまた電気化学的酸化/還元が可能な物質を、導電剤でコーティングする段階を含み、前記コーティングする段階は、a)導電剤、リチウムイオン伝導性高分子分散剤、および界面活性剤を溶媒に添加して分散コーティング液を製造する段階;b)前記分散コーティング液に前記電気化学的酸化/還元が可能な物質を添加して前記電気化学的酸化/還元が可能な物質表面に前記導電剤をコーティングする段階;および、c)前記導電剤がコーティングされた前記電気化学的酸化/還元が可能な物質を熱処理する段階、を含む電池用活物質を提供する。
本発明はまた電気化学的酸化/還元が可能な物質を、導電剤でコーティングする段階を含み、前記コーティングする段階は、a)導電剤およびリチウムイオン伝導性高分子分散剤を溶媒に添加して分散コーティング液を製造する段階;b)界面活性剤含有懸濁液に前記電気化学的酸化/還元が可能な物質を添加して混合する段階;c)前記段階a)で製造された分散コーティング液と前記段階b)で製造された懸濁液とを混合して前記電気化学的酸化/還元が可能な物質表面に前記導電剤をコーティングする段階;および、d)表面に前記導電剤がコーティングされた前記電気化学的酸化/還元が可能な物質を熱処理する段階、を含む電池用活物質を提供する。
本発明はまた電気化学的酸化/還元が可能な物質を、導電剤でコーティングする段階を含み、前記コーティングする段階は、a)導電剤およびリチウムイオン伝導性高分子分散剤を溶媒に添加して分散コーティング液を製造する段階;b)ゼラチンを溶媒に添加した後、酸を添加してpHを3〜4に調節する段階;c)前記電気化学的酸化/還元が可能な物質表面にコーティングされていない余分のゼラチンを除去しpHを5〜8に調節する段階;d)前記段階a)で製造された分散コーティング液と前記段階c)で製造された液とを混合して前記電気化学的酸化/還元が可能な物質表面に前記導電剤をコーティングする段階;および、e)前記導電剤がコーティングされた前記電気化学的酸化/還元が可能な物質を熱処理してゼラチンを除去する段階;を含む電池用活物質の製造方法。
【0031】
【発明の実施の形態】
以下、本発明をさらに詳細に説明する。
【0032】
本発明は既存の極板製造用スラリーに添加される導電剤が直接活物質表面にコーティングされた新たな電池用活物質を提供する。つまり、本発明の電池用活物質は表面に導電剤または導電剤と伝導性高分子分散剤を含むコーティング層が形成されている。
【0033】
本発明では活物質と導電剤を極板製造用スラリー内で混合する既存の方法とは異なり、導電剤を活物質の表面にコーティングすることによって極板に添加される導電剤の量を減少させることができる。このように導電剤の量が減少すれば電解液との副反応を減らすことができ、電池内のガス発生が減少し電池の膨張(swelling)現象も減少して電池の安全性を向上させることができる。
【0034】
本発明において導電剤または導電剤と伝導性高分子分散剤との混合物からなるコーティング層が形成される物質は、電気化学的に酸化/還元が可能な物質であれば特に制限されずに使用できる。つまり、一般に活物質として知られている物質を用い得る。このような電気化学的酸化/還元可能な物質には、金属、リチウム含有合金、硫黄系化合物、リチウムと可逆的にリチウム含有化合物を形成することができる物質、リチウムイオンの挿入/脱離できる物質(リチウム層間化合物)などがある。
【0035】
前記金属としては、リチウム、錫、チタニウムなどがあり、リチウム含有合金としてはリチウム/アルミニウム合金、リチウム/錫合金、リチウム/マグネシウム合金などがある。硫黄系化合物は、リチウム−硫黄電池の正極活物質としての硫黄元素、Li2Sn(n≧1)、有機硫黄化合物、および炭素−硫黄ポリマー((C2Sx)n:x=2.5〜50、n≧2)などがある。リチウムと可逆的にリチウム含有化合物を形成できる物質としてはシリコン、硝酸チタニウム、二酸化錫(SnO2)などがある。
【0036】
本発明に用いられるリチウム層間化合物としては、既存の全ての炭素材物質、リチウム含有化合物が使用できる。ここでいうリチウム含有化合物には、リチウム複合金属酸化物、リチウム含有カルコゲナイド化合物が含まれる。炭素材物質としては非晶質炭素、結晶質炭素またはこれらの混合物が挙げられ、前記非晶質炭素の例としてはソフトカーボン(低温焼成炭素)またはハードカーボン(高温焼成炭素)があり、結晶質炭素としては板状、鱗片状(flake)、球状または繊維状の天然黒鉛または人造黒鉛がある。
【0037】
リチウム複合金属酸化物やリチウム含有カルコゲナイド化合物は、単斜晶系、六方晶系、立方晶系構造の基本構造を有する。
【0038】
リチウム層間化合物の好ましい例としては下記の化学式1〜13の化合物がある。
【0039】
【化2】
【0040】
式中、0.95≦x≦1.1、0≦y≦0.5、0≦z≦0.5、0≦α≦2であり、M’はAl、Ni、Co、Mn、Cr、Fe、Mg、Sr、V、および希土類元素からなる群より選択される1種以上の元素であり、AはO、F、SおよびPからなる群より選択される元素であり、XはF、SおよびPからなる群より選択される元素である。
【0041】
このようなリチウム層間化合物の平均粒径は1〜50μmであるのが好ましく、5〜20μmであるのがさらに好ましく、5〜10μmであるのが最も好ましい。
【0042】
前記電池用活物質の表面に形成されたコーティング層は導電剤、または導電剤と伝導性高分子分散剤の混合物を含む。
【0043】
前記コーティング層内に含まれる導電剤としては、カーボン系導電剤、黒鉛系導電剤、金属系導電剤、または金属化合物系導電剤などを用いることができるが、特にこれに限られるわけではない。2種以上の導電剤が含まれても良い。前記黒鉛系導電剤の例としてはKS6(Timcal社製品)があり、カーボン系導電剤の例としてはスーパーP(3M社製品)、ケッチェンブラック、デンカブラック、アセチレンブラック、カーボンブラック、サーマルブラック(thermal black)、チャンネルブラック、活性炭等があり、金属系導電剤および金属化合物系導電剤の例としては、錫、酸化錫、リン酸錫(SnPO4)、酸化チタン、LaSrCoO3、LaSrMnO3のようなペロブスカイト物質がある。しかし、前記列挙された導電剤に限られるわけではない。
【0044】
コーティング層内の導電剤の含有量は活物質に対して0.1〜10質量%であるのが好ましく、1〜4質量%であるのがさらに好ましい。導電剤の含有量が0.1質量%より少ない場合には、電気化学的特性が低下し、10質量%を超える場合には重量当りエネルギー密度が減少する。
【0045】
前記コーティング層に存在する導電剤の平均粒径は1μm以下であるのが好ましい。導電剤の平均粒径が1μm以下であれば、小さければ小さいほど活物質の表面によりよく付着する。1μmを超える場合には活物質によく付着しない恐れがある。
【0046】
ところで、本発明の電池用活物質は、電気化学的酸化/還元が可能な物質を、導電剤または導電剤と伝導性高分子分散剤との混合物でコーティングする段階を含む製法によって製造される。
【0047】
本発明の好ましい第1実施例によると、本発明の導電剤がコーティングされた活物質の製造方法は、a)導電剤、伝導性高分子分散剤および界面活性剤を溶媒に添加して分散コーティング液を製造する段階;b)前記分散コーティング液に前記電気化学的酸化/還元が可能な物質を添加して前記電気化学的酸化/還元が可能な物質表面に前記導電剤をコーティングする段階;およびc)前記導電剤がコーティングされた前記電気化学的酸化/還元が可能な物質を熱処理する段階を含む。
【0048】
本発明の好ましい第2実施例によると、本発明の導電剤がコーティングされた活物質の製造方法は、a)導電剤および伝導性高分子分散剤を溶媒に添加して分散コーティング液を製造する段階;b)界面活性剤含有懸濁液に前記電気化学的酸化/還元が可能な物質を添加して混合する段階;c)前記段階a)で製造された分散コーティング液と前記段階b)で製造された懸濁液とを混合して前記電気化学的酸化/還元が可能な物質表面に前記導電剤をコーティングする段階;およびd)表面に前記導電剤がコーティングされた前記前記電気化学的酸化/還元が可能な物質を熱処理する段階を含む。
【0049】
前記導電剤を分散させる伝導性高分子分散剤の例としては、ポリアクリレート系樹脂、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、エチレンオキシド(EO)とプロピレンオキシド(PO)を含む(EO)l(PO)m(EO)l(lおよびmは1〜500の範囲にある)ブロックコポリマー、ポリ塩化ビニル(PVC)、アクリロニトリル/ブタジエン/スチレン(ABS)ポリマー、アクリロニトリル/スチレン/アクリルエステル(ASA)ポリマー、アクリロニトリル/スチレン/アクリルエステル(ASA)ポリマーとプロピレンカーボネートの混合物、スチレン/アクリロニトリル(SAN)コポリマー、メチルメタクリレート/アクリロニトリル/ブタジエン/スチレン(MABS)ポリマーなどを用いることができる。前記ポリアクリレート系樹脂としてはオロタン(OrotanTM)が好ましい。
【0050】
前記分散剤は導電剤を基準に0.1〜20質量%用いられるのが好ましい。N−メチルピロリドン溶媒での分散剤添加有無によるスーパーP導電剤の分散状態を図1Aおよび図1Bに示した。分散剤が添加された場合(図1A)には、導電剤が均等に分散された形状を示した。一方、分散剤を使用しない場合(図1B)には、所々スーパーPが分散されされず固まっているのが見られる。
【0051】
また本発明は、正極、負極、および前記正極と前記負極との間に存在するセパレータを含む電池であって、前記正極および前記負極のうち少なくとも一方は、集電体および前記集電体にコーティングされてなる活物質を含み、前記活物質は導電剤または導電剤と伝導性高分子分散剤との混合物からなるコーティング層を有することを特徴とする電池を提供する。ここで、用いられる活物質については、前述の通りであるため、説明を省略する。活物質は、正極活物質として用いても、負極活物質として用いてもよい。
【0052】
本発明の活物質を製造するために用いられる前記界面活性剤は、導電剤を前記電気化学的酸化/還元が可能な物質に結合させるバインダーの役割を果たす。本発明の界面活性剤としては、非イオン性、陽イオン性または陰イオン性界面活性剤を用いることができ、有機または無機系物質を全て用いることができる。前記界面活性剤は一般に一つの分子内に親水性基と疎水性基を有する。親水性基はイオン性基と非イオン性基がありえる。イオン性基は静電気的結合をし非イオン性基は水素結合をする。
【0053】
イオン性基を有する化合物の例としては、スルホン酸塩(RSO3 -)、硫酸塩(RSO4 -)、カルボン酸塩(RCOO-)、リン酸塩(RPO4)、アンモニウム(RxHyN+:xは1−3であり、yは3−1である)、四級アンモニウム(R4N+)、ベタイン(RN+(CH3)2CH2COO-)、スルホベタイン(RN+(CH3)2CH2SO3 -)などがある。非イオン性基を有する化合物の例としては、ポリエチレンオキシド(R−OCH2CH2(OCH2CH2)nOH)、アミン化合物、ゼラチンなどがある。前記化合物でRは飽和または不飽和炭化水素基であり、好ましくは炭素数2〜1000の飽和または不飽和炭化水素基である。本発明に用いられる界面活性剤は分子量が5〜10000であるのが好ましく、50〜5000であるのがさらに好ましく、50〜300であるのが最も好ましい。
【0054】
電池用活物質は全て疎水性を有するために界面活性剤と共に溶媒に分散させれば、図2に示したように活物質が互いに分離されて分散される。なお、ここでいう電池用活物質とは、電気化学的酸化/還元が可能な物質を意味する。
【0055】
界面活性剤は導電剤を基準に0.1〜20質量%用いられるのが好ましい。界面活性剤の使用量が前記範囲内に活物質になければコーティングされる導電剤の量が好ましい範囲に調節できない。
【0056】
また、陽イオンと陰イオンとの双方を有する界面活性剤を使用する場合にはコーティング液のpHが活物質にコーティングされる導電剤の量に影響を及ぼす。界面活性剤としてベタイン、スルホベタイン、ゼラチンなどを使用する場合、前記第2実施例によるコーティング工程で段階b)の界面活性剤含有懸濁液はpH3〜4に維持することが好ましく、導電剤を添加した後の段階c)の懸濁液のpHは5〜8に維持することが好ましく、6〜7に維持するのがさらに好ましい。
【0057】
ゼラチンを利用した導電剤コーティング活物質の製造方法は、a)導電剤および伝導性高分子分散剤を溶媒に添加して分散コーティング液を製造する段階;b)ゼラチンを溶媒に添加した後、酸を添加してpHを3〜4に調節する段階;c)前記電気化学的酸化/還元が可能な物質表面にコーティングされていない余分のゼラチンを除去しpHを5〜8に調節する段階;d)前記段階a)で製造された分散コーティング液と前記段階c)で製造された液とを混合して前記電気化学的酸化/還元が可能な物質表面に前記導電剤をコーティングする段階;および、e)前記導電剤がコーティングされた前記電気化学的酸化/還元が可能な物質を熱処理してゼラチンを除去する段階を含む。段階b)においては、溶媒に予め電気化学的酸化/還元が可能な物質を添加しておいてもよい。ゼラチンを加えた後に、電気化学的酸化/還元が可能な物質を添加してもよい。pHは酸や塩基を添加して調節し、好ましい例としては酢酸、塩酸、硫酸、アンモニアなどがある。
【0058】
前記製造方法で使用可能な溶媒としては水、有機溶媒またはこれらの混合溶媒が挙げられる。前記有機溶媒としてはメタノール、エタノールまたはイソプロパノールのようなアルコール、ヘキサン、クロロホルム、テトラヒドロフラン、エーテル、メチレンクロライド、アセトン、アセトニトリル、N−メチルピロリドン(NMP)などがあるが、これらに限られるわけではない。界面活性剤がイオン性基を有する化合物である場合には有機溶媒などを用いるのが好ましく、非イオン性基を有する化合物である場合には水を用いるのが好ましい。
【0059】
前記活物質(電気化学的酸化/還元が可能な物質)のコーティング方法としてはスプレーコーティング法、含浸法であるディップコーティング法など一般的な湿式コーティング方法を利用するのが好ましい。
【0060】
前記工程で熱処理温度は100〜500℃であるのが好ましく、熱処理時間は1〜20時間であるのが好ましい。このような熱処理工程によって、界面活性剤と導電剤分散時に用いられた分散剤が除去される。界面活性剤を除去する必要がない場合には、乾燥するだけでもよい。熱処理温度が100℃未満である場合には電気化学的特性に悪い影響を与える界面活性剤が活物質表面に残存する恐れがある。一方、500℃を超える場合には導電剤の量が減少する恐れがある。
【0061】
前記第1実施例または第2実施例において、伝導性を有する伝導性高分子分散剤を用いると一般的な界面活性剤を利用する工程に比べてより簡単に導電剤コーティング活物質が製造できる。
【0062】
即ち、本発明の好ましい第3実施例によると、本発明の導電剤がコーティングされた活物質の製造方法は、a)導電剤および伝導性高分子分散剤を溶媒に添加して導電剤と伝導性高分子分散剤とを含む分散コーティング液を製造する段階;b)前記分散コーティング液に前記電気化学的酸化/還元が可能な物質を添加して前記電気化学的酸化/還元が可能な物質表面に前記導電剤と前記伝導性高分子分散剤とをコーティングする段階;および、c)前記導電剤と前記伝導性高分子分散剤とがコーティングされた前記電気化学的酸化/還元が可能な物質を乾燥する段階を含む。かような製造方法によって、活物質の表面に伝導性高分子分散剤と導電剤がコーティングされた活物質が提供される。
【0063】
界面活性剤として伝導性高分子分散剤を使用すれば活物質のコーティング層には導電剤と伝導性高分子分散剤が存在する。つまり、伝導性高分子分散剤は一般的な界面活性剤とは異なって活物質(電気化学的酸化/還元が可能な物質)表面にコーティングされた状態で存在する。伝導性高分子分散剤は導電剤と同様に導電性ネットワークを形成して活物質の電気化学的特性を改善する。前記伝導性高分子分散剤は導電剤を分散させる役割を果たすだけでなく、活物質(電気化学的酸化/還元が可能な物質)に導電剤を結着させる界面活性剤の機能もすることができる。
【0064】
このような伝導性高分子分散剤の例としてはポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、エチレンオキシド(EO)とプロピレンオキシド(PO)を含む(EO)l(PO)m(EO)l(lおよびmは1〜500の範囲にある)ブロックコポリマー、ポリ塩化ビニル(PVC)、アクリロニトリル/ブタジエン/スチレン(ABS)ポリマー、アクリロニトリル/スチレン/アクリルエステル(ASA)ポリマー、アクリロニトリル/スチレン/アクリルエステル(ASA)ポリマーとプロピレンカーボネートの混合物、スチレン/アクリロニトリル(SAN)コポリマー、メチルメタクリレート/アクリロニトリル/ブタジエン/スチレン(MABS)ポリマーなどがある。また、他の伝導性高分子分散剤も用いることができるのは当然のことである。
【0065】
この中で(EO)l(PO)m(EO)lを最も好ましく用いることができる。前記(EO)l(PO)m(EO)lブロックコポリマーのプロピレンオキシドは疎水性を示して活物質の表面や導電剤に結合するる役割を果たし、エチレンオキシドは活物質と導電剤を連結する役割を果たし、親水性を示してリチウムイオンが伝導できるようにする伝導性を有する。これらの中で商用されている伝導性高分子分散剤としてBASF社のP−series(ケーキ状態)またはF−series(粉末状態)製品を用いることができる。
【0066】
前記製造工程において、導電剤としては前記一般的な界面活性剤を使用する導電剤コーティング方法で用いられた導電剤が用いられる。伝導性高分子分散剤は導電剤を基準に0.1〜20質量%添加されるのが好ましい。
【0067】
前記導電剤と伝導性高分子分散剤を分散させるための溶媒は、メタノール、エタノールまたはイソプロパノールのようなアルコール、ヘキサン、クロロホルム、テトラヒドロフラン、エーテル、メチレンクロライド、アセトン、アセトニトリル、N−メチルピロリドン(NMP)などがあるが、必ずこれらに限られるわけではない。
【0068】
伝導性高分子分散剤は界面活性剤とは異なって除去する必要がないので熱処理する必要がなく、100℃以下の温度で乾燥しても表面に導電剤と伝導性高分子分散剤がコーティングされた活物質製造が可能である。
【0069】
前記活物質のコーティング方法としては前記同様にスプレーコーティング法、含浸法であるディップコーティング法など一般的な湿式コーティング方法を利用するのが好ましい。
【0070】
本発明では界面活性剤を利用して、活物質の安全性と電気化学的特性を向上させるMKO4コーティング層(ここでMは第13族元素(新たなIUPACによるものであって、Alを含む元素族を意味する)であり、KはP、SおよびWからなる群より選択される少なくとも一つの元素である)を形成させることも可能である。本願においては、MKO4コーティング層は第2コーティング層とも呼ばれる。
【0071】
このようなMKO4コーティング層を有する活物質の製造方法は次の通りである。MPO4コーティング層が表面に形成された活物質の場合を例として説明すると、a)アルコール系溶媒に、活物質(電気化学的酸化/還元が可能な物質)およびリン酸塩系界面活性剤を添加して活物質(電気化学的酸化/還元が可能な物質)を分散させる段階;b)前記活物質(電気化学的酸化/還元が可能な物質)が分散した懸濁液にMX3(ここでMは第13族元素であり、Xはハロゲン元素である)化合物を添加してM3+イオンが前記界面活性剤の親水性基に静電気的結合を形成する段階;およびc)前記静電気的結合を形成している活物質(電気化学的酸化/還元が可能な物質)をろ過して低温で焼成し活物質表面にメソ多孔質MPO4コーティング層を形成する段階を含む工程によって製造される。活物質は周辺に界面活性剤が存在するため、間接的に静電気的結合を形成しうる。リン酸塩系界面活性剤の代わりに硫酸塩系界面活性剤を用いると活物質の表面にMSO4コーティング層が形成される。また、タングステン酸塩系界面活性剤を用いると活物質表面にMWO4コーティング層が形成される。
【0072】
本発明の好ましい実施例によると、本発明の電池用活物質は導電剤または導電剤と伝導性高分子分散剤の混合物を含む第1コーティング層および前記第1コーティング層と活物質の間に存在するMKO4化合物を含む第2コーティング層(ここでMは第13族元素であり、KはP、SおよびWからなる群より選択される少なくとも一つの元素である)を有する。
【0073】
本発明の導電剤、または導電剤と伝導性高分子分散剤を含むコーティング層は活物質の内部抵抗を小さくすることができ、放電電位の低下を防止して電流密度(C−rate)変化による高い放電電位特性を維持する特性を示す。これは活物質表面にコーティングされた導電剤が表面極性(surface polarization)を減少させるためである。従って、このような表面特性が改善された活物質を電池に適用する場合、より優れた寿命特性と放電電位低下特性が示されて電力量向上特性を有する。
【0074】
本発明によって製造された導電剤がコーティングされた活物質で電池を製造する場合、極板での正極活物質の密度を高めることができて電池のエネルギー密度を既存の活物質を含む電池に比べて画期的に改善できる。特に、角形電池のスリム化および高容量化に大きく寄与する。
【0075】
一般に電池の安全性評価方法のうち代表的なものとして充電状態で釘で貫通する実験が最も重要な安全性実験の一つとして知られている。この際、充電された電池の安全性に影響を及ぼす因子として多様なものがあるが、特に、充電された正極とこの極板に含浸されている電解液の反応による発熱反応が重要な役割を果たす。
【0076】
例えば、LiCoO2活物質を含むコイン電池を一定の電位に充電すればLiCoO2はLi1-xCoO2の構造を有するが、この充電状態の物質に対するDSC(示差走査熱分析)測定を通じて現れる発熱温度と発熱量および発熱カーブの結果に基づいて活物質の熱的安全性が判断できる。充電状態のLi1-xCoO2活物質は不安定であるために電池内部の温度が高まれば金属、つまり、コバルトと結合している酸素が金属から遊離する。遊離した酸素は電池内部で電解液と反応して電池が爆発する可能性を提供する。したがって、酸素分解温度(発熱開始温度)とこの際の発熱量は電池の安定性を示す重要な因子と言うことができる。本発明の活物質は従来の導電剤がコーティングされていない活物質に比べて発熱量もはるかに減少して優れた熱的安定性を示す。
【0077】
また本発明は、正極を製造する段階;負極を製造する段階;および、前記正極と前記負極との間にセパレータが位置するようにして電解液を含浸させる段階を含む、電池の製造方法であって、前記正極と負極のうち少なくとも一方は、導電剤または導電剤と伝導性高分子分散剤との混合物がコーティングされた活物質を含むことを特徴とする、電池の製造方法を提供する。正極または負極なる極板は、本発明のコーティング層が表面に形成されている活物質を用いるため、高密度極板となる。
【0078】
このような高密度極板の製造方法の一実施形態は、a)バインダーを溶媒に溶解してバインダー溶液を製造する段階;b)前記バインダー溶液に本発明のコーティングされた電池用活物質に添加してスラリーを製造する段階;およびc)前記スラリーを集電体にコーティングする段階を含む。かような処理によって、正極用極板または負極用極板が製造される。
【0079】
既存の極板製造工程と本発明の活物質がコーティングされた極板の製造工程を各々図3A〜図3Cに図示した。図3Aのように既存の工程では活物質と導電剤をバインダーが含まれている溶液に入れてスラリーを製造しこれをコーティングした後、圧延して極板を製造する。これに比べて図3Bに示すように本発明の表面に導電剤がコーティングされていて極板製造用スラリーの製造時に活物質に導電剤を添加する必要がない。従って、導電剤がコーティングされた活物質をバインダー溶液に添加してスラリーを製造した後、これをコーティングし、圧延して極板を製造することができる。本発明によって製造された極板は既存の工程によって製造された極板に比べて活物質に導電剤がより均一に分散されている。また、伝導性高分子分散剤を利用する場合には図3Cに示すように活物質表面に導電剤をコーティングする工程を、極板製造用スラリー製造時と共に実施できるのでより簡便に導電剤でコーティングされた活物質を含む極板を製造することができる。
【0080】
また、本発明の活物質を利用して極板を製造する場合には電池の電気化学的特性に影響を与えずに極板製造時に添加される導電剤の含有量を減らすことができる。導電剤の量が減少すれば電解液副反応を減らすことができ電解液ガス発生を減らすことができて電池の膨張現象を減少させる等、電池の安全性を向上させることができる。また、導電剤の活物質に対する結着力を高めるために用いられるバインダーの量も減少させることができ、極板製造用スラリー製造時に添加されるN−メチルピロリドンのような有機溶媒の使用量を減少することができて原価節減の効果をもたらす。減少した導電剤とバインダーの量の分だけ活物質をさらに多く含有することができるので高容量の電池の製造が可能になる。したがって、本発明の活物質を利用して製造する場合、既存の活物質を利用する工程に比べて少量の導電剤を使用しても寿命、容量特性など電気化学的特性はそのまま優れているままに維持しながらも電池の安全性を改善することができる。
【0081】
また、本発明によって製造された活物質は極板に対する接着強度が優れていてサイクル進行時に活物質の脱離による内部抵抗が増加することを防止できる。したがって、本発明の導電剤がコーティングされた活物質を用いて極板を製造する場合、バインダーの含有量を減らしても既存の活物質で製造された極板と同等以上の接着強度を得ることができる。
【0082】
本発明で界面活性剤として伝導性高分子分散剤を使用する場合には導電剤と伝導性高分子分散剤でコーティングされた活物質をバインダー溶液に添加してスラリーを製造することもできる(上述の高密度極板の製造方法の一実施形態参照)。バインダー、導電剤、および伝導性高分子分散剤を混合した後、活物質(コーティングされていない電気化学的酸化/還元が可能な物質)を添加してスラリーを製造することもできる。
【0083】
後者の工程にしたがう場合、導電剤と伝導性高分子分散剤を活物質にコーティングする工程と極板製造用スラリーを製造する工程を一つの工程で実施できる(図3C参照)。即ち、高密度極板の製造方法の他の実施形態は、a)導電剤、伝導性高分子分散剤およびバインダーを溶媒に添加してコーティング液を製造する段階;b)前記コーティング液に電気化学的酸化/還元が可能な物質を添加してスラリーを製造する段階;および、c)前記スラリーを集電体にコーティングして正極用極板または負極用極板を製造する段階(ここで、前記極板は導電剤でコーティングされた活物質を含む)を含む。
【0084】
伝導性高分子分散剤は電池の極板製造用溶媒によく溶ける性質を有し、バインダーがスラリーによく溶けるようにする役割もする。前記極板の製造工程で導電剤は活物質を基準に0.5〜5質量%用いられ、伝導性高分子分散剤は導電剤を基準に0.1〜20質量%用いられ、バインダーは活物質を基準に0.5〜10質量%用いられるのが好ましい。
【0085】
本発明の導電剤またはこれと伝導性高分子分散剤の混合物がコーティングされた活物質はマンガン電池、アルカリ電池、水銀電池、酸化銀電池などのような1次電池、鉛蓄電池、Ni−MH(ニッケル金属ハイドライド)電池、密閉形ニッケル−カドミウム電池、リチウム金属電池、リチウムイオン電池、リチウムポリマー電池、リチウム−硫黄電池などのような2次電池に全て適用できる。また、前記電池の正極および負極のうち少なくとも一つに適用できる。前記電池の構造はこの分野によく知られているもので、例えば、リチウムイオン電池の構造は米国特許第5,753,387号に図示されている。本発明の導電剤または導電剤と伝導性高分子分散剤の混合物がコーティングされた活物質は上述の電池の正極と負極のうちいずれか一つまたはこれら全てに用いることができる。
【0086】
図16には本発明による活物質を使用して製造されるリチウム−硫黄電池を示した図面である。図16に示すようにリチウム−硫黄電池は正極3、負極4および前記正極と負極の間に存在するセパレータ2を含有する外装材1を含む。セパレータ2には電解液が含浸されている。前記正極3および負極4のうちいずれか一つまたはこれら全ては本発明の導電剤または導電剤および伝導性高分子分散剤の混合物が表面にコーティングされた活物質を含む。
【0087】
【実施例】
以下、本発明の好ましい実施例および比較例を記載する。しかし、下記の実施例は本発明の好ましい一実施例にすぎず、本発明が下記の実施例に限られるわけではない。
【0088】
(比較例1)
バインダー(ポリフッ化ビニリデン)をN−メチルピロリドンに添加してバインダー溶液を製造した。このバインダー溶液に正極活物質として平均粒径が10μmであるLiCoO2粉末と導電剤(スーパーP)を添加した後、4時間混合して4時間熟成し正極活物質スラリーを製造した。この際、正極活物質/導電剤/バインダーの重量比は94/3/3とした。前記正極活物質スラリーを約100μm厚さでAlホイル上にコーティングした後、1トンの圧力で圧延してコイン電池用正極極板を製造した。製造された正極極板を直径1.6cmにパンチングして、電解液として1M LiPF6が溶解されたエチレンカーボネートとジメチルカーボネート(体積比:1/1)の混合溶媒を使用してグローブボックス内でコインタイプの半電池を製造した
(比較例2)
正極活物質として平均粒径が15μmであるLiMn2O4粉末を使用したことを除いては前記比較例1と同様な方法で実施してコインタイプの半電池を製造した。
【0089】
(比較例3)
正極活物質として平均粒径が10μmであるLiNi0.9Sr0.002Co0.1O2粉末を使用したことを除いては前記比較例1と同様な方法で実施してコインタイプの半電池を製造した。
【0090】
(比較例4)
正極活物質として平均粒径が10μmであるLiNi0.66Mn0.25Al0.05Mg0.05Co0.1O2粉末を使用したことを除いては前記比較例1と同様な方法で実施してコインタイプの半電池を製造した。
【0091】
(比較例5)
正極活物質/導電剤/バインダーの重量比を96/2/2としたことを除いては前記比較例1と同様な方法で実施してコインタイプの半電池を製造した。
【0092】
(実施例1)
300mlのプラスチック瓶に100mlの水、500gのジルコニアボール、3gのスーパーP導電剤および0.5gのオロタン(OrotanTM)(Hanchung Chem Company)を投入して2時間ボールミリングしスーパーPが完全に分散された懸濁液を製造した。
【0093】
1gのゼラチンを200mlの水に添加した懸濁液を攪拌した後、LiCoO2(電気化学的酸化/還元が可能な物質、平均粒径:10μm)100gを添加し、酢酸を入れてpHを3〜4に調整した。その後、懸濁液をろ過してLiCoO2表面にコーティングされていないゼラチンを除去した。ここに再び水を添加してpHを5〜8に調整した後、ここにスーパーPが分散された懸濁液を投入し、5分間攪拌を続けた。このようなpH条件下でゼラチンの−COO-基とスーパーPの−OH基が水素結合を形成する。その後、攪拌を止めればスーパーPがコーティングされたLiCoO2は全て沈殿して容易に回収することができた。前記溶液を除去した後、130℃で乾燥して300℃で10分間焼成し、LiCoO2に存在するゼラチンを完全に除去し、0.5質量%のスーパーPがコーティングされたLiCoO2粉末を得た。
【0094】
バインダー(ポリフッ化ビニリデン)をN−メチルピロリドン(NMP)に添加して製造したバインダー溶液にスーパーPがコーティングされたLiCoO2正極活物質を添加して正極活物質スラリーを製造した。活物質/バインダーの重量比は99/1としスーパーPは追加的に投入しなかった。前記正極活物質スラリーを約200μmの厚さでAlホイル上にコーティングした後、1トンの圧力で圧延してコイン電池用正極極板を製造した。製造された正極極板を直径1.6cmにパンチングし、電解液として1M LiPF6が溶解されたエチレンカーボネートとジメチルカーボネート(体積比:1/1)の混合溶液を使用してグローブボックス内でコインタイプの半電池を製造した。
【0095】
比較例1の正極活物質を利用してスラリーを製造する場合には活物質と導電剤の分散が容易でなくてスラリーの混合時間が4時間以上かかるのに対し、本実施例による活物質を使用する場合にはそれよりはるかに少ない時間混合しても均一に分散したスラリーが製造できてホイルにコーティング可能な状態となった。このように極板製造時間を短縮することによって電池の生産性を向上させることができる。
【0096】
(実施例2)
ゼラチン2gを使用したことを除いては前記実施例1と同様な方法でコインタイプの半電池を製造した。
【0097】
(実施例3)
ゼラチン3gを使用したことを除いては前記実施例1と同様な方法でコインタイプの半電池を製造した。
【0098】
(実施例4)
スーパーPと(EO)l(PO)m(EO)lブロックコポリマー(BASF社のPluronic SeriesTM)をN−メチルピロリドンに入れて6時間ボールミリングした後、ポリフッ化ビニリデンを添加してLiCoO2(電気化学的酸化/還元が可能な物質、平均粒径:10μm)を投入してスラリーを製造した。本実施例に用いられた(EO)l(PO)m(EO)lブロックコポリマーのEO基に存在する酸素はLiCoO2表面に付着しているN−メチルピロリドンの陽(+)電荷とよく結合する。これによってPO基についているスーパーPがLiCoO2の表面にコーティングされる。このような過程を図4に図式的に示した。スラリー内に含まれる活物質:スーパーP:ポリフッ化ビニリデンの重量比は97:1:2とした。(EO)l(PO)m(EO)lブロックコポリマーはスーパーPを基準に50質量%を添加した。前記スラリーをAlホイルにコーティングした後、1トンの圧力で圧延してコイン電池用正極極板を製造した。製造された正極極板を直径1.6cmにパンチングし、電解液として1M LiPF6が溶解されたエチレンカーボネートとジメチルカーボネート(体積比:1/1)の混合溶液を使用してグローブボックス内でコインタイプの半電池を製造した。
【0099】
(実施例5)
LiCoO2粉末の代わりに平均粒径が15μmであるLiMn2O4粉末を使用したことを除いては前記実施例1と同様な方法で実施してコインタイプの半電池を製造した。
【0100】
(実施例6)
LiCoO2粉末の代わりに平均粒径が15μmであるLiMn2O4粉末を使用したことを除いては前記実施例4と同様な方法で実施してコインタイプの半電池を製造した。
【0101】
(実施例7)
LiCoO2粉末の代わりに平均粒径が10μmであるLiNi0.9Sr0.002Co0.1O2粉末を使用を使用したことを除いては前記実施例1と同様な方法でコインタイプの半電池を製造した。
【0102】
(実施例8)
LiCoO2粉末の代わりに平均粒径が10μmであるLiNi0.9Sr0.002Co0.1O2粉末を使用を使用したことを除いては前記実施例4と同様な方法でコインタイプの半電池を製造した。
【0103】
(実施例9)
LiCoO2粉末の代わりに平均粒径が10μmであるLiNi0.66Mn0.25Al0.05Mg0.05Co0.1O2粉末を使用したことを除いては前記実施例1と同様な方法でコインタイプの半電池を製造した。
【0104】
(実施例10)
LiCoO2粉末の代わりに平均粒径が10μmであるLiNi0.66Mn0.25Al0.05Mg0.05Co0.1O2粉末を使用したことを除いては前記実施例4と同様な方法でコインタイプの半電池を製造した。
【0105】
(実施例11)
電気化学的酸化/還元が可能な物質としてSnO2を使用したことを除いては前記実施例1と同様な方法でコインタイプの半電池を製造した。
【0106】
(実施例12)
電気化学的酸化/還元が可能な物質としてSnO2を使用したことを除いては前記実施例4と同様な方法でコインタイプの半電池を製造した。
【0107】
(実施例13)
電気化学的酸化/還元が可能な物質としてシリコン(Si)を使用したことを除いては前記実施例1と同様な方法でコインタイプの半電池を製造した。
【0108】
(実施例14)
電気化学的酸化/還元が可能な物質としてシリコン(Si)を使用したことを除いては前記実施例4と同様な方法でコインタイプの半電池を製造した。
【0109】
(実施例15)
10gの黒鉛粉末および0.1gのリン酸エステル(BASF社のdegressalTMSD40)をアルコールに添加した。黒鉛粉末は疎水性を持つため、ここにリン酸塩の疎水性基が結合する。ここにAlCl3を添加してAl3 +イオンが静電気的結合でリン酸塩の親水性基に結合するようにした。これをろ過して300℃の温度で焼成し表面に非常に均一にメソ多孔質AlPO4がコーティングされた分散剤の黒鉛粉末を得た。この黒鉛粉末を利用してコインタイプの半電池を製造した。
【0110】
実施例1でスーパーP導電剤がコーティングされたLiCoO2粉末のSEM写真を図6Aおよび図6Bに図示する。コーティングされていない比較例1のSEM写真(図5Aおよび図5B)に比べて完全に異なる表面形状を有することが確認できた。
【0111】
比較例1、実施例1および実施例4によって製造された電池の圧延後の極板のSEM写真を図7A、図8Aおよび図9Aに図示し、これら各々を拡大して図7B、図8Bおよび図9Bに図示する。比較例1によって製造された極板(図7A)を見ると活物質上に存在しないスーパーPが独立的に孔隙を占めていることが分かる。しかし、実施例1および実施例4によって製造された極板(図8Aおよび図9A)を見るとスーパーPが均一に分布されていて活物質の表面にコーティングされていることが分かる。
【0112】
実施例1〜3および比較例1で製造された極板に含まれている導電剤の量(極板を基準にする)と活物質(電気化学的酸化/還元が可能な物質の量に相当)の密度を計算して下記表1に示す。
【0113】
【表1】
【0114】
実施例1〜3によって製造された極板内活物質(電気化学的酸化/還元が可能な物質)の密度は比較例1によって製造された極板に比べて約30−40%増加し、これより極板密度が約30−40%増加すると予測される。
【0115】
比較例1によって製造されたコインタイプ半電池に対して2.75〜4.3Vの電圧範囲で0.2C、0.5Cおよび1Cで充放電を実施した結果を図10に示す。図10で比較例1によって製造された電池は高率(1C)での放電容量が急激に低下することが分かる。同じ方法で実施例1の電池に対して充放電を実施し放電特性を図11に示す。図11に示された実施例1の電池は高率(1C)での放電電位が低率(0.2C)の放電電位に近接することが分かる。また、1Cで40サイクル後の放電容量も初期容量に比べて1%程度しか減少しなかった。
【0116】
実施例および比較例の正極活物質を含む角形リチウムイオン電池(full cell)を製造してC−rateによる容量特性を測定した。リチウムイオン電池の製造方法は次の通りである。正極活物質およびポリフッ化ビニリデン(バインダー)を98/2の重量比で混合して正極活物質スラリーを製造した後、これをAlホイルにコーティングして圧延し正極極板を製造した。負極活物質として人造黒鉛およびバインダーとしてポリフッ化ビニリデンを90/10の重量比で混合して負極活物質スラリーを製造してCu−箔にコーティングした後、圧延して負極極板を製造した。前記正極極板と負極極板の間に電解液を注入し700mAh角形リチウムイオン電池を製造した。電解液として1M LiPF6が溶解されたエチレンカーボネートとジメチルカーボネート(1/1)の混合溶液を使用した。
【0117】
前記のような方法で製造された比較例1の正極活物質を含む角形リチウムイオン電池に対してC−rateによる容量特性を測定した結果を図12に示す。2Cでの放電電位が1Cでの放電電位より大きく減少したことが分かる。また、実施例1の正極活物質を含む角形リチウムイオン電池に対してC−rateによる容量特性を測定し図13に示す。図13のように実施例1の活物質を含む電池の容量が2Cでも優れた容量特性を示した。実施例4の正極活物質を含む700mAh角形リチウムイオン電池に対してC−rateによる容量特性を測定した結果を図14に示す。図14に示すように本発明による活物質を含む電池の容量が2Cでも優れていることがわかる。また、2Cでの放電電位が1Cでの放電電位に比べて大きく減少しなかった。これは導電剤が活物質表面にコーティングされて内部抵抗を減少させたためである。
【0118】
前記実施例1の活物質を含む二つの角形リチウムイオン電池の1Cでの寿命特性を測定した結果を図15に示す。図15で対角線は80%の寿命維持を示すことを意味する。本発明による電池は300サイクル後の容量特性が80%の寿命維持線にしたがう特性を見せた。
【0119】
【発明の効果】
上述のように、本発明の電池用活物質は表面に導電剤または導電剤および伝導性高分子分散剤がコーティングされていて電池の容量特性、サイクル寿命特性および安全性を向上させることができ、極板に対する接着強度が優れていて活物質の脱離による電池の内部抵抗が増加することを防止することができる。また、導電剤がコーティングされた活物質を使用して活物質と導電剤が均一に分散された極板を製造することも可能であり、電池の電気化学的特性を向上させうる。本発明の活物質製造方法は既存の工程に比べて工程時間が短縮できて導電剤、バインダーおよびスラリー製造用溶媒の含有量を減らすことができるので生産性を向上させ原価を節減することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1Aは分散剤を添加した場合の、導電剤の分散程度を示す図である。図1Bは分散剤を添加しない場合の、導電剤の分散程度を示す図である。
【図2】 界面活性剤が結合して分散した活物質(電気化学的酸化/還元が可能な物質)の状態を示す図面である。
【図3】 図3Aは既存の活物質を含む極板の製造工程を示す順序図である。図3Bは本発明の一実施例による極板の製造工程を示す順序図である。図3Cは本発明の他の実施例による極板の製造工程を示す順序図である。
【図4】 伝導性高分子分散剤が電気化学的酸化/還元が可能な物質であるLiCoO2の表面に存在するN−メチルピロリドンと結合する状態を示す図である。
【図5】 図5Aおよび図5Bは比較例としての正極活物質粉末の走査電子顕微鏡(SEM)写真およびこれを拡大した図である。
【図6】 図6Aおよび図6Bは本発明の一実施例による正極活物質粉末のSEM写真およびこれを拡大した図である。
【図7】 図7Aおよび図7Bは比較例として製造された極板のSEM写真およびこれを拡大した図である。
【図8】 図8Aおよび図8Bは本発明の一実施例として製造された極板のSEM写真およびこれを拡大した図である。
【図9】 図9Aおよび図9Bは本発明の他の実施例として製造された極板のSEM写真およびこれを拡大した図である。
【図10】 比較例によって製造された半電池の充放電曲線を示す図である。
【図11】 本発明の一実施例として製造された半電池の充放電曲線を示す図である。
【図12】 比較例の正極活物質を含むリチウムイオン電池の放電容量特性を示した図面である。
【図13】 本発明の一実施例として製造された正極活物質を含むリチウムイオン電池の放電容量特性を示す図である。
【図14】 本発明の他の実施例として製造された正極活物質を含むリチウムイオン電池の放電容量特性を示す図である。
【図15】 本発明の一実施例として製造されたリチウムイオン電池の寿命特性を示す図である。
【図16】本発明に係るリチウム−硫黄電池の斜視図である。
【符号の説明】
1 外装材
2 セパレータ
3 正極
4 負極
Claims (50)
- 電気化学的酸化/還元が可能な物質、および、
前記物質上に形成されてなる、導電剤とリチウムイオン伝導性高分子分散剤との混合物からなるコーティング層を含み、
前記コーティング層はリチウム塩を含まないことを特徴とする電池用活物質。 - 前記電気化学的酸化/還元が可能な物質は、金属、リチウム含有合金、硫黄系化合物、リチウムと可逆的にリチウム含有化合物を形成できる物質、およびリチウムイオンを可逆的に挿入/脱離できるリチウム層間化合物からなる群より選択される1種以上の物質である、請求項1に記載の電池用活物質。
- 前記金属は、リチウム、錫、およびチタニウムからなる群より選択される1種以上である、請求項2に記載の電池用活物質。
- 前記リチウム含有合金は、リチウム/アルミニウム合金、リチウム/錫合金、およびリチウム/マグネシウム合金からなる群より選択される1種以上である、請求項2に記載の電池用活物質。
- 前記硫黄系化合物は、硫黄元素、Li2Sn(n≧1)、有機硫黄化合物、および炭素−硫黄ポリマー((C2Sx)n:x=2.5〜50、n≧2)からなる群より選択される1種以上である、請求項2に記載の電池用活物質。
- 前記リチウムと可逆的にリチウム含有化合物を形成できる物質は、シリコン、硝酸チタニウム、および二酸化錫からなる群より選択される1種以上である、請求項2に記載の電池用活物質。
- 前記リチウム層間化合物は、炭素材物質、リチウム複合金属酸化物、およびリチウム含有カルコゲナイド化合物からなる群より選択される1種以上である、請求項2に記載の電池用活物質。
- 前記炭素材物質は、非晶質炭素、結晶質炭素、およびこれらの混合物からなる群より選択される、請求項7に記載の電池用活物質。
- 前記リチウム層間化合物の平均粒径が1〜50μmである、請求項7に記載の電池用活物質。
- 前記リチウム層間化合物の平均粒径が5〜20μmである、請求項10に記載の電池用活物質。
- 前記リチウム層間化合物の平均粒径が5〜10μmである、請求項11に記載の電池用活物質。
- 前記導電剤は、カーボン系導電剤、黒鉛系導電剤、金属系導電剤、および金属化合物系導電剤からなる群より選択される1種以上である、請求項1〜12のいずれか1項に記載の電池用活物質。
- 前記リチウム複合金属酸化物またはリチウム含有カルコゲナイド化合物は、基本構造として単斜晶系構造、六方晶系構造または立方晶系構造を有する化合物である、請求項7に記載の電池用活物質。
- MPO4、MSO4、およびMWO4(ここでMは第13族元素である)からなる群より選択される化合物からなる第2コーティング層を、前記コーティング層下にさらに含む、請求項1〜14のいずれか1項に記載の電池用活物質。
- 前記導電剤の含有量は、活物質に対して0.1〜10質量%である、請求項1〜15のいずれか1項に記載の電池用活物質。
- 前記導電剤の含有量は、活物質に対して1〜4質量%である、請求項16に記載の電池用活物質。
- 前記コーティング層に含まれる導電剤の平均粒径が、1μm以下である、請求項1〜17のいずれか1項に記載の電池用活物質。
- 前記リチウムイオン伝導性高分子分散剤は、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、エチレンオキシド(EO)とプロピレンオキシド(PO)を含む(EO)l(PO)m(EO)l(lおよびmは1〜500である)ブロックコポリマー、ポリ塩化ビニル(PVC)、アクリロニトリル/ブタジエン/スチレン(ABS)ポリマー、アクリロニトリル/スチレン/アクリルエステル(ASA)ポリマー、アクリロニトリル/スチレン/アクリルエステル(ASA)ポリマーとプロピレンカーボネートの混合物、スチレン/アクリロニトリル(SAN)コポリマー、およびメチルメタクリレート/アクリロニトリル/ブタジエン/スチレン(MABS)ポリマーからなる群より選択される1種以上である、請求項1〜18のいずれか1項に記載の電池用活物質。
- 前記リチウムイオン伝導性高分子分散剤の含有量は、導電剤に対して0.1〜20質量%である、請求項19に記載の電池用活物質。
- 正極、負極、および前記正極と前記負極との間に存在するセパレータを含む電池であって、
前記正極および前記負極のうち少なくとも一方は、集電体および前記集電体にコーティングされてなる活物質を含み、
前記活物質は導電剤とリチウムイオン伝導性高分子分散剤との混合物からなるコーティング層を有し、
前記コーティング層はリチウム塩を含まないことを特徴とする電池。 - 前記活物質は金属、リチウム含有合金、硫黄系化合物、リチウムと可逆的にリチウム含有化合物を形成できる物質、およびリチウムイオンを可逆的に挿入/脱離できるリチウム層間化合物からなる群より選択される1種以上の電気化学的酸化/還元が可能な物質を含む、請求項21に記載の電池。
- 前記金属は、リチウム、錫、およびチタニウムからなる群より選択される1種以上である、請求項22に記載の電池。
- 前記リチウム含有合金は、リチウム/アルミニウム合金、リチウム/錫合金、およびリチウム/マグネシウム合金からなる群より選択される1種以上である、請求項22に記載の電池。
- 前記硫黄系化合物は、硫黄元素、Li2Sn(n≧1)、有機硫黄化合物、および炭素−硫黄ポリマー((C2Sx)n:x=2.5〜50、n≧2)からなる群より選択される1種以上である、請求項22に記載の電池。
- 前記リチウムと可逆的にリチウム含有化合物を形成できる物質は、シリコン、硝酸チタニウム、および二酸化錫からなる群より選択される1種以上である、請求項22に記載の電池。
- 前記リチウム層間化合物は、炭素材物質、リチウム複合金属酸化物、およびリチウム含有カルコゲナイド化合物からなる群より選択される1種以上である、請求項22に記載の電池。
- 前記炭素材物質は、非晶質炭素、結晶質炭素、およびこれらの混合物からなる群より選択される、請求項27に記載の電池。
- 前記リチウム層間化合物の平均粒径が1〜50μmである、請求項27に記載の電池。
- 前記導電剤は、カーボン系導電剤、黒鉛系導電剤、金属系導電剤、および金属化合物系導電剤からなる群より選択される1種以上である、請求項21〜29のいずれか1項に記載の電池。
- 前記導電剤の含有量は、前記集電体にコーティングされてなる活物質に対して0.1〜10質量%である、請求項21〜30のいずれか1項に記載の電池。
- 前記コーティング層に含まれる導電剤の平均粒径が、1μm以下である、請求項21〜31のいずれか1項に記載の電池。
- 前記コーティング層は、導電剤とリチウムイオン伝導性高分子分散剤との混合物を含む、請求項21〜32のいずれか1項に記載の電池。
- 前記リチウムイオン伝導性高分子分散剤は、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、エチレンオキシド(EO)とプロピレンオキシド(PO)を含む(EO)l(PO)m(EO)l(lおよびmは1〜500である)ブロックコポリマー、ポリ塩化ビニル(PVC)、アクリロニトリル/ブタジエン/スチレン(ABS)ポリマー、アクリロニトリル/スチレン/アクリルエステル(ASA)ポリマー、アクリロニトリル/スチレン/アクリルエステル(ASA)ポリマーとプロピレンカーボネートの混合物、スチレン/アクリロニトリル(SAN)コポリマー、およびメチルメタクリレート/アクリロニトリル/ブタジエン/スチレン(MABS)ポリマーからなる群より選択される1種以上である、請求項33に記載の電池。
- 前記リチウムイオン伝導性高分子分散剤の含有量は、導電剤に対して0.1〜20質量%である、請求項33に記載の電池。
- 電気化学的酸化/還元が可能な物質を、導電剤とリチウムイオン伝導性高分子分散剤との混合物でコーティングする段階を含み、
前記混合物はリチウム塩を含まないことを特徴とする電池用活物質の製造方法。 - 前記コーティングする段階は、
a)導電剤、リチウムイオン伝導性高分子分散剤、および界面活性剤を溶媒に添加して分散コーティング液を製造する段階;
b)前記分散コーティング液に前記電気化学的酸化/還元が可能な物質を添加して前記電気化学的酸化/還元が可能な物質表面に前記導電剤をコーティングする段階;および、
c)前記導電剤がコーティングされた前記電気化学的酸化/還元が可能な物質を熱処理する段階;を含む、請求項36に記載の電池用活物質の製造方法。 - 前記コーティングする段階は、
a)導電剤およびリチウムイオン伝導性高分子分散剤を溶媒に添加して分散コーティング液を製造する段階;
b)界面活性剤含有懸濁液に前記電気化学的酸化/還元が可能な物質を添加して混合する段階;
c)前記段階a)で製造された分散コーティング液と前記段階b)で製造された懸濁液とを混合して前記電気化学的酸化/還元が可能な物質表面に前記導電剤をコーティングする段階;および、
d)表面に前記導電剤がコーティングされた前記電気化学的酸化/還元が可能な物質を熱処理する段階;を含む、請求項36に記載の電池用活物質の製造方法。 - 前記コーティングする段階は、
a)導電剤およびリチウムイオン伝導性高分子分散剤を溶媒に添加して導電剤とリチウムイオン伝導性高分子分散剤とを含む分散コーティング液を製造する段階;
b)前記分散コーティング液に前記電気化学的酸化/還元が可能な物質を添加して前記電気化学的酸化/還元が可能な物質表面に前記導電剤と前記リチウムイオン伝導性高分子分散剤とをコーティングする段階;および、
c)前記導電剤と前記リチウムイオン伝導性高分子分散剤とがコーティングされた前記電気化学的酸化/還元が可能な物質を乾燥する段階;を含む、請求項36に記載の電池用活物質の製造方法。 - 前記コーティングする段階は、
a)導電剤およびリチウムイオン伝導性高分子分散剤を溶媒に添加して分散コーティング液を製造する段階;
b)ゼラチンを溶媒に添加した後、電気化学的酸化/還元が可能な物質を添加し、酸を添加してpHを3〜4に調節する段階;
c)前記電気化学的酸化/還元が可能な物質表面にコーティングされていない余分のゼラチンを除去しpHを5〜8に調節する段階;
d)前記段階a)で製造された分散コーティング液と前記段階c)で製造された液とを混合して前記電気化学的酸化/還元が可能な物質表面に前記導電剤をコーティングする段階;および、
e)前記導電剤がコーティングされた前記電気化学的酸化/還元が可能な物質を熱処理してゼラチンを除去する段階;を含む、請求項36に記載の電池用活物質の製造方法。 - a)アルコール系溶媒に、電気化学的酸化/還元が可能な物質、ならびにリン酸塩系、硫酸塩系およびタングステン酸塩系界面活性剤からなる群より選択される1種以上の界面活性剤を添加して前記電気化学的酸化/還元が可能な物質を分散させる段階;
b)前記電気化学的酸化/還元が可能な物質が分散した懸濁液にMX3(ここでMは第13族元素であり、Xはハロゲン元素である)で表される化合物を添加して、M3+イオンと前記界面活性剤の親水性基との間に静電気的結合を形成させる段階;および、
c)前記静電気的結合を形成している前記電気化学的酸化/還元が可能な物質をろ過して低温で焼成する段階;を含む、表面にメソ多孔質MPO4、MSO4またはMWO4(ここでMは第13族元素である)コーティング層が形成された活物質の製造方法。 - 正極を製造する段階;負極を製造する段階;および、前記正極と前記負極との間にセパレータが位置するようにして電解液を含浸させる段階;を含む、電池の製造方法であって、
前記正極と負極のうち少なくとも一方は、導電剤とリチウムイオン伝導性高分子分散剤との混合物がコーティングされた活物質を含み、
前記混合物はリチウム塩を含まないことを特徴とする、電池の製造方法。 - a)バインダーを溶媒に溶解してバインダー溶液を製造する段階;
b)前記バインダー溶液に前記コーティングされた活物質を添加してスラリーを製造する段階;および、
c)前記スラリーを集電体にコーティングして正極用極板または負極用極板を製造する段階(ここで、前記極板はコーティングされた活物質を含む)、を含む、請求項42に記載の電池の製造方法。 - a)導電剤、リチウムイオン伝導性高分子分散剤およびバインダーを溶媒に添加してコーティング液を製造する段階;
b)前記コーティング液に電気化学的酸化/還元が可能な物質を添加してスラリーを製造する段階;および、
c)前記スラリーを集電体にコーティングして正極用極板または負極用極板を製造する段階(ここで、前記極板は導電剤でコーティングされた活物質を含む);を含む、請求項42に記載の電池の製造方法。 - 電気化学的酸化/還元が可能な物質、および前記電気化学的酸化/還元が可能な物質上に形成されてなる、導電剤とリチウムイオン伝導性高分子分散剤との混合物か
らなるリチウム塩を含まないコーティング層を含む電池用活物質であって、
前記リチウム塩を含まないコーティング層は、
a)導電剤およびリチウムイオン伝導性高分子分散剤を溶媒に添加して分散コーティング液を製造する段階;
b)前記分散コーティング液に前記電気化学的酸化/還元が可能な物質を添加して前記電気化学的酸化/還元が可能な物質表面に前記導電剤と前記リチウムイオン伝導性高分子分散剤とをコーティングする段階;および
c)前記導電剤と前記リチウムイオン伝導性高分子分散剤とがコーティングされた前記電気化学的酸化/還元が可能な物質を乾燥する段階、を含む工程によって形成されてなることを
特徴とする電池用活物質。 - 電気化学的酸化/還元が可能な物質、および前記電気化学的酸化/還元が可能な物質上に形成されてなる、導電剤からなるコーティング層を含む電池用活物質であって、
前記コーティング層は、
a)導電剤およびリチウムイオン伝導性高分子分散剤を溶媒に添加して分散コーティング液を製造する段階;
b)ゼラチンを溶媒に添加した後、電気化学的酸化/還元が可能な物質を添加し、酸を添加してpHを3〜4に調節する段階;
c)前記電気化学的酸化/還元が可能な物質表面にコーティングされていない余分のゼラチンを除去してpHを5〜8に調節する段階;
d)前記段階a)で製造された分散コーティング液と前記段階c)で製造された液とを混合して前記電気化学的酸化/還元が可能な物質表面に前記導電剤をコーティングする段階;および、
e)前記導電剤がコーティングされた前記電気化学的酸化/還元が可能な物質を熱処理してゼラチンを除去する段階、を含む工程によって形成されたものである電池用活物質。 - 電気化学的酸化/還元が可能な物質、および、
前記物質上に形成されてなる、導電剤からなるコーティング層、を含み、
MPO4、MSO4、およびMWO4(ここでMは第13族元素である)からなる群より選択される化合物からなる第2コーティング層を、前記コーティング層下にさらに含む電池用活物質。 - 電気化学的酸化/還元が可能な物質を、導電剤でコーティングする段階を含み、
前記コーティングする段階は、
a)導電剤、リチウムイオン伝導性高分子分散剤、および界面活性剤を溶媒に添加して分散コーティング液を製造する段階;
b)前記分散コーティング液に前記電気化学的酸化/還元が可能な物質を添加して前記電気化学的酸化/還元が可能な物質表面に前記導電剤をコーティングする段階;および、
c)前記導電剤がコーティングされた前記電気化学的酸化/還元が可能な物質を熱処理する段階;を含む電池用活物質の製造方法。 - 電気化学的酸化/還元が可能な物質を、導電剤でコーティングする段階を含み、
前記コーティングする段階は、
a)導電剤およびリチウムイオン伝導性高分子分散剤を溶媒に添加して分散コーティング液を製造する段階;
b)界面活性剤含有懸濁液に前記電気化学的酸化/還元が可能な物質を添加して混合する段階;
c)前記段階a)で製造された分散コーティング液と前記段階b)で製造された懸濁液とを混合して前記電気化学的酸化/還元が可能な物質表面に前記導電剤をコーティングする段階;および、
d)表面に前記導電剤がコーティングされた前記電気化学的酸化/還元が可能な物質を熱処理する段階;を含む電池用活物質の製造方法。 - 電気化学的酸化/還元が可能な物質を、導電剤でコーティングする段階を含み、
前記コーティングする段階は、
a)導電剤およびリチウムイオン伝導性高分子分散剤を溶媒に添加して分散コーティング液を製造する段階;
b)ゼラチンを溶媒に添加した後、酸を添加してpHを3〜4に調節する段階;
c)前記電気化学的酸化/還元が可能な物質表面にコーティングされていない余分のゼラチンを除去しpHを5〜8に調節する段階;
d)前記段階a)で製造された分散コーティング液と前記段階c)で製造された液とを混合して前記電気化学的酸化/還元が可能な物質表面に前記導電剤をコーティングする段階;および、
e)前記導電剤がコーティングされた前記電気化学的酸化/還元が可能な物質を熱処理してゼラチンを除去する段階;を含む電池用活物質の製造方法。
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