JP2009001605A - プロピレン/エチレン−αオレフィン系ブロック共重合体の製造方法 - Google Patents

プロピレン/エチレン−αオレフィン系ブロック共重合体の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】より高いα−オレフィン含量のエチレン−αオレフィン共重合体(以下、CPともいう)を有するプロピレン/エチレン−αオレフィン系ブロック共重合体を、安定に効率よく製造する方法を提供する。
【解決手段】架橋ビス−ヒドロアズレニル(ヒドロアズレニル環は5員環と7員環が縮環した構造)骨格を有するか、又は架橋ヒドロアズレニル−インデニル(インデニル環は5員環と6員環が縮環した構造)骨格を有する、ジルコニウム又はハフニウムの錯体の遷移金属化合物からなるメタロセン触媒を用いて、結晶性プロピレン重合体成分を製造する前段工程、及びエチレンと、炭素数4〜20のα−オレフィンから選ばれる少なくとも一種のコモノマーとの共重合体成分を気相重合で製造する後段工程からなるプロピレン/エチレン−αオレフィン系ブロック共重合体。
【選択図】なし

Description

本発明は、プロピレン/エチレン−αオレフィン系ブロック共重合体の製造方法に関し、より詳しくは、より高いα−オレフィン含量のエチレン−αオレフィン共重合体(以下、CPともいう)を効率的に製造できる、プロピレン/エチレン−αオレフィン系ブロック共重合体の製造方法に関する。
結晶性ポリプロピレンは、機械的性質、耐薬品性等に優れることから、各種成形分野に広く用いられている。しかしながら、結晶性ポリプロピレンでは、剛性は高くなるが、耐衝撃性が不足する。
そのため、ポリプロピレンの耐衝撃性を向上させるために、従来からポリプロピレンに、エチレン−プロピレン共重合体ゴム(EPR)、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体ゴム(EPDM)などの組成分布の狭いゴム状物質をブレンドすることが行われてきた。これらのゴム状物質は、近年、メタロセン触媒に代表される均一系触媒により製造され、これらのエチレン−高級α−オレフィン共重合体ゴム(α−オレフィンは炭素数4〜8のもの)をブレンドすることによる耐衝撃性の改良も開示されている(例えば、特許文献1、2参照。)。
しかしながら、このようなゴム状共重合体は、組成によっては一般に形状が扱いにくく、結晶性樹脂のようにペレット化して用いることができないなど、ブレンド操作の際に支障をきたす。また、ポリプロピレンに対してゴム状共重合体を添加する、所謂ポリマーブレンドの場合には、ゴム状共重合体の分散が十分でなく、物性面では、十分に高い剛性と耐衝撃性を両立することが困難であった。
これに対して、プロピレンの重合後に引き続いてエチレンとプロピレンを共重合させ、CPとして、エチレン−プロピレン共重合体ゴム(EPR)を含むブロック共重合体を製造することは、既に知られている(例えば、特許文献3〜5参照。)。
このような所謂重合ブレンドでは、ゴム状共重合体の分散が改良されるため、物性が向上することが知られている。さらに、メタロセン触媒を用いた場合には、用いる遷移金属化合物の設計を最適化することで、より高い剛性と耐衝撃性を発揮させることができ、種々の特定構造を有する遷移金属化合物を用いたブロック共重合体の製造方法が開示されている。
さらに、ブロック共重合体の耐衝撃性をより向上させる目的で、EPRに替えて、エチレン−ブテン共重合体ゴム(EBR)、或いはエチレン−オクテン共重合体ゴム(EOR)などのエチレン−高級α−オレフィン共重合体ゴムを多段重合で製造する方法も知られている。
例えば、メタロセン触媒を用いて多段重合を行うことで、高剛性かつ耐衝撃性に優れたプロピレン/エチレン−αオレフィン系ブロック共重合体を製造する方法が開示されている(例えば、特許文献6〜8参照。)。
しかしながら、溶媒を用いる液相重合では、生成するCPが溶媒へ溶解し、ポリマーを単離するためには、溶媒を留去する必要があるなど、効率的に製造することは困難であるという問題があった。
また、ある特定の遷移金属化合物を用いて、CP部の製造を気相重合で行うことも開示されている(例えば、特許文献9〜12参照。)。
しかしながら、これらの遷移金属化合物を用いる場合には、工業的に実施可能な温度/圧力範囲で、十分に高いα−オレフィン含量のCPを効率的に製造ができないという問題があった。
一般に、気相重合において、高級α−オレフィンを含む反応ガスを用いて重合する場合、高級α−オレフィンの組成比率を高めると、工業的に実施可能な温度/圧力範囲が大きく制約されるという問題がある。エチレンやプロピレンと比較して、より炭素数の多い高級α−オレフィンは、凝縮温度が低いという性質のため、ある条件では一部液化が起こる可能性がある。その結果、より具体的には、一定圧力以上或いは一定温度以下での安定した重合が困難になる。
以上の問題のため、工業的に実施可能な温度/圧力範囲で、十分に高いα−オレフィン含量のCPを効率的に製造するためには、より低い高級α−オレフィンの反応ガス組成条件下で、より高いα−オレフィン含量のCPを製造できる方法が望まれている。
また、上記開示された発明などにより、剛性並びに耐衝撃性は、ある程度改善されているものの、耐衝撃性を付与するエチレン−αオレフィン共重合体の分子量やコモノマー組成は、まだまだ改善の余地があり、これを満足するレベルにある該共重合体を有するプロピレン/エチレン−αオレフィン系ブロック共重合体を、安定的かつ効率的に製造する方法の開発が望まれている。
特開平6−192500号公報 特開平6−192506号公報 特開平4−337308号公報 特開平6−287257号公報 特開平11−228648号公報 特開平9−316145号公報 特開平9−316147号公報 特開平10−158351号公報 WO95−27740号公報 WO2005−23890号公報 WO2005−23891号公報 WO2005−23892号公報 Organometallics 1993年 12巻 4342頁 Organometallics 2004年 23巻 3267頁
本発明の目的は、上記従来技術の問題点に鑑み、より高いα−オレフィン含量のエチレン−αオレフィン共重合体(以下、CPともいう)を有するプロピレン/エチレン−αオレフィン系ブロック共重合体を、安定に効率よく製造する方法を提供することにある。
本発明者等は、上記課題を解決するため、メタロセン系触媒における遷移金属化合物の配位子構造について、その基本骨格に起因する遷移金属化合物の有する対称性、触媒活性点でのポリマー形成のメカニズムや、遷移金属化合物の置換基の立体効果やそれによる生成ポリマーの配位モノマーへの影響などの観点からの経験則を考慮しながら、プロピレン重合においては、高い立体規則性重合を行い、かつ、エチレンと炭素数4〜20のα−オレフィンの共重合において、α−オレフィンの高い反応性を発現させる手法を求めて、多面的に考察し実験的な探索を行った。
その過程において、ある特定の立体的な構造を有する遷移金属化合物を形成した場合に、プロピレン重合においては、高い立体規則性重合を保ちつつ、エチレンと炭素数4〜20のα−オレフィンとの共重合において、エチレンに比較したα−オレフィンの反応性が高められる事実を認識することができ、さらに、モデル化合物の勘案や実験的な実証などの結果において、特定の構造を有する遷移金属化合物からなるメタロセン触媒を用いることにより、同一反応ガス組成下において、より高いα−オレフィン含量のCPを有するプロピレン/エチレン−αオレフィン系ブロック共重合体を安定に効率よく製造できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の第1の発明によれば、一般式(I)で表される遷移金属化合物からなるメタロセン触媒を用いて、結晶性プロピレン重合体成分を製造する前段工程、及びエチレンと、炭素数4〜20のα−オレフィンから選ばれる少なくとも一種のコモノマーとの共重合体成分を気相重合で製造する後段工程からなることを特徴とするプロピレン/エチレン−αオレフィン系ブロック共重合体の製造方法が提供される。
Figure 2009001605
(式中、R、R、R及びRは、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜10の炭化水素基、炭素数1〜18のケイ素含有炭化水素基又は炭素数1〜18のハロゲン化炭化水素基を示す。R及びRは、それぞれ独立して、それが結合する五員環に対して縮合環を形成する炭素数3〜10の飽和又は不飽和の2価の炭化水素基を示す。ただし、R及びRの少なくとも一方は、炭素数が5〜8であり、R又はR由来の7〜10員環から成る縮合環を形成する。R及びRは、それぞれ独立して、炭素数1〜20の炭化水素基、炭素数1〜20のハロゲン化炭化水素基、炭素数1〜20のケイ素含有炭化水素基、炭素数1〜20の酸素含有炭化水素基、アミノ基、炭素数1〜20の窒素含有炭化水素基又は炭素数1〜20の硫黄含有炭化水素基を示す。m及びnは、それぞれ独立して0〜20の整数を示す。ただし、m及びnが同時に0となることはない。また、m又はnが2以上の場合、それぞれ、R同士またはR同士が連結して新たな環構造を形成していてもよい。Qは、二つのシクロペンタジエニル環を連結する架橋基を示し、X及びYは、助触媒と反応してオレフィン重合能を発現させるσ共有結合性補助配位子を示し、Mは、周期表4族の遷移金属を示す。)
また、本発明の第2の発明によれば、第1の発明において、前記一般式(I)中において、R及びRの両方は、炭素数が5〜8であり、R又はR由来の7〜10員環から成る縮合環を形成することを特徴とするプロピレン/エチレン−αオレフィン系ブロック共重合体の製造方法が提供される。
さらに、本発明の第3の発明によれば、第1の発明において、前記メタロセン触媒は、下記の一般式(II)で表される遷移金属化合物からなることを特徴とするプロピレン/エチレン−αオレフィン系ブロック共重合体の製造方法が提供される。
Figure 2009001605
[一般式(II)中、R、R、R及びRは、一般式(I)と同様の置換基を表し、R及びR10は、炭素数6以上の炭化水素基、炭素数6以上のハロゲン化炭化水素基又は炭素数6以上のケイ素含有炭化水素基を表す。R11、R12、R13、R14、R15、R16、R17、R18、R19及びR20は、それぞれ独立して、水素原子、炭化水素基、ケイ素含有炭化水素基又はハロゲン化炭化水素基を表す。Q、X、Y及びMは、一般式(I)と同様の置換基を表す。]
本発明の第4の発明によれば、第1の発明において、前記メタロセン触媒は、次の成分(A)及び(B)、又は成分(A)、(B)及び(C)を含むことを特徴とするプロピレン/エチレン−αオレフィン系ブロック共重合体の製造方法が提供される。
成分(A):一般式(I)で表される遷移金属化合物。
成分(B):有機アルミニウムオキシ化合物、及び成分(A)と反応して成分(A)をカチオンに変換することが可能なイオン性化合物又はルイス酸からなる群より選ばれる化合物。
成分(C):微粒子担体。
また、本発明の第5の発明によれば、第1の発明において、前記メタロセン触媒は、次の成分(A)及び(D)、又は成分(A)、(D)及び(E)を含むことを特徴とするプロピレン/エチレン−αオレフィン系ブロック共重合体の製造方法が提供される。
成分(A):一般式(I)で表される遷移金属化合物。
成分(D):イオン交換性層状化合物及び無機珪酸塩からなる群より選ばれる化合物。
成分(E):有機アルミニウム化合物。
さらに、本発明の第6の発明によれば、第1の発明において、後段工程で用いられるコモノマーは、1−ブテン、1−ヘキセン又は1−オクテンから選ばれることを特徴とするプロピレン/エチレン−αオレフィン系ブロック共重合体の製造方法が提供される。
本発明は、上記した如く、プロピレン/エチレン−αオレフィン系ブロック共重合体の製造方法に係るものであるが、その好ましい態様としては、次のものが包含される。
(1)前記一般式(I)中において、Mは、ジルコニウム又はハフニウムであることを特徴とする上記のプロピレン/エチレン−αオレフィン系ブロック共重合体の製造方法。
(2)前記遷移金属化合物は、架橋ビス−ヒドロアズレニル(ヒドロアズレニル環は5員環と7員環が縮環した構造)骨格を有する化合物、又は架橋ヒドロアズレニル−インデニル(インデニル環は5員環と6員環が縮環した構造)骨格を有する化合物であることを特徴とする上記のプロピレン/エチレン−αオレフィン系ブロック共重合体の製造方法。
(3)前記遷移金属化合物は、架橋ビス−ヒドロアズレニル骨格を有する化合物であることを特徴とする上記のプロピレン/エチレン−αオレフィン系ブロック共重合体の製造方法。
(4)前記架橋ビス−ヒドロアズレニル骨格を有する化合物は、ジクロロ{1,1´−ジメチルシリレンビス[2−メチル−4−(4−クロロフェニル)−4H−アズレニル]}ジルコニウム、ジクロロ{1,1´−ジメチルシリレンビス[2−エチル−4−(2−フルオロ−4−ビフェニリル)−4H−アズレニル]}ハフニウム、又はジクロロ{1,1’−シラフルオレニルビス[2−エチル−4−(4−トリメチルシリル−3,5−ジクロロフェニル)−4H−アズレニル]}ハフニウムであることを特徴とする上記(3)のプロピレン/エチレン−αオレフィン系ブロック共重合体の製造方法。
本発明のプロピレン/エチレン−αオレフィン系ブロック共重合体の製造方法によれば、より高いα−オレフィン含量のエチレン−αオレフィン共重合体を有し、低分子量成分の含有量が少なく、耐衝撃性に優れたプロピレン/エチレン−αオレフィン系ブロック共重合体を安定的に製造できる。
その理由は、必ずしも明らかではないが、本発明における一般式(I)又は(II)で示される遷移金属化合物は、7〜10員環の縮環を有するシクロペンタジエニル骨格を基本骨格に少なくとも一つ含み、それらが架橋された構造を有し、化学的かつ立体的及び電子環境的に特異な構造を有することを基本的な特徴としており、このことから、その理由は、次の様に推察することができる。
特許文献9〜12などに代表的に示されるようなインデニル骨格(インデニル環は5員環と6員環が縮環した構造)を有する遷移金属化合物では、インデニル部分が平面構造をとっている。一方、非特許文献1、2に見られるように、ヒドロアズレニル骨格などの7〜10員環の縮環を有するシクロペンタジエニル骨格では、平面から歪んだ構造を有するため、立体的により広い配位場を形成する点が異なる。また、インデニル骨格では、電子的に共役系であるのに対して、ヒドロアズレニル骨格などの7〜10員環の縮環を有するシクロペンタジエニル骨格では、共役していないため、両者の中心金属に対する電子的効果も大きく異なっている。結果として、これらの立体的・電子的効果の違いが、より立体的に大きい高級α−オレフィンの反応性を大きくする効果を有していると考えられる。
以上のメカニズムに基づく反応は、用いる遷移金属化合物によって形成される配位場の立体的、電子的環境によって大きく影響する。このことは、遷移金属化合物における、基本骨格、有する対称性、さらに配置させる置換基の立体的、電子的効果を任意に変えることで、それによって形成される配位場に対して、反応するモノマー種(具体的には、エチレンと炭素数4〜20のα−オレフィン)の反応選択性を効果的に制御することが可能であることを示している。
この結果、より高いα−オレフィン含量のエチレン−αオレフィン共重合体を有し、低分子量成分の含有量が少なく、耐衝撃性に優れたプロピレン/エチレン−αオレフィン系ブロック共重合体を安定に製造できることが可能となると、推察される。
本発明のプロピレン系ブロック共重合体の製造方法は、特定の構造を有するメタロセン触媒を用いた重合反応において、前段工程で結晶性プロピレン成分(以下、PPともいう)を製造し、後段工程でエチレンと炭素数4〜20のα−オレフィンから選ばれる少なくとも一種のコモノマーとの共重合体成分(CP)を気相重合により製造する方法である。
以下、使用する遷移金属化合物、触媒、重合工程、得られるプロピレン/エチレン−αオレフィン系ブロック共重合体の特徴について、詳細に説明する。
1.オレフィン重合触媒成分に用いる遷移金属化合物
(1)遷移金属化合物の構造
本発明に係るメタロセン触媒におけるメタロセン錯体を形成する遷移金属化合物は、下記の一般式(I)で表される新規な遷移金属化合物である。
Figure 2009001605
(式中、R、R、R及びRは、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜10の炭化水素基、炭素数1〜18のケイ素含有炭化水素基又は炭素数1〜18のハロゲン化炭化水素基を示す。R及びRは、それぞれ独立して、それが結合する五員環に対して縮合環を形成する炭素数3〜10の飽和又は不飽和の2価の炭化水素基を示す。ただし、R及びRの少なくとも一方は、炭素数が5〜8であり、R又はR由来の7〜10員環から成る縮合環を形成する。R及びRは、それぞれ独立して、炭素数1〜20の炭化水素基、炭素数1〜20のハロゲン化炭化水素基、炭素数1〜20のケイ素含有炭化水素基、炭素数1〜20の酸素含有炭化水素基、アミノ基、炭素数1〜20の窒素含有炭化水素基又は炭素数1〜20の硫黄含有炭化水素基を示す。m及びnは、それぞれ独立して0〜20の整数を示す。ただし、m及びnが同時に0となることはない。また、m又はnが2以上の場合、それぞれ、R同士またはR同士が連結して新たな環構造を形成していてもよい。Qは、二つのシクロペンタジエニル環を連結する架橋基を示し、X及びYは、助触媒と反応してオレフィン重合能を発現させるσ共有結合性補助配位子を示し、Mは、周期表4族の遷移金属を示す。)
(2)遷移金属化合物の特徴
本発明に係る遷移金属化合物の錯体配位子は、化学的構造に基本的な特徴を有し、置換基としての立体的な配置に特異性を有すものであり、7〜10員環の縮環を有するシクロペンタジエニル骨格を基本骨格として有し、それらが架橋された構造を特徴とする。
更に、本発明に係る遷移金属化合物は、当然のことながら、縮環を有するシクロペンタジエニル骨格同士が、結合基Qを介して相対位置の観点において、M、X及びYを含む平面に関して対称性の異なる化合物(立体異性体)すなわち異性体(a;通常、rac異性体或いはanti体と呼ばれる)及び異性体(b;通常、meso異性体或いはsyn体と呼ばれる)を含むものである。
但し、高分子量のα−オレフィン重合体の製造を行うためには、ポリマー鎖の成長方向及びモノマーの配位方向を規制する作用の観点からして、上記の化合物(a)、つまり、M、X及びYを含む平面を挟んで対向する二個の配位子が当該平面に関して実体と鏡像の関係にない化合物を使用するのが好ましい。
なお、本発明に係る遷移金属化合物がオレフィン重合における特異な触媒機能を発揮する理由(メカニズム)は、段落[0020]〜[0022]に、既に詳しく記述している。
(3)遷移金属化合物の置換基
一般式(I)中において、R、R、R及びRは、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜10の炭化水素基、炭素数1〜18のケイ素含有炭化水素基または炭素数1〜18のハロゲン化炭化水素基を示す。
上記の炭素数1〜10の炭化水素基の具体例としては、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、s−ブチル、t−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシル、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル等のアルキル基、ビニル、プロペニル、シクロヘキセニル等のアルケニル基の他、フェニル基などが好ましく挙げられる。
また、上記の炭素数1〜18のケイ素含有炭化水素基の具体例としては、トリメチルシリル、トリエチルシリル、t−ブチルジメチルシリル等のトリアルキルシリル基、ビス(トリメチルシリル)メチル等のアルキルシリルアルキル基などが好ましく挙げられる。
さらに、上記の炭素数1〜18のハロゲン化炭化水素基において、ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が好ましく挙げられる。そして、上記のハロゲン化炭化水素基は、ハロゲン原子が例えばフッ素原子の場合、フッ素原子が上記の炭化水素基の任意の位置に置換した化合物である。
具体例としては、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、クロロメチル、ジクロロメチル、トリクロロメチル、ブロモメチル、ジブロモメチル、トリブロモメチル、ヨードメチル、2,2,2−トリフルオロエチル、2,2,1,1−テトラフルオロエチル、ペンタフルオロエチル、ペンタクロロエチル、ペンタフルオロプロピル、ノナフルオロブチル、トリフルオロビニル、2−,3−,4−置換の各フルオロフェニル、2−,3−,4−置換の各クロロフェニル、2−,3−,4−置換の各ブロモフェニル、2,4−,2,5−,2,6−,3,5−置換の各ジフルオロフェニル、2,4−,2,5−,2,6−,3,5−置換の各ジクロロフェニル、2,4,6−トリフルオロフェニル、2,4,6−トリクロロフェニル、ペンタフルオロフェニル、ペンタクロロフェニルなどが挙げられる。
これらの中では、R及びRとして、炭素数1〜6の炭化水素基が好ましく、特にメチル、エチル、プロピル、ブチル等の炭素数1〜6のアルキル基が好ましく、また、R及びRとしては、水素原子が特に好ましい。
また、一般式(I)中において、R及びRは、それぞれ独立して、それが結合する五員環に対して縮合環を形成する炭素数3〜10の飽和または不飽和の2価の炭化水素基を示す。ただし、R及びRの少なくとも一方は、炭素数が5〜8であり、R又はR由来の7〜10員環から成る縮合環を形成する。
かかる結合部R及びRとして、好ましいものは、炭素数3〜10の飽和または不飽和の2価の炭化水素結合基であり、具体例としてはトリメチレン、テトラメチレン、ペンタメチレン、ヘキサメチレン等の2価の飽和炭化水素基、プロペニレン、2−プロペン−1−イリデン、1−ブテニレン、2−ブテニレン、1,3−ブタジエニレン、1−ペンテニレン、2−ペンテニレン、1,3−ペンタジエニレン、1,4−ペンタジエニレン、1−ヘキセニレン、2−ヘキセニレン、3−ヘキセニレン、1,3−ヘキサジエニレン、1,4−ヘキサジエニレン、1,5−ヘキサジエニレン、2,4−ヘキサジエニレン、2,5−ヘキサジエニレン、1,3,5−ヘキサトリエニレン等の2価の不飽和炭化水素基等が好ましく、これらのうち、特に好ましくは、1,3−ブタジエニレン(すなわち6員環を形成する場合)あるいは、1,3−ヘキサジエニレン(すなわち7員環を形成する場合)等の炭素数4または5の2価の不飽和炭化水素であり、1,3−ヘキサジエニレン基がさらに好ましい結合基である。
さらに、一般式(I)中において、R及びRは、それぞれ独立して、炭素数1〜20の炭化水素基、炭素数1〜20のハロゲン化炭化水素基、炭素数1〜20のケイ素含有炭化水素基、炭素数1〜20の酸素含有炭化水素基、アミノ基、炭素数1〜20の窒素含有炭化水素基または炭素数1〜20の硫黄含有炭化水素基を示す。
上記の炭素数1〜20の炭化水素基の具体例としては、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、s−ブチル、t−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシル、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、メチルシクロヘキシル等のアルキル基、ビニル、プロペニル、シクロヘキセニル等のアルケニル基、ベンジル、フェニルエチル、フェニルプロピル等のアリールアルキル基、trans−スチリル等のアリールアルケニル基、フェニル、トリル、ジメチルフェニル、エチルフェニル、トリメチルフェニル、1−ナフチル、2−ナフチル、アセナフチル、フェナントリル、アントリル等のアリール基が挙げられる。これらの中では、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、s−ブチル、t−ブチル、シクロプロピル等の炭素数1〜4のアルキル基、フェニル、トリル、ジメチルフェニル、エチルフェニル、トリメチルフェニル、1−ナフチル、2−ナフチル等の炭素数6〜20のアリール基が好ましい。
上記の炭素数1〜20のハロゲン化炭化水素基において、ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。そして、上記のハロゲン化炭化水素基は、ハロゲン原子が例えばフッ素原子の場合、フッ素原子が上記の炭化水素基の任意の位置に置換した化合物である。
具体的には、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、クロロメチル、ジクロロメチル、トリクロロメチル、ブロモメチル、ジブロモメチル、トリブロモメチル、ヨードメチル、2,2,2−トリフルオロエチル、2,2,1,1−テトラフルオロエチル、ペンタフルオロエチル、ペンタクロロエチル、ペンタフルオロプロピル、ノナフルオロブチル、トリフルオロビニル、1,1−ジフルオロベンジル、1,1,2,2−テトラフルオロフェニルエチル、o−、m−、p−フルオロフェニル、o−、m−、p−クロロフェニル、o−、m−、p−ブロモフェニル、2,4−、3,5−、2,6−、2,5−ジフルオロフェニル、2,4−、3,5−、2,6−、2,5−ジクロロフェニル、2,4,6−トリフルオロフェニル、2,4,6−トリクロロフェニル、ペンタフルオロフェニル、ペンタクロロフェニル、4−フルオロナフチル、4−クロロナフチル、2,4−ジフルオロナフチル、ヘプタフルオロ−1−ナフチル、ヘプタクロロ−1−ナフチル、o−、m−、p−トリフルオロメチルフェニル、o−、m−、p−トリクロロメチルフェニル、2,4−、3,5−、2,6−、2,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル、2,4−、3,5−、2,6−、2,5−ビス(トリクロロメチル)フェニル、2,4,6−トリス(トリフルオロメチル)フェニル、4−トリフルオロメチルナフチル、4−トリクロロメチルナフチル、2,4−ビス(トリフルオロメチル)ナフチル基などが挙げられる。
上記の炭素数1〜20のケイ素含有炭化水素基の具体例としては、2−、3−、4−トリメチルシリルフェニル、2−、3−、4−t−ブチルジメチルシリルフェニル、2−、3−、4−ジフェニルメチルシリルフェニル、2−、3−、4−ジメチルフェニルシリルフェニル、トリメチルシリルトリル、4−トリメチルシリル−1−ナフチル、6−トリメチルシリル−1−ナフチル、4−トリメチルシリル−2−ナフチル、6−トリメチルシリル−2−ナフチル、4−t−ブチルジメチルシリル−2−ナフチル、6−t−ブチルジメチルシリル−2−ナフチル、4−ジフェニルメチルシリル−2−ナフチル、6−ジフェニルメチルシリル−2−ナフチル、4−ジメチルフェニルシリル−2−ナフチル、6−ジメチルフェニルシリル−2−ナフチル、3−トリメチルシリルビフェニル、4’−トリメチルシリルビフェニル、4−メチル−6−トリメチルシリル−1−ナフチル、4−メチル−6−トリメチルシリル−2−ナフチル、6−トリメチルシリル−2−アントリル、7−トリメチルシリル−2−フェナントリル、7−トリメチルシリル−9,10−ジヒドロ−2−フェナントリルなどが挙げられる。
上記の炭素数1〜20の酸素含有炭化水素基の具体例としては、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、シクロプロポキシ、ブトキシ等のアルコキシ基、フェノキシ、メチルフェノキシ、ジメチルフェノキシ、ナフトキシ等のアリロキシ基、フェニルメトキシ、ナフチルメトキシ等のアリールアルコキシ基、フリル基などの酸素含有複素環基などが挙げられる。
また、上記の炭素数1〜20の窒素含有炭化水素基の具体例としては、メチルアミノ、ジメチルアミノ、エチルアミノ、ジエチルアミノ等のアルキルアミノ基、フェニルアミノ、ジフェニルアミノ等のアリールアミノ基、(メチル)(フェニル)アミノ等の(アルキル)(アリール)アミノ基、ピラゾリル、インドリル等の窒素含有複素環基などが挙げられる。
また、一般式(I)中において、m及びnは、それぞれ独立して0〜20の整数を示す。ただし、m及びnが同時に0となることはない。m又はnが2以上の場合、それぞれ、R同士またはR同士が連結して新たな環構造を形成していてもよい。好ましくは、m=n=1である。
さらに、一般式(I)中において、Qは、二つのシクロペンタジエニル環を連結する架橋基である。Qの種類としては、公知の架橋型メタロセン系遷移金属化合物における架橋基が利用できる。
Qの具体例としては、メチレン、メチルメチレン、ジメチルメチレン、1,2−エチレン、1,3−トリメチレン、1,4−テトラメチレン、1,2−シクロへキシレン、1,4−シクロへキシレン等のアルキレン基、ジフェニルメチレン等のアリールアルキレン基、メチルシリレンやジメチルシリレン等のアルキルシリレン基、メチルフェニルシリレン等の(アルキル)(アリール)シリレン基、ジフェニルシリレン等のアリールシリレン基等が例示できる。これらの炭化水素基は、N、P、O、Siあるいはハロゲン等のヘテロ原子を含有していてもよい。また、上記のケイ素をゲルマニウムに置換した架橋基であってもよい。上述のシリレン基等上に2個の炭化水素基が存在する場合は、それらが互いに結合して環構造を形成していてもよい。
上述した架橋基の中では、ジメチルシリレン、ジメチルゲルミレン、シラフルロオレニル基が特に好ましい。
X及びYは、助触媒と反応してオレフィン重合能を発現させるσ共有結合性補助配位子であり、具体的には、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20の炭化水素基、炭素数1〜20のハロゲン化炭化水素基、炭素数1〜20のケイ素含有炭化水素基、炭素数1〜20の酸素含有炭化水素基、アミノ基または炭素数1〜20の窒素含有炭化水素基を示す。
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。
これらX及びYとしては、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20の炭化水素基、炭素数1〜20の窒素含有炭化水素基が好ましく、ハロゲン原子、炭素数1〜20の炭化水素基又は炭素数1〜20の窒素含有炭化水素基がさらに好ましく、塩素原子、メチル基、i−ブチル基、フェニル基、ベンジル基、ジメチルアミノ基又はジエチルアミノ基が特に好ましい。
Mは、周期表第4族の遷移金属を示し、好ましくはジルコニウム又はハフニウムである。
さらに、本発明に係るメタロセン触媒におけるメタロセン錯体を形成する遷移金属化合物は、下記の一般式(II)で表される遷移金属化合物であることが好ましい。
Figure 2009001605
[一般式(II)中、R、R、R及びRは、一般式(I)と同様の置換基を表し、R及びR10は、炭素数6以上の炭化水素基、炭素数6以上のハロゲン化炭化水素基又は炭素数6以上のケイ素含有炭化水素基を表す。R11、R12、R13、R14、R15、R16、R17、R18、R19及びR20は、それぞれ独立して、水素原子、炭化水素基、ケイ素含有炭化水素基又はハロゲン化炭化水素基を表す。Q、X、Y及びMは、一般式(I)と同様の置換基を表す。]
上記のRとR10の炭素数6以上の炭化水素基の具体例としては、フェニル基、トリル基、ジメチルフェニル基、メシチル基、エチルフェニル基、ジエチルフェニル基、トリエチルフェニル基、i−プロピルフェニル基、ジi−プロピルフェニル基、トリi−プロピルフェニル基、n−ブチルフェニル基、ジn−ブチルフェニル基、トリn−ブチルフェニル基、t−ブチルフェニル基、ジt−ブチルフェニル基、トリt−ブチルフェニル基、ビフェニリル基、p−テルフェニル基、m−テルフェニル基、ナフチル基、アントリル基、フェナントリル基のアリール基などが挙げられる。
また、上記の炭素数6以上のハロゲン化炭化水素置換基において、ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。そして、上記のハロゲン化炭化水素置換基は、ハロゲン原子が例えばフッ素原子の場合、フッ素原子が上記の炭化水素基の任意の位置に置換した化合物である。
具体的には、フルオロジメチルフェニル基、(フルオロメチル)メチルフェニル基、エチルフルオロフェニル基、ジエチルフルオロフェニル基、トリエチルフルオロフェニル基、フルオロi−プロピルフェニル基、フルオロジi−プロピルフェニル基、(フルオロi−プロピル)i−プロピルフェニル基、フルオロトリi−プロピルフェニル基、n−ブチルフルオロフェニル基、ジn−ブチルフルオロフェニル基、(フルオロブチル)ブチルフェニル基、トリn−ブチルフルオロフェニル基、t−ブチルフルオロフェニル基、ジt−ブチルフルオロフェニル基、トリt−ブチルフルオロフェニル基、フルオロビフェニリル基、フルオロp−テルフェニル基、フルオロm−テルフェニル基、フルオロナフチル基、フルオロアントリル基、フルオロフェナントリル基などが挙げられる。
さらに、上記の炭素数6以上のケイ素炭化水素置換基の具体例としては、トリメチルシリルフェニル、トリエチルシリルフェニル、イソプロピルジメチルシリルフェニル、t−ブチルジメチルシリルフェニル、フェニルジメチルシリルフェニルなどのシリル基置換アリール基などが挙げられる。
また、R11〜R20は、特に嵩高い基で無ければよく、水素原子、炭化水素基、ハロゲン化炭化水素基又はケイ素含有炭化水素基を示す。
炭化水素基の具体例としては、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチルなどのアルキル基、ビニル、プロペニル、などのアルケニル基などが挙げられる。
ハロゲン化炭化水素基は、ハロゲン原子が上記の炭化水素基の任意の位置に置換した化合物である。ハロゲンは、フッ素、塩素又は臭素が好ましく、中でもフッ素又は塩素が好ましい。
ハロゲン化炭化水素の具体例としては、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、クロロメチル、ジクロロメチルなどが挙げられる。
ケイ素含有炭化水素基の具体例としては、トリメチルシリル、トリエチルシリル、t−ブチルジメチルシリルなどのトリアルキルシリル基、トリメチルシリルメチル、トリエチルシリルメチルなどのトリアルキルシリルメチル基、ジメチルフェニルシリルメチル、ジメチルトリルシリルメチルなどのジ(アルキル)(アリール)シリルメチル基などが挙げられる。
これらの中で、R11〜R20は、水素原子が特に好ましい。
(4)遷移金属化合物の具体例
本発明に係る遷移金属化合物の好ましい具体例を以下に示す。
ところで、本発明では、新規な遷移金属化合物を主要な構成としているので、基本的には多数の遷移金属化合物の例示が必要であるが、明細書を簡潔簡明な記載とするために、遷移金属化合物の例示は、煩雑な記載を避けて主要な代表例にとどめている。
したがって、以下に列挙する遷移金属化合物以外の遷移金属化合物も、本願の特許請求の範囲において、記載される範囲内において全て包含される。例えば、以下の具体例において、ジルコニウムの代わりにチタニウム或いはハフニウム、ジクロライドの代わりに、他のX,Yである化合物も、例示されているに等しいといえる。
I.架橋ビス−ヒドロアズレニル骨格を有する化合物の例示
(1)ジクロロ{1,1’−ジメチルシリレンビス(2−メチル−4−フェニル−4H−アズレニル)}ジルコニウム
(2)ジクロロ[1,1’−ジメチルシリレンビス{2−メチル−4−(2−メチルフェニル)−4H−アズレニル}]ジルコニウム
(3)ジクロロ[1,1’−ジメチルシリレンビス{2−メチル−4−(3−メチルフェニル)−4H−アズレニル}]ジルコニウム
(4)ジクロロ[1,1’−ジメチルシリレンビス{2−メチル−4−(4−メチルフェニル)−4H−アズレニル}]ジルコニウム
(5)ジクロロ[1,1’−ジメチルシリレンビス{2−メチル−4−(2,6−ジメチルフェニル)−4H−アズレニル}]ジルコニウム
(6)ジクロロ[1,1’−ジメチルシリレンビス{2−メチル−4−(4−トリフルオロメチルフェニル)−4H−アズレニル}]ジルコニウム
(7)ジクロロ[1,1’−ジメチルシリレンビス{2−メチル−4−(4−クロロフェニル)−4H−アズレニル}]ジルコニウム
(8)ジクロロ[1,1’−ジメチルシリレンビス{2−メチル−4−(4−フルオロフェニル)−4H−アズレニル}]ジルコニウム
(9)ジクロロ[1,1’−ジメチルシリレンビス{2−メチル−4−(3−クロロフェニル)−4H−アズレニル}]ジルコニウム
(10)ジクロロ[1,1’−ジメチルシリレンビス{2−メチル−4−(3−フルオロフェニル)−4H−アズレニル}]ジルコニウム
(11)ジクロロ[1,1’−ジメチルシリレンビス{2−メチル−4−(4−トリメチルシリルフェニル)−4H−アズレニル}]ジルコニウム
(12)ジクロロ[1,1’−ジメチルシリレンビス{2−メチル−4−(4−t−ブチルフェニル)−4H−アズレニル}]ジルコニウム
(13)ジクロロ[1,1’−ジメチルシリレンビス{2−メチル−4−(1−ナフチル)−4H−アズレニル}]ジルコニウム
(14)ジクロロ{1,1’−ジメチルシリレンビス(2−エチル−4−フェニル−4H−アズレニル)}ジルコニウム
(15)ジクロロ[1,1’−ジメチルシリレンビス{2−エチル−4−(2−メチルフェニル)−4H−アズレニル}]ジルコニウム
(16)ジクロロ[1,1’−ジメチルシリレンビス{2−エチル−4−(3−メチルフェニル)−4H−アズレニル}]ジルコニウム
(17)ジクロロ[1,1’−ジメチルシリレンビス{2−エチル−4−(4−メチルフェニル)−4H−アズレニル}]ジルコニウム
(18)ジクロロ[1,1’−ジメチルシリレンビス{2−エチル−4−(2,6−ジメチルフェニル)−4H−アズレニル}]ジルコニウム
(19)ジクロロ[1,1’−ジメチルシリレンビス{2−エチル−4−(4−トリフルオロメチルフェニル)−4H−アズレニル}]ジルコニウム
(20)ジクロロ[1,1’−ジメチルシリレンビス{2−エチル−4−(4−クロロフェニル)−4H−アズレニル}]ジルコニウム
(21)ジクロロ[1,1’−ジメチルシリレンビス{2−エチル−4−(4−フルオロフェニル)−4H−アズレニル}]ジルコニウム
(22)ジクロロ[1,1’−ジメチルシリレンビス{2−エチル−4−(3−クロロフェニル)−4H−アズレニル}]ジルコニウム
(23)ジクロロ[1,1’−ジメチルシリレンビス{2−エチル−4−(3−フルオロフェニル)−4H−アズレニル}]ジルコニウム
(24)ジクロロ[1,1’−ジメチルシリレンビス{2−エチル−4−(4−トリメチルシリルフェニル)−4H−アズレニル}]ジルコニウム
(25)ジクロロ[1,1’−ジメチルシリレンビス{2−エチル−4−(4−トリメチルシリル−3−クロロフェニル)−4H−アズレニル}]ハフニウム
(26)ジクロロ[1,1’−ジメチルシリレンビス{2−エチル−4−(4−トリメチルシリル−3−メチルフェニル)−4H−アズレニル}]ハフニウム
(27)ジクロロ[1,1’−ジメチルシリレンビス{2−エチル−4−(4−トリメチルシリル−3−フルオロフェニル)−4H−アズレニル}]ハフニウム
(28)ジクロロ[1,1’−ジメチルシリレンビス{2−エチル−4−(4−トリメチルシリル−3,5−ジクロロフェニル)−4H−アズレニル}]ハフニウム
(29)ジクロロ[1,1’−ジメチルシリレンビス{2−エチル−4−(4−トリメチルシリル−3,5−ジメチルフェニル)−4H−アズレニル}]ハフニウム
(30)ジクロロ[1,1’−ジメチルシリレンビス{2−エチル−4−(4−トリメチルシリル−3,5−ジエチルフェニル)−4H−アズレニル}]ハフニウム
(31)ジクロロ[1,1’−ジメチルシリレンビス{2−エチル−4−(4−トリメチルシリル−3−クロロ−5−メチルフェニル)−4H−アズレニル}]ハフニウム
(32)ジクロロ[1,1’−ジメチルシリレンビス{2−エチル−4−(4−トリメチ
ルシリル−3−クロロ−5−フルオロフェニル)−4H−アズレニル}]ハフニウム
(33)ジクロロ[1,1’−ジメチルシリレンビス{2−エチル−4−(4−トリメチルシリル−3−クロロ−5−エチルフェニル)−4H−アズレニル}]ハフニウム
(34)ジクロロ[1,1’−ジメチルシリレンビス{2−エチル−4−(4−t−ブチルフェニル)−4H−アズレニル}]ジルコニウム
(35)ジクロロ[1,1’−ジメチルシリレンビス{2−エチル−4−(4−t−ブチル−3−クロロフェニル)−4H−アズレニル}]ジルコニウム
(36)ジクロロ[1,1’−ジメチルシリレンビス{2−エチル−4−(4−t−ブチル−3−メチルフェニル)−4H−アズレニル}]ジルコニウム
(37)ジクロロ[1,1’−ジメチルシリレンビス{2−エチル−4−(4−t−ブチル−3−フルオロフェニル)−4H−アズレニル}]ジルコニウム
(38)ジクロロ[1,1’−ジメチルシリレンビス{2−エチル−4−(1−ナフチル)−4H−アズレニル}]ジルコニウム
(39)ジクロロ[1,1’−ジメチルシリレンビス{2−エチル−4−(4−クロロ−1−ナフチル)−4H−アズレニル}]ジルコニウム
(40)ジクロロ[1,1’−ジメチルシリレンビス{2−エチル−4−(4−フルオロ−1−ナフチル)−4H−アズレニル}]ジルコニウム
(41)ジクロロ[1,1’−ジメチルシリレンビス{2−エチル−4−(4−メチル−1−ナフチル)−4H−アズレニル}]ジルコニウム
(42)ジクロロ[1,1’−ジメチルシリレンビス{2−エチル−4−(4−ビフェニル)−4H−アズレニル}]ジルコニウム
(43)ジクロロ[1,1’−ジメチルシリレンビス{2−エチル−4−(2−フルオロ−4−ビフェニル)−4H−アズレニル}]ジルコニウム
(44)ジクロロ[1,1’−ジメチルシリレンビス{2−エチル−4−(2−クロロ−4−ビフェニル)−4H−アズレニル}]ジルコニウム
(45)ジクロロ[1,1’−ジメチルシリレンビス{2−エチル−4−(2−メチル−4−ビフェニル)−4H−アズレニル}]ジルコニウム
(46)ジクロロ[1,1’−ジメチルシリレンビス{2−エチル−4−(2−エチル−4−ビフェニル)−4H−アズレニル}]ジルコニウム
(47)ジクロロ[1,1’−ジメチルシリレンビス{2−エチル−4−(2,6−ジメチル−4−ビフェニル)−4H−アズレニル}]ジルコニウム
(48)ジクロロ[1,1’−ジメチルシリレンビス{2−エチル−4−(2−クロロ−6−メチル−4−ビフェニル)−4H−アズレニル}]ジルコニウム
(49)ジクロロ[1,1’−ジメチルシリレンビス{2−エチル−4−(2’−クロロ−4−ビフェニル)−4H−アズレニル}]ジルコニウム
(50)ジクロロ[1,1’−ジメチルシリレンビス{2−エチル−4−(2’−メチル−4−ビフェニル)−4H−アズレニル}]ジルコニウム
(51)ジクロロ[1,1’−ジメチルシリレンビス{2−エチル−4−(2’,6’−ジメチル−4−ビフェニル)−4H−アズレニル}]ジルコニウム
(52)ジクロロ[1,1’−ジメチルシリレンビス{2−エチル−4−(4’−クロロ−4−ビフェニル)−4H−アズレニル}]ジルコニウム
(53)ジクロロ[1,1’−ジメチルシリレンビス{2−エチル−4−(4’−メチル−4−ビフェニル)−4H−アズレニル}]ジルコニウム
(54)ジクロロ{1,1’−ジメチルシリレンビス(2−i−プロピル−4−フェニル−4H−アズレニル)}ジルコニウム
(55)ジクロロ[1,1’−ジメチルシリレンビス{2−i−プロピル−4−(2−メチルフェニル)−4H−アズレニル}]ジルコニウム
(56)ジクロロ[1,1’−ジメチルシリレンビス{2−i−プロピル−4−(4−トリフルオロメチルフェニル)−4H−アズレニル}]ジルコニウム
(57)ジクロロ[1,1’−ジメチルシリレンビス{2−i−プロピル−4−(4−t−ブチルフェニル)−4H−アズレニル}]ジルコニウム
(58)ジクロロ[1,1’−ジメチルシリレンビス{2−i−プロピル−4−(4−トリメチルシリルフェニル)−4H−アズレニル}]ジルコニウム
(59)ジクロロ[1,1’−ジメチルシリレンビス{2−i−プロピル−4−(1−ナフチル)−4H−アズレニル}]ジルコニウム
(60)ジクロロ{1,1’−ジメチルゲルミレンビス(2−メチル−4−フェニル−4H−アズレニル)}ジルコニウム
(61)ジクロロ{1,1’−エチレンビス(2−メチル−4−フェニル−4H−アズレニル)}ジルコニウム
(62)ジクロロ{1,1’−シラフルオレンビス(2−メチル−4−フェニル−4H−アズレニル)}ジルコニウム
(63)ジクロロ{1,1’−シラフルオレンビス(2−エチル−4−(4−トリメチルシリル−3,5−ジクロロフェニル)−4H−アズレニル)}ジルコニウム
(64)ジクロロ{1,1’−ジメチルシリレンビス(2−メチル−4−フェニル−4H−5,6,7,8−テトラヒドロ−アズレニル)}ジルコニウム
(65)ジクロロ{1,1’−ジメチルシリレンビス(2−メチル−4−フェニル−4H−5,6,7,8−テトラヒドロアズレニル)}ジルコニウム
(66)ジクロロ[1,1’−ジメチルシリレンビス{2−メチル−4−(4−クロロフェニル)−4H−5,6,7,8−テトラヒドロアズレニル}]ジルコニウム
II.架橋インデニル−ヒドロアズレニル骨格を有する化合物の例示
(1)ジクロロ[ジメチルシリレン(2−メチル−4−フェニル−1−インデニル)(2−メチル−4−フェニル−4H−1−アズレニル)]ハフニウム
(2)ジクロロ[ジメチルシリレン(2−エチル−4−フェニル−1−インデニル)(2−メチル−4−フェニル−4H−1−アズレニル)]ハフニウム
(3)ジクロロ[ジメチルシリレン(2−メチル−4−フェニル−1−インデニル)(2−メチル−4−(4−クロロフェニル)−4H−1−アズレニル)]ハフニウム
(4)ジクロロ[ジメチルシリレン(2−エチル−4−フェニル−1−インデニル)(2−メチル−4−(4−クロロフェニル)−4H−1−アズレニル)]ハフニウム
(5)ジクロロ[ジメチルシリレン(2−メチル−4−フェニル−1−インデニル)(2−メチル−4−(4−フルオロフェニル)−4H−1−アズレニル)]ハフニウム
(6)ジクロロ[ジメチルシリレン(2−エチル−4−フェニル−1−インデニル)(2−メチル−4−(4−フルオロフェニル)−4H−1−アズレニル)]ハフニウム
(7)ジクロロ[ジメチルシリレン(2−メチル−4−フェニル−1−インデニル)(2−メチル−4−(4−t−ブチルフェニル)−4H−1−アズレニル)]ハフニウム
(8)ジクロロ[ジメチルシリレン(2−エチル−4−フェニル−1−インデニル)(2−メチル−4−(4−t−ブチルフェニル)−4H−1−アズレニル)]ハフニウム
(9)ジクロロ[ジメチルシリレン(2−メチル−4−フェニル−1−インデニル)(2−メチル−4−(4−トリメチルシリルフェニル)−4H−1−アズレニル)]ハフニウム
(10)ジクロロ[ジメチルシリレン(2−エチル−4−フェニル−1−インデニル)(2−メチル−4−(4−トリメチルシリルフェニル)−4H−1−アズレニル)]ハフニウム
(11)ジクロロ[ジメチルシリレン(2−メチル−4−フェニル−1−インデニル)(2−メチル−4−(1−ナフチル)−4H−1−アズレニル)]ハフニウム
(12)ジクロロ[ジメチルシリレン(2−エチル−4−フェニル−1−インデニル)(2−メチル−4−(1−ナフチル)−4H−1−アズレニル)]ハフニウム
(13)ジクロロ[ジメチルシリレン(2−メチル−4−フェニル−1−インデニル)(2−メチル−4−(2−ナフチル)−4H−1−アズレニル)]ハフニウム
(14)ジクロロ[ジメチルシリレン(2−エチル−4−フェニル−1−インデニル)(2−メチル−4−(2−ナフチル)−4H−1−アズレニル)]ハフニウム
(15)ジクロロ[ジメチルシリレン(2−メチル−4−フェニル−1−インデニル)(2−エチル−4−フェニル−4H−1−アズレニル)]ハフニウム
(16)ジクロロ[ジメチルシリレン(2−エチル−4−フェニル−1−インデニル)(2−エチル−4−フェニル−4H−1−アズレニル)]ハフニウム
(17)ジクロロ[ジメチルシリレン(2−メチル−4−フェニル−1−インデニル)(2−エチル−4−(4−クロロフェニル)−4H−1−アズレニル)]ハフニウム
(18)ジクロロ[ジメチルシリレン(2−エチル−4−フェニル−1−インデニル)(2−エチル−4−(4−クロロフェニル)−4H−1−アズレニル)]ハフニウム
(19)ジクロロ[ジメチルシリレン(2−メチル−1−ベンゾ〔e〕インデニル)(2−メチル−4−フェニル−4H−1−アズレニル)]ハフニウム
(20)ジクロロ[ジメチルシリレン(2−メチル−1−ベンゾ〔e〕インデニル)(2−メチル−4−(4−クロロフェニル)−4H−1−アズレニル)]ハフニウム
(21)ジクロロ[ジメチルシリレン(2−メチル−1−ベンゾ〔e〕インデニル)(2−メチル−4−(4−フルオロフェニル)−4H−1−アズレニル)]ハフニウム
(22)ジクロロ[ジメチルシリレン(2−メチル−1−ベンゾ〔e〕インデニル)(2−メチル−4−(4−t−ブチルフェニル)−4H−1−アズレニル)]ハフニウム
(23)ジクロロ[ジメチルシリレン(2−メチル−1−ベンゾ〔e〕インデニル)(2−メチル−4−(4−トリメチルシリルフェニル)−4H−1−アズレニル)]ハフニウム
(24)ジクロロ[ジメチルシリレン(2−メチル−1−ベンゾ〔e〕インデニル)(2−メチル−4−(1−ナフチル)−4H−1−アズレニル)]ハフニウム
(25)ジクロロ[ジメチルシリレン(2−メチル−1−ベンゾ〔e〕インデニル)(2−メチル−4−(2−ナフチル)−4H−1−アズレニル)]ハフニウム
(26)ジクロロ[ジメチルシリレン(2−メチル−1−ベンゾ〔e〕インデニル)(2−エチル−4−フェニル−4H−1−アズレニル)]ハフニウム
(27)ジクロロ[ジメチルシリレン(2−メチル−1−ベンゾ〔e〕インデニル)(2−エチル−4−(4−クロロフェニル)−4H−1−アズレニル)]ハフニウム
(28)ジクロロ[ジメチルシリレン(2−メチル−1−ベンゾ〔e〕インデニル)(2−エチル−4−(4−フルオロフェニル)−4H−1−アズレニル)]ハフニウム
(29)ジクロロ[ジメチルシリレン(2−メチル−1−ベンゾ〔e〕インデニル)(2−エチル−4−(4−t−ブチルフェニル)−4H−1−アズレニル)]ハフニウム
(30)ジクロロ[ジメチルシリレン(2−メチル−1−ベンゾ〔e〕インデニル)(2−エチル−4−(4−トリメチルシリルフェニル)−4H−1−アズレニル)]ハフニウム
(31)ジクロロ[ジメチルシリレン(2−メチル−1−ベンゾ〔e〕インデニル)(2−エチル−4−(1−ナフチル)−4H−1−アズレニル)]ハフニウム
(32)ジクロロ[ジメチルシリレン(2−メチル−4−フェニル−1−インデニル)(2−メチル−4−フェニル−4H−5,6,7,8−テトラヒドロ−1−アズレニル)]ハフニウム
(33)ジクロロ[ジメチルシリレン(2−エチル−1−インデニル)(2−メチル−4−フェニル−4H−5,6,7,8−テトラヒドロ−1−アズレニル)]ハフニウム
なお、前述のとおり、上記一連の化合物においては、一般式(I)及び(II)のX及びY部分に相当する2つの塩素原子の一方又は両方が、フッ素原子、臭素原子、ヨウ素原子、メチル基、フェニル基、ベンジル基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基などに代わった化合物も、例示することができる。
また、上記において例示した化合物の中心金属(M)は、例えば、ジルコニウム又はハフニウムの代わりに、チタン、ハフニウム又はジルコニウムに代えた化合物も、例示しているのに等しい。
ところで、一般に、オレフィン重合用触媒の技術分野では、触媒成分である遷移金属化合物の金属種によって、触媒作用が大きく影響を受けることが知られており、ある種の遷移金属触媒の金属種のみが異なる他の触媒が、同等の触媒作用を有することは、理論的に保証されていない。しかし、メタロセン触媒成分として、周期表第4族のジルコニウム、チタン及びハフニウムを用いた場合には、ほぼ同等の触媒作用が示されることが実験によって確認されており、当業者にもよく知られた事項である(特開昭60−130604号公報、特開平4−100808号公報を参照。)。
したがって、本願明細書における上記の遷移金属化合物の例示は、合理的なものであり、単なる羅列ではないことは、明らかであるといえる。
2.オレフィン重合用触媒
本発明で用いる遷移金属化合物は、オレフィン重合用触媒成分を形成し、該触媒成分は、オレフィン重合用触媒に用いることができ、例えば、該遷移金属化合物を成分(A)として含む、次に説明するオレフィン重合用触媒として用いることが好ましい。
(1)オレフィン重合用触媒(i)
オレフィン重合用触媒(i)は、成分(A)及び成分(B)からなる触媒である。「からなる」とは、これらの成分以外に他の成分を含む場合を排除する意図ではなく、例えば、さらに、担体(C)や有機アルミニウム化合物を包含する系であってもよい。
成分(B)の具体例としては、下記(B−1)〜(B−3)が挙げられる。
(B−1)アルミニウムオキシ化合物
(B−2)成分(A)と反応して成分(A)をカチオンに変換することが可能なイオン性化合物又はルイス酸
(B−3)固体酸
(B−1)アルミニウムオキシ化合物においては、アルミニウムオキシ化合物がメタロセン錯体を活性化できることは周知であり、そのような化合物としては、具体的には次の各一般式(III)〜(V)で表される化合物が挙げられる。
Figure 2009001605
上記各一般式中において、Rは、水素原子又は炭化水素基、好ましくは炭素数1〜10、特に好ましくは炭素数1〜6の炭化水素基を示す。また、複数のRは、それぞれ同一でも異なっていてもよい。また、pは0〜40、好ましくは2〜30の整数を示す。
一般式のうち、一番目(III)及び二番目(IV)の式で表される化合物は、アルミノキサンとも称される化合物であって、これらの中では、メチルアルミノキサン又はメチルイソブチルアルミノキサンが好ましい。上記のアルミノキサンは、各群内および各群間で複数種併用することも可能である。そして、上記のアルミノキサンは、公知の様々な条件下に調製することができる。
一般式の三番目(V)で表される化合物は、一種類のトリアルキルアルミニウム又は二種類以上のトリアルキルアルミニウムと、一般式:RB(OH)でで表されるアルキルボロン酸との10:1〜1:1(モル比)の反応により得ることができる。一般式中、Rは、炭素数1〜10、好ましくは炭素数1〜6の炭化水素基を示す。
(B−2)の化合物は、成分(A)と反応して成分(A)をカチオンに変換することが可能なイオン性化合物又はルイス酸であり、このようなイオン性化合物としては、カルボニウムカチオン、アンモニウムカチオンなどの陽イオンと、トリフェニルホウ素、トリス(3,5−ジフルオロフェニル)ホウ素、トリス(ペンタフルオロフェニル)ホウ素などの有機ホウ素化合物との錯化物が挙げられる。
また、上記のようなルイス酸としては、種々の有機ホウ素化合物、例えばトリス(ペンタフルオロフェニル)ホウ素などが例示される。或いは、塩化アルミニウム、塩化マグネシウムなどの金属ハロゲン化合物が例示される。
なお、上記のルイス酸のある種のものは、成分(A)と反応して成分(A)をカチオンに変換することが可能なイオン性化合物として把握することもできる。
上述した非配位性のホウ素化合物を用いたメタロセン触媒は、特開平3−234709号公報、特開平5−247128号公報などに例示されている。
(B−3)の固体酸としては、アルミナ、シリカ−アルミナ、シリカ−マグネシアなどが挙げられる。
本発明に係るオレフィン重合用触媒(i)において、任意成分としての担体(C)は、無機又は有機の化合物から成り、通常5μm〜5mm、好ましくは10μm〜2mmの粒径を有する微粒子状の担体である。
無機担体としては、例えば、SiO、Al、MgO、ZrO、TiO、B、ZnOなどの酸化物、SiO−MgO、SiO−Al、SiO−TiO、SiO−Cr、SiO−Al−MgOなどの複合酸化物などが挙げられる。
有機担体としては、例えば、エチレン、プロピレン、1−ブテン、4−メチル−1−ペンテンなどの炭素数2〜14のα−オレフィンの(共)重合体、スチレン、ジビニルベンゼンなどの芳香族不飽和炭化水素の(共)重合体などから成る多孔質ポリマーの微粒子担体が挙げられる。
これらの微粒子の比表面積は、通常20〜1,000m/g、好ましくは50〜700m/gであり、細孔容積は、通常0.1cm/g以上、好ましくは0.3cm/g以上、さらに好ましくは0.8cm/g以上である。
本発明に係るオレフィン重合用触媒(i)は、微粒子担体以外の任意成分として、例えば、HO、メタノール、エタノール、ブタノールなどの活性水素含有化合物、エーテル、エステル、アミンなどの電子供与性化合物、ホウ酸フェニル、ジメチルメトキシアルミニウム、亜リン酸フェニル、或いはテトラエトキシシラン、ジフェニルジメトキシシランなどのアルコキシ含有化合物を含むことができる。
また、上記以外の任意成分としては、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウムなどのトリ低級アルキルアルミニウム、ジエチルアルミニウムクロリド、ジイソブチルアルミニウムクロリド、メチルアルミニウムセスキクロリドなどのハロゲン含有アルキルアルミニウム、ジエチルアルミニウムヒドリドなどのアルキルアルミニウムヒドリド、ジエチルアルミニウムエトキシド、ジメチルアルミニウムブトキシドなどのアルコキシ含有アルキルアルミニウム、ジエチルアルミニウムフェノキシドなどのアリールオキシ含有アルキルアルミニウムなどが挙げられる。
本発明に係るオレフィン重合用触媒(i)において、アルミニウムオキシ化合物、及び成分(A)と反応して成分(A)をカチオンに変換することが可能なイオン性化合物又はルイス酸は、成分(B)として、それぞれ単独使用される他、これらの3成分を適宜組み合わせて使用することができる。
また、上記の低級アルキルアルミニウム、ハロゲン含有アルキルアルミニウム、アルキルアルミニウムヒドリド、アルコキシ含有アルキルアルミニウム、アリールオキシ含有アルキルアルミニウムの1種又は2種以上は、任意成分ではあるが、アルミニウムオキシ化合物、イオン性化合物又はルイス酸と併用してオレフィン重合用触媒(i)中に含有させるのが好ましい。
本発明に係るオレフィン重合用触媒(i)は、重合槽の内外において、重合させるべきモノマーの存在下又は不存在下、上記の成分(A)及び(B)を接触させることにより調製することができる。すなわち、成分(A)及び(B)と、必要に応じて成分(C)を重合槽に別々に導入してもよいし、成分(A)及び(B)を予め接触させた後に、重合槽に導入してもよい。また、成分(A)及び(B)の混合物を成分(C)に含浸させた後に重合槽へ導入してもよい。
上記の各成分の接触は、窒素などの不活性ガス中において、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、トルエン、キシレンなどの不活性炭化水素溶媒中で行ってもよい。接触温度は、−20℃から溶媒の沸点の範囲の温度、特に、室温から溶媒の沸点の範囲の温度が好ましい。この様にして調製された触媒は、調製後に洗浄せずに使用してもよく、また、洗浄した後に使用してもよい。さらには、調製後に必要に応じて新たに成分を組み合わせて使用してもよい。
(2)オレフィン重合用触媒(ii)
オレフィン重合用触媒(ii)は、成分(A)及び成分(D)と、必要により使用する成分(E)からなる触媒である。「からなる」の趣旨はオレフィン重合用触媒(i)で述べたのと同様の意図である。
成分(D)は、イオン交換性層状化合物又は無機珪酸塩から選ばれるものであり、成分(E)は、有機アルミニウム化合物である。
成分(D)のうち、イオン交換性層状化合物は、粘土鉱物の大部分を占めるものであり、好ましくはイオン交換性層状珪酸塩である。
イオン交換性層状珪酸塩(以下、単に「珪酸塩」と略記する場合がある。)は、イオン結合などによって構成される面が互いに結合力で平行に積み重なった結晶構造を有し、且つ、含有されるイオンが交換可能である珪酸塩化合物をいう。大部分の珪酸塩は、天然には主に粘土鉱物の主成分として産出されるため、イオン交換性層状珪酸塩以外の夾雑物(石英、クリストバライトなど)が含まれることが多いが、それらを含んでいてもよい。珪酸塩は各種公知のものが使用できる。具体的には、白水春雄著「粘土鉱物学」朝倉書店(1995年)に記載されている次のような層状珪酸塩が代表例として挙げられる。
(i)2:1型鉱物類:
モンモリロナイト、ザウコナイト、バイデライト、ノントロナイト、サポナイト、ヘクトライト、スチーブンサイトなどのスメクタイト族;バーミキュライトなどのバーミキュライト族;雲母、イライト、セリサイト、海緑石などの雲母族;パイロフィライト、タルクなどのパイロフィライト−タルク族;マグネシウム緑泥石などの緑泥石族。
(ii)2:1リボン型鉱物類:
セピオライト、パリゴルスカイトなど。
本発明で原料として使用する珪酸塩は、上記の混合層を形成した層状珪酸塩であってもよい。本発明においては、主成分の珪酸塩が2:1型構造を有する珪酸塩であることが好ましく、スメクタイト族であることがさらに好ましく、モンモリロナイトが特に好ましい。
本発明で使用する珪酸塩は、天然品又は工業原料として入手したものは、特に処理を行うことなくそのまま用いることができるが、化学処理を施すことが好ましい。具体的には、酸処理、アルカリ処理、塩類処理、有機物処理などが挙げられる。これらの処理を互いに組み合わせて用いてもよい。本発明において、これらの処理条件には特に制限はなく、公知の条件が使用できる。
また、これらイオン交換性層状珪酸塩には、通常吸着水及び層間水が含まれるため、不活性ガス流通下で加熱脱水処理するなどして、水分を除去してから使用するのが好ましい。
本発明に係るオレフィン重合用触媒(ii)において、任意成分(E)としての有機アルミニウム化合物の一例は、次の一般式で表される。
AlR3−a
上記一般式中、Rは、炭素数1〜20の炭化水素基、Xは、水素、ハロゲン、アルコキシ基又はシロキシ基を示し、aは、0より大きく3以下の数を示す。
上記一般式で表される有機アルミニウム化合物の具体例としては、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリプロピルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウムなどのトリアルキルアルミニウム、ジエチルアルミニウムモノクロライド、ジエチルアルミニウムモノメトキシドなどのハロゲン又はアルコキシ含有アルキルアルミニウムが挙げられる。これらの中では、トリアルキルアルミニウムが好ましい。
本発明に係るオレフィン重合用触媒(ii)においては、成分(E)として、上記の一般式で表される有機アルミニウム化合物以外に、メチルアルミノキサンなどのアルミノキサン類なども使用できる。また、上記の有機アルミニウム化合物とアルミノキサン類とを併用することもできる。
本発明に係るオレフィン重合用触媒(ii)は、オレフィン重合用触媒(i)の場合と同様の方法により調製することができる。この際、成分(A)及び成分(D)と任意成分(E)の接触方法は、特に限定されないが、次の様な方法を例示することができる。
(1)成分(A)と成分(D)とを接触させる方法
(2)成分(A)と成分(D)とを接触させた後に任意成分(E)を添加する方法
(3)成分(A)と任意成分(E)とを接触させた後に成分(D)を添加する方法
(4)成分(D)と任意成分(E)とを接触させた後に成分(A)を添加する方法
(5)各成分(A)、(D)、(E)を同時に接触させる。
なお、この接触は、触媒調製時だけでなく、オレフィンによる予備重合時又はオレフィンの重合時に行ってもよい。上記の各成分の接触の際もしくは接触の後に、ポリエチレン、ポリプロピレンなどの重合体、シリカ、アルミナなどの無機酸化物の固体を共存させるか、又は、接触させてもよい。
また、上記の各成分の接触は、窒素などの不活性ガス中において、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、トルエン、キシレンなどの不活性炭化水素溶媒中で行ってもよい。接触は、−20℃から溶媒の沸点の間の温度で行い、特に室温から溶媒の沸点の間での温度で行うのが好ましい。
(3)触媒成分の使用量その他
成分(A)と、成分(B)または成分(D)の使用量は、それぞれの組み合わせの中で最適な量比で用いられる。
成分(B)が、アルミニウムオキシ化合物の場合、Al/遷移金属のモル比は、通常10以上100,000以下、さらに100以上20,000以下、特に100以上10,000以下の範囲が適する。一方、成分(B)として、イオン性化合物或いはルイス酸を用いた場合、対遷移金属のモル比は、0.1〜1,000、好ましくは0.5〜100、さらに好ましくは1〜50の範囲である。
成分(B)として固体酸を用いる場合、或いは成分(D)としてイオン交換性層状化合物などを用いる場合は、成分1gにつき、遷移金属錯体0.001〜10mmol、好ましくは0.001〜1mmolの範囲である。
これらの使用比率は、通常の割合例を示すものであって、触媒が発明の目的に沿うものとなっておれば、上に述べた使用比率の範囲によって、本発明が限定されることにはならないことは当然である。
遷移金属錯体と助触媒からなるポリオレフィン製造用触媒をオレフィン重合用(本重合)の触媒として使用する前に必要に応じて、担体に担持させた後、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテン、4−メチル−1−ペンテン、3−メチル−1−ブテン、ビニルシクロアルカン、スチレンなどのオレフィンを予備的に少量重合する予備重合処理を施してもよい。予備重合方法は、公知の方法が使用できる。
3.重合反応
本発明のプロピレン/エチレン−αオレフィン系ブロック共重合体の製造方法は、結晶性プロピレン重合体成分(PP)を製造する前段工程、引き続き、エチレンと、炭素数4〜20のα−オレフィンから選ばれる少なくとも一種のコモノマーとの共重合体成分(CP)を製造する後段工程から構成される。
また、前段工程は、バルク重合法、気相重合法どちらの重合法も採用可能である。後段工程は、製造するエチレン−αオレフィン共重合体成分がゴム成分であり、溶媒中に溶出しないことが望ましいため、気相重合法を採用する。
また、重合形式は、それぞれ前段工程、後段工程とも回分法、および連続法どちらの方式も採用できる。本発明においては、前段と後段からなる2段重合が行われるが、場合によっては、それぞれの段階を更に分割することができる。特に、後段工程を2段以上に分割して多種類のゴム成分を作る方法も物性改良法の一つである。
(1)プロピレン重合体成分(PP)の製造
前段の重合工程では、メタロセン触媒、好ましくは前述した成分(A)、(B)又は(D)、必要に応じて(C)又は(E)からなる触媒を使用して、結晶性プロピレン重合体成分(PP)を製造する。すなわち、プロピレン単独重合体(プロピレンホモポリマー)またはプロピレンとα−オレフィンの共重合体(プロピレン−αオレフィン共重合体)を、一段もしくは多段に、全重合量(プロピレン/エチレン−αオレフィン系ブロック共重合体の全体)の20〜99重量%、好ましくは30〜90重量%に相当するように形成させる工程である。ここでα−オレフィンとしては、エチレンを含みプロピレン以外の炭素数4〜20のα−オレフィンであり、例えば、1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−ペンテン−1、1−オクテン、1−デセン等が挙げられる。これらの中では、エチレンが最も好ましい。α−オレフィンを使用する場合の使用量は、全モノマー(プロピレンとα−オレフィンの合計)に対して10重量%以下、好ましくは5重量%以下である。
前段の重合工程における重合温度は、30〜120℃、好ましくは50〜90℃程度である。重合圧力は0.1〜6MPa、好ましくは0.1〜4MPaである。また、重合体の流動性が適当なものとなるように分子量(MFR)調整剤を使用することが好ましく、分子量(MFR)調整剤としては、水素が好ましい。MFR(試験条件:230℃、2.16Kg荷重)は、最終重合体の用途によるが、好ましい範囲としては0.1〜3000g/10分、好ましくは0.5〜2000g/10分、さらに好ましくは0.5〜1000g/10分である。
(2)エチレン−αオレフィン共重合体成分(CP)の製造
本発明の後段の重合工程は、この工程で製造するエチレン−αオレフィン共重合体成分がゴム成分であり、溶媒中に溶出しないことが望ましいことから、気相重合で行なう必要がある。気相重合プロセスとしては、公知の気相重合プロセスを用いることができるが、機械的に攪拌される縦型あるいは横型の気相重合プロセスが好ましい。
本発明の後段工程においては、エチレンとα−オレフィンとの重合比(モル比)が95/5〜50/50、好ましくは90/10〜70/30であるエチレン−αオレフィン共重合体を生成させる。
ここでα−オレフィンとしては、炭素数4〜20のα−オレフィンであり、例えば、1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−ペンテン−1、1−オクテン−1、1−デセン等が挙げられる。これらの中では、1−ブテン、1−ヘキセンが最も好ましい。この共重合体は、第三成分として、例えばプロピレンやジエン系モノマー等をさらに含有することができる。その場合、これらの第三成分の含有量は、20重量%以下が好ましい。
また、後段工程では、全重合量(プロピレン/エチレン−αオレフィン系ブロック共重合体の全体)の1〜80重量%、好ましくは10〜70重量%に相当する量を形成させる。
後段の重合工程における重合温度は、30〜120℃、好ましくは50〜80℃程度である。重合圧力は0.1〜5MPa、好ましくは0.5〜4MPaである。重合圧力があまり高くなると、超臨界状態となってしまうことが知られているが、本発明における気相重合は、このような超臨界状態を含まない。
重合時には、得られる重合体の流動性が適当なものとなるように分子量調整剤を使用することが好ましく、分子量調整剤としては、水素が好ましい。
エチレン−αオレフィン共重合体の重量平均分子量の範囲は、1万〜500万、好ましくは5万〜300万、さらに好ましくは10万〜100万、最も好ましくは40万〜80万である。最終重合体の用途によるが、成型時のゲルの発生を抑え、線膨張率を低くするためには、エチレン−αオレフィン共重合体の重量平均分子量を、前段で重合した重合体の重量平均分子量に、なるべく近づけることが有効である。また、重合体の性状を考慮すると、べとつきの原因とされるゴムの低分子量成分の生成が極力少ない方が望ましい。具体的には、ゴム中の分子量5000以下の成分がゴム全体に対して0.8重量%以下であることが好ましい。そのためには、ゴムの平均分子量を低くしないような重合条件をとることや、重合終了後に速やかに残モノマーを放出するか触媒を失活させるなどして後段の重合工程と異なる条件下での重合反応が起きることを避けることが必要である。なお、ここでゴム中の低分子量成分量は、後述するCFC分析装置による測定における、40℃以下の溶出成分中の分子量5000以下の成分量のことをいう。
4.プロピレン/エチレン−αオレフィン系ブロック共重合体
以上の製造方法によって、エチレン−αオレフィン共重合体成分(CP)は、全重合量(プロピレン/エチレン−αオレフィン系ブロック共重合体の全体)の1〜80重量%となるように製造でき、その中でも好ましい範囲は10〜70重量%である。また、ゴム(CP)中のエチレン含有量は、99〜50重量%となるように製造でき、その中でも好ましい範囲は95〜60重量%である。さらに、ゴム(CP)部の固有粘度[η]cpは、1〜10となるように製造でき、その中でも好ましい範囲は、3〜10である。
結晶性プロピレン重合体成分(PP)の融点(Tm)は、120〜165℃となるように製造でき、その中でも好ましい範囲は、150〜165℃である。
次に実施例により、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は、これらの例によって何ら限定されるものではない。
実施例で評価したポリマー物性の測定方法などを以下に示す。
(1)MFRの測定:
ポリマー6gに熱安定剤(BHT)のアセトン溶液(0.6重量%)6gを添加した。次いで、上記のポリマーを乾燥した後、メルトインデクサー(230℃)に充填し、2.16Kg荷重の条件下に5分間放置した。その後、ポリマーの押し出し量を測定し、10分間当たりの量に換算し、MFRの値とした(単位はg/10分)。
(2)融点(Tm)の測定:
DSC(セイコー・インスツルメンツ社製・DSC6200型)を使用し、10℃/分で20〜200℃までの昇降温を1回行った後、10℃/分で2回目の昇温時の測定値により求めた。
(3)クロス分別(以下、CFCと称する。)
本発明の触媒を用いて得られるプロピレン/エチレン−αオレフィン系ブロック共重合体中の共重合体成分(ゴム状成分であり、以下、「CP」と称す。)の含有量、CP中のα−オレフィン重合割合は、以下の方法により求めた。
なお、以下の例は、CP中のα−オレフィンとして、プロピレンを用いた場合(つまりエチレン−プロピレン共重合体と仮定した場合)のものであるが、1−ブテンなどのα−オレフィンでも、以下の例に準じた方法を用いて求めるものとする。
(3−1)使用する分析装置
(i)クロス分別装置:
ダイヤインスツルメンツ社製CFC T−100
(ii)フーリエ変換型赤外線吸収スペクトル分析:
FT−IR・パーキンエルマー社製 1760X
CFCの検出器として取り付けられていた波長固定型の赤外分光光度計を取り外して、代わりにFT−IRを接続し、このFT−IRを検出器として使用する。CFCから溶出した溶液の出口からFT−IRまでの間のトランスファーラインは1mの長さとし、測定の間を通じて140℃に温度保持する。FT−IRに取り付けたフローセルは、光路長1mm・光路幅5mmφのものを用い、測定の間を通じて140℃に温度保持する。
(iii)ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC):
CFCの後段に、GPCカラム(昭和電工社製AD806MS)を3本直列に接続して使用する。CFC後段部分のGPCカラムは昭和電工社製AD806MSを3本直列に接続して使用する。
(3−2)CFCの測定条件
(i)溶媒:オルトジクロルベンゼン(ODCB)
(ii)サンプル濃度:4mg/mL
(iii)注入量:0.4mL
(iv)結晶化:140℃から40℃まで約40分かけて降温する。
(v)分別方法:昇温溶出分別時の分別温度は、40,100,140℃とし、全部で3つのフラクションに分別する。なお、40℃以下で溶出する成分(フラクション1)、40〜100℃で溶出する成分(フラクション2)、100〜140℃で溶出する成分(フラクション3)の溶出割合(単位:重量%)を各々W40、W100、W140と定義する。W40+W100+W140=100である。また、分別した各フラクションは、そのままFT−IR分析装置へ自動輸送される。
(vi)溶出時溶媒流速:1mL/分
(3−3)FT−IRの測定条件
CFC後段のGPCから試料溶液の溶出が開始した後、以下の条件でFT−IR測定を行い、上述した各フラクション1〜3について、GPC−IRデータを採取する。
(i)検出器:MCT
(ii)分解能:8cm−1
(iii)測定間隔:0.2分(12秒)
(iv)一測定当たりの積算回数:15回
(3−4)測定結果の後処理と解析
各温度で溶出した成分の溶出量と分子量分布は、FT−IRによって得られる2945cm−1の吸光度をクロマトグラムとして使用して求める。溶出量は、各溶出成分の溶出量の合計が100%となるように規格化する。保持容量から分子量への換算は、予め作成しておいた標準ポリスチレンによる検量線を用いて行う。
使用する標準ポリスチレンは、何れも東ソー(株)製の以下の銘柄である。
F380、F288、F128、F80、F40、F20、F10、F4、F1、A5000、A2500、A1000。
各々が0.5mg/mLとなるようにODCB(0.5mg/mLのBHTを含む)に溶解した溶液を0.4mL注入して較正曲線を作成する。較正曲線は、最小二乗法で近似して得られる三次式を用いる。分子量への換算は、森定雄著「サイズ排除クロマトグラフィー」(共立出版)を参考に汎用較正曲線を用いる。その際使用する粘度式([η]=K×Mα)には、以下の数値を用いる。
(i)標準ポリスチレンを使用する較正曲線作成時
K=0.000138、α=0.70
(ii)プロピレン系ブロック共重合体のサンプル測定時
K=0.000103、α=0.78
各溶出成分のエチレン含有量分布(分子量軸に沿ったエチレン含有量の分布)は、GPC−IRによって得られる2956cm−1の吸光度と2927cm−1の吸光度との比を用い、ポリエチレンやポリプロピレン及び13C−NMR測定などによりエチレン含有量が既知となっているエチレン−プロピレン共重合体(EPR)及びそれらの混合物を使用して予め作成しておいた検量線により、エチレン重合割合(モル%)に換算して求める。
(3−5)CP含有量
本発明におけるブロック共重合体のCP含有量は、下記式(I)で定義され、以下のような手順で求められる。
CP含有量(重量%)=W40×A40/B40+W100×A100/B100・・・(I)
式(I)において、W40,W100は、上述した各フラクションでの溶出割合(単位:重量%)であり、A40,A100は、W40,W100に対応する各フラククションにおける実測定の平均エチレン含有量(単位:重量%)であり、B40,B100は、各フラクションに含まれるCPのエチレン含有量(単位:重量%)である。A40,A100,B40,B100の求め方は、後述する。
式(I)の意味は、以下の通りである。すなわち、式(I)右辺の第一項は、フラクション1(40℃に可溶な部分)に含まれるCPの量を算出する項である。フラクション1がCPのみを含み、PPを含まない場合には、W40がそのまま全体の中に占めるフラクション1由来のCP含有量に寄与するが、フラクション1にはCP由来の成分の他に少量のPP由来の成分(極端に分子量の低い成分及びアタクチックポリプロピレン)も含まれるため、その部分を補正する必要がある。そこでW40にA40/B40を乗ずることにより、フラクション1のうち、CP成分由来の量を算出する。例えば、フラクション1の平均エチレン含有量(A40)が30重量%であり、フラクション1に含まれるCPのエチレン含有量(B40)が40重量%である場合、フラクション1の30/40=3/4(即ち75重量%)はCP由来、1/4はPP由来ということになる。このように右辺第一項でA40/B40を乗ずる操作は、フラクション1の重量%(W40)からCPの寄与を算出することを意味する。
右辺第二項も同様であり、各々のフラクションについて、CPの寄与を算出して加え合わせたものがCP含有量となる。
フラクション1〜3の平均エチレン含有量A40,A100,A140は、2945cm−1の吸光度のクロマトグラムにおける各データポイント毎の重量割合と各データポイント毎のエチレン含有量(2956cm−1の吸光度と2927cm−1の吸光度との比から得られる)の積の総和によって得られる。
フラクション1の微分分子量分布曲線におけるピーク位置に相当するエチレン含有量をB40とする(単位は重量%である)。フラクション2については、ゴム部分が40℃ですべて溶出してしまうと考えられ、同様の定義で規定することができないので、本発明では、B100=100と定義する。B40,B100は、各フラクションに含まれるCPのエチレン含有量であるが、この値を分析的に求めることは実質的には不可能である。その理由は、フラクションに混在するPPとCPを完全に分離・分取する手段がないからである。
種々のモデル試料を使用して検討を行った結果、B40は、フラクション1の微分分子量分布曲線のピーク位置に相当するエチレン含有量を使用すると、材料物性の改良効果をうまく説明することができることがわかった。また、B100は、エチレン連鎖由来の結晶性を持つこと、及びこれらのフラクションに含まれるCPの量がフラクション1に含まれるCPの量に比べて相対的に少ないことの2点の理由により、100と近似する方が実態にも近く、計算上も殆ど誤差を生じない。
そこで、B100=100として、解析を行うこととしている。従って、下記式(II)に従い、CP含有量を求めることができる。
CP含有量(重量%)=W40×A40/B40+W100×A100/100・・・(II)
つまり、式(II)右辺の第一項であるW40×A40/B40は、結晶性を持たないCP含有量(重量%)を示し、第二項であるW100×A100/100は、結晶性を持つCP含有量(重量%)を示す。
共重合体成分中のエチレン含量は、式(II)で求めた共重合体成分の含有量を用いて、下記の式(III)で求められる。
共重合体成分中のエチレン含量(重量%)=(W40×A40+W100×A100+W140×A140)/[共重合体成分含有量(重量%)]・・・(III)
なお、上記3種類の分別温度を設定した意義は、次の通りである。本発明に係るCFC分析において、40℃とは、結晶性を持たないポリマー(例えば、CPの大部分、若しくはプロピレン重合体成分(PP)の中でも極端に分子量の低い成分及びアタクチックな成分)のみを分別するのに必要十分な温度条件である意義を有する。また、100℃とは、40℃では不溶であるが、100℃では可溶となる成分(例えばCP中、エチレン及び/又はプロピレンの連鎖に起因して結晶性を有する成分、及び結晶性の低いPP)のみを溶出させるのに必要十分な温度である。140℃とは、100℃では不溶であるが140℃では可溶となる成分(例えば、PP中特に結晶性の高い成分、及びCP中の極端に分子量が高くかつ極めて高いエチレン結晶性を有する成分)のみを溶出させ、かつ分析に使用するブロック共重合体の全量を回収するのに必要十分な温度である。なお、W140には、CP成分は全く含まれないか、存在しても極めて少量であり実質的には無視できることからCP含有量やエチレン含量の計算からは排除する。
(3−6)エチレン重合割合
CP中のエチレン含有量は、次式によって求める。
CP中のエチレン含有量(重量%)=(W40×A40+W100×A100)/[CP]
但し、[CP]は、先に求めたCP含有量(重量%)である。
(4)固有粘度の測定
本発明におけるプロピレン/エチレン−αオレフィン系ブロック共重合体における結晶性プロピレン重合体部分とエチレン−αオレフィン共重合体部分の固有粘度[η]homo、[η]cpは、ウベローデ型粘度計を用いて、デカリンを溶媒として温度135℃で測定する。
まず、結晶性プロピレン重合体部分の重合終了後、一部を重合槽よりサンプリングし、固有粘度[η]homoを測定する。次に、結晶性プロピレン重合体部分を重合した後、エチレン−αオレフィン共重合体を重合して得られた最終重合物(F)の固有粘度[η]Fを測定する。[η]cpは、以下の関係から求める。
[η]F=(100−CP含有量)/100×[η]homo+CP含有量/100×[η]cp
[実施例1]
(1)メタロセン錯体:
ジクロロ{1,1’−シラフルオレニルビス[2−エチル−4−(4−トリメチルシリル−3,5−ジクロロフェニル)−4H−アズレニル]}ハフニウムは、特開2005−126679号公報に従って合成した。
(2)触媒調製
撹拌翼と還流装置を取り付けた5Lセパラブルフラスコに、純水1,698gを投入し、98%硫酸501gを滴下した。そこへ、さらに市販の造粒モンモリロナイト(水澤化学社製、ベンクレイSL、平均粒径:19.5μm)を300g添加後撹拌した。その後90℃で2時間反応させた。このスラリーをヌッチェと吸引瓶にアスピレータを接続した装置にて、洗浄した。回収したケーキに硫酸リチウム1水和物324gの水900mL水溶液を加え90℃で2時間反応させた。このスラリーをヌッチェと吸引瓶にアスピレータを接続した装置にて、pH>4まで洗浄した。回収したケーキを120℃で終夜乾燥した。その結果、275gの化学処理体を得た。
内容積1Lのフラスコに上記で得た化学処理モンモリロナイト10.0gを秤量し、ヘプタン65mL、トリイソブチルアルミニウムのヘプタン溶液35.4mL(25mmol)を加え、室温で1時間撹拌した。その後、ヘプタンで残液率1/100まで洗浄し、最後にスラリー量を100mLに調製した。
(3)プロピレンによる予備重合
上記で調製し、トリイソブチルアルミニウム処理したモンモリロナイトのヘプタンスラリーにトリイソブチルアルミニウムのヘプタン溶液0.85mLを加えて10分間、室温で撹拌した。
また、(1)で合成したジクロロ{1,1’−シラフルオレニルビス[2−エチル−4−(4−トリメチルシリル−3,5−ジクロロフェニル)−4H−アズレニル]}ハフニウムのトルエン(60mL)溶液を、上記の1Lフラスコに加えて室温で60分間撹拌した。
次に、上記モンモリロナイトのヘプタンスラリーに、さらにヘプタン340mLを追加して内容積1Lの撹拌式オートクレーブに導入し、40℃でプロピレンを238.1mmol/hr(10g/hr)の一定速度で120分間にて供給した。プロピレン供給終了後、50℃に昇温して2時間そのまま維持し、その後残存ガスをパージして予備重合触媒スラリーをオートクレーブより回収した。
回収した予備重合触媒スラリーを静置し、上澄み液を抜き出した。残った固体にトリイソブチルアルミニウムのヘプタン溶液8.5mL(6.0mmol)を室温にて加え、室温で10分間撹拌した後、減圧乾燥して固体触媒を回収した。
予備重合倍率(予備重合ポリマー量を固体触媒量で除した値)は、2.23であった。
(4)ブロック重合
内容積3Lの撹拌式オートクレーブ内をプロピレンで充分置換した後に、トリイソブチルアルミニウム・n−ヘプタン溶液2.76ml(2.02mmol)を加え、水素90ml、続いて液体プロピレン750gを導入し、70℃に昇温し、その温度を維持した。上記(3)で調製した予備重合触媒をノルマルヘプタンにスラリー化し、触媒として(予備重合ポリマーの重量は除く)50mgを圧入し、重合を開始した。槽内温度を70℃に維持し、触媒投入1時間経過後に、残モノマーのパージを行い、アルゴンにて槽内を5回置換した。撹拌を停止させ、アルゴンをフローさせながら、テフロン(登録商標)管を槽内に差し込み、ポリプロピレンを少量抜き出した。90℃窒素気流下で30分間乾燥後に測定した結果、抜き出し量は26gであった。
一方、内容積14Lの撹拌式オートクレーブを、内温を90℃に調整し、1−ブテン(150mL)を導入した。さらにエチレンを圧入して3.5MPaとして、1−ブテンとエチレンの混合ガスを調製した。
上記プロピレン重合を行った3Lのオートクレーブを80℃に昇温し、予め調製しておいた1−ブテンとエチレンの混合ガスを導入した。内圧が2.0MPaで重合中に圧力が変化しないように、混合ガスを供給しながら、30分間重合反応を制御した。
その結果、粒子性状の良い131gのプロピレン/エチレン−ブテンブロック共重合体が得られた。
上記で得られたブロック共重合体は、CFC−IRの結果から、ゴム含有量(CP含有量)が3.4重量%、MFRが9.0(dg/分)、ゴム(CP)中のエチレン含有量は83重量%であり、CP部の重量平均分子量は330,000であった。また、別途採取したプロピレンホモポリマーのTmは160.2℃、MFRは9.4(dg/分)であった。
[実施例2]
(1)ブロック重合
上記実施例1の(3)で調製した予備重合触媒を用い、混合ガスを調製する際に導入する1−ブテンを300mL用いる以外は、上記実施例1の(4)と同様に操作した。
その結果、粒子性状の良い131gのプロピレン/エチレン−ブテンブロック共重合体が得られた。
上記で得られたブロック共重合体は、CFC−IRの結果から、ゴム含有量(CP含有量)が3.6重量%、MFRが9.4(dg/分)、ゴム(CP)中のエチレン含有量は67重量%であり、CP部の重量平均分子量は260,000であった。また、別途採取したプロピレンホモポリマーのTmは161.0℃、MFRは9.6(dg/分)であった。
[実施例3]
(1)メタロセン錯体:
ジクロロ{1,1´−ジメチルシリレンビス[2−エチル−4−(2−フルオロ−4−ビフェニリル)−4H−アズレニル]}ハフニウムは、特開2000−95791号公報に従って合成した。
(2)プロピレンによる予備重合
上記錯体を用いる以外は、実施例1の(3)と同様の操作で、予備重合倍率(予備重合ポリマー量を固体触媒量で除した値)が1.78である予備重合触媒を調製した。
(3)ブロック重合
上記(2)で調製した予備重合触媒を用いる以外は、上記実施例1の(4)と同様に操作した。
その結果、粒子性状の良い127gのプロピレン/エチレン−ブテンブロック共重合体が得られた。
上記で得られたブロック共重合体は、CFC−IRの結果から、ゴム含有量(CP含有量)が17重量%、MFRが2.0(dg/分)、ゴム(CP)中のエチレン含有量は83重量%であり、CP部の重量平均分子量は390,000であった。また、別途採取したプロピレンホモポリマーのTmは157.6℃、MFRは3.3(dg/分)であった。
[実施例4]
(1)ブロック重合
上記実施例3の(2)で調製した予備重合触媒を用い、上記実施例2の(1)と同様に操作した。
その結果、粒子性状の良い135gのプロピレン/エチレン−ブテンブロック共重合体が得られた。
上記で得られたブロック共重合体は、CFC−IRの結果から、ゴム含有量(CP含有量)が18重量%、MFRが1.7(dg/分)、ゴム(CP)中のエチレン含有量は67重量%であり、CP部の重量平均分子量は330,000であった。また、別途採取したプロピレンホモポリマーのTmは157.5℃、MFRは2.3(dg/分)であった。
[実施例5]
(1)メタロセン錯体:
ジクロロ{1,1´−ジメチルシリレンビス[2−メチル−4−(4−クロロフェニル)−4H−アズレニル]}ジルコニウムは、特開平10−226712号公報に従って合成した。
(2)プロピレンによる予備重合
上記錯体を用いる以外は、実施例1の(3)と同様の操作で、予備重合倍率(予備重合ポリマー量を固体触媒量で除した値)が2.49である予備重合触媒を調製した。
(3)ブロック重合
上記(2)で調製した予備重合触媒を用いる以外は、上記実施例1の(4)と同様に操作した。
その結果、粒子性状の良い277gのプロピレン/エチレン−ブテンブロック共重合体が得られた。
上記で得られたブロック共重合体は、CFC−IRの結果から、ゴム含有量(CP含有量)が20重量%、MFRが4.3(dg/分)、ゴム(CP)中のエチレン含有量は80重量%であり、CP部の重量平均分子量は280,000であった。また、別途採取したプロピレンホモポリマーのMFRは7.0(dg/分)であった。
[実施例6]
(1)ブロック重合
上記実施例5の(2)で調製した予備重合触媒を用い、上記実施例2の(1)と同様に操作した。
その結果、粒子性状の良い250gのプロピレン/エチレン−ブテンブロック共重合体が得られた。
上記で得られたブロック共重合体は、CFC−IRの結果から、ゴム含有量(CP含有量)が14重量%、MFRが5.6(dg/分)、ゴム(CP)中のエチレン含有量は65重量%であり、CP部の重量平均分子量は250,000であった。また、別途採取したプロピレンホモポリマーのMFRは7.2(dg/分)であった。
[比較例1]
(1)メタロセン錯体:
ジクロロ{1,1´−ジメチルシリレンビス(2−メチル−4−フェニルインデニル)}ジルコニウムの合成は、Organometallics 1994年 13巻 954頁記載の方法に従って、合成した。
(2)プロピレンによる予備重合
上記錯体を用いる以外は、実施例1の(3)と同様の操作で、予備重合倍率(予備重合ポリマー量を固体触媒量で除した値)が2.07である予備重合触媒を調製した。
(3)ブロック重合
上記(2)で調製した予備重合触媒(30mg)を用い、前段重合で用いる水素を180mL用いる以外は、上記実施例1の(4)と同様に操作した。
その結果、粒子性状の良い203gのプロピレン/エチレン−ブテンブロック共重合体が得られた。
上記で得られたブロック共重合体は、CFC−IRの結果から、ゴム含有量(CP含有量)が29重量%、MFRが0.4(dg/分)、ゴム(CP)中のエチレン含有量は90重量%であり、CP部の重量平均分子量は137,000であった。また、別途採取したプロピレンホモポリマーのTmは149.2℃、MFRは0.18(dg/分)であった。
[比較例2]
(1)ブロック重合
上記比較例1の(2)で調製した予備重合触媒を用い、前段重合で用いる水素を300mL用い、さらに混合ガスを調製する際に導入する1−ブテンを300mL用いる以外は、上記比較例1の(3)と同様に操作した。
その結果、粒子性状の良い345gのプロピレン/エチレン−ブテンブロック共重合体が得られた。
上記で得られたブロック共重合体は、CFC−IRの結果から、ゴム含有量(CP含有量)が24重量%、MFRが1.4(dg/分)、ゴム(CP)中のエチレン含有量は78重量%であり、CP部の重量平均分子量は120,000であった。また、別途採取したプロピレンホモポリマーのTmは149.4℃、MFRは0.7(dg/分)であった。
[比較例3]
(1)メタロセン錯体:
ジクロロ{1,1´−ジメチルシリレン(2−メチル−4−t−ブチルフェニルインデニル)(2−イソプロピル−4−t−ブチルフェニルインデニル)}ジルコニウムは、特表2003−533550号公報に記載の方法に従って、合成した。
(2)プロピレンによる予備重合
上記錯体を用いる以外は、実施例1の(3)と同様の操作で、予備重合倍率(予備重合ポリマー量を固体触媒量で除した値)が1.88である予備重合触媒を調製した。
(3)ブロック重合
上記(2)で調製した予備重合触媒を用い、前段重合で用いる水素を200mL用いる以外は、上記実施例1の(4)と同様に操作した。
その結果、粒子性状の良い332gのプロピレン/エチレン−ブテンブロック共重合体が得られた。
上記で得られたブロック共重合体は、CFC−IRの結果から、ゴム含有量(CP含有量)が17.5重量%、MFRが3.9(dg/分)、ゴム(CP)中のエチレン含有量は86重量%であり、CP部の重量平均分子量は420,000であった。また、別途採取したプロピレンホモポリマーのMFRは10(dg/分)であった。
上記の実施例1〜6と比較例1〜3のポリマーの物性等を下記表1に示す。
Figure 2009001605
(実施例と比較例の結果の対照による考察)
表1に示すように、本発明の製造法では、従来の製造法よりも、より高いα−オレフィン含量のエチレン−αオレフィン共重合体(CP)を有するプロピレン/エチレン−αオレフィン系ブロック共重合体を製造できることが明らかである。
したがって、本発明における構成の要件の合理性と有意性、及び本発明の従来技術に対する優越性が明らかである。
本発明のプロピレン/エチレン−αオレフィン系ブロック共重合体の製造方法では、エチレン−αオレフィン共重合体のα−オレフィン含量が従来よりも高く、低分子量成分の含有量が少なく、耐衝撃性に優れたプロピレン/エチレン−αオレフィン系ブロック共重合体を安定的に製造できる方法を提供し、産業上、利用可能性が高いものである。

Claims (6)

  1. 一般式(I)で表される遷移金属化合物からなるメタロセン触媒を用いて、結晶性プロピレン重合体成分を製造する前段工程、及びエチレンと、炭素数4〜20のα−オレフィンから選ばれる少なくとも一種のコモノマーとの共重合体成分を気相重合で製造する後段工程からなることを特徴とするプロピレン/エチレン−αオレフィン系ブロック共重合体の製造方法。
    Figure 2009001605
    (式中、R、R、R及びRは、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜10の炭化水素基、炭素数1〜18のケイ素含有炭化水素基又は炭素数1〜18のハロゲン化炭化水素基を示す。R及びRは、それぞれ独立して、それが結合する五員環に対して縮合環を形成する炭素数3〜10の飽和又は不飽和の2価の炭化水素基を示す。ただし、R及びRの少なくとも一方は、炭素数が5〜8であり、R又はR由来の7〜10員環から成る縮合環を形成する。R及びRは、それぞれ独立して、炭素数1〜20の炭化水素基、炭素数1〜20のハロゲン化炭化水素基、炭素数1〜20のケイ素含有炭化水素基、炭素数1〜20の酸素含有炭化水素基、アミノ基、炭素数1〜20の窒素含有炭化水素基又は炭素数1〜20の硫黄含有炭化水素基を示す。m及びnは、それぞれ独立して0〜20の整数を示す。ただし、m及びnが同時に0となることはない。また、m又はnが2以上の場合、それぞれ、R同士またはR同士が連結して新たな環構造を形成していてもよい。Qは、二つのシクロペンタジエニル環を連結する架橋基を示し、X及びYは、助触媒と反応してオレフィン重合能を発現させるσ共有結合性補助配位子を示し、Mは、周期表4族の遷移金属を示す。)
  2. 前記一般式(I)中において、R及びRの両方は、炭素数が5〜8であり、R又はR由来の7〜10員環から成る縮合環を形成することを特徴とする請求項1に記載のプロピレン/エチレン−αオレフィン系ブロック共重合体の製造方法。
  3. 前記メタロセン触媒は、下記の一般式(II)で表される遷移金属化合物からなることを特徴とする請求項1に記載のプロピレン/エチレン−αオレフィン系ブロック共重合体の製造方法。
    Figure 2009001605
    [一般式(II)中、R、R、R及びRは、一般式(I)と同様の置換基を表し、R及びR10は、炭素数6以上の炭化水素基、炭素数6以上のハロゲン化炭化水素基又は炭素数6以上のケイ素含有炭化水素基を表す。R11、R12、R13、R14、R15、R16、R17、R18、R19及びR20は、それぞれ独立して、水素原子、炭化水素基、ケイ素含有炭化水素基又はハロゲン化炭化水素基を表す。Q、X、Y及びMは、一般式(I)と同様の置換基を表す。]
  4. 前記メタロセン触媒は、次の成分(A)及び(B)、又は成分(A)、(B)及び(C)を含むことを特徴とする請求項1に記載のプロピレン/エチレン−αオレフィン系ブロック共重合体の製造方法。
    成分(A):一般式(I)で表される遷移金属化合物。
    成分(B):有機アルミニウムオキシ化合物、及び成分(A)と反応して成分(A)をカチオンに変換することが可能なイオン性化合物又はルイス酸からなる群より選ばれる化合物。
    成分(C):微粒子担体。
  5. 前記メタロセン触媒は、次の成分(A)及び(D)、又は成分(A)、(D)及び(E)を含むことを特徴とする請求項1に記載のプロピレン/エチレン−αオレフィン系ブロック共重合体の製造方法。
    成分(A):一般式(I)で表される遷移金属化合物。
    成分(D):イオン交換性層状化合物及び無機珪酸塩からなる群より選ばれる化合物。
    成分(E):有機アルミニウム化合物。
  6. 後段工程で用いられるコモノマーは、1−ブテン、1−ヘキセン又は1−オクテンから選ばれることを特徴とする請求項1に記載のプロピレン/エチレン−αオレフィン系ブロック共重合体の製造方法。
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