JP2010195876A - プロピレン/エチレン−1−ブテンブロック共重合体の製造方法 - Google Patents

プロピレン/エチレン−1−ブテンブロック共重合体の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】工業的に適用可能な粒子性状を保持しつつ、ブテン含量の高いエチレン―1−ブテン共重合体ゴム成分部を有する耐衝撃性に優れたプロピレン/エチレン―1−ブテンブロック共重合体を、安定的にかつ効率的に製造する方法を提供する。
【解決手段】逐次重合によって、下記の(a)〜(c)の要件を満たすプロピレン/エチレン−1−ブテンブロック共重合体を製造する方法であって、担持メタロセン触媒を用いて、結晶性プロピレン重合体成分を製造する第一工程と、続いて、エチレンと1−ブテンとの共重合体成分(CP)を気相重合で製造する第二工程とからなることを特徴とするプロピレン/エチレン−1−ブテンブロック共重合体の製造方法。
(a)全量に対する共重合体成分(CP)の割合が5〜90質量%。
(b)共重合体成分(CP)の1−ブテン含量が25〜50モル%。
(c)テトラリン中、135℃で測定した共重合体成分(CP)の極限粘度[η]が0.5〜3.0dl/g。
【選択図】なし

Description

本発明は、プロピレン/エチレン−1−ブテンブロック共重合体の製造方法に関し、より詳しくは、特定の触媒系を用いて、結晶性プロピレン重合体成分を製造する第一工程と、エチレンと1−ブテンとの共重合体成分(以下、CPともいう。)を気相重合で製造する第二工程とからなる、逐次重合によって、エチレン−1−ブテン共重合体成分中の1−ブテン含量が高く、耐衝撃性に優れたプロピレン/エチレン−1−ブテンブロック共重合体を安定に効率よく製造する方法に関する。
結晶性ポリプロピレンは、機械的性質、耐薬品性等に優れることから、各種成形分野に広く用いられている。しかしながら、結晶性ポリプロピレンでは、剛性は高くなるが、耐衝撃性が不足する。
そのため、ポリプロピレンの耐衝撃性を向上させるために、従来からポリプロピレンに、エチレン−プロピレン共重合体ゴム(EPR)、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体ゴム(EPDM)などの組成分布の狭いゴム状物質をブレンドすることが行われてきた。これらのゴム状物質は、近年、メタロセン触媒に代表される均一系触媒により製造され、これらのエチレン−高級α−オレフィン共重合体ゴム(α−オレフィンは炭素数4〜8のもの)をブレンドすることによる耐衝撃性の改良が開示されている(例えば、特許文献1、2参照。)。
しかしながら、このようなゴム状物質を結晶性ポリプロピレンに添加する場合、通常は溶融混練の工程が必要となる。この工程では、ポリマーを溶融させるために、膨大なエネルギーを消費し、さらには溶融混練における高温、高剪断応力下にて、結晶性ポリプロピレンあるいはゴム状物質が劣化し、物性の低下が生じる問題があった。さらに、混練が不十分でゴム状物質が結晶性ポリプロピレン中に十分に分散されない場合には、ゴム状物質の性能を十分に発揮させることができず、物性が低下する問題があった。
また、このようなゴム状物質は、通常、粒子状のポリマーとして得ることが困難なため、一般的には溶液重合法により製造されている。この重合法では、生成するCPが溶媒に溶解するため、高分子量体を製造する場合には、反応溶液が高粘度となって生産性が低いという問題があり、製造できる分子量に制限があった。
一方、メタロセン系触媒を用いて、ポリプロピレンなどの結晶性ポリマーを製造した後、引き続きエチレンとプロピレンを共重合させ、CPとして、エチレン−プロピレン共重合体ゴム(EPR)を含むブロック共重合体を製造することは、既に知られている(例えば、特許文献3〜5参照。)。この場合、溶融混練工程を必要としないことから、溶融混練に起因する物性低下の懸念がなく、エネルギー的、経済的にも有利である。
また、ブロック共重合体の耐衝撃性をより向上させる目的で、EPRに替えてエチレン−ブテン共重合体ゴム(EBR)、或いはエチレン−オクテン共重合体ゴム(EOR)などのエチレン−高級α−オレフィン共重合体ゴムを多段重合で製造する方法も知られている(例えば、特許文献6〜8参照。)。
さらに、ある特定の遷移金属化合物を用いて、CPの製造を気相重合で行うことも、開示されている(例えば、特許文献9〜12参照。)。
しかしながら、特許文献6〜8では、溶媒を用いる溶液重合で製造しており、先に記載したとおり、反応溶液中の粘度の観点で製造可能なCPの分子量に制限があるばかりでなく、溶解したCPを単離するためには、溶媒を除去する工程及び使用溶媒を回収する工程を要するため、生産効率が悪く、エネルギー的にも経済的にも不利であり、かつ得られるプロピレン/エチレン−高級α−オレフィンブロック共重合体も、粒子として用いることができない問題があった。
また、特許文献9〜12では、エチレン−高級α−オレフィン共重合体ゴム成分(CP)を気相重合にて製造することで、重合粒子としてプロピレン/エチレン−高級α−オレフィンブロック共重合体が得られているが、CP含量あるいは1−ブテン含量が低いため、物性的に十分なレベルに達しているとは言えず、特に耐衝撃性を付与するCPの分子量やコモノマー組成の面では、まだまだ改善の余地があった。
こうした状況下、上記分子量やコモノマー組成の面で改善されたレベルにあるエチレン−α−オレフィン共重合体ゴム成分を有するプロピレン/エチレン−α−オレフィン系ブロック共重合体を、安定にかつ効率的に製造する方法の開発が望まれている。
本発明の目的は、上記従来技術の問題点に鑑み、工業的に適用可能な粒子性状を保持しつつ、ブテン含量の高いエチレン−1−ブテン共重合体ゴム成分部(CP部)を有する耐衝撃性に優れたプロピレン/エチレン−1−ブテンブロック共重合体を、安定的にかつ効率的に製造する方法を提供することにある。
本発明者は、上記課題を解決するため、鋭意検討の結果、特定のメタロセン触媒を用い、かつ後段の共重合工程で気相重合を行うことにより、工業的に適用可能な粒子性状を保持しつつ、ブテン含量の高いCP成分を有する耐衝撃性に優れたプロピレン/エチレン−1−ブテンブロック共重合体を、安定的にかつ効率的に製造できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の第1の発明によれば、逐次重合によって、下記の(a)〜(c)の要件を満たすプロピレン/エチレン−1−ブテンブロック共重合体を製造する方法であって、
担持メタロセン触媒を用いて、結晶性プロピレン重合体成分を製造する第一工程と、続いて、エチレンと1−ブテンとの共重合体成分(CP)を気相重合で製造する第二工程とからなることを特徴とするプロピレン/エチレン−1−ブテンブロック共重合体の製造方法が提供される。
(a)プロピレン/エチレン−1−ブテンブロック共重合体全量に対する共重合体成分(CP)の割合が5〜90質量%であること。
(b)共重合体成分(CP)の1−ブテン含量が25〜50モル%であること。
(c)テトラリン中、135℃で測定した共重合体成分(CP)の極限粘度[η]が0.5〜3.0dl/gであること。
また、本発明の第2の発明によれば、第1の発明において、前記(a)及び(b)の要件が下記であることを特徴とするプロピレン/エチレン−1−ブテンブロック共重合体の製造方法が提供される。
(a)プロピレン/エチレン−1−ブテンブロック共重合体全量に対する共重合体成分(CP)の割合が5〜50質量%であること。
(b)共重合体成分(CP)の1−ブテン含量が35〜50モル%であること。
さらに、本発明の第3の発明によれば、第1の発明において、前記(a)及び(b)の要件が下記であることを特徴とするプロピレン/エチレン−1−ブテンブロック共重合体の製造方法が提供される。
(a)プロピレン/エチレン−1−ブテンブロック共重合体全量に対する共重合体成分(CP)の割合が10〜90質量%であること。
(b)共重合体成分(CP)の1−ブテン含量が25〜35モル%であること。
本発明の第4の発明によれば、第2の発明において、プロピレン/エチレン−1−ブテンブロック共重合体全量に対する共重合体成分(CP)の割合が10〜45質量%であることを特徴とするプロピレン/エチレン−1−ブテンブロック共重合体の製造方法が提供される。
また、本発明の第5の発明によれば、第3の発明において、プロピレン/エチレン−1−ブテンブロック共重合体全量に対する共重合体成分(CP)の割合が10〜80質量%であることを特徴とするプロピレン/エチレン−1−ブテンブロック共重合体の製造方法が提供される。
さらに、本発明の第6の発明によれば、第5の発明において、プロピレン/エチレン−1−ブテンブロック共重合体全量に対する共重合体成分(CP)の割合が10〜70質量%であることを特徴とするプロピレン/エチレン−1−ブテンブロック共重合体の製造方法が提供される。
また、本発明の第7の発明によれば、第1〜6のいずれかの発明において、テトラリン中、135℃で測定した共重合体成分(CP)の極限粘度[η]が0.5〜2.5dl/gであることを特徴とするプロピレン/エチレン−1−ブテンブロック共重合体の製造方法が提供される。
さらに、本発明の第8の発明によれば、第7の発明において、テトラリン中、135℃で測定した共重合体成分(CP)の極限粘度[η]が0.5〜2.0dl/gであることを特徴とするプロピレン/エチレン−1−ブテンブロック共重合体の製造方法が提供される。
また、本発明の第9の発明によれば、第2の発明において、共重合体成分(CP)の1−ブテン含量が35〜45モル%であることを特徴とするプロピレン/エチレン−1−ブテンブロック共重合体の製造方法が提供される。
また、本発明の第10の発明によれば、第1〜9のいずれかの発明において、担持メタロセン触媒の担体がイオン交換性層状珪酸塩であることを特徴とするプロピレン/エチレン−1−ブテンブロック共重合体の製造方法が提供される。
さらに、本発明の第11の発明によれば、第1〜10のいずれかの発明において、担持メタロセン触媒の錯体が下記一般式(1)及び/又は(2)で表される化合物であることを特徴とするプロピレン/エチレン−1−ブテンブロック共重合体の製造方法が提供される。
Figure 2010195876
Figure 2010195876
(式中、A及びA’は、同一又は異なる共役五員環構造を有する配位子を、Qは、2つの共役五員環配位子を任意の位置で架橋する結合性基を、Mは、周期表第4族の遷移金属原子を、XおよびYは、Mと結合した補助配位子を、それぞれ示す。)
また、本発明の第12の発明によれば、第11の発明において、担持メタロセン触媒の錯体が下記一般式(3)、(4)及び/又は(5)で表される化合物であることを特徴とするプロピレン/エチレン−1−ブテンブロック共重合体の製造方法が提供される。
Figure 2010195876
Figure 2010195876
Figure 2010195876
[式(3)中、R11及びR12は、同じでも異なってもよく、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のハロゲン含有アルキル基、炭素数1〜6の珪素含有アルキル基、炭素数6〜16のアリール基、炭素数6〜16のハロゲン含有アリール基、2−フリル基、置換された2−フリル基、2−チエニル基、置換された2−チエニル基、2−フルフリル基又は置換された2−フルフリル基を表す。ただし、R11及びR12のうち少なくとも1つは、2−フリル基、置換された2−フリル基、2−チエニル基、置換された2−チエニル基、2−フルフリル基又は置換された2−フルフリル基である。R13及びR14は、同じでも異なってもよく、炭素数6〜20のアリール基、炭素数6〜20のハロゲン含有アリール基又は炭素数6〜20の珪素含有アリール基を表す。Qは、二つのシクロペンタジエニル環を連結する架橋基を表す。X及びYは、それぞれ独立して、Mとσ結合を形成する配位子を表す。Mは、周期律表第4族の遷移金属を表す。
式(4)中、R21、R22、R23、R24、R25、R26及びR27は、それぞれ独立して、水素原子、炭化水素基、珪素含有炭化水素基又はハロゲン含有炭化水素基を表す。ただし、R21、R22、R23及びR24のいずれか1つ以上は、水素原子以外の置換基であり、かつ、隣接するR21、R22、R23及びR24は、互いに環を形成しない構造である。また、R25及びR26は、環を形成してもよい構造であり、nは、0〜3である。R28は、炭素数3〜6の二価の炭化水素基を表す。Qは、二つのシクロペンタジエニル環を連結する架橋基を表す。X及びYは、それぞれ独立して、Mとσ結合を形成する配位子を表し、Mは、周期律表第4族の遷移金属を表す。
式(5)中、R31、R32、R34及びR35は、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜10の炭化水素基、炭素数1〜18の珪素含有炭化水素基又は炭素数1〜18のハロゲン含有炭化水素基を表す。R33及びR36は、それぞれ独立して、それが結合する五員環に対して縮合環を形成する炭素数3〜10の飽和又は不飽和の2価の炭化水素基を示す。ただし、R33及びR36の少なくとも一方の炭素数は、5〜8であり、R33又はR36由来の7〜10員環から成る縮合環を形成する。R37及びR38は、それぞれ独立して、炭素数1〜20の炭化水素基、炭素数1〜20のハロゲン化炭化水素基、炭素数1〜20の珪素含有炭化水素基、炭素数1〜20の酸素含有炭化水素基、アミノ基、炭素数1〜20の窒素含有炭化水素基又は炭素数1〜20の硫黄含有炭化水素基を表す。m及びnは、それぞれ独立して0〜20の整数を示す。ただし、m及びnが同時に0となることはない。また、m又はnが2以上の場合、それぞれ、R37同士又はR38同士が連結して新たな環構造を形成していてもよい。Qは、二つのシクロペンタジエニル環を連結する架橋基を表す。X及びYは、助触媒と反応してオレフィン重合能を発現させるσ共有結合性補助配位子を示し、Mは、周期律表第4族の遷移金属を表す。]
本発明は、上記した如く、プロピレン/エチレン−1−ブテンブロック共重合体の製造方法に係るものであるが、その好ましい態様としては、次のものが包含される。
(1)第11の発明において、担持メタロセン触媒は、次の成分(a)及び(b)、成分(a)、(b)及び(c)、又は成分(a)、(b)、(c)及び(d)を含むことを特徴とするプロピレン/エチレン−1−ブテンブロック共重合体の製造方法。
成分(a):一般式(1)及び/又は(2)で表される化合物
成分(b):(b−1)アルミニウムオキシ化合物、(b−2)成分(a)と反応して成分(a)をカチオンに変換することが可能なイオン性化合物またはルイス酸、(b−3)固体酸及び(b−4)イオン交換性層状珪酸塩からなる群より選ばれる助触媒
成分(c):有機アルミニウム化合物
成分(d):担体
本発明のプロピレン/エチレン−1−ブテンブロック共重合体の製造方法によれば、工業的に適用可能な粒子性状が保持しつつ、組成面で広いエチレン−1−ブテン共重合体成分含有量範囲で、当該共重合体成分中の1−ブテンの重合割合を特定の数値より高くすることができ、そのため、物性面では、結晶化温度(Tg)を下げることができ、耐衝撃性に優れたプロピレン/エチレン−1−ブテンブロック共重合体を工業的に容易な条件において、安定的にかつ効率的に製造することができる。以上のことから、本発明の製造方法は、工業的な価値が大きい。
本発明のプロピレン/エチレン−1−ブテンブロック共重合体の製造方法は、担体に担持されたメタロセン触媒を用いた多段重合反応において、得られたポリマーに所望とする特性を賦与するために、前段工程の第一工程では、結晶性プロピレン重合体成分(以下、PPともいう)を製造し、後段工程の第二工程では、気相重合により、エチレンと1−ブテンとの共重合体成分(CP)を製造する方法である。
以下、製造方法により得られるプロピレン/エチレン−1−ブテンブロック共重合体、その製造方法(重合方法、重合触媒)の特徴について、具体的に詳細に説明する。
1.プロピレン/エチレン−1−ブテンブロック共重合体
本発明に係るプロピレン/エチレン−1−ブテンブロック共重合体は、担体に担持されたメタロセン触媒を用いた多段重合反応により、CP中の1−ブテン含量が特定の値の範囲になるように製造され、
(a)プロピレン/エチレン−1−ブテンブロック共重合体全量に対する共重合体成分(CP)の割合が5〜90質量%、
(b)共重合体成分(CP)の1−ブテン含量が25〜50モル%、
(c)テトラリン中、135℃で測定した共重合体成分(CP)の極限粘度[η]が0.5〜3.0dl/gである。
本発明において、共重合体成分(CP)の全重合粒子に対する割合の範囲は、5〜90質量%であり、一つの態様として、好ましくは5〜50質量%、より好ましくは5〜45質量%、さらに好ましくは10〜45質量%であり、他の態様として、好ましくは10〜90質量%、より好ましくは10〜80質量%、さらに好ましくは10〜70質量%である。共重合体成分(CP)の全重合粒子に対する割合の範囲が、この範囲内にあると、材料として好適なものとなる。
また、本発明において、共重合体成分(CP)の1−ブテン含量の範囲は、25〜50モル%であり、一つの態様として、好ましくは35〜50モル%、より好ましくは35〜45モル%である。また、別の他の態様として、好ましくは25〜35モル%である。共重合体成分(CP)中の1−ブテン含量がこの範囲を下に外れるものは、CP成分のガラス転移温度が高くなり、低温における耐衝撃性が低下する傾向にあり、また上に外れるものは、気相重合では製造が困難となるので好ましくない。また、当該1−ブテン含量の範囲において、共重合体成分(CP)の全重合粒子に対する割合が本発明の範囲内にあると、材料として好適なものとなるが、範囲を超えると、工業的に製造が困難となる。
また、この共重合体は、第三成分として、プロピレンやジエン系モノマーなどをさらに含有することができる。その場合、これらの第三成分の含有量は、20モル%以下が好ましい。
共重合体成分(CP)、即ちエチレン−1−ブテン共重合体の極限粘度([η])の範囲は、0.5〜3.0dl/g、好ましくは0.5〜2.5dl/g、さらに好ましくは0.5〜2.0dl/gである。
一般に、射出成形時の金型内での樹脂の充填や押出成形時のモーター負荷を考慮すると、物性を損なわない範囲で低分子量(即ち極限粘度が小さいこと)化が成形加工の観点から望まれる。一方、極端に低分子量化すると、力学物性に悪影響を及ぼすこと、或いはベトツキの問題が発生する。以上の観点から、エチレン−1−ブテン共重合体の極限粘度([η])としては、本発明の範囲が好ましい。ここで、極限粘度([η])は、テトラリン中、135℃で測定した値である。
2.プロピレン/エチレン―1−ブテンブロック共重合体の製造方法
(1)重合方法
本発明に係るプロピレン/エチレン−1−ブテンブロック共重合体は、結晶性プロピレン重合体成分(PP)を製造する第一工程、引き続き、エチレンと1−ブテンとの共重合体成分(CP)を製造する第二工程から構成される逐次重合によって、製造される。
この第一工程は、バルク重合法又は気相重合法のどちらの重合法でも採用可能である。第二工程は、製造するエチレン−1−ブテン共重合体成分(CP)がゴム成分であり、溶媒中に溶出しないことが望ましいため、気相重合法を採用する。
また、重合形式は、それぞれ第一工程、第二工程とも回分法及び連続法どちらの方式も採用できる。本発明においては、前段と後段とからなる二段重合が行われるが、場合によっては、それぞれの段階をさらに分割することができる。特に、第二工程を二段以上に分割して多種類のゴム成分を作る方法も物性改良の1つである。
(a)プロピレン重合体成分(PP)の製造
第一工程では、担持メタロセンな触媒を使用して、結晶性プロピレン重合体成分(PP)を製造する。ここで、結晶性プロピレン重合体成分とは、プロピレンをモノマー単位として主に有し、かつ結晶性を有する成分を指し、具体的にはプロピレン単独重合体(プロピレンホモポリマー)またはプロピレンとα−オレフィンの共重合体(プロピレン−α−オレフィン共重合体)などである。これらは、分析的には、例えば示差走査熱量測定(DSC)による測定で融解ピークが観測される重合体成分と定義できる。
すなわち、この工程は、プロピレン単独重合体(プロピレンホモポリマー)またはプロピレンとα−オレフィンの共重合体(プロピレン−α−オレフィン共重合体)を、一段もしくは多段に製造する工程であり、結晶性プロピレン重合体成分(PP)の全重合量に対する割合の範囲は、10〜95質量%であり、一つの態様として、好ましくは50〜95質量%、より好ましくは55〜95質量%、さらに好ましくは55〜90質量%であり、他の態様として、好ましくは10〜90質量%、より好ましくは20〜80質量%、さらに好ましくは30〜90質量%である。
ここで、α−オレフィンとしては、エチレンを含みプロピレン以外の炭素数4〜20のα−オレフィンであり、例えば、1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−ペンテン−1及び1−オクテンなどが挙げられる。これらの中では、エチレンがもっとも好ましい。α−オレフィンを使用する場合、全モノマー(プロピレンとα−オレフィンの合計)に対して5質量%以下、好ましくは3質量%以下、さらに好ましくは1質量%以下を使用する。
第一工程における重合温度は、30〜120℃、好ましくは50〜90℃程度である。重合圧力は、0.1〜6MPaG、好ましくは0.1〜4MPaGである。また、重合体の流動性が適当なものになるように分子量(MFR)調整剤を使用することが好ましく、調整剤としては、水素が好ましい。MFR(試験条件230℃、2.16kg荷重)は、最終重合体の用途によるが、好ましい範囲としては、0.05〜3000g/10分、好ましくは0.1〜2000g/10分、さらに好ましくは0.5〜1000g/10分である。
(b)エチレン−1−ブテン共重合体成分(CP)の製造
本発明の製造方法における第二工程は、この工程で製造するエチレン―1−ブテン共重合体成分(CP)がゴム成分であり、溶媒中に溶出しないことが望ましいことから、気相重合で行う必要がある。気相重合プロセスとしては、公知の気相重合プロセスを用いることができるが、機械的に攪拌される縦型あるいは横型の気相重合プロセスが好ましい。
本発明の第二工程で製造される共重合体成分(CP)中の1−ブテン含有量の範囲は、25〜50モル%であり、一つの態様として、好ましくは35〜50モル%、より好ましくは35〜45モル%である。また、別の他の態様として、好ましくは25〜35モル%である。また、この共重合体は、第三成分として、プロピレンやジエン系モノマーなどをさらに含有することができる。その場合、これらの第三成分の含有量は、20モル%以下が好ましい。
本発明において、第二工程では、好ましい量の共重合体成分(CP)を製造するために、重合時間を調整して行うことができる。本発明の第二工程で製造される共重合体成分(CP)の全重合量に対する割合の範囲は、5〜90質量%であり、一つの態様として、好ましくは5〜50質量%、より好ましくは5〜45質量%、さらに好ましくは10〜45質量%であり、他の態様として、好ましくは10〜90質量%、より好ましくは10〜80質量%、さらに好ましくは10〜70質量%である。
第二工程の重合における重合温度は、30〜120℃、好ましくは50℃〜90℃程度である。重合圧力は、0.1〜5MPaG、好ましくは0.5〜3.5MPaGである。重合圧力があまり高くなりすぎると、超臨界状態となってしまうことが知られているが、本発明における気相重合は、このような超臨界状態を含まない。また、この際に、窒素などの不活性ガスを共存させることも可能である。
重合時には、得られる重合体の流動性が適当なものになるように、分子量調整剤を使用することが好ましく、分子量調整剤としては、水素が好ましい。
これらの手法により、本発明の特徴を有する所望のプロピレン/エチレン−1−ブテンブロック共重合体を得ることができる。
(c)予備重合
本発明に用いられる触媒は、粒子性状の改良のために、予めオレフィンを接触させて少量重合させることからなる予備重合処理に付すのが好ましい。
使用するオレフィンは、特に限定はないが、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテン、4−メチル−1−ペンテン、3−メチル−1−ペンテン、ビニルシクロアルカン、スチレン等を使用することが可能であり、特にプロピレンを使用するのが好ましい。
オレフィンの供給方法は、オレフィンを反応槽に定速的に或いは定圧状態になるように維持する供給方法やその組み合わせ、段階的な変化をさせるなど、任意の方法が可能である。
予備重合時間は、特に限定されないが、5分〜24時間の範囲であるのが好ましい。また、予備重合量は、予備重合ポリマー量が担体1質量部に対し、好ましくは0.01〜100質量部、より好ましくは0.1〜50質量部である。予備重合を終了した後に、触媒の使用形態に応じ、そのまま使用することが可能であるが、必要ならば乾燥を行ってもよく、また、乾燥前に有機溶媒による洗浄を施してもよい。洗浄を施す場合、使用する有機溶媒の種類は、特に制限されないが、例えばn−ヘキサン、n−ヘプタンなどを挙げることができる。また、洗浄温度についても特に制限されないが、通常0℃〜100℃、好ましくは10℃〜70℃、さらに好ましくは20℃〜60℃である。この範囲を上回ると活性点の失活を招くという弊害が生じる可能性がある。
また、予備重合温度は、特に制限されないが、通常0℃〜100℃、好ましくは10℃〜70℃、さらに好ましくは20℃〜60℃である。この範囲を下回ると、反応速度が低下したり、活性化反応が進行しないという弊害が生じる可能性がある。
予備重合時には、有機溶媒などの液体中で実施することが好ましい。有機溶媒の種類は、特に制限されないが、例えばn−ヘキサン、n−ヘプタンなどを挙げることができる。
予備重合時の固体触媒の濃度は、特に制限されないが、15g/L以上、好ましくは30g/L以上、さらに好ましくは60g/L以上である。濃度が高い方がメタロセンの活性化が進行し、高活性となる。
(2)重合触媒
本発明に係るプロピレン/エチレン−1−ブテンブロック共重合体を製造するには、担持型のメタロセン系触媒が用いられる。
メタロセン触媒などのシングルサイト触媒は、チーグラー系触媒に比して、触媒活性が高く、生成重合体の分子量分布が狭く、共重合体では組成分布が均一となるなど、プロピレン系ブロック共重合体を製造するには、優れた触媒である。
したがって、シングルサイト触媒としてのメタロセン系触媒による重合方法が選択される。また、メタロセン系触媒を担持型とすることによって、得られるポリマーが粒子状となり、反応器への付着やポリマー同士での融着がなくなるとともに、重合後の気力移送が可能となる効果が得られるだけでなく、気相重合が可能となる。
(a)メタロセン錯体
本発明において用いられるメタロセン系触媒のメタロセン錯体としては、代表的なものとして共役五員環配位子を有する周期律表第4族の遷移金属化合物のメタロセン錯体が挙げられ、下記一般式(1)または(2)で表される。
Figure 2010195876
Figure 2010195876
式中、A及びA’は、同一又は異なる共役五員環構造を有する配位子を表し、また、置換基を有していてもよい。具体的には、インデニル基、フルオレニル基またはアズレニル基などがあげられる。特にインデニル基またはアズレニル基が好ましい。Qは2つの共役五員環配位子を任意の位置で架橋する結合性基を表し、具体的にはアルキレン基、シリレン基或いはゲルミレン基であるのが好ましい。Mは、周期律表第4族から選ばれる遷移金属の金属原子を表し、Ti、ZrまたはHfなどが挙げられる。特にジルコニウム、ハフニウムが好ましい。X及びYは、Mと結合した補助配位子であり、後述する成分(b)の助触媒と反応してオレフィン重合能を有する活性なメタロセンを生成させるものである。
したがって、この目的が達成される限り、X及びYは、配位子の種類が制限されるものではなく、各々水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基、或いはヘテロ原子を有していてもよい炭化水素基などが例示できる。これらのうち好ましいものは炭素数1〜10の炭化水素基、或いはハロゲン原子である。
一方、第一工程のプロピレン重合においては、ある程度以上の立体規則性重合が可能なものが必要とされる。また、第二工程においては、エチレンに対して高い活性を示すことに加えて、1−ブテンとの高い共重合性を示すものが好ましい。
以上の観点で、2つのシクロペンタジエニル誘導体部分を架橋した構造を有している式(2)が好ましい。さらに好ましくは、以下の(a−1)で表される架橋ビスインデニル錯体、以下の(a−2)で表される架橋シクロペンタジエニル−インデニル錯体、架橋シクロペンタジエニル−フルオレニル錯体、架橋シクロペンタジエニル−ヒドロアズレニル錯体、さらに以下の(a−3)で表される架橋ビスアズレニル錯体、架橋ヒドロアズレニル−インデニル錯体などが挙げられる。
(a−1)一般式(3)で表される架橋ビスインデニル錯体:
Figure 2010195876
式中、R11及びR12は、同じでも異なってもよく、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のハロゲン含有アルキル基、炭素数1〜6の珪素含有アルキル基、炭素数6〜16のアリール基、炭素数6〜16のハロゲン含有アリール基、2−フリル基、置換された2−フリル基、2−チエニル基、置換された2−チエニル基、2−フルフリル基又は置換された2−フルフリル基を表す。ただし、R11及びR12のうち少なくとも1つは、2−フリル基、置換された2−フリル基、2−チエニル基、置換された2−チエニル基、2−フルフリル基又は置換された2−フルフリル基である。R13及びR14は、同じでも異なってもよく、炭素数6〜20のアリール基、炭素数6〜20のハロゲン含有アリール基又は炭素数6〜20の珪素含有アリール基を表す。Qは、二つのシクロペンタジエニル環を連結する架橋基を表す。X及びYは、それぞれ独立して、Mとσ結合を形成する配位子を表す。またMは、周期律表第4族の遷移金属を表す。
これらのメタロセン錯体の具体例としては、以下のものが例示される。
(1)ジクロロジメチルシリレンビス(2−(2−フリル)−4−フェニル−インデニル)ジルコニウム、
(2)ジクロロジメチルシリレンビス(2−(2−(5−メチル)−フリル)−4−フェニル−インデニル)ジルコニウム、
(3)ジクロロジフェニルシリレンビス(2−(2−(5−メチル)−フリル)−4−フェニル−インデニル)ジルコニウム、
(4)ジクロロジメチルゲルミレンビス(2−(2−(5−メチル)−フリル)−4−フェニル−インデニル)ジルコニウム、
(5)ジクロロジメチルシリレンビス(2−(2−(5−メチル)−フリル)−4−(4−クロロフェニル)−インデニル)ジルコニウム、
(6)ジクロロジメチルシリレンビス(2−(2−(5−メチル)−フリル)−4−(4−フルオロフェニル)−インデニル)ジルコニウム、
(7)ジクロロジメチルシリレンビス(2−(2−(5−メチル)−フリル)−4−(4−トリフルオロメチルフェニル)−インデニル)ジルコニウム、
(8)ジクロロジメチルシリレンビス(2−(2−(5−メチル)−フリル)−4−(4−t−ブチルフェニル)−インデニル)ジルコニウム、
(9)ジクロロジメチルシリレン(2−メチル−4−フェニル−インデニル)(2−(2−フリル)−4−フェニル−インデニル)ジルコニウム、
(10)ジクロロジメチルシリレン(2−メチル−4−フェニル−インデニル)(2−(2−(5−メチル)−フリル)−4−フェニル−インデニル)ジルコニウム、
(11)ジクロロジフェニルシリレン(2−メチル−4−フェニル−インデニル)(2−(2−(5−メチル)−フリル)−4−フェニル−インデニル)ジルコニウム、
(12)ジクロロジメチルゲルミレン(2−メチル−4−フェニル−インデニル)(2−(2−(5−メチル)−フリル)−4−フェニル−インデニル)ジルコニウム。
(a−2)一般式(4)で表される架橋シクロペンタジエニル−インデニル錯体、架橋シクロペンタジエニル−フルオレニル錯体、架橋シクロペンタジエニル−ヒドロアズレニル錯体:
Figure 2010195876
式中、R21、R22、R23、R24、R25、R26及びR27は、それぞれ独立して、水素原子、炭化水素基、珪素含有炭化水素基又はハロゲン含有炭化水素基を表す。ただし、R21、R22、R23及びR24のいずれか1つ以上は、水素原子以外の置換基であり、かつ、隣接するR21、R22、R23及びR24は、互いに環を形成しない構造であり、R25及びR26は、環を形成してもよい構造である。nは、0〜3であり、R28は、炭素数3〜6の二価の炭化水素基を表す。Qは、二つのシクロペンタジエニル環を連結する架橋基を表す。X及びYは、それぞれ独立して、Mとσ結合を形成する配位子を表す。またMは、周期律表第4族の遷移金属を表す。
これらのメタロセン錯体の具体例としては、以下のものが例示される。
(1)ジクロロ{1,1’−ジメチルシリレン(2−メチルシクロペンタジエニル)(2−メチル−4−フェニル−4H−アズレニル)}ハフニウム、
(2)ジクロロ{1,1’−ジメチルシリレン(2−t−ブチルシクロペンタジエニル)(2−メチル−4−フェニル−4H−アズレニル)}ハフニウム、
(3)ジクロロ{1,1’−ジメチルシリレン(2−フェニルシクロペンタジエニル)(2−メチル−4−フェニル−4H−アズレニル)}ハフニウム、
(4)ジクロロ{1,1’−ジメチルシリレン(3−フェニルシクロペンタジエニル)(2−メチル−4−フェニル−4H−アズレニル)}ハフニウム、
(5)ジクロロ{1,1’−ジメチルシリレン(2,3−ジメチルシクロペンタジエニル)(2−メチル−4−フェニル−4H−アズレニル)}ハフニウム、
(6)ジクロロ{1,1’−ジメチルシリレン(3,4−ジメチルシクロペンタジエニル)(2−メチル−4−フェニル−4H−アズレニル)}ハフニウム、
(7)ジクロロ{1,1’−ジメチルシリレン(2,5−ジメチルシクロペンタジエニル)(2−メチル−4−フェニル−4H−アズレニル)}ハフニウム、
(8)ジクロロ{1,1’−ジメチルシリレン(4−t−ブチル−2−メチルシクロペンタジエニル)(2−メチル−4−フェニル−4H−アズレニル)}ハフニウム、
(9)ジクロロ{1,1’−ジメチルシリレン(2−メチル−4−フェニルシクロペンタジエニル)(2−メチル−4−フェニル−4H−アズレニル)}ハフニウム、
(10)ジクロロ{1,1’−ジメチルシリレン(2,3,4−トリメチルシクロペンタジエニル)(2−メチル−4−フェニル−4H−アズレニル)}ハフニウム、
(11)ジクロロ{1,1’−ジメチルシリレン(2,4,5−トリメチルシクロペンタジエニル)(2−メチル−4−フェニル−4H−アズレニル)}ハフニウム、
(12)ジクロロ{1,1’−ジメチルシリレン(2−メチルシクロペンタジエニル)(4−(4−クロロフェニル)−2−メチル−4H−アズレニル)}ハフニウム、
(13)ジクロロ{1,1’−ジメチルシリレン(2−メチルシクロペンタジエニル)(4−(4−t−ブチルフェニル)−2−メチル−4H−アズレニル)}ハフニウム、
(14))ジクロロ{1,1’−ジメチルシリレン(2−メチルシクロペンタジエニル)(2−メチル−4−フェニルインデニル)}ハフニウム、
(15)ジクロロ{1,1’−ジメチルシリレン(2,3−ジメチルシクロペンタジエニル)(2−メチル−4−フェニルインデニル)}ハフニウム、
(16)ジクロロ{1,1’−ジメチルシリレン(2−メチルシクロペンタジエニル)フルオレニル}ハフニウム、
(17)ジクロロ{1,1’−ジメチルシリレン(4−t−ブチル−2−メチルシクロペンタジエニル)フルオレニル}ハフニウム、
(18)ジクロロ{1,1’−ジメチルシリレン(3−t−ブチルシクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチルフルオレニル)}ハフニウム。
(a−3)一般式(5)で表される架橋ビスアズレニル錯体、架橋ヒドロアズレニル−インデニル錯体:
Figure 2010195876
式中、R31、R32、R34及びR35は、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜10の炭化水素基、炭素数1〜18の珪素含有炭化水素基又は炭素数1〜18のハロゲン含有炭化水素基を表す。R33及びR36は、それぞれ独立して、それが結合する五員環に対して縮合環を形成する炭素数3〜10の飽和又は不飽和の2価の炭化水素基を示す。ただし、R33及びR36の少なくとも一方の炭素数は、5〜8であり、R33又はR36由来の7〜10員環から成る縮合環を形成する。R37及びR38は、それぞれ独立して、炭素数1〜20の炭化水素基、炭素数1〜20のハロゲン化炭化水素基、炭素数1〜20の珪素含有炭化水素基、炭素数1〜20の酸素含有炭化水素基、アミノ基、炭素数1〜20の窒素含有炭化水素基又は炭素数1〜20の硫黄含有炭化水素基を表す。m及びnは、それぞれ独立して0〜20の整数を示す。ただし、m及びnが同時に0となることはない。また、m又はnが2以上の場合、それぞれ、R37同士又はR38同士が連結して新たな環構造を形成していてもよい。Qは、二つのシクロペンタジエニル環を連結する架橋基を表す。X及びYは、助触媒と反応してオレフィン重合能を発現させるσ共有結合性補助配位子を示し、Mは、周期律表第4族の遷移金属を表す。
一般式(5)で表される錯体を例にとり、遷移金属化合物の置換基などを説明する。
一般式(5)中において、R31、R32、R34及びR35は、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜10の炭化水素基、炭素数1〜18のケイ素含有炭化水素基または炭素数1〜18のハロゲン化炭化水素基を示す。
上記の炭素数1〜10の炭化水素基の具体例としては、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、s−ブチル、t−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシル、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル等のアルキル基、ビニル、プロペニル、シクロヘキセニル等のアルケニル基の他、フェニル基などが好ましく挙げられる。
また、上記の炭素数1〜18のケイ素含有炭化水素基の具体例としては、トリメチルシリル、トリエチルシリル、t−ブチルジメチルシリル等のトリアルキルシリル基、ビス(トリメチルシリル)メチル等のアルキルシリルアルキル基などが好ましく挙げられる。
さらに、上記の炭素数1〜18のハロゲン化炭化水素基において、ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が好ましく挙げられる。そして、上記のハロゲン化炭化水素基は、ハロゲン原子が例えばフッ素原子の場合、フッ素原子が上記の炭化水素基の任意の位置に置換した化合物である。
具体例としては、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、クロロメチル、ジクロロメチル、トリクロロメチル、ブロモメチル、ジブロモメチル、トリブロモメチル、ヨードメチル、2,2,2−トリフルオロエチル、2,2,1,1−テトラフルオロエチル、ペンタフルオロエチル、ペンタクロロエチル、ペンタフルオロプロピル、ノナフルオロブチル、トリフルオロビニル、2−,3−,4−置換の各フルオロフェニル、2−,3−,4−置換の各クロロフェニル、2−,3−,4−置換の各ブロモフェニル、2,4−,2,5−,2,6−,3,5−置換の各ジフルオロフェニル、2,4−,2,5−,2,6−,3,5−置換の各ジクロロフェニル、2,4,6−トリフルオロフェニル、2,4,6−トリクロロフェニル、ペンタフルオロフェニル、ペンタクロロフェニルなどが挙げられる。
これらの中では、R31及びR34として、炭素数1〜6の炭化水素基が好ましく、特にメチル、エチル、プロピル、ブチル等の炭素数1〜6のアルキル基が好ましく、また、R32及びR35としては、水素原子が特に好ましい。
また、一般式(5)中において、R33及びR36は、それぞれ独立して、それが結合する五員環に対して縮合環を形成する炭素数3〜10の飽和または不飽和の2価の炭化水素基を示す。ただし、R33及びR36の少なくとも一方は、炭素数が5〜8であり、R33又はR36由来の7〜10員環から成る縮合環を形成する。
かかる結合部R33及びR36として、好ましいものは、炭素数3〜10の飽和または不飽和の2価の炭化水素結合基であり、具体例としてはトリメチレン、テトラメチレン、ペンタメチレン、ヘキサメチレン等の2価の飽和炭化水素基、プロペニレン、2−プロペン−1−イリデン、1−ブテニレン、2−ブテニレン、1,3−ブタジエニレン、1−ペンテニレン、2−ペンテニレン、1,3−ペンタジエニレン、1,4−ペンタジエニレン、1−ヘキセニレン、2−ヘキセニレン、3−ヘキセニレン、1,3−ヘキサジエニレン、1,4−ヘキサジエニレン、1,5−ヘキサジエニレン、2,4−ヘキサジエニレン、2,5−ヘキサジエニレン、1,3,5−ヘキサトリエニレン等の2価の不飽和炭化水素基等が好ましく、これらのうち、特に好ましくは、1,3−ブタジエニレン(すなわち6員環を形成する場合)あるいは、1,3−ヘキサジエニレン(すなわち7員環を形成する場合)等の炭素数4または5の2価の不飽和炭化水素であり、1,3−ヘキサジエニレン基がさらに好ましい結合基である。
さらに、一般式(5)中において、R37及びR38は、それぞれ独立して、炭素数1〜20の炭化水素基、炭素数1〜20のハロゲン化炭化水素基、炭素数1〜20のケイ素含有炭化水素基、炭素数1〜20の酸素含有炭化水素基、アミノ基、炭素数1〜20の窒素含有炭化水素基または炭素数1〜20の硫黄含有炭化水素基を示す。
上記の炭素数1〜20の炭化水素基の具体例としては、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、s−ブチル、t−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシル、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、メチルシクロヘキシル等のアルキル基、ビニル、プロペニル、シクロヘキセニル等のアルケニル基、ベンジル、フェニルエチル、フェニルプロピル等のアリールアルキル基、trans−スチリル等のアリールアルケニル基、フェニル、トリル、ジメチルフェニル、エチルフェニル、トリメチルフェニル、1−ナフチル、2−ナフチル、アセナフチル、フェナントリル、アントリル等のアリール基が挙げられる。これらの中では、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、s−ブチル、t−ブチル、シクロプロピル等の炭素数1〜4のアルキル基、フェニル、トリル、ジメチルフェニル、エチルフェニル、トリメチルフェニル、1−ナフチル、2−ナフチル等の炭素数6〜20のアリール基が好ましい。
上記の炭素数1〜20のハロゲン化炭化水素基において、ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。そして、上記のハロゲン化炭化水素基は、ハロゲン原子が例えばフッ素原子の場合、フッ素原子が上記の炭化水素基の任意の位置に置換した化合物である。
具体的には、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、クロロメチル、ジクロロメチル、トリクロロメチル、ブロモメチル、ジブロモメチル、トリブロモメチル、ヨードメチル、2,2,2−トリフルオロエチル、2,2,1,1−テトラフルオロエチル、ペンタフルオロエチル、ペンタクロロエチル、ペンタフルオロプロピル、ノナフルオロブチル、トリフルオロビニル、1,1−ジフルオロベンジル、1,1,2,2−テトラフルオロフェニルエチル、o−、m−、p−フルオロフェニル、o−、m−、p−クロロフェニル、o−、m−、p−ブロモフェニル、2,4−、3,5−、2,6−、2,5−ジフルオロフェニル、2,4−、3,5−、2,6−、2,5−ジクロロフェニル、2,4,6−トリフルオロフェニル、2,4,6−トリクロロフェニル、ペンタフルオロフェニル、ペンタクロロフェニル、4−フルオロナフチル、4−クロロナフチル、2,4−ジフルオロナフチル、ヘプタフルオロ−1−ナフチル、ヘプタクロロ−1−ナフチル、o−、m−、p−トリフルオロメチルフェニル、o−、m−、p−トリクロロメチルフェニル、2,4−、3,5−、2,6−、2,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル、2,4−、3,5−、2,6−、2,5−ビス(トリクロロメチル)フェニル、2,4,6−トリス(トリフルオロメチル)フェニル、4−トリフルオロメチルナフチル、4−トリクロロメチルナフチル、2,4−ビス(トリフルオロメチル)ナフチル基などが挙げられる。
上記の炭素数1〜20のケイ素含有炭化水素基の具体例としては、2−、3−、4−トリメチルシリルフェニル、2−、3−、4−t−ブチルジメチルシリルフェニル、2−、3−、4−ジフェニルメチルシリルフェニル、2−、3−、4−ジメチルフェニルシリルフェニル、トリメチルシリルトリル、4−トリメチルシリル−1−ナフチル、6−トリメチルシリル−1−ナフチル、4−トリメチルシリル−2−ナフチル、6−トリメチルシリル−2−ナフチル、4−t−ブチルジメチルシリル−2−ナフチル、6−t−ブチルジメチルシリル−2−ナフチル、4−ジフェニルメチルシリル−2−ナフチル、6−ジフェニルメチルシリル−2−ナフチル、4−ジメチルフェニルシリル−2−ナフチル、6−ジメチルフェニルシリル−2−ナフチル、3−トリメチルシリルビフェニル、4’−トリメチルシリルビフェニル、4−メチル−6−トリメチルシリル−1−ナフチル、4−メチル−6−トリメチルシリル−2−ナフチル、6−トリメチルシリル−2−アントリル、7−トリメチルシリル−2−フェナントリル、7−トリメチルシリル−9,10−ジヒドロ−2−フェナントリルなどが挙げられる。
上記の炭素数1〜20の酸素含有炭化水素基の具体例としては、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、シクロプロポキシ、ブトキシ等のアルコキシ基、フェノキシ、メチルフェノキシ、ジメチルフェノキシ、ナフトキシ等のアリロキシ基、フェニルメトキシ、ナフチルメトキシ等のアリールアルコキシ基、フリル基などの酸素含有複素環基などが挙げられる。
また、上記の炭素数1〜20の窒素含有炭化水素基の具体例としては、メチルアミノ、ジメチルアミノ、エチルアミノ、ジエチルアミノ等のアルキルアミノ基、フェニルアミノ、ジフェニルアミノ等のアリールアミノ基、(メチル)(フェニル)アミノ等の(アルキル)(アリール)アミノ基、ピラゾリル、インドリル等の窒素含有複素環基などが挙げられる。
また、一般式(5)中において、m及びnは、それぞれ独立して0〜20の整数を示す。ただし、m及びnが同時に0となることはない。m又はnが2以上の場合、それぞれ、R37同士またはR38同士が連結して新たな環構造を形成していてもよい。好ましくは、m=n=1である。
さらに、一般式(5)中において、Qは、二つのシクロペンタジエニル環を連結する架橋基である。Qの種類としては、公知の架橋型メタロセン系遷移金属化合物における架橋基が利用できる。
Qの具体例としては、メチレン、メチルメチレン、ジメチルメチレン、1,2−エチレン、1,3−トリメチレン、1,4−テトラメチレン、1,2−シクロへキシレン、1,4−シクロへキシレン等のアルキレン基、ジフェニルメチレン等のアリールアルキレン基、メチルシリレンやジメチルシリレン等のアルキルシリレン基、メチルフェニルシリレン等の(アルキル)(アリール)シリレン基、ジフェニルシリレン等のアリールシリレン基等が例示できる。これらの炭化水素基は、N、P、O、Siあるいはハロゲン等のヘテロ原子を含有していてもよい。また、上記のケイ素をゲルマニウムに置換した架橋基であってもよい。上述のシリレン基等上に2個の炭化水素基が存在する場合は、それらが互いに結合して環構造を形成していてもよい。
上述した架橋基の中では、ジメチルシリレン、ジメチルゲルミレン、シラフルロオレニル基が特に好ましい。
X及びYは、助触媒と反応してオレフィン重合能を発現させるσ共有結合性補助配位子であり、具体的には、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20の炭化水素基、炭素数1〜20のハロゲン化炭化水素基、炭素数1〜20のケイ素含有炭化水素基、炭素数1〜20の酸素含有炭化水素基、アミノ基または炭素数1〜20の窒素含有炭化水素基を示す。
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。
これらX及びYとしては、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20の炭化水素基、炭素数1〜20の窒素含有炭化水素基が好ましく、ハロゲン原子、炭素数1〜20の炭化水素基又は炭素数1〜20の窒素含有炭化水素基がさらに好ましく、塩素原子、メチル基、i−ブチル基、フェニル基、ベンジル基、ジメチルアミノ基又はジエチルアミノ基が特に好ましい。
Mは、周期表第4族の遷移金属を示し、好ましくはジルコニウム又はハフニウムである。
これらの一般式(5)で表されるメタロセン錯体の具体例としては、以下のものが例示される。
(1)ジクロロ{1,1’−ジメチルシリレンビス(2−メチル−4−フェニル−4H−アズレニル)}ジルコニウム、
(2)ジクロロ[1,1’−ジメチルシリレンビス{2−メチル−4−(2−メチルフェニル)−4H−アズレニル}]ジルコニウム、
(3)ジクロロ[1,1’−ジメチルシリレンビス{2−メチル−4−(4−トリフルオロメチルフェニル)−4H−アズレニル}]ジルコニウム、
(4)ジクロロ[1,1’−ジメチルシリレンビス{2−メチル−4−(4−クロロフェニル)−4H−アズレニル}]ジルコニウム、
(5)ジクロロ[1,1’−ジメチルシリレンビス{2−メチル−4−(1−ナフチル)−4H−アズレニル}]ジルコニウム、
(6)ジクロロ[1,1’−ジメチルシリレンビス{2−メチル−4−(4−t−ブチルフェニル)−4H−アズレニル}]ジルコニウム、
(7)ジクロロ[1,1’−ジメチルシリレンビス{2−エチル−4−フェニル−4H−アズレニル}]ジルコニウム、
(8)ジクロロ[1,1’−ジメチルシリレンビス{2−エチル−4−(2−フルオロ−4−ビフェニル)−4H−アズレニル}]ジルコニウム、
(9)ジクロロ[1,1’−シラフルオレンビス{2−エチル−4−(4−トリメチルシリル−3,5−ジクロロフェニル)−4H−アズレニル}]ジルコニウム、
(10)ジクロロ[ジメチルシリレン(2−メチル−4−フェニル−1−インデニル)(2−メチル−4−フェニル−4H−1−アズレニル)]ハフニウム、
(11)ジクロロ[ジメチルシリレン(2−エチル−4−フェニル−1−インデニル)(2−メチル−4−フェニル−4H−1−アズレニル)]ハフニウム。
尚、これら具体例の化合物は、ジクロル体を例示したが、それに制限されず、その他、ジメチル体、ジエチル体、ジヒドロ体、ジフェニル体、ジベンジル体なども例示することができる。また、これら具体例の化合物のシリレン基をゲルミレン基に、ジルコニウムをハフニウムに置き換えた化合物またはその逆に置き換えた化合物も、好適なものとして例示される。
(b)助触媒(活性化剤成分)
助触媒は、メタロセン錯体を活性化する成分で、メタロセン錯体の補助配位子と反応して当該錯体を、オレフィン重合能を有する活性種に変換させうる化合物であり、具体的には下記(b−1)〜(b−4)のものが挙げられる。特に好ましいのは(b−4)のイオン交換性層状珪酸塩である。
(b−1)アルミニウムオキシ化合物
(b−2)成分(a)と反応して成分(a)をカチオンに変換することが可能なイオン性化合物またはルイス酸
(b−3)固体酸
(b−4)イオン交換性層状珪酸塩
(b−1)のアルミニウムオキシ化合物がメタロセン錯体を活性化できることは周知であり、そのような化合物としては、具体的には次の各一般式で表される化合物が挙げられる。
Figure 2010195876
上記の各一般式中、Rは、水素原子または炭化水素基、好ましくは炭素数1〜10、中でも炭素数1〜6の炭化水素基を示す。また、複数のRは、それぞれ同一でも異なっていてもよい。また、pは0〜40、好ましくは2〜30の整数を示す。
一般式のうち、一番目及び二番目の式(6)、(7)で表される化合物は、アルミノキサンとも称される化合物であって、これらの中では、メチルアルミノキサン又はメチルイソブチルアルミノキサンが好ましい。上記のアルミノキサンは、各群内および各群間で複数種併用することも可能である。そして、上記のアルミノキサンは、公知の様々な条件下に調製することができる。
一般式の三番目の式(8)で表される化合物は、一種類のトリアルキルアルミニウム又は二種類以上のトリアルキルアルミニウムと、一般式:RB(OH)で表されるアルキルボロン酸との10:1〜1:1(モル比)の反応により得ることができる。
一般式中、R及びRは、炭素数1〜10、好ましくは炭素数1〜6の炭化水素基を示す。
(b−2)の化合物は、成分(a)と反応して成分(a)をカチオンに変換することが可能なイオン性化合物またはルイス酸であり、このようなイオン性化合物としては、カルボニウムカチオン、アンモニウムカチオンなどの陽イオンと、トリフェニルホウ素、トリス(3,5−ジフルオロフェニル)ホウ素、トリス(ペンタフルオロフェニル)ホウ素などの有機ホウ素化合物との錯化物などが挙げられる。また、上記のようなルイス酸としては、種々の有機ホウ素化合物、例えばトリス(ペンタフルオロフェニル)ホウ素などが例示される。或いは、塩化アルミニウム、塩化マグネシウムなどの金属ハロゲン化物などが例示される。
なお、上記のルイス酸のある種のものは、成分(a)と反応して成分(a)をカチオンに変換することが可能なイオン性化合物として把握することもできる。
ここで、成分(b−1)、成分(b−2)を担持する微粒子状担体としては、シリカ、アルミナ、マグネシア、シリカアルミナ、シリカマグネシアなどの無機酸化物、塩化マグネシウム、オキシ塩化マグネシウム、塩化アルミニウム、塩化ランタンなどの無機ハロゲン化物、さらには、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリスチレン、スチレンジビニルベンセン共重合体、アクリル酸系共重合体などの多孔質の有機担体を挙げることができる。
(b−3)の固体酸としては、アルミナ、シリカ−アルミナ、シリカ−マグネシアなどが挙げられる。
(b−4)のイオン交換性層状化合物は、粘土鉱物の大部分を占めるものであり、好ましくはイオン交換性層状珪酸塩である。
イオン交換性層状珪酸塩(以下、単に「珪酸塩」と略記する場合がある。)は、イオン結合などによって構成される面が互いに結合力で平行に積み重なった結晶構造を有し、かつ、含有されるイオンが交換可能である珪酸塩化合物をいう。大部分の珪酸塩は、天然には主に粘土鉱物の主成分として産出されるため、イオン交換性層状珪酸塩以外の夾雑物(石英、クリストバライトなど)が含まれることが多いが、それらを含んでいてもよい。
珪酸塩は各種公知のものが使用できる。具体的には、白水春雄著「粘土鉱物学」朝倉書店(1995年)に記載されている次のような層状珪酸塩が挙げられる。
(i)2:1型鉱物類:
モンモリロナイト、ザウコナイト、バイデライト、ノントロナイト、サポナイト、ヘクトライト、スチーブンサイトなどのスメクタイト族; バーミキュライトなどのバーミキュライト族; 雲母、イライト、セリサイト、海緑石などの雲母族; パイロフィライト、タルクなどのパイロフィライト−タルク族; Mg緑泥石などの緑泥石族。
(ii)2:1リボン型鉱物類:
セピオライト、パリゴルスカイトなど。
珪酸塩は、上記の混合層を形成した層状珪酸塩であってもよい。主成分の珪酸塩が2:1型構造を有する珪酸塩であるのが好ましく、スメクタイト族であることがより好ましく、モンモリロナイトが特に好ましい。珪酸塩については、天然品または工業原料として入手したものは、特に処理を行うことなくそのまま用いることができるが、化学処理を施すのが好ましい。具体的には、酸処理、アルカリ処理、塩類処理、有機物処理などが挙げられる。これらの処理を互いに組み合わせて用いてもよい。これらの処理条件には特に制限はなく、公知の条件が使用できる。
また、これらイオン交換性層状珪酸塩には、通常吸着水および層間水が含まれるため、不活性ガス流通下で加熱脱水処理するなどして、水分を除去してから使用するのが好ましい。なおこれらの化学処理の程度によってはイオン交換性が小さくなっている場合があるが、化学処理前の原料がイオン交換性層状珪酸塩であれば特に問題ない。
(c)有機アルミニウム化合物
メタロセン触媒系に、必用に応じて使用される有機アルミニウム化合物としては、ハロゲンを含有しないものが使用され、具体的には一般式:
AlR3−i
(式中、Rは炭素数1〜20の炭化水素基、Xは水素、アルコキシ基、iは0≦i≦3の数を示す。但し、Xが水素の場合は、iは0≦i<3とする。)
で示される化合物が使用される。
具体的には、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリプロピルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリオクチルアルミニウムなどのトリアルキルアルミニウム、またはジメチルアルミニウムメトキシド、ジエチルアルミニウムメトキシド、ジイソブチルアルミニウムメトキシド、ジイソブチルアルミニウムエトキシドなどのアルコキシ含有アルキルアルミニウム、さらにはジエチルアルミニウムハライドなどのハライド含有アルキルアルミニウムが挙げられる。
これらのうち、特にトリアルキルアルミニウム、中でもトリイソブチルアルミニウム、トリオクチルアルミニウムが好ましい。
(d)担体
メタロセン触媒系において必要に応じ適宜用いられる担体としては、各種公知の無機或いは有機の微粒子状固体を挙げることができる。担体の平均粒径は通常5〜300μm、好ましくは10〜200μm、より好ましくは20〜120μmである。また、担体の比表面積は通常50〜1,000m/g、好ましくは100〜500m/gであり、担体の細孔容積は通常0.1〜2.5cm/g、好ましくは0.2〜0.5cm/gである。
無機固体の例示としては、多孔質酸化物が挙げられ、必要に応じて100〜1,000℃、好ましくは150〜700℃で焼成して用いられる。
具体的にはSiO、Al、MgO、ZrO、TiO、B、CaO、ZnO、BaO、ThOなど、またはこれらの混合物、たとえばSiO−MgO、SiO−Al、SiO−TiO、SiO−V、SiO−Cr、SiO−TiO−MgOなどが挙げられる。これらのうちSiOまたはAlを主成分とするものが好ましい。
また、上記(b)助触媒のうち固体のものであれば、担体兼助触媒として使用することが可能であり、かつ好ましい。具体例としては、(b−3)固体酸や(b−4)イオン交換性層状珪酸塩などが挙げられる。特に、(b−4)イオン交換性層状珪酸塩を担体兼助触媒として使用するのが好ましい。ブロック共重合体の粒子性状を向上させるためには、各種公知の造粒を行うのが好ましい。
有機固体としては、エチレン、プロピレン、1−ブテン、4−メチル−1−ペンテンなどの炭素原子数が2〜14のα−オレフィンを主成分として生成される(共)重合体或いはビニルシクロヘキサン、スチレンを主成分として生成される重合体もしくは共重合体の固体を例示することができる。
以上の触媒の各成分(a)〜(d)の例示においては、触媒各成分が本発明の本質をなすものではないので、煩雑で冗長な列挙を避けて、簡潔に代表的な例示にとどめている。本発明においては、例示された以外の同等の成分も内包されることは当然のことであり、これらが排除される理由は何もない。
(e)触媒成分の接触
本発明においては、上記の成分(a)と成分(b)及び必要に応じて成分(c)を接触させて触媒とする。その接触方法は、特に限定されないが、以下のような順序で接触させることができる。また、この接触は、触媒調製時だけでなく、オレフィンによる予備重合時またはオレフィンの重合時に行ってもよい。
(i)成分(a)と成分(b)を接触させる。
(ii)成分(a)と成分(b)を接触させた後に、成分(c)を添加する。
(iii)成分(a)と成分(c)を接触させた後に、成分(b)を添加する。
(iv)成分(b)と成分(c)を接触させた後に、成分(a)を添加する。
(v)その他、三成分を同時に接触させてもよい。
好ましい接触方法は、成分(b)と成分(c)を接触させた後、未反応の成分(c)を洗浄等で除去し、その後、再度必要最小限の成分(c)を成分(b)に接触させ、その後、成分(a)を接触させる方法である。この場合のAl/遷移金属のモル比は、0.1〜1,000、好ましくは2〜10、より好ましくは4〜6の範囲である。
成分(a)と成分(c)を接触させる(その場合成分(b)が存在していてもよい)温度は、好ましくは0〜100℃、より好ましくは20〜80℃、特に好ましくは30〜60℃である。この温度範囲より低い場合は、反応が遅くなるし、また、高い場合は、成分(a)の分解反応が進行する。
また、成分(a)と成分(c)を接触させる(その場合成分(b)が存在していてもよい)場合には、有機溶媒を溶媒として存在させるのが好ましい。この場合の成分(a)の有機溶媒中での濃度は、高い方が良く、好ましくは3mM以上、より好ましくは4mM以上、特に好ましくは6mM以上である。
上記の触媒成分のうち成分(a)と成分(b)の使用量は、それぞれの組み合わせの中で最適な量比で用いられる。
成分(b)がアルミニウムオキシ化合物の場合は、Al/遷移金属のモル比は、通常10以上100,000以下、さらに100以上20,000以下、特に100以上10,000以下の範囲が適する。一方、成分(b)としてイオン性化合物或いはルイス酸を用いた場合は、対遷移金属のモル比は、0.1〜1,000、好ましくは1〜100、より好ましくは2〜10の範囲である。
成分(b)として、固体酸或いはイオン交換性層状珪酸塩を用いる場合は、成分(b)1gにつき、遷移金属錯体0.001〜10ミリモル、好ましくは0.001〜1ミリモルの範囲である。また、その場合成分(b)は、酸点を持つのが好ましい。酸点の量の下限については、成分(b)1gにつきpKa<−8.2以下の強酸点において、好ましくは30μモル、より好ましくは50μモル、特に好ましくは100μモルである。酸点の量は、特開2000−158707号公報の記載に従い、測定される。
下記の実施例は、本発明をさらに具体的に説明するためのものである。本発明は、その要旨を逸脱しないかぎり、これら実施例によって制約を受けるものではない。
実施例で評価したポリマー物性の測定方法などを以下に示す。
(1)MFRの測定:
JIS K7210 A法 条件Mに従い、以下の条件で測定した。
試験温度:230℃
公称荷重:2.16kg
ダイ形状:直径2.095mm、長さ8.00mm
(2)融解ピーク温度(Tm)の測定:
DSC(セイコー・インスツルメンツ社製、DSC6200型)を用い、試料5.0mgを採り、200℃で5分間保持した後、40℃まで10℃/分の降温速度で結晶化させ、さらに10℃/分の昇温速度で融解させたときの融解ピーク温度をTmとした(単位:℃)。
(3)第二工程で製造されたエチレン−1−ブテン共重合体ゴム(CP)含有量及びCP中の1−ブテン含有量の測定:
本発明に係る触媒を用いて得られるプロピレン/エチレン−1−ブテンブロック共重合体中の共重合体成分(ゴム状であり、以下、CPと称す)の含有量、及びCP中の1−ブテン重合割合は、クロス分別装置(以下、CFCと称する)を用い、以下の方法により求めた。
(3−1)クロス分別装置:ダイヤインスツルメンツ社製CFC T−100
(3−2)CFCの測定条件:
(i)溶媒:オルトジクロルベンゼン(ODCB)
(ii)サンプル濃度:4mg/mL
(iii)注入量:0.4mL
(iv)結晶化:140℃から40℃まで40分かけて降温する。
(v)分析方法:昇温溶出分別時の分別温度は、40℃、100℃、140℃とし、全部で3つのフラクションに分別する。尚、40℃以下で溶出する成分(フラクション1)、40〜100℃で溶出する成分(フラクション2)、100〜140℃で溶出する成分(フラクション3)の溶出割合(単位:質量%)を各々W40、W100、W140と定義する。W40+W100+W140=100である。また、分別した各フラクションは、そのままFT−IR分析装置へ自動輸送される。
(vi)溶出時溶媒流速:1mL/分
(3−3)フーリエ変換型赤外線吸収スペクトル装置:パーキンエルマー社製FT−IR 1760X
CFCの検出器として取り付けられていた波長固定型の赤外分光光度計を取り外して、代わりにFT−IRを接続し、このFT−IRを検出器として使用する。CFCから溶出した溶液の出口からFT−IRまでの間のトランスファーラインは1mの長さとし、測定の間を通じて140℃に温度保持する。FT−IRに取り付けたフローセルは、光路長1mm・光路幅5mmφのものを用い、測定の間を通じて140℃に温度保持する。
(3−4)FT−IRの測定条件:
CFC後段のGPCから試料溶液の溶出が開始した後、以下の条件でFT−IR測定を行い、上述した各フラクション1〜3について、GPC−IRデータを採取する。
(i)検出器:MCT
(ii)分解能:8cm−1
(iii)測定間隔:0.2分(12秒)
(iv)一測定あたりの積算回数:15回
(3−5)測定結果の後処理と解析:
各温度で溶出した成分の溶出量と分子量分布は、FT−IRによって得られる2945cm−1の吸光度をクロマトグラムとして使用して求める。溶出量は、各溶出成分の溶出量の合計が100%となるように規格化する。保持容量から分子量への換算は、予め作成しておいた標準ポリスチレンによる検量線を用いて行う。
使用する標準ポリスチレンは、何れも東ソー(株)製の以下の銘柄である。
F380、F288、F128、F80、F40、F20、F10、F4、F1、A5000、A2500、A1000。
各々が0.5mg/mLとなるようにODCB(0.5mg/mLのBHTを含む)に溶解した溶液を0.4mL注入して校正曲線を作成する。校正曲線は、最小二乗法で近似して得られる三次式を用いる。分子量への換算は、森定雄著「サイズ排除クロマトグラフィー」(共立出版)を参考に汎用校正曲線を用いる。その際、使用する粘度式([η]=K×Mα)には、以下の数値を用いる。
(i)標準ポリスチレンを使用する校正曲線作成時:
K=0.000138、α=0.70
(ii)プロピレン系ブロック共重合体のサンプル測定時:
K=0.000103、α=0.78
各溶出成分のエチレン含有量分布(分子量軸にそったエチレン含有量の分布)は、GPC−IRによって、得られる2956cm−1の吸光度と2927cm−1の吸光度との比を用い、ポリエチレンやポリプロピレン及び13C−NMR測定などによりエチレン含有量が既知となっているエチレン−プロピレン共重合体(EPR)及びそれらの混合物を使用して予め作成しておいた検量線により、エチレン重合割合(モル%)に換算して求める。
(3−6)CP含有量:
本発明におけるブロック共重合体のCP含有量は、下記式(I)で定義され、以下のような手順で求められる。
CP含有量(質量%)=W40×A40/B40+W100×A100/B100・・・(I)
式(I)において、W40、W100は、上述した各フラクションでの溶出割合(単位:質量%)であり、A40、A100は、W40、W100に対する各フラクションにおける実測定の平均エチレン含有量(単位:質量%)であり、B40、B100は、各フラクションに含まれるCPのエチレン含有量(単位:質量%)である。A40、A100、B40、B100の求め方は、後述する。
式(I)の意味は、以下のとおりである。すなわち、式(I)右辺の第一項は、フラクション1(40℃に可溶な部分)に含まれるCPの量を算出する項である。フラクション1がCPのみを含み、PPを含まない場合には、W40がそのまま全体の中に占めるフラクション1由来のCP含有量に寄与するが、フラクション1には、CP由来の成分のほかに少量のPP由来の成分(極端に分子量の低い成分及びアタクチックポリプロピレン)も含まれるため、その部分を補正する必要がある。そこで、W40にA40/B40を乗ずることにより、フラクション1のうち、CP成分由来の量を算出する。例えば、フラクション1の平均エチレン含有量(A40)が30質量%であり、フラクション1に含まれるCPのエチレン含有量(B40)が40質量%である場合、フラクション1の30/40=3/4(即ち75質量%)はCP由来、1/4はPP由来ということになる。このように右辺第一項でA40/B40を乗ずる操作は、フラクション1の質量%(W40)からCPの寄与を算出することを意味する。
右辺第二項も同様であり、各フラクションについて、CPの寄与を算出して加え合わせたものがCP含有量となる。
フラクション1〜3の平均エチレン含有量A40、A100、A140は、2945cm−1の吸光度のクロマトグラムにおける各データポイント毎の重量割合と各データポイント毎のエチレン含有量(2956cm−1の吸光度と2927cm−1の吸光度との比から得られる)の積の総和によって得られる。
フラクション1の微分分子量分布曲線におけるピーク位置に相当するエチレン含有量をB40とする(単位は質量%である)。
フラクション2については、ゴム部分が40℃ですべて溶出してしまうと考えられ、同様の定義で規定することができないので、本発明では、B100=100と定義する。B40、B100は、各フラクションに含まれるCPのエチレン含有量であるが、この値を分析的に求めることは実質的には不可能である。その理由は、フラクションに混在するPPとCPを完全に分離・分取する手段がないからである。
種々のモデル試料を使用して検討した結果、B40は、フラクション1の微分分子量分布曲線のピーク位置に相当するエチレン含有量を使用すると、材料物性の改良効果をうまく説明できる。また、B100は、エチレン連鎖由来の結晶性を持つこと、及びこれらのフラクションに含まれるCPの量がフラクション1に含まれるCPの量に比べて相対的に少ないことの2点の理由により、100と近似する方が実態にも近く、計算上も殆ど誤差を生じない。
そこで、B100=100として、解析を行うこととしている。したがって、下記式(II)に従い、CP含有量を求めることができる。
CP含有量(質量%)=W40×A40/B40+W100×A100/100・・・(II)
つまり、式(II)右辺の第一項であるW40×A40/B40は、結晶性を持たないCP含有量(質量%)を示し、第二項であるW100×A100/100は、結晶性をもつCP含有量(質量%)を示す。
共重合体成分中のエチレン含量は、式(II)で求めた共重合体成分の含有量を用いて、下記の式(III)で求められる。
CP中のエチレン含量(質量%)=(W40×A40+W100×A100+W140×A140)/[CP成分含有量(質量%)]・・・(III)
尚、上記3種類の分別温度を設定した意義は、次のとおりである。本発明に係わるCFC分析において、40℃とは、結晶性を持たないポリマー(例えば、CPの大部分、若しくはプロピレン重合体成分(PP)の中でも極端に分子量の低い成分及びアタクチックな成分)のみを分別するのに必要十分な温度条件である意義を有する。また、100℃とは、40℃では不溶であるが、100℃では可溶となる成分(例えば、CP中、エチレン及び/又はプロピレンの連鎖に起因して結晶性を有する成分、及び結晶性の低いPP)のみを溶出させるのに必要十分な温度である。140℃とは、100℃では不溶であるが、140℃では可溶となる成分(例えば、PP中、特に結晶性の高い成分、及びCP中の極端に分子量が高くかつ極めて高いエチレン結晶性を有する成分)のみを溶出させ、かつ分析に使用するブロック共重合体の全量を回収するのに必要十分な温度である。尚、W140には、CP成分は全く含まれないか、存在しても極めて少量であり実質的には無視できることからCP含有量やエチレン含量の計算からは排除する。
(3−7)1−ブテン重合割合:
上記のことから、CP中のエチレン含有量は、次式によって求めることができる。
CP中のエチレン含量(質量%)=(W40×A40+W100×A100)/[CP成分含有量(質量%)]
本発明において、1−ブテン重合割合は、このエチレン重合割合から算出できる。
(4)共重合体成分(CP)の極限粘度([η])測定:
CP成分の抽出は、以下のとおり行った。
300mLのフラスコに重合体試料5gと2,6−t−ブチル−4−メチルフェノール20mgと、キシレン500mLとを入れ、145℃の油浴上で加熱溶解させる。重合体試料が溶解した後、徐々に室温まで冷却した。析出した重合体を含むキシレン懸濁液を、グラスフィルタで濾過分離し、分離された溶液部から、5mmHg、50℃でキシレンを蒸発させることによりCP成分を得た。得られたCP成分の極限粘度([η])は、テトラリン中、135℃で測定した。
(5)シャルピー(Charpy)衝撃強度測定:
シャルピー衝撃強度は、JIS K−7111(ISO 179/1eA)に準拠して、下記要領で測定した。
試験機:東洋精機社製 全自動シャルピー衝撃試験機(恒温槽付)
試験片:作成方法=射出成形試験片にノッチを切削(ISO 2818準拠)、形状=シングルノッチ付・・・タイプAノッチ(ノッチ半径0.25mm)、厚み4mm、幅10mm、長さ80mm、状態調節=室温23℃・湿度50%の恒温室内に24時間以上放置。
試験条件:試験温度=23℃及び−30℃・・・−30℃の場合には、恒温槽が試験温度の±1℃以内になった状態で40分以上状態調節を加えてから試験を行った。試験湿度=50%、試験片数=5、衝撃速度=2.9m/s、振り子エネルギー=4J。
以下の実施例/比較例の工程は、特に記載がない限り、すべて精製窒素雰囲気下で行った。また、溶媒は、モレキュラーシーブMS−4Aで脱水したものを用いた。
[実施例1]
(1)触媒の合成
(a)イオン交換性層状珪酸塩の化学処理:
撹拌翼と還流装置を取り付けた5Lセパラブルフラスコに、純水1,700gを投入し、98%硫酸500gを滴下した。そこへ、さらに市販の造粒モンモリロナイト(水澤化学社製、ベンクレイSL、平均粒径:19.5μm)を300g添加し、撹拌した。その後90℃で2時間反応させた。このスラリーを、ヌッチェと吸引瓶にアスピレータを接続した装置にて、濾過し、2Lの純水で5回洗浄した。
このようにして回収したケーキに硫酸リチウム1水和物325gの水900mL水溶液を加え90℃で2時間反応させた。このスラリーを、ヌッチェと吸引瓶にアスピレータを接続した装置にて濾過し、純水でpH>4まで洗浄した。
回収したケーキを120℃で終夜乾燥した。その結果、270gの化学処理モンモリロナイトを得た。これを目開き74μmの篩にて篩い分けしたところ、篩通過分は全体の重量の90%であった。
(b)乾燥工程:
上記(a)で得た化学処理モンモリロナイトを容積1Lのフラスコに入れ、200℃で2時間減圧乾燥させたところ、ガスの発生が収まった。その後さらに2時間減圧乾燥して被処理モンモリロナイトを得た。その水分含量を測定したところ、水分値は1.11質量%であった。
(c)被処理モンモリロナイトの有機アルミニウム処理:
内容積1Lのフラスコに上記(b)で得た被処理モンモリロナイト20.2gを秤量し、ヘプタン73ml、トリノルマルオクチルアルミニウムのヘプタン溶液129.0ml(50.5mmol)を加え、室温で1時間撹拌した。その後、ヘプタンで残液率1/100まで洗浄したのち、100ml量に調整されたスラリーを得た。
(d)プロピレンによる予備重合:
上記の(c)で得たヘプタンスラリーに、トリノルマルオクチルアルミニウムのヘプタン溶液6.2ml(2428μmol)を加えた。ここに、別のフラスコ(容積200ml)中で、ジクロロ[1,1’−ジメチルシリレンビス{2−エチル−4−(2−フルオロ−4−ビフェニル)−4H−アズレニル}]ハフニウム578mg(603.6μmol)にヘプタン(55ml)を加えたスラリーを加えて、室温で60分間撹拌した。
尚、ジクロロ[1,1’−ジメチルシリレンビス{2−エチル−4−(2−フルオロ−4−ビフェニル)−4H−アズレニル}]ハフニウム(錯体種:a)は、特開2000−95791号公報に準拠して、予め合成したものを用いた。
このようにして得られたスラリーに、さらにヘプタン339mlを追加して全量を500mlに調整し、十分に窒素置換を行った内容積1Lの撹拌式オートクレーブに導入した。オートクレーブ内の温度が40℃に安定したところでプロピレンを10g/時間の速度で供給し、温度を維持した。4時間後プロピレンの供給を停止し、さらに2時間40℃を保持した。
その後、残存モノマーをパージして、予備重合触媒スラリーをオートクレーブより回収した。回収した予備重合触媒スラリーを静置し、上澄み液を400ml抜き出した。続いてトリイソブチルアルミニウムのヘプタン溶液16.8ml(12.23mmol)を室温にて加え、その後、減圧乾燥して固体触媒を63.51g回収した。
予備重合倍率(予備重合ポリマー量を固体触媒量で除した値)は、2.06であった。
(2)ブロック共重合
(第一工程):
内容積3Lの攪拌機付きオートクレーブをプロピレンガスで十分に置換した後、温度を30℃に維持しながら、トリイソブチルアルミニウム・n−ヘプタン溶液2.78ml(2.02mmol)、水素225NmL、プロピレン750gを導入し、攪拌を開始した。温度を65℃に昇温し、上記で調整した予備重合触媒をn−ヘプタンにスラリー化し、触媒として(予備重合ポリマーを除いた固体触媒量として)27.3mgを圧入し、重合を開始した。槽内温度を65℃に維持し、触媒投入1時間経過後に、槽内温度を40℃まで降温し、そのまま槽内温度を40℃に維持しながら残留した未反応モノマーをパージし、アルゴンガスにてオートクレーブ内を5回置換した。攪拌を停止させ、アルゴンを微量流通させながら、テフロン(登録商標)管を槽内に差込み、得られたポリプロピレンの一部を抜き出し、分析に供した。
(第二工程):
一方、内容積14Lの攪拌式オートクレーブを内温100℃に調整し、1−ブテンを632ml導入し、続いて、エチレンを圧入して3.0MPaGとして、1−ブテンとエチレンの混合ガスを調製した。
上記プロピレン重合を行った3Lのオートクレーブの槽内温度を80℃に昇温し、先に調製した1−ブテンとエチレンの混合ガスを導入した。槽内圧力を2.0MPaGに保ち、重合中に当該圧力が変化しないように、モノマー混合ガスを連続的に供給し、390分間気相重合を行った。
引き続き、槽内温度を40℃に降温し、当該温度にて維持しながら残留した未反応モノマーをパージし、アルゴンガスにてオートクレーブ内を置換した。結果、413gのプロピレン/エチレン−1−ブテンブロック共重合体が得られた。
得られたブロック共重合体は、MFR91.5g/10分であった。また、CFC−IR測定結果から、CP含有量は22.7質量%、CP成分中の1−ブテン含有量は42.7モル%であり、さらにCP成分の極限粘度[η]は1.28dl/gであった。また、別途、第一工程終了後に採取したプロピレンホモポリマーの融点は158.5℃、MFRは104g/10分であった。重合条件と重合結果(重合体の分析結果)を表1に示す。
[実施例2〜4]
重合条件を一部変更した以外は、実施例1と同様にして、プロピレン/エチレン−1−ブテンブロック共重合体を得た。重合条件と重合結果(重合体の分析結果)を表1に示す。
[実施例5〜10]
錯体としてジクロロ[1,1’−ジメチルシリレンビス{2−エチル−4−(2−フルオロ−4−ビフェニル)−4H−アズレニル}]ハフニウムの代わりに、ジクロロ[1,1´−ジメチルシリレンビス{2−(5−メチル−2−フリル)−4−フェニルインデニル}]ジルコニウムを用いた以外は、実施例1と同様にして、プロピレン/エチレン−1−ブテンブロック共重合体を得た。重合条件と重合結果(重合体の分析結果)を表1に示す。
尚、ジクロロ[1,1´−ジメチルシリレンビス{2−(5−メチル−2−フリル)−4−フェニルインデニル}]ジルコニウム(錯体種:b)は、特開2002−128832号公報に準拠して、予め合成したものを用いた。
[実施例11]
錯体としてジクロロ[1,1´−ジメチルシリレンビス{2−(5−メチル−2−フリル)−4−フェニルインデニル}]ジルコニウムの代わりに、ジクロロ[1,1´−ジメチルゲルミレンビス{2−(5−メチル−2−フリル)−4−(4−t−ブチルフェニル)−インデニル}]ジルコニウムを用いた以外は、実施例1と同様にして、プロピレン/エチレン−1−ブテンブロック共重合体を得た。重合条件と重合結果(重合体の分析結果)を表1に示す。
尚、ジクロロ[1,1´−ジメチルゲルミレンビス{2−(5−メチル−2−フリル)−4−(4−t−ブチルフェニル)−インデニル}]ジルコニウム(錯体種:c)は、下記のとおり合成して用いた。
錯体(c)の合成:ジクロロ[1,1’−ジメチルゲルミレンビス{2−(5−メチル−2−フリル)−4−(4−t−ブチルフェニル)−インデニル}]ジルコニウムの合成:
(1)4−(4−t−ブチルフェニル)−インデンの合成:
1000mlのガラス製反応容器に、1−ブロモ−4−t−ブチル−ベンゼン 40g(0.19mol)、ジメトキシエタン(DME) 400mlを加え、ドライアイス−メタノール浴で−70℃まで冷却した。ここに1.46mol/Lのt−ブチルリチウム−ペンタン溶液260ml(0.38mol)を滴下した。滴下後、徐々に室温まで戻しながら5時間攪拌した。再びドライアイス−メタノール浴で−70℃まで冷却し、そこにトリイソプロピルボレート 46ml(0.20mol)を含むDME溶液100mlを滴下した。滴下後、徐々に室温に戻しながら一夜攪拌した。
反応液に蒸留水 100mlを加え、30分間攪拌した後、炭酸ナトリウム50g−蒸留水150mlの水溶液、4−ブロモインデン 30g(0.15mol)、テトラキス(トリフェニルフォスフィノ)パラジウム 5g(4.3mmol)を順に加え、その後、低沸成分を除去し80℃で5h加熱した。
反応液を氷水1L中に注ぎ、そこから3回エーテル抽出を行い、エーテル層を飽和食塩水で中性になるまで洗浄した。ここに硫酸ナトリウムを加え、一晩放置し反応液を乾燥させた。無水硫酸ナトリウムをろ過し、溶媒を減圧留去して、シリカゲルカラムで精製し、4−(4−t−ブチルフェニル)−インデン37g(収率98%)を淡黄色液体として得た。
(2)2−ブロモ−4−(4−t−ブチルフェニル)−インデンの合成:
1000mlのガラス製反応容器に、4−(4−t−ブチルフェニル)−インデン37g(0.15mol)、ジメチルスルホキシド(DMSO) 400ml、蒸留水11mlを加え、そこにN−ブロモスクシンイミド35g(0.20mol)を徐々に加え、そのまま室温で1h攪拌した。
反応液を氷水1L中に注ぎ、そこから3回トルエンで抽出を行った。トルエン層を飽和食塩水で洗浄し、1000mlのガラス製反応容器中でp−トルエンスルホン酸4.3g(22mmol)を加え、水分を除去しながら2h加熱還流させた。
反応液を分液ロートに移し食塩水で中性になるまで洗浄した。ここに硫酸ナトリウムを加え一晩放置し反応液を乾燥させた。無水硫酸ナトリウムをろ過し、溶媒を減圧留去して、シリカゲルカラムで精製し、2−ブロモ−4−(4−t−ブチルフェニル)−インデン46g(収率95%)を淡黄色固体として得た。
(3)2−(5−メチル−2−フリル)−4−(4−t−ブチルフェニル)−インデンの合成:
1000mlのガラス製反応容器に、メチルフラン 13.8g(0.17mol)、DME 400mlを加え、ドライアイス−メタノール浴で−70℃まで冷却した。ここに1.52mol/Lのn−ブチルリチウム−ヘキサン溶液111ml(0.17mol)を滴下した。滴下後、徐々に室温まで戻しながら3時間攪拌した。再びドライアイス−メタノール浴で−70℃まで冷却し、そこにトリイソプロピルボレート 41ml(0.18mol)を含むDME溶液100mlを滴下した。滴下後、徐々に室温に戻しながら一夜攪拌した。
反応液に蒸留水 50mlを加え、30分間攪拌した後、炭酸ナトリウム54g−蒸留水100ml水溶液、2−ブロモ−4−(4−t−ブチルフェニル)−インデン46g(0.14mol)、テトラキス(トリフェニルフォスフィノ)パラジウム 5g(4.3mmol)を順に加え、その後、低沸成分を除去しながら加熱し、80℃で3h保持した。
反応液を氷水1L中に注ぎ、そこから3回エーテル抽出を行い、エーテル層を飽和食塩水で中性になるまで洗浄した。ここに硫酸ナトリウムを加え一晩放置し反応液を乾燥させた。無水硫酸ナトリウムをろ過し、溶媒を減圧留去して、シリカゲルカラムで精製し、ヘキサンで再結晶を行い、2−(5−メチル−2−フリル)−4−(4−t−ブチルフェニル)−インデン30.7g(収率66%)を無色結晶として得た。
(4)ジメチルビス(2−(5−メチル−2−フリル)−4−(4−t−ブチルフェニル)−インデニル)ゲルマンの合成:
2−(5−メチル−2−フリル)−4−(4−t−ブチルフェニル)−インデン10.0g(30mmol)をTHF 200mlに溶解させ、n−ブチルリチウムのn−ヘキサン溶液20ml(1.52M,30mmol)を−70℃で滴下した。2時間攪拌した後、N−メチルイミダゾ−ル0.1ml(1.2mmol)を加え、−70℃でジクロロジメチルゲルマン 2.6g(15mmol)のTHF50ml溶液を滴下し、徐々に昇温させながら一晩攪拌した。反応液に水10mlを加えた。有機層を1N−塩酸、飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄したあと、硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下溶媒を留去して粗生成物を得た。これをシリカゲルカラムクロマトグラフィ−(関東化学社製シリカゲル60、ヘキサン/ジクロロメタン)で精製することにより、ジメチルビス(2−(5−メチル−2−フリル)−4−(4−t−ブチルフェニル)−インデニル)ゲルマン10.7g(収率93%)を得た。
(5)ジクロロ[1,1’−ジメチルゲルミレンビス{2−(5−メチル−2−フリル)−4−(4−t−ブチルフェニル)−インデニル}]ジルコニウムの合成:
ジメチルビス(2−(5−メチル−2−フリル)−4−(4−t−ブチルフェニル)−インデニル)ゲルマン 10.5g(14mmol)をジエチルエ−テル200mlに溶解させ、n−ブチルリチウムのn−ヘキサン溶液18ml(1.52M,27mmol)を−76℃で滴下した。自然昇温しながら3時間攪拌し、減圧下溶媒を留去した。トルエン200ml、ジエチルエ−テル10mlを順に加え、−75℃に冷却し、四塩化ジルコニウム3.2g(14mmol)を添加した。その後、自然昇温しながら一夜攪拌した。得られた反応溶液を減圧下、溶媒を留去した。これをn−ヘキサン/ジクロロメタンで抽出し、再結晶することにより、ジクロロ[1,1’−ジメチルゲルミレンビス{2−(5−メチル−2−フリル)−4−(4−t−ブチルフェニル)−インデニル}]ジルコニウムのラセミ体6.0g(収率47%)を得た。
H−NMR(400MHz,CDCl):δ1.33(s,18H),δ1.38(s,6H),δ2.45(s,6H),6.07(d,2H),6.29(d,2H),6.76(dd,2H),6.86(d,2H),7.04(s,2H),7.28(d,2H),7.43(d,2H),7.57(d,2H)
[実施例12]
錯体としてジクロロ[1,1´−ジメチルシリレンビス{2−(5−メチル−2−フリル)−4−フェニルインデニル}]ジルコニウムの代わりに、ジクロロ[1,1´−ジメチルシリレンビス{2−(5−メチル−2−フリル)−4−(3,5−ジメチルフェニル)−5−メチル−インデニル}]ジルコニウムを用いた以外は、実施例1と同様にして、プロピレン/エチレン−1−ブテンブロック共重合体を得た。重合条件と重合結果(重合体の分析結果)を表1に示す。
尚、ジクロロ[1,1´−ジメチルシリレンビス{2−(5−メチル−2−フリル)−4−(3,5−ジメチルフェニル)−5−メチル−インデニル}]ジルコニウム(錯体種:d)は、下記のとおり合成して用いた。
錯体(d):ジクロロ[1,1’−ジメチルシリレンビス{2−(5−メチル−2−フリル)−4−(3,5−ジメチルフェニル)−5−メチル−インデニル}]ジルコニウムの合成:
(1)4−(3,5−ジメチルフェニル)−5−メチルインデンの合成:
3,5−ジメチルフェニルボロン酸20g(0.13mol)をジメトキシエタン 250mlに溶解させ、炭酸セシウム60gの水140ml溶液(0.18mol)、4−ブロモ−5−メチルインデン20g(90mmol)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム5g(4.3mmol)を順に加えた。加熱還流下で44時間反応させた後、反応液を水500ml中に加え、ジイソプロピルエ−テルにより抽出した。有機層を1N−塩酸、飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄したあと、硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下溶媒を留去して粗生成物を得た。これをシリカゲルカラムクロマトグラフィ−(関東化学社製シリカゲル60、ヘキサン)で精製することにより、4−(3,5−ジメチルフェニル)−5−メチルインデン20.4g(収率96%)を無色液体として得た。
(2)2−ブロモ−4−(3,5−ジメチルフェニル)−5−メチルインデンの合成:
4−(3,5−ジメチルフェニル)−5−メチルインデン20.4g(87mmol)をジメチルスルホキシド200mlに溶解させ、水6ml(0.33mol)を加えた。N−ブロモスクシンイミド20g(0.11mol)を除々に添加し、室温で2時間攪拌した。反応液を水500ml中に注ぎ、トルエンで抽出を行い、有機層を塩酸と水で洗浄した。有機層にp−トルエンスルホン酸・一水和物2.5g(13mmol)を加えた。加熱還流下で2時間反応させた後、溶液を炭酸ナトリウム水溶液と飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下溶媒を留去して粗生成物を得た。これをシリカゲルカラムクロマトグラフィ−(関東化学社製シリカゲル60、ヘキサン)で精製することにより、2−ブロモ−4−(3,5−ジメチルフェニル)−5−メチルインデン26.8g(収率98%)を淡黄色液体として得た。
(3)2−(5−メチル−2−フリル)−4−(3,5−ジメチルフェニル)−5−メチルインデンの合成:
2−メチルフラン10g(0.12mol)をDME200mlに溶解させ、n−ブチルリチウムのn−ヘキサン溶液75ml(1.63M,1.1mol)を−70℃で滴下し、3時間攪拌した。再び−70℃に冷却したあと、トリイソプロピルボレート31ml(0.13mol)のDME60ml溶液を滴下し、室温に戻しながら一晩攪拌した。反応液に水50mlを加え、その後、炭酸ナトリウム26g(0.25mol)の水150ml溶液、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム5g(4.3mmol)、2−ブロモ−4−(3,5−ジメチルフェニル)−5−メチルインデン26.8g(0.86mol)、を順に加え、80℃で加熱し、低沸分を除去しながら3時間反応させた。反応液を水400ml中に加え、ジイソプロピルエ−テルにより抽出した。有機層を1N−塩酸、飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄したあと、硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下溶媒を留去して粗生成物を得た。これをシリカゲルカラムクロマトグラフィ−(関東化学社製シリカゲル60、ヘキサン/ジクロロメタン)で精製することにより、目的の2−(5−メチル−2−フリル)−4−(3,5−ジメチルフェニル)−5−メチルインデン24.7g(収率92%)を無色結晶として得た。
(4)ジメチルビス{2−(5−メチル−2−フリル)−4−(3,5−ジメチルフェニル)−5−メチル−インデニル}シランの合成:
2−(5−メチル−2−フリル)−4−(3,5−ジメチルフェニル)−5−メチルインデン10.2g(32mmol)をTHF150mlに溶解させ、n−ブチルリチウムのn−ヘキサン溶液20ml(1.63M,33mmol)を−70℃で滴下した。6時間攪拌した後、N−メチルイミダゾ−ル0.13ml(1.6mmol)を加え、−70℃でジクロロジメチルシラン2.1g(16mmol)のTHF20ml溶液を滴下し、徐々に昇温させながら一晩攪拌した。反応液に水10mlを加え、有機層を1N−塩酸、飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄したあと、硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下溶媒を留去して粗生成物を得た。これをシリカゲルカラムクロマトグラフィ−(関東化学社製シリカゲル60、ヘキサン/ジクロロメタン)で精製することにより、ジメチルビス(2−(2−(5−メチルフリル))−4−(3,5−ジメチルフェニル)−5−メチルインデニル)シラン8.1g(収率73%)を得た。
(5)ジクロロ[1,1’−ジメチルシリレンビス{2−(5−メチル−2−フリル)−4−(3,5−ジメチルフェニル)−5−メチル−インデニル}]ジルコニウムの合成:
ジメチルビス(2−(2−(5−メチルフリル))−4−(3,5−ジメチルフェニル)−5−メチルインデニル)シラン8.1g(12mmol)をジエチルエ−テル300mlに溶解させ、n−ブチルリチウムのn−ヘキサン溶液15ml(1.63M,25mmol)を−76℃で滴下した。自然昇温しながら3時間攪拌し、減圧下溶媒を留去した。トルエン300ml、ジエチルエ−テル15mlを順に加え、−75℃に冷却し、四塩化ジルコニウム2.8g(12mmol)を添加した。その後、自然昇温しながら一夜攪拌した。得られた反応溶液を減圧下で溶媒を留去した。これをn−ヘキサン/ジクロロメタンで抽出し、再結晶することにより、ジクロロ[1,1’−ジメチルシリレンビス{2−(5−メチル−2−フリル)−4−(3,5−ジメチルフェニル)−5−メチル−インデニル}]ジルコニウムのラセミ体2.9g(収率29%)をオレンジ色結晶として得た。
H−NMR(400MHz,CDCl):δ1.06(s,6H),2.27(s,6H),2.29(s,6H),2.35(s,6H),2.39(s,6H),6.03(d,2H),6.22(d,2H),6.56(s,2H),6.64(d,2H),6.74(d,2H),6.75(s,2H),6.95(s,2H),7.36(s,2H)
[比較例1]
重合条件を一部変更した以外は、実施例1と同様にして、プロピレン/エチレン−1−ブテンブロック共重合体を得た。重合条件と重合結果(重合体の分析結果)を表2に示す。
[比較例2〜5]
錯体としてジクロロ[1,1’−ジメチルシリレンビス{2−エチル−4−(2−フルオロ−4−ビフェニル)−4H−アズレニル}]ハフニウムの代わりに、ジクロロ[1,1´−ジメチルシリレンビス{2−(5−メチル−2−フリル)−4−フェニルインデニル}]ジルコニウムを用い、重合条件を一部変更した以外は、実施例1と同様にして、プロピレン/エチレン−1−ブテンブロック共重合体を得た。重合条件と重合結果(重合体の分析結果)を表2に示す。
[比較例6]
錯体としてジクロロ[1,1’−ジメチルシリレンビス{2−エチル−4−(2−フルオロ−4−ビフェニル)−4H−アズレニル}]ハフニウムの代わりに、ジクロロ[1,1´−ジメチルゲルミレンビス{2−(5−メチル−2−フリル)−4−(4−t−ブチルフェニル)−インデニル}]ジルコニウムを用いた以外は、実施例1と同様にして、プロピレン/エチレン−1−ブテンブロック共重合体を得た。重合条件と重合結果(重合体の分析結果)を表2に示す。
[比較例7〜8]
錯体としてジクロロ[1,1´−ジメチルシリレンビス{2−(5−メチル−2−フリル)−4−フェニルインデニル}]ジルコニウムの代わりに、ジクロロ[1,1´−ジメチルシリレンビス(2−メチル−4−フェニルインデニル)]ジルコニウムを用いた以外は、実施例1と同様にして、プロピレン/エチレン−1−ブテンブロック共重合体を得た。
尚、ジクロロ[1,1´−ジメチルシリレンビス(2−メチル−4−フェニルインデニル)]ジルコニウムは、Organometallics 1994年 13巻 954頁記載の方法に準拠して、予め合成したものを用いた。
重合条件と重合結果(重合体の分析結果)を表2に示す。
Figure 2010195876
Figure 2010195876
[実施例1〜12および比較例1〜8の対比による考察]
表1の実施例1〜12と表2の比較例1〜8を比較すると、実施例1〜12では、広いエチレン−1−ブテン共重合体成分(CP)の含有量において、当該CP成分中の1−ブテンの重合割合が25モル%以上の高いレベルであるにもかかわらず、得られたプロピレン/エチレン−1−ブテンブロック共重合体の性状は良好であり、当該ブロック共重合体の耐衝撃強度のレベルは、23℃及び−30℃何れの場合でも、比較例に対し、高いレベルであった。
本発明のプロピレン/エチレン−1−ブテンブロック共重合体の製造方法では、工業的に適用可能な粒子性状を保持しつつ、ブテン含量の高いCP成分を有する耐衝撃性に優れたプロピレン/エチレン−1−ブテンブロック共重合体を、安定的にかつ効率的に製造でき、産業上、利用可能性が高いものである。
特開平6−192500号公報 特開平6−192506号公報 特開平4−337308号公報 特開平6−287257号公報 特開平11−228648号公報 特開平9−316145号公報 特開平9−316147号公報 特開平10−158351号公報 WO95−27740号公報(特許第4024295号公報) 特表2007−505174号公報 特表2007−505175号公報 特表2007−505176号公報

Claims (12)

  1. 逐次重合によって、下記の(a)〜(c)の要件を満たすプロピレン/エチレン−1−ブテンブロック共重合体を製造する方法であって、
    担持メタロセン触媒を用いて、結晶性プロピレン重合体成分を製造する第一工程と、続いて、エチレンと1−ブテンとの共重合体成分(CP)を気相重合で製造する第二工程とからなることを特徴とするプロピレン/エチレン−1−ブテンブロック共重合体の製造方法。
    (a)プロピレン/エチレン−1−ブテンブロック共重合体全量に対する共重合体成分(CP)の割合が5〜90質量%であること。
    (b)共重合体成分(CP)の1−ブテン含量が25〜50モル%であること。
    (c)テトラリン中、135℃で測定した共重合体成分(CP)の極限粘度[η]が0.5〜3.0dl/gであること。
  2. 前記(a)及び(b)の要件が下記であることを特徴とする請求項1に記載のプロピレン/エチレン−1−ブテンブロック共重合体の製造方法。
    (a)プロピレン/エチレン−1−ブテンブロック共重合体全量に対する共重合体成分(CP)の割合が5〜50質量%であること。
    (b)共重合体成分(CP)の1−ブテン含量が35〜50モル%であること。
  3. 前記(a)及び(b)の要件が下記であることを特徴とする請求項1に記載のプロピレン/エチレン−1−ブテンブロック共重合体の製造方法。
    (a)プロピレン/エチレン−1−ブテンブロック共重合体全量に対する共重合体成分(CP)の割合が10〜90質量%であること。
    (b)共重合体成分(CP)の1−ブテン含量が25〜35モル%であること。
  4. プロピレン/エチレン−1−ブテンブロック共重合体全量に対する共重合体成分(CP)の割合が10〜45質量%であることを特徴とする請求項2に記載のプロピレン/エチレン−1−ブテンブロック共重合体の製造方法。
  5. プロピレン/エチレン−1−ブテンブロック共重合体全量に対する共重合体成分(CP)の割合が10〜80質量%であることを特徴とする請求項3に記載のプロピレン/エチレン−1−ブテンブロック共重合体の製造方法。
  6. プロピレン/エチレン−1−ブテンブロック共重合体全量に対する共重合体成分(CP)の割合が10〜70質量%であることを特徴とする請求項5に記載のプロピレン/エチレン−1−ブテンブロック共重合体の製造方法。
  7. テトラリン中、135℃で測定した共重合体成分(CP)の極限粘度[η]が0.5〜2.5dl/gであることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のプロピレン/エチレン−1−ブテンブロック共重合体の製造方法。
  8. テトラリン中、135℃で測定した共重合体成分(CP)の極限粘度[η]が0.5〜2.0dl/gであることを特徴とする請求項7に記載のプロピレン/エチレン−1−ブテンブロック共重合体の製造方法。
  9. 共重合体成分(CP)の1−ブテン含量が35〜45モル%であることを特徴とする請求項2に記載のプロピレン/エチレン−1−ブテンブロック共重合体の製造方法。
  10. 担持メタロセン触媒の担体がイオン交換性層状珪酸塩であることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載のプロピレン/エチレン−1−ブテンブロック共重合体の製造方法。
  11. 担持メタロセン触媒の錯体が下記一般式(1)及び/又は(2)で表される化合物であることを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載のプロピレン/エチレン−1−ブテンブロック共重合体の製造方法。
    Figure 2010195876
    Figure 2010195876
    (式中、A及びA’は、同一又は異なる共役五員環構造を有する配位子を、Qは、2つの共役五員環配位子を任意の位置で架橋する結合性基を、Mは、周期表第4族の遷移金属原子を、XおよびYは、Mと結合した補助配位子を、それぞれ示す。)
  12. 担持メタロセン触媒の錯体が下記一般式(3)、(4)及び/又は(5)で表される化合物であることを特徴とする請求項11に記載のプロピレン/エチレン−1−ブテンブロック共重合体の製造方法。
    Figure 2010195876
    Figure 2010195876
    Figure 2010195876
    [式(3)中、R11及びR12は、同じでも異なってもよく、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のハロゲン含有アルキル基、炭素数1〜6の珪素含有アルキル基、炭素数6〜16のアリール基、炭素数6〜16のハロゲン含有アリール基、2−フリル基、置換された2−フリル基、2−チエニル基、置換された2−チエニル基、2−フルフリル基又は置換された2−フルフリル基を表す。ただし、R11及びR12のうち少なくとも1つは、2−フリル基、置換された2−フリル基、2−チエニル基、置換された2−チエニル基、2−フルフリル基又は置換された2−フルフリル基である。R13及びR14は、同じでも異なってもよく、炭素数6〜20のアリール基、炭素数6〜20のハロゲン含有アリール基又は炭素数6〜20の珪素含有アリール基を表す。Qは、二つのシクロペンタジエニル環を連結する架橋基を表す。X及びYは、それぞれ独立して、Mとσ結合を形成する配位子を表す。Mは、周期律表第4族の遷移金属を表す。
    式(4)中、R21、R22、R23、R24、R25、R26及びR27は、それぞれ独立して、水素原子、炭化水素基、珪素含有炭化水素基又はハロゲン含有炭化水素基を表す。ただし、R21、R22、R23及びR24のいずれか1つ以上は、水素原子以外の置換基であり、かつ、隣接するR21、R22、R23及びR24は、互いに環を形成しない構造である。また、R25及びR26は、環を形成してもよい構造であり、nは、0〜3である。R28は、炭素数3〜6の二価の炭化水素基を表す。Qは、二つのシクロペンタジエニル環を連結する架橋基を表す。X及びYは、それぞれ独立して、Mとσ結合を形成する配位子を表し、Mは、周期律表第4族の遷移金属を表す。
    式(5)中、R31、R32、R34及びR35は、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜10の炭化水素基、炭素数1〜18の珪素含有炭化水素基又は炭素数1〜18のハロゲン含有炭化水素基を表す。R33及びR36は、それぞれ独立して、それが結合する五員環に対して縮合環を形成する炭素数3〜10の飽和又は不飽和の2価の炭化水素基を示す。ただし、R33及びR36の少なくとも一方の炭素数は、5〜8であり、R33又はR36由来の7〜10員環から成る縮合環を形成する。R37及びR38は、それぞれ独立して、炭素数1〜20の炭化水素基、炭素数1〜20のハロゲン化炭化水素基、炭素数1〜20の珪素含有炭化水素基、炭素数1〜20の酸素含有炭化水素基、アミノ基、炭素数1〜20の窒素含有炭化水素基又は炭素数1〜20の硫黄含有炭化水素基を表す。m及びnは、それぞれ独立して0〜20の整数を示す。ただし、m及びnが同時に0となることはない。また、m又はnが2以上の場合、それぞれ、R37同士又はR38同士が連結して新たな環構造を形成していてもよい。Qは、二つのシクロペンタジエニル環を連結する架橋基を表す。X及びYは、助触媒と反応してオレフィン重合能を発現させるσ共有結合性補助配位子を示し、Mは、周期律表第4族の遷移金属を表す。]
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