JP3474304B2 - ビニル系化合物の懸濁重合用分散安定剤 - Google Patents

ビニル系化合物の懸濁重合用分散安定剤

Info

Publication number
JP3474304B2
JP3474304B2 JP06771095A JP6771095A JP3474304B2 JP 3474304 B2 JP3474304 B2 JP 3474304B2 JP 06771095 A JP06771095 A JP 06771095A JP 6771095 A JP6771095 A JP 6771095A JP 3474304 B2 JP3474304 B2 JP 3474304B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
polymerization
vinyl
dispersion stabilizer
mol
suspension polymerization
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP06771095A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH08259609A (ja
Inventor
重喜 高田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kuraray Co Ltd
Original Assignee
Kuraray Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kuraray Co Ltd filed Critical Kuraray Co Ltd
Priority to JP06771095A priority Critical patent/JP3474304B2/ja
Publication of JPH08259609A publication Critical patent/JPH08259609A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3474304B2 publication Critical patent/JP3474304B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Polymerisation Methods In General (AREA)
  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】本発明はビニル系化合物の懸濁重
合用分散安定剤に関する。さらに詳しくは消泡効果に著
しく優れた塩化ビニルなどのビニル系化合物の懸濁重合
用分散安定剤に関する。 【0002】 【従来の技術】工業的に塩化ビニル系樹脂などのビニル
系重合体を製造する場合には、水性媒体中で分散安定剤
の存在下で塩化ビニルなどのビニル系化合物を分散さ
せ、油溶性触媒を用いて重合を行う懸濁重合が広く実施
されている。一般に、ビニル系重合体の品質を支配する
因子としては、重合率、水−モノマー比、重合温度、触
媒の種類および量、重合槽の型式、撹拌速度あるいは分
散安定剤の種類などが挙げられるが、なかでも分散安定
剤の種類による影響が非常に大きい。 【0003】ビニル系化合物の懸濁重合用分散安定剤に
要求される性能としては、得られるビニル系重合体粒
子の粒径分布をできるだけシャープにする働きのあるこ
と、可塑剤の吸収速度を大きくして加工性を容易に
し、重合体粒子中に残存する塩化ビニルなどのモノマー
の除去を容易にし、かつ成形品中のフィッシュアイなど
の生成を防止するために、各重合体粒子を多孔性にする
働きがあること、充填比重の大きい重合体粒子を形成
する働きがあることなどが挙げられる。従来、ビニル系
化合物の懸濁重合用分散安定剤としては、メチルセルロ
ース、カルボキシメチルセルロースなどのセルロース誘
導体あるいは部分けん化ポリビニルアルコールなどが単
独または組み合わせて使用されている。しかしながら、
従来の分散安定剤は上記〜の要求性能を満たしてい
ないという問題があった。 【0004】塩化ビニルなどのビニル系化合物の懸濁重
合は、通常バッチ式で行われ、重合器中に水性媒体、分
散安定剤、重合開始剤およびビニル系化合物などを仕込
み、さらに必要とされる添加剤を加えた後、昇温して重
合反応を行わせるという方法が一般的である。最近で
は、生産性を向上させるために重合1バッチに要する時
間を短縮することが求められており、ビニル系化合物の
懸濁重合においてリフラックスコンデンサー等を設置し
て重合熱の除熱効率を高めたり、あらかじめ加熱した水
性媒体を仕込む方法(ホットチャージ法)により昇温時
間を短縮する方法が用いられている。しかしながら、従
来のビニル系化合物の懸濁重合用分散安定剤を用いた場
合には、重合中における発泡が激しいことから重合器内
の有効容積が減少して生産性が低下したり、リフラック
スコンデンサー付重合器を用いると温度コントロールが
できなくなったり、ホットチャージ法を用いるとビニル
系重合体粒子の多孔性が低下するという致命的欠点があ
った。一方、発泡を防止するために消泡剤等を添加する
と、生成するビニル系重合体粒子の熱安定性が低下する
という問題があった。 【0005】特開平01ー95104号〔公知文献
(a)〕には、けん化度40モル%以下で、側鎖にイオ
ン基を有するエチレン・ビニルエステル共重合体からな
る塩化ビニルの懸濁重合用分散助剤が記載されている。
しかしながら公知文献(a)に記載された分散助剤は単
独で使用した場合には、ビニル系化合物の懸濁重合の安
定性が確保できない。また該分散助剤を従来の部分けん
化ポリビニルアルコールと組み合わせて使用した場合に
は、リフラックスコンデンサー付き重合器内における発
泡性が激しいという問題があった。特開平03ー140
303号〔公知文献(b)〕には、けん化度40モル%
より大きく80モル%以下で、側鎖にイオン基を有する
エチレン・ビニルエステル共重合体からなる塩化ビニル
の懸濁重合用分散安定剤が記載されている。しかしなが
ら公知文献(b)に記載された分散安定剤を使用した場
合には、上記〜の要求性能は満足できるものの、リ
フラックスコンデンサー付き重合器内における発泡性が
激しいという問題があった。 【0006】 【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、従来
の一般的なビニル系化合物の懸濁重合方法である常温の
水性媒体を重合器内に仕込む方法(コールドチャージ
法)および重合器内のジャケットまたはコイルにより重
合温度のコントロールを行う方法はもとより、コンデン
サー付重合器を使用する方法、ホットチャージ法および
コンデンサー付重合器を用いたホットチャージ法におい
ても、重合器内の消泡効果が著しく優れており、かつ前
記〜の要求特性を同時に満たす分散安定剤を提供す
ることにある。 【0007】 【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題を
解決するために鋭意検討を重ねた結果、エチレン単位の
含有量1〜24モル%およびけん化度が80モル%より
大の変性ポリビニルアルコール(A)からなるビニル系
化合物の懸濁重合用分散安定剤(以下、第一発明と略記
する);該変性ポリビニルアルコール(A)がさらにス
ルホン酸基、アミノ基、アンモニウム基、カルボキシル
基またはカチオン基を有する水溶性もしくは水分散性で
あるビニル系化合物の懸濁重合用分散安定剤(以下、第
二発明と略記する);および該変性ポリビニルアルコー
ル(A)ならびにけん化度60〜95モル%および重合
度600以上のポリビニルアルコール系重合体(B)
を、重量比で(A)成分/(B)成分が1/9〜8/2
の割合で混合してなるビニル系化合物の懸濁重合用分散
安定剤(以下、第三発明と略記する)を見出だし本発明
を完成させるに至った。すなわち、本発明の分散安定剤
を用いた場合には、従来の一般的なビニル系化合物の懸
濁重合方法である常温の水性媒体を重合器内に仕込む方
法(コールドチャージ法)および重合器内のジャケット
またはコイルにより重合温度のコントロールを行う方法
はもとより、コンデンサー付重合器を使用する方法、ホ
ットチャージ法およびコンデンサー付重合器を用いたホ
ットチャージ法においても、重合器内の消泡効果が著し
く優れており、かつ前記〜の要求特性を同時に満た
すことを見いだし、本発明を完成させるに到った。 【0008】最初に第一発明について説明する。本発明
の変性ポリビニルアルコール(A)のけん化度は80モ
ル%より大であり、好ましくは88〜99モル%で、更
に好ましくは92〜98モル%である。エチレン単位の
含有量は1〜24モル%であり、好ましくは1.5〜1
5モル%、更に好ましくは2〜9モル%である。重合度
に関しては特に制限はないが、3500以下が好まし
い。 【0009】本発明における変性ポリビニルアルコール
(A)は、ビニルエステルとエチレンとの共重合体をけ
ん化することにより得られる。ビニルエステルとして
は、蟻酸ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ピ
バリン酸ビニル等が挙げられるが、酢酸ビニルが最も好
ましい。 【0010】また、変性ポリビニルアルコール(A)
は、本発明の効果を損なわない範囲で共重合可能なエチ
レン性不飽和単量体を共重合したものでも良い。このよ
うなエチレン性不飽和単量体としては、例えば、アクリ
ロニトリル、メタクリロニトリル、エチルビニルエーテ
ル、ブチルビニルエーテル、N−ビニルピロリドン、塩
化ビニル、臭化ビニル、フッ化ビニル、塩化ビニリデ
ン、フッ化ビニリデン、テトラフルオロエチレン、など
が挙げられる。また、チオール酢酸などのチオール化合
物の存在下で、酢酸ビニルなどのビニルエステル系単量
体を、エチレンと共重合し、それをけん化するという、
従来公知の方法によって得られる末端変性物も用いるこ
とができる。 【0011】次に本発明の第二発明について説明する。
第二発明に用いられる変性ポリビニルアルコール(A)
は水溶性または水分散性であり、第一発明の変性ポリビ
ニルアルコール(A)に、スルホン酸基、アミノ基、ア
ンモニウム基、カルボキシル基またはカチオン基を導入
したものである。該イオン性基の変性量としては、0.
01モル%〜10モル%が好ましい。イオン性基の変性
方法は特に制限はないが、イオン性基を含有するモノマ
ーとエチレンおよびビニルエステルモノマーとの共重合
により得ることができる。さらに、その共重合体の部分
けん化物は、その共重合体を公知の方法により部分的に
けん化することにより得ることができる。 【0012】本方法において用いられるスルホン酸基を
有する重合性単量体としては特に制限はないが、たとえ
ば、エチレンスルホン酸、(メタ)アリルスルホン酸、
スルホアルキルマレート、スルホアルキル(メタ)アク
リルアミド、スルホアルキル(メタ)アクリレート、ア
クリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸などのス
ルホン酸含有単量体およびその塩が挙げられる。 【0013】また、アミノ基およびアンモニウム基とし
てはたとえば、N−(1ジメチルジメチル
アミノプロピル)(メタ)アクリルアミド、N−(1
ジメチルジメチルアミノブチル)(メタ)ア
クリルアミド、N−ビニルイミダゾール、2メチル
N−ビニルイミダゾール、ビニルジメチルアミノ
プロピルエーテル、ビニルジメチルアミノエチル
エーテル、アリルジメチルアミノプロピルエーテ
ル、アリルジメチルアミン、メタアリルジメチルアミ
ン、およびこれらの四級化した単量体等が挙げられる。 【0014】また、カルボキシル基としてはたとえば、
クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、(メ
タ)アクリル酸、等が挙げられる。 【0015】また、チオール酢酸、メルカプトプロピオ
ン酸などのチオール化合物の存在下で、酢酸ビニルなど
のビニルエステル系単量体を、エチレンと共重合し、そ
れをけん化するという、従来公知の方法によって得られ
る末端変性物も用いることができる。 【0016】次に本発明の第三発明について説明する。
第三発明において用いられる変性ポリビニルアルコール
(A)は、第一発明または第二発明において用いられる
変性ポリビニルアルコール(A)と同一のものが用いら
れる。第三発明におけるポリビニルアルコール系重合体
(B)のけん化度は60〜95モル%であり、65〜8
8モル%が好ましく、さらに68〜82モル%がより好
ましい。ポリビニルアルコール系重合体(B)の重合度
は、600以上であり、650〜3500がより好まし
く、680〜2500がさらにより好ましい。 【0017】成分(A)と成分(B)の重量比(A)/
(B)は1/9〜8/2であり、3/7〜7/3がより
好ましく、6/4〜6/4がさらにより好ましい。 【0018】本発明においては、第一発明または第二発
明の分散安定剤にポリビニルアルコール系重合体(B)
が併用された形態も、分散安定剤という。本発明のポリ
ビニルアルコール系重合体(B)の製造方法には特に制
限はなく、従来公知のものが好適に用いられる。 【0019】次に第一発明〜第三発明の分散安定剤を用
いたビニル系化合物の懸濁重合によるビニル系重合体の
製造方法について説明する。ビニル系重合体の製造方法
において用いる水性媒体の温度は特に制限はなく、20
℃程度の冷水はもとより、90℃以上の温水も好適に用
いられる。この加熱水性媒体を構成する媒体は、純粋な
水のほかに、各種の添加成分を含有する水溶液あるいは
他の有機溶剤を含む水性媒体が挙げられる。また、加熱
水性媒体を重合反応系に仕込む際の供給量は、重合反応
系を充分に加温できる量であればよい。また除熱効率を
高めるためにリフラックスコンデンサー付重合器も好適
に用いられる。ビニル系重合体の製造方法において、分
散安定剤の使用量は特に制限はないが、通常ビニル系化
合物100重量部に対して5重量部以下であり、0.0
1〜1重量部が好ましく、0.02〜0.2重量部がさ
らにより好ましい。本発明の分散安定剤は単独で使用し
ても良いが、塩化ビニルなどのビニル系化合物を水性媒
体中で懸濁重合する際に通常使用されるメチルセルロー
ス、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピル
セルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースなど
の水溶性セルロースエーテル、ゼラチンなどの水溶性ポ
リマー、ソルビタンモノラウレート、ソルビタントリオ
レート、グリセリントリステアレート、エチレンオキシ
ドプロピレンオキシドブロックコポリマーなどの油溶性
乳化剤、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレー
ト、ポリオキシエチレングリセリンオレート、ラウリン
酸ナトリウムなどの水溶性乳化剤などを併用しても良
い。その添加量については特に制限はないが、塩化ビニ
ルなどのビニル系化合物100重量部当たり0.01〜
1.0重量部が好ましい。またけん化度60モル%未満
のいわゆるポリビニルエステル系分散助剤を本発明の分
散安定剤100重量部に対し1〜100重量部添加する
ことも可能である。この際分散助剤は無変性のもので
も、また側鎖あるいは末端にカルボキシル基などのイオ
ン基を10モル%以下有するものであっても良い。 【0020】その他各種添加剤も必要に応じて加えるこ
とができる。各種添加剤としては、例えばアセトアルデ
ヒド、ブチルアルデヒド、トリクロロエチレン、パーク
ロロエチレンあるいはメルカプタン類などの重合度調節
剤、フェノール化合物、イオウ化合物、N−オキシド化
合物などの重合禁止剤などが挙げられる。また、pH調
整剤、スケール防止剤、架橋剤などを加えることも任意
であり、上記の添加剤を複数併用しても差し支えない。
一方、重合開始剤も、従来塩化ビニルなどのビニル系化
合物の重合に使用されているものでよく、これには例え
ばジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ−2−
エチルヘキシルパーオキシジカーボネート、ジエトキシ
エチルパーオキシジカーボネートなどのパーカーボネー
ト化合物、t−ブチルパーオキシネオデカネート、α−
クミルパーオキシネオデカネート、t−ブチルパーオキ
シネオデカネートなどのパーエステル化合物、アセチル
シクロヘキシルスルホニルパーオキシド、2,4,4−
トリメチルペンチル−2−パーオキシフェノキシアセテ
ートなどの過酸化物、2,2′−アゾビスイソブチロニ
トリル、アゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリル、
アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニト
リル)などのアゾ化合物などが挙げられ、さらにはこれ
らに過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過酸化水素
などを組み合わせて使用することもできる。 【0021】本発明の分散安定剤を用いて懸濁重合する
ことのできるビニル系化合物としては、具体的には塩化
ビニル単独のほか、塩化ビニルを主体とする単量体混合
物(塩化ビニル50重量%以上)が包含され、この塩化
ビニルと共重合されるコモノマーとしては、酢酸ビニ
ル、プロピオン酸ビニルなどのビニルエステル、(メ
タ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチルなど
の(メタ)アクリル酸エステル、エチレン、プロピレン
などのオレフィン、無水マレイン酸、アクリロニトリ
ル、イタコン酸、スチレン、塩化ビニリデン、ビニルエ
ーテル、その他塩化ビニルと共重合可能な単量体が例示
される。さらには、塩化ビニルを含まない上記ビニル系
化合物の単独重合や共重合に当たっても、本発明の分散
安定剤を用いることができる。本発明の分散安定剤を用
いて懸濁重合するに当たって、各成分の仕込み割合、重
合温度などは、従来塩化ビニルなどのビニル系化合物の
懸濁重合で採用されている条件に準じて定めればよい。
また、ビニル系化合物、重合開始剤、分散安定剤、加熱
水性媒体およびその他添加物の仕込み順序や比率につい
ては、なんら制限されない。また、温水を用いると同時
に、ビニル系化合物を重合器に仕込む前にビニル系化合
物を加熱しておく方法も好適に用いられる。 【0022】 【実施例】以下実施例をあげて本発明をさらに詳しく説
明するが、本発明はこれらの実施例によってなんら限定
されるものではない。なお、以下の実施例において
「%」および「部」は特に断りのない限り、「重量%」
および「重量部」を意味する。 【0023】参考例 (エチレン変性PVAの製造) 撹拌機、窒素導入口、エチレン導入口および開始剤添加
口を備えた100L加圧反応槽に酢酸ビニル50kgお
よび、メタノール9.2kgを仕込み、60℃に昇温し
た後30分間窒素バブリングにより系中を窒素置換し
た。次いで反応槽圧力が6kg/cmになるようにエ
チレンを導入仕込みした。開始剤として22’アゾ
ビス(4メトキシジメチルバレロニトリ
ル)をメタノールに溶解した濃度1. 4g/L溶液を
調製し、窒素ガスによるバブリングを行って窒素置換し
た。上記の反応槽内温を60℃に調整した後、上記の開
始剤溶液56mLを注入し、重合を開始した。重合中は
エチレンを導入して反応槽圧力を6kg/cmに、重
合温度を60℃に維持し、上記の開始剤溶液を180m
L/hrで連続添加した。6時間後に重合率が40%に
達したところで冷却して重合を停止した。反応槽を
して脱エチレンしたあと窒素ガスをバブリングして脱エ
チレンを完全に行った。次いで減圧下に未反応酢酸ビニ
ルモノマーを除去し、メタノール溶液とした。20%に
調整した該溶液にモル比(NaOHのモル数/ ポリ酢
酸ビニルのモル数)0.045のNaOHメタノール溶
液(10%濃度)を添加してけん化した。得られた変性
PVAのけん化度は94.2モル%であった。 【0024】重合、未反応酢酸ビニルモノマーを除去し
て得られたPVAcのメタノール溶液をnヘキサンに
沈殿、アセトンで溶解する再沈精製を3回行った後、6
0℃で減圧乾燥して精製PVAcを得た。該PVAcの
アルカリ消費量を測定して求めたエチレン変性量は5.
5モル%であった。上記のPVAcのメタノール溶液を
アルカリモル比0.2でけん化した後、メタノールソッ
クスレーを3日間実施し、次いで乾燥して精製変性PV
Aを得た。該変性PVAの平均重合度を常法のJIS
K6726に準じて測定したところ1400であった。 【0025】実施例1〜6、比較例1〜3 (塩化ビニルの重合)リフラックスコンデンサー付のグ
ラスライニング製オートクレーブに、表1に示した分散
安定剤を溶かした脱イオン水1部およびジイソプロピル
パーオキシジカーボネートの70%トルエン溶液0.0
4部を仕込み、オートクレーブ内を50mmHgとなる
まで脱気して酸素を除いたのち、撹拌下で85℃の温水
39部および塩化ビニルモノマー30部を同時に仕込ん
だ。仕込みが終了した時点での液面は重合器の底面から
60%の高さであり、内温は57℃であった。その後内
温を57℃保ち重合を継続した。重合開始時、オートク
レーブ内の圧力は7.3kg/cm2 Gであったが、重
合開始6時間後に4.2kg/cm2 Gとなった時点で
重合を停止し、未反応の塩化ビニルモノマーをパージ
し、内容物を取り出し脱水乾燥した。塩化ビニル重合体
の重合収率は85%であり、平均重合度は1050であ
った。重合性の評価結果および塩化ビニル樹脂の性能評
価結果を下記の方法により評価し、その結果を表2に示
す。 【0026】(1)可塑剤吸収性 プラストグラフに接続されたプラネタリーミキサーに、
得られた塩化ビニル重合体粉末400gを入れ、60r
pmで撹拌しながら予熱(4分)して88℃としたの
ち、これにジオクチルフタレートを200g添加し、添
加時からトルクの下降した時点まで時間を可塑剤吸収性
(分)とした。 (2)CPA(Cold Plasticizer A
bsorption:冷可塑剤吸収量)ASTM−D3
367−75に記載された方法より、23℃におけるジ
オクチルフタレートの吸収量を測定した。 (3)発泡性評価 重合終了時に重合器内の発泡状態を目視により観察し、
以下の記号で示す。 ◎:発泡なし ○:重合器の底面から62〜65%の高さにまで泡が認
められた。 △:重合器の底面から66〜70%の高さにまで泡が認
められた。 ▲:重合器の底面から90〜100%の高さにまで泡が
認められた。 ×:重合器の底面から100%の高さにまで泡が認めら
れ、さらにリフラックスコンデンサーに泡が詰まってい
た。 【0027】 【表1】 【0028】 【表2】 【0029】 【発明の効果】本発明の分散安定剤を使用してビニル系
化合物、特に塩化ビニルを懸濁重合して得られたビニル
系重合体は、粒子の粒径分布がシャープで、充填比重が
大きく、可塑剤の吸収速度が大きくて加工性が良好であ
り、重合体粒子中に残存する塩化ビニルなどのモノマー
の除去が容易であり、かつ各重合体粒子が多孔性である
ことから成形品中のフィッシュアイが少ない。さらに、
重合中における発泡がすくないことから、重合温度の制
御が容易であり、発泡に起因するスケールの付着が少な
い。

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 エチレン単位の含有量が1〜9モル%
    けん化度が80モル%より大であり、スルホン酸基、ア
    ミノ基、アンモニウム基、カルボキシル基またはカチオ
    ン基を0.01〜10モル%有する変性ポリビニルアル
    コール(A)ならびにけん化度が60〜95モル%およ
    び重合度が600以上のポリビニルアルコール系重合体
    (B)を、重量比で(A)成分/(B)成分が1/9〜
    8/2の割合で混合してなるビニル系化合物の懸濁重合
    用分散安定剤。
JP06771095A 1995-03-27 1995-03-27 ビニル系化合物の懸濁重合用分散安定剤 Expired - Fee Related JP3474304B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP06771095A JP3474304B2 (ja) 1995-03-27 1995-03-27 ビニル系化合物の懸濁重合用分散安定剤

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP06771095A JP3474304B2 (ja) 1995-03-27 1995-03-27 ビニル系化合物の懸濁重合用分散安定剤

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH08259609A JPH08259609A (ja) 1996-10-08
JP3474304B2 true JP3474304B2 (ja) 2003-12-08

Family

ID=13352796

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP06771095A Expired - Fee Related JP3474304B2 (ja) 1995-03-27 1995-03-27 ビニル系化合物の懸濁重合用分散安定剤

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3474304B2 (ja)

Families Citing this family (16)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CA2291217C (en) * 1998-12-09 2004-09-21 Kuraray Co., Ltd. Vinyl alcohol polymer and its composition
JP4772175B2 (ja) * 1998-12-09 2011-09-14 株式会社クラレ ビニルアルコール系重合体および組成物
EP1152032B1 (en) * 1999-12-03 2015-01-07 Kuraray Co., Ltd. Aqueous emulsion and method for suspension polymerization of vinyl compound
JP4294189B2 (ja) * 2000-01-20 2009-07-08 株式会社クラレ ポリビニルアルコール系樹脂フィルム
JP4615153B2 (ja) * 2000-07-19 2011-01-19 株式会社クラレ ビニル系化合物の懸濁重合用分散安定剤
DE60134089D1 (de) 2000-07-19 2008-07-03 Kuraray Co Dispersionsstabilisator für die Suspensionspolymerisation von Vinyl-Verbindungen
JP4754112B2 (ja) * 2000-07-19 2011-08-24 株式会社クラレ ビニル系化合物の懸濁重合用分散安定剤
JP4615152B2 (ja) * 2000-07-19 2011-01-19 株式会社クラレ ビニル系化合物の懸濁重合用分散安定剤
DE60205836T2 (de) * 2001-10-05 2006-05-18 Kuraray Co., Ltd., Kurashiki Dispersionsstabilisierungsmittel für die Suspensionspolymerisation einer Vinylverbindung
DE10329594A1 (de) * 2003-06-30 2005-01-27 Follmann & Co Gesellschaft für Chemiewerkstoffe und -Verfahrenstechnik mbH & Co KG Klebstoffzusammensetzung
TWI413649B (zh) * 2006-04-12 2013-11-01 Kuraray Co 分散穩定劑
CN101663330B (zh) 2007-04-16 2012-06-06 可乐丽股份有限公司 悬浮聚合用分散稳定剂
SG10201810409YA (en) 2014-05-28 2018-12-28 Japan Vam & Poval Co Ltd Dispersion stabilizer for suspension polymerization, production method for vinyl-based polymer, and vinyl chloride resin
CN107870136B (zh) * 2016-09-28 2020-02-21 中石化石油工程技术服务有限公司 一种两性离子磺化酚醛树脂阳离子度的测定方法
JP2019038935A (ja) * 2017-08-24 2019-03-14 株式会社クラレ ポリビニルアルコール組成物及びその用途
TW202005988A (zh) * 2018-06-21 2020-02-01 日商可樂麗股份有限公司 乙烯系聚合物之製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JPH08259609A (ja) 1996-10-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3474304B2 (ja) ビニル系化合物の懸濁重合用分散安定剤
EP0884332B1 (en) Dispersing stabilizer
JP3529857B2 (ja) ビニル系化合物の懸濁重合用分散安定剤
JP3474307B2 (ja) ビニル系化合物の懸濁重合用分散安定剤
JP3995584B2 (ja) ビニル系化合物の懸濁重合用分散安定剤の製造法
JP4615152B2 (ja) ビニル系化合物の懸濁重合用分散安定剤
JP3441258B2 (ja) ビニル系化合物の懸濁重合用分散助剤及び分散安定剤
JP4421715B2 (ja) ビニル系樹脂の製造方法
JP2001233905A (ja) ビニル系化合物の懸濁重合用分散安定剤
JP2566593B2 (ja) ビニル系化合物の懸濁重合用の分散安定剤
EP0802201B2 (en) Process for producing vinyl resin
JP4245784B2 (ja) 塩化ビニル懸濁重合用分散安定剤
JP4615153B2 (ja) ビニル系化合物の懸濁重合用分散安定剤
JP3742182B2 (ja) ビニル系樹脂の製造方法
JP4303872B2 (ja) ビニル系化合物の懸濁重合用分散安定剤
JP2807526B2 (ja) 塩化ビニル系重合体の製造方法
JP4754112B2 (ja) ビニル系化合物の懸濁重合用分散安定剤
JPH0224842B2 (ja)
JPH11116630A (ja) ビニル系樹脂の製造方法
KR100251022B1 (ko) 비닐화합물의현탁중합방법
JP3898696B2 (ja) 塩化ビニル重合体の製造方法
JP3426770B2 (ja) ビニル系化合物の懸濁重合用分散安定剤
JP3563176B2 (ja) ビニル系化合物の懸濁重合用分散安定剤
JPH0925307A (ja) ビニル系化合物の懸濁重合用分散安定剤
JPH0534366B2 (ja)

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20070919

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080919

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080919

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090919

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100919

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110919

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120919

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120919

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130919

Year of fee payment: 10

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees