JP3426770B2 - ビニル系化合物の懸濁重合用分散安定剤 - Google Patents

ビニル系化合物の懸濁重合用分散安定剤

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JP3426770B2
JP3426770B2 JP03328295A JP3328295A JP3426770B2 JP 3426770 B2 JP3426770 B2 JP 3426770B2 JP 03328295 A JP03328295 A JP 03328295A JP 3328295 A JP3328295 A JP 3328295A JP 3426770 B2 JP3426770 B2 JP 3426770B2
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    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08FMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED BY REACTIONS ONLY INVOLVING CARBON-TO-CARBON UNSATURATED BONDS
    • C08F2/00Processes of polymerisation
    • C08F2/12Polymerisation in non-solvents
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はビニル系化合物、特に塩
化ビニルを懸濁重合に当たって、重合器内壁に付着する
重合体スケールを少なくし、得られる重合体粒子を多孔
性にし、かつ充填比重を大きくする能力に優れた分散安
定剤に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、工業的に塩化ビニル系樹脂な
どのビニル系重合体を製造する場合、水性媒体中で分散
安定剤の存在下に塩化ビニルモノマーなどのビニル系化
合物を分散させ、油溶性媒体を用いて重合を行う懸濁重
合法が広く実施されている。一般に、ビニル系重合体の
品質を支配する因子としては、重合率、水−モノマー
比、重合温度、触媒の種類および量、重合槽の型式、撹
拌速度あるいは分散安定剤の種類などが挙げられるが、
なかでも分散安定剤の種類による影響が非常に大きいこ
とが知られている。ビニル系化合物の懸濁重合用分散安
定剤に要求される性能としては、(1)得られるビニル
系重合体粒子の粒径分布をできるだけシャープにする働
きのあること、(2)可塑剤の吸収速度を大きくして加
工性を容易にするため、および重合体粒子中に残存する
塩化ビニルモノマーなどの除去を容易にするため、さら
には成形品中のフィッシュアイなどの生成を防止するた
め各重合体粒子をできるだけ均一にしかも多孔性にする
働きがあること、(3)充填比重の大きい重合体粒子を
形成する働きがあること、(4)重合槽などにスケール
の付着がないことなどが挙げられる。
【0003】従来、ビニル系化合物の懸濁重合用分散安
定剤としてはメチルセルロース、カルボキシメチルセル
ロース等のセルロース誘導体あるいは部分けん化ポリビ
ニルアルコール等がそれぞれ単独または併用して使用さ
れている。しかし、これらの分散安定剤は、ビニル系重
合体が重合器内壁面等にスケールとして付着しやすい、
ビニル系重合体粒子を多孔性にする能力が低い、可塑剤
吸収速度が遅い、あるいは残留ビニルモノマーの除去が
困難であるという欠点があった。これに対し、特公平6
−21125号公報において、懸濁重合用の分散安定剤
として平均重合度が3000以上のポリビニルアルコー
ルよりなるビニル化合物を使用すると多孔性のビニル系
重合体が得られることが提案されている。しかし、この
場合には充填比重の点において満足できるものではなか
った。また、特公平2−198291号公報において、
懸濁重合用の分散安定剤としてけん化度50〜95モル
%および平均重合度4000以上のポリビニルアルコー
ル系重合体を使用すると重合器内壁面等に対する重合体
スケールの付着防止に有効であることも提案されてい
る。しかし、この場合もビニル系重合体の充填比重の点
において満足できるものではなかった。
【0004】一方、塩化ビニルなどのビニル系化合物の
懸濁重合は、通常バッチ式で行われ、重合器中に水性媒
体、分散剤(懸濁剤)、重合開始剤およびビニル系化合
物などを仕込み、さらに必要とされる添加剤を加えたの
ち、昇温して重合反応を行わせるという方法が一般的で
ある。しかし、生産性を向上させるために、重合1バッ
チに要する時間を短縮することが求められており、その
ためには、仕込み時間の短縮、反応時間の短縮などと併
せて昇温時間の短縮も行う必要がある。特に大型重合器
やコンデンサー付重合器においては、内容積に比較して
ジャケットなどによる加熱能力が相対的に小さく、した
がってより効果的な昇温方法を開発する必要があった。
このようなことから、塩化ビニルなどのビニル系化合物
の懸濁重合において、あらかじめ加熱した水性媒体を仕
込むことによって、昇温時間をなくして生産性の向上を
図る方法が用いられている。しかし、このような方法を
用いると、得られた塩化ビニル系樹脂などのビニル系重
合体は、フィッシュアイが多く、可塑剤吸収性や脱モノ
マー性が悪いといった致命的な欠点があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、塩化
ビニル系樹脂等のビニル系重合体粒子を多孔性にする能
力が高く、可塑剤吸収速度が高く、残留塩化ビニルモノ
マーの除去が容易で、重合体が重合機内壁面などにスケ
ールとして付着しにくく、かつ充填比重の大きい重合体
粒子の製造が可能な分散安定剤を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らはこのような
現状を鑑みて、よりすぐれたビニル系化合物の懸濁重合
用分散安定剤について検討した結果、(A)けん化度が
85モル%以上で重合度が3000より高く、4000
未満のポリビニルアルコール系重合体および(B)けん
化度が65〜85モル%で重合度が650〜2500の
ポリビニルアルコール系重合体からなり、重量基準の配
合割合(A)成分/(B)成分が1/10〜8/2であ
るビニル系化合物の懸濁重合用分散安定剤;ならびに該
(B)成分、(C)けん化度が85モル%以上、90モ
ル%未満で重合度が3000より高いポリビニルアルコ
ール系重合体および(D)けん化度が90モル%以上で
重合度が3000より高いポリビニルアルコール系重合
体からなり、重量基準の配合割合(C)成分/(D)成
分が1/9〜8/2であり、かつ{(C)成分+(D)
成分}/(B)成分が1/10〜8/2であるビニル系
化合物の懸濁重合用分散安定剤を見出し、本発明を完成
させるに到った。
【0007】本発明における分散安定剤の(A)ポリビ
ニルアルコール(以下、PVAと略記する)系重合体の
平均重合度は3000より高く、4000未満、好まし
くは3200〜3700であり、けん化度は85モル%
以上、好ましくは90〜97モル%である。平均重合度
が3000以下の場合とか、けん化度が85モル%未満
の場合には、重合器内壁へスケールが付着しやすくな
る。また、平均重合度が4000以上であると重合体粒
子が多孔性になりにくい。本発明における分散安定剤の
(B)PVA系重合体の平均重合度は650〜250
0、好ましくは680〜1500であり、けん化度は6
5〜85モル%、好ましくは70〜80モル%である。
平均重合度が650未満の場合とか、けん化度が65モ
ル%未満の場合には、重合器内壁へスケールが付着しや
すくなる。また、平均重合度が2500より高い場合と
か、けん化度が85モル%より高い場合には、重合体粒
子が多孔性になりにくい。本発明における分散安定剤の
(C)PVA系重合体の平均重合度は3000より高
く、好ましくは3200〜7500であり、さらに好ま
しくは3400〜6000であり、けん化度は85モル
%以上、90モル%未満、好ましくは87〜89モル%
である。平均重合度が3000以下の場合とか、けん化
度が85モル%未満の場合には、重合器内壁へスケール
が付着しやすくなる。本発明における分散安定剤の
(D)PVA系重合体の平均重合度は3000より高
く、好ましくは3200〜7500であり、さらに好ま
しくは3400〜6000であり、けん化度は90モル
%以上、好ましくは93〜97モル%である。平均重合
度が3000以下の場合には、重合器内壁へスケールが
付着しやすくなる。
【0008】本発明において(A)成分と(B)成分の
重量比は1/10〜8/2、好ましくは2/8〜6/4
である。重量比が1/10未満の場合には、重合体粒子
の充填比重が大きくなりにくく、8/2より大きい場合
には、重合器内壁へスケールが付着しやすくなったり、
重合安定性が失われたりする。本発明において(C)成
分と(D)成分との重量基準の配合割合(C)成分/
(D)成分は1/9〜8/2、好ましくは3/7〜6/
4である。重量比が8/2より大きい場合には、重合体
粒子の充填比重が大きくなりにくく、1/9未満の場合
には、重合器内壁へスケールが付着しやすくなったり、
重合安定性が失われたりする。本発明において{(C)
成分+(D)成分}と(B)成分との重量基準の配合割
合{(C)成分+(D)成分}/(B)成分は1/10
〜8/2、好ましくは3/7〜6/4である。重量比が
8/2より大きい場合には、重合体粒子の充填比重が大
きくなりにくく、1/10未満の場合には、重合器内壁
へスケールが付着しやすくなったり、重合安定性が失わ
れたりする。
【0009】本発明のPVA系重合体の原料であるポリ
ビニルエステル系重合体の重合方法は通常公知の方法例
えば塊状重合、溶液重合、懸濁重合、エマルジョン重
合、のいずれの方法も採用し得るが、工業的には溶液重
合の方が好ましい。さらに重合プロセスとしては回分
法、半回分法、連続法いずれのプロセスによっても製造
可能である。また、本発明のPVA系重合体の原料であ
るポリビニルエステル系重合体は、ギ酸ビニル、酢酸ビ
ニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、イソ酪酸ビニ
ル、ピバリン酸ビニル、バーサチック酸ビニル、カプロ
ン酸ビニル、カプリル酸ビニル、カプリン酸ビニル、ラ
ウリル酸ビニル、パルミチン酸ビニル、ステアリン酸ビ
ニル、オレイン酸ビニルなどのうちの一種または二種以
上の単量体単位からなり、グラフト構造であってもよ
い。
【0010】ポリビニルエステル系重合体をけん化して
PVA系重合体を得ることができる。具体的には通常公
知の方法、すなわちアルカリけん化、酸けん化のいずれ
も採用できるが、工業的にはメタノール溶媒でNaOH
やCH3 ONaを触媒としたメタノール分解が最も有利
である。けん化温度は特に制限はないが、得られるPV
A系重合体の着色防止という観点から、20〜60℃で
行うのが好ましい。また触媒として用いるNaOHやC
H3 ONaの量はビニルエステル系単量体単位1モルに
対して通常0.2モル以下が得られるPVA系重合体の
着色防止や酢酸ナトリウムの量を低く抑えるという点か
ら好ましい。本発明のPVA系重合体としては、カルボ
キシル基、スルホン基等のアニオン性基、アミノ基、ア
ンモニウム基等のカチオン基、環状あるいは非環状アミ
ド基、長鎖アルキル基等を15モル%以下の少量含有す
るものも使用できる。
【0011】本発明のPVA系重合体の重合度は、PV
A系重合体を完全にけん化した後、アセチル化してポリ
酢酸ビニルとした後、30℃におけるアセトン溶液中3
0℃で測定した極限粘度から、次式により求めた粘度平
均重合度で表したものである。 P=(〔η〕×1000/7.94)(1/0.62) またけん化度とはビニルエステル成分のけん化度を意味
し、他の成分を共重合している場合はその成分は含まな
い。けん化度は従来公知の化学分析法や核磁気共鳴分析
法等により分析できる。
【0012】本発明のPVA系重合体からなる分散安定
剤を用いてビニル系化合物を懸濁重合するに当たって、
その製造方法について特に制限はなく、従来から公知の
方法を用いることができる。本発明の分散安定剤の使用
量は特に制限はないが、ビニル系化合物に対して0.0
05〜1重量%、好ましくは0.01〜0.5重量%で
ある。また、本発明の分散安定剤は塩化ビニルなどのビ
ニル系化合物を水性媒体中で懸濁重合する際に通常使用
される分散安定剤と併用してもよく、これにはメチルセ
ルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプ
ロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロー
スなどの水溶性セルロースエーテル、ゼラチンなどの水
溶性ポリマー、ソルビタンモノラウレート、ソルビタン
トリオレート、グリセリントリステアレート、エチレン
オキシドプロピレンオキシドブロックコポリマーなどの
油溶性乳化剤、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウ
レート、ポリオキシエチレングリセリンオレート、ラウ
リン酸ナトリウムなどの水溶性乳化剤などが例示され、
これらは一種または二種以上の組合せで添加される。そ
の添加量は、特に制限はないが、塩化ビニルなどのビニ
ル系化合物100重量部当たり0.03〜0.15重量
部が好ましい。さらに、その他各種添加剤も必要に応じ
て加えることができる。使用できる各種添加剤として
は、例えばアセトアルデヒド、ブチルアルデヒド、トリ
クロロエチレン、パークロロエチレンあるいはメルカプ
タン類などの重合度調節剤、フェノール化合物、イオウ
化合物、N−オキシド化合物などの重合禁止剤などがあ
る。また、pH調整剤、スケール防止剤、架橋剤などを
加えることも任意であり、上記の添加剤を複数併用して
も差し支えない。また重合装置にコンデンサーなどの凝
縮器を取り付けることも有効である。
【0013】一方、重合開始剤も、従来塩化ビニルなど
のビニル系化合物の重合に使用されているものでよく、
これには例えばジイソプロピルパーオキシジカーボネー
ト、ジ−2−エチルヘキシルパーオキシジカーボネー
ト、ジエトキシエチルパーオキシジカーボネートなどの
パーカーボネート化合物、t−ブチルパーオキシネオデ
カネート、α−クルミパーオキシネオデカネート、t−
ブチルパーオキシネオデカネートなどのパーエステル化
合物、アセチルシクロヘキシルスルホニルパーオキシ
ド、2,4,4−トリメチルペンチル−2−パーオキシ
フェノキシアセテートなどの過酸化物、2,2′−アゾ
ビスイソブチロニトリル、アゾビス−2,4−ジメチル
バレロニトリル、アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジ
メチルバレロニトリル)などのアゾ化合物などが挙げら
れ、さらにはこれらに過硫酸カリウム、過硫酸アンモニ
ウム、過酸化水素などを組み合わせて使用することもで
きる。この添加量は、塩化ビニルなどのビニル系化合物
100重量部当たり0.02〜0.3重量部の範囲が好
適である。本発明の分散安定剤を用いて懸濁重合するこ
とのできるビニル系化合物は、具体的には塩化ビニル単
独のほか、塩化ビニルを主体とする単量体混合物(塩化
ビニル50重量%以上)が包含され、この塩化ビニルと
共重合されるコモノマーとしては、酢酸ビニル、プロピ
オン酸ビニルなどのビニルエステル、(メタ)アクリル
酸メチル、(メタ)アクリル酸エチルなどの(メタ)ア
クリル酸エステル、エチレン、プロピレンなどのオレフ
ィン、無水マレイン酸、アクリロニトリル、イタコン
酸、スチレン、塩化ビニリデン、ビニルエーテル、その
他塩化ビニルと共重合可能な単量体が例示される。さら
には、塩化ビニルを含まない上記ビニル系化合物の単独
重合や共重合に当たっても、本発明の分散安定剤を用い
ることができる。本発明の分散安定剤を用いて懸濁重合
するに当たって、各成分の仕込み割合、重合温度など
は、従来塩化ビニルなどのビニル系化合物の懸濁重合で
採用されている条件に準じて定めればよい。
【0014】一方、塩化ビニルなどのビニル系化合物の
懸濁重合は、通常バッチ式で行われ、重合器中に水性媒
体、分散剤(懸濁剤)、重合開始剤およびビニル系化合
物などを仕込み、さらに必要とされる添加剤を加えたの
ち、昇温して重合反応を行わせる方法が一般的である。
しかし、生産性を向上させるために、重合1バッチに要
する時間を短縮することが求められており、そのために
は、仕込み時間の短縮、反応時間の短縮などと併せて昇
温時間の短縮も行う必要がある。特に大型重合器やコン
デンサー付重合器においては、内容積に比較してジャケ
ットなどによる加熱能力が相対的に小さいことから、よ
り効果的な昇温方法の開発が必要とされている。本発明
は、塩化ビニルなどのビニル系化合物の懸濁重合におい
て、重合開始剤および上記の分散安定剤の存在下であら
かじめ加熱した水性媒体を用いることにより、昇温時間
をなくして生産性の向上を図るホットチャージ法を提供
するものである。このホットチャージ法において用いら
れる加熱した水性媒体は、温度が40℃以上であり、そ
の上限については特に制限はなく、95℃以上の熱水で
もよい。この加熱した水性媒体を構成する媒体は、純粋
な水に限らず、各種の添加成分を含有する水溶液、ある
いは他の有機溶剤を含む水性媒体、ビニル系化合物の懸
濁重合に支障のないものであれば、様々な水性媒体を挙
げることができる。また、加熱した水性媒体を重合反応
系に仕込む際の供給量は、重合反応系を充分に加温でき
る量であれば、各種の状況に応じて適宜定めればよい。
重合すべきビニル系化合物の種類や重合開始剤の種類に
ついては特に制限はなく、すでに前述したものの中から
適宜選定される。また、ビニル系化合物、重合開始剤、
分散安定剤、加熱水性媒体およびその他添加物の仕込み
順序や比率については、なんら制限されるものではな
い。このようにして得られたビニル系重合体は、粒子の
粒径分布がシャープで、可塑剤吸収性が良好であり、か
つ充填比重が大きい。また、上記重合方法によると、重
合槽などにスケールの付着がなく、しかも1バッチの重
合時間を大幅に短縮させることができる。
【0015】
【実施例】以下に実施例をあげて本発明を更にくわしく
説明するが、本発明の懸濁重合用分散安定剤はこれらの
実施例に限定されるものではない。また、以下の実施例
において、「部」は「重量部」を示す。
【0016】実施例1〜18および比較例1〜6 表1に示す分散安定剤を使用して、バッチ式の塩化ビニ
ルの懸濁重合を下記の方法で実施した。グラスライニン
グオートクレーブに脱イオン水40部、表1に示す分散
安定剤の2重量%水溶液0.75部およびジイソプロピ
ルパーオキシジカーボネートの50重量%トルエン溶液
0.009部を仕込み、オートクレーブ内を50mmH
gとなるまで脱気して酸素を除いた後、塩化ビニルモノ
マーを30部仕込み、撹拌下に50℃に昇温して重合を
行った。重合開始時、オートクレーブ内の圧力は7.0
kg/cm2 Gであったが、重合開始7時間後に4.5
kg/cm2 Gとなったので、この時点で重合を停止
し、未反応モノマーをパージし、内容物を取り出し脱水
乾燥した。塩化ビニル樹脂の重合収率は85%で、平均
重合度は1300であった。分散安定剤の物性と使用
量、および得られた塩化ビニル樹脂の性能を表1(通常
バッチ式)に示す。
【0017】
【表1】
【0018】実施例19〜27および比較例7〜12 表2に示す分散安定剤を使用して、実施例1〜18と同
様にして、バッチ式の塩化ビニルの懸濁重合を下記の方
法で実施した。分散安定剤の物性と使用量、および得ら
れた塩化ビニル樹脂の性能を表2(通常バッチ式)に示
す。
【0019】
【表2】
【0020】実施例28〜45および比較例13〜18 表3に示す分散安定剤を使用して、ホットチャージ式の
塩化ビニルの懸濁重合を下記の方法で実施した。グラス
ライニングオートクレーブに表2に示す分散安定剤の2
重量%水溶液0.75部およびジイソプロピルパーオキ
シジカーボネートの50重量%トルエン溶液0.009
部を仕込み、オートクレーブ内を50mmHgとなるま
で脱気して酸素を除いた後、撹拌下に予め80℃に加熱
した脱イオン水と塩化ビニルモノマー30部を同時に仕
込み、50℃に昇温して重合を行った。重合開始時、オ
ートクレーブ内の圧力は7.0kg/cm2 Gであっ
た。重合開始7時間後に4.5kg/cm2 Gとなった
ので、この時点で重合を停止し、未反応モノマーをパー
ジし、内容物を取り出し脱水乾燥した。塩化ビニル樹脂
の重合収率は85%で、平均重合度は1300であっ
た。分散安定剤の物性と使用量、および得られた塩化ビ
ニル樹脂の性能を表3(ホットチャージ式)に示す。
【0021】
【表3】
【0022】実施例46〜54および比較例19〜24 表4に示す分散安定剤を使用して、実施例28〜45と
同様にして、ホットチャージ式の塩化ビニルの懸濁重合
を下記の方法で実施した。分散安定剤の物性と使用量、
および得られた塩化ビニル樹脂の性能を表4(ホットチ
ャージ式)に示す。
【0023】
【表4】
【0024】
【発明の効果】上記の実施例で明らかなとおり、本発明
の分散安定剤をビニル系化合物の懸濁重合用分散安定剤
として用いた場合には、重合器内壁などへのスケールの
付着が少なく、重合体粒子を多孔性にすると共に高充填
比重にすることから、工業的な価値が極めて高い。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)けん化度が85モル%以上で重合
    度が3000より高く、4000未満のポリビニルアル
    コール系重合体および(B)けん化度が65〜85モル
    %で重合度が650〜2500のポリビニルアルコール
    系重合体からなり、重量基準の配合割合(A)成分/
    (B)成分が1/10〜8/2であり、重合開始剤およ
    び分散安定剤の存在下、40℃以上に加熱した水性媒体
    を加えてビニル系化合物を懸濁重合するのに用いられる
    懸濁重合用分散安定剤。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の(B)成分、(C)けん
    化度が85モル%以上、90モル%未満で重合度が30
    00より高いポリビニルアルコール系重合体および
    (D)けん化度が90モル%以上で重合度が3000よ
    り高いポリビニルアルコール系重合体からなり、重量基
    準の配合割合(C)成分/(D)成分が1/9〜8/2
    であり、かつ{(C)成分+(D)成分}/(B)成分
    が1/10〜8/2であるビニル系化合物の懸濁重合用
    分散安定剤。
  3. 【請求項3】 重合開始剤および分散安定剤の存在下、
    40℃以上に加熱した水性媒体を加えてビニル系化合物
    を懸濁重合するに当たり、請求項1または2記載の分散
    安定剤を用いることを特徴とするビニル系重合体の製造
    方法。
JP03328295A 1994-10-21 1995-02-22 ビニル系化合物の懸濁重合用分散安定剤 Expired - Fee Related JP3426770B2 (ja)

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