JPH0925307A - ビニル系化合物の懸濁重合用分散安定剤 - Google Patents

ビニル系化合物の懸濁重合用分散安定剤

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JPH0925307A
JPH0925307A JP17481995A JP17481995A JPH0925307A JP H0925307 A JPH0925307 A JP H0925307A JP 17481995 A JP17481995 A JP 17481995A JP 17481995 A JP17481995 A JP 17481995A JP H0925307 A JPH0925307 A JP H0925307A
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vinyl
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polymer
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JP17481995A
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Shigeki Takada
重喜 高田
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Kuraray Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 炭素数2〜20のヒドロキシアルキル基を側
鎖に有し、けん化度65モル%以上のビニルアルコール
系重合体よりなるビニル系化合物の懸濁重合用分散安定
剤。 【効果】 本発明の分散安定剤は重合中における発泡挙
動が極めて小さいことから、重合器内の有効容積が増加
して生産性が向上し、リフラックスコンデンサー付重合
器を用いた懸濁重合またはホットチャージ法による懸濁
重合において、重合器の温度コントロールが容易とな
る。また、本発明の懸濁重合用分散安定剤を用いた場合
には、得られたビニル系重合体粒子は、粒子径が大き
く、その分布がシャープで、取扱い時の飛散が少なく、
かつ成形機などへのくい込み性が良好であり、ビニル系
重合体粒子の多孔性が向上し、可塑剤吸収速度が大き
く、しかも充填比重が高い。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はビニル系化合物の懸
濁重合用分散安定剤に関する。さらに詳しくは消泡効果
に著しく優れた塩化ビニルなどのビニル系化合物の懸濁
重合用分散安定剤に関する。
【0002】
【従来の技術】工業的に塩化ビニル系樹脂などのビニル
系重合体を製造する場合には、水性媒体中で分散安定剤
の存在下で塩化ビニルなどのビニル系化合物を分散さ
せ、油溶性触媒を用いて重合を行う懸濁重合が広く実施
されている。一般に、ビニル系重合体の品質を支配する
因子としては、重合率、水−モノマー比、重合温度、触
媒の種類および量、重合槽の型式、撹拌速度あるいは分
散安定剤の種類などが挙げられるが、なかでも分散安定
剤の種類による影響が非常に大きい。
【0003】ビニル系化合物の懸濁重合用分散安定剤に
要求される性能としては、得られるビニル系重合体粒
子の粒径分布をできるだけシャープにする働きのあるこ
と、可塑剤の吸収速度を大きくして加工性を容易に
し、重合体粒子中に残存する塩化ビニルなどのモノマー
の除去を容易にし、かつ成形品中のフィッシュアイなど
の生成を防止するために、各重合体粒子を多孔性にする
働きがあること、充填比重の大きい重合体粒子を形成
する働きがあることなどが挙げられる。従来、ビニル系
化合物の懸濁重合用分散安定剤としては、メチルセルロ
ース、カルボキシメチルセルロースなどのセルロース誘
導体あるいは部分けん化ポリビニルアルコールなどが単
独または組み合わせて使用されている。しかしながら、
従来の分散安定剤は上記〜の要求性能を満たしてい
ないという問題があった。
【0004】塩化ビニルなどのビニル系化合物の懸濁重
合は、通常バッチ式で行われ、重合器中に水性媒体、分
散安定剤、重合開始剤およびビニル系化合物などを仕込
み、さらに必要とされる添加剤を加えた後、昇温して重
合反応を行わせるという方法が一般的である。最近で
は、生産性を向上させるために重合1バッチに要する時
間を短縮することが求められており、ビニル系化合物の
懸濁重合においてリフラックスコンデンサー等を設置し
て重合熱の除熱効率を高めたり、あらかじめ加熱した水
性媒体を仕込む方法(ホットチャージ法)により昇温時
間を短縮する方法が用いられている。しかしながら、従
来のビニル系化合物の懸濁重合用分散安定剤を用いた場
合には、重合中における発泡が激しいことから重合器内
の有効容積が減少して生産性が低下したり、リフラック
スコンデンサー付重合器を用いると温度コントロールが
できなくなったり、ホットチャージ法を用いるとビニル
系重合体粒子の多孔性が低下するという致命的欠点があ
った。一方、発泡を防止するために消泡剤等を添加する
と、生成するビニル系重合体粒子の熱安定性が低下する
という問題があった。
【0005】特開昭63−17628号〔公知文献
(a)〕および特開平1−240501号〔公知文献
(b)〕には、末端に炭素数6以上のアルキル基をを有
するポリビニルアルコールからなる塩化ビニルの懸濁重
合用分散安定剤が記載されている。しかしながら、公知
文献(a)および(b)に記載された分散安定剤を使用
した場合には、上記〜の要求性能は満足できるもの
の、リフラックスコンデンサー付き重合器内における発
泡性が激しいという問題があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、従来
の一般的なビニル系化合物の懸濁重合方法である常温の
水性媒体を重合器内に仕込む方法(コールドチャージ
法)および重合器内のジャケットまたはコイルにより重
合温度のコントロールを行う方法はもとより、コンデン
サー付重合器を使用する方法、ホットチャージ法および
コンデンサー付重合器を用いたホットチャージ法におい
ても、重合器内の消泡効果が著しく優れており、かつ前
記〜の要求特性を同時に満たす分散安定剤を提供す
ることにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題を
解決するために鋭意検討を重ねた結果、炭素数2〜20
のヒドロキシアルキル基を側鎖に有し、けん化度65モ
ル%以上のビニルアルコール系重合体(A)よりなるビ
ニル系化合物の懸濁重合用分散安定剤(以下「第一発
明」と略記する);前記のビニルアルコール系重合体
(A)ならびにけん化度60〜95モル%および重合度
400以上のポリビニルアルコール系重合体(B)を重
量比で(A)成分/(B)成分が1/9〜8/2の割合
で配合してなるビニル系化合物の懸濁重合用分散安定剤
(以下「第二発明」と略記する)を見出し、これらの分
散安定剤を用いると、従来の一般的なビニル系化合物の
懸濁重合方法である常温の水性媒体を重合器内に仕込む
方法(コールドチャージ法)および重合器内のジャケッ
トまたはコイルにより重合温度のコントロールを行う方
法はもとより、コンデンサー付重合器を使用する方法、
ホットチャージ法およびコンデンサー付重合器を用いた
ホットチャージ法においても、重合器内の消泡効果が著
しく優れており、かつ前記〜の要求特性を同時に満
たすことを見いだし、本発明を完成させるに到った。
【0008】
【発明の実施の形態】最初に第一発明の実施の形態につ
いて説明する。本発明のビニルアルコール系重合体は、
分子内にビニルアルコール単位を有していることが必要
である。本発明のビニルアルコール系重合体の側鎖は炭
素数2〜20のヒドロキシアルキル基であり、該側鎖は
ビニルアルコール系重合体の主鎖に直接結合しているこ
とが必要である。本発明のビニルアルコール系重合体の
ヒドロキシアルキル基の炭素数は、2〜20であり、2
〜15が好ましく、3〜10がより好ましい。ヒドロキ
シアルキル基は、少なくとも1個のヒドロキシル基(水
酸基)を有するアルキル基であり、水溶性の点で、ωー
ヒドロキシアルキル基がより好ましい。ヒドロキシアル
キル基のアルキル基としては、その水素原子が炭素数1
〜9の直鎖状または分岐状のアルキル基で置換されてい
てもよい。側鎖に炭素数2〜20のヒドロキシアルキル
基を有する単量体単位としては、ヒドロキシル基含有オ
レフィン単位が挙げられる。ヒドロキシル基含有オレフ
ィン単位のなかでも、ビニルアルコール系重合体の重合
度の制御の容易性やヒドロキシアルキル基を有する単量
体単位の含有量の制御の容易性などの点から、3-ブテン
-1- オール、4-ペンテン-1- オール、5-ヘキセン-1- オ
ール、7-オクテン-1- オール、9-デセン-1- オール、11
- ドデセン-1- オールなどに由来する単量体単位が好ま
しい。これらの単量体単位のほかに、ビニルアルコール
系重合体の原料であるビニルエステル系重合体のけん化
反応時に、ヒドロキシル基の生成が可能なエステル基を
含有する単量体単位であってもよい。
【0009】本発明のビニルアルコール系重合体におけ
る炭素数2〜20のヒドロキシアルキル基の含有量につ
いては特に制限はないが、その好適な含有量は0.1〜
50モル%が好ましく、1〜30モル%がより好まし
い。本発明のビニルアルコール系重合体のけん化度は6
5モル%以上であることが必要であり、70モル%以上
が好ましく、80モル%以上がさらに好ましい。本発明
のビニルアルコール系重合体の粘度平均重合度(以下
「重合度」と略記する)は、100〜5000が好まし
く、200〜3500がより好ましく、500〜250
0が特に好ましい。重合度が100未満の場合には、保
護コロイド性が低下し、重合度が5000より大の場合
には、スケール付着等が増加し、またビニルアルコール
系重合体の工業的な製造が難しい。
【0010】本発明のビニルアルコール系重合体の製法
としては、ビニルエステルとヒドロキシアルキル基含有
オレフィンとを共重合して得られたビニルエステル系重
合体を、アルコールあるいはジメチルスルホキシド溶液
中でけん化する方法などの公知の方法が挙げられる。ビ
ニルエステルとしては、蟻酸ビニル、酢酸ビニル、プロ
ピオン酸ビニル、ピバリン酸ビニルなどが挙げられる
が、酢酸ビニルが好ましい。
【0011】本発明のビニルアルコール系重合体は、本
発明の効果を損なわない範囲で、共重合可能なエチレン
性不飽和単量体を共重合したものでもよい。エチレン性
不飽和単量体としては、エチレン、プロピレン、1−ブ
テン、イソブテンなどのオレフィン類;アクリル酸、メ
タクリル酸、クロトン酸、(無水)フタル酸、(無水)
マレイン酸、(無水)イタコン酸などの不飽和酸類ある
いはその塩あるいは炭素数1〜18のモノまたはジアル
キルエステル類;アクリルアミド、炭素数1〜18のN
−アルキルアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリル
アミド、2−アクリルアミドプロパンスルホン酸あるい
はその塩、アクリルアミドプロピルジメチルアミンある
いはその酸塩あるいはその4級塩などのアクリルアミド
類;メタクリルアミド、炭素数1〜18のN−アルキル
メタクリルアミド、N,N−ジメチルメタクリルアミ
ド、2−メタクリルアミドプロパンスルホン酸あるいは
その塩、メタクリルアミドプロピルジメチルアミンある
いはその酸塩あるいはその4級塩などのメタクリルアミ
ド類;N−ビニルピロリドン、N−ビニルホルムアミ
ド、N−ビニルアセトアミドなどのN−ビニルアミド
類;アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどのシア
ン化ビニル類;炭素数1〜18のアルキルビニルエーテ
ル、ヒドロキシアルキルビニルエーテル、アルコキクシ
アルキルビニルエーテルなどのビニルエーテル類;塩化
ビニル、塩化ビニリデン、フッ化ビニル、フッ化ビニリ
デン、臭化ビニルなどのハロゲン化ビニル類;トリメト
キシビニルシランなどのビニルシラン類、酢酸アリル、
塩化アリル、アリルアルコール、ジメチルアリルアルコ
ール、トリメチル−(3−アクリルアミド−3−ジメチ
ルプロピル)−アンモニウムクロリド、アクリルアミド
−2−メチルプロパンスルホン酸などが挙げられる。ま
た、本発明のビニルアルコール系重合体は、チオール酢
酸、メルカプトプロピオン酸などのチオール化合物の存
在下で、酢酸ビニルなどのビニルエステル系単量体を、
ヒドロキシアルキル基含有オレフィンと共重合し、それ
をけん化することによって得られる末端変性物でもよ
い。
【0012】ビニルエステルとヒドロキシアルキル基含
有オレフィンとの共重合の方法としては、塊状重合法、
溶液重合法、懸濁重合法、乳化重合法などの公知の方法
が挙げられる。その中でも、無溶媒あるいはアルコール
などの溶媒中で重合する塊状重合法や溶液重合法が通常
採用され、高重合度のものを得る場合には、乳化重合が
採用される。溶液重合時に溶媒として使用されるアルコ
ールとしては、メチルアルコール、エチルアルコール、
プロピルアルコールなどの低級アルコールが挙げられ
る。共重合に使用される開始剤としては、α, α'-アゾ
ビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2,4
−ジメチル−バレロニトリル)、過酸化ベンゾイル、n
ープロピルパーオキシカーボネートなどのアゾ系開始剤
または過酸化物系開始剤などの公知の開始剤が挙げられ
る。重合温度はについては特に制限はないが、室温〜1
50℃の範囲が適当である。
【0013】ビニルエステルとヒドロキシアルキル基含
有オレフィンとの共重合体は、アルコール、場合によっ
ては含水アルコールに溶解した状態でけん化される。け
ん化反応に使用されるアルコールとしては、メチルアル
コール、エチルアルコールなどの低級アルコールが挙げ
られ、メチルアルコールが特に好適に使用される。けん
化反応に使用されるアルコールには、40重量%以下であ
れば、アセトン、酢酸メチルエステル、酢酸エチルエス
テル、ベンゼン等の溶剤を含有していてもよい。けん化
反応に用いられる触媒としては、水酸化カリウム、水酸
化ナトリウムなどのアルカリ金属の水酸化物、ナトリウ
ムメチラートなどのアルカリ触媒、あるいは鉱酸などの
酸触媒が用いられる。けん化反応の温度については特に
制限はないが、20〜60℃の範囲が適当である。
【0014】次に本発明の第二発明の実施の形態につい
て説明する。第二発明において用いられるビニルアルコ
ール系重合体(A)は、第一発明において用いられるビ
ニルアルコール系系重合体(A)と同一のものが用いら
れる。第二発明におけるポリビニルアルコール系重合体
(B)のけん化度は60〜95モル%であり、65〜8
8モル%が好ましく、さらに68〜82モル%がより好
ましい。成分(A)と成分(B)の重量比(A)/
(B)は1/9〜8/2であり、3/7〜7/3がより
好ましく、6/4〜6/4がさらにより好ましい。本発
明のポリビニルアルコール系重合体(B)の重合度は、
400以上であり、650〜3500がより好ましく、
680〜2500がさらにより好ましい。
【0015】本発明においては、第一発明の分散安定剤
にポリビニルアルコール系重合体(B)が併用された形
態も、分散安定剤という。本発明のポリビニルアルコー
ル系重合体(B)の製造方法には特に制限はなく、従来
公知のものが好適に用いら、イオン、ノニオン、アルキ
ル基を側鎖に持つ変性ポリビニルアルコール系重合体、
また末端イオン変性、末端チオール変性ポリビニルアル
コール系重合体であってもよい。
【0016】次に第一発明および第二発明の分散安定剤
を用いたビニル系化合物の懸濁重合によるビニル系重合
体の製造方法について説明する。ビニル系重合体の製造
方法において用いる水性媒体の温度は特に制限はなく、
20℃程度の冷水はもとより、90℃以上の温水も好適
に用いられる。この加熱水性媒体を構成する媒体は、純
粋な水のほかに、各種の添加成分を含有する水溶液ある
いは他の有機溶剤を含む水性媒体が挙げることができ
る。また、加熱水性媒体を重合反応系に仕込む際の供給
量は、重合反応系を充分に加温できる量であればよい。
また除熱効率を高めるためにリフラックスコンデンサー
付重合器も好適に用いられる。ビニル系重合体の製造方
法において、分散安定剤の使用量は特に制限はないが、
通常ビニル系化合物100重量部に対して5重量部以下
であり、0.01〜1重量部が好ましく、0.02〜
0.2重量部がさらにより好ましい。本発明の分散安定
剤は単独で使用しても良いが、塩化ビニルなどのビニル
系化合物を水性媒体中で懸濁重合する際に通常使用され
るメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒ
ドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチ
ルセルロースなどの水溶性セルロースエーテル、ゼラチ
ンなどの水溶性ポリマー、ソルビタンモノラウレート、
ソルビタントリオレート、グリセリントリステアレー
ト、エチレンオキシドプロピレンオキシドブロックコポ
リマーなどの油溶性乳化剤、ポリオキシエチレンソルビ
タンモノラウレート、ポリオキシエチレングリセリンオ
レート、ラウリン酸ナトリウムなどの水溶性乳化剤など
を併用しても良い。その添加量については特に制限はな
いが、塩化ビニルなどのビニル系化合物100重量部当
たり0.01〜1.0重量部が好ましい。またけん化度
60モル%未満のいわゆるポリビニルエステル系分散助
剤を本発明の分散安定剤100重量部に対し1〜100
重量部添加することも可能である。この際分散助剤は無
変性のものでも、また側鎖あるいは末端にカルボキシル
基などのイオン基を10モル%以下有するものであって
も良い。
【0017】その他の各種添加剤も必要に応じて加える
ことができる。各種添加剤としては、例えばアセトアル
デヒド、ブチルアルデヒド、トリクロロエチレン、パー
クロロエチレンあるいはメルカプタン類などの重合度調
節剤、フェノール化合物、イオウ化合物、N−オキシド
化合物などの重合禁止剤などが挙げられる。また、pH
調整剤、スケール防止剤、架橋剤などを加えることも任
意であり、上記の添加剤を複数併用しても差し支えな
い。一方、重合開始剤も、従来塩化ビニルなどのビニル
系化合物の重合に使用されているものでよく、これには
例えばジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ−
2−エチルヘキシルパーオキシジカーボネート、ジエト
キシエチルパーオキシジカーボネートなどのパーカーボ
ネート化合物、t−ブチルパーオキシネオデカネート、
α−クミルパーオキシネオデカネート、t−ブチルパー
オキシネオデカネートなどのパーエステル化合物、アセ
チルシクロヘキシルスルホニルパーオキシド、2,4,
4−トリメチルペンチル−2−パーオキシフェノキシア
セテートなどの過酸化物、2,2′−アゾビスイソブチ
ロニトリル、アゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリ
ル、アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロ
ニトリル)などのアゾ化合物などが挙げられ、さらには
これらに過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過酸化
水素などを組み合わせて使用することもできる。
【0018】本発明の分散安定剤を用いて懸濁重合する
ことのできるビニル系化合物としては、具体的には塩化
ビニル単独のほか、塩化ビニルを主体とする単量体混合
物(塩化ビニル50重量%以上)が包含され、この塩化
ビニルと共重合されるコモノマーとしては、酢酸ビニ
ル、プロピオン酸ビニルなどのビニルエステル、(メ
タ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチルなど
の(メタ)アクリル酸エステル、エチレン、プロピレン
などのオレフィン、無水マレイン酸、アクリロニトリ
ル、イタコン酸、スチレン、塩化ビニリデン、ビニルエ
ーテル、その他塩化ビニルと共重合可能な単量体が例示
される。さらには、塩化ビニルを含まない上記ビニル系
化合物の単独重合や共重合に当たっても、本発明の分散
安定剤を用いることができる。本発明の分散安定剤を用
いて懸濁重合するに当たって、各成分の仕込み割合、重
合温度などは、従来塩化ビニルなどのビニル系化合物の
懸濁重合で採用されている条件に準じて定めればよい。
また、ビニル系化合物、重合開始剤、分散安定剤、加熱
水性媒体およびその他添加物の仕込み順序や比率につい
ては、なんら制限されない。また、温水を用いると同時
に、ビニル系化合物を重合器に仕込む前にビニル系化合
物を加熱しておく方法も好適に用いられる。
【0019】
【実施例】以下、実施例をあげて本発明をさらに詳しく
説明するが、本発明はこれらの実施例によってなんら限
定されるものではない。なお、以下の実施例において
「%」および「部」は特に断りのない限り、「重量%」
および「重量部」を意味する。
【0020】(構造測定)ビニルアルコール系重合体中
の側鎖のヒドロキシアルキル基、ビニルエステル単位、
ビニルアルコール単位および他のコモノマー単位の含有
量は、270MHz 1HーNMRにより定量した。1
HーNMR測定時のPVA系重合体中の溶媒は重水素化
DMSOを用いた。
【0021】(粘度平均重合度)ビニルアルコール系重
合体の重合度は下記の方法で測定した。けん化度が9
9.5モル%未満の場合には、けん化度99. 5モル%
以上になるまでけん化したPVAについて、水中、30
℃で測定した極限粘度[η](g/dl)から次式によ
り求めた粘度平均重合度(P)で表す。 P=([η]×103 /8.29)(1/0.62)
【0022】合成例1 〔ヒドロキシアルキル基を側鎖に有するPVAの製造〕
還流冷却器、撹拌機、温度計、窒素導入管および後添加
液用の仕込み口とポンプを備えた3リットルの重合槽に
酢酸ビニルを1680g、7-オクテン-1- オールを350 g、
メタノールを420g仕込んだ。重合液を撹拌しながら、系
内を窒素置換して加温し、60℃の恒温になった時点で、
2,2'- アゾビスイソブチロニトリル(以下「AIBN」
と略記する)を26g添加して重合を開始した。重合開始
時点より系内の固形分濃度を分析しつつ重合を行い、4
時間後に重合槽を冷却することにより重合を停止した。
重合停止前の重合率は59%であった。得られた重合ペー
ストをn-ヘキサン中に滴下して重合物を析出させた。次
に、重合物をアセトンに溶解し、n-ヘキサン中で析出さ
せる再沈−精製操作を3回実施した後、再度アセトンに
溶解し、蒸留水に滴下させ、煮沸精製した後、60℃で
乾燥して精製ポリビニル酢酸ビニル(以下「PVAc」
と略記する)を得た。次に、精製PVAcの濃度30%の
メタノール溶液を調製し、40℃で撹拌しながら、水酸化
ナトリウムの濃度10%のメタノール溶液(PVAcに対
してモル比0.10)を添加し、60分間のけん化反応を行
った。得られたゲル状物を粉砕後、メタノールに浸漬
し、水酸化ナトリウムの濃度10%のメタノール溶液(P
VAcに対するモル比0.02)を添加し、さらに5時間の
再けん化を行った。その後メタノールで洗浄し、50℃で
18時間乾燥してけん化度95.1モル%、重合度590
のPVAを得た。得られたPVA中の7-オクテン-1- オ
ール単位の含量は4.5 モル%であった。次に、精製PV
Acの濃度30% のメタノール溶液を調製し、40℃で撹拌
しながら、水酸化ナトリウムの濃度10%のメタノール溶
液(PVAcに対してモル比0.005 )を添加し、60分
間のけん化反応を行った。その後50℃で18時間乾燥して
けん化度72.8モル%のPVAを得た。
【0023】合成例2〜7 〔ヒドロキシアルキル基を側鎖に有するPVAの製造〕
表1に示すヒドロキシアルキル基を用い、けん化の際の
水酸化ナトリウムのモル比を種々変更したこと以外は、
合成例1と同様にして、重合およびけん化を行い、目的
とするPVA(分散安定剤)を得た。結果を表1に示
す。
【0024】実施例1〜7、比較例1〜4 〔塩化ビニルの重合〕リフラックスコンデンサー付のグ
ラスライニング製オートクレーブに、表(表1:実施例
1〜7、比較例1〜4)に示した分散安定剤を溶かした
脱イオン水1部およびジイソプロピルパーオキシジカー
ボネートの70%トルエン溶液0.04部を仕込み、オ
ートクレーブ内を50mmHgとなるまで脱気して酸素
を除いたのち、撹拌下で85℃の温水39部および塩化
ビニルモノマー30部を同時に仕込んだ。仕込みが終了
した時点での液面は重合器の底面から60%の高さであ
り、内温は57℃であった。その後内温を57℃保ち重
合を継続した。重合開始時、オートクレーブ内の圧力は
7.3kg/cm2 Gであったが、重合開始6時間後に
4.2kg/cm2 Gとなった時点で重合を停止し、未
反応の塩化ビニルモノマーをパージし、内容物を取り出
し脱水乾燥した。塩化ビニル重合体の重合収率は85%
であり、平均重合度は1050であった。重合状態およ
び得られた塩化ビニル樹脂の物性を下記の方法により評
価した。その結果を表2に示す。
【0025】(1)可塑剤吸収性 プラストグラフに接続されたプラネタリーミキサーに、
得られた塩化ビニル重合体粉末400gを入れ、60r
pmで撹拌しながら予熱(4分)して88℃としたの
ち、これにジオクチルフタレートを200g添加し、添
加時からトルクの下降した時点まで時間を可塑剤吸収性
(分)とした。 (2)CPA(Cold Plasticizer A
bsorption:冷可塑剤吸収量)ASTM−D3
367−75に記載された方法より、23℃におけるジ
オクチルフタレートの吸収量を測定した。 (3)発泡性評価 重合終了時に重合器内の発泡状態を目視により観察し、
以下の記号で示す。 ◎:発泡なし ○:重合器の底面から62〜65%の高さにまで泡が認
められた。 △:重合器の底面から66〜70%の高さにまで泡が認
められた。 ▲:重合器の底面から90〜100%の高さにまで泡が
認められた。 ×:重合器の底面から100%の高さにまで泡が認めら
れ、さらにリフラックスコンデンサーに泡が詰まってい
た。
【0026】
【表1】
【0027】
【表2】
【0028】
【発明の効果】本発明の分散安定剤は、従来の分散安定
剤に比べて、重合中における発泡挙動が極めて小さいこ
とから重合器内の有効容積が増加して生産性が向上し、
リフラックスコンデンサー付重合器を用いた懸濁重合、
ホットチャージ法による懸濁重合、またはリフラックス
コンデンサー付重合器を用いたホットチャージ法による
懸濁重合において、重合器の温度コントロールが容易と
なる。また本発明の懸濁重合用分散安定剤を用いた場合
には、得られたビニル系重合体粒子は、粒子径が大き
く、その分布がシャープで、取扱い時の飛散が少なく、
かつ成形機などへのくい込み性が良好であり、ビニル系
重合体粒子の多孔性が向上し、可塑剤吸収速度が大き
く、しかも充填比重の高いことから、工業的な評価が極
めて高い。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成7年9月6日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0005
【補正方法】変更
【補正内容】
【0005】特開昭63−17628号〔公知文献
(a)〕および特開平1−240501号〔公知文献
(b)〕には、末端に炭素数6以上のアルキル基をを有
するポリビニルアルコールからなる塩化ビニルの懸濁重
合用分散安定剤が記載されている。しかしながら、公知
文献(a)および(b)に記載された分散安定剤を使用
した場合には、上記〜の要求性能は満足できるもの
の、リフラックスコンデンサー付き重合器内における発
泡性が激しいという問題があった。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 炭素数2〜20のヒドロキシアルキル基
    を側鎖に有し、けん化度65モル%以上のビニルアルコ
    ール系重合体よりなるビニル系化合物の懸濁重合用分散
    安定剤。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のビニルアルコール系重合
    体(A)ならびにけん化度60〜95モル%および重合
    度400以上のポリビニルアルコール系重合体(B)を
    重量比で(A)成分/(B)成分が1/9〜8/2の割
    合で配合してなるビニル系化合物の懸濁重合用分散安定
    剤。
JP17481995A 1995-07-11 1995-07-11 ビニル系化合物の懸濁重合用分散安定剤 Pending JPH0925307A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6495623B1 (en) 1999-12-03 2002-12-17 Kuraray Co., Ltd. Aqueous emulsion and dispersant for suspension polymerization of vinyl compounds

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