JP2007332065A - メタロセン化合物及びそれを使用したオレフィン重合用触媒 - Google Patents
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Abstract
Description
特にポリプロピレン樹脂は、ポリオレフィン樹脂における主要素材として各種の技術分野においての産業用資材に汎用され、卓越した重要な原材料であるがゆえに常に更なる諸性能の向上が求められている。
そして、ポリプロピレンは、従来よりチーグラー触媒によって工業的に大規模に製造されてきたが、その後にメタロセン触媒が開発され、メタロセン触媒は、チーグラー触媒に比べて、触媒活性が高く、特異な立体規則性をもたらすことができ、分子量分布が狭いポリオレフィンを製造できるので、チーグラー触媒より注目されるようになっている。
このような問題に対して、例えば用いるメタロセン化合物を変えることで、プロピレンの重合反応性とエチレン或いはα−オレフィンの重合反応性を変化できることが提示されているが(例えば、特許文献3及び非特許文献1を参照)、双方の重合反応性をバランス良く満たすメタロセン化合物はこれまで知られていない。
また、例えば、プロピレン−エチレンブロック共重合体において高い耐衝撃性を発現するためには、より低いガラス転移温度を示すことが必要であり、これを満足するにはプロピレンとエチレン或いはα−オレフィンの共重合のそれぞれの含量は特定の範囲を満たすことが好ましい(例えば、非特許文献2を参照)。そのため、製造上触媒の性能としては、プロピレンの重合反応性とエチレン或いはα−オレフィンの重合反応性はバランスのとれた、それぞれある一定の範囲内にあることが必要となる。
そして、プロピレン−エチレンブロック共重合体において高い耐衝撃性を発現するためには、共重合体部分の分子量がある一定以上の値を有することも必要であり、より高い分子量の共重合体部分を製造できるメタロセン触媒も望まれている。
その過程において、特異的な特定の立体的かつ電子環境の構造を有するメタロセン錯体を形成した場合に、エチレン又はα−オレフィンとプロピレンのバランスの取れた重合反応性を呈し、その際に共重合体部分に高い分子量をもたらす触媒機能が顕現される事実を認識することができ、モデル化合物の勘案や実験的な実証などの結果において、触媒成分として非常に有用な新しいメタロセン化合物を見い出して、本願の発明を創作するに至った。
そのメタロセン錯体は、構造が下記の一般式[I]で表される新規な遷移金属化合物からなるものであって、本発明においてオレフィン重合用触媒の触媒成分として使用され、助触媒などと組み合わされてα−オレフィン重合用触媒を形成する。
R1とR11は、互いに同じでも異なっていてもよく、水素、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数2〜6のアルケニル基、炭素数1〜6のハロゲン含有アルキル基、炭素数1〜6の珪素含有アルキル基、炭素数6〜18のアリール基もしくは炭素数6〜18のハロゲン含有アリール基、置換基を有していてもよい5員環を構成する複素環基(但し、5員環を構成する複素環基のヘテロ原子は直接アルカジエニル基と結合しない)である。そして、R1とR11の片方又は両方は、必ず、置換基を有していてもよい5員環を構成する複素環基である。
R4とR14は、互いに同じでも異なっていてもよく、水素、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のハロゲン含有アルキル基、炭素数1〜6の珪素含有アルキル基、炭素数2〜6のアルケニル基、炭素数6〜18のアリール基もしくは炭素数6〜18のハロゲン含有アリール基、置換基を有していてもよい5員環又は6員環を構成する複素環基又はアダマンチル基もしくは置換アダマンチル基である。そして、R4とR14の片方又は両方は、必ず、アダマンチル基又は置換アダマンチル基である。
R2, R3, R5, R6,R7, R8, R9, R12, R13, R15, R16,R17, R18, R19は、互いに同じでも異なっていてもよく、水素、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数2〜6のアルケニル基、炭素数1〜6のハロゲン含有アルキル基、炭素数1〜6の珪素含有アルキル基、炭素数6〜18のアリール基又は炭素数6〜18のハロゲン含有アリール基、置換基を有していてもよい5員環又は6員環を構成する複素環基である。また、隣接するR双方で6〜7員環を構成してもよく、6〜7員環が不飽和結合を含んでいてもよい。]
かかる本発明のメタロセン化合物をオレフィン重合用触媒成分とすることにより、プロピレン系ブロック共重合体を製造したときに、従来の触媒より共重合体中へのエチレン或いはα−オレフィンの取り込み効率が高く、また共重合体部分の分子量が高くなり、後述の実施例と比較例の対照により実証されるとおりに、エチレン又はα−オレフィンとプロピレンのバランスの取れた重合反応性を有し、共重合体部分の高い分子量をもたらす、α−オレフィン重合用メタロセン触媒を実現することができる。
また、本発明は、「成分(A):メタロセン化合物 成分(B):成分(A)と反応してイオン対を形成する化合物又はイオン交換性層状珪酸塩 成分(C):有機アルミニウム化合物」からなるオレフィン重合用触媒であり、成分(B)が、イオン交換性層状珪酸塩であり、オレフィンがプロピレンであって、更に、かかるオレフィン重合用触媒を使用してオレフィンの重合又は共重合を行うことを特徴とする、オレフィンの重合方法でもある。
R1とR11は、互いに同じでも異なっていてもよく、水素、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数2〜6のアルケニル基、炭素数1〜6のハロゲン含有アルキル基、炭素数1〜6の珪素含有アルキル基、炭素数6〜18のアリール基もしくは炭素数6〜18のハロゲン含有アリール基、置換基を有していてもよい5員環を構成する複素環基(但し、5員環を構成する複素環基のヘテロ原子は直接アルカジエニル基と結合しない)である。そして、R1とR11の片方又は両方は、必ず、置換基を有していてもよい5員環を構成する複素環基である。
R4とR14は、互いに同じでも異なっていてもよく、水素、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のハロゲン含有アルキル基、炭素数1〜6の珪素含有アルキル基、炭素数2〜6のアルケニル基、炭素数6〜18のアリール基もしくは炭素数6〜18のハロゲン含有アリール基、置換基を有していてもよい5員環又は6員環を構成する複素環基又はアダマンチル基もしくは置換アダマンチル基である。そして、R4とR14の片方又は両方は、必ず、アダマンチル基又は置換アダマンチル基である。
R2, R3, R5, R6,R7, R8, R9, R12, R13, R15, R16,R17, R18, R19は、互いに同じでも異なっていてもよく、水素、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数2〜6のアルケニル基、炭素数1〜6のハロゲン含有アルキル基、炭素数1〜6の珪素含有アルキル基、炭素数6〜18のアリール基又は炭素数6〜18のハロゲン含有アリール基、置換基を有していてもよい5員環又は6員環を構成する複素環基である。また、隣接するR双方で6〜7員環を構成してもよく、6〜7員環が不飽和結合を含んでいてもよい。]
[2]Yが、R20 2A(Aは、ゲルマニウム又は珪素であり、R20は、互いに同じでも異なっていてもよく、水素、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数2〜6のアルケニル基、炭素数1〜6のハロゲン含有アルキル基、炭素数6〜18のアリール基又は炭素数6〜18のハロゲン含有アリール基である。隣接するR20双方でAを含む4〜7員環を構成してもよく、5〜7員環で不飽和結合を含んでいてもよい。)で示される2価の架橋基であることを特徴とする、[1]におけるメタロセン化合物。
[3]一般式[I]中において、Mは、ジルコニウム又はハフニウムであり、R1とR11の片方又は両方が、置換基を有していてもよいフリル基又はチエニル基であることを特徴とする、[1]又は[2]におけるメタロセン化合物。
[4]下記の(A)、(B)、(C)の各成分を含むオレフィン重合用触媒。
成分(A):[1]〜[3]のいずれかにおけるメタロセン化合物
成分(B):成分(A)と反応してイオン対を形成する化合物又はイオン交換性層状珪酸塩
成分(C):有機アルミニウム化合物
[5]成分(B)が、イオン交換性層状珪酸塩であり、オレフィンがプロピレンであることを特徴とする、[4]におけるオレフィン重合用触媒。
[6][4]又は[5]におけるオレフィン重合用触媒を使用してオレフィンの重合又は共重合を行うことを特徴とする、オレフィンの重合方法。
(1)メタロセン化合物の構造
本発明のメタロセン触媒におけるメタロセン錯体を形成する遷移金属化合物は、下記の一般式[I]で表される新規なメタロセン化合物である。
R1とR11は、互いに同じでも異なっていてもよく、水素、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数2〜6のアルケニル基、炭素数1〜6のハロゲン含有アルキル基、炭素数1〜6の珪素含有アルキル基、炭素数6〜18のアリール基もしくは炭素数6〜18のハロゲン含有アリール基、置換基を有していてもよい5員環を構成する複素環基(但し、5員環を構成する複素環基のヘテロ原子は直接アルカジエニル基と結合しない)である。そして、R1とR11の片方又は両方は、必ず、置換基を有していてもよい5員環を構成する複素環基である。
R4とR14は、互いに同じでも異なっていてもよく、水素、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のハロゲン含有アルキル基、炭素数1〜6の珪素含有アルキル基、炭素数2〜6のアルケニル基、炭素数6〜18のアリール基もしくは炭素数6〜18のハロゲン含有アリール基、置換基を有していてもよい5員環又は6員環を構成する複素環基又はアダマンチル基もしくは置換アダマンチル基である。そして、R4とR14の片方又は両方は、必ず、アダマンチル基又は置換アダマンチル基である。
R2, R3, R5, R6,R7, R8, R9, R12, R13, R15, R16,R17, R18, R19は、互いに同じでも異なっていてもよく、水素、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数2〜6のアルケニル基、炭素数1〜6のハロゲン含有アルキル基、炭素数1〜6の珪素含有アルキル基、炭素数6〜18のアリール基又は炭素数6〜18のハロゲン含有アリール基、置換基を有していてもよい5員環又は6員環を構成する複素環基である。また、隣接するR双方で6〜7員環を構成してもよく、6〜7員環が不飽和結合を含んでいてもよい。]
本発明のメタロセン化合物の特徴は、段落0013に記載したように、片方又は両方のインデニル環の4−位におけるフェニル置換基のp−位に嵩高いアダマンチル基又は置換アダマンチル基を必ず有し、片方又は両方のインデニル環の2−位に複素環基又は置換複素環基を必ず有する新規な化合物であり、インデニル環に立体的かつ電子環境的に特異な複数の置換基を有して、化学的かつ立体的及び電子環境的に特異な構造を有する錯体を形成する。
かかる本発明のメタロセン化合物をオレフィン重合用触媒成分とすることにより、プロピレン系ブロック共重合体を製造したときに、従来の触媒より共重合体中へのエチレン或いはα−オレフィンの取り込み効率が高く、かつ共重合体部分の分子量が高くなる。
Mは、チタン、ジルコニウム、ハフニウムの4族の遷移金属であり、好ましくはジルコニウム又はハフニウムである。
炭素数2〜6のアルケニル基の具体例としてはビニル、プロペニル、アリル、ブテニル、シクロヘキセニルなどを挙げることができる。
炭素数6〜18のアリール基にはアルキル基が置換されていてもよく具体例としてはフェニル、トリル、ジメチルフェニル、エチルフェニル、トリメチルフェニル、t−ブチルフェニル、1−ナフチル、2−ナフチル、アセナフチル、フェナントリル、アントリルなどを挙げることができる。
炭素数1〜6のハロゲン含有アルキル基のハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられ、置換基の具体例としてはフルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、クロロメチル、ジクロロメチル、トリクロロメチル、ブロモメチル、ジブロモメチル、トリブロモメチル、ヨードメチル、2,2,2−トリフルオロエチル、2,2,1,1−テトラフルオロエチル、ペンタフルオロエチル、ペンタクロロエチル、ペンタフルオロプロピル、ノナフルオロブチル、5−クロロペンチル、5,5,5−トリクロロペンチル、5−フルオロペンチル、5,5,5−トリフルオロペンチル、6−クロロヘキシル、6,6,6−トリクロロヘキシル、6−フルオロヘキシル、6,6,6−トリフルオロヘキシルを挙げることができる。
炭素数1〜6の珪素含有アルキル基の具体例としてはトリメチルシリル、トリエチルシリル、t−ブチルジメチルシリルなどを挙げることができる。
炭素数6〜18のハロゲン含有アリール基の具体例としては2−,3−,4−置換の各フルオロフェニル、2−,3−,4−置換の各クロロフェニル、2−,3−,4−置換の各ブロモフェニル、2,4−,2,5−,2,6−,3,5−置換の各ジフルオロフェニル、2,4−,2,5−,2,6−,3,5−置換の各ジクロロフェニル、2,4,6−トリフルオロフェニル、2,4,6−トリクロロフェニル、ペンタフルオロフェニル、ペンタクロロフェニルなどが挙げられる。
1をアルキルリチウムでリチオ化した後、トリアルコキシボランと反応させ加水分解することで2が得られる。2と4−ブロモインデンのカップリング反応をパラジウム触媒などの存在下で行うことにより3が得られる。3から4の臭素化は文献(J.Org.Chem.1982,47,705-709)記載の方法により行うことができる。4とフリルボラン酸のカップリング反応をパラジウム触媒などの存在下で行うことにより5が得られる。5の架橋反応は、たとえばジメチルジクロロシランのようなYCl2との反応で6が得られる。6をアルキルリチウムでリチオ化した後、MX1X2Cl2との反応で目的とする7が得られる。
二つのインデニル環上の置換基が異なるメタロセン化合物の合成は、異なる置換インデンを順にYCl2と反応させることにより、架橋することができる。架橋時にアミン化合物(例えばメチルイミダゾール)などの架橋助剤を存在させておいてもよい。
以下に本発明におけるメタロセン化合物の具体例を記載するが、本発明は基本的に新規なメタロセン化合物の発明なので、煩雑記載を避けて具体例を詳しく記載する。
列記するメタロセン例示化合物は、全て化学構造が類型化合物なので、段落0029〜0031に上記する、本発明のメタロセン化合物の合成方法から、それらの合成方法は容易に類推でき、かつ、メタロセン触媒としての本発明の特異な性質を備えることも明らかであるといえる。
列記するメタロセン例示化合物は、化学構造の共通する特徴を有するグループ毎に各段落に記載する。
(1)ジメチルシリレンビス(2−(2−(5−メチルフリル))−4−(4−(1−アダマンチル)フェニル)−インデニル)ジルコニウムジクロライド
(2)ジメチルシリレンビス(2−(2−(5−t−ブチルフリル))−4−(4−(1−アダマンチル)フェニル)−インデニル)ジルコニウムジクロライド
(3)ジメチルシリレンビス(2−(2−(5−フェニルフリル))−4−(4−(1−アダマンチル)フェニル)−インデニル)ジルコニウムジクロライド
(4)ジメチルシリレンビス(2−(2−(4,5−ベンゾフリル))−4−(4−(1−アダマンチル)フェニル)−インデニル)ジルコニウムジクロライド
(5)ジメチルシリレンビス(2−(2−(4,5−ジメチルフリル))−4−(4−(1−アダマンチル)フェニル)−インデニル)ジルコニウムジクロライド
(6)ジメチルシリレンビス(2−(2−(3,5−ジメチルフリル))−4−(4−(1−アダマンチル)フェニル)−インデニル)ジルコニウムジクロライド
(8)ジメチルシリレンビス(2−(2−(5−メチルフリル))−4−(4−(1−(3−メチルアダマンチル))フェニル)−インデニル)ジルコニウムジクロライド
(9)ジメチルシリレンビス(2−(2−(5−メチルフリル))−4−(4−(1−(3,5−ジメチルアダマンチル))フェニル)−インデニル)ジルコニウムジクロライド
(10)ジメチルシリレンビス(2−(2−(5−メチルフリル))−4−(4−(1−(3,5,7−トリメチルアダマンチル))フェニル)−インデニル)ジルコニウムジクロライド
(12)ジメチルシリレンビス(2−(2−(5−t−ブチルフリル))−4−(4−(1−(3−メチルアダマンチル))フェニル)−インデニル)ジルコニウムジクロライド
(13)ジメチルシリレンビス(2−(2−(5−t−ブチルフリル))−4−(4−(1−(3,5−ジメチルアダマンチル))フェニル)−インデニル)ジルコニウムジクロライド
(14)ジメチルシリレンビス(2−(2−(5−t−ブチルフリル))−4−(4−(1−(3,5,7−トリメチルアダマンチル))フェニル)−インデニル)ジルコニウムジクロライド
(16)ジメチルシリレンビス(2−(2−(5−フェニルフリル))−4−(4−(1−(3−メチルアダマンチル))フェニル)−インデニル)ジルコニウムジクロライド
(17)ジメチルシリレンビス(2−(2−(5−フェニルフリル))−4−(4−(1−(3,5−ジメチルアダマンチル))フェニル)−インデニル)ジルコニウムジクロライド
(18)ジメチルシリレンビス(2−(2−(5−フェニルフリル))−4−(4−(1−(3,5,7−トリメチルアダマンチル))フェニル)−インデニル)ジルコニウムジクロライド
(20)ジメチルシリレンビス(2−(2−(4,5−ジメチルフリル))−4−(4−(1−(3−メチルアダマンチル))フェニル)−インデニル)ジルコニウムジクロライド
(21)ジメチルシリレンビス(2−(2−(4,5−ジメチルフリル))−4−(4−(1−(3,5−ジメチルアダマンチル))フェニル)−インデニル)ジルコニウムジクロライド
(22)ジメチルシリレンビス(2−(2−(4,5−ジメチルフリル))−4−(4−(1−(3,5,7−トリメチルアダマンチル))フェニル)−インデニル)ジルコニウムジクロライド
(24)ジメチルシリレンビス(2−(2−(5−メチルフリル))−4−(4−(2−アダマンチル)フェニル)−7−メチル−インデニル)ジルコニウムジクロライド
(26)ジメチルシリレン(2−(2−(5−メチルフリル))−4−(4−(1−アダマンチル)フェニル)−インデニル)(2−メチル−4−(4−(1−アダマンチル)フェニル)−インデニル)ジルコニウムジクロライド
(27)ジメチルシリレン(2−(2−(5−メチルフリル))−4−(4−(1−アダマンチル)フェニル)−インデニル)(2−エチル−4−(4−(1−アダマンチル)フェニル)−インデニル)ジルコニウムジクロライド
(28)ジメチルシリレン(2−(2−(5−メチルフリル))−4−(4−(1−アダマンチル)フェニル)−インデニル)(2−n−ブチル−4−(4−(1−アダマンチル)フェニル)−インデニル)ジルコニウムジクロライド
(30)ジメチルシリレン(2−(2−(5−メチルフリル))−4−(4−(1−アダマンチル)フェニル)−インデニル)(2−メチル−4−(3,5−ジ−t−ブチルフェニル)−インデニル)ジルコニウムジクロライド
(31)ジメチルシリレン(2−(2−(5−メチルフリル))−4−(4−(1−アダマンチル)フェニル)−インデニル)(2−メチル−4−(3,5−ジメチルフェニル)−インデニル)ジルコニウムジクロライド
(32)ジメチルシリレン(2−(2−(5−メチルフリル))−4−(4−(1−アダマンチル)フェニル)−インデニル)(2−メチル−4−(3,5−ジクロロフェニル)−インデニル)ジルコニウムジクロライド
(33)ジメチルシリレン(2−(2−(5−メチルフリル))−4−(4−(1−アダマンチル)フェニル)−インデニル)(2−メチル−4−(1−ナフチル)−インデニル)ジルコニウムジクロライド
(34)ジメチルシリレン(2−(2−(5−メチルフリル))−4−(4−(1−アダマンチル)フェニル)−インデニル)(2−メチル−4−(2−ナフチル)−インデニル)ジルコニウムジクロライド
(35)ジメチルシリレン(2−(2−(5−メチルフリル))−4−(4−(1−アダマンチル)フェニル)−インデニル)(2−メチル−4−(9−フェナントリル)−インデニル)ジルコニウムジクロライド
(37)ジエチルシリレン(2−(2−(5−メチルフリル))−4−(4−(1−アダマンチル)フェニル)−インデニル)(2−メチル−4−(3,5−ジ−t−ブチルフェニル)−インデニル)ジルコニウムジクロライド
(38)ジエチルシリレン(2−(2−(5−メチルフリル))−4−(4−(1−アダマンチル)フェニル)−インデニル)(2−メチル−4−(3,5−ジメチルフェニル)−インデニル)ジルコニウムジクロライド
(39)ジエチルシリレン(2−(2−(5−メチルフリル))−4−(4−(1−アダマンチル)フェニル)−インデニル)(2−メチル−4−(3,5−ジクロロフェニル)−インデニル)ジルコニウムジクロライド
(40)ジエチルシリレン(2−(2−(5−メチルフリル))−4−(4−(1−アダマンチル)フェニル)−インデニル)(2−メチル−4−(1−ナフチル)−インデニル)ジルコニウムジクロライド
(41)ジエチルシリレン(2−(2−(5−メチルフリル))−4−(4−(1−アダマンチル)フェニル)−インデニル)(2−メチル−4−(2−ナフチル)−インデニル)ジルコニウムジクロライド
(42)ジエチルシリレン(2−(2−(5−メチルフリル))−4−(4−(1−アダマンチル)フェニル)−インデニル)(2−メチル−4−(9−フェナントリル)−インデニル)ジルコニウムジクロライド
(44)ジn−ブチルシリレン(2−(2−(5−メチルフリル))−4−(4−(1−アダマンチル)フェニル)−インデニル)(2−メチル−4−(3,5−ジ−t−ブチルフェニル)−インデニル)ジルコニウムジクロライド
(45)ジn−ブチルシリレン(2−(2−(5−メチルフリル))−4−(4−(1−アダマンチル)フェニル)−インデニル)(2−メチル−4−(3,5−ジメチルフェニル)−インデニル)ジルコニウムジクロライド
(46)ジn−ブチルシリレン(2−(2−(5−メチルフリル))−4−(4−(1−アダマンチル)フェニル)−インデニル)(2−メチル−4−(3,5−ジクロロフェニル)−インデニル)ジルコニウムジクロライド
(47)ジn−ブチルシリレン(2−(2−(5−メチルフリル))−4−(4−(1−アダマンチル)フェニル)−インデニル)(2−メチル−4−(1−ナフチル)−インデニル)ジルコニウムジクロライド
(48)ジn−ブチルシリレン(2−(2−(5−メチルフリル))−4−(4−(1−アダマンチル)フェニル)−インデニル)(2−メチル−4−(2−ナフチル)−インデニル)ジルコニウムジクロライド
(49)ジn−ブチルシリレン(2−(2−(5−メチルフリル))−4−(4−(1−アダマンチル)フェニル)−インデニル)(2−メチル−4−(9−フェナントリル)−インデニル)ジルコニウムジクロライド
(51)ジメチルシリレン(2−(2−(5−メチルフリル))−4−(3,5−ジ−t−ブチルフェニル)−インデニル)(2−メチル−4−(4−(1−アダマンチル)フェニル)−インデニル)ジルコニウムジクロライド
(52)ジメチルシリレン(2−(2−(5−メチルフリル))−4−(3,5−ジメチルフェニル)−インデニル)(2−メチル−4−(4−(1−アダマンチル)フェニル)−インデニル)ジルコニウムジクロライド
(53)ジメチルシリレン(2−(2−(5−メチルフリル))−4−(3,5−ジクロロフェニル)−インデニル)(2−メチル−4−(4−(1−アダマンチル)フェニル)−インデニル)ジルコニウムジクロライド
(54)ジメチルシリレン(2−(2−(5−メチルフリル))−4−(1−ナフチル)−インデニル)(2−メチル−4−(4−(1−アダマンチル)フェニル)−インデニル)ジルコニウムジクロライド
(55)ジメチルシリレン(2−(2−(5−メチルフリル))−4−(2−ナフチル)−インデニル)(2−メチル−4−(4−(1−アダマンチル)フェニル)−インデニル)ジルコニウムジクロライド
(56)ジメチルシリレン(2−(2−(5−メチルフリル))−4−(4−(9−フェナントリル)−インデニル)(2−メチル−4−(1−アダマンチル)フェニル)−インデニル)ジルコニウムジクロライド
(58)ジメチルシリレンビス(2−(3−(5−t−ブチルフリル))−4−(4−(1−アダマンチル)フェニル)−インデニル)ジルコニウムジクロライド
(59)ジメチルシリレンビス(2−(3−(5−フェニルフリル))−4−(4−(1−アダマンチル)フェニル)−インデニル)ジルコニウムジクロライド
(60)ジメチルシリレンビス(2−(3−(4,5−ジメチルフリル))−4−(4−(1−アダマンチル)フェニル)−インデニル)ジルコニウムジクロライド
(62)ジメチルシリレンビス(2−(2−(5−クロロフリル))−4−(4−(1−アダマンチル)フェニル)−インデニル)ジルコニウムジクロライド
(63)ジメチルシリレンビス(2−(2−(5−フルオロフリル))−4−(4−(1−アダマンチル)フェニル)−インデニル)ジルコニウムジクロライド
(64)ジメチルシリレンビス(2−(3−(2−クロロ−5−メチルフリル))−4−(4−(1−アダマンチル)フェニル)−インデニル)ジルコニウムジクロライド
(65)ジメチルシリレンビス(2−(3−(2−フルオロ−5−メチルフリル))−4−(4−(1−アダマンチル)フェニル)−インデニル)ジルコニウムジクロライド
本発明のメタロセン化合物はオレフィン重合用触媒成分を形成し、該成分はオレフィン重合用触媒に用いることができ、例えば、該オレフィン重合用触媒成分を成分(A)として含む、次に説明するオレフィン重合用触媒として用いることが好ましい。
本発明のオレフィン重合用触媒としては、下記(A)(B)(C)成分を含むものである。
成分(A):一般式[I]で示されるメタロセン錯体
成分(B):成分(A)と反応してイオン対を形成する化合物又はイオン交換性層状珪酸塩、好ましくはイオン交換性層状珪酸塩
成分(C):有機アルミニウム化合物
成分(A)の一般式[I]で示されるメタロセン錯体は、同一又は異なる一般式[I]で示される化合物の二種以上を用いてもよい。
一般式の三番目で表される化合物は、一種類のトリアルキルアルミニウム又は二種類以上のトリアルキルアルミニウムと、一般式RbB(OH)2で表されるアルキルボロン酸との10:1〜1:1(モル比)の反応により得ることができる。一般式中、Rbは、炭素数1〜10、好ましくは炭素数1〜6の炭化水素基を示す。
珪酸塩は各種公知のものが使用できる。具体的には、白水春雄著「粘土鉱物学」朝倉書店(1995年)に記載されている次のような層状珪酸塩が代表例として挙げられる。
モンモリロナイト、ザウコナイト、バイデライト、ノントロナイト、サポナイト、ヘクトライト、スチーブンサイトなどのスメクタイト族; バーミキュライトなどのバーミキュライト族; 雲母、イライト、セリサイト、海緑石などの雲母族;パイロフィライト、タルクなどのパイロフィライト−タルク族; マグネシウム緑泥石などの緑泥石族
2:1リボン型鉱物類
セピオライト、パリゴルスカイトなど
珪酸塩は塩類処理及び/又は酸処理により、固体の酸強度を変えることができる。また、塩類処理においては、イオン複合体、分子複合体、有機誘導体などを形成することにより、表面積や層間距離を変えることができる。すなわち、イオン交換性を利用し、層間の交換性イオンを別の大きな嵩高いイオンと置換することにより、層間が拡大した状態の層状物質を得ることができる。
上記のイオン交換に使用する酸は、好ましくは、塩酸、硫酸、硝酸、酢酸、シュウ酸から選択され、これらは2種以上を同時に使用してもよい。塩類処理と酸処理を組み合わせる方法としては、塩類処理を行った後に酸処理を行う方法、酸処理を行った後に塩類処理を行う方法、塩類処理と酸処理を同時に行う方法、塩類処理を行った後に塩類処理と酸処理を同時に行う方法などがある。
なお、酸処理は、イオン交換や表面の不純物を取り除く効果の他、結晶構造のAl、Fe、Mg、Liなどの陽イオンの一部を溶出させる効果がある。
上記の塩類処理及び/又は酸処理を行う場合、処理前、処理間、処理後に粉砕や造粒などで形状制御を行ってもよい。また、アルカリ処理、有機化合物処理、有機金属処理などの他の化学処理を併用してもよい。
珪酸塩は、上記の様な吸着水及び層間水を除去してから使用することが好ましい。脱水方法は、特に制限されないが、加熱脱水、気体流通下の加熱脱水、減圧下の加熱脱水及び有機溶媒との共沸脱水などの方法が使用される。加熱温度は、吸着水及び層間水が残存しない様な温度範囲とされ、通常100℃以上、好ましくは150℃以上とされるが、構造破壊を生じる様な高温条件は好ましくない。加熱時間は、0.5時間以上、好ましくは1時間以上である。その際、脱水乾燥した後の(B)成分の重量減量は、温度200℃・圧力1mmHgの条件下で2時間吸引した場合の値として3重量%以下であることが好ましい。本発明においては、重量減量が3重量%以下に調整された珪酸塩を使用する場合、成分(A)及び成分(C)と接触する際にも、同様の重量減量の状態が保持される様に取り扱うことが好ましい。
AlRaX3−a
一般式中、Rは、炭素数1〜20の炭化水素基、Xは、水素、ハロゲン、アルコキシ基又はシロキシ基を示し、aは0より大きく3以下の数を示す。一般式で表される有機アルミニウム化合物の具体例としては、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリプロピルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウムなどのトリアルキルアルミニウム、ジエチルアルミニウムモノクロライド、ジエチルアルミニウムモノメトキシドなどのハロゲン又はアルコキシ含有アルキルアルミニウムが挙げられる。これらの中では、トリアルキルアルミニウムが好ましい。本発明のオレフィン重合用触媒においては、成分(C)として、上記の一般式で表される有機アルミニウム化合物以外にメチルアルミノキサンなどのアルミノキサン類なども使用できる。また、成分(C)として、上記の有機アルミニウム化合物を2種以上併用してもよいし、上記の一般式で表される有機アルミニウム化合物とアルミノキサン類とを併用することもできる。
本発明のオレフィン重合用触媒の調製法においては、成分(A)及び成分(B)と任意成分(C)の接触方法は、特に限定されないが、次の様な方法を例示することができる。
(1)成分(A)と成分(B)とを接触させた後に成分(C)を添加する方法
(2)成分(A)と成分(C)とを接触させた後に成分(B)を添加する方法
(3)成分(B)と成分(C)とを接触させた後に成分(A)を添加する方法
(4)各成分(A)、(B)、(C)を同時に接触させる。
さらに、各成分中で別種の成分との混合物として用いてもよいし、別々に順番を変えて接触させてもよい。なお、この接触は、触媒調製時だけでなくオレフィンによる予備重合時又はオレフィンの重合時に行ってもよい。上記の各成分の接触の際もしくは接触の後に、任意成分として担体を共存させるか、又は接触させてもよい。
上記の各成分(A)(B)(C)の接触は、窒素などの不活性ガス中において、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、トルエン、キシレンなどの不活性炭化水素溶媒中で行うことが好ましい。接触は、−20℃から溶媒の沸点の間の温度で行うことができ、特に室温から溶媒の沸点の間での温度で行うのが好ましい。
上記の無機担体としては、例えば、SiO2、Al2O3、MgO、ZrO、TiO2、B2O3、ZnOなどの酸化物、SiO2−MgO、SiO2−Al2O3、SiO2−TiO2、SiO2−Cr2O3、SiO2−Al2O3−MgOなどの複合酸化物などが挙げられる。
上記の有機担体としては、例えば、エチレン、プロピレン、1−ブテン、4−メチル−1−ペンテンなどの炭素数2〜14のα−オレフィンの(共)重合体、スチレン、ジビニルベンゼンなどの芳香族不飽和炭化水素の(共)重合体などから成る多孔質ポリマーの微粒子担体が挙げられる。
これらの微粒子の比表面積は、通常20〜1,000m2/g、好ましくは50〜700m2/gであり、細孔容積は、通常0.1cm3/g以上、好ましくは0.3cm3/g以上、さらに好ましくは0.8cm3/g以上のものが適している。
(1)重合法
本発明のオレフィン重合触媒が適用される重合プロセスとしては、公知のオレフィン重合プロセスが使用可能であり、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、イソオクタンなどの脂肪族炭化水素、シクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサンなどの脂環族炭化水素、トルエン、キシレン、エチルベンゼンなどの芳香族炭化水素、ガソリン留分や水素化ジーゼル油留分などの不活性溶媒中でオレフィン類を重合させるスラリー重合法を採用することができる。また、オレフィン類自身を溶媒として用いるバルク重合法、オレフィン類の重合を気相中で実施する気相重合法を採用することもできる。そして、これらのプロセスの2種以上を組み合わせた重合プロセスを採用することもできる。
この重合プロセスの組み合わせとしては、第1段目を気相重合法又はバルク重合法で行い、引き続く第2段目を気相重合法で行う組み合わせが最も好ましい。また、溶液重合法を用いることも可能である。
本発明のオレフィン重合用触媒を用いた重合条件は、重合温度として−50〜150℃、好ましくは20〜120℃、更に好ましくは40〜100℃、重合圧力として大気圧〜9.9MPa(ゲ−ジ圧)、好ましくは0.4〜5.0MPa(ゲ−ジ圧)である。
また、必要に応じて水素のような連鎖移動剤を導入して、得られるオレフィン重合体の分子量を調節してもよい。
重合反応終了後、重合系から未反応単量体及び水素を分離し、触媒失活処理などを行って、オレフィン重合体を得る。
本発明において、「オレフィン」とは、炭素数2〜20のオレフィンを指し、具体的には、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−ヘキサデセン、4−メチル−1−ペンテン、スチレン、ビニルシクロヘキサン、ジエン、トリエン、環状オレフィンなどが挙げられる。
本発明において、「プロピレン以外のオレフィン」とは、同様に、炭素数2〜20のオレフィンを指し、具体的には、エチレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−ヘキサデセン、4−メチル−1−ペンテンなど、更にこれらの2種以上の混合物を意味する。本発明において、最も好ましく用いられるプロピレン以外のオレフィンは、エチレン、1−ブテン、もしくは、エチレンと1−ブテンの混合物である。
本発明の触媒を用いて得られるプロピレン系ブロック共重合体中の共重合体成分(ゴム状成分であり、以下、「CP」と称す。)の含有量、及びCP中のα−オレフィン重合割合は、以下の方法により求める。
なお、以下の例は、CP中のα−オレフィンとしてエチレンを用いた場合のものであるが、エチレン以外のα−オレフィンでも、以下の例に準じた方法を用いて求めるものとする。
(i)クロス分別装置
ダイヤインスツルメンツ社製CFC T−100
(ii)フーリエ変換型赤外線吸収スペクトル分析
FT−IR・パーキンエルマー社製 1760X
CFCの検出器として取り付けられていた波長固定型の赤外分光光度計を取り外して代わりにFT−IRを接続し、このFT−IRを検出器として使用する。
CFCから溶出した溶液の出口からFT−IRまでの間のトランスファーラインは1mの長さとし、測定の間を通じて140℃に温度保持する。FT−IRに取り付けたフローセルは光路長1mm、光路幅5mmφのものを用い、測定の間を通じて140℃に温度保持する。
(iii)ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)
CFCの後段に、GPCカラム(昭和電工社製AD806MS)を3本直列に接続して使用する。
(i)溶媒:オルトジクロルベンゼン(ODCB)
(ii)サンプル濃度:4mg/mL
(iii)注入量:0.4mL
(iv)結晶化:140℃から40℃まで約40分かけて降温する。
(v)分別方法:
昇温溶出分別時の分別温度は40、100、140℃とし、全部で3つのフラクションに分別する。なお、40℃以下で溶出する成分(フラクション1)、40〜100℃で溶出する成分(フラクション2)、100〜140℃で溶出する成分(フラクション3)の溶出割合(単位:重量%)を各々W40、W100、W140と定義する。W40+W100+W140=100である。また、分別した各フラクションは、そのままFT−IR分析装置へ自動輸送される。
(vi)溶出時溶媒流速:1mL/分
CFC後段のGPCから試料溶液の溶出が開始した後、以下の条件でFT−IR測定を行い、上述した各フラクション1〜3について、GPC−IRデータを採取する。
(i)検出器:MCT
(ii)分解能:8cm−1
(iii)測定間隔:0.2分(12秒)
(iv)一測定当たりの積算回数:15回
各温度で溶出した成分の溶出量と分子量分布は、FT−IRによって得られる2945cm−1の吸光度をクロマトグラムとして使用して求める。溶出量は各溶出成分の溶出量の合計が100%となるように規格化する。保持容量から分子量への換算は、予め作成しておいた標準ポリスチレンによる検量線を用いて行う。
使用する標準ポリスチレンは、何れも東ソー(株)製の以下の銘柄である。(F380、F288、F128、F80、F40、F20、F10、F4、F1、A5000、A2500、A1000)
各々が0.5mg/mLとなるようにODCB(0.5mg/mLのBHTを含む)に溶解した溶液を0.4mL注入して較正曲線を作成する。較正曲線は最小二乗法で近似して得られる三次式を用いる。分子量への換算は森定雄著「サイズ排除クロマトグラフィー」(共立出版)を参考に汎用較正曲線を用いる。その際使用する粘度式([η]=K×Mα)には以下の数値を用いる。
(i)標準ポリスチレンを使用する較正曲線作成時
K=0.000138、α=0.70
(ii)プロピレン系ブロック共重合体のサンプル測定時
K=0.000103、α=0.78
各溶出成分のエチレン含有量分布(分子量軸に沿ったエチレン含有量の分布)は、GPC−IRによって得られる2956cm−1の吸光度と2927cm−1の吸光度との比を用い、ポリエチレンやポリプロピレンや13C−NMR測定などによりエチレン含有量が既知となっているエチレン−プロピレン−ラバー(EPR)及びそれらの混合物を使用して予め作成しておいた検量線により、エチレン重合割合(モル%)に換算して求める。
本発明におけるプロピレン系ブロック共重合体のCP含有量は、下記式(I)で定義され、以下のような手順で求められる。
CP含有量(重量%)=W40×A40/B40+W100×A100/B100 …(I)
式(I)中、W40、W100は、上述した各フラクションでの溶出割合(単位:重量%)であり、A40、A100は、W40、W100に対応する各フラククションにおける実測定の平均エチレン含有量(単位:重量%)であり、B40、B100は、各フラクションに含まれるCPのエチレン含有量(単位:重量%)である。A40、A100、B40、B100の求め方は後述する。
式(I)の意味は、以下の通りである。すなわち、式(I)右辺の第一項は、フラクション1(40℃に可溶な部分)に含まれるCPの量を算出する項である。フラクション1がCPのみを含み、PPを含まない場合には、W40がそのまま全体の中に占めるフラクション1由来のCP含有量に寄与するが、フラクション1にはCP由来の成分のほかに少量のPP由来の成分(極端に分子量の低い成分及びアタクチックポリプロピレン)も含まれるため、その部分を補正する必要がある。そこでW40にA40/B40を乗ずることにより、フラクション1のうち、CP成分由来の量を算出する。例えば、フラクション1の平均エチレン含有量(A40)が30重量%であり、フラクション1に含まれるCPのエチレン含有量(B40)が40重量%である場合、フラクション1の30/40=3/4(即ち75重量%)はCP由来、1/4はPP由来ということになる。このように右辺第一項でA40/B40を乗ずる操作は、フラクション1の重量%(W40)からCPの寄与を算出することを意味する。右辺第二項も同様であり、各々のフラクションについて、CPの寄与を算出して加え合わせたものがCP含有量となる。
フラクション1の微分分子量分布曲線におけるピーク位置に相当するエチレン含有量をB40とする(単位は重量%である)。フラクション2については、ゴム部分が40℃ですべて溶出してしまうと考えられ、同様の定義で規定することができないので、本発明ではB100=100と定義する。B40、B100は各フラクションに含まれるCPのエチレン含有量であるが、この値を分析的に求めることは実質的には不可能である。その理由はフラクションに混在するPPとCPを完全に分離分取する手段がないからである。種々のモデル試料を使用して検討を行った結果、B40はフラクション1の微分分子量分布曲線のピーク位置に相当するエチレン含有量を使用すると、材料物性の改良効果を合理的に説明することができることが判った。また、B100はエチレン連鎖由来の結晶性を持つこと、及び、これらのフラクションに含まれるCPの量がフラクション1に含まれるCPの量に比べて相対的に少ないことの2点の理由により、100と近似する方が、実態にも近く、計算上も殆ど誤差を生じない。そこで、B100=100として解析を行うこととしている。したがって、下記式(II)に従い、CP含有量を求めることができる。
CP含有量(重量%)=W40×A40/B40+W100×A100/100 …(II)
つまり、式(II)右辺の第一項であるW40×A40/B40は結晶性を持たないCP含有量(重量%)を示し、第二項であるW100×A100/100は結晶性を持つCP含有量(重量%)を示す。
共重合体成分中のエチレン含量は、式(II)で求めた共重合体成分の含有量を用いて、下記の式(III)で求められる。
共重合体成分中のエチレン含量(重量%)=(W40×A40+W100×A100+W140×A140)/[共重合体成分含有量(重量%)] …(III)
CP中のエチレン含有量は、次式によって求める。
CP中のエチレン含有量(重量%)=(W40×A40+W100×A100)/[CP] 但し、[CP]は先に求めたCP含有量(重量%)である。
ここで得られたCP中のエチレン含有量(重量%)の値から、エチレン及びプロピレンの分子量を使用して、最終的にモル%に換算する。
なお、以下の諸例において、錯体合成工程、触媒合成工程及び重合工程は、全て精製窒素雰囲気下で行い、溶媒は脱水した後に精製窒素でバブリングして脱気して使用した。
ポリマー6gに熱安定剤(BHT)のアセトン溶液(0.6重量%)6gを添加した。次いで、上記のポリマーを乾燥した後、メルトインデクサー(230℃)に充填し、2.16Kg荷重の条件下に5分間放置した。その後、ポリマーの押し出し量を測定し、10分間当たりの量に換算し、MFRの値とした(単位はg/10分)。
DSC(デュポン社製のTA2000型、又はセイコー・インスツルメンツ社製のDSC6200型)を使用し、10℃/分で20〜200℃までの昇降温を1回行った後、10℃/分で2回目の昇温時の測定値により求めた。
ジメチルシリレンビス(2−(2−(5−メチルフリル))−4−(4−(1−アダマンチル)フェニル)−インデニル)ジルコニウムジクロライドの合成
(1)4−(4−(1−アダマンチル)フェニル)−インデンの合成
500mlのガラス製反応容器に、1−(4−ブロモフェニル)アダマンタン10g(34mmol)、ジメトキシエタン(DME) 250mlを加え、ドライアイス−メタノール浴で−40℃まで冷却した。ここに1.45mol/Lのt−ブチルリチウム−n−ペンタン溶液47ml(68mmol)を滴下し、そのまま3時間撹拌した。−40℃で冷却したまま、トリイソプロピルボレート8ml(35mmol)を滴下した。滴下後、徐々に室温に戻しながら一夜撹拌した。
反応液に蒸留水30mlを加え加水分解した後、炭酸ナトリウム6gの水溶液50ml、4−ブロモインデン6g(31mmol)、テトラキストリフェニルホスフィノパラジウム2g(1.7mmol)を順に加え、低沸分を除去した後、80℃で5時間加熱した。
放冷後、反応液を蒸留水500ml中に注ぎ、分液ロートに移しジエチルエーテルで3回抽出した、エーテル層を飽和食塩水で洗浄し、セライト濾過し、硫酸ナトリウムで乾燥した。硫酸ナトリウムを濾過し、溶媒を減圧留去して、シリカゲルカラムで精製し、4−(4−(1−アダマンチル)フェニル)−インデンの淡黄色結晶8.9g(収率88%)を得た。
500mlのガラス製反応容器に4−(4−(1−アダマンチル)フェニル)−インデン 8.9g(27mmol)、蒸留水 2ml、DMSO 150mlを加え、ここにN−ブロモスクシンイミド6g(33mmol)を徐々に加えた。そのまま室温で2時間撹拌し、反応液を氷水300ml中に注ぎ入れ、トルエン100mlで3回抽出した。トルエン層を飽和食塩水で洗浄し、p−トルエンスルホン酸0.5g(3mmol)を加え、水分を除去しながら6時間加熱還流した。反応液を放冷後、飽和食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した。硫酸ナトリウムを濾過し、溶媒を減圧留去して、シリカゲルカラムで精製し、2−ブロモ−4−(4−(1−アダマンチル)フェニル)−インデンの淡黄色結晶7.7g(収率70%)を得た。
500mlのガラス製反応容器に、2−メチルフラン 1.9g(24mmol)、DME 100mlを加え、ドライアイス−メタノール浴で−40℃まで冷却した。ここに1.58mol/Lのn−ブチルリチウム−n−ヘキサン溶液15ml(24mmol)を滴下し、そのまま3時間撹拌した。−40℃に冷却したまま、トリイソプロピルボレート6ml(26mmol)を滴下した。滴下後、徐々に室温に戻しながら一夜撹拌した。
反応液に蒸留水10mlを加え加水分解した後、炭酸ナトリウム5gの水溶液30ml、2−ブロモ−4−(4−(1−アダマンチル)フェニル)−インデン 7.7g(19mmol)、テトラキストリフェニルホスフィノパラジウム2g(1.7mmol)を順に加え、低沸分を除去した後、80℃で3時間加熱した。
放冷後、反応液を蒸留水300ml中に注ぎ、分液ロートに移しジエチルエーテルで3回抽出した、エーテル層を飽和食塩水で洗浄し、セライト濾過し、硫酸ナトリウムで乾燥した。硫酸ナトリウムを濾過し、溶媒を減圧留去して、シリカゲルカラムで精製し、2−(2−(5−メチルフリル))−4−(4−(1−アダマンチル)フェニル)−インデンの淡黄色結晶5.0g(収率65%)を得た。
300mlのガラス製反応容器に、2−(2−(5−メチルフリル))−4−(4−(1−アダマンチル)フェニル)−インデン 5.0g(12mmol)、THF100mlを加え、ドライアイス−メタノール浴で−70℃まで冷却した。ここに1.58mol/Lのn−ブチルリチウム−ヘキサン溶液7.8ml(12mmol)を滴下し、そのまま3時間撹拌した。−70℃で冷却したまま、1−メチルイミダゾール50μl(0.6mmol)、ジメチルジクロロシラン0.7ml(6mmol)を順に加え、徐々に室温に戻しながら一夜撹拌した。
反応液に蒸留水を加え、分液ロートに移し食塩水で中性になるまで洗浄し、硫酸ナトリウムを加え反応液を乾燥させた。硫酸ナトリウムを濾過し、溶媒を減圧留去して、シリカゲルカラムで精製し、ジメチルビス(2−(2−(5−メチルフリル))−4−(4−(1−アダマンチル)フェニル)−インデニル)シランの淡赤色固体4.4g(収率82%)を得た。
200mlのガラス製反応容器に、ジメチルビス(2−(2−(5−メチルフリル))−4−(4−(1−アダマンチル)フェニル)−インデニル)シラン3.9g(4.5mmol)、ジエチルエーテル100mlを加え、ドライアイス−メタノール浴で−70℃まで冷却した。ここに1.58mol/Lのn−ブチルリチウム−n−ヘキサン溶液5.7ml(9.0mmol)を滴下した。滴下後、室温に戻し2時間撹拌した。反応液の溶媒を減圧で留去し、トルエン100ml、ジエチルエーテル10mlを加え、ドライアイス−メタノール浴で−70℃まで冷却した。そこに、四塩化ジルコニウム1.0g(4.3mmol)を加えた。その後、徐々に室温に戻しながら一夜撹拌した。
溶媒を減圧留去し、ジクロロメタン−ヘキサンで再結晶を行い、ジメチルシリレンビス(2−(2−(5−メチルフリル))−4−(4−(1−アダマンチル)フェニル)−インデニル)ジルコニウムジクロライドのラセミ体(純度99%以上)を黄橙色結晶として2.1g(収率45%)得た。
1H−NMR値(CDCl3) ラセミ体:δ1.14(s,6H),δ1.76(t,12H),δ1.93(s,12H),δ2.09(s,6H),δ2.42(s,6H),δ6.05(d,2H),δ6.26(d,2H),δ6.79(dd,2H),δ6.91(d,2H),δ7.08(s,2H),δ7.31(d,2H),δ7.41(d,4H),δ7.59(d,4H)。
酸処理:ゼパラブルフラスコに蒸留水1130gと96%硫酸750gを加え、内温を90℃に保ち、そこに造粒モンモリロナイトである水澤化学社製ベンクレイSL(平均粒径19μm、300g)を添加し2時間反応させた。懸濁液を1時間で室温まで冷却し、蒸留水でpH=4まで洗浄した。このときの洗浄倍率は1/10000以下であった。
塩処理:ゼパラブルフラスコで硫酸リチウム1水和物210gを蒸留水520gに溶かし、そこに、濾過した酸処理粘土を加え室温で120分撹拌した。このスラリーを濾過し、得られた固体に蒸留水3000mlを加え5分間室温で撹拌した。このスラリーを濾過した。得られた固体に蒸留水2500mlを加え5分撹拌後再び濾過した。この操作をさらに4回繰り返し、得られた固体を窒素気流下130℃で2日間予備乾燥後、53μm以上の粗大粒子を除去し、さらに200℃で2時間減圧乾燥することにより、化学処理モンモリロナイトを得た。
この化学処理モンモリロナイトの組成はAl:7.5wt%、Si:37.6wt%、Mg:1.22wt%、Fe:1.60wt%、Li:0.22wt%であり、Al/Si=0.207[mol/mol]であった。
内容積1Lのフラスコに上記で得た化学処理モンモリロナイト10.0gを秤量し、ヘプタン65ml、トリイソブチルアルミニウムのヘプタン溶液35ml(25mmol)を加え、室温で1時間撹拌した。その後、ヘプタンで残液率1/100まで洗浄し、最後にスラリー量を100mlに調製した。ここに、トリイソブチルアルミニウムのヘプタン溶液1.67ml(1.2mmol)を加えて10分間、室温で撹拌した。さらに、ジメチルシリレンビス(2−(2−(5−メチルフリル))−4−(4−(1−アダマンチル)フェニル)−インデニル)ジルコニウムジクロライド 314mg(305μmol)のトルエン 60ml溶液を加えて室温で60分間撹拌した。
次に、上記ヘプタンスラリーにヘプタン340mlを加え、内容積1Lの撹拌式オートクレーブに導入し、40℃でプロピレンを10g/時の一定速度で120分間供給した。プロピレン供給終了後、50℃に昇温して2時間そのまま維持した。その後、残存ガスをパージして予備重合触媒スラリーをオートクレーブより回収した。回収した予備重合触媒スラリーを静置し、上澄み液を抜き出した。残った固体にトリイソブチルアルミニウムのヘプタン溶液8.5ml(6.0mmol)を室温にて加え、室温で10分間撹拌した後、減圧乾燥して固体触媒を29.1g回収した。予備重合倍率(予備重合ポリマー量を固体触媒量で除した値)は1.81であった。
(触媒Aによるプロピレン−プロピレン・エチレンブロック共重合)
内容積3Lの撹拌式オ−トクレ−ブ内をプロピレンで充分置換した後に、トリイソブチルアルミニウムのn−ヘプタン溶液2.76ml(2.02mmol)を加え、水素400ml、続いて液体プロピレン750gを導入し、65℃に昇温しその温度を維持した。触媒Aをn−ヘプタンにスラリー化し、触媒として(予備重合ポリマーの重量は除く)30mgを圧入し重合を開始した。槽内温度を65℃に維持し、触媒投入1時間経過後に、残モノマーのパージを行い、アルゴンにて槽内を置換した。撹拌を停止させ、アルゴンをフローさせながら、テフロン(登録商標)管を槽内に差し込み、ポリプロピレンを少量抜き出した。抜き出し量は13.6gであった。
その後、内温を60℃でプロピレンを0.76MPaまで導入し、続いてエチレンを1.8MPaまで導入し内温を80℃に昇温した。その後、予め調製しておいたプロピレンとエチレンの混合ガスを導入し、内圧が2.0MPaで重合中にモノマー組成比が大きく変化しないように調整しながら、30分間重合反応を制御した。その結果、粒子性状の良い215.6gのプロピレン−プロピレン・エチレンブロック共重合体が得られた。プロピレンとエチレン重合時の槽内の平均ガスmol組成はプロピレン/エチレン=33/67であった。
上記で得られたブロック共重合体は、CFC−IRの結果から、ゴム含有量(CP含有量)は15.4wt%、ゴム(CP)中のエチレン含有量は50.4wt%(60.4mol%)でありCP部の重量平均分子量(Mw)は226,000、MFRは113(dg/分)、であった。また、別途採取したプロピレンホモポリマーのTmは154℃、MFRは224(dg/分)であった。
(触媒Aによるプロピレン−プロピレン・エチレンブロック共重合)
プロピレン/エチレン重合時の槽内の平均ガスmol組成がプロピレン/エチレン=41/59となるように調節した以外は、実施例−2と同様に操作した。その結果、218.4gのプロピレン−プロピレン・エチレンブロック共重合を得た。
上記で得られたブロック共重合体は、CFC−IRの結果から、CP含有量は10.7wt%、CP中のエチレン含有量は39.0wt%(49.0mol%)であり、MFRは208(dg/分)、CP部の重量平均分子量(Mw)は155,000であった。また、別途採取したプロピレンホモポリマーの抜き出し量は15.2gであった。Tmは154℃、MFRは290(dg/分)であった。
ジメチルシリレンビス(2−メチル−4−フェニル−インデニル)ジルコニウムジクロライドを用いた触媒調製(触媒B)
ジメチルシリレンビス(2−(2−(5−メチルフリル))−4−(4−(1−アダマンチル)フェニル)−インデニル)ジルコニウムジクロライドの代わりにジメチルシリレンビス(2−メチル−4−フェニル−インデニル)ジルコニウムジクロライド(Organometallics 1994,13,954−963に記載の方法を参考に合成しラセミ体(純度99%以上)を触媒調製に用いた。)186mg(300μmol)を用いた以外は実施例−1−(7)と同様に操作し、触媒Bを得た。予備重合倍率(予備重合ポリマー量を固体触媒量で除した値)は2.11であった。
触媒Bによるプロピレン−プロピレン・エチレンブロック共重合
内容積3Lの撹拌式オ−トクレ−ブ内をプロピレンで充分置換した後に、トリイソブチルアルミニウムのn−ヘプタン溶液2.76ml(2.02mmol)を加え、水素90ml、続いて液体プロピレン750gを導入し、65℃に昇温しその温度を維持した。触媒Bをn−ヘプタンにスラリー化し、触媒として(予備重合ポリマーの重量は除く)30mgを圧入し重合を開始した。槽内温度を65℃に維持し、触媒投入1時間経過後に、残モノマーのパージを行い、アルゴンにて槽内を置換した。撹拌を停止させ、アルゴンをフローさせながら、テフロン(登録商標)管を槽内に差し込み、ポリプロピレンを少量抜き出した。抜き出し量は51.1gであった。
その後、内温を40℃でプロピレンを0.53MPaまで導入し、続いてエチレンを1.4MPaまで導入し内温を65℃に昇温した。その後、予め調製しておいたプロピレンとエチレンの混合ガスを導入し、内圧が1.5MPaで重合中にモノマー組成比が大きく変化しないように調整しながら、30分間重合反応を制御した。その結果、237.1gのプロピレン−プロピレン・エチレンブロック共重合体が得られた。プロピレン/エチレン重合時の槽内の平均ガスmol組成はプロピレン/エチレン=35/65であった。
上記で得られたブロック共重合体は、CFC−IRの結果から、CP含有量は53.9wt%、CP中のエチレン含有量は35.7wt%(45.4mol%)であり、MFRは20(dg/分)、CP部の重量平均分子量(Mw)は55,000であった。また、別途採取したプロピレンホモポリマーのTmは149℃、MFRは0.39(dg/分)であった。
触媒Bによるプロピレン−プロピレン・エチレンブロック共重合
プロピレン/エチレン重合時の槽内の平均ガスmol組成がプロピレン/エチレン=46/54となるように調節した以外は、比較例−2と同様に操作した。その結果、204.7gのプロピレン−プロピレン・エチレンブロック共重合体を得た。
上記で得られたブロック共重合体は、CFC−IRの結果から、CP含有量は30.0wt%、CP中のエチレン含有量は23.8wt%(31.9mol%)であり、MFRは6.4(dg/分)、CP部の重量平均分子量(Mw)は48,000であった。また、別途採取したプロピレンホモポリマーの抜き出し量は51.5gであった。Tmは149℃、MFRは0.46(dg/分)であった。
以上の結果として、表1に、各実施例及び各比較例に記載された重合結果をまとめて掲示した。
以上のように、本発明のメタロセン化合物を用いた、メタロセン触媒を使用することにより、ポリオレフィンブロック共重合体における共重合体部分(CP)のエチレンの取り込み効率(供給エチレンガス量に対するCP中のエチレン含量)が、従来の触媒より非常に高く、併せて、従来の触媒よりも非常に高い分子量の共重合体部分(ゴム成分)を有するブロック共重合体を製造するこができることが明らかにされている。
したがって、本発明における構成の要件の合理性と有意性、及び本発明の従来技術に対する優越性が明らかにされている。
Claims (6)
- 下記の一般式[I]で表されるメタロセン化合物。
R1とR11は、互いに同じでも異なっていてもよく、水素、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数2〜6のアルケニル基、炭素数1〜6のハロゲン含有アルキル基、炭素数1〜6の珪素含有アルキル基、炭素数6〜18のアリール基もしくは炭素数6〜18のハロゲン含有アリール基、置換基を有していてもよい5員環を構成する複素環基(但し、5員環を構成する複素環基のヘテロ原子は直接アルカジエニル基と結合しない)である。そして、R1とR11の片方又は両方は、必ず、置換基を有していてもよい5員環を構成する複素環基である。
R4とR14は、互いに同じでも異なっていてもよく、水素、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のハロゲン含有アルキル基、炭素数1〜6の珪素含有アルキル基、炭素数2〜6のアルケニル基、炭素数6〜18のアリール基もしくは炭素数6〜18のハロゲン含有アリール基、置換基を有していてもよい5員環又は6員環を構成する複素環基又はアダマンチル基もしくは置換アダマンチル基である。そして、R4とR14の片方又は両方は、必ず、アダマンチル基又は置換アダマンチル基である。
R2, R3, R5, R6,R7, R8, R9, R12, R13, R15, R16,R17, R18, R19は、互いに同じでも異なっていてもよく、水素、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数2〜6のアルケニル基、炭素数1〜6のハロゲン含有アルキル基、炭素数1〜6の珪素含有アルキル基、炭素数6〜18のアリール基又は炭素数6〜18のハロゲン含有アリール基、置換基を有していてもよい5員環又は6員環を構成する複素環基である。また、隣接するR双方で6〜7員環を構成してもよく、6〜7員環が不飽和結合を含んでいてもよい。] - Yが、R20 2A(Aは、ゲルマニウム又は珪素であり、R20は、互いに同じでも異なっていてもよく、水素、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数2〜6のアルケニル基、炭素数1〜6のハロゲン含有アルキル基、炭素数6〜18のアリール基又は炭素数6〜18のハロゲン含有アリール基である。隣接するR20双方でAを含む4〜7員環を構成してもよく、5〜7員環で不飽和結合を含んでいてもよい。)で示される2価の架橋基であることを特徴とする、請求項1に記載されたメタロセン化合物。
- 一般式[I]中において、Mは、ジルコニウム又はハフニウムであり、R1とR11の片方又は両方が、置換基を有していてもよいフリル基又はチエニル基であることを特徴とする、請求項1又は請求項2に記載されたメタロセン化合物。
- 下記の(A)、(B)、(C)の各成分を含むオレフィン重合用触媒。
成分(A):請求項1〜請求項3のいずれかに記載されたメタロセン化合物
成分(B):成分(A)と反応してイオン対を形成する化合物又はイオン交換性層状珪酸塩
成分(C):有機アルミニウム化合物 - 成分(B)が、イオン交換性層状珪酸塩であり、オレフィンがプロピレンであることを特徴とする、請求項4に記載されたオレフィン重合用触媒。
- 請求項4又は請求項5に記載されたオレフィン重合用触媒を使用してオレフィンの重合又は共重合を行うことを特徴とする、オレフィンの重合方法。
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