JP3799136B2 - 分散安定剤 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、懸濁重合、乳化重合又は、後乳化時に用いる分散安定剤に関し、更に詳しくは塩化ビニル系化合物重合時に用いた場合作業性が良く、品質の良好な塩化ビニル系化合物(塩化ビニル系重合体)を得ることができる分散安定剤に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、工業的に塩化ビニル系化合物を製造する場合、水性媒体中で懸濁分散安定剤の存在下に塩化ビニルモノマーを分散させ、油溶性触媒を用いて重合を行う懸濁重合法が広く実施されている。一般に該化合物の品質を支配する要因としては、重合率、水−モノマー比、重合温度、触媒量あるいは分散安定剤の種類、量等が挙げられるが、この中でも分散安定剤の影響が最も大きいと言われている。
分散安定剤としては、特定のケン化度と重合度とを有するポリビニルアルコール系樹脂が用いられるが、該樹脂を用いた場合に、塩化ビニル系化合物の可塑剤吸収性、フィッシュアイ、粒子径等の性質を制御することができる。
【0003】
例えば、側鎖に疎水基を0.01〜5モル%及び陰イオン性基親水基を0.02〜10モル%含有するケン化度60〜90モル%の変性ポリビニルアルコールを分散安定剤として用いる方法(特開昭56−55403号公報)や重合度1500以下、ケン化度90モル%以下で、かつ分子内にカルボニル基と、これに隣接したビニレン基を特定量有する部分ケン化ポリビニルアルコールを用いる方法(特開昭51−45189号公報)、分子内にカルボニル基とこれに隣接したビニレン基を特定量有し、かつ特定の残存酢酸基のブロックキャラクターを有するポリビニルアルコール系重合体を用いる方法(特開平8−283313号公報)、分子内にカルボニル基と、これに隣接したビニレン基を特定量有しかつ曇点を規定したポリビニルアルコールを用いる方法(特開平5−105702号公報)、重量平均分子量と数平均分子量との比を規定し、かつ分子内にカルボニル基と、これに隣接したビニレン基を特定量有するポリビニルアルコールを用いる方法(特開昭61−108602号公報)が提案されている。また本出願人もオキシアルキレン基を重合体側鎖に有するビニルエステル系樹脂又はこれと水溶性高分子物質とからなる分散安定剤(特開昭60−58402号公報)を提案した。
しかしながら、近年では重合器のジャケットの構造の改善や還流凝縮器の運転技術の進歩などに伴う重合器の重合反応熱の除去能力の大幅な向上やあらかじめ所定の温度まで加熱した水性媒体を仕込む方法(ホットウォーターチャージ法)により昇温時間を短縮したりすることによって、工業的規模で採用されている40m3以上の大型重合器に於いても、6時間以内に重合を完結させる高速重合が可能になってきている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特開昭56−55403号公報開示技術では、塩化ビニル単量体の懸濁重合時の発泡が激しいことからスケール付着が多く、又、陰イオン性親水基の導入により曇点の発現が調整できるのでホットウォーターチャージ仕込みには有利なものの、モノマー油滴に対する保護コロイド性が弱く、塩化ビニル系化合物懸濁重合時の重合不安定要因となることがある。その結果、塩化ビニル系化合物の粗粒子の生成やフィッシュアイ発生の原因となったりする為、いまだ満足のいくものではないという欠点がある。
特開昭51−45189号公報、特開平8−283313号公報、特開平5−105702号公報、特開昭61−108602号公報開示技術では、分散安定剤に水不溶解分が発生し、溶解槽から反応缶に至るまでのストレーナー等で目詰まりが起こり、生産性、作業性が悪く、又ポリビニルアルコール系重合体の曇点を任意にコントロールすることが困難という欠点があった。
特開昭60−58402号公報開示技術では曇点の発現が適度に調整できない場合があり、例えば懸濁重合を行う際に、ポリビニルアルコール系重合体の変性種(例えば、エチレンオキサイド)や変性量によっては、塩化ビニル系化合物懸濁重合で得られる塩化ビニル系化合物粒子が著しく粗大粒子化するという欠点があった。又、従来の未変性ポリビニルアルコール系重合体からなる懸濁重合用分散安定剤では、反応缶に仕込む際の温水の温度等の条件が、ポリビニルアルコール系重合体の曇点を考慮する必要があり、塩化ビニル系化合物懸濁重合の高速重合化に対して支障を来すことがあり、改善が望まれていた。
【0005】
【課題を解決するための手段】
かかる事情に鑑みて鋭意検討した結果、本発明者は、ケン化度が65〜85モル%で、側鎖に一般式(1)で示されるオキシアルキレン基を0.1〜10モル%含有し、かつ陰イオン性親水基を0.02〜10モル%含有する部分ケン化ポリビニルアルコール系樹脂を、塩化ビニル系化合物等のビニル系化合物を得るための懸濁重合の分散安定剤として用いると、懸濁重合時の発泡に起因するスケール付着がなく、懸濁重合時の仕込み分散媒の温水温度や本発明の樹脂の仕込み方法に限定されることがなく、得られるビニル系化合物の可塑剤吸収性、フィッシュアイの減衰速度等の性能が良好で、且つビニル系化合物の粗粒子の生成もないことを見いだし本発明の完成に至った。
【化2】
[式中R1は水素原子又はアルキル基、R2はアルキル基、nは正数、Xは水素又はアルキル基、アルキルアミド基、アルキルエステル基のいずれかを表す。]
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明で用いられる部分ケン化ポリビニルアルコール系樹脂は、ケン化度が65〜85モル%であることが必要で、好ましくは65〜83モル%、更には70〜83モル%、特に好ましくは73〜83モル%である。ケン化度が85モル%を越えると、分散安定剤としての界面活性能が低下して、モノマー油滴に対する分散力が低下するので不適当であり、ケン化度が65モル%未満では、水に不溶となり分散安定剤としては保護コロイド力が不足し不適当である。
【0007】
また本発明の部分ケン化ポリビニルアルコール系樹脂は一般式(1)で示されるオキシアルキレン基を側鎖に含有することが必要で、かかる一般式(1)において、nとして好ましくは、2≦n≦60で、更には6≦n≦20である。n>60ではポリビニルアルコール系重合体の曇点が発現しやすくなったり、曇点が低下したりする為、ホットウォーターチャージ仕込みの際の分散媒の温水温度を分散安定剤の曇点以下にしなければならないという制約が生じる為に好ましくない。又、n<2では、ポリビニルアルコール系重合体の界面活性能が低下して好ましくない。
【0008】
一般式(1)においては、R1は水素原子又はアルキル基、R2はアルキル基であることが必要で、R1として好ましくは、水素原子であり、R2としてアルキル基であれば特に限定はないが、好ましくはメチル基である。
【0009】
本発明では一般式(1)に示されるオキシアルキレン基を0.1〜10モル%を含有することが必要で、好ましくは0.1〜5モル%、更に好ましくは0.2〜1モル%、特に好ましくは0.2〜0.8モル%である。該オキシアルキレン基が0.1モル%未満では、充分に界面活性能を発揮できなくなり、逆に10モル%を越えると、部分ケン化ポリビニルアルコール系樹脂の酢酸ビニル成分のブロック性が低下し、かえって界面活性能が不足したり又曇点が発現しやすくなる為、ホットウォーターチャージ仕込みの際、モノマーが油滴として水性媒体中に均一に懸濁安定化し難くなるために懸濁重合の重合安定性が不安定になり、得られる(塩化)ビニル系化合物粒子には粗粒子分が多く、フィッシュアイが増加し本発明の目的を達しない。
【0010】
更に本発明の部分ケン化ポリビニルアルコール系樹脂は陰イオン性親水基も含有することが必要で、かかる陰イオン性親水基としては、不飽和脂肪族カルボキシル基、スルホン酸基、リン酸基等があげられるが、好ましくは不飽和脂肪族カルボン酸である。
【0011】
本発明では陰イオン性基を0.02〜10モル%を含有することが必要で、好ましくは0.02〜1.0モル%である。陰イオン性基が0.02モル%未満では、ビニル系化合物、特に塩化ビニルモノマーの懸濁重合時に温水を仕込む方法を採用する場合に仕込み温度の制約を受け易くなり、モノマー油滴と分散安定剤が接触する際の温度条件によっては、塩化ビニル系化合物粒子のフィッシュアイの減衰速度が低下したり、永久フイッシュアイの発生の原因となったり、又、粒子径分布が大きくなったりして本発明の目的を達しない。
又、10モル%を越えると分散剤の保護コロイド性が低下する為に、懸濁重合の重合安定性が低下し、得られる塩化ビニル系化合物粒子に粗粒子が多くなったり、激しい時には重合物がブロック化し、好ましくない。更には分散剤に水不溶解分が多くなり、懸濁重合で得られる塩化ビニル系化合物粒子に永久フィッシュアイが多くなり好ましくない。
【0012】
本発明の部分ケン化度ポリビニルアルコール系樹脂は任意の方法で製造できる。例えば▲1▼ポリオキシアルキレンの存在下にビニルエステル、陰イオン性親水基を有する単量体を共重合した後にケン化する方法、▲2▼一般式(1)で示されるオキシアルキレン基を有する不飽和単量体、陰イオン性親水基を有する単量体をビニルエステル系化合物と共重合した後にケン化する方法、▲3▼陰イオン性親水基含有ポリビニルアルコール系樹脂に酸化アルキレンを後反応させる方法等が挙げられるが、上記の方法のうち▲2▼が樹脂の製造面、性能面から実用的である。以下▲2▼の方法を中心に説明する。
【0013】
オキシアルキレン基を有する不飽和単量体としては次の様なものが例示される。但し、本発明ではこれらのみに限定されるものではない。
[(メタ)アクリル酸エステル型]
下記の一般式(3)で示されるもので、具体的にはポリオキシプロピレン(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【化3】
(但し、Yは水素又はメチル基、Aはフェニレン基、置換フェニレン基のいずれか、lは0又は1以上の整数、R1は水素又はアルキル基、R2はアルキル基、nは正数で、好ましくは2〜60、更に好ましくは6〜20の整数を示す。)
【0014】
[(メタ)アクリル酸アミド型]
下記の一般式(4)で示されるもので、具体的にはポリオキシプロピレン(メタ)アクリル酸アミド等が挙げられる。
【化4】
(但し、Y1は水素又はメチル基を表し、A、Y、R1、R2、l、nは前記と同様。)
【0015】
[(メタ)アリルアルコール型]
下記の一般式(5)で示されるもので、具体的にはポリオキシプロピレン(メタ)アリルエーテル等が挙げられる。
【化5】
(但しY、R1、R2、nは前記と同様。)
【0016】
[ビニルエーテル型]
下記の一般式(6)で示されるもので、具体的にはポリオキシプロピレンビニルエーテル等が挙げられる。
【化6】
(但し、A、R1、R2、l、nは前記と同様。)
これらのオキシアルキレン基を含有する単量体の中でも一般式(5)で示される(メタ)アリルアルコール型のものが好適に使用される。
【0017】
また、陰イオン性親水基を有する単量体としては、不飽和脂肪族カルボン酸、スルホン酸基含有単量体、リン酸含有単量体、カルボキシル基含有アルコール、アルデヒドあるいはチオール等が挙げられる。
不飽和脂肪族カルボン酸としては、エチレン性不飽和ジカルボン酸(マレイン酸、フマル酸、イタコン酸等)、又はエチレン性不飽和ジカルボンモノエステル(マレイン酸モノアルキルエステル、フマル酸モノアルキルエステル、イタコン酸モノアルキルエステル等)又はエチレン性不飽和ジカルボン酸ジエステル(マレイン酸ジアルキルエステル、フマル酸ジアルキルエステル、イタコン酸ジアルキルエステル等)又はエチレン性不飽和カルボン酸無水物(無水マレイン酸、無水イタコン酸等)、あるいは(メタ)アクリル酸等の単量体およびその塩が挙げられ、その中でもエチレン性不飽和ジカルボン酸、又はエチレン性不飽和カルボン酸モノエステルおよびその塩が好適に使用される。
またカルボキシル基含有アルコール、アルデヒドあるいはチオールとしては、特に連鎖移動効果の大きいチオールに由来するものが有効で以下のものが挙げられる。
【0018】
【化7】
HS−(CH2)n−COOH ・・・(7)
及び一般式(7)の塩
【化8】
及び一般式(8)の塩
(但し一般式(7)においてnは0〜5の整数を示し、一般式(8)において、Yはそれぞれ水素原子又は低級アルキル基(置換基を含んでもよい)、nは0〜5の整数を示す。)
【化9】
及び一般式(9)の塩
(但し、nは0〜20の整数を示す。)
具体的にはメルカプト酢酸、2−メルカプトプロピオン酸、3−メルカプトプロピオン酸、2−メルカプトステアリン酸等が挙げられる。
【0019】
【化10】
HS−(CHX1)r−(CHX2)sCOOH ・・・(10)
(但し、X1はH又はカルボン酸、X2は水素原子、rは0又は正数、sは正数を示す。)
具体的にはチオリンゴ酸等が挙げられる。
【0020】
スルホン酸基含有単量体としては以下のものが挙げられる。
(イ)エチレンスルホン酸、アリルスルホン酸、メタアリルスルホン酸等のオレフィンスルホン酸又はその塩
(ロ)一般式(11)又は一般式(12)で表されるスルホアルキルマレート
【化11】
【化12】
(但し一般式(11)又は一般式(12)において、Y1はアルキル基、nは2〜4の整数、Mは水素又はアルカリ金属又はアンモニウムイオンを示す。)
上記のスルホアルキルマレートとして具体的には、ナトリウムスルホプロピル2−エチルヘキシルマレート、ナトリウムスルホプロピルトリデシルマレート、ナトリウムスルホプロピルエイコシルマレート等が挙げられる。
【0021】
(ハ)一般式(13)〜(15)で表されるスルホアルキル(メタ)アクリルアミド、スルホアルキル(メタ)アクリレート
【化13】
【化14】
【化15】
(但し一般式(13)〜(15)において、Y2、Y3、Y4、Y5、Y7、Y8、Y9は水素又はアルキル基、Y6はアルキル基、nは2〜4の整数、Mは水素、アルカリ金属又はアンモニウムイオンを示す。)
上記のスルホアルキル(メタ)アクリルアミドとして具体的には、ナトリウムスルホメチルアクリルアミド、ナトリウムスルホt−ブチルアクリルアミド、ナトリウムスルホS−ブチルアクリルアミド、ナトリウムスルホt−ブチルメタクリルアミド等が挙げられる。
【0022】
【化16】
(但しY10は水素又はアルキル基、nは2〜4の整数、Mは水素原子、アルカリ金属又はアンモニウムイオンを示す。)
上記のスルホアルキル(メタ)アクリレートとして具体的には、ナトリウムスルホエチルアクリレート等が挙げられる。
上記スルホン酸基含有単量体の中でもオレフィンスルホン酸、又はその塩が好適に使用される。
【0023】
またスルホン酸基を有するアルコール、アルデヒド或いはチオール等の官能基を有するスルホン酸基含有単量体としては、特に連鎖移動効果の大きいチオールに由来するものが有効で以下のものが挙げられる。
【化17】
【化18】
【化19】
【化20】
(但し一般式(17)〜(20)において、Y11〜Y19はそれぞれ水素原子又はメチル基、nは2〜4の整数、Mは水素原子、アルカリ金属又はアンモニウムイオンを示す。尚、nが整数のときはnの数だけ存在する各Y14、Y15、Y17、Y18、Y20は同時に同じものでも異なるものでもよい。)
具体的には、チオプロピオン酸ナトリウムスルホプロパン等が挙げられる。
【0024】
また、スルホン酸基を導入したポリビニルアルコール系樹脂を得る方法としては、ポリビニルアルコールを臭素、ヨウ素等で処理した後、酸性亜硫酸ソーダ水溶液で加熱する方法、ポリビニルアルコールを濃厚な硫酸水溶液中で加熱する方法、ポリビニルアルコールをスルホン酸基を有するアルデヒド化合物でアセタール化する方法等もある。
【0025】
上記の2種の単量体と共重合するビニルエステル系化合物としては、ギ酸ビニル、酢酸ビニル、トリフルオロ酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、カプリン酸ビニル、ラウリル酸ビニル、バーサティック酸ビニル、パルミチン酸ビニル、ステアリン酸ビニル、ピバリン酸ビニル等が単独又は併用で用いられるが、工業的には酢酸ビニルが好適である。
【0026】
本発明においては、前述した如き一般式(1)で示されるオキシアルキレン基、陰イオン性基を有する単量体、ビニルエステル系化合物以外の他の一般の単量体を10モル%以下、好ましくは2モル%以下共存せしめて重合を行なっても良い。これらの単量体を次に例示する。
[エチレン性不飽和カルボン酸のアルキルエステル等]
クロトン酸メチル、クロトン酸エチル、ソルビン酸メチル、ソルビン酸エチル、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ペンチル、(メタ)アクリル酸ヘプチル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ヘキサデシル、(メタ)アクリル酸オクタデシル等が挙げられる。
[α−オレフィン]
エチレン、プロピレン、α−ヘキセン、α−オクテン、α−デセン、α−ドデセン、α−ヘキサデセン、α−オクタデセン等。
【0027】
[アルキルビニルエーテル]
プロピルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、ヘキシルビニルエーテル、オクチルビニルエーテル、デシルビニルエーテル、ドデシルビニルエーテル、テトラデシルビニルエーテル、ヘキサデシルビニルエーテル、オクタデシルビニルエーテル等。
[アルキルアリルエーテル]
プロピルアリルエーテル、ブチルアリルエーテル、ヘキシルアリルエーテル、オクチルアリルエーテル、デシルアリルエーテル、ドデシルアリルエーテル、テトラデシルアリルエーテル、ヘキサデシルアリルエーテル、オクタデシルアリルエーテル等。
その他、(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリロニトリル、スチレン、塩化ビニルなどの使用も可能である。
【0028】
共重合するに当たっては特に制限はなく公知の重合方法が任意に用いられるが、普通メタノール、エタノールあるいはイソプロピルアルコール等のアルコールを溶媒とする溶液重合が実施される。勿論、乳化重合、懸濁重合等も可能である。かかる溶液重合において単量体の仕込み方法としては、ビニルエステル系化合物の重合を開始し、単量体を重合期間中に連続的に又は分割的に添加する方法、単量体を重合初期に一括仕込み、又重合初期よりビニルエステル系化合物と単量体を同時に仕込む方法等任意の手段を用いて良い。連鎖移動剤を共存させ重合する場合は所定の変性量になるように重合系のビニルエステル系化合物の反応率に応じて連鎖移動剤を添加又は滴下することにより、反応系の連鎖移動量がビニルエステルに対してあまり変化しないようにすることが好ましい。共重合反応は、アゾビスイソブチロニトリル、過酸化アセチル、過酸化ベンゾイル、過酸化ラウロイルなどの公知のラジカル重合触媒やジ−n−プロピル−ジカーボネート等の低温活性触媒を用いて行われる。又反応温度は30℃〜沸点程度の範囲から選択される。
【0029】
ケン化に当たっては共重合体をアルコール、ベンゼン、酢酸メチル等に溶解しアルカリ触媒の存在下に行なわれる。アルコールとしてはメタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ブタノール等が挙げられ、好ましくはメタノールが用いられる。アルコール中の共重合体の濃度は20〜60重量%の範囲から選ばれる。
【0030】
ケン化触媒としては水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、ナトリウムメチラート、ナトリウムエチラート、カリウムメチラート等のアルカリ金属の水酸化物やアルコラートの如きアルカリ触媒を用いることが好ましい。かかる触媒の使用量はモノマー単位のビニルエステル1モルに対して1〜100ミリモル当量、好ましくは1〜50ミリモル、更に好ましくは1〜30ミルモルである。
また、硫酸、塩酸等の酸触媒を用いてケン化を行うことも可能である。
【0031】
上記の如く、本発明の部分ケン化ポリビニルアルコール系樹脂が得られるわけであるが、該部分ケン化ポリビニルアルコール系樹脂の平均重合度(PA)としては、特に限定されないが、好ましくは400〜2000、更に好ましくは500〜1000であり、特に好ましくは600〜900である。
【0032】
本発明では、部分ケン化ポリビニルアルコール系樹脂の平均重合度(PA)と陰イオン性親水基の含有量a(モル%)との関係が下記(2)式を満足すると更に好ましい。
0.1<PA×a×10-2<2・・・(2)
該(2)式は、部分ケン化ポリビニルアルコール系樹脂の重合度に拘わらず、1分子鎖当たりに2個未満の陰イオン性親水基を含むことを表している。PA×a×10-2が2を越えると、ビニルエステル系単量体の懸濁重合時の重合安定性が低下し、又、得られる(塩化)ビニル系化合物の粒子径が粗くなったり、重合物がブロック化する。又、PA×a×10-2が0.1以下の場合は、ビニルエステル系単量体の懸濁重合時に温水を仕込む方法を取る場合に仕込み温度の制約を受け易くなり、モノマー油滴と分散安定剤が接触する際の温度条件によっては、フィッシュアイの減衰速度が低下したり、永久フィッシュアイの発生の原因となったり、又、粒子径分布が大きくなる原因となったりして好ましくない。
【0033】
本発明の上記(2)式を満足する分散剤の陰イオン性基の導入量は、ビニル系化合物の懸濁重合で通常使用されるポリビルアルコール量(ビニル系化合物100重量部に対して0.01〜0.2重量部)の範囲のみでポリビニルアルコール系重合体の曇点の発現が抑制出来る程度にコントロールされている為、分散安定剤によるモノマー油滴の分散能に悪影響を与えることなく、ホットウォターチャージ時に使用される温水の温度範囲(20℃〜90℃の中より任意に選択が可能)の制約が無くなっている。その結果塩化ビニル系化合物粒子中の粗粒子(60メッシュオン)を生成することもなく、製品の品質特性が良好な塩化ビニル系化合物が得られる。
【0034】
更に本発明では、部分ケン化ポリビニルアルコール系樹脂の0.1重量%水溶液の紫外線吸収スペクトルによる280nmの吸光度を0.1より大きくすることも好ましく、特に好ましくは0.2以上、更に好ましくは0.25以上である。
280nmの吸光度を0.1以上に制御することにより分散剤としてのモノマー油滴に対する吸着能を向上させることができ、更に本発明の分散剤の界面活性能を向上させることが出来る。
280nmの吸光度はカルボニル基含有中のR−CO−(CH=CH)−n
(R:H又はアルキル基)の構造のうちn=0及び又はn=2に帰属されるものであり、かかる構造は、アルデヒドとの共重合にともなうビニルエステル基の脱カルボン酸反応あるいは水酸基の脱水反応により生成するものである。該吸光度をコントロールするためには、ビニルエステル系化合物を重合して調製する際のアルデヒドの添加量及び溶媒とビニルエステル系単量体との比率により制御することができる。
【0035】
この場合、用いられるアルデヒドとしては、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒト、ブチルアルデヒド、ベンズアルデヒド等が挙げられ、好ましくはアセトアルデヒドが用いられる。
該アルデヒドは、通常ビニルエステル系単量体に対して0.1〜5重量%、好ましくは0.5〜3重量%、更に好ましくは0.7〜1.5重量%用いられる。又、溶媒とビニルエステル系単量体の比率は、溶媒としてメタノール、ビニルエステル系単量体として酢酸ビニルが使用された場合を例に挙げると溶媒/酢酸ビニル=0.02〜1、好ましくは、0.03〜0.5の範囲で、目的とするポリビニルアルコール系重合体の重合度に応じて任意に選択される。
【0036】
本発明の分散安定剤は上述した如き部分ケン化ポリビニルアルコール系樹脂であるが、かかる本発明の分散安定剤は、ビニル系化合物の懸濁重合、乳化重合又は後乳化時に用いることができ、特に塩化ビニル系化合物懸濁重合に有用である。
以下、塩化ビニル系化合物懸濁重合に用いる場合について説明する。
本発明の分散安定剤を懸濁重合に用いる場合は、種々の分散助剤を併用することも可能で、かかる併用により、塩化ビニル系化合物粒子表面のスキン層の形成を防止すると共に粒子内部の1〜数ミクロンオーダーの基本粒子(1次粒子)の凝集を抑制することにより、得られる塩化ビニル化合物のポロシティー分布、可塑剤吸収性、脱モノマー性等の物性が更に改善される。
該分散助剤としては、ケン化度65モル%未満、重合度100〜750、中でもケン化度30〜60モル%で重合度180〜650の部分ケン化ポリビニルアルコールが好適に用いられ、分散安定剤の種類等によって一概に言えないが分散安定剤と分散助剤の添加量の重量比は90/10〜30/70の範囲が好ましく、特に80/10〜50/50が好ましい。
分散助剤は、水不溶性、又は水分散性であり、イオン基等を導入することにより、自己乳化性が付与されたものであっても良い。具体的には、LL−02、L−5407、L−7514、LS210等(日本合成化学工業社製)の分散助剤やLM−20、LM−25、LM−10HD(クラレ社製)、alcotex55−002H(リバーテックス社製)、Sigma404W、Sigam202等(Sigma社製)の分散助剤が挙げられる。
該分散安定剤及び分散助剤は、重合の初期に一括仕込みしても、又重合率50%までの間で分割して仕込んでもよい。
【0037】
更に、本発明の分散助剤には、本発明の効果を阻害しない範囲においてメチルセルロース、ヒドロキシセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、などの水溶性セルロースエーテル、ケン化度65〜98モル%のポリビニルアルコールやゼラチンなどの水溶性ポリマー、ソルビタンモノラウレート、ソルビタントリオレート、グリセリントリステアレート、エチレンオキシドプロピレンオキシドブロックコポリマー等の油溶性乳化剤、カチオン系、アニオン系又はノニオン系の水溶性の乳化剤を併用してもよい。
また、使用される重合開始剤としては、油溶性の重合開始剤であれば特に限定されず、例えば、ジ−2−エチルヘキシルパーオキシジカーボネート、ジ(2−エトキシエチル)パーオキシジカーボネート、t−ブチルパーオキシネオデカネート、α−クミルパーオキシネオデカネート、t−ブチルパーオキシピバレート、γ−クミルパーオキシネオデカネート、ベンゾールパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、α,α′−アゾビスイソブチロニトリル、α,α′−アゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリル、アセチルシクロヘキシルスルホニルパーオキサイド或いはこれらの混合物が使用される。開始剤の仕込み量としては、使用する開始剤の種類、及び重合温度などの条件によっても異なるが、通常単量体100重量部あたり0.01〜2重量部仕込まれる。
又、スケーリング防止の為に必要に応じて適当量のチオシアン酸アンモニウムや亜硝酸塩等の水溶性の重合禁止剤やpH調製剤、架橋剤、重合度調節剤(メルカプトエタノール等のチオール類、アセトアルデヒド、ブチルアルデヒド、トリクロロエチレン等)を併用することも可能である。
【0038】
重合温度は、当業者周知の範囲から、目的とするビニル系化合物の重合度に応じて任意に選択され、通常30〜80℃である。単量体/水の重量比が通常0.5〜1の範囲で実施されるが、重合中に水の追加注入を行って重合に伴う体積収縮による液面低下を補うこともでき、その方が、フィッシュアイの生成を抑制することができるので好ましい。
【0039】
本発明において水、塩化ビニル系単量体、分散安定剤、重合開始剤、連鎖移動剤の仕込み手順は塩化ビニル系単量体の通常の懸濁重合において用いられるいかなる方法も採用することができる。分散安定剤の使用量は、特に制限はないが、通常塩化ビニル系単量体100重量部に対して5重量部以下で、0.01〜1重量部が好ましく、更には0.02〜0.2重量部が好ましい。
塩化ビニル系化合物の製造方法において用いる水性媒体の温度は特に制限はなく、20℃程度の常温水はもとより、97℃程度の温水も用いられるが、重合時の昇温時間を短縮するために、重合時に常温の水の代わりに、あらかじめ加温された水を用いる方法が好ましく、該方法を取る場合は、水はあらかじめ40℃〜97℃、好ましくは40℃〜重合開始温度程度(50℃〜65℃)に加温されたものが好適に用いられ、本発明の分散安定剤を用いることにより懸濁重合時の仕込み温水の温度に塩化ビニル系化合物の品質特性(粒径、粒径分布、可塑剤吸収性)が影響されることがない良好な塩化ビニル系化合物が得られる。
【0040】
懸濁重合時の撹拌は特殊なものではなく、従来塩化ビニル単量体の懸濁重合方法で一般的に採用されている公知の撹拌装置を使用することができ、撹拌翼としては、ファウドラー翼、パドル翼、タービン翼、ファンタービン翼、ブルマージン翼等汎用的に用いられるもので良いが、特にファウドラー翼が好ましく用いられる。またバッフルとの組み合わせも特に制限はないく、バッフルとしては板型、円筒型、D型、ループ型及びフィンガー型などが挙げられる。
【0041】
懸濁重合の対象となる単量体としては、塩化ビニル単量体の単独重合のみではなく、これと共重合可能な単量体、例えばハロゲン化ビニリデン、ビニルエーテル、酢酸ビニル、安息香酸ビニル、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸又はその無水物やエチレン、プロピレン、スチレン等との共重合物にも好適である。以上主として塩化ビニル系化合物の重合について説明したが、本発明の分散安定剤は必ずしも塩化ビニル用に限定されるものではなく、スチレン、酢酸ビニル、メタクリル酸エステル等任意のビニルエステル系単量体の懸濁重合用に使用される。
【0042】
更に本発明の分散安定剤は乳化重合、後乳化等の方法によりエマルジョンを製造する場合にも有用である。
【0043】
【実施例】
以下、本発明を実施例によって具体的に説明する。
なお,実施例中「%」、「部」とあるのは、断りのない限り重量基準を意味する。
実施例1
オキシプロピレンの付加モル数が平均15のポリオキシプロピレンモノアリルエーテル15.1kg、マレイン酸モノメチルエステルを60%含有するメタノール溶液0.25kgと酢酸ビニル399.8kg、アセトアルデヒド4.72kgをメタノール40kgに添加し、2,2’−アゾイソブチロニトリル60.8gを添加し、1m3重合缶中で内温60℃下で重合を開始した。尚、更に重合率40%でマレイン酸モノメチルエステルを60%含有するメタノール溶液0.25kg追加し、7時間共重合した(重合率95%)。次いで残存モノマー量が4.71×10-4%になるまで残存モノマーを追い出した後、メタノール溶媒中で7.4ミリモル%(対酢酸ビニル)の水酸化ナトリウムをメタノール溶液で加えて、ケン化(35℃で2時間)して乾燥後、表1に示される如き部分ケン化ポリビニルアルコール系樹脂(分散安定剤1)を得た。
【0044】
次いで、分散安定剤1を用いて、以下の重合方法A及びBにより塩化ビニル単量体の重合を実施し、得られたポリ塩化ビニル(塩化ビニル系化合物)粒子について、後述の如き性能評価を行った。
【0045】
(重合方法A)
30mmHgまで脱気した100lオートクレーブ中に、57℃の脱イオン水45kg、表1の分散安定剤1を18g仕込み、ジャケット温度を51℃に設定して、撹拌条件下で、塩化ビニル単量体を30kg仕込んだ。仕込み終了後の内温は50℃であった。続いて、2,4,4−トリメチルペンチル−2−パーオキシネオデカネート13g(α−α−ビス−ネオデカノイルパーオキシン)ジイソプロピルベンゼン6gを仕込んで、重合温度51℃で重合開始した。5時間経過後、オートクレーブ内の圧力が重合開始時より1.5kg/cm2降下したので、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール3gを添加して重合を停止し、未反応塩化ビニル単量体をパージし、内容物を取り出して脱水、乾燥し、塩化ビニル系化合物を得、以下の評価を行い、結果を表2〜5に示した。
【0046】
(重合方法B)
57℃の脱イオン水の温度を35℃に代えた以外は重合方法Aと同一条件で重合を行って塩化ビニル系化合物を得、以下の評価を行い、結果を表2〜5に示した。
【0047】
<平均重合度>
JIS K 6721に準拠した。
<粒子径>
▲1▼平均粒子径
ロータップ式振動篩(JIS篩を使用)により測定した粒子径分布より、メジアン径(50%重量径)を求めて平均粒子径とした。
【0048】
▲2▼粗粒子
得られた塩化ビニル系化合物の粒子の一定量を60メッシュ、80メッシュの標準篩で分画し、イ)60メッシュオンとロ)80メッシュオンの重量%を求めた。
<フィッシュアイ>
以下の▲1▼〜▲3▼の3種の評価を行った。
(評価▲1▼トリメリット酸エステル法)
得られた塩化ビニル系化合物の粒子100部、トリス(2−エチルヘキシル)トリメリテート50部、鉛系粉末安定剤3部を155℃で5分間ロール練りして0.3mm厚のシートを作製し25cm2当たりの3分後、4分後、5分後、7分後のフィッシュアイの数を測定した。
【0049】
(評価▲2▼ポリエステル法)
得られた塩化ビニル系化合物の粒子100部、DOP(フタル酸ジ−エチル−ヘキシル)30部、アジピン酸系エステル可塑剤(商品名「ダイヤサイザーD409」(三菱化学製))30部を用いて、上記▲1▼と同様に評価した。
【0050】
(評価▲3▼DOP法)
得られた塩化ビニル系化合物の粒子100部、DOP(フタル酸ジ−2−エチル−ヘキシル)50部、ジオクチル錫ジラウレート3部及びステアリン酸亜鉛1部、ステアリルアルコール0.5部を用いて、上記▲1▼と同様に評価した。
【0051】
<スケール付着性>
重合体スラリーを重合缶外に取り出した後、缶内におけるスケールの付着の状態を目視観察した。
評価基準は以下の通り。
A −−− スケールの付着がなく、重合缶内の金属光沢が見える
B −−− 重合缶内の金属光沢が明瞭でない
C −−− 重合缶内の全面にフィルム状のスケールが確認できる
【0052】
実施例2〜5、比較例1〜6
実施例1に準じて、表1に示す如き部分ケン化ポリビニルアルコール系樹脂(分散安定剤2〜11)を作製し、実施例1と同様に塩化ビニル系化合物を得て、実施例1と同様に評価を行った。重合方法A、Bでの評価結果を表2〜5に示す。尚、PVA0.1%水溶液の280nmの吸光度が、0.1未満のものは、部分ケン化ポリビニルアルコール系樹脂の原料となるポリ酢酸ビニルエステル系樹脂を調製する際、アセトアルデヒドを添加しないで重合を行った。
尚、分散安定剤12は水に不溶の為、評価できなかった。また分散安定剤13は水不溶解分が多いため分散安定剤としては不適であったので重合は行わなかった。
【0053】
【表1】
*:オキシプロピレン基
▲1▼:プロピレンオキサイドモノアリルエーテル(付加モル数=15)
▲2▼:プロピレンオキサイドモノアリルエーテル(付加モル数=30)
*:イオン性親水基
▲3▼マレイン酸モノメチルエステル
▲4▼イタコン酸
【0054】
【表2】
【0055】
【表3】
【0056】
【表4】
【0057】
【表5】
【0058】
【発明の効果】
本発明の分散安定剤としてケン化度が65〜85モル%で、側鎖にオキシアルキレン基を0.1〜10モル%含有し、かつ陰イオン性親水基を0.02〜10モル%含有する部分ケン化ポリビニルアルコール系樹脂を用いることは、従来品に比べ、懸濁重合時のホットウォーターチャージ仕込み時の温度条件等の変化によるビニル系化合物、特に塩化ビニルの性能変動が少ないため、得られたビニル系重合体の粒子中には粗粒子が少なく、粒径分布がシャープで、且つ種々の可塑剤吸収性が良好な為、加工特性に優れており、フィッシュアイが少ない。又、発泡に起因するスケール付着が少ない。
Claims (4)
- 部分ケン化ポリビニルアルコール系樹脂の平均重合度(PA)が500〜1000で、かつ陰イオン性親水基の含有量a(モル%)との関係が下記(2)式を満足することを特徴とする請求項1記載の分散安定剤。
0.1<PA×a×10-2<2・・・(2) - 部分ケン化ポリビニルアルコール系樹脂の0.1重量%水溶液の紫外線吸収スペクトルによる280nmの吸光度が0.1より大きいことを特徴とする請求項1あるいは2記載の分散安定剤。
- 陰イオン性親水基が不飽和脂肪族カルボキシル基であることを特徴とする請求項1〜3いずれか記載の分散安定剤。
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