JP2009001605A - プロピレン/エチレン−αオレフィン系ブロック共重合体の製造方法 - Google Patents
プロピレン/エチレン−αオレフィン系ブロック共重合体の製造方法 Download PDFInfo
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Abstract
【解決手段】架橋ビス−ヒドロアズレニル(ヒドロアズレニル環は5員環と7員環が縮環した構造)骨格を有するか、又は架橋ヒドロアズレニル−インデニル(インデニル環は5員環と6員環が縮環した構造)骨格を有する、ジルコニウム又はハフニウムの錯体の遷移金属化合物からなるメタロセン触媒を用いて、結晶性プロピレン重合体成分を製造する前段工程、及びエチレンと、炭素数4〜20のα−オレフィンから選ばれる少なくとも一種のコモノマーとの共重合体成分を気相重合で製造する後段工程からなるプロピレン/エチレン−αオレフィン系ブロック共重合体。
【選択図】なし
Description
そのため、ポリプロピレンの耐衝撃性を向上させるために、従来からポリプロピレンに、エチレン−プロピレン共重合体ゴム(EPR)、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体ゴム(EPDM)などの組成分布の狭いゴム状物質をブレンドすることが行われてきた。これらのゴム状物質は、近年、メタロセン触媒に代表される均一系触媒により製造され、これらのエチレン−高級α−オレフィン共重合体ゴム(α−オレフィンは炭素数4〜8のもの)をブレンドすることによる耐衝撃性の改良も開示されている(例えば、特許文献1、2参照。)。
しかしながら、このようなゴム状共重合体は、組成によっては一般に形状が扱いにくく、結晶性樹脂のようにペレット化して用いることができないなど、ブレンド操作の際に支障をきたす。また、ポリプロピレンに対してゴム状共重合体を添加する、所謂ポリマーブレンドの場合には、ゴム状共重合体の分散が十分でなく、物性面では、十分に高い剛性と耐衝撃性を両立することが困難であった。
このような所謂重合ブレンドでは、ゴム状共重合体の分散が改良されるため、物性が向上することが知られている。さらに、メタロセン触媒を用いた場合には、用いる遷移金属化合物の設計を最適化することで、より高い剛性と耐衝撃性を発揮させることができ、種々の特定構造を有する遷移金属化合物を用いたブロック共重合体の製造方法が開示されている。
例えば、メタロセン触媒を用いて多段重合を行うことで、高剛性かつ耐衝撃性に優れたプロピレン/エチレン−αオレフィン系ブロック共重合体を製造する方法が開示されている(例えば、特許文献6〜8参照。)。
しかしながら、溶媒を用いる液相重合では、生成するCPが溶媒へ溶解し、ポリマーを単離するためには、溶媒を留去する必要があるなど、効率的に製造することは困難であるという問題があった。
しかしながら、これらの遷移金属化合物を用いる場合には、工業的に実施可能な温度/圧力範囲で、十分に高いα−オレフィン含量のCPを効率的に製造ができないという問題があった。
以上の問題のため、工業的に実施可能な温度/圧力範囲で、十分に高いα−オレフィン含量のCPを効率的に製造するためには、より低い高級α−オレフィンの反応ガス組成条件下で、より高いα−オレフィン含量のCPを製造できる方法が望まれている。
また、上記開示された発明などにより、剛性並びに耐衝撃性は、ある程度改善されているものの、耐衝撃性を付与するエチレン−αオレフィン共重合体の分子量やコモノマー組成は、まだまだ改善の余地があり、これを満足するレベルにある該共重合体を有するプロピレン/エチレン−αオレフィン系ブロック共重合体を、安定的かつ効率的に製造する方法の開発が望まれている。
その過程において、ある特定の立体的な構造を有する遷移金属化合物を形成した場合に、プロピレン重合においては、高い立体規則性重合を保ちつつ、エチレンと炭素数4〜20のα−オレフィンとの共重合において、エチレンに比較したα−オレフィンの反応性が高められる事実を認識することができ、さらに、モデル化合物の勘案や実験的な実証などの結果において、特定の構造を有する遷移金属化合物からなるメタロセン触媒を用いることにより、同一反応ガス組成下において、より高いα−オレフィン含量のCPを有するプロピレン/エチレン−αオレフィン系ブロック共重合体を安定に効率よく製造できることを見出し、本発明を完成するに至った。
さらに、本発明の第3の発明によれば、第1の発明において、前記メタロセン触媒は、下記の一般式(II)で表される遷移金属化合物からなることを特徴とするプロピレン/エチレン−αオレフィン系ブロック共重合体の製造方法が提供される。
成分(A):一般式(I)で表される遷移金属化合物。
成分(B):有機アルミニウムオキシ化合物、及び成分(A)と反応して成分(A)をカチオンに変換することが可能なイオン性化合物又はルイス酸からなる群より選ばれる化合物。
成分(C):微粒子担体。
成分(A):一般式(I)で表される遷移金属化合物。
成分(D):イオン交換性層状化合物及び無機珪酸塩からなる群より選ばれる化合物。
成分(E):有機アルミニウム化合物。
(1)前記一般式(I)中において、Mは、ジルコニウム又はハフニウムであることを特徴とする上記のプロピレン/エチレン−αオレフィン系ブロック共重合体の製造方法。
(2)前記遷移金属化合物は、架橋ビス−ヒドロアズレニル(ヒドロアズレニル環は5員環と7員環が縮環した構造)骨格を有する化合物、又は架橋ヒドロアズレニル−インデニル(インデニル環は5員環と6員環が縮環した構造)骨格を有する化合物であることを特徴とする上記のプロピレン/エチレン−αオレフィン系ブロック共重合体の製造方法。
(3)前記遷移金属化合物は、架橋ビス−ヒドロアズレニル骨格を有する化合物であることを特徴とする上記のプロピレン/エチレン−αオレフィン系ブロック共重合体の製造方法。
(4)前記架橋ビス−ヒドロアズレニル骨格を有する化合物は、ジクロロ{1,1´−ジメチルシリレンビス[2−メチル−4−(4−クロロフェニル)−4H−アズレニル]}ジルコニウム、ジクロロ{1,1´−ジメチルシリレンビス[2−エチル−4−(2−フルオロ−4−ビフェニリル)−4H−アズレニル]}ハフニウム、又はジクロロ{1,1’−シラフルオレニルビス[2−エチル−4−(4−トリメチルシリル−3,5−ジクロロフェニル)−4H−アズレニル]}ハフニウムであることを特徴とする上記(3)のプロピレン/エチレン−αオレフィン系ブロック共重合体の製造方法。
この結果、より高いα−オレフィン含量のエチレン−αオレフィン共重合体を有し、低分子量成分の含有量が少なく、耐衝撃性に優れたプロピレン/エチレン−αオレフィン系ブロック共重合体を安定に製造できることが可能となると、推察される。
以下、使用する遷移金属化合物、触媒、重合工程、得られるプロピレン/エチレン−αオレフィン系ブロック共重合体の特徴について、詳細に説明する。
(1)遷移金属化合物の構造
本発明に係るメタロセン触媒におけるメタロセン錯体を形成する遷移金属化合物は、下記の一般式(I)で表される新規な遷移金属化合物である。
本発明に係る遷移金属化合物の錯体配位子は、化学的構造に基本的な特徴を有し、置換基としての立体的な配置に特異性を有すものであり、7〜10員環の縮環を有するシクロペンタジエニル骨格を基本骨格として有し、それらが架橋された構造を特徴とする。
更に、本発明に係る遷移金属化合物は、当然のことながら、縮環を有するシクロペンタジエニル骨格同士が、結合基Qを介して相対位置の観点において、M、X及びYを含む平面に関して対称性の異なる化合物(立体異性体)すなわち異性体(a;通常、rac異性体或いはanti体と呼ばれる)及び異性体(b;通常、meso異性体或いはsyn体と呼ばれる)を含むものである。
但し、高分子量のα−オレフィン重合体の製造を行うためには、ポリマー鎖の成長方向及びモノマーの配位方向を規制する作用の観点からして、上記の化合物(a)、つまり、M、X及びYを含む平面を挟んで対向する二個の配位子が当該平面に関して実体と鏡像の関係にない化合物を使用するのが好ましい。
なお、本発明に係る遷移金属化合物がオレフィン重合における特異な触媒機能を発揮する理由(メカニズム)は、段落[0020]〜[0022]に、既に詳しく記述している。
一般式(I)中において、R1、R2、R4及びR5は、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜10の炭化水素基、炭素数1〜18のケイ素含有炭化水素基または炭素数1〜18のハロゲン化炭化水素基を示す。
上記の炭素数1〜10の炭化水素基の具体例としては、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、s−ブチル、t−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシル、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル等のアルキル基、ビニル、プロペニル、シクロヘキセニル等のアルケニル基の他、フェニル基などが好ましく挙げられる。
また、上記の炭素数1〜18のケイ素含有炭化水素基の具体例としては、トリメチルシリル、トリエチルシリル、t−ブチルジメチルシリル等のトリアルキルシリル基、ビス(トリメチルシリル)メチル等のアルキルシリルアルキル基などが好ましく挙げられる。
具体例としては、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、クロロメチル、ジクロロメチル、トリクロロメチル、ブロモメチル、ジブロモメチル、トリブロモメチル、ヨードメチル、2,2,2−トリフルオロエチル、2,2,1,1−テトラフルオロエチル、ペンタフルオロエチル、ペンタクロロエチル、ペンタフルオロプロピル、ノナフルオロブチル、トリフルオロビニル、2−,3−,4−置換の各フルオロフェニル、2−,3−,4−置換の各クロロフェニル、2−,3−,4−置換の各ブロモフェニル、2,4−,2,5−,2,6−,3,5−置換の各ジフルオロフェニル、2,4−,2,5−,2,6−,3,5−置換の各ジクロロフェニル、2,4,6−トリフルオロフェニル、2,4,6−トリクロロフェニル、ペンタフルオロフェニル、ペンタクロロフェニルなどが挙げられる。
かかる結合部R3及びR6として、好ましいものは、炭素数3〜10の飽和または不飽和の2価の炭化水素結合基であり、具体例としてはトリメチレン、テトラメチレン、ペンタメチレン、ヘキサメチレン等の2価の飽和炭化水素基、プロペニレン、2−プロペン−1−イリデン、1−ブテニレン、2−ブテニレン、1,3−ブタジエニレン、1−ペンテニレン、2−ペンテニレン、1,3−ペンタジエニレン、1,4−ペンタジエニレン、1−ヘキセニレン、2−ヘキセニレン、3−ヘキセニレン、1,3−ヘキサジエニレン、1,4−ヘキサジエニレン、1,5−ヘキサジエニレン、2,4−ヘキサジエニレン、2,5−ヘキサジエニレン、1,3,5−ヘキサトリエニレン等の2価の不飽和炭化水素基等が好ましく、これらのうち、特に好ましくは、1,3−ブタジエニレン(すなわち6員環を形成する場合)あるいは、1,3−ヘキサジエニレン(すなわち7員環を形成する場合)等の炭素数4または5の2価の不飽和炭化水素であり、1,3−ヘキサジエニレン基がさらに好ましい結合基である。
具体的には、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、クロロメチル、ジクロロメチル、トリクロロメチル、ブロモメチル、ジブロモメチル、トリブロモメチル、ヨードメチル、2,2,2−トリフルオロエチル、2,2,1,1−テトラフルオロエチル、ペンタフルオロエチル、ペンタクロロエチル、ペンタフルオロプロピル、ノナフルオロブチル、トリフルオロビニル、1,1−ジフルオロベンジル、1,1,2,2−テトラフルオロフェニルエチル、o−、m−、p−フルオロフェニル、o−、m−、p−クロロフェニル、o−、m−、p−ブロモフェニル、2,4−、3,5−、2,6−、2,5−ジフルオロフェニル、2,4−、3,5−、2,6−、2,5−ジクロロフェニル、2,4,6−トリフルオロフェニル、2,4,6−トリクロロフェニル、ペンタフルオロフェニル、ペンタクロロフェニル、4−フルオロナフチル、4−クロロナフチル、2,4−ジフルオロナフチル、ヘプタフルオロ−1−ナフチル、ヘプタクロロ−1−ナフチル、o−、m−、p−トリフルオロメチルフェニル、o−、m−、p−トリクロロメチルフェニル、2,4−、3,5−、2,6−、2,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル、2,4−、3,5−、2,6−、2,5−ビス(トリクロロメチル)フェニル、2,4,6−トリス(トリフルオロメチル)フェニル、4−トリフルオロメチルナフチル、4−トリクロロメチルナフチル、2,4−ビス(トリフルオロメチル)ナフチル基などが挙げられる。
また、上記の炭素数1〜20の窒素含有炭化水素基の具体例としては、メチルアミノ、ジメチルアミノ、エチルアミノ、ジエチルアミノ等のアルキルアミノ基、フェニルアミノ、ジフェニルアミノ等のアリールアミノ基、(メチル)(フェニル)アミノ等の(アルキル)(アリール)アミノ基、ピラゾリル、インドリル等の窒素含有複素環基などが挙げられる。
Qの具体例としては、メチレン、メチルメチレン、ジメチルメチレン、1,2−エチレン、1,3−トリメチレン、1,4−テトラメチレン、1,2−シクロへキシレン、1,4−シクロへキシレン等のアルキレン基、ジフェニルメチレン等のアリールアルキレン基、メチルシリレンやジメチルシリレン等のアルキルシリレン基、メチルフェニルシリレン等の(アルキル)(アリール)シリレン基、ジフェニルシリレン等のアリールシリレン基等が例示できる。これらの炭化水素基は、N、P、O、Siあるいはハロゲン等のヘテロ原子を含有していてもよい。また、上記のケイ素をゲルマニウムに置換した架橋基であってもよい。上述のシリレン基等上に2個の炭化水素基が存在する場合は、それらが互いに結合して環構造を形成していてもよい。
上述した架橋基の中では、ジメチルシリレン、ジメチルゲルミレン、シラフルロオレニル基が特に好ましい。
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。
これらX及びYとしては、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20の炭化水素基、炭素数1〜20の窒素含有炭化水素基が好ましく、ハロゲン原子、炭素数1〜20の炭化水素基又は炭素数1〜20の窒素含有炭化水素基がさらに好ましく、塩素原子、メチル基、i−ブチル基、フェニル基、ベンジル基、ジメチルアミノ基又はジエチルアミノ基が特に好ましい。
具体的には、フルオロジメチルフェニル基、(フルオロメチル)メチルフェニル基、エチルフルオロフェニル基、ジエチルフルオロフェニル基、トリエチルフルオロフェニル基、フルオロi−プロピルフェニル基、フルオロジi−プロピルフェニル基、(フルオロi−プロピル)i−プロピルフェニル基、フルオロトリi−プロピルフェニル基、n−ブチルフルオロフェニル基、ジn−ブチルフルオロフェニル基、(フルオロブチル)ブチルフェニル基、トリn−ブチルフルオロフェニル基、t−ブチルフルオロフェニル基、ジt−ブチルフルオロフェニル基、トリt−ブチルフルオロフェニル基、フルオロビフェニリル基、フルオロp−テルフェニル基、フルオロm−テルフェニル基、フルオロナフチル基、フルオロアントリル基、フルオロフェナントリル基などが挙げられる。
炭化水素基の具体例としては、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチルなどのアルキル基、ビニル、プロペニル、などのアルケニル基などが挙げられる。
ハロゲン化炭化水素基は、ハロゲン原子が上記の炭化水素基の任意の位置に置換した化合物である。ハロゲンは、フッ素、塩素又は臭素が好ましく、中でもフッ素又は塩素が好ましい。
ハロゲン化炭化水素の具体例としては、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、クロロメチル、ジクロロメチルなどが挙げられる。
ケイ素含有炭化水素基の具体例としては、トリメチルシリル、トリエチルシリル、t−ブチルジメチルシリルなどのトリアルキルシリル基、トリメチルシリルメチル、トリエチルシリルメチルなどのトリアルキルシリルメチル基、ジメチルフェニルシリルメチル、ジメチルトリルシリルメチルなどのジ(アルキル)(アリール)シリルメチル基などが挙げられる。
これらの中で、R11〜R20は、水素原子が特に好ましい。
本発明に係る遷移金属化合物の好ましい具体例を以下に示す。
ところで、本発明では、新規な遷移金属化合物を主要な構成としているので、基本的には多数の遷移金属化合物の例示が必要であるが、明細書を簡潔簡明な記載とするために、遷移金属化合物の例示は、煩雑な記載を避けて主要な代表例にとどめている。
したがって、以下に列挙する遷移金属化合物以外の遷移金属化合物も、本願の特許請求の範囲において、記載される範囲内において全て包含される。例えば、以下の具体例において、ジルコニウムの代わりにチタニウム或いはハフニウム、ジクロライドの代わりに、他のX,Yである化合物も、例示されているに等しいといえる。
(1)ジクロロ{1,1’−ジメチルシリレンビス(2−メチル−4−フェニル−4H−アズレニル)}ジルコニウム
(2)ジクロロ[1,1’−ジメチルシリレンビス{2−メチル−4−(2−メチルフェニル)−4H−アズレニル}]ジルコニウム
(3)ジクロロ[1,1’−ジメチルシリレンビス{2−メチル−4−(3−メチルフェニル)−4H−アズレニル}]ジルコニウム
(4)ジクロロ[1,1’−ジメチルシリレンビス{2−メチル−4−(4−メチルフェニル)−4H−アズレニル}]ジルコニウム
(5)ジクロロ[1,1’−ジメチルシリレンビス{2−メチル−4−(2,6−ジメチルフェニル)−4H−アズレニル}]ジルコニウム
(6)ジクロロ[1,1’−ジメチルシリレンビス{2−メチル−4−(4−トリフルオロメチルフェニル)−4H−アズレニル}]ジルコニウム
(7)ジクロロ[1,1’−ジメチルシリレンビス{2−メチル−4−(4−クロロフェニル)−4H−アズレニル}]ジルコニウム
(8)ジクロロ[1,1’−ジメチルシリレンビス{2−メチル−4−(4−フルオロフェニル)−4H−アズレニル}]ジルコニウム
(9)ジクロロ[1,1’−ジメチルシリレンビス{2−メチル−4−(3−クロロフェニル)−4H−アズレニル}]ジルコニウム
(10)ジクロロ[1,1’−ジメチルシリレンビス{2−メチル−4−(3−フルオロフェニル)−4H−アズレニル}]ジルコニウム
(11)ジクロロ[1,1’−ジメチルシリレンビス{2−メチル−4−(4−トリメチルシリルフェニル)−4H−アズレニル}]ジルコニウム
(12)ジクロロ[1,1’−ジメチルシリレンビス{2−メチル−4−(4−t−ブチルフェニル)−4H−アズレニル}]ジルコニウム
(13)ジクロロ[1,1’−ジメチルシリレンビス{2−メチル−4−(1−ナフチル)−4H−アズレニル}]ジルコニウム
(14)ジクロロ{1,1’−ジメチルシリレンビス(2−エチル−4−フェニル−4H−アズレニル)}ジルコニウム
(15)ジクロロ[1,1’−ジメチルシリレンビス{2−エチル−4−(2−メチルフェニル)−4H−アズレニル}]ジルコニウム
(16)ジクロロ[1,1’−ジメチルシリレンビス{2−エチル−4−(3−メチルフェニル)−4H−アズレニル}]ジルコニウム
(17)ジクロロ[1,1’−ジメチルシリレンビス{2−エチル−4−(4−メチルフェニル)−4H−アズレニル}]ジルコニウム
(18)ジクロロ[1,1’−ジメチルシリレンビス{2−エチル−4−(2,6−ジメチルフェニル)−4H−アズレニル}]ジルコニウム
(19)ジクロロ[1,1’−ジメチルシリレンビス{2−エチル−4−(4−トリフルオロメチルフェニル)−4H−アズレニル}]ジルコニウム
(20)ジクロロ[1,1’−ジメチルシリレンビス{2−エチル−4−(4−クロロフェニル)−4H−アズレニル}]ジルコニウム
(22)ジクロロ[1,1’−ジメチルシリレンビス{2−エチル−4−(3−クロロフェニル)−4H−アズレニル}]ジルコニウム
(23)ジクロロ[1,1’−ジメチルシリレンビス{2−エチル−4−(3−フルオロフェニル)−4H−アズレニル}]ジルコニウム
(24)ジクロロ[1,1’−ジメチルシリレンビス{2−エチル−4−(4−トリメチルシリルフェニル)−4H−アズレニル}]ジルコニウム
(25)ジクロロ[1,1’−ジメチルシリレンビス{2−エチル−4−(4−トリメチルシリル−3−クロロフェニル)−4H−アズレニル}]ハフニウム
(26)ジクロロ[1,1’−ジメチルシリレンビス{2−エチル−4−(4−トリメチルシリル−3−メチルフェニル)−4H−アズレニル}]ハフニウム
(27)ジクロロ[1,1’−ジメチルシリレンビス{2−エチル−4−(4−トリメチルシリル−3−フルオロフェニル)−4H−アズレニル}]ハフニウム
(28)ジクロロ[1,1’−ジメチルシリレンビス{2−エチル−4−(4−トリメチルシリル−3,5−ジクロロフェニル)−4H−アズレニル}]ハフニウム
(29)ジクロロ[1,1’−ジメチルシリレンビス{2−エチル−4−(4−トリメチルシリル−3,5−ジメチルフェニル)−4H−アズレニル}]ハフニウム
(30)ジクロロ[1,1’−ジメチルシリレンビス{2−エチル−4−(4−トリメチルシリル−3,5−ジエチルフェニル)−4H−アズレニル}]ハフニウム
(31)ジクロロ[1,1’−ジメチルシリレンビス{2−エチル−4−(4−トリメチルシリル−3−クロロ−5−メチルフェニル)−4H−アズレニル}]ハフニウム
(32)ジクロロ[1,1’−ジメチルシリレンビス{2−エチル−4−(4−トリメチ
ルシリル−3−クロロ−5−フルオロフェニル)−4H−アズレニル}]ハフニウム
(33)ジクロロ[1,1’−ジメチルシリレンビス{2−エチル−4−(4−トリメチルシリル−3−クロロ−5−エチルフェニル)−4H−アズレニル}]ハフニウム
(34)ジクロロ[1,1’−ジメチルシリレンビス{2−エチル−4−(4−t−ブチルフェニル)−4H−アズレニル}]ジルコニウム
(35)ジクロロ[1,1’−ジメチルシリレンビス{2−エチル−4−(4−t−ブチル−3−クロロフェニル)−4H−アズレニル}]ジルコニウム
(36)ジクロロ[1,1’−ジメチルシリレンビス{2−エチル−4−(4−t−ブチル−3−メチルフェニル)−4H−アズレニル}]ジルコニウム
(37)ジクロロ[1,1’−ジメチルシリレンビス{2−エチル−4−(4−t−ブチル−3−フルオロフェニル)−4H−アズレニル}]ジルコニウム
(38)ジクロロ[1,1’−ジメチルシリレンビス{2−エチル−4−(1−ナフチル)−4H−アズレニル}]ジルコニウム
(39)ジクロロ[1,1’−ジメチルシリレンビス{2−エチル−4−(4−クロロ−1−ナフチル)−4H−アズレニル}]ジルコニウム
(40)ジクロロ[1,1’−ジメチルシリレンビス{2−エチル−4−(4−フルオロ−1−ナフチル)−4H−アズレニル}]ジルコニウム
(42)ジクロロ[1,1’−ジメチルシリレンビス{2−エチル−4−(4−ビフェニル)−4H−アズレニル}]ジルコニウム
(43)ジクロロ[1,1’−ジメチルシリレンビス{2−エチル−4−(2−フルオロ−4−ビフェニル)−4H−アズレニル}]ジルコニウム
(44)ジクロロ[1,1’−ジメチルシリレンビス{2−エチル−4−(2−クロロ−4−ビフェニル)−4H−アズレニル}]ジルコニウム
(45)ジクロロ[1,1’−ジメチルシリレンビス{2−エチル−4−(2−メチル−4−ビフェニル)−4H−アズレニル}]ジルコニウム
(46)ジクロロ[1,1’−ジメチルシリレンビス{2−エチル−4−(2−エチル−4−ビフェニル)−4H−アズレニル}]ジルコニウム
(47)ジクロロ[1,1’−ジメチルシリレンビス{2−エチル−4−(2,6−ジメチル−4−ビフェニル)−4H−アズレニル}]ジルコニウム
(48)ジクロロ[1,1’−ジメチルシリレンビス{2−エチル−4−(2−クロロ−6−メチル−4−ビフェニル)−4H−アズレニル}]ジルコニウム
(49)ジクロロ[1,1’−ジメチルシリレンビス{2−エチル−4−(2’−クロロ−4−ビフェニル)−4H−アズレニル}]ジルコニウム
(50)ジクロロ[1,1’−ジメチルシリレンビス{2−エチル−4−(2’−メチル−4−ビフェニル)−4H−アズレニル}]ジルコニウム
(51)ジクロロ[1,1’−ジメチルシリレンビス{2−エチル−4−(2’,6’−ジメチル−4−ビフェニル)−4H−アズレニル}]ジルコニウム
(52)ジクロロ[1,1’−ジメチルシリレンビス{2−エチル−4−(4’−クロロ−4−ビフェニル)−4H−アズレニル}]ジルコニウム
(53)ジクロロ[1,1’−ジメチルシリレンビス{2−エチル−4−(4’−メチル−4−ビフェニル)−4H−アズレニル}]ジルコニウム
(54)ジクロロ{1,1’−ジメチルシリレンビス(2−i−プロピル−4−フェニル−4H−アズレニル)}ジルコニウム
(55)ジクロロ[1,1’−ジメチルシリレンビス{2−i−プロピル−4−(2−メチルフェニル)−4H−アズレニル}]ジルコニウム
(56)ジクロロ[1,1’−ジメチルシリレンビス{2−i−プロピル−4−(4−トリフルオロメチルフェニル)−4H−アズレニル}]ジルコニウム
(57)ジクロロ[1,1’−ジメチルシリレンビス{2−i−プロピル−4−(4−t−ブチルフェニル)−4H−アズレニル}]ジルコニウム
(58)ジクロロ[1,1’−ジメチルシリレンビス{2−i−プロピル−4−(4−トリメチルシリルフェニル)−4H−アズレニル}]ジルコニウム
(59)ジクロロ[1,1’−ジメチルシリレンビス{2−i−プロピル−4−(1−ナフチル)−4H−アズレニル}]ジルコニウム
(60)ジクロロ{1,1’−ジメチルゲルミレンビス(2−メチル−4−フェニル−4H−アズレニル)}ジルコニウム
(62)ジクロロ{1,1’−シラフルオレンビス(2−メチル−4−フェニル−4H−アズレニル)}ジルコニウム
(63)ジクロロ{1,1’−シラフルオレンビス(2−エチル−4−(4−トリメチルシリル−3,5−ジクロロフェニル)−4H−アズレニル)}ジルコニウム
(64)ジクロロ{1,1’−ジメチルシリレンビス(2−メチル−4−フェニル−4H−5,6,7,8−テトラヒドロ−アズレニル)}ジルコニウム
(65)ジクロロ{1,1’−ジメチルシリレンビス(2−メチル−4−フェニル−4H−5,6,7,8−テトラヒドロアズレニル)}ジルコニウム
(66)ジクロロ[1,1’−ジメチルシリレンビス{2−メチル−4−(4−クロロフェニル)−4H−5,6,7,8−テトラヒドロアズレニル}]ジルコニウム
(1)ジクロロ[ジメチルシリレン(2−メチル−4−フェニル−1−インデニル)(2−メチル−4−フェニル−4H−1−アズレニル)]ハフニウム
(2)ジクロロ[ジメチルシリレン(2−エチル−4−フェニル−1−インデニル)(2−メチル−4−フェニル−4H−1−アズレニル)]ハフニウム
(3)ジクロロ[ジメチルシリレン(2−メチル−4−フェニル−1−インデニル)(2−メチル−4−(4−クロロフェニル)−4H−1−アズレニル)]ハフニウム
(4)ジクロロ[ジメチルシリレン(2−エチル−4−フェニル−1−インデニル)(2−メチル−4−(4−クロロフェニル)−4H−1−アズレニル)]ハフニウム
(5)ジクロロ[ジメチルシリレン(2−メチル−4−フェニル−1−インデニル)(2−メチル−4−(4−フルオロフェニル)−4H−1−アズレニル)]ハフニウム
(6)ジクロロ[ジメチルシリレン(2−エチル−4−フェニル−1−インデニル)(2−メチル−4−(4−フルオロフェニル)−4H−1−アズレニル)]ハフニウム
(7)ジクロロ[ジメチルシリレン(2−メチル−4−フェニル−1−インデニル)(2−メチル−4−(4−t−ブチルフェニル)−4H−1−アズレニル)]ハフニウム
(8)ジクロロ[ジメチルシリレン(2−エチル−4−フェニル−1−インデニル)(2−メチル−4−(4−t−ブチルフェニル)−4H−1−アズレニル)]ハフニウム
(9)ジクロロ[ジメチルシリレン(2−メチル−4−フェニル−1−インデニル)(2−メチル−4−(4−トリメチルシリルフェニル)−4H−1−アズレニル)]ハフニウム
(10)ジクロロ[ジメチルシリレン(2−エチル−4−フェニル−1−インデニル)(2−メチル−4−(4−トリメチルシリルフェニル)−4H−1−アズレニル)]ハフニウム
(11)ジクロロ[ジメチルシリレン(2−メチル−4−フェニル−1−インデニル)(2−メチル−4−(1−ナフチル)−4H−1−アズレニル)]ハフニウム
(12)ジクロロ[ジメチルシリレン(2−エチル−4−フェニル−1−インデニル)(2−メチル−4−(1−ナフチル)−4H−1−アズレニル)]ハフニウム
(13)ジクロロ[ジメチルシリレン(2−メチル−4−フェニル−1−インデニル)(2−メチル−4−(2−ナフチル)−4H−1−アズレニル)]ハフニウム
(14)ジクロロ[ジメチルシリレン(2−エチル−4−フェニル−1−インデニル)(2−メチル−4−(2−ナフチル)−4H−1−アズレニル)]ハフニウム
(15)ジクロロ[ジメチルシリレン(2−メチル−4−フェニル−1−インデニル)(2−エチル−4−フェニル−4H−1−アズレニル)]ハフニウム
(16)ジクロロ[ジメチルシリレン(2−エチル−4−フェニル−1−インデニル)(2−エチル−4−フェニル−4H−1−アズレニル)]ハフニウム
(17)ジクロロ[ジメチルシリレン(2−メチル−4−フェニル−1−インデニル)(2−エチル−4−(4−クロロフェニル)−4H−1−アズレニル)]ハフニウム
(18)ジクロロ[ジメチルシリレン(2−エチル−4−フェニル−1−インデニル)(2−エチル−4−(4−クロロフェニル)−4H−1−アズレニル)]ハフニウム
(19)ジクロロ[ジメチルシリレン(2−メチル−1−ベンゾ〔e〕インデニル)(2−メチル−4−フェニル−4H−1−アズレニル)]ハフニウム
(20)ジクロロ[ジメチルシリレン(2−メチル−1−ベンゾ〔e〕インデニル)(2−メチル−4−(4−クロロフェニル)−4H−1−アズレニル)]ハフニウム
(22)ジクロロ[ジメチルシリレン(2−メチル−1−ベンゾ〔e〕インデニル)(2−メチル−4−(4−t−ブチルフェニル)−4H−1−アズレニル)]ハフニウム
(23)ジクロロ[ジメチルシリレン(2−メチル−1−ベンゾ〔e〕インデニル)(2−メチル−4−(4−トリメチルシリルフェニル)−4H−1−アズレニル)]ハフニウム
(24)ジクロロ[ジメチルシリレン(2−メチル−1−ベンゾ〔e〕インデニル)(2−メチル−4−(1−ナフチル)−4H−1−アズレニル)]ハフニウム
(25)ジクロロ[ジメチルシリレン(2−メチル−1−ベンゾ〔e〕インデニル)(2−メチル−4−(2−ナフチル)−4H−1−アズレニル)]ハフニウム
(26)ジクロロ[ジメチルシリレン(2−メチル−1−ベンゾ〔e〕インデニル)(2−エチル−4−フェニル−4H−1−アズレニル)]ハフニウム
(27)ジクロロ[ジメチルシリレン(2−メチル−1−ベンゾ〔e〕インデニル)(2−エチル−4−(4−クロロフェニル)−4H−1−アズレニル)]ハフニウム
(28)ジクロロ[ジメチルシリレン(2−メチル−1−ベンゾ〔e〕インデニル)(2−エチル−4−(4−フルオロフェニル)−4H−1−アズレニル)]ハフニウム
(29)ジクロロ[ジメチルシリレン(2−メチル−1−ベンゾ〔e〕インデニル)(2−エチル−4−(4−t−ブチルフェニル)−4H−1−アズレニル)]ハフニウム
(30)ジクロロ[ジメチルシリレン(2−メチル−1−ベンゾ〔e〕インデニル)(2−エチル−4−(4−トリメチルシリルフェニル)−4H−1−アズレニル)]ハフニウム
(31)ジクロロ[ジメチルシリレン(2−メチル−1−ベンゾ〔e〕インデニル)(2−エチル−4−(1−ナフチル)−4H−1−アズレニル)]ハフニウム
(32)ジクロロ[ジメチルシリレン(2−メチル−4−フェニル−1−インデニル)(2−メチル−4−フェニル−4H−5,6,7,8−テトラヒドロ−1−アズレニル)]ハフニウム
(33)ジクロロ[ジメチルシリレン(2−エチル−1−インデニル)(2−メチル−4−フェニル−4H−5,6,7,8−テトラヒドロ−1−アズレニル)]ハフニウム
また、上記において例示した化合物の中心金属(M)は、例えば、ジルコニウム又はハフニウムの代わりに、チタン、ハフニウム又はジルコニウムに代えた化合物も、例示しているのに等しい。
したがって、本願明細書における上記の遷移金属化合物の例示は、合理的なものであり、単なる羅列ではないことは、明らかであるといえる。
本発明で用いる遷移金属化合物は、オレフィン重合用触媒成分を形成し、該触媒成分は、オレフィン重合用触媒に用いることができ、例えば、該遷移金属化合物を成分(A)として含む、次に説明するオレフィン重合用触媒として用いることが好ましい。
オレフィン重合用触媒(i)は、成分(A)及び成分(B)からなる触媒である。「からなる」とは、これらの成分以外に他の成分を含む場合を排除する意図ではなく、例えば、さらに、担体(C)や有機アルミニウム化合物を包含する系であってもよい。
(B−1)アルミニウムオキシ化合物
(B−2)成分(A)と反応して成分(A)をカチオンに変換することが可能なイオン性化合物又はルイス酸
(B−3)固体酸
また、上記のようなルイス酸としては、種々の有機ホウ素化合物、例えばトリス(ペンタフルオロフェニル)ホウ素などが例示される。或いは、塩化アルミニウム、塩化マグネシウムなどの金属ハロゲン化合物が例示される。
なお、上記のルイス酸のある種のものは、成分(A)と反応して成分(A)をカチオンに変換することが可能なイオン性化合物として把握することもできる。
上述した非配位性のホウ素化合物を用いたメタロセン触媒は、特開平3−234709号公報、特開平5−247128号公報などに例示されている。
有機担体としては、例えば、エチレン、プロピレン、1−ブテン、4−メチル−1−ペンテンなどの炭素数2〜14のα−オレフィンの(共)重合体、スチレン、ジビニルベンゼンなどの芳香族不飽和炭化水素の(共)重合体などから成る多孔質ポリマーの微粒子担体が挙げられる。
これらの微粒子の比表面積は、通常20〜1,000m2/g、好ましくは50〜700m2/gであり、細孔容積は、通常0.1cm3/g以上、好ましくは0.3cm3/g以上、さらに好ましくは0.8cm3/g以上である。
また、上記以外の任意成分としては、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウムなどのトリ低級アルキルアルミニウム、ジエチルアルミニウムクロリド、ジイソブチルアルミニウムクロリド、メチルアルミニウムセスキクロリドなどのハロゲン含有アルキルアルミニウム、ジエチルアルミニウムヒドリドなどのアルキルアルミニウムヒドリド、ジエチルアルミニウムエトキシド、ジメチルアルミニウムブトキシドなどのアルコキシ含有アルキルアルミニウム、ジエチルアルミニウムフェノキシドなどのアリールオキシ含有アルキルアルミニウムなどが挙げられる。
また、上記の低級アルキルアルミニウム、ハロゲン含有アルキルアルミニウム、アルキルアルミニウムヒドリド、アルコキシ含有アルキルアルミニウム、アリールオキシ含有アルキルアルミニウムの1種又は2種以上は、任意成分ではあるが、アルミニウムオキシ化合物、イオン性化合物又はルイス酸と併用してオレフィン重合用触媒(i)中に含有させるのが好ましい。
上記の各成分の接触は、窒素などの不活性ガス中において、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、トルエン、キシレンなどの不活性炭化水素溶媒中で行ってもよい。接触温度は、−20℃から溶媒の沸点の範囲の温度、特に、室温から溶媒の沸点の範囲の温度が好ましい。この様にして調製された触媒は、調製後に洗浄せずに使用してもよく、また、洗浄した後に使用してもよい。さらには、調製後に必要に応じて新たに成分を組み合わせて使用してもよい。
オレフィン重合用触媒(ii)は、成分(A)及び成分(D)と、必要により使用する成分(E)からなる触媒である。「からなる」の趣旨はオレフィン重合用触媒(i)で述べたのと同様の意図である。
成分(D)のうち、イオン交換性層状化合物は、粘土鉱物の大部分を占めるものであり、好ましくはイオン交換性層状珪酸塩である。
イオン交換性層状珪酸塩(以下、単に「珪酸塩」と略記する場合がある。)は、イオン結合などによって構成される面が互いに結合力で平行に積み重なった結晶構造を有し、且つ、含有されるイオンが交換可能である珪酸塩化合物をいう。大部分の珪酸塩は、天然には主に粘土鉱物の主成分として産出されるため、イオン交換性層状珪酸塩以外の夾雑物(石英、クリストバライトなど)が含まれることが多いが、それらを含んでいてもよい。珪酸塩は各種公知のものが使用できる。具体的には、白水春雄著「粘土鉱物学」朝倉書店(1995年)に記載されている次のような層状珪酸塩が代表例として挙げられる。
モンモリロナイト、ザウコナイト、バイデライト、ノントロナイト、サポナイト、ヘクトライト、スチーブンサイトなどのスメクタイト族;バーミキュライトなどのバーミキュライト族;雲母、イライト、セリサイト、海緑石などの雲母族;パイロフィライト、タルクなどのパイロフィライト−タルク族;マグネシウム緑泥石などの緑泥石族。
(ii)2:1リボン型鉱物類:
セピオライト、パリゴルスカイトなど。
本発明で使用する珪酸塩は、天然品又は工業原料として入手したものは、特に処理を行うことなくそのまま用いることができるが、化学処理を施すことが好ましい。具体的には、酸処理、アルカリ処理、塩類処理、有機物処理などが挙げられる。これらの処理を互いに組み合わせて用いてもよい。本発明において、これらの処理条件には特に制限はなく、公知の条件が使用できる。
また、これらイオン交換性層状珪酸塩には、通常吸着水及び層間水が含まれるため、不活性ガス流通下で加熱脱水処理するなどして、水分を除去してから使用するのが好ましい。
上記一般式中、Rは、炭素数1〜20の炭化水素基、Xは、水素、ハロゲン、アルコキシ基又はシロキシ基を示し、aは、0より大きく3以下の数を示す。
本発明に係るオレフィン重合用触媒(ii)においては、成分(E)として、上記の一般式で表される有機アルミニウム化合物以外に、メチルアルミノキサンなどのアルミノキサン類なども使用できる。また、上記の有機アルミニウム化合物とアルミノキサン類とを併用することもできる。
(1)成分(A)と成分(D)とを接触させる方法
(2)成分(A)と成分(D)とを接触させた後に任意成分(E)を添加する方法
(3)成分(A)と任意成分(E)とを接触させた後に成分(D)を添加する方法
(4)成分(D)と任意成分(E)とを接触させた後に成分(A)を添加する方法
(5)各成分(A)、(D)、(E)を同時に接触させる。
なお、この接触は、触媒調製時だけでなく、オレフィンによる予備重合時又はオレフィンの重合時に行ってもよい。上記の各成分の接触の際もしくは接触の後に、ポリエチレン、ポリプロピレンなどの重合体、シリカ、アルミナなどの無機酸化物の固体を共存させるか、又は、接触させてもよい。
また、上記の各成分の接触は、窒素などの不活性ガス中において、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、トルエン、キシレンなどの不活性炭化水素溶媒中で行ってもよい。接触は、−20℃から溶媒の沸点の間の温度で行い、特に室温から溶媒の沸点の間での温度で行うのが好ましい。
成分(A)と、成分(B)または成分(D)の使用量は、それぞれの組み合わせの中で最適な量比で用いられる。
成分(B)が、アルミニウムオキシ化合物の場合、Al/遷移金属のモル比は、通常10以上100,000以下、さらに100以上20,000以下、特に100以上10,000以下の範囲が適する。一方、成分(B)として、イオン性化合物或いはルイス酸を用いた場合、対遷移金属のモル比は、0.1〜1,000、好ましくは0.5〜100、さらに好ましくは1〜50の範囲である。
成分(B)として固体酸を用いる場合、或いは成分(D)としてイオン交換性層状化合物などを用いる場合は、成分1gにつき、遷移金属錯体0.001〜10mmol、好ましくは0.001〜1mmolの範囲である。
これらの使用比率は、通常の割合例を示すものであって、触媒が発明の目的に沿うものとなっておれば、上に述べた使用比率の範囲によって、本発明が限定されることにはならないことは当然である。
本発明のプロピレン/エチレン−αオレフィン系ブロック共重合体の製造方法は、結晶性プロピレン重合体成分(PP)を製造する前段工程、引き続き、エチレンと、炭素数4〜20のα−オレフィンから選ばれる少なくとも一種のコモノマーとの共重合体成分(CP)を製造する後段工程から構成される。
また、前段工程は、バルク重合法、気相重合法どちらの重合法も採用可能である。後段工程は、製造するエチレン−αオレフィン共重合体成分がゴム成分であり、溶媒中に溶出しないことが望ましいため、気相重合法を採用する。
また、重合形式は、それぞれ前段工程、後段工程とも回分法、および連続法どちらの方式も採用できる。本発明においては、前段と後段からなる2段重合が行われるが、場合によっては、それぞれの段階を更に分割することができる。特に、後段工程を2段以上に分割して多種類のゴム成分を作る方法も物性改良法の一つである。
前段の重合工程では、メタロセン触媒、好ましくは前述した成分(A)、(B)又は(D)、必要に応じて(C)又は(E)からなる触媒を使用して、結晶性プロピレン重合体成分(PP)を製造する。すなわち、プロピレン単独重合体(プロピレンホモポリマー)またはプロピレンとα−オレフィンの共重合体(プロピレン−αオレフィン共重合体)を、一段もしくは多段に、全重合量(プロピレン/エチレン−αオレフィン系ブロック共重合体の全体)の20〜99重量%、好ましくは30〜90重量%に相当するように形成させる工程である。ここでα−オレフィンとしては、エチレンを含みプロピレン以外の炭素数4〜20のα−オレフィンであり、例えば、1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−ペンテン−1、1−オクテン、1−デセン等が挙げられる。これらの中では、エチレンが最も好ましい。α−オレフィンを使用する場合の使用量は、全モノマー(プロピレンとα−オレフィンの合計)に対して10重量%以下、好ましくは5重量%以下である。
本発明の後段の重合工程は、この工程で製造するエチレン−αオレフィン共重合体成分がゴム成分であり、溶媒中に溶出しないことが望ましいことから、気相重合で行なう必要がある。気相重合プロセスとしては、公知の気相重合プロセスを用いることができるが、機械的に攪拌される縦型あるいは横型の気相重合プロセスが好ましい。
本発明の後段工程においては、エチレンとα−オレフィンとの重合比(モル比)が95/5〜50/50、好ましくは90/10〜70/30であるエチレン−αオレフィン共重合体を生成させる。
ここでα−オレフィンとしては、炭素数4〜20のα−オレフィンであり、例えば、1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−ペンテン−1、1−オクテン−1、1−デセン等が挙げられる。これらの中では、1−ブテン、1−ヘキセンが最も好ましい。この共重合体は、第三成分として、例えばプロピレンやジエン系モノマー等をさらに含有することができる。その場合、これらの第三成分の含有量は、20重量%以下が好ましい。
後段の重合工程における重合温度は、30〜120℃、好ましくは50〜80℃程度である。重合圧力は0.1〜5MPa、好ましくは0.5〜4MPaである。重合圧力があまり高くなると、超臨界状態となってしまうことが知られているが、本発明における気相重合は、このような超臨界状態を含まない。
エチレン−αオレフィン共重合体の重量平均分子量の範囲は、1万〜500万、好ましくは5万〜300万、さらに好ましくは10万〜100万、最も好ましくは40万〜80万である。最終重合体の用途によるが、成型時のゲルの発生を抑え、線膨張率を低くするためには、エチレン−αオレフィン共重合体の重量平均分子量を、前段で重合した重合体の重量平均分子量に、なるべく近づけることが有効である。また、重合体の性状を考慮すると、べとつきの原因とされるゴムの低分子量成分の生成が極力少ない方が望ましい。具体的には、ゴム中の分子量5000以下の成分がゴム全体に対して0.8重量%以下であることが好ましい。そのためには、ゴムの平均分子量を低くしないような重合条件をとることや、重合終了後に速やかに残モノマーを放出するか触媒を失活させるなどして後段の重合工程と異なる条件下での重合反応が起きることを避けることが必要である。なお、ここでゴム中の低分子量成分量は、後述するCFC分析装置による測定における、40℃以下の溶出成分中の分子量5000以下の成分量のことをいう。
以上の製造方法によって、エチレン−αオレフィン共重合体成分(CP)は、全重合量(プロピレン/エチレン−αオレフィン系ブロック共重合体の全体)の1〜80重量%となるように製造でき、その中でも好ましい範囲は10〜70重量%である。また、ゴム(CP)中のエチレン含有量は、99〜50重量%となるように製造でき、その中でも好ましい範囲は95〜60重量%である。さらに、ゴム(CP)部の固有粘度[η]cpは、1〜10となるように製造でき、その中でも好ましい範囲は、3〜10である。
結晶性プロピレン重合体成分(PP)の融点(Tm)は、120〜165℃となるように製造でき、その中でも好ましい範囲は、150〜165℃である。
(1)MFRの測定:
ポリマー6gに熱安定剤(BHT)のアセトン溶液(0.6重量%)6gを添加した。次いで、上記のポリマーを乾燥した後、メルトインデクサー(230℃)に充填し、2.16Kg荷重の条件下に5分間放置した。その後、ポリマーの押し出し量を測定し、10分間当たりの量に換算し、MFRの値とした(単位はg/10分)。
DSC(セイコー・インスツルメンツ社製・DSC6200型)を使用し、10℃/分で20〜200℃までの昇降温を1回行った後、10℃/分で2回目の昇温時の測定値により求めた。
本発明の触媒を用いて得られるプロピレン/エチレン−αオレフィン系ブロック共重合体中の共重合体成分(ゴム状成分であり、以下、「CP」と称す。)の含有量、CP中のα−オレフィン重合割合は、以下の方法により求めた。
なお、以下の例は、CP中のα−オレフィンとして、プロピレンを用いた場合(つまりエチレン−プロピレン共重合体と仮定した場合)のものであるが、1−ブテンなどのα−オレフィンでも、以下の例に準じた方法を用いて求めるものとする。
(i)クロス分別装置:
ダイヤインスツルメンツ社製CFC T−100
(ii)フーリエ変換型赤外線吸収スペクトル分析:
FT−IR・パーキンエルマー社製 1760X
CFCの検出器として取り付けられていた波長固定型の赤外分光光度計を取り外して、代わりにFT−IRを接続し、このFT−IRを検出器として使用する。CFCから溶出した溶液の出口からFT−IRまでの間のトランスファーラインは1mの長さとし、測定の間を通じて140℃に温度保持する。FT−IRに取り付けたフローセルは、光路長1mm・光路幅5mmφのものを用い、測定の間を通じて140℃に温度保持する。
(iii)ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC):
CFCの後段に、GPCカラム(昭和電工社製AD806MS)を3本直列に接続して使用する。CFC後段部分のGPCカラムは昭和電工社製AD806MSを3本直列に接続して使用する。
(i)溶媒:オルトジクロルベンゼン(ODCB)
(ii)サンプル濃度:4mg/mL
(iii)注入量:0.4mL
(iv)結晶化:140℃から40℃まで約40分かけて降温する。
(v)分別方法:昇温溶出分別時の分別温度は、40,100,140℃とし、全部で3つのフラクションに分別する。なお、40℃以下で溶出する成分(フラクション1)、40〜100℃で溶出する成分(フラクション2)、100〜140℃で溶出する成分(フラクション3)の溶出割合(単位:重量%)を各々W40、W100、W140と定義する。W40+W100+W140=100である。また、分別した各フラクションは、そのままFT−IR分析装置へ自動輸送される。
(vi)溶出時溶媒流速:1mL/分
CFC後段のGPCから試料溶液の溶出が開始した後、以下の条件でFT−IR測定を行い、上述した各フラクション1〜3について、GPC−IRデータを採取する。
(i)検出器:MCT
(ii)分解能:8cm−1
(iii)測定間隔:0.2分(12秒)
(iv)一測定当たりの積算回数:15回
各温度で溶出した成分の溶出量と分子量分布は、FT−IRによって得られる2945cm−1の吸光度をクロマトグラムとして使用して求める。溶出量は、各溶出成分の溶出量の合計が100%となるように規格化する。保持容量から分子量への換算は、予め作成しておいた標準ポリスチレンによる検量線を用いて行う。
使用する標準ポリスチレンは、何れも東ソー(株)製の以下の銘柄である。
F380、F288、F128、F80、F40、F20、F10、F4、F1、A5000、A2500、A1000。
各々が0.5mg/mLとなるようにODCB(0.5mg/mLのBHTを含む)に溶解した溶液を0.4mL注入して較正曲線を作成する。較正曲線は、最小二乗法で近似して得られる三次式を用いる。分子量への換算は、森定雄著「サイズ排除クロマトグラフィー」(共立出版)を参考に汎用較正曲線を用いる。その際使用する粘度式([η]=K×Mα)には、以下の数値を用いる。
(i)標準ポリスチレンを使用する較正曲線作成時
K=0.000138、α=0.70
(ii)プロピレン系ブロック共重合体のサンプル測定時
K=0.000103、α=0.78
各溶出成分のエチレン含有量分布(分子量軸に沿ったエチレン含有量の分布)は、GPC−IRによって得られる2956cm−1の吸光度と2927cm−1の吸光度との比を用い、ポリエチレンやポリプロピレン及び13C−NMR測定などによりエチレン含有量が既知となっているエチレン−プロピレン共重合体(EPR)及びそれらの混合物を使用して予め作成しておいた検量線により、エチレン重合割合(モル%)に換算して求める。
本発明におけるブロック共重合体のCP含有量は、下記式(I)で定義され、以下のような手順で求められる。
CP含有量(重量%)=W40×A40/B40+W100×A100/B100・・・(I)
右辺第二項も同様であり、各々のフラクションについて、CPの寄与を算出して加え合わせたものがCP含有量となる。
種々のモデル試料を使用して検討を行った結果、B40は、フラクション1の微分分子量分布曲線のピーク位置に相当するエチレン含有量を使用すると、材料物性の改良効果をうまく説明することができることがわかった。また、B100は、エチレン連鎖由来の結晶性を持つこと、及びこれらのフラクションに含まれるCPの量がフラクション1に含まれるCPの量に比べて相対的に少ないことの2点の理由により、100と近似する方が実態にも近く、計算上も殆ど誤差を生じない。
そこで、B100=100として、解析を行うこととしている。従って、下記式(II)に従い、CP含有量を求めることができる。
CP含有量(重量%)=W40×A40/B40+W100×A100/100・・・(II)
共重合体成分中のエチレン含量(重量%)=(W40×A40+W100×A100+W140×A140)/[共重合体成分含有量(重量%)]・・・(III)
CP中のエチレン含有量は、次式によって求める。
CP中のエチレン含有量(重量%)=(W40×A40+W100×A100)/[CP]
但し、[CP]は、先に求めたCP含有量(重量%)である。
本発明におけるプロピレン/エチレン−αオレフィン系ブロック共重合体における結晶性プロピレン重合体部分とエチレン−αオレフィン共重合体部分の固有粘度[η]homo、[η]cpは、ウベローデ型粘度計を用いて、デカリンを溶媒として温度135℃で測定する。
まず、結晶性プロピレン重合体部分の重合終了後、一部を重合槽よりサンプリングし、固有粘度[η]homoを測定する。次に、結晶性プロピレン重合体部分を重合した後、エチレン−αオレフィン共重合体を重合して得られた最終重合物(F)の固有粘度[η]Fを測定する。[η]cpは、以下の関係から求める。
[η]F=(100−CP含有量)/100×[η]homo+CP含有量/100×[η]cp
(1)メタロセン錯体:
ジクロロ{1,1’−シラフルオレニルビス[2−エチル−4−(4−トリメチルシリル−3,5−ジクロロフェニル)−4H−アズレニル]}ハフニウムは、特開2005−126679号公報に従って合成した。
撹拌翼と還流装置を取り付けた5Lセパラブルフラスコに、純水1,698gを投入し、98%硫酸501gを滴下した。そこへ、さらに市販の造粒モンモリロナイト(水澤化学社製、ベンクレイSL、平均粒径:19.5μm)を300g添加後撹拌した。その後90℃で2時間反応させた。このスラリーをヌッチェと吸引瓶にアスピレータを接続した装置にて、洗浄した。回収したケーキに硫酸リチウム1水和物324gの水900mL水溶液を加え90℃で2時間反応させた。このスラリーをヌッチェと吸引瓶にアスピレータを接続した装置にて、pH>4まで洗浄した。回収したケーキを120℃で終夜乾燥した。その結果、275gの化学処理体を得た。
内容積1Lのフラスコに上記で得た化学処理モンモリロナイト10.0gを秤量し、ヘプタン65mL、トリイソブチルアルミニウムのヘプタン溶液35.4mL(25mmol)を加え、室温で1時間撹拌した。その後、ヘプタンで残液率1/100まで洗浄し、最後にスラリー量を100mLに調製した。
上記で調製し、トリイソブチルアルミニウム処理したモンモリロナイトのヘプタンスラリーにトリイソブチルアルミニウムのヘプタン溶液0.85mLを加えて10分間、室温で撹拌した。
また、(1)で合成したジクロロ{1,1’−シラフルオレニルビス[2−エチル−4−(4−トリメチルシリル−3,5−ジクロロフェニル)−4H−アズレニル]}ハフニウムのトルエン(60mL)溶液を、上記の1Lフラスコに加えて室温で60分間撹拌した。
次に、上記モンモリロナイトのヘプタンスラリーに、さらにヘプタン340mLを追加して内容積1Lの撹拌式オートクレーブに導入し、40℃でプロピレンを238.1mmol/hr(10g/hr)の一定速度で120分間にて供給した。プロピレン供給終了後、50℃に昇温して2時間そのまま維持し、その後残存ガスをパージして予備重合触媒スラリーをオートクレーブより回収した。
回収した予備重合触媒スラリーを静置し、上澄み液を抜き出した。残った固体にトリイソブチルアルミニウムのヘプタン溶液8.5mL(6.0mmol)を室温にて加え、室温で10分間撹拌した後、減圧乾燥して固体触媒を回収した。
予備重合倍率(予備重合ポリマー量を固体触媒量で除した値)は、2.23であった。
内容積3Lの撹拌式オートクレーブ内をプロピレンで充分置換した後に、トリイソブチルアルミニウム・n−ヘプタン溶液2.76ml(2.02mmol)を加え、水素90ml、続いて液体プロピレン750gを導入し、70℃に昇温し、その温度を維持した。上記(3)で調製した予備重合触媒をノルマルヘプタンにスラリー化し、触媒として(予備重合ポリマーの重量は除く)50mgを圧入し、重合を開始した。槽内温度を70℃に維持し、触媒投入1時間経過後に、残モノマーのパージを行い、アルゴンにて槽内を5回置換した。撹拌を停止させ、アルゴンをフローさせながら、テフロン(登録商標)管を槽内に差し込み、ポリプロピレンを少量抜き出した。90℃窒素気流下で30分間乾燥後に測定した結果、抜き出し量は26gであった。
一方、内容積14Lの撹拌式オートクレーブを、内温を90℃に調整し、1−ブテン(150mL)を導入した。さらにエチレンを圧入して3.5MPaとして、1−ブテンとエチレンの混合ガスを調製した。
上記プロピレン重合を行った3Lのオートクレーブを80℃に昇温し、予め調製しておいた1−ブテンとエチレンの混合ガスを導入した。内圧が2.0MPaで重合中に圧力が変化しないように、混合ガスを供給しながら、30分間重合反応を制御した。
その結果、粒子性状の良い131gのプロピレン/エチレン−ブテンブロック共重合体が得られた。
上記で得られたブロック共重合体は、CFC−IRの結果から、ゴム含有量(CP含有量)が3.4重量%、MFRが9.0(dg/分)、ゴム(CP)中のエチレン含有量は83重量%であり、CP部の重量平均分子量は330,000であった。また、別途採取したプロピレンホモポリマーのTmは160.2℃、MFRは9.4(dg/分)であった。
(1)ブロック重合
上記実施例1の(3)で調製した予備重合触媒を用い、混合ガスを調製する際に導入する1−ブテンを300mL用いる以外は、上記実施例1の(4)と同様に操作した。
その結果、粒子性状の良い131gのプロピレン/エチレン−ブテンブロック共重合体が得られた。
上記で得られたブロック共重合体は、CFC−IRの結果から、ゴム含有量(CP含有量)が3.6重量%、MFRが9.4(dg/分)、ゴム(CP)中のエチレン含有量は67重量%であり、CP部の重量平均分子量は260,000であった。また、別途採取したプロピレンホモポリマーのTmは161.0℃、MFRは9.6(dg/分)であった。
(1)メタロセン錯体:
ジクロロ{1,1´−ジメチルシリレンビス[2−エチル−4−(2−フルオロ−4−ビフェニリル)−4H−アズレニル]}ハフニウムは、特開2000−95791号公報に従って合成した。
上記錯体を用いる以外は、実施例1の(3)と同様の操作で、予備重合倍率(予備重合ポリマー量を固体触媒量で除した値)が1.78である予備重合触媒を調製した。
上記(2)で調製した予備重合触媒を用いる以外は、上記実施例1の(4)と同様に操作した。
その結果、粒子性状の良い127gのプロピレン/エチレン−ブテンブロック共重合体が得られた。
上記で得られたブロック共重合体は、CFC−IRの結果から、ゴム含有量(CP含有量)が17重量%、MFRが2.0(dg/分)、ゴム(CP)中のエチレン含有量は83重量%であり、CP部の重量平均分子量は390,000であった。また、別途採取したプロピレンホモポリマーのTmは157.6℃、MFRは3.3(dg/分)であった。
(1)ブロック重合
上記実施例3の(2)で調製した予備重合触媒を用い、上記実施例2の(1)と同様に操作した。
その結果、粒子性状の良い135gのプロピレン/エチレン−ブテンブロック共重合体が得られた。
上記で得られたブロック共重合体は、CFC−IRの結果から、ゴム含有量(CP含有量)が18重量%、MFRが1.7(dg/分)、ゴム(CP)中のエチレン含有量は67重量%であり、CP部の重量平均分子量は330,000であった。また、別途採取したプロピレンホモポリマーのTmは157.5℃、MFRは2.3(dg/分)であった。
(1)メタロセン錯体:
ジクロロ{1,1´−ジメチルシリレンビス[2−メチル−4−(4−クロロフェニル)−4H−アズレニル]}ジルコニウムは、特開平10−226712号公報に従って合成した。
上記錯体を用いる以外は、実施例1の(3)と同様の操作で、予備重合倍率(予備重合ポリマー量を固体触媒量で除した値)が2.49である予備重合触媒を調製した。
上記(2)で調製した予備重合触媒を用いる以外は、上記実施例1の(4)と同様に操作した。
その結果、粒子性状の良い277gのプロピレン/エチレン−ブテンブロック共重合体が得られた。
上記で得られたブロック共重合体は、CFC−IRの結果から、ゴム含有量(CP含有量)が20重量%、MFRが4.3(dg/分)、ゴム(CP)中のエチレン含有量は80重量%であり、CP部の重量平均分子量は280,000であった。また、別途採取したプロピレンホモポリマーのMFRは7.0(dg/分)であった。
(1)ブロック重合
上記実施例5の(2)で調製した予備重合触媒を用い、上記実施例2の(1)と同様に操作した。
その結果、粒子性状の良い250gのプロピレン/エチレン−ブテンブロック共重合体が得られた。
上記で得られたブロック共重合体は、CFC−IRの結果から、ゴム含有量(CP含有量)が14重量%、MFRが5.6(dg/分)、ゴム(CP)中のエチレン含有量は65重量%であり、CP部の重量平均分子量は250,000であった。また、別途採取したプロピレンホモポリマーのMFRは7.2(dg/分)であった。
(1)メタロセン錯体:
ジクロロ{1,1´−ジメチルシリレンビス(2−メチル−4−フェニルインデニル)}ジルコニウムの合成は、Organometallics 1994年 13巻 954頁記載の方法に従って、合成した。
上記錯体を用いる以外は、実施例1の(3)と同様の操作で、予備重合倍率(予備重合ポリマー量を固体触媒量で除した値)が2.07である予備重合触媒を調製した。
上記(2)で調製した予備重合触媒(30mg)を用い、前段重合で用いる水素を180mL用いる以外は、上記実施例1の(4)と同様に操作した。
その結果、粒子性状の良い203gのプロピレン/エチレン−ブテンブロック共重合体が得られた。
上記で得られたブロック共重合体は、CFC−IRの結果から、ゴム含有量(CP含有量)が29重量%、MFRが0.4(dg/分)、ゴム(CP)中のエチレン含有量は90重量%であり、CP部の重量平均分子量は137,000であった。また、別途採取したプロピレンホモポリマーのTmは149.2℃、MFRは0.18(dg/分)であった。
(1)ブロック重合
上記比較例1の(2)で調製した予備重合触媒を用い、前段重合で用いる水素を300mL用い、さらに混合ガスを調製する際に導入する1−ブテンを300mL用いる以外は、上記比較例1の(3)と同様に操作した。
その結果、粒子性状の良い345gのプロピレン/エチレン−ブテンブロック共重合体が得られた。
上記で得られたブロック共重合体は、CFC−IRの結果から、ゴム含有量(CP含有量)が24重量%、MFRが1.4(dg/分)、ゴム(CP)中のエチレン含有量は78重量%であり、CP部の重量平均分子量は120,000であった。また、別途採取したプロピレンホモポリマーのTmは149.4℃、MFRは0.7(dg/分)であった。
(1)メタロセン錯体:
ジクロロ{1,1´−ジメチルシリレン(2−メチル−4−t−ブチルフェニルインデニル)(2−イソプロピル−4−t−ブチルフェニルインデニル)}ジルコニウムは、特表2003−533550号公報に記載の方法に従って、合成した。
上記錯体を用いる以外は、実施例1の(3)と同様の操作で、予備重合倍率(予備重合ポリマー量を固体触媒量で除した値)が1.88である予備重合触媒を調製した。
上記(2)で調製した予備重合触媒を用い、前段重合で用いる水素を200mL用いる以外は、上記実施例1の(4)と同様に操作した。
その結果、粒子性状の良い332gのプロピレン/エチレン−ブテンブロック共重合体が得られた。
上記で得られたブロック共重合体は、CFC−IRの結果から、ゴム含有量(CP含有量)が17.5重量%、MFRが3.9(dg/分)、ゴム(CP)中のエチレン含有量は86重量%であり、CP部の重量平均分子量は420,000であった。また、別途採取したプロピレンホモポリマーのMFRは10(dg/分)であった。
表1に示すように、本発明の製造法では、従来の製造法よりも、より高いα−オレフィン含量のエチレン−αオレフィン共重合体(CP)を有するプロピレン/エチレン−αオレフィン系ブロック共重合体を製造できることが明らかである。
したがって、本発明における構成の要件の合理性と有意性、及び本発明の従来技術に対する優越性が明らかである。
Claims (6)
- 一般式(I)で表される遷移金属化合物からなるメタロセン触媒を用いて、結晶性プロピレン重合体成分を製造する前段工程、及びエチレンと、炭素数4〜20のα−オレフィンから選ばれる少なくとも一種のコモノマーとの共重合体成分を気相重合で製造する後段工程からなることを特徴とするプロピレン/エチレン−αオレフィン系ブロック共重合体の製造方法。
- 前記一般式(I)中において、R3及びR6の両方は、炭素数が5〜8であり、R3又はR6由来の7〜10員環から成る縮合環を形成することを特徴とする請求項1に記載のプロピレン/エチレン−αオレフィン系ブロック共重合体の製造方法。
- 前記メタロセン触媒は、下記の一般式(II)で表される遷移金属化合物からなることを特徴とする請求項1に記載のプロピレン/エチレン−αオレフィン系ブロック共重合体の製造方法。
- 前記メタロセン触媒は、次の成分(A)及び(B)、又は成分(A)、(B)及び(C)を含むことを特徴とする請求項1に記載のプロピレン/エチレン−αオレフィン系ブロック共重合体の製造方法。
成分(A):一般式(I)で表される遷移金属化合物。
成分(B):有機アルミニウムオキシ化合物、及び成分(A)と反応して成分(A)をカチオンに変換することが可能なイオン性化合物又はルイス酸からなる群より選ばれる化合物。
成分(C):微粒子担体。 - 前記メタロセン触媒は、次の成分(A)及び(D)、又は成分(A)、(D)及び(E)を含むことを特徴とする請求項1に記載のプロピレン/エチレン−αオレフィン系ブロック共重合体の製造方法。
成分(A):一般式(I)で表される遷移金属化合物。
成分(D):イオン交換性層状化合物及び無機珪酸塩からなる群より選ばれる化合物。
成分(E):有機アルミニウム化合物。 - 後段工程で用いられるコモノマーは、1−ブテン、1−ヘキセン又は1−オクテンから選ばれることを特徴とする請求項1に記載のプロピレン/エチレン−αオレフィン系ブロック共重合体の製造方法。
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