JP2004300075A - メタロセン化合物、それを含む触媒を用いたオレフィン重合体の製造方法、および、該製造方法により製造されたオレフィン重合体 - Google Patents

メタロセン化合物、それを含む触媒を用いたオレフィン重合体の製造方法、および、該製造方法により製造されたオレフィン重合体 Download PDF

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Abstract

【課題】分子量が高く、立体規則性の高いオレフィン重合体を製造することができるメタロセン化合物、オレフィン重合体の製造方法、および、得られるオレフィン重合体を提供すること。
【解決手段】本発明で使用するメタロセン化合物は、下記一般式(1)の構造を有する。
YKLMX (1)
(式中、Mは、チタン原子、ジルコニウム原子、もしくは、ハフニウム原子である。Yは、KとLを架橋する架橋基であり、KおよびLは、互いに同じでも異なっていてもよく、Mに配位する共役五員環骨格を有する配位子である。KおよびLの、いずれか一方の2位もしくは両方の2位には、互いに独立して、必ず、炭素数6〜16のアリール基、炭素数6〜16のハロゲン含有アリール基、炭素数7〜40のアルキルアリール基、もしくは、炭素数3〜16の脂環式炭化水素基が存在する。2つのXは、Mに結合する。)
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、メタロセン化合物、該メタロセン化合物を含むオレフィン重合用触媒を用いるオレフィン重合体の製造方法、および該製造方法を用いて得られたオレフィン重合体に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、種々特定の置換されたインデニル配位子を有するメタロセン化合物を含む触媒を用いたプロピレン重合体の製造方法が報告されている(例えば、特許文献1、特許文献2、特許文献3参照。)。
【0003】
これらのメタロセン化合物は、一般に、高分子量のプロピレン重合体を製造可能とすること、および、得られるプロピレン重合体の立体規則性を高度に制御可能とすることを主眼に開発されてきたのであるが、未だ十分にその所望の性能を充足するには至っていない。
【0004】
【特許文献1】
特開平6−184179号公報
【特許文献2】
特開平6−100579号公報
【特許文献3】
特開平7−188318号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の1つの目的は、分子量が高く、立体規則性の高いオレフィン重合体を製造することができるメタロセン化合物、それを含むオレフィン重合用触媒を用いるオレフィン重合体の製造方法、および、該製造方法を用いて得られるオレフィン重合体を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、置換基の種類やその置換位置と相まって特定の構造を有するメタロセン化合物を用いることによって、その目的が達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0007】
即ち、本発明は、下記一般式(1)で表されるメタロセン化合物である。
YKLMX (1)
(式中、Mは、チタン原子、ジルコニウム原子、もしくは、ハフニウム原子である。Yは、KとLを架橋する架橋基であり、メチレン基、エチレン基、炭素数1〜6のアルキル基を有するテトラアルキルエチレン基、炭素数1〜6のアルキル基を有するジアルキルメチレン基、炭素数6〜16のアリール基もしくは炭素数6〜16のハロゲン化アリール基を骨格に含む2価の架橋基、または、珪素原子、ゲルマニウム原子、酸素原子、窒素原子、燐原子、もしくは、硼素原子を含有する2価の架橋基であるか、これらの架橋基から選択される少なくとも2つの架橋基が直列に繋がり形成された2価の架橋基である。KおよびLは、互いに同じでも異なっていてもよく、Mに配位する共役五員環骨格を有する配位子である。また、Kが有する水素原子もしくはLが有する水素原子のうち、少なくとも1つの水素原子は、互いに独立して、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のハロゲン含有アルキル基、炭素数1〜10の珪素含有アルキル基、炭素数6〜16のアリール基、炭素数6〜16のハロゲン含有アリール基、炭素数2〜10のアルケニル基、炭素数7〜40のアリールアルキル基、炭素数7〜40のアルキルアリール基、炭素数3〜16の脂環式炭化水素基、シロキシ基、アルコキシ基、ハロゲン原子、アミノ基、ジアルキル置換アミノ基、複素環基、SR基(Sは、硫黄原子、Rは、ハロゲン原子、炭素数1〜10のアルキル基、もしくは、炭素数6〜16のアリール基である。)、または、PR 基(Pは、燐原子、2つのRは、互いに同じでも異なっていてもよく、ハロゲン原子、炭素数1〜10のアルキル基、もしくは、炭素数6〜16のアリール基である。)で置換されている。ただし、KおよびLの、いずれか一方の2位もしくは両方の2位には、互いに独立して、必ず、炭素数6〜16のアリール基、炭素数6〜16のハロゲン含有アリール基、炭素数7〜40のアルキルアリール基、もしくは、炭素数3〜16の脂環式炭化水素基が存在する。2つのXは、互いに同じでも異なっていてもよく、Mに結合する、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数6〜16のアリール基、炭素数1〜6のアルキル基と炭素数6〜16のアリール基を有するアルキルアリール基、もしくは、炭素数6〜16のアリール基と炭素数1〜6のアルキル基を有するアリールアルキル基である。但し、ジメチルシリレンビス(2−フェニル−インデニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルシリレンビス(2−トリル−インデニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(2−トリル−インデニル)ジルコニウムジクロライドを除く。)
【0008】
また、別の本発明は、上記記載のメタロセン化合物、活性化化合物、および、所望により有機アルミニウム化合物、を含むオレフィン重合用触媒を用いる、オレフィン重合体の製造方法である。
【0009】
また、別の本発明は、上記記載のメタロセン化合物、活性化化合物、微粒子状担体、および、所望により有機アルミニウム化合物、を用いて製造された担持型触媒成分、ならびに、有機アルミニウム化合物、を含むオレフィン重合用触媒を用いる、オレフィン重合体の製造方法である。
【0010】
また、別の本発明は、上記記載のメタロセン化合物、イオン交換性層状化合物もしくは無機珪酸塩、および、所望により有機アルミニウム化合物、を用いて製造された担持型触媒成分、ならびに、有機アルミニウム化合物、を含むオレフィン重合用触媒を用いる、オレフィン重合体の製造方法である。
【0011】
また、別の本発明は、上記いずれかのオレフィン重合体の製造方法を用いて製造されたオレフィン重合体である。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明のメタロセン化合物は、下記一般式(1)で表される。
YKLMX (1)
式中、Mは、チタン原子、ジルコニウム原子、もしくは、ハフニウム原子である。好ましいのは、ジルコニウム原子である。
【0013】
Yは、KとLを架橋する架橋基であり、メチレン基、エチレン基、炭素数1〜6のアルキル基を有するテトラアルキルエチレン基、炭素数1〜6のアルキル基を有するジアルキルメチレン基、炭素数6〜16のアリール基または炭素数6〜16のハロゲン化アリール基を骨格に含む2価の架橋基、または、珪素原子、ゲルマニウム原子、酸素原子、窒素原子、燐原子、もしくは、硼素原子を含有する2価の架橋基である。或いは、Yは、これらの架橋基から選択される少なくとも2つの架橋基が直列に繋がり形成された2価の架橋基である。
【0014】
Yは、好ましくは、メチレン基、エチレン基、炭素数1〜6のアルキル基を有するテトラアルキルエチレン基、炭素数1〜6のアルキル基を有するジアルキルメチレン基、または、珪素原子、ゲルマニウム原子、酸素原子、窒素原子、燐原子、もしくは、硼素原子を含有する2価の架橋基である。或いは、これらの架橋基から選択される少なくとも2つの架橋基が直列に繋がり形成された2価の架橋基である。
【0015】
珪素原子を含有する2価の架橋基としては、炭素数1〜6のアルキル基を有するジアルキルシリレン基、炭素数6〜16のアリール基を有するジアリールシリレン基、ジベンジルシリレン基、もしくは、炭素数1〜6のアルキル基と炭素数6〜16のアリール基を有するアルキルアリールシリレン基を例示することができる。
【0016】
ゲルマニウム原子を含有する2価の架橋基としては、炭素数1〜6のアルキル基を有するジアルキルゲルミレン基、炭素数6〜16のアリール基を有するジアリールゲルミレン基、ジベンジルゲルミレン基、もしくは、炭素数1〜6のアルキル基と炭素数6〜16のアリール基を有するアルキルアリールゲルミレン基を例示することができる。
【0017】
酸素原子を含有する2価の架橋基としては、「J.Chem.Soc.Dalton Trans.」,2207−2216(1991) に記載された、酸素原子を骨格に持つ5員環からなる置換基や、「J.Organomet.Chem.」,501,211−218(1995) に記載された、−Si(Me)−O−Si(Me)−、もしくは、−Si(Me)−O−Si(Me)−O−Si(Me)−(但し、「Me」はメチル基を表す。)を例示することができる。
【0018】
窒素原子を含有する2価の架橋基としては、「J.Organomet.Chem.」,519,269−272(1996) に記載された、−(Me)N−(CH−N(Me)− や、「J.Organomet.Chem.」,564,109−114(1998) に記載された、−Si(Me)−N(C)−Si(Me)−(但し、「Me」はメチル基を表す。)を例示することができる。
【0019】
燐原子を含有する2価の架橋基としては、「J.Mol.Catal.A.」,128,245−256(1998) に記載された、−P(Ph)−、−P(R)−(但し、「Ph」はフェニル基、「R」はアルキル基を表す。)を例示することができる。
【0020】
硼素原子を含有する2価の架橋基としては、「J.Organomet.Chem.」,525,287−289(1996) に記載された −B(Ph)−(但し、「Ph」はフェニル基を表す。)や、「オルガノメタリックス(Organometallics)」,18,2288−2290(1999) および 国際公開第00/20426号パンフレット に記載された −B(N(i−Pr))−(但し、「i−Pr」は、イソプロピル基を表す。)、−B(NMe)−、もしくは、−B(NMe)−B(NMe)− や、「EJ.Organomet.Chem.」,536−537,361−373(1997) に記載された −B(C(SiMe)− (但し、「Me」はメチル基を表す。)や、「Chem.Commun.」,1105−1106(1999) に記載された −B(Ph)(L)−(但し、「Ph」はフェニル基であり、「L」は、OEt,PMe,もしくは、酸素原子を骨格に含む5員環である。)や、「Angew. Chem. Int. Ed.」,38, No.6, 2439−2443(1999) に記載された、下記一般式のような架橋基を使用することもできる。
Figure 2004300075
ここで、Rは、好ましくは、炭素数1〜6のアルキル基であり、Rは、好ましくは、ハロゲン原子である。
【0021】
上記に例示した2価の架橋基から選択される少なくとも2つの架橋基が直列に繋がり形成された2価の架橋基としては、例えば、その好ましい例として、下記(5)〜(7)に示す架橋基を挙げることができる。またこれら例示の架橋基中の水素原子は、所望により置換されていても良い。
【0022】
Figure 2004300075
【0023】
Figure 2004300075
【0024】
Figure 2004300075
【0025】
架橋基Yとして、さらに好ましいのは、メチレン基、エチレン基、炭素数1〜6のアルキル基を有するジアルキルシリレン基、ジアルキルゲルミレン基、テトラアルキルエチレン基、もしくは、ジアルキルメチレン基、炭素数6〜16のアリール基を有するジアリールシリレン基もしくはジアリールゲルミレン基、または、炭素数1〜6のアルキル基と炭素数6〜16のアリール基を有するアルキルアリールシリレン基もしくはアルキルアリールゲルミレン基である。また、さらに好ましいのは、ジメチルシリレン基、ジエチルシリレン基、メチルフェニルシリレン基、ジフェニルシリレン基、ジメチルゲルミレン基、ジエチルゲルミレン基、メチルフェニルゲルミレン基、もしくは、ジフェニルゲルミレン基である。最も好ましいのは、ジメチルシリレン基、もしくは、ジメチルゲルミレン基である。
【0026】
KおよびLは、互いに同じでも異なっていてもよく、Mに配位する共役五員環骨格を有する配位子である。また、Kが有する水素原子もしくはLが有する水素原子のうち、少なくとも1つの水素原子は、互いに独立して、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のハロゲン含有アルキル基、炭素数1〜10の珪素含有アルキル基、炭素数6〜16のアリール基、炭素数6〜16のハロゲン含有アリール基、炭素数2〜10のアルケニル基、炭素数7〜40のアリールアルキル基、炭素数7〜40のアルキルアリール基、炭素数3〜16の脂環式炭化水素基、シロキシ基、アルコキシ基、ハロゲン原子、アミノ基、ジアルキル置換アミノ基、複素環基、SR基(Sは、硫黄原子、Rは、ハロゲン原子、炭素数1〜10のアルキル基、もしくは、炭素数6〜16のアリール基である。)、または、PR 基(Pは、燐原子、2つのRは、互いに同じでも異なっていてもよく、ハロゲン原子、炭素数1〜10のアルキル基、もしくは、炭素数6〜16のアリール基である。)で置換されている。
【0027】
上記の炭素数6〜16のアリール基は、所望により、1つ以上の、炭素数1〜20の、好ましくは炭素数1〜6の炭化水素基、珪素含有炭化水素基、ハロゲン含有炭化水素基で置換されていてもよく、または、アルコキシ基、ジアルキル置換アミノ基、アミノ基、2−フリル基、置換された2−フリル基、2−チエニル基、置換された2−チエニル基、2−フルフリル基、置換された2−フルフリル基、シロキシ基、SR基(Sは、硫黄原子、Rは、ハロゲン原子、炭素数1〜10のアルキル基、もしくは、炭素数6〜16のアリール基である。)、PR 基(Pは、燐原子、2つのRは、互いに同じでも異なっていてもよく、ハロゲン原子、炭素数1〜10のアルキル基、もしくは、炭素数6〜16のアリール基である。)などで置換されていてもよい。
【0028】
ただし、KおよびLの、いずれか一方の2位もしくは両方の2位には、互いに独立して、必ず、炭素数6〜16のアリール基、炭素数6〜16のハロゲン含有アリール基、炭素数7〜40のアルキルアリール基、もしくは、炭素数3〜16の脂環式炭化水素基が存在する。なかでも、炭素数6〜16のアリール基、特にフェニル基が存在するのが好ましい。
【0029】
また、このとき、KおよびLの、いずれか一方の4位もしくは両方の4位には、互いに独立して、炭素数6〜16のアリール基、炭素数6〜16のハロゲン含有アリール基、炭素数7〜40のアルキルアリール基、もしくは、炭素数3〜16の脂環式炭化水素基が存在するのが好ましい。なかでも、炭素数6〜16のアリール基、特にフェニル基が存在するのが好ましい。さらに、KおよびLの、両方の4位に、炭素数6〜16のアリール基が存在するのが好ましく、特にフェニル基が存在するのが好ましい。
【0030】
2つのXは、互いに同じでも異なっていてもよく、Mに結合するハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数6〜16のアリール基、炭素数1〜6のアルキル基と炭素数6〜16のアリール基を含むアルキルアリール基、もしくは、炭素数6〜16のアリール基と炭素数1〜6のアルキル基を含むアリールアルキル基である。また、Xは、国際公開第00/20426号パンフレットの、例えば実施例12に記載されているような、2つのXが結合してジエン化合物を形成し、その2つの二重結合がそれぞれMに配位したような構造をとることも可能である。そのようなジエン化合物としては、ブタジエン骨格を有するものが好ましく、特に、1,4−ジフェニル−1,3−ブタジエンが最も好ましい。また、Xとしては、上記に挙げたもの以外に、アルコキシ基、シロキシ基、アミノ基や、例えば、−CF などのハロゲン含有炭化水素基、例えば、−CHSi(CH などの珪素含有炭化水素基、例えば、−SOCF などのスルホン酸含有基のほか、硫黄含有基、燐含有基、または、置換されていても良いビフェニル基などを用いることもできる。Xとして、特に好ましいのは、塩素原子である。
【0031】
本発明において、脂環式炭化水素基としては、モリソン・ボイド,「有機化学」中西ら訳,第3版,第8刷,1977年,p.356−359 の記載に基づき、シクロプロパン、シクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン、メチルシクロペンタン、ジメチルシクロペンタン、メチルシクロヘキサン、シクロペンテン、シクロヘキセン、シクロペンタジエン、シクロヘキサジエン、もしくは、それらの置換体を例示することができる。
【0032】
また、本発明において、複素環基としては、例えば、2−フリル基、置換された2−フリル基、2−チエニル基、置換された2−チエニル基、2−フルフリル基、置換された2−フルフリル基、などのヘテロ芳香族基を例示することができる。さらに、モリソン・ボイド,「有機化学」中西ら訳,第3版,第8刷,1977年,p.1231−1232 の記載に基づき、ピロール基(pyrrol)、イミダゾール基(imidazole)、オキサゾール基(oxazole)、チアゾール基(thiazole)、ピラゾール基(pyrazole)、3−ピロリン基(3−pyrroline)、ピロリジン基(pyrrolidine)、ピリジン基(pyridine)、ピリミジン基(pyrimidine)、プリン基(purine)、キノリン基(quinoline)、イソキノリン基(isoquinoline)、カルバゾール基(carbazole)、もしくは、これらの置換体も例示することができる。また、本発明において複素環基としては、上記のもの以外に、珪素(Si)、ホウ素(B)、燐(P)の少なくとも一つの原子を含む複素環基、およびその置換体、例えば、シロール基、置換されたシロール基、ボラタベンゼン基(Boratabenzene)、置換されたボラタベンゼン基(Boratabenzene)、フォスフォリル基(Phospholyl)、置換されたフォスフォリル基(Phospholyl)も例示することができる。特に、本発明において、複素環基は、該複素環基中のヘテロ原子によって、KまたはLに直接結合しない構造のものが好ましい。本発明において、複素環基として好ましいのは、ヘテロ芳香族基であり、更に好ましいのは、2−フリル基、置換された2−フリル基、2−チエニル基、置換された2−チエニル基、2−フルフリル基、もしくは、置換された2−フルフリル基である。
【0033】
前記の、KおよびLを構成する共役五員環骨格を有する配位子としては、例えば、シクロペンタジエニル基、インデニル基、ベンゾインデニル基、フルオレニル基、テトラヒドロインデニル基、アズレニル基、テトラヒドロアズレニル基、もしくは、シクペンタフェナンスリル基が好ましく用いられる。さらに好ましいのは、シクロペンタジエニル基、インデニル基、ベンゾインデニル基、アズレニル基、もしくは、フルオレニル基であり、最も好ましいのはインデニル基である。
【0034】
本発明のメタロセン化合物は、一般式(1)において、特に好ましいのは、KおよびLが共にシクロペンタジエニル基である場合、Kがシクロペンタジエニル基でありLがフルオレニル基である場合、KおよびLが共にインデニル基である場合、Kがインデニル基でありLがフルオレニル基もしくはベンゾインデニル基である場合、KおよびLが共にアズレニル基である場合、KおよびLが共にベンゾインデニル基である場合、Kがベンゾインデニル基でありLがフルオレニル基である場合、Kがフルオレニル基でありLがシクロペンタジエニル基である場合、Kがフルオレニル基でありLがインデニル基である場合、または、Kがフルオレニル基でありLがベンゾインデニル基である場合である。最も好ましいのは、KおよびLが共にインデニル基である場合、KおよびLが共にアズレニル基である場合、もしくは、KおよびLが共にベンゾインデニル基である場合である。
【0035】
また、KおよびLとしては、共役五員環骨格を有する配位子として、その配位子の骨格中に炭素以外の原子、例えば、窒素(N)、硫黄(S)、燐(P)、硼素(B)、酸素(O)もしくは珪素(Si)などの原子を含むものを用いてもよく、その非限定的な具体例として、下記に示す(8)〜(14)の構造を有する配位子を挙げることができる。
【0036】
Figure 2004300075
【0037】
Figure 2004300075
【0038】
Figure 2004300075
【0039】
Figure 2004300075
【0040】
Figure 2004300075
【0041】
Figure 2004300075
【0042】
Figure 2004300075
【0043】
配位子の骨格中に炭素以外の原子を含む上記のような配位子については、例えば、「J.Am.Chem.Soc.」,123,4763−4773(2001)、「J.Mol.Cat.A」,128,155−165(1998)、「J.Am.Chem.Soc.」,120,10786(1998)、「Chem.Ber.」,129,1517−1529(1996) などに記載されている。
【0044】
本発明のメタロセン化合物には、ジメチルシリレンビス(2−フェニル−インデニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルシリレンビス(2−トリル−インデニル)ジルコニウムジクロライド、及び、ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(2−トリル−インデニル)ジルコニウムジクロライドは、含まれない。
【0045】
KおよびLが、共にインデニル基である場合には、各インデニル基のそれぞれ2位の位置にRを有し、それぞれ4位の位置にRを有する下記一般式(2)で表されるメタロセン化合物であることが好ましい。
Figure 2004300075
【0046】
式中、各Rは、互いに同じでも異なっていても良く、水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のハロゲン含有アルキル基、炭素数1〜10の珪素含有アルキル基、炭素数6〜16のアリール基、炭素数6〜16のハロゲン含有アリール基、炭素数2〜10のアルケニル基、炭素数7〜40のアリールアルキル基、炭素数7〜40のアルキルアリール基、炭素数3〜16の脂環式炭化水素基、シロキシ基、アルコキシ基、ハロゲン原子、アミノ基、ジアルキル置換アミノ基、複素環基、SR基(Sは、硫黄原子、Rは、ハロゲン原子、炭素数1〜10のアルキル基、もしくは、炭素数6〜16のアリール基である。)、または、PR 基(Pは、燐原子、2つのRは、互いに同じでも異なっていてもよく、ハロゲン原子、炭素数1〜10のアルキル基、もしくは、炭素数6〜16のアリール基である。)であり、好ましくは、炭素数4〜10のアルキル基、炭素数6〜16のアリール基、炭素数6〜16のハロゲン含有アリール基、炭素数3〜16の脂環式炭化水素基である。但し、各Rのうち、少なくとも一方は、炭素数6〜16のアリール基、炭素数6〜16のハロゲン含有アリール基、炭素数7〜40のアルキルアリール基、もしくは、炭素数3〜16の脂環式炭化水素基であり、好ましくは炭素数6〜16のアリール基、さらに好ましくはフェニル基である。
【0047】
各Rは、互いに同じでも異なっていてもよく、水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のハロゲン含有アルキル基、炭素数1〜10の珪素含有アルキル基、炭素数6〜16のアリール基、炭素数6〜16のハロゲン含有アリール基、炭素数2〜10のアルケニル基、炭素数7〜40のアリールアルキル基、炭素数7〜40のアルキルアリール基、炭素数3〜16の脂環式炭化水素基、シロキシ基、アルコキシ基、ハロゲン原子、アミノ基、ジアルキル置換アミノ基、複素環基、SR基(Sは、硫黄原子、Rは、ハロゲン原子、炭素数1〜10のアルキル基、もしくは、炭素数6〜16のアリール基である。)、または、PR 基(Pは、燐原子、2つのRは、互いに同じでも異なっていてもよく、ハロゲン原子、炭素数1〜10のアルキル基、もしくは、炭素数6〜16のアリール基である。)であり、好ましくは炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のハロゲン含有アルキル基、炭素数1〜10の珪素含有アルキル基、炭素数6〜16のアリール基、炭素数6〜16のハロゲン含有アリール基、炭素数3〜16の脂環式炭化水素基である。但し、少なくとも一方のRは、水素原子ではない。また、各Rの両方が、炭素数6〜16のアリール基、炭素数6〜16のハロゲン含有アリール基、炭素数7〜40のアルキルアリール基、もしくは、炭素数3〜16の脂環式炭化水素基であるのがさらに好ましく、炭素数6〜16のアリール基、特にはフェニル基であるのが尚好ましい。
【0048】
上記の炭素数6〜16のアリール基は、所望により、1つ以上の、炭素数1〜20、好ましくは炭素数1〜6の炭化水素基、珪素含有炭化水素基、ハロゲン含有炭化水素基で置換されていてもよく、または、アルコキシ基、ジアルキル置換アミノ基、アミノ基、2−フリル基、置換された2−フリル基、2−チエニル基、置換された2−チエニル基、2−フルフリル基、置換された2−フルフリル基、シロキシ基、SR基(Sは、硫黄原子、Rは、ハロゲン原子、炭素数1〜10のアルキル基、もしくは、炭素数6〜16のアリール基である。)、または、PR 基(Pは、燐原子、2つのRは、互いに同じでも異なっていてもよく、ハロゲン原子、炭素数1〜10のアルキル基、もしくは、炭素数6〜16のアリール基である。)などで置換されていても良い。
【0049】
上記一般式(2)で表されるメタロセン化合物として特に好ましいのは、一般式(2)において、各Rのいずれか一方もしくは両方が、炭素数6〜16のアリール基、好ましくはフェニル基であって、各Rのいずれか一方もしくは両方が、炭素数6〜16のアリール基、好ましくはフェニル基であるメタロセン化合物である。また、なお好ましいのは、各Rのいずれか一方もしくは両方が、炭素数6〜16のアリール基、好ましくはフェニル基であって、各Rの両方が、炭素数6〜16のアリール基、好ましくはフェニル基であるメタロセン化合物である。
【0050】
このような一般式(2)で表されるメタロセン化合物は、オレフィン重合用の触媒成分として、高分子量かつ高立体規則性のオレフィン重合体を製造するために、特に好ましく用いられる。また、このようなメタロセン化合物は、オレフィン重合用の触媒成分として、プロピレンとプロピレン以外のオレフィンとの共重合に用い、プロピレン以外のオレフィン単位の含有量が増加しても、得られるプロピレン/オレフィン共重合体の分子量が殆ど低下しないかその低下が小さく、同条件で製造されるプロピレン単独重合体と同等もしくは同等以上の分子量を有するようなプロピレン/オレフィン共重合体を製造するためにも有効である。このとき、プロピレン以外のオレフィンとしては、エチレン、1−ブテン、もしくは、エチレン及び1−ブテンが好適である。
【0051】
このようなメタロセン化合物として、具体的には、ジメチルシリレン(2−メチル−4−フェニル−インデニル)(2−フェニル−4−フェニル−インデニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルシリレン(2−メチル−4−フェニル−インデニル)(2−トリル−4−フェニル−インデニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルシリレン(2−メチル−4−ナフチル−インデニル)(2−フェニル−4−ナフチル−インデニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルシリレンビス(2−フェニル−4−フェニル−インデニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルシリレンビス(2−トリル−4−フェニル−インデニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルシリレンビス(2−フェニル−4−ナフチル−インデニル)ジルコニウムジクロライド、などを挙げることができる。
【0052】
このなかで好ましいのは、ジメチルシリレン(2−メチル−4−フェニル−インデニル)(2−フェニル−4−フェニル−インデニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルシリレンビス(2−フェニル−4−フェニル−インデニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルシリレンビス(2−トリル−4−フェニル−インデニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルシリレンビス(2−フェニル−4−ナフチル−インデニル)ジルコニウムジクロライド、である。
【0053】
最も好ましいのは、ジメチルシリレンビス(2−フェニル−4−フェニル−インデニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルシリレンビス(2−トリル−4−フェニル−インデニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルシリレンビス(2−フェニル−4−ナフチル−インデニル)ジルコニウムジクロライド、である。
【0054】
前記一般式(1)で表されるメタロセン化合物の別の好ましい態様は、一般式(1)において、KおよびLが、共にベンゾインデニル基であり、各ベンゾインデニル基のそれぞれ2位の位置にRを有する下記一般式(3)で表される、メタロセン化合物である。
Figure 2004300075
【0055】
式中、各Rは、互いに同じでも異なっていてもよく、水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のハロゲン含有アルキル基、炭素数1〜10の珪素含有アルキル基、炭素数6〜16のアリール基、炭素数6〜16のハロゲン含有アリール基、炭素数2〜10のアルケニル基、炭素数7〜40のアリールアルキル基、炭素数7〜40のアルキルアリール基、炭素数3〜16の脂環式炭化水素基、シロキシ基、アルコキシ基、ハロゲン原子、アミノ基、ジアルキル置換アミノ基、複素環基、SR基(Sは、硫黄原子、Rは、ハロゲン原子、炭素数1〜10のアルキル基、もしくは、炭素数6〜16のアリール基である。)、または、PR 基(Pは、燐原子、2つのRは、互いに同じでも異なっていてもよく、ハロゲン原子、炭素数1〜10のアルキル基、もしくは、炭素数6〜16のアリール基である。)であり、好ましいのは、炭素数4〜10のアルキル基、炭素数6〜16のアリール基、炭素数6〜16のハロゲン含有アリール基、炭素数3〜16の脂環式炭化水素基である。各Rのうち、少なくとも一方は、炭素数6〜16のアリール基、炭素数6〜16のハロゲン含有アリール基、炭素数7〜40のアルキルアリール基、もしくは、炭素数3〜16の脂環式炭化水素基であり、好ましくは炭素数6〜16のアリール基であり、さらに好ましくはフェニル基である。
【0056】
このような一般式(3)で表されるメタロセン化合物は、オレフィン重合用の触媒成分として、高分子量かつ高立体規則性のオレフィン重合体を製造するために、特に好ましく用いられる。また、このようなメタロセン化合物は、オレフィン重合用の触媒成分として、プロピレンとプロピレン以外のオレフィンとの共重合に用い、プロピレン以外のオレフィン単位の含有量が増加しても、得られるプロピレン/オレフィン共重合体の分子量が殆ど低下しないかその低下が小さく、同条件で製造されるプロピレン単独重合体と同等もしくは同等以上の分子量を有するようなプロピレン/オレフィン共重合体を製造するためにも有効である。このとき、プロピレン以外のオレフィンとしては、エチレン、1−ブテン、もしくは、エチレン及び1−ブテンが好適である。
【0057】
このようなメタロセン化合物として、具体的には、ジメチルシリレン(2−メチル−ベンゾインデニル)(2−フェニル−ベンゾインデニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルシリレン(2−メチル−ベンゾインデニル)(2−トリル−ベンゾインデニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルシリレン(2−エチル−ベンゾインデニル)(2−フェニル−ベンゾインデニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルシリレンビス(2−フェニル−ベンゾインデニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルシリレンビス(2−トリル−ベンゾインデニル)ジルコニウムジクロライド、が挙げられる。
【0058】
好ましいのは、ジメチルシリレンビス(2−フェニル−ベンゾインデニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルシリレンビス(2−トリル−ベンゾインデニル)ジルコニウムジクロライド、である。
【0059】
前記一般式(1)で表されるメタロセン化合物の好ましい別の態様は、一般式(1)において、KおよびLが、共にアズレニル基であり、各アズレニル基のそれぞれ2位の位置にRを有し、それぞれ4位の位置にRを有する下記一般式(4)で表されるメタロセン化合物である。
Figure 2004300075
【0060】
式中、各Rは、互いに同じでも異なっていてもよく、水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のハロゲン含有アルキル基、炭素数1〜10の珪素含有アルキル基、炭素数6〜16のアリール基、炭素数6〜16のハロゲン含有アリール基、炭素数2〜10のアルケニル基、炭素数7〜40のアリールアルキル基、炭素数7〜40のアルキルアリール基、炭素数3〜16の脂環式炭化水素基、シロキシ基、アルコキシ基、ハロゲン原子、アミノ基、ジアルキル置換アミノ基、複素環基、SR基(Sは、硫黄原子、Rは、ハロゲン原子、炭素数1〜10のアルキル基、もしくは、炭素数6〜16のアリール基である。)、または、PR 基(Pは、燐原子、2つのRは、互いに同じでも異なっていてもよく、ハロゲン原子、炭素数1〜10のアルキル基、もしくは、炭素数6〜16のアリール基である。)であり、好ましくは、炭素数3〜10のアルキル基、炭素数6〜16のアリール基、炭素数6〜16のハロゲン含有アリール基、炭素数3〜16の脂環式炭化水素基である。各Rのうち、少なくとも一方は、炭素数6〜16のアリール基、炭素数6〜16のハロゲン含有アリール基、炭素数7〜40のアルキルアリール基、もしくは、炭素数3〜16の脂環式炭化水素基であり、好ましくは炭素数6〜16のアリール基であり、さらに好ましくはフェニル基である。
【0061】
各Rは、互いに同じでも異なっていてもよく、水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のハロゲン含有アルキル基、炭素数1〜10の珪素含有アルキル基、炭素数6〜16のアリール基、炭素数6〜16のハロゲン含有アリール基、炭素数2〜10のアルケニル基、炭素数7〜40のアリールアルキル基、炭素数7〜40のアルキルアリール基、炭素数3〜16の脂環式炭化水素基、シロキシ基、アルコキシ基、ハロゲン原子、アミノ基、ジアルキル置換アミノ基、複素環基、SR基(Sは、硫黄原子、Rは、ハロゲン原子、炭素数1〜10のアルキル基、もしくは、炭素数6〜16のアリール基である。)、または、PR 基(Pは、燐原子、2つのRは、互いに同じでも異なっていてもよく、ハロゲン原子、炭素数1〜10のアルキル基、もしくは、炭素数6〜16のアリール基である。)であり、好ましくは炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のハロゲン含有アルキル基、炭素数1〜10の珪素含有アルキル基、炭素数6〜16のアリール基、炭素数6〜16のハロゲン含有アリール基、炭素数2〜10のアルケニル基、炭素数7〜40のアリールアルキル基、炭素数7〜40のアルキルアリール基、炭素数3〜16の脂環式炭化水素基である。
【0062】
上記の炭素数6〜16のアリール基は、所望により、1つ以上の、炭素数1〜20の、好ましくは炭素数1〜6の、炭化水素基、珪素含有炭化水素基、ハロゲン含有炭化水素基で置換されていてもよく、または、アルコキシ基、ジアルキル置換アミノ基、アミノ基、2−フリル基、置換された2−フリル基、2−チエニル基、置換された2−チエニル基、2−フルフリル基、置換された2−フルフリル基、シロキシ基、SR基(Sは、硫黄原子、Rは、ハロゲン原子、炭素数1〜10のアルキル基、もしくは、炭素数6〜16のアリール基である。)、または、PR 基(Pは、燐原子、2つのRは、互いに同じでも異なっていてもよく、ハロゲン原子、炭素数1〜10のアルキル基、もしくは、炭素数6〜16のアリール基である。)などで置換されていてもよい。
【0063】
このような一般式(3)で表されるメタロセン化合物は、オレフィン重合用の触媒成分として、高分子量かつ高立体規則性のオレフィン重合体を製造するために、特に好ましく用いられる。また、このようなメタロセン化合物は、オレフィン重合用の触媒成分として、プロピレンとプロピレン以外のオレフィンとの共重合に用い、プロピレン以外のオレフィン単位の含有量が増加しても、得られるプロピレン/オレフィン共重合体の分子量が殆ど低下しないかその低下が小さく、同条件で製造されるプロピレン単独重合体と同等もしくは同等以上の分子量を有するようなプロピレン/オレフィン共重合体を製造するためにも有効である。このとき、プロピレン以外のオレフィンとしては、エチレン、1−ブテン、もしくは、エチレン及び1−ブテンが好適である。
【0064】
このようなメタロセン化合物として、具体的には、ジメチルシリレン(2−メチル−4−フェニル−4−ヒドロアズレニル)(2−フェニル−4−フェニル−4−ヒドロアズレニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルシリレン(2−メチル−4−フェニル−4−ヒドロアズレニル)(2−トリル−4−フェニル−4−ヒドロアズレニル)ジルコニウムジクロライド、などが挙げられる。
【0065】
本発明のメタロセン化合物のうち、最も好ましいのは、一般式(2)で表されるメタロセン化合物であって、各Rのいずれか一方もしくは両方が、炭素数6〜16のアリール基、好ましくはフェニル基であるメタロセン化合物である。また、さらに好ましいのは、各Rのいずれか一方もしくは両方が、炭素数6〜16のアリール基、好ましくはフェニル基であり、各Rが、いずれも炭素数6〜16のアリール基、好ましくはフェニル基であるメタロセン化合物である。
【0066】
本発明のメタロセン化合物は、置換基の種類やその置換位置と相まって特定の立体構造を有するメタロセン化合物である。好ましくは、特定の共役五員環骨格を有する配位子の特定の位置に特定の選ばれた置換基が導入されたメタロセン化合物である。該共役五員環骨格を有する配位子自体の製造方法は公知であり、また、置換基の導入自体も通常の方法を用いて行うことができる。
【0067】
また、本発明のメタロセン化合物は、特表2002−509936公報の段落番号0015〜0026に記載された方法により反応を行って、置換基をイオン化させた状態で使用することも可能である。
【0068】
本発明のメタロセン化合物は、他の成分とともに、オレフィン重合用触媒として、オレフィン重合体の製造に使用することができる。本発明のメタロセン化合物を含む触媒は、以下の(1)〜(3)に大別することができる。
【0069】
(1)上記に記載のメタロセン化合物(以降、「(A)成分」と言う場合がある。)および活性化化合物(以降、「(B)成分」と言う場合がある。)、および所望により使用する有機アルミニウム化合物(以降、「(D)成分」と言う場合がある。)とからなるオレフィン重合用触媒(以降、「メタロセン均一系触媒」と言う場合がある。)。
【0070】
(2)(A)成分、(B)成分、微粒子状担体(以降、「(C)成分」という場合がある。)、および所望により使用する(D)成分、を用いて製造されることを特徴とするメタロセン担持型触媒成分(以降、「メタロセン担持型触媒I」と言う場合がある。)と、有機アルミニウム化合物(以降、「(D’)成分」と言う場合がある。)からなるオレフィン重合用触媒。
【0071】
(3)(A)成分、特定のイオン交換性層状化合物もしくは無機珪酸塩(以降、「(E)成分」と言う場合がある。)、および、所望により使用する(D)成分、を用いて製造されることを特徴とするメタロセン担持型触媒成分(以降、「メタロセン担持型触媒II」と言う場合がある。)と、(D’)成分からなるオレフィン重合用触媒。
【0072】
上記(2)もしくは(3)に記載されたメタロセン担持型触媒IもしくはIIのうち、本発明のオレフィン重合体の製造においては、上記(2)に記載されたメタロセン担持型触媒Iが好ましく用いられる。特に、メタロセン化合物(A)として、一般式(3)もしくは(4)のメタロセン化合物を用いる場合には、メタロセン担持型触媒Iを用いることが好ましい。
【0073】
上記の、(B)成分としては、有機アルミニウムオキシ化合物などの(A)成分と反応してイオン対を形成する化合物が用いられる。該有機アルミニウムオキシ化合物としては、下記の一般式(15)もしくは(16)で表されるアルミノキサンが用いられる。
【0074】
Figure 2004300075
【0075】
Figure 2004300075
【0076】
一般式(15)および(16)において、R12は炭素数が1〜6の炭化水素基である。具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、イソブチル基、ペンチル基、ヘキシル基等のアルキル基、アリル基、2−メチルアリル基、プロペニル基、イソプロペニル基、2−メチル−1−プロペニル基、ブテニル基等のアルケニル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基、およびアリール基等が挙げられる。これらのうち、炭素数が1〜4の炭化水素基が好ましく、特に好ましいのは炭化水素基がアルキル基である場合である。各R12は同一でも異なっていてもよい。mは4〜30の整数であり、好ましくは6〜30、特に好ましくは8〜30の整数である。
【0077】
上記のアルミノキサンは公知の様々な条件下に調製することが可能である。具体的には、以下の方法を例示できる。すなわち、
▲1▼トルエン、エーテル等の有機溶剤中で、トリアルキルアルミニウムと水とを直接反応させる方法、
▲2▼トリアルキルアルミニウムと、硫酸銅水和物、硫酸アルミニウム水和物等の結晶水を有する塩類とを反応させる方法、
▲3▼トリアルキルアルミニウムと、シリカゲル等に含浸させた水分とを反応させる方法、
▲4▼トルエン、エーテル等の有機溶剤中で、トリメチルアルミニウムとトリイソブチルアルミニウムとの混合物を、水と直接反応させる方法、
▲5▼トリメチルアルミニウムとトリイソブチルアルミニウムとの混合物を、硫酸銅水和物、硫酸アルミニウム水和物等の結晶水を有する塩類と反応させる方法、
▲6▼シリカゲル等含浸させた水分と、トリイソブチルアルミニウムとを反応させた後、トリメチルアルミニウムを更に反応させる方法、を例示できる。
【0078】
(A)成分と反応してイオン対を形成する化合物としては、有機アルミニウムオキシ化合物以外に、特表平1−501950号公報、特表平1−502036号公報、特開平3−179005号公報、特開平3−179006号公報、特開平3−207704号公報、国際公開第92/00333号パンフレット,US5064802号公報,国際公開第93/03067号パンフレット、特開平4−309508号公報,特開平4−353502号公報,特開平5−331232号公報、国際公開第96/41808号パンフレットなどに記載されたルイス酸、イオン性化合物、ボラン化合物、もしくは、カルボラン化合物を挙げることができる。
【0079】
ルイス酸としては、硼素原子を含有するルイス酸が好適で、非限定的な具体例としては、トリフルオロボロン、トリフェニルボロン、トリス(4−フルオロフェニル)ボロン、トリス(3,5−フルオロフェニル)ボロン、トリス(4−フルオロメチルフェニル)ボロン、トリス(p−トリル)ボロン、トリス(o−トリル)ボロン、トリス(3,5−ジメチルフェニル)ボロン、トリス(ペンタフルオロフェニル)ボロン等が挙げられる。これらのうちではトリス(ペンタフルオロフェニル)ボロンが特に好ましい。
【0080】
イオン性化合物とは、カチオン性化合物とアニオン性化合物とからなる塩である。アニオン性化合物はメタロセン化合物と反応することに該メタロセン化合物をカチオン化し、イオン対を形成することにより遷移金属カチオン種を安定化させる働きがある。そのようなアニオン性化合物としては、有機硼素化合物アニオン、有機ヒ素化合物アニオン、有機アルミニウム化合物アニオンなどがあり、比較的嵩高で、遷移金属カチオンを安定化させるものが好ましい。カチオン性化合物としては、金属カチオン、有機金属カチオン、カルボニウムカチオン、トリピウムカチオン、オキソニウムカチオン、スルホニウムカチオン、ホスホニウムカチオン、アンモニウムカチオンなどが挙げられる。具体的には、トリフェニルカルベニウムカチオン、トリブチルアンモニウムカチオン、N,N−ジメチルアンモニウムカチオン、フェロセニウムカチオンなどである。
【0081】
イオン性化合物としては、アニオン性化合物として硼素化合物を含有する塩が好適に使用できる。具体的には、トリアルキル置換アンモニウム塩としての、トリエチルアンモニウムテトラ(フェニル)硼素、トリプロピルアンモニウムテトラ(フェニル)硼素、トリ(n−ブチル)アンモニウムテトラ(フェニル)硼素、トリメチルアンモニウム(p−トリル)硼素、トリメチルアンモニウム(o−トリル)硼素、トリブチルアンモニウムテトラ(ペンタフルオロフェニル)硼素、トリプロピルアンモニウムテトラ(o,p−ジメチルフェニル)硼素、トリブチルアンモニウムテトラ(m,m−ジメチルフェニル)硼素、トリブチルアンモニウムテトラ(p−トリフルオロメチルフェニル)硼素、トリ(n−ブチル)アンモニウムテトラ(o−トリル)硼素、トリ(n−ブチル)アンモニウムテトラ(4−フルオロフェニル)硼素などが挙げられる。
【0082】
また、N,N−ジアルキルアニリニウム塩としては、N,N−ジメチルアニリニウムテトラ(フェニル)硼素、N,N−ジエチルアニリニウムテトラ(フェニル)硼素、N,N,N−2,4,6−ペンタメチルアニリニウム(フェニル)硼素などが挙げられ、ジアルキルアンモニウム塩としては、例えば、ジ(n−プロピル)アンモニウムテトラ(ペンタフルオロフェニル)硼素、ジシクロヘキシルアンモニウムテトラ(ペンタフルオロフェニル)硼素などが挙げられ、トリアルキルホスフォニウム塩及びトリアリールホスフォニウム塩としては、例えば、トリメチルホスフォニウムテトラ(フェニル)硼素、トリ(メチルフェニル)ホスフォニウムテトラ(フェニル)硼素、トリ(ジメチルフェニル)ホスフォニウムテトラ(フェニル)硼素などが挙げられる。
【0083】
本発明では、硼素原子を含有するイオン性化合物として、更に、トリフェニルカルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、N,N−ジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、フェロセニウムテトラ(ペンタフルオロフェニル)ボレートも挙げることができる。
【0084】
上記の活性化化合物の中でも、特に、アルミノキサンが好ましく用いられる。
【0085】
また、本発明のオレフィン重合体の製造に使用されるメタロセン担持型触媒Iにおいて、その原料として用いられる(C)成分は、無機担体もしくは有機担体であって、粒子径が1〜500μm、好ましくは5〜300μm、さらに好ましくは10〜150μm、特に好ましくは10〜45μmである顆粒状もしくは球状の無機微粒子担体もしくは有機微粒子担体が使用される。
【0086】
これらの無機微粒子担体は、比表面積が50〜1,000m/g、好ましくは100〜700m/gの範囲にあり、細孔容積が0.3〜2.5m/gの範囲にあることが好ましい。
【0087】
該無機微粒子担体としては、金属酸化物、たとえばSiO、Al、MgO、TiO、ZnO、それらの混合物またはそれらの複合酸化物が好ましく、主成分としてSiOもしくはAlを含有する担体が特に好ましい。より具体的な無機化合物として、SiO、Al、MgO、SiO−Al、SiO−MgO、SiO−TiO、SiO−Al−MgO、もしくは、クロム化合物が担持されたSiO、等が挙げられる。無機微粒子担体として特に好ましいのは、SiOである。
【0088】
上記無機微粒子担体は、使用に先立って、通常、100〜1,000℃、好ましくは300〜900℃、特に好ましくは400〜900℃で焼成したものを使用する。焼成後の無機微粒子担体の表面吸着水量は0.1重量%以下、好ましくは0.01重量%以下であり、また表面水酸基含量は1.0重量%以上、好ましくは1.5〜4.0重量%、さらに好ましくは2.0〜3.5重量%の範囲である。また、これらの無機微粒子担体は、使用に先だって、予め有機アルミニウム化合物および/またはハロゲン含有珪素化合物との接触処理あるいは、硝酸クロム(III)等の酸との接触処理が施されていてもよい。
【0089】
さらに微粒子有機担体としては、微粒子有機重合体、たとえばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ−1−ブテン、ポリ−4−メチル−1−ペンテンなどのポリオレフィンの微粒子重合体、ポリスチレンなどの微粒子重合体などを例示することができる。
【0090】
(D)成分の有機アルミニウム化合物としては、一般式 AlR13 14 3−(s+t)で表される化合物が好適に使用される。式中、R13およびR14は、それぞれ独立して炭素数1〜10のアルキル基、シクロアルキル基、アリール基等の炭化水素基、アルコキシ基、フッ素原子、メチル基、トリフルオロフェニル基などの置換基を有していてもよいフェニル基を表す。Xはハロゲン原子を表し、sおよびtは、0<s+t≦3を満たす任意の整数を示す。
【0091】
上記の有機アルミニウム化合物として、好ましいのは、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソプロピルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリ−n−ブチルアルミニウム、トリ−n−ヘキシルアルミニウム、トリ−n−オクチルアルミニウム等のトリアルキルアルミニウム、ジメチルアルミニウムクロリド、ジメチルアルミニウムブロミド、ジエチルアルミニウムクロリド、ジイソプロピルアルミニウムクロリド等のジアルキルアルミニウムハライド、メチルアルミノウムセスキクロリド、エチルアルミニウムセスキクロリド、エチルアルミニウムセスキブロミド、イソプロピルアルミニウムセスキクロリド等のアルキルアルミニウムセスキハライド、および、それらの2種以上の混合物を例示できる。より好ましいのは、トリアルキルアルミニウムである。更に好ましいのは、トリエチルアルミニウム、もしくは、トリイソブチルアルミニウムである。
【0092】
前記メタロセン担持型触媒IIの製造に用いられる(E)成分としては、イオン交換性層状化合物、もしくは、無機珪酸塩が例示できる。尚、本願で用いる「イオン交換性層状化合物」という用語には、珪酸塩は含まれない。
【0093】
上記のイオン交換性層状化合物としては、六方最密パッキング型、アンチモン型、CdCl型、CdI型などの層状の結晶構造を有するイオン結晶性化合物が挙げられ、その具体例としては、α−Zr(HAsO・HO、α−Zr(HPO、α−Zr(KPO・3HO、α−Ti(HPO、α−Ti(HAsO・HO、α−Sn(HPO・HO、γ−Zr(HPO、γ−Ti(HPO、γ−Ti(NHPO・HO等の多価金属の結晶性酸性塩が挙げられる。
【0094】
上記のイオン交換性層状化合物は、必要に応じて塩類処理および/または酸処理を行って使用してもよい。塩類処理も酸処理も施されていない状態のイオン交換性層状化合物は、イオン結合等によって構成される面が互いに弱い結合力で平行に積み重なった結晶構造をとる化合物であり、含有するイオンの交換が可能である。
【0095】
上記の無機珪酸塩としては、粘土、粘土鉱物、ゼオライト、珪藻土などが挙げられる。これらは、合成品を使用してもよいし、天然に産出する鉱物を使用してもよい。粘土および粘土鉱物の具体例としては、アロフェン等のアロフェン族、ディッカイト、ナクライト、カオリナイト、アノーキサイト等のカオリン族、メタハロイサイト、ハロイサイト等のハロイサイト族、クリソタイル、リザルダイト、アンチゴライト等の蛇紋石族、モンモリロナイト、ソーコナイト、バイデライト、ノントロナイト、サポナイト、ヘクトライト等のスメクタイト、バーミキュライト等のバーミキュライト鉱物、イライト、セリサイト、海緑石などの雲母鉱物、アタパルジャイト、セピオライト、パリゴルスカイト、ベントナイト、木節粘土、ガイロメ粘土、ヒシンゲル石、パイロフィライト、リョクデイ石群などが挙げられる。これらは混合層を形成していてもよい。また、人工合成物としては、合成雲母、合成ヘクトライト、合成サポナイト、合成テニオライト等が挙げられる。
【0096】
上記の無機珪酸塩の中では、カオリン族、ハロサイト族、蛇紋石族、スメクタイト、バーミキュライト鉱物、雲母鉱物、合成雲母、合成ヘクトライト、合成サポナイト、合成テニオライトが好ましく、スメクタイト、バーミキュライト鉱物、合成雲母、合成ヘクトライト、合成サポナイト、合成テニオライトが更に好ましい。これらは、特に処理を行うことなくそのまま使用してもよいし、ボールミル、篩い分け等の処理を行った後に使用してもよい。また、単独で使用しても、2種以上を混合して使用してもよい。
【0097】
上記の無機珪酸塩は、必要に応じ、塩類処理および/または酸処理により、固体の酸強度を変えることが出来る。また、塩類処理においては、イオン複合体、分子複合体、有機誘導体などを形成することにより、表面積や層間距離を変えることが出来る。すなわち、イオン交換性を利用し、層間の交換性イオンを別の大きな嵩高いイオンと置換することにより、層間が拡大した状態の層状物質を得ることが出来る。
【0098】
(E)成分は、未処理のまま使用してもよいが、含有される交換可能な金属陽イオンを次に示す塩類および/または酸より解離した陽イオンとイオン交換することが好ましい。
【0099】
イオン交換に使用する塩類は、1〜14族原子から成る群より選ばれた少なくとも1種の原子を含む陽イオンを含有する化合物であり、好ましくは、1〜14族原子から成る群より選ばれた少なくとも1種の原子を含む陽イオンと、ハロゲン原子、無機酸および有機酸から成る群より選ばれた少なくとも1種の原子もしくは原子団より誘導される陰イオンとから成る化合物であり、更に好ましくは、2〜14族原子から成る群より選ばれた少なくとも1種の原子を含む陽イオンと、Cl、Br、I、F、PO、SO、NO、CO、C、ClO、ClO、OOCCH、CHCOCHCOCH、OCl、O(NO、O(ClO、O(SO)、OH、OCl、OCl、OOCH、OOCCHCH、C、Cから成る群より選ばれた少なくとも1種のものの陰イオンとからなる化合物である。また、これら塩類は2種以上を同時に使用してもよい。
【0100】
上記のイオン交換に使用する酸は、好ましくは、塩酸、硫酸、硝酸、酢酸、シュウ酸から選択され、これらは、2種以上を同時に使用してもよい。塩類処理と酸処理を組み合わせる方法としては、塩類処理を行った後に酸処理を行う方法、酸処理を行った後に塩類処理を行う方法、塩類処理と酸処理を同時に行う方法、塩類処理を行った後に塩類処理と酸処理を同時に行う方法などがある。なお、酸処理は、イオン交換や表面の不純物を取り除く効果の他、結晶構造のAl、Fe、Mg、Li等の陽イオンの一部を溶出させる効果がある。
【0101】
塩類および酸による処理条件は特に制限されない。しかしながら、通常、塩類および酸濃度は0.1〜30重量%、処理温度は室温から使用溶媒の沸点までの温度範囲、処理時間は5分から24時間の条件を選択し、被処理化合物の少なくとも一部を溶出する条件で行うことが好ましい。また、塩類および酸は一般的には水溶液で使用される。
【0102】
上記の塩類処理および/または酸処理を行う場合、処理前、処理間、処理後に粉砕や造粒などで形状制御を行ってもよい。また、アルカリ処理、有機化合物処理、有機金属処理などの他の化学処理を併用してもよい。この様にして得られる(E)成分としては、水銀圧入法で測定した半径20Å以上の細孔容積が0.1cc/g以上、特には0.3〜5cc/gであることが好ましい。斯かる(E)成分は、水溶液中で処理した場合、吸着水および層間水を含む。ここで、吸着水とは、イオン交換性層状化合物または無機珪酸塩の表面あるいは結晶破面に吸着された水であり、層間水とは、結晶の層間に存在する水である。
【0103】
(E)成分は、上記の様な吸着水および層間水を除去してから使用することが好ましい。脱水方法は、特に制限されないが、加熱脱水、気体流通下の加熱脱水、減圧下の加熱脱水および有機溶媒との共沸脱水などの方法が使用される。加熱温度は、吸着水および層間水が残存しない様な温度範囲とされ、通常100℃以上、好ましくは150℃以上とされるが、構造破壊を生じる様な高温条件は好ましくない。加熱時間は、0.5時間以上、好ましくは1時間以上である。その際、脱水乾燥した後の(E)成分の重量減量は、温度200℃、圧力1mmHgの条件下で2時間吸引した場合の値として3重量%以下であることが好ましい。本発明においては、重量減量が3重量%以下に調整された(E)成分を使用する場合、(A)成分及び(D)成分と接触する際にも、同様の重量減量の状態が保持される様に取り扱うことが好ましい。
【0104】
次に、メタロセン担持型触媒IおよびIIの製造方法について説明する。
【0105】
メタロセン担持型触媒Iは、(C)成分に、(A)成分と(B)成分、および所望により使用する(D)成分を加えることによって得られる。(A)成分と(B)成分を(C)成分に加える順序は任意に変えることができる。例えば、適当な炭化水素溶媒に溶解させた(A)成分を最初に(C)成分に加え、その後で(B)成分を加えることができる。また、(B)成分と(A)成分を予め反応させたものを同時に(C)成分に加えることができる。そして、(B)成分を最初に(C)成分に加え、その後で(A)成分を加えることもできる。反応の際の温度は、通常−20ないし200℃、好ましくは0ないし120℃であり、反応に要する時間は、通常0.1分以上、好ましくは1分ないし200分の範囲である。また、上記のようにして得られたメタロセン担持型触媒Iは、必要により少量のオレフィンで予備重合したのち使用することができる。
【0106】
予備重合に用いるオレフィンとしては、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、3−メチル−1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン等が挙げられ、これら2種以上のオレフィンの混合物であってもよい。
【0107】
本発明のオレフィン重合体の製造に好適に用いられるメタロセン担持型触媒Iとしては、下記の(a)工程〜(c)工程を順次実施して調製されるメタロセン担持型触媒もしくは下記(a)工程〜(d)工程を順次実施して得られる予備活性化メタロセン担持型触媒を挙げることができる。
(a)メタロセン化合物(A)とアルミノキサンとを不活性溶媒中で反応させてメタロセン触媒を得る工程、
(b)上記(a)工程で得たメタロセン触媒と無機微粒子担体とを、不活性溶媒の存在下、85〜150℃の温度で接触させてメタロセン触媒を無機微粒子担体に担持させ、粗製メタロセン担持型触媒を得る工程、
(c)上記(b)工程で得た粗製メタロセン担持型触媒を含むスラリーを−50〜50℃の温度で脂肪族炭化水素を用いて少なくとも2回洗浄して精製したメタロセン担持型触媒を得る工程、
(d)上記(c)工程で得たメタロセン担持型触媒とオレフィンとを接触させてオレフィンを予備重合させ、該メタロセン担持型触媒1kg当たり0.01〜500kgのオレフィン予備重合体をさらに該メタロセン担持型触媒に担持させて予備活性化メタロセン担持型触媒を得る工程。
【0108】
上記(a)工程においては、前記メタロセン化合物(A)1モルに対してアルミニウム原子として10〜1,000モル、好ましくは20〜500モルのアルミノキサンを、不活性溶媒中において−50〜100℃、好ましくは0〜50℃の温度条件下に、1分〜10時間、好ましくは3分〜5時間反応させて、メタロセン触媒を生成させる。
【0109】
不活性溶媒の使用は、反応を均一かつ効率的に進める上で好ましい。該不活性溶媒の使用量には特に制限はないが、通常、メタロセン化合物(A)1モルに対して、10〜10,000リットル、好ましくは10〜1,000リットル程度である。
【0110】
使用できる不活性溶媒としては、たとえば、ベンゼン、トルエン、キシレン、クメン等の芳香族炭化水素、ブタン、テトラメチルブタン、ペンタン、エチルペンタン、トリメチルペンタン、ヘキサン、メチルヘキサン、エチルヘキサン、ジメチルヘキサン、ヘプタン、メチルヘプタン、オクタン、ノナン、デカン、ヘキサデカン、オクタデカン等の脂肪族炭化水素、シクロペンタン、メチルシクロペンタン、シクロヘキサン、シクロオクタン等の脂環族炭化水素、上記芳香族炭化水素、脂肪族炭化水素、脂環族炭化水素をハロゲンで置換したハロゲン化炭化水素およびそれらの混合溶媒が挙げられる。また、エチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル類も上記不活性溶媒として使用することができる。
【0111】
好ましい不活性溶媒は芳香族炭化水素である。また、市販のアルミノキサン溶液の溶媒をそのまま、もしくはそれにさらにその他の芳香族炭化水素などを追加して反応に使用することもできる。
【0112】
上記(a)工程に続く(b)工程において、(a)工程で得られたメタロセン触媒と無機微粒子担体とを、(a)工程において反応溶媒として使用した不活性溶媒の存在下に85〜150℃の温度で接触させることにより、前記メタロセン触媒が無機微粒子担体上に担持された固体生成物としての粗製メタロセン担持型触媒が得られる。この接触反応においては、必要に応じて不活性溶媒を追加使用することができる。
【0113】
粗製メタロセン担持型触媒中の、メタロセン触媒と、無機微粒子担体との比率は、メタロセン触媒としてのメタロセン化合物(A)とアルミノキサンとの反応生成物に含まれるメタロセン化合物(A)由来の遷移金属原子1モルに対して、無機微粒子状担体が1〜1,000kg、好ましくは5〜500kgの割合である。(b)工程で使用する不活性溶媒の使用量は、メタロセン触媒としてのメタロセン化合物(A)とアルミノキサンとの反応生成物に含まれるメタロセン化合物(A)由来の遷移金属原子1モルに対して、10〜10,000リットル、好ましくは10〜1,000リットルの割合である。
【0114】
該メタロセン触媒と該無機微粒子担体との接触は、85〜150℃、好ましくは90〜130℃、特に好ましくは95〜120℃の温度条件下に、5分間〜100時間、好ましくは10分間〜50時間行われる。特に温度条件は重要な因子であり、上記温度範囲内で接触させることにより、得られるメタロセン担持型触媒は高い重合活性を有し、この触媒をオレフィン重合に使用すると、得られるオレフィン重合体は高い嵩比重と良好な粒子性状を有する重合体になる。
【0115】
続く(c)工程においては、(b)工程で得られた不活性溶媒を含む粗製メタロセン担持型触媒を、−50〜50℃の温度で脂肪族炭化水素を用いて少なくとも2回洗浄することにより、精製されたメタロセン担持型触媒を得る。
【0116】
洗浄に用いる脂肪族炭化水素としては、前記不活性溶媒として例示した脂肪族炭化水素およびそれらの混合液が挙げられる。好ましくは、n−ヘキサン、イソペンタンまたはそれらの混合物である。
【0117】
(c)工程での洗浄方法として、たとえば、(b)工程の終了後、不活性溶媒と粗製メタロセン担持型触媒とからなるスラリーから不活性溶媒を、濾過、遠心分離またはデカンテーション等により分離したのち、脂肪族炭化水素を用いて該粗製メタロセン担持型触媒を洗浄する方法を採用することができる。また、(b)工程の終了後、不活性溶媒と粗製メタロセン触媒とからなるスラリーから不活性溶媒を分離することなく脂肪族炭化水素を添加し、不活性溶媒および脂肪族炭化水素の混合溶媒を上記と同様の手段で分離したのち、脂肪族炭化水素を用いて粗製メタロセン担持型触媒を洗浄する方法を採用することもできる。(c)工程で行う洗浄方法としては、後者の方法がより好ましい。
【0118】
該洗浄は、1回の洗浄につき、(b)工程で使用した無機微粒子担体1kgに対し、脂肪族炭化水素1〜500リットル、好ましくは10〜100リットルを使用して、−50〜50℃、好ましくは−30〜40℃、特に好ましくは−30〜30℃の温度条件下に、洗浄後の脂肪族炭化水素中にメタロセン触媒が溶出しなくなるまで繰り返し行なわれる。少なくとも2回、通常は4回以上洗浄すれば充分であるが、これに限定されない。
【0119】
洗浄温度条件は重要な因子であり、上記温度範囲内で洗浄することにより、得られるメタロセン担持型触媒は高い重合活性を有し、この触媒を用いてオレフィン重合を行うと、得られるオレフィン重合体は特に高い嵩比重と良好な粒子性状を有する。
【0120】
本発明で用いることのできる予備活性化メタロセン担持型触媒は、(d)工程で、前記(c)工程で得られたメタロセン担持型触媒とオレフィンとを接触させてオレフィンを予備重合させ、メタロセン担持型触媒1kg当たり0.01〜500kgのオレフィン予備重合体をメタロセン担持型触媒に担持させて得られる。
【0121】
予備活性化メタロセン担持型触媒に担持されるオレフィン予備重合体としては、炭素数2〜20のオレフィン、たとえば、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、2−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン等の単独重合体およびそれらの2種以上の組み合わせからなる共重合体が挙げられ、特にエチレン単独重合体、プロピレン単独重合体、エチレンを主体とするエチレンとエチレン以外のオレフィンとのエチレン/オレフィン共重合体、もしくはプロピレンを主体とするプロピレンとプロピレン以外のオレフィンとのプロピレン/オレフィン共重合体が好適である。また、これらのオレフィン予備重合体は135℃のデカリン中で測定した固有粘度[η]が0.1〜10dl/g、好ましくは0.2〜7dl/gの範囲である。但し、溶融張力が高いオレフィン重合体を得るためには、オレフィン予備重合体の135℃のデカリン中で測定した固有粘度[η]は、10dl/gより大きく100dl/g以下の範囲、より好ましくは15〜80dl/gの範囲、特に好ましくは20〜50dl/gの範囲である。
【0122】
好ましいオレフィンの予備重合方法は、(c)工程で得られたメタロセン担持型触媒を脂肪族炭化水素に分散したスラリー中に、予備重合するオレフィンを導入し、該オレフィンをメタロセン担持型触媒と接触させることにより予備重合させる方法である。メタロセン担持型触媒を脂肪族炭化水素に分散したスラリーとしては、(c)工程の最終段階の洗浄で得られた該触媒を、該脂肪族炭化水素から分離することなく使用してもよく、また、分離後、それを改めて同様の脂肪族炭化水素に再分散して使用してもよい。
【0123】
該オレフィンの予備重合は、重合させるオレフィン自身を溶媒とした液相中や溶媒を使用せずに気相中で行うことも可能であるが、少量のオレフィンの重合を制御し、かつ予備重合を均一に進めるためには脂肪族炭化水素の存在下で実施することが好ましい。
【0124】
脂肪族炭化水素中で行うオレフィンの予備重合は、メタロセン担持型触媒1kgに対して、脂肪族炭化水素0.005〜5m、好ましくは0.01〜1mからなるスラリー中に、オレフィンを0.01〜1,000kg、好ましくは0.1〜500kg導入して、−50〜100℃、好ましくは0〜50℃の温度条件下に、1分間〜50時間、好ましくは3分間〜20時間、オレフィンを接触させることによって行う。
【0125】
上記のオレフィンの予備重合において、メタロセン担持型触媒にはメタロセン化合物(A)と、活性化化合物(B)として好適にはアルミノキサンとの反応生成物が担持されているので、新たにトリアルキルアルミニウム等の有機アルミニウム化合物やアルミノキサンに代表される助触媒を添加する必要は特にないが、所望により添加することもできる。これらの助触媒の添加量は、該メタロセン担持型触媒中のメタロセン化合物(A)由来の遷移金属原子1モル当たり、アルミニウム原子として1,000モル以下、好ましくは500モル以下の範囲に留めるのが好ましい。
【0126】
本発明においては、上記オレフィンの予備重合を水素の存在下に行い、生成するオレフィン予備重合体の重量平均分子量(Mw)を100,000〜500,000g/モルの範囲となるように制御することが、粒子性状に優れたオレフィン重合体を製造するために望ましい。
【0127】
また、本発明のオレフィン重合体の製造に好適に用いられるメタロセン担持型触媒Iの製造方法として、上記の方法に加えて、予め、アルミノキサンと無機微粒子状担体とを反応させた後、引き続き、メタロセン化合物(A)と反応させる方法も例示できる。この方法で得られた触媒を使用すれば、粒子性状が非常に優れたオレフィン重合体を製造することができる。
【0128】
本発明で用いることのできるメタロセン担持型触媒IIは、(A)、(E)及び(D)成分とを接触させることにより調製される。接触方法は、特に限定されないが、次の様な方法を例示することができる。
(1)(A)と(E)成分を接触させる。
(2)(A)と(E)成分を接触させた後に(D)成分を添加する。
(3)(A)と(D)成分を接触させた後に(E)成分を添加する。
(4)(E)と(D)成分を接触させた後に(A)成分を添加する。
(5)(A)、(E)、(D)成分を同時に接触させる。
【0129】
なお、この接触は、触媒調製時だけでなく、オレフィンの予備重合時またはオレフィンの重合時に行ってもよい。また、上記の各成分の接触の際もしくは接触の後に、ポリエチレン、ポリプロピレン等の重合体、シリカ、アルミナ等の無機酸化物の固体を、各成分と共存させるか、または、各成分に接触させてもよい。上記の各成分の接触は、窒素などの不活性ガス中、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、トルエン、キシレン等の不活性炭化水素溶媒中で行ってもよい。接触は、−20℃を下限とし、溶媒の沸点を上限とする温度範囲で行い、特に室温を下限とし、溶媒の沸点を上限とする温度範囲で行うのが好ましい。
【0130】
上記の各成分の使用量は次の通りである。すなわち、(E)成分の1g当たり、(A)成分は、通常10−4〜10ミリモル、好ましくは10−3〜5ミリモルであり、(D)成分は、通常0.01〜10ミリモル、好ましくは0.1〜100ミリモルである。また、(A)成分中の遷移金属と(D)成分中のアルミニウムの原子比は、通常1:0.01〜10、好ましくは1:0.1〜10である。この様にして調製された触媒は、調製後に洗浄せずに使用してもよく、また、洗浄した後に使用してもよい。
【0131】
また、必要に応じて(D)成分を追加使用してもよい。すなわち、(A)成分及び/又は(E)成分と(D)成分とを使用して触媒調製を行った場合は、この触媒調製とは別途に更に(D)成分を反応系に追加添加してもよい。この際、使用される(D)成分の量は、(A)成分中のメタロセン化合物(a)由来の遷移金属原子に対する(D)成分中のアルミニウム原子の原子比として、通常1:0〜10、好ましくは1:1〜10となる様に選ばれる。
【0132】
上記のようにして得られたメタロセン担持型触媒IIも、前記メタロセン担持型触媒Iと同様、オレフィンを予備重合して該担持型触媒にオレフィン予備重合体を更に担持したのち、これを本発明のオレフィン重合体の製造に用いることもできる。
【0133】
上記で得られたメタロセン担持型触媒IもしくはIIは、更に、有機アルミニウム化合物((D’)成分)と組み合わせて得られるオレフィン重合用触媒として、本発明のオレフィン重合体の製造に好適に使用できる。
【0134】
オレフィン重合体の製造において、メタロセン担持型触媒IもしくはIIと組み合わせて用いられる(D’)成分は、前記メタロセン担持型触媒IもしくはIIの製造に用いられる有機アルミニウム化合物として前述したものから選ばれるが、前記メタロセン担持型触媒IもしくはIIの製造に用いられる有機アルミニウム化合物と同じものであってもよいし、別の有機アルミニウム化合物であってもよい。
【0135】
該オレフィン重合体の製造に使用される(D’)成分の量は、メタロセン担持型触媒もしくは予備活性化メタロセン担持型触媒中のメタロセン化合物(a)由来の遷移金属原子1モルに対し、(D’)成分中のAl原子として1〜5,000モル、好ましくは5〜3,000モル、特に好ましくは10〜1,000モルの割合である。
【0136】
メタロセン担持型触媒もしくは予備活性化メタロセン担持型触媒の使用量は、重合容積1リットルあたり、該触媒中のメタロセン化合物(a)由来の遷移金属原子に換算して、1×10−10〜1×10−3モル、好ましくは1×10−9〜1×10−4モルである。触媒の使用量を上記範囲とすることにより、オレフィンの効率的かつ制御された重合反応速度を維持することができる。
【0137】
なお、「重合容積」という用語は、液相重合の場合は重合器内の重合器内の液相部分の容積を、気相重合の場合は重合器内の気相部分の容積を意味する。
【0138】
本発明のオレフィン重合体の製造方法は、本発明のメタロセン化合物を含む、上記で説明した(1)〜(3)のいずれかに記載のオレフィン重合用触媒を用いる、オレフィン重合体の製造方法である。
【0139】
本発明のオレフィン重合体の製造方法が適用されるプロセスとしては、公知のオレフィン重合プロセスが使用可能であり、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、イソオクタン等の脂肪族炭化水素、シクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の脂環族炭化水素、トルエン、キシレン、エチルベンゼン等の芳香族炭化水素、ガソリン留分や水素化ジーゼル油留分等の不活性溶媒中でオレフィン類を重合させるスラリー重合法を採用することができる。また、オレフィン類自身を溶媒として用いるバルク重合法、オレフィン類の重合を気相中で実施する気相重合法を採用することもできる。そして、これらのプロセスの2種以上を組み合わせた重合プロセスを採用することもできる。この重合プロセスの組み合わせとしては、第1段目をバルク重合法で行い、引き続く第2段目を気相重合法で行う組み合わせが最も好ましい。また、溶液重合法を用いることも可能である。
【0140】
本発明のオレフィン重合体の製造方法は、重合温度として−50〜150℃、好ましくは20〜120℃、さらに好ましくは40〜100℃、重合圧力として大気圧〜9.9MPa(ゲ−ジ圧)、好ましくは0.4〜5.0MPa(ゲ−ジ圧)の各条件が採用できる。また、必要に応じて水素のような連鎖移動剤を導入して、得られるオレフィン重合体の分子量を調節しても良い。
【0141】
重合反応終了後、重合系から未反応単量体及び水素を分離し、触媒失活処理等を行って、オレフィン重合体を得る。
【0142】
本発明のオレフィン重合体は、以上に説明したオレフィン重合体の製造方法によって製造される。
【0143】
本発明において、「オレフィン」とは、炭素数2〜20のオレフィンを指し、具体的には、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−ヘキサデセン、4−メチル−1−ペンテン、スチレン、ビニルシクロヘキサン、ジエン、トリエン、環状オレフィンなどが挙げられる。本発明において、「プロピレン以外のオレフィン」とは、炭素数2〜20のオレフィンを指し、具体的には、エチレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−ヘキサデセン、4−メチル−1−ペンテン等、更にこれらの2種以上の混合物を意味する。本発明において、最も好ましく用いられるプロピレン以外のオレフィンは、エチレン、1−ブテン、もしくは、エチレンと1−ブテンの混合物である。
【0144】
本発明において、「オレフィン重合体」とは、炭素数2〜20のオレフィンから選ばれた1つのオレフィンからなる単独重合体、もしくは、2つ以上のオレフィンからなる共重合体を言う。
【0145】
また、本発明において、「オレフィン重合体」は、構成単位として、スチレン、ビニルシクロヘキサン、ジエン、トリエンなどを、重合体を構成する構成単位のモル基準で、30モル%以下の範囲で含んでいてもよい。
【0146】
本発明のオレフィン重合体は、プロピレン単位とプロピレン以外のオレフィン単位を構成単位として含むプロピレン/オレフィン共重合体であるとき、該共重合体中のプロピレン以外のオレフィン単位の含有量は、共重合体を構成する構成単位のモル基準で、好ましくは0.1〜80モル%、さらに好ましくは0.5〜50モル%、特に好ましくは1〜30モル%である。共重合体中のプロピレン以外のオレフィン単位の含有量は、13C−NMRにより測定して求めることができる。
【0147】
本発明の製造方法で得られるオレフィン重合体が、プロピレン単位とプロピレン以外のオレフィン単位を構成単位として含むプロピレン/オレフィン共重合体である場合には、ランダム共重合体、ブロック共重合体、もしくは、ランダムブロック共重合体のいずれであっても良い。
【0148】
本発明のオレフィン重合体が、ブロック共重合体である場合には、本発明のメタロセン化合物を含むオレフィン重合用触媒を用いて、第1段目の工程で、プロピレン単独重合体(I)(以降、「Aセグメント」と言う場合がある。)を製造し、第2段目の工程で、プロピレン単位の含有量が、共重合体(II)を構成する構成単位のモル基準で、10〜90モル%、好ましくは、20〜80モル%である、プロピレン単位とプロピレン以外のオレフィン単位を構成単位として含むプロピレン/オレフィン・ランダム共重合体(II)(以降、「Bセグメント」と言う場合がある。)を製造することによって、好適に得ることができる。ブロック共重合体の重量基準で、Aセグメントの含有量が10〜95重量%、Bセグメントの含有量が90〜5重量%であるのが好ましい。このようにして得られる重合体は、プロピレン//プロピレン/オレフィン・ブロック共重合体と表示することができる。
【0149】
また、本発明のオレフィン重合体が、ランダムブロック共重合体である場合には、本発明のメタロセン化合物を含むオレフィン重合用触媒を用いて、第1段目の工程で、プロピレン以外のオレフィン単位の含有量が、共重合体(I)を構成する構成単位のモル基準で、0.1〜30モル%、好ましくは、0.3〜20モル%、更に好ましくは、0.5〜10モル%である、プロピレン単位とプロピレン以外のオレフィン単位を構成単位として含むプロピレン/オレフィン・ランダム共重合体(I)(以降、「Aセグメント」という場合がある。)を製造し、第2段目の工程で、プロピレン単位の含有量が、共重合体(II)を構成する構成単位のモル基準で、10〜90モル%、好ましくは、20〜80モル%である、プロピレン単位とプロピレン以外のオレフィン単位を構成単位として含むプロピレン/オレフィン・ランダム共重合体(II)(以降、「Bセグメント」という場合がある。)を製造することによって、好適に得ることができる。ランダムブロック共重合体の重量基準で、Aセグメントの含有量が10〜95重量%、Bセグメントの含有量が90〜5重量%であるのが好ましい。このようにして得られる重合体は、プロピレン/オレフィン//プロピレン/オレフィン・ランダムブロック共重合体と表記することができる。
【0150】
尚、上記プロピレン//プロピレン/オレフィン・ブロック共重合体、および、プロピレン/オレフィン//プロピレン/オレフィン・ランダムブロック共重合体において、Bセグメントとしての、プロピレン/オレフィン・ランダム共重合体(II)のメルトフローレート(MFR)は、耐衝撃性、透明性、もしくは、柔軟性に優れた成形品を得るために、300g/10分以下であるのが好ましく、更に好ましくは、100g/10分以下、また更に好ましくは、10g/10分以下、尚好ましくは1g/10分以下、特に好ましくは、0.1g/10分以下、最も好ましくは、0.01g/10分以下である。尚、本発明で言う「メルトフローレート(MFR)」は、JIS K7210に準拠して、荷重21.18N、温度230℃で測定した値(単位:g/10分)である。
【0151】
上記プロピレン//プロピレン/オレフィン・ブロック共重合体、および、プロピレン/オレフィン//プロピレン/オレフィン・ランダムブロック共重合体において、そのBセグメントのMFR(以降、「MFR」という場合がある。)は、これら共重合体のMFR(以降、「MFR」という場合がある。)、共重合体中のAセグメントの含有量(以降、「W」という場合がある。単位:重量%)、共重合体中のAセグメントのMFR(以降、「MFR」という場合がある。)、および、共重合体中のBセグメントの含有量(以降、「W」という場合がある。単位:重量%)を用いて、次式によって算出することができる。
log(MFR)=(100/W)×{log(MFR)−(W/100)×log(MFR)}
【0152】
本発明において、ブロック共重合体、もしくは、ランダムブロック共重合体は、本発明のメタロセン化合物を含むオレフィン重合用触媒を用いて、まず、第1段目の工程を温度が30〜100℃、好ましくは50〜80℃、圧力が0.3〜5MPa、好ましくは1〜4MPa、時間が0.5〜10時間、好ましくは1〜5時間の条件で行う。引き続き、第2段目以降の工程で、温度30〜100℃、好ましくは50〜80℃、圧力が0.3〜5MPa、好ましくは1〜4MPa、時間が0.5〜10時間、好ましくは1〜5時間で行う。これら第1段目の工程、第2段目の工程のそれぞれにおいて、連鎖移動剤として水素を用いることにより、それぞれの工程で得られる重合体のMFRを所望の範囲に調節することができる。第1段目および第2段目の工程は、それぞれ複数のステップを含んでいても良いが、共に、単一のステップで構成されるのが好ましい。
【0153】
本発明のオレフィン重合体は、その融点が、好ましくは80〜165℃、更に好ましくは85〜165℃、特に好ましくは140〜165℃、最も好ましくは158〜165℃の範囲である。融点は、オレフィン重合体の立体規則性を知る指標として用いることができる。
【0154】
また、本発明のオレフィン重合体が、プロピレン単位とプロピレン以外のオレフィン単位を構成単位として含む共重合体であり、特に、プロピレン/エチレン・ランダム共重合体、もしくは、少量の1−ブテンを含むプロピレン/エチレン/1−ブテン・ランダム共重合体である場合には、該共重合体中のプロピレン単位の含有量(P:モル%)と、該共重合体の融点(Tm:℃)との間に、好適には、下記式の関係を充足する。
170>Tm≧145−5.5(100−P)
また、さらに好適には、下記式の関係を充足する。
170>Tm≧147−5.5(100−P)
当該式は、共重合体中のオレフィン単位の含有量が高いときでさえ、高い融点を示すことができるという特性を表す。
【0155】
本発明のオレフィン重合体は、その重量平均分子量(Mw)が、好ましくは1×10〜2.0×10g/モル、更に好ましくは1×10〜2.0×10g/モルの範囲である。また、その重量平均分子量(Mw)の数平均分子量(Mn)に対する比(Mw/Mn)が、好ましくは1.5〜3.8、更に好ましくは1.5〜3.5、より好ましくは1.8〜3.0、最も好ましくは1.8〜2.8の範囲である。
【0156】
また、本発明のオレフィン重合体は、そのMFRが、好ましくは0.001〜300g/10分、さらに好ましくは0.01〜250の範囲である。但し、加工性の点では、0.5〜100g/10分の範囲であるものが好ましい。
【0157】
本発明のオレフィン重合体は、その固有粘度[η]が、好ましくは0.5〜12dl/g、さらに好ましくは0.5〜5dl/gの範囲であることが可能であると考えられる。固有粘度〔η〕は、自動粘度測定装置(三井東圧(株)製「AVS2型」)を使用し、溶媒としてテトラリンを用いて135℃の温度条件で測定して得ることができる。
【0158】
オレフィン重合体の立体規則性を表す別の指標として、アイソタクチックペンタッド分率(I)があるが、本発明で得られるオレフィン重合体は、その値が、好ましくは0.400〜0.990、より好ましくは0.800〜0.990、さらに好ましくは0.850〜0.990、特に好ましくは0.920〜0.990であることが可能であると考えられる。
【0159】
また、同じくオレフィン重合体の立体規則性を表す指標としてアイソタクチックトリアッド分率(I)があるが、本発明で得られるオレフィン重合体は、その値が、好ましくは、0.50〜0.999、より好ましくは、0.85〜0.999、さらに好ましくは、0.87〜0.999、特に好ましくは、0.94〜0.999であることが可能であると考えられる。
【0160】
本発明のオレフィン重合体を構成しているオレフィン単位の総モル数に対する、オレフィンの2,1−挿入反応に起因するオレフィン単位のモル数の占める割合、および、オレフィンの1,3−挿入反応に起因するプロピレン単位のモル数の占める割合について、特に限定はないが、それぞれ独立して、5モル%以下、好ましくは3モル%より小さい範囲であることが可能であると考えられる。
【0161】
本発明のオレフィン重合体のアイソタクチックペンタッド分率(I)、及び、アイソタクチックトリアッド分率(I)、さらに、オレフィン重合体を構成しているオレフィン単位の総モル数に対し、オレフィンの2,1−挿入反応に起因するオレフィン単位のモル数およびオレフィンの1,3−挿入反応に起因するオレフィン単位のモル数の占める割合は、次のような方法に従って測定した13C核磁気共鳴スペクトルの測定結果に基づき求められる。
【0162】
すなわち、o−ジクロロベンゼン/臭化ベンゼン=8/2重量比の混合溶液に、試験体(オレフィン重合体)を、その混合溶液中での濃度が20重量%となるように溶解する。この試験液について、測定波長が67.20MHz,測定温度が130℃で、13C核磁気共鳴スペクトルを測定する。測定装置としては、例えば日本電子(株)社製「JEOL−GX270NMR」を用いることができる。
【0163】
「アイソタクチックペンタッド分率(I)」及び「アイソタクチックトリアッド分率(I)」は、オレフィン単独重合体の場合には、エイ・ザンベリ(A.Zambelli)等,「マクロモレキュールズ(Macromolecules)」,6,925−926(1973)で提案された13C核磁気共鳴スペクトルにより測定し求められる、重合体の立体規則性を示す指標である。本13C核磁気共鳴スペクトルの測定におけるピークの帰属決定法は エイ・ザンベリ(A.Zambelli)等,「マクロモレキュールズ(Macromolecules)」,8,687(1975) で提案された帰属に従った。また、共重合体のアイソタクチックトリアッド分率(I)は、特開平7−149833号公報、特開平8−283343号公報に提案された方法に基づいて算出した。
【0164】
アイソタクチックペンタッド分率(I)とは、オレフィン重合体を構成しているオレフィン単位の総数に対し、5個連続してメソ結合をしているオレフィン単位の占める割合を表し、アイソタクチックトリアッド分率(I)は、オレフィン重合体分子鎖中のオレフィン単位の総数に対して、3個連続してメソ結合をしているオレフィン単位の割合を表す。従ってアイソタクチックペンタッド分率(I)、アイソタクチックトリアッド分率(I)が高いほどアイソタクチック性が高いことを示す。このうち、アイソタクチックペンタッド分率(I)は、特に、単独重合体のアイソタクチック性の指標に用いられ、アイソタクチックトリアッド分率(I)は、単独重合体もしくは共重合体のアイソタクチック性の指標として用いられる。
【0165】
上記の、オレフィン重合体を構成しているオレフィン単位の総モル数に対する、オレフィンの2,1−挿入反応に起因するオレフィン単位のモル数およびオレフィンの1,3−挿入反応に起因するオレフィン単位のモル数のそれそれが占める割合とは、筒井(T.Tsutsui)等,「ポリマー(Polymer)」,30,1350−1356(1989) に発表された方法に基づき13C核磁気共鳴スペクトルにより測定し求められる、オレフィン重合体の立体規則性を示す指標である。
【0166】
本発明のオレフィン重合体は、必要に応じて酸化防止剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、造核剤、滑剤、難燃剤、アンチブロッキング剤、着色剤、無機質または有機質の充填剤等の各種添加剤、更には種々の合成樹脂を配合した後、通常、溶融混練機を用いて190〜350℃の温度で20秒〜30分間程度加熱溶融混練し、必要に応じてストランド状に押し出した後に、更に細断して粒状体、すなわちペレットの形態で各種成形品の製造に供される。例えば、フィルム、シート、繊維、射出成形品、ブロー成形品、容器、延伸糸、不織布、発泡体などに好適に用いることができるとともに、シーラントとしても好適に用いることができる。本発明により得られるオレフィン重合体から製造される成形品は、剛性、耐熱性、表面硬度、耐スクラッチ性、衝撃吸収性、透明性、ヒートシール性、耐ブロッキング性などに優れている。
【0167】
【実施例】
以下に、本発明を実施例および比較例によりさらに詳細に説明するが、本発明は、これらに限定されるものではない。実施例および比較例において使用する用語の定義および測定方法は以下の通りである。
(1)メルトフローレート(MFR)(単位:g/10分):JIS K7210に準拠して、表1の条件14(荷重21.18N、温度230℃)で測定した。
(2)重量平均分子量(Mw)およびその数平均分子量(Mn)に対する比(Mw/Mn):ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法で、カラムとして、東ソー(株)社製「PSKgel GMH6−HT」を使用し、測定装置として、ウォーターズ社製「GPC−150C」を用いて、試験体(オレフィン重合体)を、o−ジクロロベンゼンに、その濃度が0.05wt%となるように溶解し、得られた溶液を温度135℃で測定して求めた。
(3)融点(単位:℃):パーキン・エルマー社製「DSC7型示差走査熱量分析計」を用いて測定した。まず、試験体であるオレフィン重合体を、室温から30℃/分の速度で230℃まで昇温し、同温度にて10分間保持したのち、−20℃/分の速度で−20℃まで降温し、同温度にて10分間保持する。その後、あらためて、20℃/分の速度で昇温していく際に、融解のピークを示す温度を融点とした。
【0168】
実施例1
〔ジメチルシリレン(2−メチル−4−フェニル−インデニル)(2−フェニル−4−フェニル−インデニル)ジルコニウムジクロライドの合成〕
▲1▼ジメチル(2−メチル−4−フェニル−インデニル)(2−フェニル−4−フェニル−インデニル)シランの合成
500mlのガラス製反応容器に、2−メチル−4−フェニルインデン 11.1g(54mmol)、THF100mlを加え、ドライアイス−メタノール浴で−70℃まで冷却した。ここに1.56mol/Lのn−ブチルリチウム−ヘキサン溶液35ml(55mmol)を滴下した。滴下後、徐々に室温まで戻しながら一晩攪拌し2−メチル−4−フェニルインデンのリチウム塩溶液を調製した。
別の500mlのガラス製反応容器にジメチルジクロロシラン14ml(115mmol)、THF100mlを加え、ドライアイス−メタノール浴で−70℃まで冷却し、ここに先に調製した2−メチル−4−フェニルインデンのリチウム塩溶液をゆっくり滴下した。滴下後、徐々に室温まで戻しながら一晩攪拌した。その後、減圧で溶媒と過剰のジメチルジクロロシランを留去し、THF100mlを加え、クロロシラン溶液を調製した。
別の500mlのガラス製反応容器に2,4−ジフェニルインデン 14.5g(56.9mmol)、THF100mlを加え、ドライアイス−メタノール浴で−70℃まで冷却した。ここに1.56mol/Lのn−ブチルリチウム−ヘキサン溶液35ml(55mmol)を滴下した。滴下後、徐々に室温まで戻しながら4時間攪拌した。再びドライアイス−メタノール浴で−70℃まで冷却し、1−メチルイミダゾール0.23ml(2.9mmol)を加え、先に調製したクロロシラン溶液を滴下した。滴下後、徐々に室温に戻しながら一晩攪拌した。反応液に蒸留水を加え、分液ロートに移し食塩水で中性になるまで洗浄した。無水硫酸ナトリウムを加え一晩乾燥させた。無水硫酸ナトリウムをろ過し、溶媒を減圧留去して、シリカゲルカラムで精製することによりジメチル(2−メチル−4−フェニルインデニル)(2−フェニル−4−フェニル−インデニル)シランの淡黄色固体24g(収率82%)を得た。
【0169】
▲2▼ジメチルシリレン(2−メチル−4−フェニルインデニル)(2−フェニル−4−フェニル−インデニル)ジルコニウムジクロライドの合成
500mlのガラス製反応容器にジメチル(2−メチル−4−フェニル−インデニル)(2−フェニル−4−フェニル−インデニル)シラン 12.6g(24mmol)、ジエチルエーテル200mlを加え、ドライアイス−メタノール浴で−70℃まで冷却した。ここに1.56mol/Lのn−ブチルリチウム−ヘキサン溶液31ml(48mmol)を滴下した。滴下後、徐々に室温に戻しながら一晩攪拌した。反応液の溶媒を20ml程度まで減圧濃縮し、トルエン400mlを加え、ドライアイス−メタノール浴で−70℃まで冷却した。そこに、四塩化ジルコニウム5.6g(24mmol)を加えた。その後、徐々に室温に戻しながら一晩攪拌した。
溶媒を減圧留去し、トルエン/ヘキサンで再結晶を行い、ジメチルシリレン(2−メチル−4−フェニル−インデニル)(2−フェニル−4−フェニル−インデニル)ジルコニウムジクロライドのラセミライク体(純度99%以上)の橙色結晶2.3g(収率14%)を得た。このもののH−NMR値(CDCl)を以下に記す。
H−NMR値(CDCl) ラセミライク体:δ0.98(s,3H),δ1.38(s,3H),δ2.29(s,3H),δ6.40(d,1H),δ6.67(dd,1H),δ6.94(s,1H),δ7.04(s,1H),δ7.15〜7.18(m,2H),δ7.24〜7.27(m,1H),δ7.30〜7.43(m,11H),δ7.62(dd,2H),δ7.67(dd,2H),δ7.79(d,1H)。
【0170】
〔ジメチルシリレン(2−メチル−4−フェニル−インデニル)(2−フェニル−4−フェニル−インデニル)ジルコニウムジクロライドを触媒成分として用いたプロピレン単独重合体の製造〕
SUS製オートクレーブにトルエン1リットル,メチルアルミノキサン−トルエン溶液(東ソーアクゾ社製「MMAO3A」)(Al/Zr=10,000),ジメチルシリレン(2−メチル−4−フェニル−インデニル)(2−フェニル−4−フェニル−インデニル)ジルコニウムジクロライド−トルエン溶液3ml(0.59×10−6モル)を順に加え、30℃に加熱した。ここに0.3MPaの圧力でプロピレンを導入し、1時間重合を行った。重合後、ポリマーをろ過し、塩酸性メタノール1リットルで触媒成分を分解した。その後、ろ過、洗浄、乾燥を順に行いプロピレン単独重合体9.8gを得た。重合活性は、17kg−ポリマー/ミリモル(Zr)・hrであった。得られたプロピレン単独重合体を分析した結果、MFRが0.04g/10分、Mwが6.4×10g/モル、Mw/Mnが2.17、融点が159.2℃であった。
【0171】
比較例1
〔ラセミ体のジメチルシリレンビス(2−メチル−4−フェニル−インデニル)ジルコニウムジクロリドの合成〕
特開平6−100579号公報に記載された方法により、ラセミ体のジメチルシリレンビス(2−メチル−4−フェニル−インデニル)ジルコニウムジクロリドを合成した。
〔ラセミ体のジメチルシリレンビス(2−メチル−4−フェニル−インデニル)ジルコニウムジクロリドを触媒に用いたプロピレン単独重合体の製造〕
SUS製オートクレーブにトルエン1リットル,メチルアルミノキサン−トルエン溶液(東ソーアクゾ社製「MMAO3A」)(Al/Zr=10,000),rac−ジメチルシリレンビス(2−メチル−4−フェニル−インデニル)ジルコニウムジクロライド−トルエン溶液3ml(0.14×10−6モル)を順に加え、30℃に加熱した。ここに0.3MPaの圧力でプロピレンを導入し、1時間重合を行った。重合後、ポリマーをろ過し、塩酸性メタノール1リットルで触媒成分を分解した。その後、ろ過、洗浄、乾燥を順に行いプロピレン単独重合体5.1gを得た。重合活性は、36kg−ポリマー/ミリモル(Zr)・hrであった。得られたプロピレン単独重合体を分析した結果、MFRが0.004g/10分、Mwが1.3×10g/モル、Mw/Mnが2.64、融点が157.0℃であった。
【0172】
【発明の効果】
本発明によれば、分子量が高く、立体規則性が高いオレフィン重合体が提供される。

Claims (17)

  1. 下記一般式(1)で表されるメタロセン化合物。
    YKLMX (1)
    (式中、Mは、チタン原子、ジルコニウム原子、もしくは、ハフニウム原子である。Yは、KとLを架橋する架橋基であり、メチレン基、エチレン基、炭素数1〜6のアルキル基を有するテトラアルキルエチレン基、炭素数1〜6のアルキル基を有するジアルキルメチレン基、炭素数6〜16のアリール基もしくは炭素数6〜16のハロゲン化アリール基を骨格に含む2価の架橋基、または、珪素原子、ゲルマニウム原子、酸素原子、窒素原子、燐原子、もしくは、硼素原子を含有する2価の架橋基であるか、これらの架橋基から選択される少なくとも2つの架橋基が直列に繋がり形成された2価の架橋基である。KおよびLは、互いに同じでも異なっていてもよく、Mに配位する共役五員環骨格を有する配位子である。また、Kが有する水素原子もしくはLが有する水素原子のうち、少なくとも1つの水素原子は、互いに独立して、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のハロゲン含有アルキル基、炭素数1〜10の珪素含有アルキル基、炭素数6〜16のアリール基、炭素数6〜16のハロゲン含有アリール基、炭素数2〜10のアルケニル基、炭素数7〜40のアリールアルキル基、炭素数7〜40のアルキルアリール基、炭素数3〜16の脂環式炭化水素基、シロキシ基、アルコキシ基、ハロゲン原子、アミノ基、ジアルキル置換アミノ基、複素環基、SR基(Sは、硫黄原子、Rは、ハロゲン原子、炭素数1〜10のアルキル基、もしくは、炭素数6〜16のアリール基である。)、または、PR 基(Pは、燐原子、2つのRは、互いに同じでも異なっていてもよく、ハロゲン原子、炭素数1〜10のアルキル基、もしくは、炭素数6〜16のアリール基である。)で置換されている。ただし、KおよびLの、いずれか一方の2位もしくは両方の2位には、互いに独立して、必ず、炭素数6〜16のアリール基、炭素数6〜16のハロゲン含有アリール基、炭素数7〜40のアルキルアリール基、もしくは、炭素数3〜16の脂環式炭化水素基が存在する。2つのXは、互いに同じでも異なっていてもよく、Mに結合する、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数6〜16のアリール基、炭素数1〜6のアルキル基と炭素数6〜16のアリール基を有するアルキルアリール基、もしくは、炭素数6〜16のアリール基と炭素数1〜6のアルキル基を有するアリールアルキル基である。
    但し、ジメチルシリレンビス(2−フェニル−インデニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルシリレンビス(2−トリル−インデニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(2−トリル−インデニル)ジルコニウムジクロライドを除く。)
  2. KおよびLの、いずれか一方の2位もしくは両方の2位に、必ず、炭素数6〜16のアリール基が存在することを特徴とする請求項1に記載のメタロセン化合物。
  3. KおよびLの、両方の2位に、必ず、炭素数6〜16のアリール基が存在することを特徴とする請求項1に記載のメタロセン化合物。
  4. 請求項1記載の一般式(1)において、KおよびLが、互いに同じでも異なっていてもよく、シクロペンタジエニル基、インデニル基、ベンゾインデニル基、フルオレニル基、テトラヒドロインデニル基、アズレニル基、テトラヒドロアズレニル基、もしくは、シクロペンタフェナンスリル基である、請求項1〜3のいずれか1項に記載のメタロセン化合物。
  5. 請求項1記載の一般式(1)において、KおよびLが、共にインデニル基である、請求項1〜3のいずれか1項に記載のメタロセン化合物。
  6. 請求項1記載の一般式(1)において、KおよびLが、共にインデニル基であり、各インデニル基のそれぞれ2位の位置にRを有し、それぞれ4位の位置にRを有する下記一般式(2)で表される、請求項1記載のメタロセン化合物。
    Figure 2004300075
    (式中、各Rは、互いに同じでも異なっていてもよく、水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のハロゲン含有アルキル基、炭素数1〜10の珪素含有アルキル基、炭素数6〜16のアリール基、炭素数6〜16のハロゲン含有アリール基、炭素数2〜10のアルケニル基、炭素数7〜40のアリールアルキル基、炭素数7〜40のアルキルアリール基、炭素数3〜16の脂環式炭化水素基、シロキシ基、アルコキシ基、ハロゲン原子、アミノ基、ジアルキル置換アミノ基、複素環基、SR基(Sは、硫黄原子、Rは、ハロゲン原子、炭素数1〜10のアルキル基、もしくは、炭素数6〜16のアリール基である。)、または、PR 基(Pは、燐原子、2つのRは、互いに同じでも異なっていてもよく、ハロゲン原子、炭素数1〜10のアルキル基、もしくは、炭素数6〜16のアリール基である。)であるが、各Rのうち、少なくとも一方は、炭素数6〜16のアリール基、炭素数6〜16のハロゲン含有アリール基、炭素数7〜40のアルキルアリール基、もしくは、炭素数3〜16の脂環式炭化水素基である。各Rは、互いに同じでも異なっていてもよく、水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のハロゲン含有アルキル基、炭素数1〜10の珪素含有アルキル基、炭素数6〜16のアリール基、炭素数6〜16のハロゲン含有アリール基、炭素数2〜10のアルケニル基、炭素数7〜40のアリールアルキル基、炭素数7〜40のアルキルアリール基、炭素数3〜16の脂環式炭化水素基、シロキシ基、アルコキシ基、ハロゲン原子、アミノ基、ジアルキル置換アミノ基、複素環基、SR基(Sは、硫黄原子、Rは、ハロゲン原子、炭素数1〜10のアルキル基、もしくは、炭素数6〜16のアリール基である。)、または、PR 基(Pは、燐原子、2つのRは、互いに同じでも異なっていてもよく、ハロゲン原子、炭素数1〜10のアルキル基、もしくは、炭素数6〜16のアリール基である。)であるが、各Rのうちの少なくとも一方は、水素原子ではない。)
  7. 請求項6記載の一般式(2)において、各Rが、いずれも炭素数6〜16のアリール基であることを特徴とする請求項6記載のメタロセン化合物。
  8. 請求項1記載の一般式(1)において、KおよびLが、共にベンゾインデニル基であり、各ベンゾインデニル基のそれぞれ2位の位置にRを有する下記一般式(3)で表される、請求項1記載のメタロセン化合物。
    Figure 2004300075
    (式中、各Rは、互いに同じでも異なっていても良く、水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のハロゲン含有アルキル基、炭素数1〜10の珪素含有アルキル基、炭素数6〜16のアリール基、炭素数6〜16のハロゲン含有アリール基、炭素数2〜10のアルケニル基、炭素数7〜40のアリールアルキル基、炭素数7〜40のアルキルアリール基、炭素数3〜16の脂環式炭化水素基、シロキシ基、アルコキシ基、ハロゲン原子、アミノ基、ジアルキル置換アミノ基、複素環基、SR基(Sは、硫黄原子、Rは、ハロゲン原子、炭素数1〜10のアルキル基、もしくは、炭素数6〜16のアリール基である。)、または、PR 基(Pは、燐原子、2つのRは、互いに同じでも異なっていてもよく、ハロゲン原子、炭素数1〜10のアルキル基、もしくは、炭素数6〜16のアリール基である。)であるが、各Rのうち、少なくとも一方は、炭素数6〜16のアリール基、炭素数6〜16のハロゲン含有アリール基、炭素数7〜40のアルキルアリール基、もしくは、炭素数3〜16の脂環式炭化水素基である。)
  9. 請求項8記載の一般式(3)において、各Rが、いずれも炭素数6〜16のアリール基であることを特徴とする請求項8記載のメタロセン化合物。
  10. 請求項1記載の一般式(1)において、KおよびLが、共にアズレニル基であり、各アズレニル基のそれぞれ2位の位置にRを有し、それぞれ4位の位置にRを有する下記一般式(4)で表される、請求項1記載のメタロセン化合物。
    Figure 2004300075
    (式中、各Rは、互いに同じでも異なっていてもよく、水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のハロゲン含有アルキル基、炭素数1〜10の珪素含有アルキル基、炭素数6〜16のアリール基、炭素数6〜16のハロゲン含有アリール基、炭素数2〜10のアルケニル基、炭素数7〜40のアリールアルキル基、炭素数7〜40のアルキルアリール基、炭素数3〜16の脂環式炭化水素基、シロキシ基、アルコキシ基、ハロゲン原子、アミノ基、ジアルキル置換アミノ基、複素環基、SR基(Sは、硫黄原子、Rは、ハロゲン原子、炭素数1〜10のアルキル基、もしくは、炭素数6〜16のアリール基である。)、または、PR 基(Pは、燐原子、2つのRは、互いに同じでも異なっていてもよく、ハロゲン原子、炭素数1〜10のアルキル基、もしくは、炭素数6〜16のアリール基である。)であるが、各Rのうち、少なくとも一方は、炭素数6〜16のアリール基、炭素数6〜16のハロゲン含有アリール基、炭素数7〜40のアルキルアリール基、もしくは、炭素数3〜16の脂環式炭化水素基である。各Rは、互いに同じでも異なっていてもよく、水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のハロゲン含有アルキル基、炭素数1〜10の珪素含有アルキル基、炭素数6〜16のアリール基、炭素数6〜16のハロゲン含有アリール基、炭素数2〜10のアルケニル基、炭素数7〜40のアリールアルキル基、炭素数7〜40のアルキルアリール基、炭素数3〜16の脂環式炭化水素基、シロキシ基、アルコキシ基、ハロゲン原子、アミノ基、ジアルキル置換アミノ基、複素環基、SR基(Sは、硫黄原子、Rは、ハロゲン原子、炭素数1〜10のアルキル基、もしくは、炭素数6〜16のアリール基である。)、または、PR 基(Pは、燐原子、2つのRは、互いに同じでも異なっていてもよく、ハロゲン原子、炭素数1〜10のアルキル基、もしくは、炭素数6〜16のアリール基である。)である。)
  11. 請求項10記載の一般式(4)において、各Rが、いずれも炭素数6〜16のアリール基であることを特徴とする請求項10記載のメタロセン化合物。
  12. 請求項1〜11のいずれか1項に記載のメタロセン化合物、活性化化合物、および、所望により有機アルミニウム化合物、を含むオレフィン重合用触媒を用いる、オレフィン重合体の製造方法。
  13. 請求項1〜11のいずれか1項に記載のメタロセン化合物、活性化化合物、微粒子状担体、および、所望により有機アルミニウム化合物、を用いて製造された担持型触媒成分、ならびに、有機アルミニウム化合物、を含むオレフィン重合用触媒を用いる、オレフィン重合体の製造方法。
  14. 請求項1〜11のいずれか1項に記載のメタロセン化合物、イオン交換性層状化合物もしくは無機珪酸塩、および、所望により有機アルミニウム化合物、を用いて製造された担持型触媒成分、ならびに、有機アルミニウム化合物、を含むオレフィン重合用触媒を用いる、オレフィン重合体の製造方法。
  15. 請求項12〜14のいずれか1項に記載のオレフィン重合体の製造方法を用いて製造されたオレフィン重合体。
  16. オレフィン重合体が、プロピレン単位とプロピレン以外のオレフィン単位を構成単位として含むプロピレン/オレフィン共重合体であり、該プロピレン以外のオレフィン単位の含有量が、共重合体を構成する構成単位のモル基準で、0.1〜80モル%である、請求項15記載のオレフィン重合体。
  17. プロピレン以外のオレフィン単位が、エチレン単位、1−ブテン単位、もしくは、エチレン単位および1−ブテン単位である、請求項16記載のオレフィン重合体。
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