JP3898696B2 - 塩化ビニル重合体の製造方法 - Google Patents

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本発明はビニル系化合物の懸濁重合用分散安定剤に関する。さらに詳しくは消泡効果に著しく優れた塩化ビニルなどのビニル系化合物の懸濁重合用分散安定剤に関する。
工業的に塩化ビニル系樹脂などのビニル系重合体を製造する場合には、水性媒体中で分散安定剤の存在下で塩化ビニルなどのビニル系化合物を分散させ、油溶性触媒を用いて重合を行う懸濁重合が広く実施されている。一般に、ビニル系重合体の品質を支配する因子としては、重合率、水−モノマー比、重合温度、触媒の種類および量、重合槽の型式、撹拌速度あるいは分散安定剤の種類などが挙げられるが、なかでも分散安定剤の種類による影響が非常に大きい。
ビニル系化合物の懸濁重合用分散安定剤に要求される性能としては、(1)得られるビニル系重合体粒子の粒径分布をできるだけシャープにする働きのあること、(2)可塑剤の吸収速度を大きくして加工性を容易にし、重合体粒子中に残存する塩化ビニルなどのモノマーの除去を容易にし、かつ成形品中のフィッシュアイなどの生成を防止するために、各重合体粒子を多孔性にする働きがあること、(3)充填比重の大きい重合体粒子を形成する働きがあることなどが挙げられる。従来、ビニル系化合物の懸濁重合用分散安定剤としては、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースなどのセルロース誘導体あるいは部分けん化ポリビニルアルコールなどが単独または組み合わせて使用されている。しかしながら、従来の分散安定剤は上記(1)〜(3)の要求性能を満たしていないという問題があった。
塩化ビニルなどのビニル系化合物の懸濁重合は、通常バッチ式で行われ、重合器中に水性媒体、分散安定剤、重合開始剤およびビニル系化合物などを仕込み、さらに必要とされる添加剤を加えた後、昇温して重合反応を行わせるという方法が一般的である。最近では、生産性を向上させるために重合1バッチに要する時間を短縮することが求められており、ビニル系化合物の懸濁重合においてリフラックスコンデンサー等を設置して重合熱の除熱効率を高めたり、あらかじめ加熱した水性媒体を仕込む方法(ホットチャージ法)により昇温時間を短縮する方法が用いられている。しかしながら、従来のビニル系化合物の懸濁重合用分散安定剤を用いた場合には、重合中における発泡が激しいことから重合器内の有効容積が減少して生産性が低下したり、リフラックスコンデンサー付重合器を用いると温度コントロールができなくなったり、ホットチャージ法を用いるとビニル系重合体粒子の多孔性が低下するという致命的欠点があった。一方、発泡を防止するために消泡剤等を添加すると、生成するビニル系重合体粒子の熱安定性が低下するという問題があった。
(非特許文献1)には、塩化ビニルの懸濁重合用分散安定剤として、重合度2000、けん化度80モル%のポリビニルアルコールおよび重合度700〜800、けん化度70モル%のポリビニルアルコールが記載されている。(特許文献1)には、アミノ基、アンモニウム基、カルボキシル基またはスルホン酸基を末端に有する重合度100以上、けん化度50〜90モル%のポリビニルアルコールからなるビニル系化合物の懸濁重合用分散安定剤が記載されている。しかしながら、(非特許文献1)および(特許文献1)に記載された分散安定剤は、重合中における発泡性が激しいという欠点があった。(特許文献2)には、けん化度30〜60モル%のポリ酢酸ビニルからなる塩化ビニルの懸濁重合用分散助剤が記載されている。(特許文献3)には、末端にメルカプト基を有する水不溶性の重合体からなるビニル系化合物の懸濁重合用分散助剤が記載されており、該水不溶性の重合体として末端にメルカプト基を有するけん化度50モル%以下のポリビニルエステル系重合体が例示されている。しかしながら(特許文献2)および(特許文献3)に記載された分散助剤は単独で使用した場合には、ビニル系化合物の懸濁重合の安定性が確保できない。また該分散助剤を従来の部分けん化ポリビニルアルコールと組み合わせて使用した場合には、重合器内における発泡性が激しいという問題があった。(非特許文献2)には、重合度1500、けん化度88モル%の末端にメルカプト基を有するポリビニルアルコールを保護コロイドに用いて、メタクリル酸エステルまたはスチレンを乳化重合することが記載されている。しかしながら(非特許文献2)に記載された乳化重合においては、水溶性開始剤が用いられ、得られた重合体は粒子径が0.1〜2μm程度の水性エマルジョンの形態であることから、重合体を溶融成形に供するために該水性エマルジョンから粉体状の重合体を得るのは難しいという問題があった。
WO91/15518号公報 特開昭52−110797号公報 特開平6−145208号公報 ポバール(発行所:高分子刊行会、1984) POLYVINYL ALCOHOL−DEVELOPMENT (C.A.Finch,WILEY,1992)
本発明の目的は、従来の一般的なビニル系化合物の懸濁重合方法である常温の水性媒体を重合器内に仕込む方法(コールドチャージ法)および重合器内のジャケットまたはコイルにより重合温度のコントロールを行う方法はもとより、コンデンサー付重合器を使用する方法、ホットチャージ法およびコンデンサー付重合器を用いたホットチャージ法においても、重合器内の消泡効果が著しく優れており、かつ前記(1)〜(3)の要求特性を同時に満たす分散安定剤を提供することにある。
本発明者らは上記課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、けん化度60モル%以上の末端にメルカプト基を有するポリビニルアルコール系重合体(A)からなるビニル系化合物の懸濁重合用分散安定剤を見出し、本発明を完成するに到った。
本発明の分散安定剤は、従来の分散安定剤に比べて、重合中における発泡挙動が極めて小さいことから重合器内の有効容積が増加して生産性が向上し、リフラックスコンデンサー付重合器を用いた懸濁重合、ホットチャージ法による懸濁重合、またはリフラックスコンデンサー付重合器を用いたホットチャージ法による懸濁重合において、重合器の温度コントロールが容易となる。また本発明の懸濁重合用分散安定剤を用いた場合には、得られたビニル系重合体粒子は、粒子径が大きく、その分布がシャープで、取扱い時の飛散が少なく、かつ成形機などへのくい込み性が良好であり、ビニル系重合体粒子の多孔性が向上し、可塑剤吸収速度が大きく、しかも充填比重の高いことから工業的な評価が極めて高い。
本発明に用いられるポリビニルアルコール系重合体(A)は、けん化度60モル%以上の末端に(好ましくは片末端に)メルカプト基を有するポリビニルアルコール系重合体(A)である。ポリビニルアルコール系重合体(A)のけん化度は60モル%以上であり、65モル%〜95モル%が好ましく、68〜80モル%がさらに好ましい。ポリビニルアルコール系重合体(A)の粘度平均重合度(以下、重合度と略記する)については特に制限はないが、200〜3500以下が好ましく、600〜1500がさらに好ましく、680〜1000がさらにより好ましい。本発明に用いられるポリビニルアルコール系重合体(A)はイオン基等を導入することにより水溶性を高めても良く、この場合のけん化度はビニルエステル基とビニルアルコール基から求められ、導入されたイオン基のけん化度は含まれない。本発明におけるポリビニルアルコール系重合体(A)は、単独で用いた場合においてもビニル系化合物の懸濁重合を安定に行うことが可能なものであり、5〜100℃(好ましくは10〜90℃)の水に対して水溶性であることが好ましい。
本発明に用いられるポリビニルアルコール系重合体(A)の製造方法には特に制限はないが、ビニルエステル単量体をラジカル重合する際に、チオールカルボン酸、あるいは2−アセチルチオエタンチオール、10−アセチルチオデカンチオールなどの分子内にチオエステルとチオール基とを含有する化合物の共存下に重合し、得られた重合体を水酸化ナトリウムやアンモニアなどのアルカリで処理してビニルエステル重合体をけん化すると共に、末端のチオエステルをけん化することにより、末端にチオール基を有する重合体を得る方法が簡便で効率的である。ビニルエステルとしては、例えばギ酸ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、イソ酪酸ビニル、ピバリン酸ビニル、バーサチック酸ビニル、カプロン酸ビニル、カプリル酸ビニル、カプリル酸ビニル、ラウリル酸ビニル、パルミチン酸ビニル、ステアリン酸ビニル、オレイン酸ビニルなどが挙げられる。本発明に用いるポリビニルアルコール系重合体は、アンモニウム基、カルボキシル基、スルホン基等のイオン基、ノニオン基または(長鎖)アルキル基等を10モル%以下導入しても良い。ポリビニルアルコール系重合体(A)の製造方法は特昭58−61746号(特開昭59−187003号)において詳述されている。

前記ポリビニルアルコール系重合体(A)は、ポリビニルエステル系重合体(B)と併用して用いることもできる。本発明においては、分散安定剤である前記ポリビニルアルコール系重合体(A)にポリビニルエステル系重合体(B)が分散助剤として併用された形態も、分散剤安定剤という。前記ポリビニルエステル系重合体(B)のけん化度は60モル%未満であることが好ましく、20〜55モル%がより好ましく、25〜45モル%がさらに好ましい。成分(A)と成分(B)の重量比(A)/(B)は40/60〜95/5であり、50/50〜90/10がより好ましく、60/40〜80/20がさらにより好ましい。成分(A)と成分(B)の重量比(A)/(B)が95/5より大きい場合にはポロシティー改善効果が見られない場合があり、40/60未満の場合には重合の安定性が失われる場合がある。前記ポリビニルエステル系重合体(B)の重合度については特に制限はないが、1000以下が好ましく、200〜550がより好ましく、230〜400がさらにより好ましい。
前記ポリビニルエステル系重合体(B)は、水不溶性あるいは水分散性であり、イオン基等を導入することにより、自己乳化性が付与されたものでも良い。前記ポリビニルエステル系重合体(B)の製造方法には特に制限はなく、従来公知のものが好適に用いられる。例えば、特開平1−95103号に記載された側鎖にイオン基を有するポリビニルエステル系重合体、WO91/15518に記載された末端にイオン性基を有するポリビニルエステル系重合体、公知のノニオン基または(長鎖)アルキル基を10モル%以下有するポリビニルエステル系重合体が好適に用いられる。
次に本発明の分散安定剤を用いたビニル系化合物の懸濁重合によるビニル系重合体の製造方法について説明する。ビニル系重合体の製造方法において用いる水性媒体の温度は特に制限はなく、20℃程度の冷水はもとより、90℃以上の温水も好適に用いられる。この加熱水性媒体を構成する媒体は、純粋な水のほかに、各種の添加成分を含有する水溶液あるいは他の有機溶剤を含む水性媒体が挙げることができる。また、加熱水性媒体を重合反応系に仕込む際の供給量は、重合反応系を充分に加温できる量であればよい。また除熱効率を高めるためにリフラックスコンデンサー付重合器も好適に用いられる。ビニル系重合体の製造方法において、分散安定剤の使用量は特に制限はないが、通常ビニル系化合物100重量部に対して5重量部以下であり、0.01〜1重量部が好ましく、0.02〜0.2重量部がさらにより好ましい。本発明の分散安定剤は単独で使用しても良いが、塩化ビニルなどのビニル系化合物を水性媒体中で懸濁重合する際に通常使用されるポリビニルアルコール、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースなどの水溶性セルロースエーテル、ゼラチンなどの水溶性ポリマー、ソルビタンモノラウレート、ソルビタントリオレート、グリセリントリステアレート、エチレンオキシドプロピレンオキシドブロックコポリマーなどの油溶性乳化剤、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレングリセリンオレート、ラウリン酸ナトリウムなどの水溶性乳化剤などを併用しても良い。その添加量については特に制限はないが、塩化ビニルなどのビニル系化合物100重量部当たり0.01〜1.0重量部が好ましい。
その他各種添加剤も必要に応じて加えることができる。各種添加剤としては、例えばアセトアルデヒド、ブチルアルデヒド、トリクロロエチレン、パークロロエチレンあるいはメルカプタン類などの重合度調節剤、フェノール化合物、イオウ化合物、N−オキシド化合物などの重合禁止剤などが挙げられる。また、pH調整剤、スケール防止剤、架橋剤などを加えることも任意であり、上記の添加剤を複数併用しても差し支えない。一方、重合開始剤も、従来塩化ビニルなどのビニル系化合物の重合に使用されているものでよく、これには例えばジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ−2−エチルヘキシルパーオキシジカーボネート、ジエトキシエチルパーオキシジカーボネートなどのパーカーボネート化合物、t−ブチルパーオキシネオデカネート、α−クミルパーオキシネオデカネート、t−ブチルパーオキシネオデカネートなどのパーエステル化合物、アセチルシクロヘキシルスルホニルパーオキシド、2,4,4−トリメチルペンチル−2−パーオキシフェノキシアセテートなどの過酸化物、2,2′−アゾビスイソブチロニトリル、アゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリル、アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)などのアゾ化合物などが挙げられ、さらにはこれらに過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過酸化水素などを組み合わせて使用することもできる。
本発明の分散安定剤を用いて懸濁重合することのできるビニル系化合物としては、具体的には塩化ビニル単独のほか、塩化ビニルを主体とする単量体混合物(塩化ビニル50重量%以上)が包含され、この塩化ビニルと共重合されるコモノマーとしては、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルなどのビニルエステル、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチルなどの(メタ)アクリル酸エステル、エチレン、プロピレンなどのオレフィン、無水マレイン酸、アクリロニトリル、イタコン酸、スチレン、塩化ビニリデン、ビニルエーテル、その他塩化ビニルと共重合可能な単量体が例示される。さらには、塩化ビニルを含まない上記ビニル系化合物の単独重合や共重合に当たっても、本発明の分散安定剤を用いることができる。本発明の分散安定剤を用いて懸濁重合するに当たって、各成分の仕込み割合、重合温度などは、従来塩化ビニルなどのビニル系化合物の懸濁重合で採用されている条件に準じて定めればよい。また、ビニル系化合物、重合開始剤、分散安定剤、加熱水性媒体およびその他添加物の仕込み順序や比率については、なんら制限されない。また、温水を用いると同時に、ビニル系化合物を重合器に仕込む前にビニル系化合物を加熱しておく方法も好適に用いられる。
以下、実施例をあげて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例によってなんら限定されるものではない。なお、以下の実施例において「%」および「部」は特に断りのない限り、「重量%」および「重量部」を意味する。
製造例〔末端にメルカプト基を有するポリビニルアルコール系重合体〕
酢酸ビニル(以下VAcと略記する)2800部、メタノール670部を反応容器にとり、内部を充分に窒素置換した後、外温を65℃にあげ、内温が60℃に達したところで、あらかじめ窒素置換したチオ酢酸0.243部を含むメタノール10部を加えた後、2,2′−アゾビスイソブチロニトリル1部を含むメタノール溶液20部を加え直ちにチオ酢酸1.8部を含むメタノール溶液18部を4時間にわたって加えた。5時間後の重合率は64.7%であった。5時間後に容器を冷却し、減圧下に残留するVAcをメタノールとともに系外へ追出す操作をメタノールを追加しながら行ない、ポリビニルエステル(以下PVAcと略記する)のメタノール溶液を得た(濃度62%)。このメタノール溶液の一部をとり、PVAc濃度30%、含水率3%、〔NaOH〕/〔VAc〕=0.02(モル比)となるように、NaOHのメタノール溶液を加え、40℃で1時間けん化した後、酢酸を加えて残存するNaOHを中和し、けん化反応を停止した。けん化度を測定すると72モル%であった。次に同様のけん化方法で〔NaOH〕/〔VAc〕=0.05(モル比)でけん化を行い、得られたポリビニルアルコール(PVA)をメタノールによるソックレー洗浄によって精製した後、けん化度を測定すると98.9モル%であった。また、水中30℃で極限粘度を測定し、重合度を計算したところ820であった。次に、この精製したPVAを用いて、PVA中に含まれるメルカプト基(以下SH基と略記する)の含有量をヨウ素酸化による方法で求めたところ、4.0×10−5当量/g−PVAのSH基の存在が確認された。また、この精製したPVAを常法により再酢化して再酢化PVAcを得た後、THF系40℃でポリスチレンを標準物質としてGPC測定をしたところPw/Pn=2.1であった。同様の方法により調製した本発明の分散安定剤であるポリビニルアルコール系重合体(A)を表1に示す。これらの分散安定剤は全て、水あるいは温水に可溶であった。
〔塩化ビニルの重合〕
リフラックスコンデンサー付のグラスライニング製オートクレーブに、表(表1:実施例1〜10、表2:実施例11〜21、表3:比較例1〜7)に示した分散安定剤を溶かした脱イオン水1部およびジイソプロピルパーオキシジカーボネートの70%トルエン溶液0.04部を仕込み、オートクレーブ内を50mmHgとなるまで脱気して酸素を除いたのち、撹拌下で80℃の温水39部および塩化ビニルモノマー30部を同時に仕込んだ。仕込みが終了した時点での液面は重合器の底面から60%の高さであり、内温は50℃であった。その後内温を50℃保ち重合を継続した。重合開始時、オートクレーブ内の圧力は7.0kg/cmGであったが、重合開始6時間後に4.0kg/cmGとなった時点で重合を停止し、未反応の塩化ビニルモノマーをパージし、内容物を取り出し脱水乾燥した。得られた塩化ビニル樹脂の性能を下記の方法により評価し、その結果を表に示す。塩化ビニル重合体の重合収率は85%であり、平均重合度は1300であった。
(1)可塑剤吸収性
プラストグラフに接続されたプラネタリーミキサーに、得られた塩化ビニル重合体粉末400gを入れ、60rpmで撹拌しながら予熱(4分)して88℃としたのち、これにジオクチルフタレートを200g添加し、添加時からトルクの下降した時点まで時間を可塑剤吸収性(分)とした。
(2)CPA(ColdPlasticizerAbsorption:冷可塑剤吸収量)
ASTM−D3367−75に記載された方法より、23℃におけるジオクチルフタレートの吸収量を測定した。
(3)発泡性評価
重合終了時に重合器内の発泡状態を目視により観察し、以下の記号で示す。
◎:発泡なし
○:重合器の底面から62〜65%の高さにまで泡が認められた。
△:重合器の底面から66〜70%の高さにまで泡が認められた。
▲:重合器の底面から90〜100%の高さにまで泡が認められた。
×:重合器の底面から100%の高さにまで泡が認められ、さらにリフラックスコンデンサーに泡が詰まっていた。
Figure 0003898696
Figure 0003898696
Figure 0003898696

Claims (2)

  1. けん化度60モル%以上の末端にメルカプト基を有するポリビニルアルコール系重合体(A)を分散安定剤として塩化ビニル100重量部に対し0.01〜1重量部使用して、塩化ビニルを懸濁重合することを特徴とする塩化ビニル重合体の製造方法
  2. 前記塩化ビニル100重量部に対して、前記分散安定剤を0.02〜0.2重量部使用することを特徴とする請求項1記載の塩化ビニル重合体の製造方法。
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