JP3815876B2 - α−オレフィン重合用触媒およびα−オレフィン重合体の製造方法 - Google Patents
α−オレフィン重合用触媒およびα−オレフィン重合体の製造方法 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、α−オレフィン重合用触媒およびα−オレフィン重合体の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
α−オレフィン重合用触媒として、メタロセン及びアルミノキサンから成る触媒が提案されている(特開昭60−35007号公報、特公平4−12283号公報など)。しかしながら、上記の様な触媒は、反応媒体に可溶であることが多く、得られる重合体は粒子形状が不定形で嵩密度が小さく、微粉が多い等粒子性状は極めて悪い。従って、スラリー重合や気相重合などに適用した場合、連続した安定運転が困難になる等、製造工程上多くの問題点を有している。
【0003】
一方、上記の問題点を解消するため、シリカ、アルミナ等の無機酸化物または有機物に遷移金属化合物および有機アルミニウムの一方または両方を担持させた触媒が提案されている(特開昭61−108610号公報、同60−135408号公報、同61−296008号公報、特開平3−74412号公報、同3−74415号公報など)。
【0004】
しかしながら、上記の触媒による重合体は、微粉や粗粒を多く含有し、また、嵩密度も低いなど粒子性状が不良であり、更には、固体成分当たりの重合活性が低く、しかも、分子量や立体規則性が担持体を使用しない触媒系による重合体に比較して低い等の問題点も有している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記実情に鑑みなされたものであり、その目的は、分子量低下や立体規則性の低下などの担持による性能低下が少なく、組成分布が狭く且つ透明性や力学的強度に優れたα−オレフィン重合体を製造し得るα−オレフィン重合用触媒および当該触媒を使用したα−オレフィン重合体の製造方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、鋭意検討を重ねた結果、特定の遷移金属化合物と特定のイオン交換性層状化合物または無機珪酸塩を含有して成る触媒により、上記の目的を容易に達成し得るとの知見を得、本発明の完成に到った。
【0007】
すなわち、本発明の第1の要旨は、次の必須成分(A)及び(B)と任意成分(C)を含有することを特徴とするα−オレフィン重合用触媒に存する。
【0008】
(A)下記一般式(I)で表される遷移金属化合物
【化3】
【0009】
一般式(I)中、A1及びA2は、共役五員環配位子(同一化合物内においてA1及びA2は同一でも異なっていてもよい)を示し、そのうち少なくとも一方は、共役五員環配位子上の隣接した置換基が結合し五員環の2原子を含めて7員の縮合環を有し且つ当該7員の縮合環の4位はフェニル基またはナフチル基で置換され、7員の縮合環の4位がフェニル基で置換されている場合は、当該フェニル基の3位がクロロ基あるいは4位がフルオロ基、クロロ基またはトリフルオロメチル基で置換されていてもよく、Qは、2つの共役五員環配位子を任意の位置で架橋する結合性基、Mは、4価のチタン、ジルコニウム又はハフニウムを示し、そして、X及びYは、それぞれ独立して、Mと結合した水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基、アミノ基、ハロゲン化炭化水素基、酸素含有炭化水素基、窒素含有炭化水素基、リン含有炭化水素基またはケイ素含有炭化水素基を示す。
【0010】
(B)珪酸塩を除くイオン交換性層状化合物または無機珪酸塩
(C)有機アルミニウム化合物
【0011】
そして、本発明の第2の要旨は、上記の触媒とα−オレフィンとを接触させて重合または共重合を行うことを特徴とするα−オレフィン重合体の製造方法に存する。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。本発明のα−オレフィン重合用触媒は、必須成分として特定の遷移金属化合物(成分A)と特定のイオン交換性層状化合物または無機珪酸塩(成分B)とを含有し、任意成分として有機アルミニウム化合物(成分C)を含有する。
【0013】
先ず、成分(A)の遷移金属化合物について説明する。本発明においては、下記一般式(I)で表される遷移金属化合物を使用する。
【0014】
【化4】
【0015】
一般式(I)中、A1及びA2は、共役五員環配位子(同一化合物内においてA1及びA2は同一でも異なっていてもよい)を示し、そのうち少なくとも一方は、共役五員環配位子上の隣接した置換基が結合し五員環の2原子を含めて7員の縮合環を有する。そして、A1及びA2の共役五員環配位子は、結合性基Qに結合していない炭素に置換基を有していてもよい。
【0016】
上記の共役五員環配位子の典型例としては、例えば、シクロペンタジエニル基を挙げることが出来る。このシクロペンタジエニル基は、水素原子を4個有するもの[C5H4−]であってもよく、また、上記した通り、その水素原子の幾つかが置換基で置換されているものであってもよい。
【0017】
上記の置換基の1つの具体例は、炭素数が通常1〜20、好ましくは1〜15の炭化水素基である。その具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、オクチル基、フェニル基、ナフチル基、ブテニル基、ブタジエニル基、トリフェニルカルビル基などが挙げられる。
【0018】
上記の炭化水素基は、一価の基としてシクロペンタジエニル基と結合していてもよく、その置換基の末端で2種が結合して縮合環を形成してもよい。縮合環を形成したシクロペンタジエニル基の典型例としては、インデン、フルオレン、アズレン等の化合物やその誘導体である。なお、本発明で使用する遷移金属化合物は、上記の縮合環として7員環を少なくとも1つ有し且つ当該7員の縮合環の4位はフェニル基またはナフチル基で置換され、7員の縮合環の4位がフェニル基で置換されている場合は、当該フェニル基の3位がクロロ基あるいは4位がフルオロ基、クロロ基またはトリフルオロメチル基で置換されていてもよいことを特徴とするが、この点は後述する。
【0019】
上記の炭化水素基以外の置換基としては、珪素、酸素、窒素、燐、硼素、硫黄などの原子を含有する炭化水素基が挙げられる。その典型例としては、メトキシ基、エトキシ基、フェノキシ基、フリル基、トリメチルシリル基、ジエチルアミノ基、ジフェニルアミノ基、ピラゾリル基、インドリル基、カルバゾリル基、ジメチルフォスフィノ基、ジフェニルフォスフィノ基、ジフェニル硼素基、ジメトキシ硼素基、チエニル基などが挙げられる。
【0020】
その他の置換基としては、ハロゲン原子又はハロゲン含有炭化水素基などが挙げられる。その典型的例としては、塩素原子、臭素原子、沃素原子、フッ素原子、トリクロロメチル基、トリフルオロメチル基、フルオロフェニル基、ペンタフルオロフェニル基などが挙げられる。
【0021】
ところで、本発明で使用する遷移金属化合物の特徴は、A1及びA2のうち少なくとも一方が、共役五員環配位子上の隣接した置換基が結合し五員環の2原子を含めて7員の縮合環を有する点にある。すなわち、A1及びA2のどちらか一方は、少なくとも共役五員環の隣接する炭素2原子を含めた7の縮合環を形成していなければならない。
【0022】
A1及びA2のうち少なくとも一方を構成する上記の様な配位子としては、ヒドロアズレニル基、メチルヒドロアズレニル基、エチルヒドロアズレニル基、ジメチルヒドロアズレニル基、メチルエチルヒドロアズレニル基、メチルイソプロピルヒドロアズレニル基、メチルフェニルイソプロピルヒドロアズレニル基、各種アズレニル基の水添体、ビシクロ−[6.3.0]−ウンデカニル基、メチル−ビシクロ−[6.3.0]−ウンデカニル基、エチル−ビシクロ−[6.3.0]−ウンデカニル基、フェニル−ビシクロ−[6.3.0]−ウンデカニル基、メチルフェニル−ビシクロ−[6.3.0]−ウンデカニル基、エチルフェニル−ビシクロ−[6.3.0]−ウンデカニル基、メチルジフェニル−ビシクロ−[6.3.0]−ウンデカニル基、メチル−ビシクロ−[6.3.0]−ウンデカジエニル基、メチルフェニル−ビシクロ−[6.3.0]−ウンデカジエニル基、エチルフェニル−ビシクロ−[6.3.0]−ウンデカジエニル基、メチルイソプロピル−ビシクロ−[6.3.0]−ウンデカジエニル基、ビシクロ−[7.3.0]−ドデカニル基及びその誘導体、ビシクロ−[7.3.0]−ドデカジエニル基及びその誘導体、ビシクロ−[8.3.0]−トリデカニル基及びその誘導体、ビシクロ−[8.3.0]−トリデカジエニル基及びその誘導体などが例示される。
【0023】
上記の各基の置換基としては、前述した炭化水素基、珪素、酸素、窒素、燐、硼素、硫黄などの原子を含有する炭化水素基、ハロゲン原子又はハロゲン含有炭化水素基などが挙げられる。
【0024】
Qは、2つの共役五員環配位子を任意の位置で架橋する結合性基を示す。すなわち、Qは、2価の結合性基であり、A1及びA2とを架橋する。Qの種類は特に制限されないが、その具体例としては、(a)炭素数が通常1〜20、好ましくは1〜12の2価の炭化水素基またはハロゲン化炭化水素基、具体的には、アルキレン基、シクロアルキレン基、アリーレン等の不飽和炭化水素基、ハロアルキレン基、ハロシクロアルキレン基、ハロアリーレン基、(b)シリレン基またはオリゴシリレン基、(c)炭素数が通常1〜20、好ましくは1〜12の炭化水素基またはハロゲン化炭化水素基を置換基として有するシリレン基またはオリゴシリレン基、(d)ゲルミレン基、(e)炭素数が通常1〜20の炭化水素基またはハロゲン化炭化水素基を置換基として有するゲルミレン基などが挙げられる。これらの中では、アルキレン基、シクロアルキレン基、ハロアリーレン基、アリーレン基、炭化水素基を置換基として有するシリレン基またはゲルミレン基が好ましい。
【0025】
Mは、4価のチタン、ジルコニウム又はハフニウムの4族遷移金属、更に好ましくは、ジルコニウム又はハフニウムである。
【0026】
X及びYは、それぞれ独立して、Mと結合した水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基、アミノ基、ハロゲン化炭化水素基、酸素含有炭化水素基、窒素含有炭化水素基、リン含有炭化水素基またはケイ素含有炭化水素基を示す。上記の各炭化水素基における炭素数は、通常1〜20、好ましくは1〜12である。これらの中では、水素原子、塩素原子、メチル基、イソブチル基、フェニル基、ベンジル基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基が好ましい。
【0027】
本発明における遷移金属化合物の具体例としては次の化合物が挙げられる。なお、これらの化合物は単に化学的名称のみで指称されているが、その立体構造は本発明でいう非対称性を持つ化合物と対称性を持つ化合物の双方を意味する。また、最初に以下の化合物の命名法の理解のため、以下の(1)に記載のジルコニウムジクロリドの構造式を以下に示す。このジルコニウムジクロリドは、1,4−ジヒドロアズレン骨格を有する錯化前の化合物に由来して命名すれば、メチレンビス{1,1´−(2−メチル−4−フェニル−1,4−ジヒドロアズレニル)}ジルコニウムジクロリドと称することも出来る。
【0028】
【化5】
【0029】
(1)メチレンビス{1,1´−(2−メチル−4−フェニル−4−ヒドロアズレニル)}ジルコニウムジクロリド
【0030】
(2)メチレンビス{1,1´−(2−エチル−4−フェニル−4−ヒドロアズレニル)}ジルコニウムジクロリド、
(3)メチレンビス{1,1´−(2−メチル−4−フェニル−6−イソプロピル−4−ヒドロアズレニル)}ジルコニウムジクロリド、
(4)メチレンビス{1,1´−(2−メチル−4−フェニル−7−イソプロピル−4−ヒドロアズレニル)}ジルコニウムジクロリド
【0031】
(5)メチレンビス{1,1´−(2−メチル−4−フェニル−4,5,6,7,8−ペンタヒドロアズレニル)}ジルコニウムジクロリド、
(6)メチレンビス{1,1´−(4−フェニル−4−ヒドロアズレニル)}ジルコニウムジクロリド
【0032】
(7)メチレンビス{1,1´−(4−ナフチル−4−ヒドロアズレニル)}ジルコニウムジクロリド
【0036】
(8)エチレンビス{1,1´−(2−メチル−4−フェニル−4−ヒドロアズレニル)}ジルコニウムジクロリド
【0037】
(9)エチレンビス{1,1´−(2−エチル−4−フェニル−4−ヒドロアズレニル)}ジルコニウムジクロリド、
(10)エチレンビス{1,1´−(2−メチル−4−フェニル−6−イソプロピル−4−ヒドロアズレニル)}ジルコニウムジクロリド、
(11)エチレンビス{1,1´−(2−メチル−4−フェニル−7−イソプロピル−4−ヒドロアズレニル)}ジルコニウムジクロリド
【0038】
(12)エチレンビス{1,1´−(2−メチル−4−フェニル−4,5,6,7,8−ペンタヒドロアズレニル)}ジルコニウムジクロリド、
(13)エチレンビス{1,1´−(4−フェニル−4−ヒドロアズレニル)}ジルコニウムジクロリド
【0039】
(14)エチレンビス{1,1´−(4−ナフチル−4−ヒドロアズレニル)}ジルコニウムジクロリド
【0043】
(15)エチレン{1−(2−メチル−4−フェニルインデニル)}{1−(2−メチル−4−フェニル−4−ヒドロアズレニル)}ジルコニウムジクロリド
【0044】
(16)エチレン{1−(2−メチル−4,5−ベンゾインデニル)}{1−(2−エチル−4−フェニル−4−ヒドロアズレニル)}ジルコニウムジクロリド、
(17)エチレン{1−(2,4,7−トリメチルインデニル)}{1−(2−メチル−4−フェニル−6−イソプロピル−4−ヒドロアズレニル)}ジルコニウムジクロリド、
(18)エチレン{1−(2−エチル−4,5−ベンゾインデニル)}{1−(2−メチル−4−フェニル−7−イソプロピル−4−ヒドロアズレニル)}ジルコニウムジクロリド
【0045】
(19)エチレン{1−(2−t−ブチル−4−メチルシクロペンタジエニル)}{1−(2−メチル−4−フェニル−4,5,6,7,8−ペンタヒドロアズレニル)}ジルコニウムジクロリド、
(20)エチレン{1−(2−フェニルインデニル)}{1−(4−フェニル−4−ヒドロアズレニル)}ジルコニウムジクロリド
【0046】
(21)エチレン{1−(2−t−ブチルインデニル)}{1−(4−ナフチル−4−ヒドロアズレニル)}ジルコニウムジクロリド、
(22)ジメチルメチレンビス{1,1´−(2−メチル−4−フェニル−4−ヒドロアズレニル)}ジルコニウムジクロリド
【0047】
(23)ジメチルメチレンビス{1,1´−(2−エチル−4−フェニル−4−ヒドロアズレニル)}ジルコニウムジクロリド、
(24)ジメチルメチレンビス{1,1´−(2−メチル−4−フェニル−6−イソプロピル−4−ヒドロアズレニル)}ジルコニウムジクロリド
【0048】
(25)ジメチルメチレンビス{1,1´−(2−メチル−4−フェニル−7−イソプロピル−4−ヒドロアズレニル)}ジルコニウムジクロリド、
(26)ジメチルメチレンビス{1,1´−(2−メチル−4−フェニル−4,5,6,7,8−ペンタヒドロアズレニル)}ジルコニウムジクロリド、
(27)ジメチルメチレンビス{1,1´−(4−フェニル−4−ヒドロアズレニル)}ジルコニウムジクロリド
【0049】
(28)ジメチルメチレンビス{1,1´−(4−ナフチル−4−ヒドロアズレニル)}ジルコニウムジクロリド
【0053】
(29)ジメチルメチレン{1−(2−メチル−4−フェニルインデニル)}{1−(2−メチル−4−フェニル−4−ヒドロアズレニル)}ジルコニウムジクロリド
【0054】
(30)ジメチルメチレン{1−(2−メチル−4,5−ベンゾインデニル)}{1−(2−エチル−4−フェニル−4−ヒドロアズレニル)}ジルコニウムジクロリド、
(31)ジメチルメチレン{1−(2,4,7−トリメチルインデニル)}{1−(2−メチル−4−フェニル−6−イソプロピル−4−ヒドロアズレニル)}ジルコニウムジクロリド
【0055】
(32)ジメチルメチレン{1−(2−エチル−4,5−ベンゾインデニル)}{1−(2−メチル−4−フェニル−7−イソプロピル−4−ヒドロアズレニル)}ジルコニウムジクロリド、
(33)ジメチルメチレン{1−(2−t−ブチル−4−メチルシクロペンタジエニル)}{1−(2−メチル−4−フェニル−4,5,6,7,8−ペンタヒドロアズレニル)}ジルコニウムジクロリド、
(34)ジメチルメチレン{1−(2−フェニルインデニル)}{1−(4−フェニル−4−ヒドロアズレニル)}ジルコニウムジクロリド
【0056】
(35)ジメチルメチレン{1−(2−t−ブチルインデニル)}{1−(4−ナフチル−4−ヒドロアズレニル)}ジルコニウムジクロリド
【0057】
(36)ジメチルシリレンビス{1,1´−(2−メチル−4−フェニル−4−ヒドロアズレニル)}ジルコニウムジクロリド、
(37)ジメチルシリレンビス[1,1´−{2−メチル−4−(4−フルオロフェニル)−4−ヒドロアズレニル)}]ジルコニウムジクロリド、
(38)ジメチルシリレンビス[1,1´−{2−メチル−4−(4−クロロフェニル)−4−ヒドロアズレニル)}]ジルコニウムジクロリド、
(39)ジメチルシリレンビス[1,1´−{2−メチル−4−(4−トリフルオロメチルフェニル)−4−ヒドロアズレニル)}]ジルコニウムジクロリド
【0058】
(40)ジメチルシリレンビス{1,1´−(2−エチル−4−フェニル−4−ヒドロアズレニル)}ジルコニウムジクロリド、
(41)ジメチルシリレンビス{1,1´−(2−メチル−4−フェニル−6−イソプロピル−4−ヒドロアズレニル)}ジルコニウムジクロリド、
(42)ジメチルシリレンビス{1,1´−(2−メチル−4−フェニル−7−イソプロピル−4−ヒドロアズレニル)}ジルコニウムジクロリド
【0059】
(43)ジメチルシリレンビス{1,1´−(2−メチル−4−フェニル−4,5,6,7,8−ペンタヒドロアズレニル)}ジルコニウムジクロリド、
(44)ジメチルシリレンビス{1,1´−(4−フェニル−4−ヒドロアズレニル)}ジルコニウムジクロリド
【0060】
(45)ジメチルシリレンビス{1,1´−(4−ナフチル−4−ヒドロアズレニル)}ジルコニウムジクロリド
【0064】
(46)ジメチルシリレン{1−(2−メチル−4−フェニルインデニル)}{1−(2−メチル−4−フェニル−4−ヒドロアズレニル)ジルコニウムジクロリド
【0065】
(47)ジメチルシリレン{1−(2−メチル−4,5−ベンゾインデニル)}{1−(2−エチル−4−フェニル−4−ヒドロアズレニル)}ジルコニウムジクロリド、
(48)ジメチルシリレン{1−(2,4,7−トリメチルインデニル)}{1−(2−メチル−4−フェニル−6−イソプロピル−4−ヒドロアズレニル)}ジルコニウムジクロリド、
(49)ジメチルシリレン{1−(2−エチル−4,5−ベンゾインデニル)}{1−(2−メチル−4−フェニル−7−イソプロピル−4−ヒドロアズレニル)}ジルコニウムジクロリド
【0066】
(50)ジメチルシリレン{1−(2−t−ブチル−4−メチルシクロペンタジエニル)}{1−(2−メチル−4−フェニル−4,5,6,7,8−ペンタヒドロアズレニル)}ジルコニウムジクロリド、
(51)ジメチルシリレン{1−(2−フェニルインデニル)}{1−(4−フェニル−4−ヒドロアズレニル)}ジルコニウムジクロリド
【0067】
(52)ジメチルシリレン{1−(2−t−ブチルインデニル)}{1−(4−ナフチル−4−ヒドロアズレニル)}ジルコニウムジクロリド、
(53)(メチル)(フェニル)シリレンビス{1,1´−(2−メチル−4−フェニル−4−ヒドロアズレニル)}ジルコニウムジクロリド
【0068】
(54)(メチル)(フェニル)シリレンビス{1,1´−(2−エチル−4−フェニル−4−ヒドロアズレニル)}ジルコニウムジクロリド、
(55)(メチル)(フェニル)シリレンビス{1,1´−(2−メチル−4−フェニル−6−イソプロピル−4−ヒドロアズレニル)}ジルコニウムジクロリド
【0069】
(56)(メチル)(フェニル)シリレンビス{1,1´−(2−メチル−4−フェニル−7−イソプロピル−4−ヒドロアズレニル)}ジルコニウムジクロリド、
(57)(メチル)(フェニル)シリレンビス{1,1´−(2−メチル−4−フェニル−4,5,6,7,8−ペンタヒドロアズレニル)}ジルコニウムジクロリド
【0070】
(58)ジフェニルシリレンビス{1,1´−(2−メチル−4−フェニル−4−ヒドロアズレニル)}ジルコニウムジクロリド、
(59)ジフェニルシリレンビス{1,1´−(2−エチル−4−フェニル−4−ヒドロアズレニル)}ジルコニウムジクロリド
【0071】
(60)ジフェニルシリレンビス{1,1´−(2−メチル−4−フェニル−6−イソプロピル−4−ヒドロアズレニル)}ジルコニウムジクロリド、
(61)ジフェニルシリレンビス{1,1´−(2−メチル−4−フェニル−7−イソプロピル−4−ヒドロアズレニル)}ジルコニウムジクロリド、
(62)ジフェニルシリレンビス{1,1´−(2−メチル−4−フェニル−4,5,6,7,8−ペンタヒドロアズレニル)}ジルコニウムジクロリド
【0072】
(63)テトラメチルジシリレンビス{1,1´−(2−メチル−4−フェニル−4−ヒドロアズレニル)}ジルコニウムジクロリド
【0073】
(64)テトラメチルジシリレンビス{1,1´−(2−エチル−4−フェニル−4−ヒドロアズレニル)}ジルコニウムジクロリド、
(65)テトラメチルジシリレンビス{1,1´−(2−メチル−4−フェニル−6−イソプロピル−4−ヒドロアズレニル)}ジルコニウムジクロリド、
(66)テトラメチルジシリレンビス{1,1´−(2−メチル−4−フェニル−7−イソプロピル−4−ヒドロアズレニル)}ジルコニウムジクロリド
【0074】
(67)テトラメチルジシリレンビス{1,1´−(2−メチル−4−フェニル−4,5,6,7,8−ペンタヒドロアズレニル)}ジルコニウムジクロリド
【0075】
(68)ジメチルゲルミレンビス{1,1´−(2−メチル−4−フェニル−4−ヒドロアズレニル)}ジルコニウムジクロリド、
(69)ジメチルゲルミレンビス{1,1´−(2−エチル−4−フェニル−4−ヒドロアズレニル)}ジルコニウムジクロリド
【0076】
(70)ジメチルゲルミレンビス{1,1´−(2−メチル−4−フェニル−6−イソプロピル−4−ヒドロアズレニル)}ジルコニウムジクロリド、
(71)ジメチルゲルミレンビス{1,1´−(2−メチル−4−フェニル−7−イソプロピル−4−ヒドロアズレニル)}ジルコニウムジクロリド、
(72)ジメチルゲルミレンビス{1,1´−(2−メチル−4−フェニル−4,5,6,7,8−ペンタヒドロアズレニル)}ジルコニウムジクロリド、
(73)ジメチルシリレンビス{1,1´−(2−トリフルオロメチル−4−フェニル−4−ヒドロアズレニル)}ジルコニウムジクロリド
【0077】
(74)シラシクロヘキシリデンビス{1,1´−(2−メチル−4−フェニル−4−ヒドロアズレニル)}ジルコニウムジクロリド
【0078】
(75)ジメチルシリレンビス[1,1´−{2−メチル−4−(3−クロロフェニル)−4−ヒドロアズレニル}]ジルコニウムジクロリド、
(76)ジメチルシリレンビス{1,1´−(2−ベンジル−4−フェニル−4,5,6,7,8−ペンタヒドロアズレニル)}ジルコニウムジクロリド、
(77)ジメチルシリレンビス[1,1´−{2−ベンジル−4−(4−クロロフェニル)−4,5,6,7,8−ペンタヒドロアズレニル}]ジルコニウムジクロリド、
(78)ジメチルシリレンビス[1,1´−{2−ベンジル−4−(4−フロロフェニル)−4,5,6,7,8−ペンタヒドロアズレニル}]ジルコニウムジクロリド、
(79)ジメチルシリレンビス[1,1´−{2−ベンジル−4−(1−ナフチル)−4,5,6,7,8−ペンタヒドロアズレニル}]ジルコニウムジクロリド
【0079】
(80)ジメチルシリレンビス[1,1´−{2−ベンジル−4−(2−ナフチル)−4,5,6,7,8−ペンタヒドロアズレニル}]ジルコニウムジクロリド、
(81)ジメチルシリレンビス{1,1´−(2−ベンジル−4−フェニル−7−イソプロピル−4,5,6,7,8−ペンタヒドロアズレニル)}ジルコニウムジクロリド、
(82)ジメチルシリレンビス[1,1´−{2−(1−フェニルエチル)−4−フェニル−4,5,6,7,8−ペンタヒドロアズレニル}]ジルコニウムジクロリド、
(83)ジメチルシリレンビス[1,1´−{2−(1−フェニルエチル)−4−フェニル−7−イソプロピル−4,5,6,7,8−ペンタヒドロアズレニル}]ジルコニウムジクロリド、
(84)9−シラフルオレン−9,9−ジイルビス{1,1´−(2−メチル−4−フェニル−4,5,6,7,8−ペンタヒドロアズレニル)}ジルコニウムジクロリド
【0080】
(85)1−シラインデン−1,1−ジイルビス{1,1´−(2−メチル−4−フェニル−4,5,6,7,8−ペンタヒドロアズレニル)}ジルコニウムジクロリド、
(86)テトラメチル−1−シラシクロペンタジエン−1,1−ジイルビス{1,1´−(2−メチル−4−フェニル−4,5,6,7,8−ペンタヒドロアズレニル)}ジルコニウムジクロリド、
(87)1−シラシクロ−3−ペンテン−1,1−ジイルビス{1,1´−(2−メチル−4−フェニル−4,5,6,7,8−ペンタヒドロアズレニル)}ジルコニウムジクロリド、
(88)2,3−ブチレンビス{1,1−(2−メチル−4−フェニル−4−ヒドロアズレニル)}ジルコニウムジクロリド
【0081】
また、上記の様な化合物の、前記一般式(I)におけるX及びY部分をなす塩素原子の一方または両方が、水素原子、フッ素原子、臭素原子、ヨウ素原子、メチル基、フェニル基、フルオロフェニル基、ベンジル基、メトキシ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基などに代わった化合物も例示することが出来る。また、先に例示した化合物の中心金属(M)がジルコニウムの代わりに、チタン、ハフニウム、タンタル、ニオブ、バナジウム、タングステン、モリブデン等に代わった化合物も例示することが出来る。これらの中では、ジルコニウム、チタン、ハフニウムの4族遷移金属化合物が好ましく、ジルコニウム又はハフニウムが特に好ましい。
【0082】
次に、珪酸塩を除くイオン交換性層状化合物(単にイオン交換性層状化合物と略記する)又は無機珪酸塩(成分B)について説明する。
【0083】
上記のイオン交換性層状化合物としては、六方最密パッキング型、アンチモン型、CdCl2型、CdI2型などの層状の結晶構造を有するイオン結晶性化合物が挙げられ、その具体例としては、α−Zr(HAsO4)2・H2O、α−Zr(HPO4)2、α−Zr(KPO4)2・3H2O、α−Ti(HPO4)2、α−Ti(HAsO4)2・H2O、α−Sn(HPO4)2・H2O、γ−Zr(HPO4)2、γ−Ti(HPO4)2、γ−Ti(NH4PO4)2・H2O等の多価金属の結晶性酸性塩が挙げられる。
【0084】
上記のイオン交換性層状化合物は、必要に応じて塩類処理および/または酸処理を行って使用してもよい。塩類処理も酸処理も施されていない状態の、珪酸塩を除くイオン交換性層状化合物は、イオン結合等によって構成される面が互いに弱い結合力で平行に積み重なった結晶構造をとる化合物であり、含有するイオンの交換が可能である。
【0085】
上記の無機珪酸塩としては、粘土、粘土鉱物、ゼオライト、珪藻土などが挙げられる。これらは、合成品を使用してもよいし、天然に産出する鉱物を使用してもよい。粘土および粘土鉱物の具体例としては、アロフェン等のアロフェン族、ディッカイト、ナクライト、カオリナイト、アノーキサイト等のカオリン族、メタハロイサイト、ハロイサイト等のハロイサイト族、クリソタイル、リザルダイト、アンチゴライト等の蛇紋石族、モンモリロナイト、ソーコナイト、バイデライト、ノントロナイト、サポナイト、ヘクトライト等のスメクタイト、バーミキュライト等のバーミキュライト鉱物、イライト、セリサイト、海緑石などの雲母鉱物、アタパルジャイト、セピオライト、パリゴルスカイト、ベントナイト、木節粘土、ガイロメ粘土、ヒシンゲル石、パイロフィライト、リョクデイ石群などが挙げられる。これらは混合層を形成していてもよい。また、人工合成物としては、合成雲母、合成ヘクトライト、合成サポナイト、合成テニオライト等が挙げられる。
【0086】
上記の無機珪酸塩の中では、カオリン族、ハロサイト族、蛇紋石族、スメクタイト、バーミキュライト鉱物、雲母鉱物、合成雲母、合成ヘクトライト、合成サポナイト、合成テニオライトが好ましく、スメクタイト、バーミキュライト鉱物、合成雲母、合成ヘクトライト、合成サポナイト、合成テニオライトが更に好ましい。これらは、特に処理を行うことなくそのまま使用してもよいし、ボールミル、篩い分け等の処理を行った後に使用してもよい。また、単独で使用しても、2種以上を混合して使用してもよい。
【0087】
上記の無機珪酸塩は、必要に応じ、塩類処理および/または酸処理により、固体の酸強度を変えることが出来る。また、塩類処理においては、イオン複合体、分子複合体、有機誘導体などを形成することにより、表面積や層間距離を変えることが出来る。すなわち、イオン交換性を利用し、層間の交換性イオンを別の大きな嵩高いイオンと置換することにより、層間が拡大した状態の層状物質を得ることが出来る。
【0088】
イオン交換性層状化合物および無機珪酸塩は、未処理のまま使用してもよいが、含有される交換可能な金属陽イオンを次に示す塩類および/または酸より解離した陽イオンとイオン交換することが好ましい。
【0089】
上記のイオン交換に使用する塩類は、1〜14族原子から成る群より選ばれた少なくとも一種の原子を含む陽イオンを含有する化合物であり、好ましくは、1〜14族原子から成る群より選ばれた少なくとも一種の原子を含む陽イオンと、ハロゲン原子、無機酸および有機酸から成る群より選ばれた少なくとも一種の原子または原子団よりより誘導される陰イオンとから成る化合物であり、更に好ましくは、2〜14族原子から成る群より選ばれた少なくとも一種の原子を含む陽イオンと、Cl、Br、I、F、PO4、SO4、NO3、CO3、C2O4、ClO4、OOCCH3、CH3COCHCOCH3、OCl2、O(NO3)2、O(ClO4)2、O(SO4)、OH、O2Cl2、OCl3、OOCH及びOOCCH2CH3から成る群より選ばれた少なくとも一種の陰イオンとから成る化合物である。また、これら塩類は2種以上を同時に使用してもよい。
【0090】
上記のイオン交換に使用する酸は、好ましくは、塩酸、硫酸、硝酸、酢酸、シュウ酸から選択され、これらは、2種以上を同時に使用してもよい。塩類処理と酸処理を組み合わせる方法としては、塩類処理を行った後に酸処理を行う方法、酸処理を行った後に塩類処理を行う方法、塩類処理と酸処理を同時に行う方法、塩類処理を行った後に塩類処理と酸処理を同時に行う方法などがある。なお、酸処理は、イオン交換や表面の不純物を取り除く効果の他、結晶構造のAl、Fe、Mg、Li等の陽イオンの一部を溶出させる効果がある。
【0091】
塩類および酸による処理条件は特に制限されない。しかしながら、通常、塩類および酸濃度は0.1〜30重量%、処理温度は室温から使用溶媒の沸点の範囲の温度、処理時間は5分から24時間の条件を選択し、被処理化合物の少なくとも一部を溶出する条件で行うことが好ましい。また、塩類および酸は一般的には水溶液で使用される。
【0092】
上記の塩類処理および/または酸処理を行う場合、処理前、処理間、処理後に粉砕や造粒などで形状制御を行ってもよい。また、アルカリ処理、有機化合物処理、有機金属処理などの他の化学処理を併用してもよい。この様にして得られる成分(B)としては、水銀圧入法で測定した半径20Å以上の細孔容積が0.1cc/g以上、特には0.3〜5cc/gであることが好ましい。斯かる成分(B)は、水溶液中で処理した場合、吸着水および層間水を含む。ここで、吸着水とは、イオン交換性層状化合物または無機珪酸塩の表面あるいは結晶破面に吸着された水であり、層間水とは、結晶の層間に存在する水である。
【0093】
本発明において、成分(B)は、上記の様な吸着水および層間水を除去してから使用することが好ましい。脱水方法は、特に制限されないが、加熱脱水、気体流通下の加熱脱水、減圧下の加熱脱水および有機溶媒との共沸脱水などの方法が使用される。加熱温度は、吸着水および層間水が残存しない様な温度範囲とされ、通常100℃以上、好ましくは150℃以上とされるが、構造破壊を生じる様な高温条件は好ましくない。加熱時間は、0.5時間以上、好ましくは1時間以上である。その際、脱水乾燥した後の成分(B)の重量減量は、温度200℃、圧力1mmHgの条件下で2時間吸引した場合の値として3重量%以下であることが好ましい。本発明においては、重量減量が3重量%以下に調整された成分(B)を使用する場合、必須成分(A)及び後述の任意成分(C)と接触する際にも、同様の重量減量の状態が保持される様に取り扱うことが好ましい。
【0094】
次に、有機アルミニウム化合物(成分C)について説明する。本発明においては、一般式(II)で表される有機アルミニウム化合物が好適に使用される。
次に、有機アルミニウム化合物(成分(C))について説明する。本発明においては、一般式(II)で表される有機アルミニウム化合物が好適に使用される。
【0095】
【化6】
AlRaP3-a (II)
【0096】
一般式(II)中、Rは炭素数1〜20の炭化水素基、Pは、水素、ハロゲン、アルコキシ基またはシロキシ基を示し、aは0より大きく3以下の数を示す。一般式(II)で表される有機アルミニウム化合物の具体例としては、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリプロピルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム等のトリアルキルアルミニウム、ジエチルアルミニウムモノクロライド、ジエチルアルミニウムモノメトキシド等のハロゲン又はアルコキシ含有アルキルアルミニウムが挙げられる。これらの中では、トリアルキルアルミニウムが好ましい。本発明のα−オレフィン重合用触媒においては、成分(C)として、一般式(II)で表される有機アルミニウム化合物以外にメチルアルミノキサン等のアルミノキサン類なども使用できる。また、上記の有機アルミニウム化合物とアルミノキサン類とを併用することも出来る。
【0097】
本発明のα−オレフィン重合用触媒は、必須成分(A)と(B)及び任意成分(C)とを接触させることにより調製される。接触方法は、特に限定されないが、次の様な方法を例示することが出来る。なお、この接触は、触媒調製時だけでなく、オレフィンによる予備重合時またはオレフィンの重合時に行ってもよい。
【0098】
【表1】
【0099】
上記の各成分の接触の際もしくは接触の後に、ポリエチレン、ポリプロピレン等の重合体、シリカ、アルミナ等の無機酸化物の固体を共存させるか、または、接触させてもよい。
【0100】
また、上記の各成分の接触は、窒素などの不活性ガス中、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、トルエン、キシレン等の不活性炭化水素溶媒中で行ってもよい。接触は、−20℃から溶媒の沸点の間の温度で行い、特に室温から溶媒の沸点の間での温度で行うのが好ましい。
【0101】
上記の各成分の使用量は次の通りである。すなわち、成分(B)1g当たり、成分(A)は、通常10-4〜10mmol、好ましくは10-3〜5mmolであり、成分(C)は、通常0.01〜104mmol、好ましくは0.1〜100mmolである。また、成分(A)中の遷移金属と成分(C)中のアルミニウムの原子比は、通常1:0.01〜106、好ましくは1:0.1〜105である。この様にして調製された触媒は、調製後に洗浄せずに使用してもよく、また、洗浄した後に使用してもよい。
【0102】
また、必要に応じて新たに成分(C)を組み合わせて使用してもよい。すなわち、成分(A)及び/又は(B)と成分(C)とを使用して触媒調製を行った場合は、この触媒調製とは別途に更に成分(C)を反応系に添加してもよい。この際、使用される成分(C)の量は、成分(A)中の遷移金属に対する成分(C)中のアルミニウムの原子比として、通常1:0〜104、好ましくは1:1〜103なる様に選ばれる。
【0103】
次に、本発明に係るα−オレフィン重合体の製造方法について説明する。本発明においては、前述の本発明の触媒とα−オレフィンとを接触させて重合または共重合を行う。本発明のα−オレフィン重合用触媒は、溶媒を使用する溶媒重合に適用される他、実質的に溶媒を使用しない液相無溶媒重合、気相重合、溶融重合にも適用される。また、重合方式は、連続重合および回分式重合の何れであってもよい。
【0104】
溶媒重合における溶媒としては、ヘキサン、ヘプタン、ペンタン、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエン等の不活性な飽和脂肪族または芳香族炭化水素の単独あるいは混合物が使用される。重合温度は、通常−78〜250℃、好ましくは−20〜100℃とされる。反応系のオレフィン圧は、特に制限されないが、好ましくは常圧から2000kgf/cm2G、更に好ましくは常圧から50kgf/cm2Gの範囲とされる。また、例えば、温度や圧力の選定または水素の導入などの公知の手段により分子量調節を行なうことも出来る。
【0105】
原料のα−オレフィンとしては、炭素数が通常2〜20、好ましくは2〜10のα−オレフィンが使用され、その具体例としては、エチレン、プロピレン、1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセン、1−エイコセン等が挙げられる。本発明の触媒は、立体規則性重合を目的とする炭素数3〜10のα−オレフィン、特にプロピレンの重合に好適に使用される。
【0106】
また、本発明の触媒は、上記の各α−オレフィン同志またはα−オレフィンとの他の単量体との共重合にも適用可能である。α−オレフィンと共重合可能な他の単量体としては、例えば、ブタジエン、1,4−ヘキサジエン、1,5−ヘキサジエン、7−メチル−1,6−オクタジエン、1,8−ノナジエン、1,9−デカジエンの様な共役および非共役ジエン類、シクロプロペン、シクロブテン、シクロペンテン、ノルボルネン、ジシクロペンタジエンの様な環状オレフィンが挙げられる。また、重合に際しては、多段階に条件を変更するいわゆる多段重合、例えば、一段目にプロピレンの重合を行い、二段目にエチレンとプロピレンの共重合を行う所謂ブロック共重合も可能である。
【0107】
本発明の触媒を使用してプロピレンの重合を行った場合、後述する核磁気共鳴スペクトルの測定値として、[mmmm]の値が高く(例えば90%以上)、2,1−インバージョンが0.5〜2.0モル%、1,3−インサーションが0.06〜0.40モル%であると言う特異的な異種結合量を有する結晶性のポリプロピレンを得ることも出来る。上記の異種結合量は次の式で計算した値である。
【0108】
【数1】
2,1−挿入割合(%)=(Y/X)×1000×1/5
1,3−挿入割合(%)=(Z/X)×1000×1/5
X=27〜48ppmの積分値の和
Y=(A▲1▼+A▲2▼+A▲3▼+A▲4▼+A▲5▼+A▲6▼)/6
Z=(A▲7▼+A▲8▼+A▲9▼)/6
【0109】
上記のA▲1▼、A▲2▼、A▲3▼、A▲4▼、A▲5▼、A▲6▼、A▲7▼、A▲8▼、A▲9▼は、それぞれ、42.3ppm(以下、同じ)、35.9、38.6、30.6、36.0、31.5、31.0、37.2、27.4の面積であり、次の部分構造(I)、(II)中で示した炭素の存在量比を示す。
【0110】
(部分構造(I))
【化7】
【0111】
(部分構造(II))
【化8】
【0112】
【実施例】
以下、本発明を実施例に基づいて更に詳細に説明するが、本発明は、その要旨を超えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。なお、以下の諸例において、触媒合成工程および重合工程は、全て精製窒素雰囲気下で行い、溶媒は、MS−4Aで脱水した後に精製窒素でバブリングして脱気して使用した。また、固体触媒成分当たりの活性は触媒活性として(単位:g−ポリマー/g−固体)、錯体成分当たりの活性は錯体活性として(単位:g−ポリマー/g−錯体)表した。
【0113】
(1)MFRの測定:
ポリマー6gに熱安定剤(BHT)のアセトン溶液(0.6重量%)6gを添加した。次いで、上記のポリマーを乾燥した後、メルトインデクサー(230℃)に充填し、2.16Kg荷重の条件下に5分間放置した。その後、ポリマーの押し出し量を測定し、10分間当たりの量に換算し、MFRの値とした。
【0114】
(2)分子量分布の測定:
GPCにより得られた重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比(Mw/Mn=Q値)により決定した。GPC装置は、Waters社製「150CV型」を使用した。溶媒はオルトジクロルベンゼンを使用し、測定温度は135℃とした。
【0115】
(3)融点の測定:
DSC(デュポン社製「TA2000型」)を使用し、10℃/分で20〜200℃までの昇降温を1回行った後の2回目の昇温時の測定により求めた。
【0116】
(4)立体規則性の測定:
核磁気共鳴装置(日本電子製「EX−270」)を使用し、サンプル300mgをオルトジクロロベンゼン2.5mlと重ベンゼン0.5mlに溶解し、130℃で照射時間0.744秒、パルスディレイ2.256秒で積算を20000回行うことにより測定した。
【0117】
実施例1
(1)粘土鉱物の化学処理:
35%塩酸30gを脱塩水70mlに希釈し、次いで、市販のモンモリロナイト(クニミネ工業社製「クニピアF」)を11.7gを分散させ、攪拌しながら昇温し2時間沸点処理を行った。その後、脱塩水で十分洗浄し、予備乾燥した後、200℃減圧下で2時間乾燥させて成分(B)を得た。
【0118】
(2)固体触媒成分の調製:
100mlのフラスコに上記で得た成分(B)3gを採取し、トルエン20mlに分散させてスラリーとし、室温にて撹拌下でトリエチルアルミニウム13mlを添加した。室温で1時間撹拌した後、デカンテーションによって上澄み液を除去し、固体部をトルエンで洗浄し、固体触媒成分を得た。
【0119】
(3)ジメチルシリレンビス{1,1´−(2−メチル−4−フェニル−4−ヒドロアズレニル)}ジルコニウムジクロリド(成分A)の合成:
(a)ラセミ・メソ混合物の合成;
特開昭62−207232号公報に記載の方法に従って合成した2−メチルアズレン2.22gをヘキサン30mlに溶解し、フェニルリチウムのシクロヘキサン−ジエチルエーテル溶液15.6ml(1.0等量)を0℃で少しずつ加えた。この溶液を室温で1時間攪拌した後、−78℃に冷却してテトラヒドロフラン30mlを加えた。この溶液にジメチルジクロロシラン0.95mlを加え、室温まで戻し、更に、50℃で1.5時間加熱した。その後、塩化アンモニウム水溶液を加えて分液した後、有機相を硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下溶媒を留去した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン−ジクロロメタン 5:1)で精製し、ジメチルビス{1,1´−(2−メチル−4−フェニル−1,4−ジヒドロアズレニル)}シラン1.48gを得た。
【0120】
上記で得られたジメチルビス{1,1´−(2−メチル−4−フェニル−1,4−ジヒドロアズレニル)}シラン768mgをジエチルエーテル15mlに溶解し、これに−78℃でn−ブチルリチウムのヘキサン溶液1.98ml(1.64mol/L)を滴下し、徐々に室温まで戻しながら12時間攪拌した。減圧下に溶媒を留去した後、得られた固体をヘキサンで洗浄し減圧乾固した。これにトルエン・ジエチルエーテルの混合溶媒(40:1)20mlを加え、−60℃で四塩化ジルコニウム325mgを加え、徐々に室温まで戻しながら15時間攪拌した。得られた溶液を減圧下に濃縮し、ヘキサンを加えて再沈殿し、ジメチルシリレンビス{1,1´−(2−メチル−4−フェニル−4−ヒドロアズレニル)}ジルコニウムジクロリドのラセミ・メソ混合物(下記のスペクトルデータを示すラセミ・メソ混合物)150mgを得た。
【0121】
(b)ラセミ体の精製;
上記のラセミ・メソ混合物887mgをジクロロメタン30mlに溶解し、100W高圧水銀ランプを有するパイレックスガラス製容器に導入した。そして、溶液を攪拌しながら常圧下に30分間光照射(300nm〜600nm)してラセミ体の比率を高めた後、ジクロロメタンを減圧下留去した。得られた黄色固体にトルエン7mlを加えて攪拌した後、静置させて黄色固体を沈殿させ上澄み液を除去した。更に、同様の洗浄操作をトルエン4ml、2ml、ヘキサン2mlによって3回行った後、得られた固形物を減圧下乾固し、ジメチルシリレンビス{1,1´−(2−メチル−4−フェニル−4−ヒドロアズレニル)}ジルコニウムジクロリドのラセミ体437mgを得た。
【0122】
<ラセミ体の1H−NMRのケミカルシフト>
300MHz,C6 D6(ppm)δ0.51(s,6H,Si(CH3 )2 )、1.92(s,6H,CH3 )、5.30(br d,2H)、5.75−5.95(m,6H)、6.13(s,2H)、6.68(d,J=14Hz,2H)、7.05−7.20(m,2H,arom)、7.56(d,J=7Hz,4H)
【0123】
<メソ体の1H−NMRのケミカルシフト>
300MHz,C6 D6(ppm)δ0.44(s,6H,SiCH3 )、0.59(s,6H,SiCH3 )、1.84(s,6H,CH3 )、5.38(br d,2H)、5.75−6.00(m,6H)、6.13(s,2H)、6.78(d,J=14Hz,2H)、7.00−7.20(m,2H,arom)、7.56(d,J=7Hz,4H)
【0124】
(4)プロピレンの重合:
内容積2Lの攪拌式オートクレーブ中にトリエチルアルミ(東ソー・アクゾ社製)0.5mmol(Al原子換算)及び上記(2)で得た固体触媒成分100mgを導入した。一方、破裂板付触媒フィーダーに、成分(A)として上記のラセミ体0.975mg(1.5μmol)をトルエン3mlに希釈して導入した。その後、オートクレーブにプロピレン1500mlを導入し、70℃に昇温した後、80kgf/cm2Gの圧力のアルゴンで破裂板を破り、上記の成分(A)をオートクレーブ中に導入して重合を開始した。
【0125】
2時間重合操作を行った後、プロピレンをパージし、ポリプロピレン166.5gを得た。触媒活性は1665、錯体活性は17.1×104であった。ポリプロピレンのTmは150.1℃、MFRは2.5、MWは3.1×105、Qは2.8であった。また、13C−NMRスペクトル測定の結果、[mmmm]は98.9%であり、2,1−インバージョンは0.9%、1,3−インサーションは0.08%存在した。結果を纏めて表1及び表2に示す。
【0126】
参考例1
<プロピレンの重合>
内容積2Lの攪拌式オートクレーブ中にメチルアルモキサン(東ソー・アクゾ社製「MMAO」)4mmol(Al原子換算)及び実施例1で得たラセミ体0.26mg(0.4μmol)を入れ、プロピレン1500mlを導入した。70℃に昇温して1時間重合操作を行い、ポリプロピレン43.5gを得た。錯体活性は16.7×104であった。ポリプロピレンのTmは150.9、MFRは1.3、Mwは3.5×105 、Qは2.7であった。また、[mmmm]は99.0%、2,1−インバージョンが0.9%、1,3−インサーションは0.10%存在した。結果を纏めて表1及び表2に示す。
【0127】
実施例2
<プロピレンの重合>
実施例1の(3)において、重合温度を80℃に変更した以外は、実施例1の(3)と同様の操作を行い、ポリプロピレン235gを得た。触媒活性は2350、錯体活性は24.1×104であった。ポリプロピレンのTmは148.8、MFRは8.5、Mwは2.1×105、Qは2.7であった。また、[mmmm]は98.8%、2,1−インバージョンが0.9%、1,3−インサーションは0.06%存在した。結果を纏めて表1及び表2に示す。
【0128】
実施例3
<プロピレンの重合>
十分に乾燥すると共にプロピレンガスで置換した内容積1.5Lの攪拌式オートクレーブに、乾燥、脱気したトルエン500ml、トリエチルアルミ(東ソーアクゾ社製)0.5mmol、実施例1(2)で得た固体触媒成分100mgを導入した。温度を20℃に設定した後、実施例1で得たラセミ体4μmol導入した。導入後、系内の温度を70℃に昇温し、プロピレン圧力を5kgf/cm2Gに設定して重合を開始した。1時間重合後、プロピレンをパージして重合スラリーを抜き出し、当該重合スラリーの濾過および乾燥を行い、ポリプロピレン17gを回収した。また、濾過液を濃縮した結果、0.05gの可溶分が回収された。触媒活性は170、錯体活性は0.65×104であった。ポリプロピレンのTmは150.9℃、MFRは3.5、MWは3.0×105Qは2.8であった。また、[mmmm]は99.0%であり、2,1−インバージョンは0.7%、1,3−インサーションは0.10%存在した。結果を纏めて表1及び表2に示す。
【0129】
実施例4
(1)粘土鉱物の化学処理および造粒:
市販のモンモリロナイト3Kgを振動ボールミルによって粉砕し、3%の塩酸16L中に分散させ、90℃で3時間撹拌し、化学処理されたモンモリロナイトの水スラリーを得た。次いで、固形分濃度15%にスラリーを調整し、スプレードライヤーにより噴霧造粒を行った後、脱塩水で水洗した。この様にして得られた粒子の形状は球状であった。次いで、200mlフラスコに上記で得た化学処理モンモリロナイト10.0gを入れ、減圧下、200℃で2時間の加熱脱水処理を行った。この脱水処理で1.3gの重量減が認められた。
【0130】
(2)固体触媒成分の調製:
100 mlフラスコに上記(1)で得られた化学処理モンモリロナイト3.0gを入れ、トルエン20mlに分散させてスラリーとした。次いで、室温において撹拌下にトリエチルアルミニウム1.3ml添加した。室温で1時間接触させた後、上澄み液を抜き出し、固体部をトルエンで洗浄し、固体触媒成分を得た。
【0131】
(3)プロピレンの重合:
2Lの撹拌式オートクレーブ中に、トリエチルアルミニウム0.5mmol、上記(2)で得た固体触媒成分100.0mg及び液体プロピレン750gを仕込んだ。その後、70℃に昇温した後、錯体成分としてジメチルシリレンビス{1,1´−(2−メチル−4−フェニル−4−ヒドロアズレニル)}ジルコニウムジクロリドのトルエン溶液(2.0μmol/ml)5.0mlを高圧アルゴンにより圧入し、70℃で撹拌を続けて2時間重合を行った。重合終了後、未反応のプロピレンをパージし、ポリプロピレン180gを得た。触媒活性は1800、錯体活性は2.7×104であった。ポリプロピレンのTmは148.4℃、MFRは11.1、MWは1.9×105、Qは2.7であった。また[mmmm]は98.8%であり、2,1−インバージョンは0.9%、1,3−インサーションは0.10%存在した。結果を纏めて表1及び表2に示す。
【0132】
実施例5
<プロピレン/エチレンの共重合>
2Lの撹拌式オートクレーブ中に、トリエチルアルミニウム0.5mmol、実施例1で得た固体触媒成分を100.0mg、液体プロピレン750gを仕込んだ。その後、70℃に昇温した後、錯体成分としてジメチルシリレンビス{1,1´−(2−メチル−4−フェニル−4−ヒドロアズレニル)}ジルコニウムジクロリドのトルエン溶液(2.0μmol/ml)3.0mlをエチレンにより圧入し、オートクレーブ内のガス組成が[エチレン/(プロピレン+エチレン)]=3.5モル%になる様にエチレンの供給を続け、70℃で撹拌して2時間重合を行った。重合終了後、未反応のプロピレン及びエチレンをパージし、プロピレン/エチレン共重合体230gを得た。触媒活性は3830、錯体活性は5.9×104であった。共重合体のエチレン含有量は0.8モル%、Tmは141.7℃、MFRは9.7、MWは2.1×105、Qは2.6であった。また、[mmmm]は98.8%であり、2,1−インバージョンは0.8%、1,3−インサーションは0.08%存在した。結果を纏めて表1及び表2に示す。
【0133】
比較例1
(1)ジメチルシリレンビス{1,1´−(2−メチル−4,5−ベンゾインデニル)}ジルコニウムジクロリドの合成:
特開平8−208733号公報の実施例7に記載の方法で上記の化合物を合成した。
【0134】
(2)プロピレンの重合:
実施例1において、成分(A)として上記(1)で得た化合物を使用し、重合時間を1時間に変更した以外は、実施例1に準じて触媒の調製および重合を行い、ポリプロピレン160gを得た。触媒活性は1600、錯体活性は5.8×104であった。ポリプロピレンのTmは132.0℃、MFRは200、MWは1.1×105、Qは2.2であった。また、[mmmm]は95.1%であり、2,1−インバージョンは0.8%存在した。1,3−インサーションは検出されなかった。結果を纏めて表1及び表2に示す。
【0135】
比較例2
<プロピレンの重合>
実施例1の(3)において、成分(A)として比較例1で合成した化合物を使用し、そして、重合温度を70℃に変更した以外は、参考例1と同様の操作を行い、ポリプロピレン155.2gを得た。錯体活性は67.5×104であった。ポリプロピレンのTmは151.5℃、MFRは2.0、MWは3.8×105、Qは2.1であった。また、[mmmm]は95.5%であり、2,1−インバージョンは0.4%存在した。1,3−インサーションは検出されなかった。結果を纏めて表1及び表2に示す。
【0136】
【表2】
【0137】
成分(A)の(1):ジメチルシリレンビス{1,1´−(2−メチル−4−フェニル−4−ヒドロアズレニル)}ジルコニウムジクロリド
成分(A)の(2):ジメチルシリレンビス{1,1´−(2−メチル−4,5−ベンゾインデニル)}ジルコニウムジクロリド
【0138】
【表3】
【0139】
実施例6
(1)ジメチルシリレンビス{1,1´−(2−エチル−4−フェニル−4−ヒドロアズレニル)}ジルコニウムジクロリド(成分(A))の合成:
(a)トシルトロポロンの合成;
トロポロン(25.58g、210mmol)をピリジン(30ml)に溶解、トシルクロライド(40.77g、214mmol)のピリジン溶液(60ml)を室温で加えた。室温で一夜攪拌した後、反応液を水に加えて結晶を析出させた。濾別した結晶を50℃で減圧乾燥し、トシルトロポロン(57.61g、99.5%)を得た。
【0140】
(b)3−プロピオニルシクロヘプタフラン−2−オンの合成;
トシルトロポロン(8.07g、29.2mmol)とエチルプロピオニルアセテート(6.2ml、43.8mmol)をエタノール(30ml)に懸濁させた。この懸濁液に、エタノール(60ml)とナトリウム(806mg、35.1mmol)から調製したナトリウムエトキシドの溶液を0℃で加えた。室温で一夜攪拌した後、50℃で45分加熱した。この反応液を約半分に濃縮し、水を加えて結晶を析出させて濾別した。更に、濾液を濃縮して結晶を析出させ、同様に濾別した。これらを合わせて減圧下に乾燥し、3−プロピオニルシクロヘプタフラン−2−オン(3.62g、61%)を得た。
【0141】
(c)1−シアノ−2−エチルアズレン−3−カルボン酸の合成;
3−プロピオニルシクロヘプタフラン−2−オン(3.62g,17.9mmol)とシアノ酢酸エチル(3.8ml、35.8mmol)をエタノール(50ml)に溶解した。この溶液に、エタノール(80ml)とナトリウム(1.65g、71.7mmol)から調製したナトリウムエトキシドの溶液を0℃で加えた。室温で一夜攪拌した後、反応液を約半分に濃縮し、水(200ml)を加えた。この溶液をジクロロメタンで抽出した後、水相に希塩酸を加えて酸性にして結晶を析出させて濾別した。結晶を減圧下に乾燥し、1−シアノ−2−エチルアズレン−3−カルボン酸(3.73g、93%)を得た。
【0142】
(d)2−エチルアズデンの合成;
上記で得た1−シアノ−2−エチルアズレン−3−カルボン酸(3.7g、16.4mmol)の内の約1gに75%硫酸(30ml)を加えて90℃に加熱し、残りを徐々に加えた。そして、90℃で2時間、120℃で2時間加熱した。この反応液を水酸化ナトリウム(35g)水溶液に加え、ヘキサン−酢酸エチルで抽出し、有機相を減圧下に留去した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製した後、溶媒を留去し、2−エチルアズレン(1.71g、67%)を得た。
【0143】
(e)ビス{1,1´−(2−エチル−4−フェニル−1,4−ジヒドロアズレニル)}ジメチルシランの合成;
2−エチルアズレン(1.7g、10.9mmol)のヘキサン(20ml)溶液にフェニルリチウム(10.9mmol、1.0M)のジエチルエーテル・シクロヘキサン溶液を0℃で加えた。室温で1.5時間攪拌した後、0℃でテトラヒドロフラン(20ml)を加えた。−78℃でジクロロジメチルシラン(0.66ml、5.45mmol)を加え、室温で1時間、50℃で3時間攪拌した。室温で一夜放置した後、塩化アンモニア水溶液を反応液に加え、分液した。有機相を硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下に溶媒を留去し、得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒;ヘキサン:ジクロロメタン=10:1〜5:1)により精製し、ビス{1,1´−(2−エチル−4−フェニル−1,4−ジヒドロアズレニル)}ジメチルシラン(1.07g、37%)を得た。
【0144】
(f)ジメチルシリレンビス{1,1´−(2−エチル−4−フェニル−4−ヒドロアズレニル)}ジルコニウムジクロリドの合成;
上記で得たビス{1,1´−(2−エチル−4−フェニル−1,4−ジヒドロアズレニル)}ジメチルシラン(3.32mmol)のジエチルエーテル(15ml)溶液にn−ブチルリチウム(6.62mmol)のヘキサン溶液を−78℃で加えた。室温で一夜攪拌した後、溶媒を留去し、トルエン(10ml)とジエチルエーテル(0.25ml)を加えて溶液とし、−70℃で四塩化ジルコニウム(775mg、3.32mmol)を加えた。反応液を室温まで除々に戻し、3時間攪拌した。次いで、反応液をセライト上で濾過し、濾別した固形分をトルエン(6ml)とヘキサン(6ml)で洗浄した。得られた固形分をジクロロメタン(30ml)に溶解し、減圧下に溶媒を留去し、濃縮液にヘキサン(10ml)を加えて沈殿を生成させた。溶液部を除去し、減圧下に乾固し、ジメチルシリレンビス{1,1´−(2−エチル−4−フェニル−4−ヒドロアズレニル)}ジルコニウムジクロリドのラセミ・メソ混合物(450mg、20%)を得た。
【0145】
(g)ラセミ体の精製;
上記のラセミ・メソ混合物400mgをジクロロメタン(15ml)に溶解し、100W高圧水銀ランプを有するパイレックスガラス製容器に導入した。溶液を攪拌しながら常圧下に10分間光照射してラセミ体の比率を高めた後、ジクロロメタンを減圧下留去した。得られた黄色固体にトルエン(5ml)を加えて攪拌した後に濾過した。濾別した固形分をヘキサン(6ml)で洗浄し、ジメチルシリレンビス{1,1´−(2−エチル−4−フェニル−4−ヒドロアズレニル)}ジルコニウムジクロリドのラセミ体(173mg)を得た。
【0146】
上記のラセミ体の1H−NMRのケミカルシフトは以下の通りであった。300MHz,CDCl3(ppm)δ1.00(s,6H,SiMe2)、1.05(t, 3J=8Hz,6H,CH3CH2)、2.42(sext, 3J=8Hz, 2J=15Hz,2H,CH3CHH)、2.60(sext, 3J=8Hz, 2J=15Hz,2H,CH3CHH)、4.94(br s,2H,4-H)、5.83〜5.95(m,4H)、5.99(s,2H)、6.08〜6.12(m,2H)、6.75(d,2H,8-H)、7.2〜7.4(m,10H,arom)
【0147】
(2)プロピレンの重合:
1Lの撹拌式オートクレーブに、窒素気流下、室温でトリイソブチルアルミニウム(0.45 mmol)、後述する実施例11の(2)記載の化学処理した粘土鉱物スラリー、液体プロピレン700 mlを導入した。更に、上記(1)で得たジメチルシリレンビス{1,1´−(2−エチル−4−フェニル−4−ヒドロアズレニル)}ジルコニウムジクロリドのラセミ体1.5μmolをトルエンに溶解させ、高圧アルゴンにより圧入し、オートクレーブを80 ℃に昇温して1時間重合を行った。その後、プロピレンをパージして重合を停止させ、ポリプロピレン180gを得た。触媒活性は3600、錯体活性は17.6×104 であった。ポリプロピレンのTmは149.2℃、MFRは11、MWは20×105 、Qは2.5であった。
【0148】
参考例2
<プロピレンの重合>
内容積2Lの撹拌式オートクレーブ内にメチルアルモキサン(東ソー・アクゾ社製「MMAO」)4mmol(Al原子換算)及びジメチルシリレンビス{1,1´−(2−エチル−4−フェニル−4−ヒドロアズレニル)}ジルコニウムジクロリドのラセミ体(0.27mg)のトルエン溶液を入れ、プロピレン1500mlを導入した。70℃に昇温して1時間重合操作を行い、ポリプロピレン239gを得た。錯体活性は87.2×104 であった。ポリプロピレンのTmは155.2℃、MFRは0.6、MWは4.7×105 、Qは3.1であった。
【0149】
実施例7
(1)粘土鉱物の化学処理:
300 ml の丸底フラスコに、リチウムヘクトライト(トピ−工業社製:Li−HT)10gを採取し、脱塩水100 mlを導入してスラリーとした。これをメカニカルスターラーで攪拌しながら、TiCl4(キシダ化学社製:特級)8.9 mlを室温で徐々に滴下し、3時間攪拌した。その後、固体を濾別し、濾液のpHが5.0になるまで水洗した。100 ℃で3時間乾燥させた後、得られたケークを磁性乳鉢で粉砕し、篩によって粒径105 μm以下の粒子を分取した。この粒子を200 ℃で2時間減圧乾燥し触媒成分(B)を得た。
【0150】
(2)固体触媒成分の調製:
100 mlナスフラスコに、窒素雰囲気下において上記(1)で得たTiCl4処理リチウムヘクトライト1.2gを採取し、トルエン12 mlを添加してスラリーとした。別途、トリエチルアルミニウムのトルエン溶液(0.91mol/L)を調製した。TiCl4処理リチウムヘクトライトスラリーを撹拌しながらこれに室温でトリエチルアルミニウム溶液6.4 mlを導入した。室温で1時間撹拌した後、洗浄率が1/100になるまでトルエンで洗浄した。スラリー濃度を測定した結果、52.6 mg/mlであった。
【0151】
(3)プロピレンの重合:
2Lの撹拌式オートクレーブに、窒素気流下、室温でトリイソブチルアルミニウム(0.45 mmol)、上記(2)で得た触媒スラリー(1.9 ml)、液体プロピレン1500 mlを導入した。更に、ジメチルシリレンビス{1,1´−(2−メチル−4−フェニル−4−ヒドロアズレニル)}ジルコニウムジクロライドのラセミ体3.0 μmol(2.0 mg)をトルエン1.6 mlに溶解させ、高圧アルゴンにより圧入し、オートクレーブを80 ℃に昇温して1時間重合を行った。その後、プロピレンをパージして重合を停止させ、。ポリプロピレン110gを得た。触媒活性は1100、錯体活性は5.5×104であった。ポリプロピレンのTmは147.0℃、MFRは24.2、MWは1.7×105 、Qは2.9であった。
【0152】
実施例8
(1)粘土鉱物の化学処理:
300mlの丸底フラスコに、リチウムヘクトライト(トピ−工業社製:Li−HT)10gを採取し、脱塩水100 mlを導入してスラリーとした。これをメカニカルスターラーで攪拌しながら、AlCl3(和光純薬社製:特級)19.3gの水溶液(25ml)を室温で徐々に滴下し、3時間攪拌した。その後、固体を濾別し、濾液のpHが5.0になるまで水洗した。100 ℃で3時間乾燥させた後、得られた凝集物を磁性乳鉢で粉砕し、篩によって粒径105μm以下の粒子を分取した。この粒子を200 ℃で2時間減圧乾燥し成分(B)を得た。
【0153】
(2)固体触媒成分の調製:
100mlナスフラスコに、窒素雰囲気下において上記(1)で得たAlCl3処理リチウムヘクトライト1.1gを採取し、トルエン10 mlを添加し、スラリーとした。AlCl3処理リチウムヘクトライトスラリーを撹拌しながらこれに室温でトリエチルアルミニウム溶液(0.91mol/L) 5.5mlを導入した。室温で1時間撹拌した後、洗浄率が1/100になるまでトルエンで洗浄した。スラリー濃度を測定した結果、35.7mg/mlであった。
【0154】
(3)プロピレンの重合:
2Lの撹拌式オートクレーブに、窒素気流下、室温でトリイソブチルアルミニウム(0.45mmol)、上記(2)で得た固体触媒成分(2.8ml)、液体プロピレン1500mlを導入した。更に、ジメチルシリレンビス{1,1´−(2−メチル−4−フェニル−4−ヒドロアズレニル)}ジルコニウムジクロリドのラセミ体3.0μmol(2.0mg)をトルエン1.6mlに溶解させ、高圧アルゴンにより圧入し、オートクレーブを80 ℃に昇温して1時間重合を行った。その後、プロピレンをパージして重合を停止させ、ポリプロピレン68gを得た。触媒活性は660、錯体活性は3.4×104 であった。ポリプロピレンのTmは147.3℃、MFRは24.2であった。
【0155】
実施例9
(1)ジメチルシリレンビス{1,1´−(2−メチル−4−フェニル−4−ヒドロアズレニル)ハフニウムジクロリドの合成:
(a)ラセミ・メソ混合物の合成;
2−メチルアズレン3.22gをヘキサン30mlに溶解し、フェニルリチウムのシクロヘキサン−ジエチルエーテル溶液21ml(1.0等量)を0℃で少しずつ加えた。この溶液を室温で1.5時間攪拌した後、−78℃に冷却しテトラヒドロフラン30mlを加えた。この溶液に1−メチルイミダゾール45μmolとジメチルジクロロシラン1.37mlを加え、室温まで戻して1時間撹拌した。その後、塩化アンモニウム水溶液を加え、分液した後、有機相を硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下に溶媒を留去し、ビス{1,1´−(2−メチル−4−フェニル−1,4−ジヒドロアズレニル)}ジメチルシランの粗精製物5.84gを得た。
【0156】
上記で得たビス{1,1´−(2−メチル−4−フェニル−1,4−ジヒドロアズレニル)}ジメチルシランの粗精製物をジエチルエーテル30mlに溶解し、−78℃でn−ブチルリチウムのヘキサン溶液14.2ml(1.6mol/L)を滴下し、徐々に室温まで戻して12時間攪拌した。減圧下に溶媒留去した後、トルエン・ジエチルエーテル(40:1)80mlを加え、−60℃で四塩化ハフニウム3.3gを加え、徐々に室温まで戻し4時間攪拌した。得られた溶液を減圧下に濃縮し、得られた固体をトルエンで洗浄後、ジクロロメタンで抽出し、ジメチルシリレンビス{1,1´−(2−メチル−4−フェニル−4−ヒドロアズレニル)}ハフニウムジクロリドのラセミ・メソ混合物1.74gを得た。
【0157】
(b)ラセミ体の精製;
上記の反応を繰り返して得られたラセミ・メソ混合物1.74gをジクロロメタン30mlに溶解し、100W高圧水銀ランプを有するパイレックスガラス製容器に導入した。この溶液を攪拌しながら常圧下40分間光照射してラセミ体の比率を高めた後、ジクロロメタンを減圧下に留去した。得られた黄色固体にトルエン10mlを加えて攪拌した後に濾過した。濾別した固形分をトルエン8mlとヘキサン4mlで洗浄し、ジメチルシリレンビス{1,1´−(2−メチル−4−フェニル−4−ヒドロアズレニル)ハフニウムジクロリドのラセミ体917mgを得た。
【0158】
(2)プロピレンの重合:
実施例8の(3)において、成分(A)として上記(1)で得たラセミ体1.12mgを使用した以外は、後述の実施例12(2)と同様の条件で35分間重合し、ポリプロピレン163gを得た。触媒活性は3260、錯体活性は25.0×104 であった。ポリプロピレンのTmは152.7℃、MFRは0.8、MWは4.1×105 、Qは2.6であった。
【0159】
参考例3
内容積2Lの攪拌式オートクレーブ中にメチルアルモキサン(東ソー・アクゾ社製「MMAO」)4mmol(Al原子換算)及び上記の実施例9(1)で得たラセミ体0.298mgを入れ、プロピレン1500mlを導入した。70℃に昇温して1時間重合操作を行い、ポリプロピレン32gを得た。錯体活性は10.7×104 であった。ポリプロピレンのTmは154.4℃、MFRは0.08、MWは8.4×105 、Qは3.8であった。
【0160】
実施例10
(1)粘土鉱物の化学処理:
MgSO415.96gを脱塩水134mlに溶解させた溶液に市販のモンモリロナイト(クニミネ工業製「クニピアF」)22.20gを分散させ、86℃で1時間攪拌してウェットケーキを得た。次いで、硫酸23.38g、MgSO429.16gを脱塩水69.24mlに溶解させた溶液に上記のウェットケーキを分散させ、2時間還流した。その後、ケーキを濾別し、濾液のpHが6になるまで水洗し、100℃で3時間乾燥した後、磁性乳鉢で粉砕し、篩によって粒径105μm以下の粒子を分取した。この粒子を200℃で2時間減圧乾燥し、成分(B)を得た。
【0161】
(2)固体触媒成分の調製および予備重合処理:
窒素雰囲気下、100mlフラスコに上記(1)で得た成分(B)0.8796gを入れ、0.50mmol/mlのトリエチルアルミニウムのトルエン溶液3.5mlを導入して室温で45分撹拌した。次いで、固体を濾別し、洗浄率が1/100になるまでトルエンで洗浄し、その後、トルエン15mlを加えてトルエンスラリーとした。
【0162】
別途、100mlフラスコに0.50mmol/mlのトリイソブチルアルミニウムのトルエン溶液0.6mlと1.5μmol/mlの実施例9の(1)で合成したジメチルシリレンビス{1,1´−(2−メチル−4−フェニル−4−ヒドロアズレニル)}ハフニウムジクロリドラセミ体のトルエン溶液19.1mlを導入し、室温で攪拌し溶液を得た。そして、得られた溶液を上記のトルエンスラリーに導入して固体触媒成分スラリーとした。
【0163】
2Lの攪拌式オートクレーブに、窒素気流下、室温でトルエン40mlを導入し、上記で得られた固体触媒成分スラリー36mlを導入した。オートクレーブの温度を24℃に保ったままプロピレンを104ml導入し、3分間予備重合を行い、予備重合触媒スラリーを得た。固体触媒成分1g当たり得られたポリマーは2.98gであった。得られた予備重合触媒スラリー中の固体触媒成分の濃度は12.5mg/mlであった。
【0164】
(3)プロピレンのブロック共重合:
2Lの撹拌式オートクレーブ中に、トリイソブチルアルミニウム0.40mmol、前記(2)で得られた予備重合触媒を固体触媒成分として50.0mg、水素200mlおよび液体プロピレン1500mlを導入した。その後、オートクレーブを75℃に昇温し、45分重合を行った。その後、プロピレンをパージして重合を停止させ、ポリプロピレン289gを得た。触媒活性は5780、錯体活性は2.4×105であった。ポリプロピレンのTmは151.8℃、MFRは14.2であった。
【0165】
窒素気流下、オートクレーブからポリプロピレン17gを抜き出した後、オートクレーブを60℃に保ち、プロピレンを10kgf/cm2Gまで導入し、更に、エチレンを20kgf/cm2Gになるまで導入した。プロピレン分圧49.97%のエチレン/プロピレン混合ガスを適宜導入して内圧を20kgf/cm2Gに保ちながら80分重合を行った。その後、エチレン/プロピレン混合ガスをパージして重合を停止させ、エチレン/プロピレンゴム成分46g(全体量で318g)を得た。触媒活性は978、錯体活性は4.0×104であった。得られたブロック共重合体のゴム成分含量は14.5重量%、MFRは7.0であった。
【0166】
実施例11
(1)ジメチルゲルミレン{1,1´−(2−メチル−4−フェニル−4−ヒドロアズレニル)}ジルコニウムジクロライドの合成:
2−メチルアズレン1.5gをn−ヘキサン38mlに溶解し、フェニルリチウムのシクロヘキサン−ジエチルエーテル溶液(1.08M)9.8mlを3〜5℃で徐々に滴下し、室温で1時間攪拌した。得られた溶液を0℃まで冷却し、テトラヒドロフラン38mlを添加し、更に、1−メチルイミダゾール0.02mlと、ジメチルゲルマニウムジクロライド0.61mlを滴下した。反応液を0℃で20分間攪拌した後、室温で3.5時間攪拌した。反応液に飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、n−ヘキサンで抽出し、有機相を飽和食塩水で洗浄し後、硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧下溶媒を留去し、得られた濃縮残査2.9gをシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することによりアモルファス状の固体2.4gを得た。
【0167】
次いで、このアモルファス状の固体2.4gをジエチルエーテル30mlに溶解し、−78℃でn−ブチルリチウムのn−ヘキサン溶液(1.59M)5.6mlを滴下した。この温度で10分間攪拌した後、反応温度を徐々に室温に戻し、2時間攪拌後、終夜放置した。溶媒を留去した後、再びトルエン20mlとジエチルエーテル0.5mlを加え、−78℃まで冷却後四塩化ジルコニウム1.0gを添加した。反応温度を徐々に室温まで上げて、合計で5時間攪拌後、セライトを用いて反応溶液を濾別し、得られた固体をトルエン5mlで2回洗浄後、ジクロロメタンで抽出し、抽出溶媒を留去することにより、ジメチルゲルミレン{1,1´−(2−メチル−4−フェニル−4−ヒドロアズレニル)}ジルコニウムジクロライドのラセミ−メソ比約6:4の混合物0.93g(収率30%)を得た。
【0168】
上記のラセミ・メソ混合物の1H−NMRのケミカルシフトは以下の通りであった。300MHz,CDCl3(ppm)1.14(s,メソ体SiMe)、1.18(s,メソ体SiMe)、1.20(s,メソ体SiMe)、2.16(s,2−Me)、4.98〜5.00(m,−CH=)、5.06〜5.08(m,−CH=)、5.83〜5.94(m,−CH=)、6.06〜6.3(m,−CH=)、6.67(s,−CH=)、6.71(s,−CH=)、7.2〜7.5(m,arom)
【0169】
(2)粘土鉱物の化学処理および固体触媒成分の調製:
硫酸10gと脱塩水90mlから成る希硫酸に10gのモンモリロナイト(クニミネ工業社製「クニピアF」)を分散させ、沸点まで昇温した後に6時間攪拌処理した。その後、回収したモンモリロナイトを脱塩水で十分洗浄し、予備乾燥した後に200℃で2時間乾燥し、化学処理された粘土鉱物を得た。この化学処理されたモンモリロナイト200mgに、濃度0.5mol/lのトリエチルアルミニウムのトルエン溶液0.8mlを加え、室温で1時間攪拌した。その後、トルエンで洗浄し、20mg/mlのモンモリロナイト−トルエンスラリーを得た。
【0170】
(3)プロピレンの重合:
内容積2Lの攪拌式オートクレーブ中にトリイソブチルアルミニウム(東ソー・アクゾ社製)0.5mmol(Al原子換算)を導入した。一方、破裂板付き触媒フィーダーに上記(1)で得たジメチルゲルミレン{1,1´−(2−メチル−4−フェニル−4−ヒドロアズレニル)}ジルコニウムジクロライドのラセミ・メソ混合物2.1mgをトルエン1.1mlで希釈して導入し、更に、上記(2)で得られたトリエチルアルミニウム処理したモンモリロナイト100mg及びトリイソブチルアルミニウム0.3mmol(Al原子換算)を導入した。その後、オートクレーブ中にプロピレン1500mlを導入し、室温で破裂板をカットし、80℃に昇温して1時間重合を行い、ポリプロピレン69gを得た。触媒活性は690、錯体活性は3.3×105であった。沸騰ヘプタン不溶部のポリプロピレンのTmは147.9℃、MFRは7.3、Mwは2.4×105、Qは2.4であった。縮し、ジクロロメタンを添加した後、硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧下に溶媒を留去した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、アモルファス状の固体2.1gを得た。
【0171】
実施例12
(1)ジメチルシリレンビス[1,1´−{2−メチル−4−(4−クロロフェニル)−4−ヒドロアズレニル}]ジルコニウムジクロリドの合成:
(a)ラセミ・メソ混合物の合成;
1−ブロモ−4−クロロベンゼン1.84g(9.6mmol)のn−ヘキサン(10ml)とジエチルエーテル(10ml)との溶液に−78℃でt−ブチルリチウムのペンタン溶液(1.64M)11.7ml(19.2mmol)を滴下した。得られた溶液を−5℃で1.5時間攪拌後、この溶液に2−メチルアズレン1.2g(8.6mmol)を添加して反応を行った。この反応溶液を徐々に室温まで戻しながら1.5時間攪拌した。その後、反応溶液を0℃に冷却し、1−メチルイミダゾール15μl(0.19mmol)を添加し、更に、ジクロロジメチルシラン0.52ml(4.3mmol)を添加した。反応溶液を室温で1.5時間攪拌後、希塩酸を添加して反応を停止し、分液した有機相を減圧下に濃縮し、ジクロロメタンを添加した後、硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧下に溶媒を留去した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、アモルファス状の固体2.1gを得た。
【0172】
次に、上記の反応生成物1.27gをジエチルエーテル15mlに溶解し、これに−78℃でn−ブチルリチウムのn−ヘキサン溶液(1.66M)2.8ml(4.5mmol)を滴下した。滴下終了後、反応溶液を徐々に室温まで戻しながら12時間攪拌した。減圧下に溶媒を留去した後、トルエンとジエチルエーテルの混合溶媒(40:1)5mlを添加して−78℃に冷却し、これに四塩化ジルコニウム0.53g(2.3mmol)を添加した。その後、直ちに室温まで戻し、室温で4時間攪拌して反応を行った。得られた反応液をセライト上で濾過し、濾別された固体をトルエン3mlで洗浄して回収した。回収した固体をジクロロメタンで抽出し、抽出液から溶媒を留去し、ジメチルシリレンビス[1,1´−{2−メチル−4−(4−クロロフェニル)−4−ヒドロアズレニル}]ジルコニウムジクロリのラセミ・メソ混合物906mg(収率56%)を得た。
【0173】
上記のラセミ・メソ混合物の1H−NMRのケミカルシフトは次の通りであった。300MHz,C6D6(ppm)0.45(s,メソ体SiMe)、0.50(s,ラセミ体SiMe)、0.57(s,メソ体SiMe)、1.88(s,メソ体2−Me)、1.96(s,ラセミ体2−Me)、5.17(br s,ラセミ体4−H)、5.22(br s,メソ体4−H)、5.6−6.1(m,−CH=)、6.65−6.8(m,−CH=)、7.1−7.40(m,−CH=)
【0174】
(b)ラセミ体の精製;
更に、ジクロロメタン20mlに上記のラセミ・メソ混合物900mgを溶解し、100Wの高圧水銀灯を40分照射することによりラセミ体の比率を高め、その後、不溶分を濾別し、回収した濾液を濃縮乾固した。次いで、得られた固体成分をトルエン22mlと共に攪拌し、静置後に上澄み液を除去した、斯かる精製操作を4回繰り返し、残った固体成分を乾燥し、ジメチルシリレンビス[1,1´−{2−メチル−4−(4−クロロフェニル)−4−ヒドロアズレニル}]ジルコニウムジクロリのラセミ体275mgを得た。
【0175】
上記のラセミ体の1H−NMRのケミカルシフトは次の通りであった。300MHz,CDCl3(ppm)0.95(s,6H,SiMe)、2.13(s,6H,2−Me)、4.82−4.85(br d,2H)、5.70−5.78(m,2H)、5.83−5.92(m,4H)、6.03−6.12(m,2H)、6.70(d,J=12Hz,2H)、7.1−7.35(m,8H,−CH=)
【0176】
(2)プロピレンの重合:
(a)粘土鉱物の化学処理および固体触媒成分の調製;
実施例11(2)と同様の操作により、33mg/mlのモンモリロナイト−トルエンスラリーを得た。
【0177】
(b)重合;
内容積1Lの攪拌式オートクレーブ中にトリイソブチルアルミ(東ソー・アクゾ社製)0.25mmol(Al原子換算)を導入した。一方、破裂板付触媒フィーダーに、上記(1)で得たラセミ体1.09mgをトルエンで希釈して導入し、更に、モンモリロナイト50mgを含む上記のトルエンスラリー及びトリイソブチルアルミ0.15mmol(Al原子換算)を導入した。その後、オートクレーブにプロピレン700mlを導入し、室温で破裂板をカットし、80℃に昇温して1時間の重合操作を行い、ポリプロピレン131.3gを得た。触媒活性は3000、錯体活性は13.5×104 であった。ポリプロピレンのTmは149.2℃、MFRは5.8、MWは2.4×105 、Qは2.5であった。
【0178】
実施例13
(1)ジメチルシリレンビス[1,1´−{2−メチル−4−(4−フルオロフェニル)−4−ヒドロアズレニル}]ジルコニウムジクロリドの合成:
(a)ラセミ・メソ混合物の合成;
1−ブロモ−4−フルオロロベンゼン0.90ml(8.2mmol)のn−ヘキサン(10ml)とジエチルエーテル(10ml)との溶液に−78℃でt−ブチルリチウムのペンタン溶液(1.64M)10ml(16.4mmol)を滴下した。得られた溶液を−78℃で15分間攪拌した後、−10℃で45分間攪拌した。その後、この溶液に2−メチルアズレン1.05g(7.37mmol)を添加して反応を行った。この反応溶液を徐々に室温まで戻しながら1時間攪拌した。その後、反応溶液を0℃に冷却し、テトラヒドロフラン10mlを添加し、更に、1−メチルイミダゾール16μl(0.20mmol)とジクロロジメチルシラン0.45ml(3.7mmol)を添加した。反応溶液を室温で1時間攪拌後、希塩酸を添加して反応を停止し、分液した有機相を減圧下に濃縮し、硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧下に溶媒を留去した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、アモルファス状の固体2.1gを得た。
【0179】
次に、上記の反応生成物1.55gをジエチルエーテル15mlに溶解し、これに−78℃でn−ブチルリチウムのn−ヘキサン溶液(1.66M)3.5ml(5.8mmol)を滴下した。滴下終了後、反応溶液を徐々に室温まで戻しながら12時間攪拌した。減圧下に溶媒を留去した後、トルエンとジエチルエーテルの混合溶媒(40:1)6mlを添加して−78℃に冷却し、更に、四塩化ジルコニウム0.68g(2.9mmol)を添加した。その後、直ちに室温まで戻し、4時間攪拌して反応を行った。得られた反応液にジクロロメタン30mlを添加し、攪拌後にセライト上で濾過し、濾液にn−ヘキサン25mlを添加し、析出したジメチルシリレンビス[1,1´−{2−メチル−4−(4−フルオロフェニル)−4−ヒドロアズレニル}]ジルコニウムジクロリのラセミ・メソ混合物1.0gを濾別した。収率は50%であった。
【0180】
上記のラセミ・メソ混合物の1H−NMRのケミカルシフトは次の通りであった。300MHz,C6D6(ppm)0.45(s,メソ体SiMe)、0.51(s,ラセミ体SiMe)、0.58(s,メソ体SiMe)、1.89(s,メソ体2−Me)、1.97(s,ラセミ体2−Me)、5.20(br s,ラセミ体4−H)、5.28(br s,メソ体4−H)、5.6−6.2(m,−CH=)、6.75−7.4(m,−CH=)
【0181】
(b)ラセミ体の精製;
次いで、ジクロロメタン20mlに上記で得られたラセミ・メソ混合物333mgを懸濁し、100wの高圧水銀灯を10分間照射することによりラセミ体の比率を高め、その後、不溶分を濾別し、回収した濾液を濃縮乾固した。次いで、得られた固体成分をトルエン4mlと共に攪拌し、静置後に上澄み液を除去した。斯かる精製操作を3回繰り返し、残った固体成分をヘキサンで2回洗浄した後に乾燥し、ジメチルシリレンビス[1、1´−{2−メチル−4−(4−フルオロフェニル)−4−ヒドロアズレニル}]ジルコニウムジクロリドのラセミ体115mgを得た。
【0182】
上記のラセミ体の1H−NMRのケミカルシフトは次の通りでった。300MHz,CDCl3(ppm)0.95(s,6H,Si−Me), 2.14(s,6H,2−Me)、4.84(br,2H,4−H)、5.72−5.90(m,6H)、6.05−6.10(m,2H)、6.72(d,J=12Hz,2H)、6.95−7.05(m,4H,−CH=)、7.32−7.40(m,4H,−CH=)
【0183】
(2)プロピレンの重合:
実施例12(2)において、実施例12(1)で得られたラセミ体の代わりに上記の(1)で得たラセミ体1.035mgを使用する以外は、実施例12の(2)と同様の操作を行い、ポリプロピレン154gを得た。触媒活性は3080、錯体活性は14.2×104 であった。ポリプロピレンのTmは148.0℃、MFRは6.9、MWは2.2×105 、Qは2.4であった。
【0184】
実施例14
(1)ジメチルシリレンビス[1,1´−{2−メチル−4−(3−クロロフェニル)−4−ヒドロアズレニル}]ハフニウムジクロリドの合成:
(a)ラセミ・メソ混合物の合成;
1−ブロモ−3−クロロベンゼン1.8ml(15.32mmol)のノルマルヘキサン(20ml)とジエチルエーテル(20ml)の溶液に−78℃でt−ブチルリチウムのペンタン溶液(1.64M)18.7ml(30.65mmol)を滴下した。得られた溶液を−5℃で1時間攪拌後、この溶液に2−メチルアズレン1.96g(13.79mmol)を添加して反応を行った。この反応溶液を徐々に室温まで戻しながら1.25時間攪拌した。その後、反応溶液を0℃に冷却し、テトラヒドロフラン(20mL)と1−メチルイミダゾール30μl(0.38mmol)を添加し、更に、ジクロロジメチルシラン0.84ml(6.9mmol)を添加した。反応溶液を室温で1.5時間攪拌後、希塩酸を添加して反応を停止し、分液した有機相を減圧下濃縮し、ジクロロメタンを添加した後、硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧下に溶媒を留去した後、アモルファス状の粗精製物を得た。
【0185】
次に、上記の反応生成物を乾燥ジエチルエーテル20mlに溶解し、これに−78℃でn−ブチルリチウムのn−ヘキサン溶液(1.6M)8.6ml(13.8mmol)を滴下した。滴下終了後、反応溶液を徐々に室温まで戻しながら12時間攪拌した。減圧下に溶媒を留去した後、トルエンとジエチルエーテルの混合溶媒(40:1)15mlを添加して−78℃に冷却し、これに四塩化ハフニウム2.2g(6.9mmol)を添加した。その後、直ちに室温まで戻し、5時間攪拌して反応を行った。得られた反応液をセライト上で濾過し、濾別された固体をトルエン5mlとヘキサン4mlで洗浄して回収した。回収した固体をジクロロメタン40mlで抽出し、抽出液から溶媒を留去し、ジメチルシリレンビス[1,1´−{2−メチル−4−(3−クロロフェニル)−4−ヒドロアズレニル}]ハフニウムジクロリドのラセミ・メソ混合物571mg(収率10%)を得た。
【0186】
(b)ラセミ体の精製;
更に、ジクロロメタン15mlに上記のラセミ・メソ混合物571mgを溶解し、100Wの高圧水銀灯を15分間照射することによりラセミ体の比率を高め、その後、不溶分を濾別し、回収した濾液を濃縮乾固した。次いで、得られた固体成分をトルエン5mlと共に攪拌し、フリットで濾過した。残った固体成分をトルエン3mlとヘキサン4mlで洗浄し、減圧下に乾燥することによりジメチルシリレンビス[1,1´−{2−メチル−4−(3−クロロフェニル)−4−ヒドロアズレニル}]ハフニウムジクロリドの290mgを得た。
【0187】
上記のラセミ体の1H−NMRのケミカルシフトは通りであった。300 MHz,CDCl3(ppm)0.95(s,6H,SiMe)、2.22(s,6H,2−Me)、 4.93〜4.97(br d,2H)、5.70〜5.90(m,6H)、5.97〜6.05(m,2H)、6.75(d,2H)、7.15〜7.27(m,6H,arom)、7.33(s,2H,arom)
【0188】
(2)プロピレンの重合:
実施例12(2)において、実施例12(1)で得られたラセミ体の代わりに上記の(1)で得たラセミ体1.22mgを使用する以外は実施例12(2)と同様の操作を行い、ポリプロピレン110gを得た。錯体活性は9.0×104、触媒活性は2200であった。ポリプロピレンのTmは152.4℃、MFRは0.5であった。
【0189】
実施例15
(1)ジメチルシリレンビス[1,1´−{2−メチル−4−(4−クロロフェニル)−4−ヒドロアズレニル}]ハフニウムジクロリドの合成:
1−ブロモ−4−クロロベンゼン4.5g(23.53mmol)のn−ヘキサン(30ml)とジエチルエーテル(30ml)の溶液に−78℃でt−ブチルリチウムのペンタン溶液(1.64M)29ml(47.0mmol)を滴下した。得られた溶液を−5℃で1.5時間攪拌後、この溶液に2−メチルアズレン3.0g(21.2mmol)を添加して反応を行った。この反応溶液を徐々に室温まで戻しながら1時間攪拌した。その後、反応溶液を−5℃に冷却し、1−メチルイミダゾール40μl(0.47mmol)を添加し、更に、ジクロロジメチルシラン1.28ml(10.59mmol)を添加した。反応溶液を室温で1.5時間攪拌後、希塩酸を添加して反応を停止し、分液した有機相を減圧下に濃縮し、溶媒を留去した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン/n−ヘキサン)で精製し、アモルファス状の固体2.74gを得た。
【0190】
次に、上記の反応生成物を乾燥ジエチルエーテル20mlに溶解し、これに−78℃でn−ブチルリチウムのn−ヘキサン溶液(1.54M)6.3ml(9.72mmol)を滴下した。滴下終了後、反応溶液を徐々に室温まで戻しながら12時間攪拌した。減圧下に溶媒を留去した後、乾燥トルエンと乾燥ジエチルエーテルの混合溶媒(40:1)15mlを添加して−78℃に冷却し、これに四塩化ハフニウム1.56g(4.86mmol)を添加した。その後、直ちに室温まで戻し、4時間攪拌して反応を行った。得られた反応液をセライト上で濾過し、濾別された固体をジクロロメタン(90ml)で抽出し、抽出液から溶媒を留去し、ジメチルシリレンビス[1,1´−{2−メチル−4−(4−クロロフェニル)−4−ヒドロアズレニル}]ハフニウムジクロリドのラセミ体320mg(収率7%)を得た。
【0191】
上記のラセミ体の1H−NMRのケミカルシフトは以下の通りであった。300MHz,CDCl3(ppm)δ0.95(s,6H,SiMe2)、2.21(s,6H,2-Me)、4.92〜4.96(br d,2H)、5.70〜6.15(m,8H)、6.78(d,2H)、7.28(s,8H,arom)
【0192】
(2)プロピレンの重合:
実施例6の(2)において、成分(a)として上記(1)で得られたジメチルシリレンビス[1,1'−{2−メチル−4−(4−クロロフェニル)−4−ヒドロアズレニル}]ハフニウムジクロリドのラセミ体を使用した以外は、実施例6の(2)と同様の操作を行い、ポリプロピレン146gを得た。触媒活性は2900、錯体活性は12.0×104 であった。ポリプロピレンのTmは150.6℃、MFRは0.4、MWは5.6×105 、Qは3.1であった。
【0193】
実施例16
(1)粘土鉱物の化学処理および造粒:
市販のモンモリロナイト(クニミネ工業製「クニピアF」)3kgを振動ミルにより粉砕し、3%の硫酸水溶液16Lに分散させ、硫酸マグネシウム2.1Kgを追加した後、90℃で3時間攪拌した。その後、固体を濾別して水洗し、pHを5以上に調整した。次いで、固形分濃度15%のスラリーを調整し、スプレードライヤーにより噴霧造粒を行った。このようにして得られた粒子の形状は球状であった。200mlフラスコに上記で得た化学処理モンモリロナイト10.0gを入れ、減圧下、300℃で2時間の加熱脱水処理を行い、成分(B)を得た。
【0194】
(2)固体触媒成分の調製および予備重合処理:
1Lの攪拌式オートクレーブ中にヘプタン400mlを導入し40℃に調整した。一方上記(1)で得た成分(B)10gを40.2mlトルエンに分散させ、トリエチルアルミニウムトルエン希釈液79.8ml(60mmol相当)を追加し、室温下1時間接触させた後、上澄み液を抜き出し、固体部をトルエンで洗浄し、上記オートクレーブに導入した。次いで、実施例15(1)で得たジメチルシリレンビス{1、1´−(2−メチル−4−(4−クロロフェニル)−4−ヒドロアズレニル)}ハフニウムジクロリドのトルエン溶液48.8ml(0.10mmol相当)を導入し、更に、トリイソブチルアルミニウムトルエン希釈液4.96ml(4mmol相当)を滴下し、プロピレンをフィードして重合を開始した。プロピレン圧力は5kgf/cm2Gに保ち15分重合した。重合終了後、重合スラリーを抜き出し、上澄みを除去した後、40℃で3時間減圧乾燥し、乾燥触媒を得た。予備重合量は成分(B)1g当たり3.1gであった。
【0195】
(3)プロピレンの重合:
3Lの攪拌式オートクレーブにトリイソブチルアルミニウム0.4g、プロピレン1.5Lを導入し、30℃の条件下、上記(2)で得た乾燥触媒30mg(ただし予備重合量を除いた成分(B)として)を圧送し、次いで、75℃に昇温し1時間重合した。重合終了後、プロピレンをパージして重合ポリマーを回収した。結果を表3及び表4に示す。
【0196】
実施例17及び18
<プロピレンの重合>
実施例16(3)において、乾燥触媒導入後、表3に記載の量の水素を導入する以外は、実施例16(1)〜(3)の各操作および重合を行った。結果を表3及び表4に示す。
【0197】
実施例19
<プロピレンの重合>
実施例16(3)において、オートクレーブに導入する乾燥触媒の量を15mg(ただし予備重合量を除いた成分(B)として)に変更する以外は、実施例16(1)〜(3)の各操作および重合を行った。結果を表3及び表4に示す。
【0198】
実施例20
<プロピレン/エチレンのランダム共重合>
実施例16(3)において、オートクレーブに導入する乾燥触媒の量を15mg(ただし予備重合量を除いた成分(B)として)に変更すると共にオートクレーブにプロピレン1.5Lとエチレンを45g導入した以外は、実施例16(1)〜(3)の各操作および重合を行った。結果を表3及び表4に示す。
【0199】
実施例21〜23
実施例16において次の様に変更する以外は、実施例16(1)〜(3)の各操作および重合を行った。結果を表3及び表4に示す。
(1)固体触媒成分の調製および予備重合処理:
実施例16(2)において、成分(A)を表3に記載の化合物に変更する以外は、実施例16(2)と同一条件で乾燥触媒を得た。
(2)プロピレンの重合:
実施例16(3)において、上記(1)で得た乾燥触媒を50mg(ただし予備重合量を除いた成分(B)として)使用する以外は、実施例16(3)と同一条件で重合した。
【0200】
比較例3
実施例16(2)において、成分(B)として化学処理した粘土鉱物の代わりにシリカ担持のメチルアルモキサン(WITCO社製、Al原子含量23重量%)10gを使用し、成分(A)としてジメチルシリレンビス{1、1´−(2−メチル−4−フェニルヒドロアズレニル)}ジルコニウムジクロリドのトルエン溶液48.8ml(0.10mmol相当)を使用した以外は、実施例16(2)と同様にして予備重合触媒を得た。予備重合量は、シリカ担持のメチルアルモキサン1g当たり2.8gであった。次いで、実施例16(3)において、触媒を上記で得られた予備重合触媒に変更した以外は、実施例16(3)と同様にしてプロピレンの重合を行った。結果を表3及び表4に示す。
【0201】
【表4】
【0202】
a:ジメチルシリレンビス{1、1´−(2−メチル−4−(4−クロロフェニル)−4−ヒドロアズレニル)}ハフニウムジクロリド
b:ジメチルシリレンビス{1、1´−(2−メチル−4−(4−クロロフェニル)−4−ヒドロアズレニル)}ジルコニウムジクロリド
c:ジメチルシリレンビス{1、1´−(2−メチル−4−フェニル−4−ヒドロアズレニル)}ハフニウムジクロリド
d:ジメチルシリレンビス{1、1´−(2−メチル−4−フェニル−4−ヒドロアズレニル)}ジルコニウムジクロリド
【0203】
【表5】
【0204】
実施例24
(1)ジメチルシリレンビス{1,1´−(2−メチル−4−フェニル−7−イソプロピル−4−ヒドロアズレニル)}ジルコニウムジクロリドの合成:
2−メチル−5−イソプロピルアズレン0.97g(5.2mmol)のヘキサン20mlの溶液に0℃でフェニルリチウムのシクロヘキサン−ジエチルエーテル溶液(1.08M)4.9ml(5.2mmol)を滴下した。得られた溶液を徐々に室温まで戻しながら1時間攪拌した後、反応溶液を0℃に冷却し、テトラヒドロフラン20mlとジメチルアミノピリジン12μl(0.15mmol)を添加し、更に、ジクロロジメチルシラン0.34g(2.6mmol)を添加した。反応溶液を室温で2時間攪拌後、希塩酸を添加して反応を停止し、有機相をヘキサンで抽出し、硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧下に溶媒を留去した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、暗緑色粉末1.4gを得た。
【0205】
次に、上記反応生成物1.4gをジエチルエーテル15mlに溶解し、これに−78℃でn−ブチルリチウムのn−ヘキサン溶液(1.54M)3.2ml(4.9mmol)を滴下した。滴下終了後、反応溶液を徐々に0℃まで戻して2時間攪拌した。減圧下溶媒を留去した後、トルエンとジエチルエーテルの混合溶媒(20:1)23mlを添加して−78℃に冷却し、これに四塩化ジルコニウム0.57g(2.4mmol)を添加した。その後、直ちに0℃まで戻して1時間攪拌し、更に、室温まで戻して6時間攪拌した。得られた反応液をセライト上で濾別し、濾別された固体をトルエン3mlで洗浄して回収した。回収した固体をジクロロメタンで抽出し、抽出液から溶媒を留去し、ジメチルシリレンビス{1,1´−(2−メチル−4−フェニル−7−イソプロピル−4−ヒドロアズレニル)}ジルコニウムジクロリドのラセミ・メソ混合物0.11g(収率6%)を得た。
【0206】
上記のラセミ・メソ混合物の1H−NMRのケミカルシフトは次の通りであった。300MHz,C6D6(ppm)0.55(s,メソ体SiMe)、0.57(s,ラセミ体SiMe)、0.60(s,メソ体SiMe)、1.00(d,iPr−Me)、1.12(d,iPr−Me)、1.88(s,2−Me)、1.90(s,2−Me)、3.1(m,iPr−CH)、5.26(br s,4−H)、5.28(br s,4−H)、5.7−5.9(m,−CH=)、7.0−7.5(m,−CH=)
【0207】
(2)プロピレンの重合:
(a)粘土鉱物の化学処理;
実施例11(2)と同様の操作により、33mg/mlのモンモリロナイト−トルエンスラリーを得た。
【0208】
(b)重合;
内容積2Lの攪拌式オートクレーブ中にトリイソブチルアルミニウム(東ソー・アクゾ社製)0.5mmol(Al原子換算)を導入した。一方、破裂板付き触媒フィーダーに上記の(1)で得たラセミ・メソ混合物1.8mgをトルエンで希釈して導入し、更に、モンモリロナイト100mgを含む上記のスラリー及びトリイソブチルアルミニウム0.03mmmol(Al原子換算)を導入した。その後、オートクレーブにプロピレン1500mlを導入し、室温で破裂板をカットし、80℃に昇温して1時間重合を行い、ポリプロピレン37gを得た。触媒活性は370、錯体活性は2.1×104 であった。ポリプロピレンのTmは146.0℃、MFRは143、MWは1.4×105 、Qは2.2であった。
【0209】
実施例25
(1)ジメチルシリレンビス{1,1´−(2−エチル−4−フェニル−7−イソプロピル−4−ヒドロアズレニル)}ジルコニウムジクロリドの合成:
2−エチル−5−イソプロピルアズレン1.54g(7.8mmol)のヘキサン20mlの溶液に0℃でフェニルリチウムのシクロヘキサン−ジエチルエーテル溶液(1.08M)7.2ml(7.8mmol)を滴下した。得られた溶液を徐々に室温まで戻しながら1時間攪拌した後、反応溶液を0℃に冷却し、テトラヒドロフラン20mlとジメチルアミノピリジン12μl(0.15mmol)を添加し、更に、ジクロロジメチルシラン0.50g(3.9mmol)を添加した。反応溶液を室温で2時間攪拌後、希塩酸を添加して反応を停止し、有機相をヘキサンで抽出し、硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧下に溶媒を留去し、暗緑色粉末2.5gを得た。
【0210】
次に、上記反応生成物2.5gをジエチルエーテル30mlに溶解し、これに−78℃でn−ブチルリチウムのn−ヘキサン溶液(1.59M)4.9ml(7.8mmol)を滴下した。滴下終了後、反応溶液を徐々に室温まで戻しながら4時間攪拌した。減圧下溶媒を留去した後、トルエンとジエチルエーテルの混合溶媒(20:1)20mlを添加して−78℃に冷却し、これに四塩化ジルコニウム0.91g(3.9mmol)を添加した。その後、直ちに0℃まで戻して1時間攪拌し、更に、室温まで戻して11時間攪拌した。得られた反応液をセライト上で濾別し、濾別された固体をトルエン3mlで洗浄して回収した。回収した固体をジクロロメタンで抽出し、抽出液から溶媒を留去し、ジメチルシリレンビス{1,1´−(2−メチル−4−フェニル−7−イソプロピル−4−ヒドロアズレニル)}ジルコニウムジクロリドのラセミ・メソ混合物0.4g(収率7%)を得た。
【0211】
上記のラセミ・メソ混合物の1H−NMRのケミカルシフトは次の通りであった。300MHz,C6D6(ppm)0.58(s,メソ体SiMe)、0.60(s,ラセミ体SiMe)、0.62(s,メソ体SiMe)、1.1(m,iPr−Me、Et−Me)、1.92(q,Et−CH2)、1.98(q,Et−CH2)、3.2(m,iPr−CH)、5.26(br s,4−H)、5.29(br s,4−H)、5.7−5.9(m,−CH=)、7.0−7.5(m,−CH=)
【0212】
(2)プロピレンの重合:
内容積1Lの攪拌式オートクレーブ中にトリイソブチルアルミニウム(東ソー・アクゾ社製)0.25mmol(Al原子換算)を導入した。一方、破裂板付き触媒フィーダーに実施例24(1)で得たラセミ・メソ混合物0.8mgをトルエンで希釈して導入し、更に、実施例29(1)で得たトリエチルアルミニウム処理モンモリロナイト50mg及びトリイソブチルアルミニウム0.15mmmol(Al原子換算)を導入した。その後、オートクレーブにプロピレン700mlを導入し、室温で破裂板をカットし、80℃に昇温して1時間重合を行い、ポリプロピレン4gを得た。触媒活性は76、錯体活性は5.0×103であった。ポリプロピレンのTmは148.4℃、MWは1.5×105 、Qは2.8であった。
【0213】
実施例26
(1)ジメチルシリレンビス{1,1´−(2−メチル−4−フェニル−6−イソプロピル−4−ヒドロアズレニル)ジルコニウムジクロリド(成分(A))の合成:
(a)2−トシル−4−イソプロピルトロポロンの合成;
ヒノキチオール(10.2g、62.3mmol)をピリジン(20ml)に溶解し、トシルクロライド(12.1g、63.5mmol)のピリジン溶液(20ml)を室温で加え、トルエンで抽出した。有機相を硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下に溶媒を留去し、2−トシル−4−イソプロピルトロポロンと2−トシル−6−イソプロピルトロポロンの混合物(20.7g)を得た。
【0214】
(b)1−メトキシカルボニル−6−イソプロピルシクロヘプタフラン−2−オンの合成;
上記(a)で得た混合物(17.6g、55.5mmol)とジメチルマロン酸(10.8ml、94.3mmol)のメタノール(100ml)溶液に、メタノール(100ml)とナトリウム(2.1g、94.3mmol)から調製したナトリウムメトキシドの溶液を0℃で加えた。そして、0℃で1時間、室温で一夜攪拌した。溶媒を減圧下に留去し、水を加えた後、ヘキサン・酢酸エチルで抽出した。有機相を硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下に溶媒を留去し、1−メトキシカルボニル−6−イソプロピルシクロヘプタフラン−2−オンの精製物(12.2g)を得た。
【0215】
(c)1−メトキシカルボニル−2−メチル−6−イソプロピルアズレンの合成;
1−メトキシカルボニル−6−イソプロピルシクロヘプタフラン−2−オンの粗生成物(12.2g)にアセトン(600ml)とジエチルアミン(200ml)を加え、15時間断続的に加熱還流させた。その後、減圧下に溶媒を留去し、得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒ヘキサン:酢酸エチル=5:1)により精製し、1−メトキシカルボニル−2−メチル−6−イソプロピルアズレン(3.93g)を得た。
【0216】
(d)2−メチル−6−イソプロピルアズレンの合成;
1−メトキシカルボニル−2−メチル−6−イソプロピルアズレン(3.93g、16.2mmol)にリン酸(70ml)を加え、100℃で1時間加熱した。得られた反応液を水酸化ナトリウム(30g)の水溶液(300ml)に加え、ヘキサンで抽出し、有機相を硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下に溶媒を留去した。得られた粗生成物をシリカゲル上で濾過し、濾別された固形分から溶媒を留去し、2−メチル−6−イソプロピルアズレン(2.23g、75%)を得た。
【0217】
(e)ビス{1,1´−(2−メチル−4−フェニル−6−イソプロピル−1,4−ジヒドロアズレニル)}ジメチルシランの合成;
上記で得た2−メチル−6−イソプロピルアズレン(2.08g、 11.3mmol)のヘキサン(40ml)溶液にフェニルリチウム(12.1mmol、1.0M)のジエチルエーテル・シクロヘキサン溶液を0℃で加えた。室温で2時間攪拌した後、−10℃でテトラヒドロフラン(30ml)を加えた。−30℃でジクロロジメチルシラン(0.68ml、5.64mmol)を加え、室温で1時間、45℃で2時間攪拌した。室温で一夜放置した後、塩化アンモニア水溶液を反応液に加えて分液した。有機相を硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下に溶媒を留去し、得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒ヘキサン:ジクロロメタン=10:1から5:1)により精製し、ビス{1,1´−(2−メチル−4−フェニル−6−イソプロピル−1,4−ジヒドロアズレニル)}ジメチルシラン(1.23g、38%)を得た。
【0218】
(f)ジメチルシリレンビス{1,1´−(2−メチル−4−フェニル−6−イソプロピル−4−ヒドロアズレニル)ジルコニウムジクロリドの合成;
上記で得たビス{1,1´−(2−メチル−4−フェニル−6−イソプロピル−1,4−ジヒドロアズレニル)}ジメチルシラン(1.2g、2.07mmol)のジエチルエーテル(20ml)溶液にノルマルブチルリチウム(4.55mmol、1.63M)のヘキサン溶液を−78℃で加えた。室温で一夜攪拌した後、溶媒を留去し、ヘキサンで洗浄し、再び乾固した。これに、トルエン(20ml)とジエチルエーテル(0.5ml)を加えて溶液とし、−70℃で四塩化ジルコニウム(434mg、1.89mmol)を加えた。反応液を除々に室温まで戻して一夜放置した。その後、セライト上で濾過し、濾別された固形分から減圧下に溶媒を留去した。ジクロロメタン(1ml)に再び溶解し、ヘキサン(10ml)を加えたが、沈殿は生成しなかった。この溶液を減圧下に乾固し、ジメチルシリレンビス{1,1´−(2−メチル−4−フェニル−6−イソプロピル−4−ヒドロアズレニル)ジルコニウムジクロリド(1.36g)を得た。
【0219】
(2)プロピレンの重合:
実施例1の(4)において、成分(A)として上記で得たジメチルシリレンビス{1,1´−(2−メチル−4−フェニル−6−イソプロピル−4−ヒドロアズレニル)ジルコニウムジクロリド使用した以外は、実施例1の(4)と同様の操作を行い、ポリプロピレン120gを得た。触媒活性は1200、錯体活性は11.6×104であった。ポリプロピレンのTmは148.5℃、MFRは8.8、MWは2.4×105 、Qは2.8であった。
【0220】
参考例4
<メチルアルモキサンを助触媒とするプロピレンの重合>
内容積2Lの撹拌式オートクレーブ中にメチルアルモキサン(東ソー・アクゾ社製「MMAO」)4mmol(Al原子換算)及び実施例26(1)で得たジメチルシリレンビス{1,1´−(2−メチル−4−フェニル−6−イソプロピル−4−ヒドロアズレニル)ジルコニウムジクロリド(1mg)をトルエンで希釈して導入した。その後、オートクレーブにプロピレン1500mlを導入し、70℃に昇温して1時間の重合操作を行い、ポリプロピレン70.4gを得た。錯体活性は7.0×104 であった。ポリプロピレンのTmは149.8℃、MFRは7.9、MWは2.6×105 、Qは2.8であった。
【0221】
【発明の効果】
以上説明した本発明の重合方法によれば、分子量分布や組成分布が狭く透明性や力学的強度に優れ、しかも、良好な流動性を有するオレフィン重合体が得られる。
Claims (8)
- 次の必須成分(A)及び(B)と任意成分(C)を含有することを特徴とするα−オレフィン重合用触媒。
(A)下記一般式(I)で表される遷移金属化合物
(B)珪酸塩を除くイオン交換性層状化合物または無機珪酸塩(C)有機アルミニウム化合物 - 遷移金属化合物として、一般式(I)のA1及びA2が共役五員環配位子であり、そして、少なくともその一方が共役五員環配位子上の隣接した置換基が結合して五員環の2原子を含めて7員の縮合環を有し且つ当該7員の縮合環の4位はフェニル基またはナフチル基で置換され、7員の縮合環の4位がフェニル基で置換されている場合は、当該フェニル基の3位がクロロ基あるいは4位がフルオロ基、クロロ基またはトリフルオロメチル基で置換されていてもよく、共役五員環配位子または縮合環を有する共役五員環配位子上にさらに置換基を有していてもよく、当該置換基は、炭素数1〜20の炭化水素基、ケイ素、酸素、窒素、燐、硼素もしくは硫黄の何れかの原子を含有する炭素数1〜20の炭化水素基、ハロゲン原子または炭素数1〜20のハロゲン化炭化水素基であり、Qが、二つの五員環を結合する、炭素数1〜20の2価の炭化水素基またはハロゲン化炭化水素基、炭素数1〜20の炭化水素基またはハロゲン化炭化水素基を有していてもよいシリレン基またはオリゴシリレン基、炭素数1〜20の炭化水素基またはハロゲン化炭化水素基を有していてもよいゲルミレン基の何れかである遷移金属化合物を使用する請求項1に記載のα−オレフィン重合用触媒。
- 遷移金属化合物として、一般式(I)のA1及びA2 の何れか一方が7員の縮合環を有し、他方が7〜10員の縮合環を有する遷移金属化合物を使用する請求項1に記載のα−オレフィン重合用触媒。
- 遷移金属化合物として、一般式(I)のMがZrである遷移金属化合物を使用する請求項1に記載のα−オレフィン重合用触媒。
- 遷移金属化合物として、一般式(I)のMがHfである遷移金属化合物を使用する請求項1に記載のα−オレフィン重合用触媒。
- 一般式(I)で表される遷移金属化合物が以下の化合物群から選択される請求項1〜6の何れかに記載のα−オレフィン重合用触媒。
(1) メチレンビス{1 , 1´−(2−メチル−4−フェニル−4−ヒドロアズレニル)}ジルコニウムジクロリド、
(2) メチレンビス{1 , 1´−(2−エチル−4−フェニル−4−ヒドロアズレニル)}ジルコニウムジクロリド、
(3) メチレンビス{1 , 1´−(2−メチル−4−フェニル−6−イソプロピル−4−ヒドロアズレニル)}ジルコニウムジクロリド、
(4) メチレンビス{1 , 1´−(2−メチル−4−フェニル−7−イソプロピル−4−ヒドロアズレニル)}ジルコニウムジクロリド、
(5) メチレンビス{1 , 1´−(2−メチル−4−フェニル−4 , 5 , 6 , 7 , 8−ペンタヒドロアズレニル)}ジルコニウムジクロリド、
(6) メチレンビス{1 , 1´−(4−フェニル−4−ヒドロアズレニル)}ジルコニウムジクロリド、
(7) メチレンビス{1 , 1´−(4−ナフチル−4−ヒドロアズレニル)}ジルコニウムジクロリド、
(8) エチレンビス{1 , 1´−(2−メチル−4−フェニル−4−ヒドロアズレニル)}ジルコニウムジクロリド、
(9) エチレンビス{1 , 1´−(2−エチル−4−フェニル−4−ヒドロアズレニル)}ジルコニウムジクロリド、
(10) エチレンビス{1 , 1´−(2−メチル−4−フェニル−6−イソプロピル−4−ヒドロアズレニル)}ジルコニウムジクロリド、
(11) エチレンビス{1 , 1´−(2−メチル−4−フェニル−7−イソプロピル−4−ヒドロアズレニル)}ジルコニウムジクロリド、
(12) エチレンビス{1 , 1´−(2−メチル−4−フェニル−4 , 5 , 6 , 7 , 8−ペンタヒドロアズレニル)}ジルコニウムジクロリド、
(13) エチレンビス{1 , 1´−(4−フェニル−4−ヒドロアズレニル)}ジルコニウムジクロリド、
(14) エチレンビス{1 , 1´−(4−ナフチル−4−ヒドロアズレニル)}ジルコニウムジクロリド、
(15) エチレン{1−(2−メチル−4−フェニルインデニル)}{1−(2−メチル−4−フェニル−4−ヒドロアズレニル)}ジルコニウムジクロリド、
(16) エチレン{1−(2−メチル−4 , 5−ベンゾインデニル)}{1−(2−エチル−4−フェニル−4−ヒドロアズレニル)}ジルコニウムジクロリド、
(17) エチレン{1−(2 , 4 , 7−トリメチルインデニル)}{1−(2−メチル−4−フェニル−6−イソプロピル−4−ヒドロアズレニル)}ジルコニウムジクロリド、
(18) エチレン{1−(2−エチル−4 , 5−ベンゾインデニル)}{1−(2−メチル−4−フェニル−7−イソプロピル−4−ヒドロアズレニル)}ジルコニウムジクロリド、
(19) エチレン{1−(2− t −ブチル−4−メチルシクロペンタジエニル)}{1−(2−メチル−4−フェニル−4 , 5 , 6 , 7 , 8−ペンタヒドロアズレニル)}ジルコニウムジクロリド、
(20) エチレン{1−(2−フェニルインデニル)}{1−(4−フェニル−4−ヒドロアズレニル)}ジルコニウムジクロリド、
(21) エチレン{1−(2− t −ブチルインデニル)}{1−(4−ナフチル−4−ヒドロアズレニル)}ジルコニウムジクロリド、
(22) ジメチルメチレンビス{1 , 1´−(2−メチル−4−フェニル−4−ヒドロアズレニル)}ジルコニウムジクロリド、
(23) ジメチルメチレンビス{1 , 1´−(2−エチル−4−フェニル−4−ヒドロアズレニル)}ジルコニウムジクロリド、
(24) ジメチルメチレンビス{1 , 1´−(2−メチル−4−フェニル−6−イソプロピル −4−ヒドロアズレニル)}ジルコニウムジクロリド、
(25) ジメチルメチレンビス{1 , 1´−(2−メチル−4−フェニル−7−イソプロピル−4−ヒドロアズレニル)}ジルコニウムジクロリド、
(26) ジメチルメチレンビス{1 , 1´−(2−メチル−4−フェニル−4 , 5 , 6 , 7 , 8−ペンタヒドロアズレニル)}ジルコニウムジクロリド、
(27) ジメチルメチレンビス{1 , 1´−(4−フェニル−4−ヒドロアズレニル)}ジルコニウムジクロリド、
(28) ジメチルメチレンビス{1 , 1´−(4−ナフチル−4−ヒドロアズレニル)}ジルコニウムジクロリド、
(29) ジメチルメチレン{1−(2−メチル−4−フェニルインデニル)}{1−(2−メチル−4−フェニル−4−ヒドロアズレニル)}ジルコニウムジクロリド
(30) ジメチルメチレン{1−(2−メチル−4 , 5−ベンゾインデニル)}{1−(2−エチル−4−フェニル−4−ヒドロアズレニル)}ジルコニウムジクロリド、
(31) ジメチルメチレン{1−(2 , 4 , 7−トリメチルインデニル)}{1−(2−メチル−4−フェニル−6−イソプロピル−4−ヒドロアズレニル)}ジルコニウムジクロリド、
(32) ジメチルメチレン{1−(2−エチル−4 , 5−ベンゾインデニル)}{1−(2−メチル−4−フェニル−7−イソプロピル−4−ヒドロアズレニル)}ジルコニウムジクロリド、
(33) ジメチルメチレン{1−(2− t −ブチル−4−メチルシクロペンタジエニル)}{1−(2−メチル−4−フェニル−4 , 5 , 6 , 7 , 8−ペンタヒドロアズレニル)}ジルコニウムジクロリド、
(34) ジメチルメチレン{1−(2−フェニルインデニル)}{1−(4−フェニル−4−ヒドロアズレニル)}ジルコニウムジクロリド、
(35) ジメチルメチレン{1−(2− t −ブチルインデニル)}{1−(4−ナフチル−4−ヒドロアズレニル)}ジルコニウムジクロリド、
(36) ジメチルシリレンビス{1 , 1´−(2−メチル−4−フェニル−4−ヒドロアズレニル)}ジルコニウムジクロリド、
(37) ジメチルシリレンビス[1 , 1´−{2−メチル−4−(4−フルオロフェニル)−4−ヒドロアズレニル)}]ジルコニウムジクロリド、
(38) ジメチルシリレンビス[1 , 1´−{2−メチル−4−(4−クロロフェニル)−4−ヒドロアズレニル)}]ジルコニウムジクロリド、
(39) ジメチルシリレンビス[1 , 1´−{2−メチル−4−(4−トリフルオロメチルフェニル)−4−ヒドロアズレニル)}]ジルコニウムジクロリド、
(40) ジメチルシリレンビス{1 , 1´−(2−エチル−4−フェニル−4−ヒドロアズレニル)}ジルコニウムジクロリド、
(41) ジメチルシリレンビス{1 , 1´−(2−メチル−4−フェニル−6−イソプロピル−4−ヒドロアズレニル)}ジルコニウムジクロリド、
(42) ジメチルシリレンビス{1 , 1´−(2−メチル−4−フェニル−7−イソプロピル−4−ヒドロアズレニル)}ジルコニウムジクロリド、
(43) ジメチルシリレンビス{1 , 1´−(2−メチル−4−フェニル−4 , 5 , 6 , 7 , 8−ペンタヒドロアズレニル)}ジルコニウムジクロリド、
(44) ジメチルシリレンビス{1 , 1´−(4−フェニル−4−ヒドロアズレニル)}ジルコニウムジクロリド、
(45) ジメチルシリレンビス{1 , 1´−(4−ナフチル−4−ヒドロアズレニル)}ジルコニウムジクロリド、
(46) ジメチルシリレン{1−(2−メチル−4−フェニルインデニル)}{1−(2−メチル−4−フェニル−4−ヒドロアズレニル)ジルコニウムジクロリド、
(47) ジメチルシリレン{1−(2−メチル−4 , 5−ベンゾインデニル)}{1−(2−エチル−4−フェニル−4−ヒドロアズレニル)}ジルコニウムジクロリド、
(48) ジメチルシリレン{1−(2 , 4 , 7−トリメチルインデニル)}{1−(2−メチル−4−フェニル−6−イソプロピル−4−ヒドロアズレニル)}ジルコニウムジクロリド、
(49) ジメチルシリレン{1−(2−エチル−4 , 5−ベンゾインデニル)}{1−(2−メチル−4−フェニル−7−イソプロピル−4−ヒドロアズレニル)}ジルコニウムジクロリド、
(50) ジメチルシリレン{1−(2− t −ブチル−4−メチルシクロペンタジエニル)}{1−(2−メチル−4−フェニル−4 , 5 , 6 , 7 , 8−ペンタヒドロアズレニル)}ジルコニウムジクロリド、
(51) ジメチルシリレン{1−(2−フェニルインデニル)}{1−(4−フェニル−4−ヒドロアズレニル)}ジルコニウムジクロリド、
(52) ジメチルシリレン{1−(2− t −ブチルインデニル)}{1−(4−ナフチル−4−ヒドロアズレニル)}ジルコニウムジクロリド、
(53) (メチル)(フェニル)シリレンビス{1 , 1´−(2−メチル−4−フェニル−4−ヒドロアズレニル)}ジルコニウムジクロリド、
(54) (メチル)(フェニル)シリレンビス{1 , 1´−(2−エチル−4−フェニル−4−ヒドロアズレニル)}ジルコニウムジクロリド、
(55) (メチル)(フェニル)シリレンビス{1 , 1´−(2−メチル−4−フェニル−6−イソプロピル−4−ヒドロアズレニル)}ジルコニウムジクロリド、
(56) (メチル)(フェニル)シリレンビス{1 , 1´−(2−メチル−4−フェニル−7−イソプロピル−4−ヒドロアズレニル)}ジルコニウムジクロリド、
(57) (メチル)(フェニル)シリレンビス{1 , 1´−(2−メチル−4−フェニル−4 , 5 , 6 , 7 , 8−ペンタヒドロアズレニル)}ジルコニウムジクロリド、
(58) ジフェニルシリレンビス{1 , 1´−(2−メチル−4−フェニル−4−ヒドロアズレニル)}ジルコニウムジクロリド、
(59) ジフェニルシリレンビス{1 , 1´−(2−エチル−4−フェニル−4−ヒドロアズレニル)}ジルコニウムジクロリド、
(60) ジフェニルシリレンビス{1 , 1´−(2−メチル−4−フェニル−6−イソプロピル−4−ヒドロアズレニル)}ジルコニウムジクロリド、
(61) ジフェニルシリレンビス{1 , 1´−(2−メチル−4−フェニル−7−イソプロピル−4−ヒドロアズレニル)}ジルコニウムジクロリド、
(62) ジフェニルシリレンビス{1 , 1´−(2−メチル−4−フェニル−4 , 5 , 6 , 7 , 8−ペンタヒドロアズレニル)}ジルコニウムジクロリド、
(63) テトラメチルジシリレンビス{1 , 1´−(2−メチル−4−フェニル−4−ヒドロアズレニル)}ジルコニウムジクロリド、
(64) テトラメチルジシリレンビス{1 , 1´−(2−エチル−4−フェニル−4−ヒドロアズレニル)}ジルコニウムジクロリド、
(65) テトラメチルジシリレンビス{1 , 1´−(2−メチル−4−フェニル−6−イソプロピル−4−ヒドロアズレニル)}ジルコニウムジクロリド、
(66) テトラメチルジシリレンビス{1 , 1´−(2−メチル−4−フェニル−7−イソプロピル−4−ヒドロアズレニル)}ジルコニウムジクロリド、
(67) テトラメチルジシリレンビス{1 , 1´−(2−メチル−4−フェニル−4 , 5 , 6 , 7 , 8−ペンタヒドロアズレニル)}ジルコニウムジクロリド、
(68) ジメチルゲルミレンビス{1 , 1´−(2−メチル−4−フェニル−4−ヒドロアズレニル)}ジルコニウムジクロリド、
(69) ジメチルゲルミレンビス{1 , 1´−(2−エチル−4−フェニル−4−ヒドロアズレニル)}ジルコニウムジクロリド、
(70) ジメチルゲルミレンビス{1 , 1´−(2−メチル−4−フェニル−6−イソプロピル−4−ヒドロアズレニル)}ジルコニウムジクロリド、
(71) ジメチルゲルミレンビス{1 , 1´−(2−メチル−4−フェニル−7−イソプロピ ル−4−ヒドロアズレニル)}ジルコニウムジクロリド、
(72) ジメチルゲルミレンビス{1 , 1´−(2−メチル−4−フェニル−4 , 5 , 6 , 7 , 8−ペンタヒドロアズレニル)}ジルコニウムジクロリド、
(73) ジメチルシリレンビス{1 , 1´−(2−トリフルオロメチル−4−フェニル−4−ヒドロアズレニル)}ジルコニウムジクロリド、
(74) シラシクロヘキシリデンビス{1 , 1´−(2−メチル−4−フェニル−4−ヒドロアズレニル)}ジルコニウムジクロリド、
(75) ジメチルシリレンビス[1 , 1´−{2−メチル−4−(3−クロロフェニル)−4−ヒドロアズレニル}]ジルコニウムジクロリド、
(76) ジメチルシリレンビス{1 , 1´−(2−ベンジル−4−フェニル−4 , 5 , 6 , 7 , 8−ペンタヒドロアズレニル)}ジルコニウムジクロリド、
(77) ジメチルシリレンビス[1 , 1´−{2−ベンジル−4−(4−クロロフェニル)−4 , 5 , 6 , 7 , 8−ペンタヒドロアズレニル}]ジルコニウムジクロリド、
(78) ジメチルシリレンビス[1 , 1´−{2−ベンジル−4−(4−フロロフェニル)−4 , 5 , 6 , 7 , 8−ペンタヒドロアズレニル}]ジルコニウムジクロリド、
(79) ジメチルシリレンビス[1 , 1´−{2−ベンジル−4−(1−ナフチル)−4 , 5 , 6 , 7 , 8−ペンタヒドロアズレニル}]ジルコニウムジクロリド、
(80) ジメチルシリレンビス[1 , 1´−{2−ベンジル−4−(2−ナフチル)−4 , 5 , 6 , 7 , 8−ペンタヒドロアズレニル}]ジルコニウムジクロリド、
(81) ジメチルシリレンビス{1 , 1´−(2−ベンジル−4−フェニル−7−イソプロピル−4 , 5 , 6 , 7 , 8−ペンタヒドロアズレニル)}ジルコニウムジクロリド、
(82) ジメチルシリレンビス[1 , 1´−{2−(1−フェニルエチル)−4−フェニル−4 , 5 , 6 , 7 , 8−ペンタヒドロアズレニル}]ジルコニウムジクロリド、
(83) ジメチルシリレンビス[1 , 1´−{2−(1−フェニルエチル)−4−フェニル−7−イソプロピル−4 , 5 , 6 , 7 , 8−ペンタヒドロアズレニル}]ジルコニウムジクロリド、
(84) 9−シラフルオレン−9 , 9−ジイルビス{1 , 1´−(2−メチル−4−フェニル−4 , 5 , 6 , 7 , 8−ペンタヒドロアズレニル)}ジルコニウムジクロリド、
(85) 1−シラインデン−1 , 1−ジイルビス{1 , 1´−(2−メチル−4−フェニル−4 , 5 , 6 , 7 , 8−ペンタヒドロアズレニル)}ジルコニウムジクロリド、
(86) テトラメチル−1−シラシクロペンタジエン−1 , 1−ジイルビス{1 , 1´−(2−メチル−4−フェニル−4 , 5 , 6 , 7 , 8−ペンタヒドロアズレニル)}ジルコニウムジクロリド、
(87) 1−シラシクロ−3−ペンテン−1 , 1−ジイルビス{1 , 1´−(2−メチル−4−フェニル−4 , 5 , 6 , 7 , 8−ペンタヒドロアズレニル)}ジルコニウムジクロリド、
(88) 2 , 3−ブチレンビス{1 , 1−(2−メチル−4−フェニル−4−ヒドロアズレニル)}ジルコニウムジクロリド、
並びに、X及びY部分をなす塩素原子の一方または両方が、水素原子、フッ素原子、臭素原子、ヨウ素原子、メチル基、フェニル基、フルオロフェニル基、ベンジル基、メトキシ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、に代わった化合物、並びにその中心金属がジルコニウムの代わりに、チタン、ハフニウムに代わった化合物。 - 請求項1〜7の何れかに記載の触媒とα−オレフィンとを接触させて重合または共重合を行うことを特徴とするα−オレフィン重合体の製造方法。
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