JPH11116630A - ビニル系樹脂の製造方法 - Google Patents

ビニル系樹脂の製造方法

Info

Publication number
JPH11116630A
JPH11116630A JP28008097A JP28008097A JPH11116630A JP H11116630 A JPH11116630 A JP H11116630A JP 28008097 A JP28008097 A JP 28008097A JP 28008097 A JP28008097 A JP 28008097A JP H11116630 A JPH11116630 A JP H11116630A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
polymerization
vinyl
mol
degree
reflux condenser
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP28008097A
Other languages
English (en)
Inventor
Shigeki Takada
重喜 高田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kuraray Co Ltd
Original Assignee
Kuraray Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kuraray Co Ltd filed Critical Kuraray Co Ltd
Priority to JP28008097A priority Critical patent/JPH11116630A/ja
Publication of JPH11116630A publication Critical patent/JPH11116630A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08FMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED BY REACTIONS ONLY INVOLVING CARBON-TO-CARBON UNSATURATED BONDS
    • C08F2/00Processes of polymerisation
    • C08F2/12Polymerisation in non-solvents
    • C08F2/16Aqueous medium
    • C08F2/20Aqueous medium with the aid of macromolecular dispersing agents

Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 懸濁重合用分散安定剤(A)の存在下で
ビニル系化合物の懸濁重合を行うに際し、リフラックス
コンデンサー付きの重合槽を用いて、重合転化率30〜
90%の時点で、該ビニル系化合物100重量部に対し
てけん化度85モル%以下のポリビニルアルコール系重
合体(B)0.001〜0.5重量部を連続的に、ある
いは2回以上に分けて添加することを特徴とするビニル
系樹脂の製造方法。 【効果】 本発明によると、生産性に優れたリフラック
スコンデンサー付きの重合槽を使用し、重合の中期〜後
期に発生するドライフォームに対する消泡効果に優れ、
かつ充填比重の高いビニル系樹脂が得られるビニル系樹
脂の製造方法が提供される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、生産性に優れたリ
フラックスコンデンサー付きの重合槽を用いたビニル系
化合物の懸濁重合によるビニル系樹脂の製造方法に関す
る。さらに詳しくは、重合槽内における発泡が少ないこ
とを特徴とするビニル系樹脂の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】塩化ビニル系樹脂(以下、PVCと略記
する)の工業的な製造は、分散安定剤の存在下で、塩化
ビニルモノマー(以下、VCMと略記する)を水性媒体
中に分散させ、油溶性の重合開始剤を重合槽に仕込んだ
後、昇温して重合を行うバッチ式の懸濁重合が一般的で
ある。
【0003】最近では、生産性を向上させるために重合
1バッチに要する時間を短縮することが求められてお
り、重合反応熱の除去速度を増加させるためにリフラッ
クスコンデンサー付きの重合槽を用いたり、昇温時間を
短縮するために予め加熱した水性媒体を仕込む方法(ホ
ットチャージ法)が提案されている。しかしながら、リ
フラックスコンデンサー付きの重合槽を用いる場合に
は、VCMの気体が凝縮することに伴ってリフラックス
コンデンサー付近の圧力が低下することから、ウェット
フォームやドライフォームが激しくなるという問題があ
った。ウェットフォームとは、主としてポリビニルアル
コール(以下、PVAと略記する)に起因する水を主成
分とする発泡である。ドライフォームとは、PVCやV
CMを主成分とする発泡であり、主として重合の中期〜
後期に発生する。ウェットフォームやドライフォームが
発生した場合には、重合槽内の有効容積が減少して生産
性が低下する。また、ドライフォームが発生した場合に
は、リフラックスコンデンサーにスケールが付着して重
合槽の温度コントロールができなくなる。特開平2−1
80908号(以下、公知事項Aと略記する)には、リ
フラックスコンデンサーにおける重合反応熱の除去量が
全重合反応熱量の10%以下の時点で、ジメチルポリシ
ロキサンなどのシリコーンオイルや低けん化度PVAな
どを添加する方法が開示されている。特開平3−212
409号(以下、公知事項Bと略記する)には、リフラ
ックスコンデンサーにおける重合反応熱の除去量が全重
合反応熱量の10%を越えない時点で、VCM100重
量部に対してけん化度20〜50モル%および重合度2
00〜400の水不溶性の部分けん化PVA0.002
〜0.007重量部およびジメチルポリシロキサンなど
の消泡剤0.001〜0.01重量部を添加する方法が
開示されている。しかしながら、公知事項AおよびBの
方法は、ドライフォームの発生が激しくなり、PVCの
充填比重が低下しやすいという問題があった。
【0004】尚、リフラックスコンデンサーを使用しな
い場合には、ドライフォームは発生しないが、重合時間
が長くなり生産性が低いという問題があった。特開昭5
5−137105号(以下、公知事項Cと略記する)に
は、重合開始前に、けん化度60〜80モル%のイオン
変性PVAを添加することが開示されている。WO 9
1/15518(以下、公知事項Dと略記する)には、
重合開始前に、けん化度60〜90モル%の末端イオン
変性PVAを添加することが開示されている。特開平7
−179507号(以下、公知事項Eと略記する)に
は、重合転化率5〜50%の時点で、けん化度70〜8
5モル%および重合度700〜3000の水溶性PVA
を添加する方法が開示されている。特開平7−5360
7号(以下、公知事項Fと略記する)には、重合転化率
5〜50%の時点で、けん化度70〜85モル%および
重合度700〜3000の水溶性PVAを添加する方法
が開示されている。特開平7−18007号(以下、公
知事項Gと略記する)には、重合転化率30〜60%の
時点で、けん化度75〜85モル%および重合度150
0〜2700の水溶性PVAを添加する方法が開示され
ている。しかしながら、公知事項C〜Gの方法は、リフ
ラックスコンデンサーを使用していないことから、重合
時間が長くなり生産性が低いという問題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、生産
性に優れたリフラックスコンデンサー付きの重合槽を使
用し、特に重合の中期〜後期に発生するドライフォーム
に対する消泡効果に優れ、かつ充填比重の高いビニル系
樹脂が得られるビニル系樹脂の製造方法を提供すること
にある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題を
解決するために鋭意検討を重ねた結果、懸濁重合用分散
安定剤(A)の存在下でビニル系化合物の懸濁重合を行
うに際し、リフラックスコンデンサー付きの重合槽を用
いて、重合転化率30〜90%の時点で、該ビニル系化
合物100重量部に対してけん化度85モル%以下のポ
リビニルアルコール系重合体(B)0.001〜0.5
重量部を連続的に、あるいは2回以上に分けて添加する
ことを特徴とするビニル系樹脂の製造方法を見出し、本
発明を完成させるに到った。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明におけるリフラックスコン
デンサーは、ビニル系化合物の懸濁重合により生じる重
合反応熱を効率よく除去するために使用される。すなわ
ち、重合槽中の懸濁液から発生する未反応のVCMの気
体は、リフラックスコンデンサーにより液化される。リ
フラックスコンデンサーにおいて液化されたVCMは、
重合槽に返されることにより、重合熱が除去される。リ
フラックスコンデンサーの冷却水の温度は、通常10〜
50℃程度である。重合槽の温度制御は、リフラックス
コンデンサーによる除熱の他に、通常は重合槽のジャケ
ットまたはコイルによる温度制御が併用される。リフラ
ックスコンデンサーにおける重合反応熱の除去量につい
ては特に制限はないが、全重合反応熱量の10〜80%
が好ましく、20〜60%がより好ましい。
【0008】本発明におけるビニル系化合物の懸濁重合
は、懸濁重合用分散安定剤(A)の存在下で行われる。
懸濁重合用分散安定剤(A)としては特に制限はなく、
けん化度60〜95モル%および重合度500〜360
0の水溶性PVAあるいは水溶性セルロースなどの水溶
性ポリマーが使用される。水溶性セルロースとしては、
メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒド
ロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチル
セルロースなどが挙げられる。その他の水溶性ポリマー
としては、ゼラチンなどが挙げられる。これらの水溶性
ポリマーの2種以上を組み合わせてもよい。懸濁重合用
分散安定剤(A)の添加量については特に制限はない
が、ビニル系化合物100重量部に対して0.01〜
1.0重量部が好ましく、0.02〜0.2重量部がよ
り好ましい。また、ソルビタンモノラウレート、ソルビ
タントリオレート、グリセリントリステアレート、エチ
レンオキシドプロピレンオキシドブロックコポリマーな
どの油溶性乳化剤、ポリオキシエチレンソルビタンモノ
ラウレート、ポリオキシエチレングリセリンオレート、
ラウリン酸ナトリウムなどの水溶性乳化剤などを併用し
ても良い。
【0009】本発明におけるビニル系化合物の懸濁重合
は、懸濁重合用分散安定剤(A)100重量部に対して
けん化度60モル%未満のポリビニルエステル(以下、
PVESと略記する)系重合体1〜100重量部を分散
助剤として併用してもよい。分散助剤として使用するP
VES系重合体としては、無変性PVESの他に、側鎖
あるいは末端にカルボキシル基などのイオン性基を10
モル%以下含有するPVES系重合体でもよい。
【0010】本発明におけるビニル系化合物の懸濁重合
には、必要に応じて各種添加剤を加えることができる。
各種添加剤としては、アセトアルデヒド、ブチルアルデ
ヒド、トリクロロエチレン、パークロロエチレンあるい
はメルカプタン類などの重合度調節剤、フェノール化合
物、イオウ化合物、N−オキシド化合物などの重合禁止
剤、pH調整剤、スケール防止剤、架橋剤、従来公知の
たとえばシリコーン系などの消泡剤などが挙げられる。
これらの各種添加剤は、2種以上を併用してもよく、そ
の添加時期には制限はない。
【0011】本発明のビニル系化合物の懸濁重合に使用
される重合開始剤は、従来塩化ビニルなどのビニル系化
合物の懸濁重合に使用されているものでよく、例えば、
ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ−2−エ
チルヘキシルパーオキシジカーボネート、ジエトキシエ
チルパーオキシジカーボネートなどのパーカーボネート
化合物、t−ブチルパーオキシネオデカネート、α−ク
ミルパーオキシネオデカネート、t−ブチルパーオキシ
ネオデカネートなどのパーオキシエステル化合物、アセ
チルシクロヘキシルスルホニルパーオキシド、2,4,
4−トリメチルペンチル−2−パーオキシフェノキシア
セテートなどの過酸化物、2,2′−アゾビスイソブチ
ロニトリル、アゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリ
ル、アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロ
ニトリル)などのアゾ化合物などが挙げられる。これら
の開始剤には、さらに、過硫酸カリウム、過硫酸アンモ
ニウム、過酸化水素などを組み合わせて使用することも
できる。
【0012】本発明の懸濁重合に供されるビニル系化合
物としては、塩化ビニル単独のほか、塩化ビニルを主体
とする単量体混合物(塩化ビニル50重量%以上)、塩
化ビニル以外のビニル系化合物が包含される。塩化ビニ
ルと共重合される単量体としては、酢酸ビニル、プロピ
オン酸ビニルなどのビニルエステル、(メタ)アクリル
酸メチル、(メタ)アクリル酸エチルなどの(メタ)ア
クリル酸エステル、エチレン、プロピレンなどのオレフ
ィン、無水マレイン酸、アクリロニトリル、イタコン
酸、スチレン、塩化ビニリデン、ビニルエーテルなどが
挙げられる。
【0013】本発明の懸濁重合においては、各成分の仕
込み割合、各成分の仕込み順序および重合温度などにつ
いては特に制限はなく、従来塩化ビニルなどのビニル系
化合物の懸濁重合において採用されている条件から適宜
選択される。また、ビニル系化合物を重合槽に仕込む前
に、ビニル系化合物を加熱しておく方法も好適に用いら
れる。
【0014】本発明の懸濁重合においては、生産効率を
高めるために、温度40℃以上(好ましくは70℃以
上)に加熱された水性媒体を重合開始前に重合槽に仕込
む方法も好適に用いられる。
【0015】次に、重合転化率30〜90%の時点で、
重合槽に連続的にあるいは2回以上に分けて添加される
PVA系重合体(B)について説明する。PVA系重合
体のけん化度は、85モル%以下であり、40〜83モ
ル%が好ましく、60〜82モル%がより好ましく、6
5〜80モル%が特に好ましい。なお、PVA系重合体
に変性基が導入されている場合には、けん化度には変性
基は含まれない。すなわち、けん化度はビニルエステル
基とビニルアルコール基のみから求められる。PVA系
重合体の粘度平均重合度(以下、重合度と略記する)
は、50〜2500が好ましく、70〜1500がより
好ましく、100〜700がより好ましく、150〜5
50が特に好ましい。
【0016】PVA系重合体は、PVES系重合体をけ
ん化触媒を用いてけん化することにより得られる。ビニ
ルエステルとしては、蟻酸ビニル、酢酸ビニル、プロピ
オン酸ビニル、ピバリン酸ビニル等が挙げられ、これら
の中でも酢酸ビニルが特に好ましい。けん化触媒として
は、従来公知の酸あるいはアルカリが用いられる。
【0017】PVA系重合体には、イオン性基などを導
入することにより更に性能を向上させることができる。
イオン性基としては、スルホン酸基、アミノ基、アンモ
ニウム基、カルボキシル基などのアニオン性基やカチオ
ン性基が挙げられ、これらのうちから1種または2種以
上が選ばれる。これらのイオン性基の含有量としては、
0.01〜10モル%が好ましく、0.1〜2モル%が
より好ましい。PVA系重合体にイオン性基を導入する
方法としては特に制限はないが、イオン性基を含有する
単量体とビニルエステルとの共重合体を部分的にけん化
することにより得れらる。スルホン酸基を有する単量体
としては、エチレンスルホン酸、(メタ)アリルスルホ
ン酸、スルホアルキルマレート、スルホアルキル(メ
タ)アクリルアミド、スルホアルキル(メタ)アクリレ
ート、アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸
およびこれらの塩が挙げられる。アミノ基およびアンモ
ニウム基を有する単量体としては、N−(1,1ージメ
チルー3ージメチルアミノプロピル)(メタ)アクリル
アミド、N−(1,1ージメチルー3ージメチルアミノ
ブチル)(メタ)アクリルアミド、N−ビニルイミダゾ
ール、2ーメチルーN−ビニルイミダゾール、ビニルー
3ージメチルアミノプロピルエーテル、ビニルー2ージ
メチルアミノエチルエーテル、アリルー3ージメチルア
ミノプロピルエーテル、アリルジメチルアミン、メタア
リルジメチルアミンおよびこれらの四級化した単量体等
が挙げられる。カルボキシル基を有する単量体として
は、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、
(メタ)アクリル酸などが挙げられる。また、チオール
酢酸、メルカプトプロピオン酸、3−メルカプト−1−
プロパンスルホン酸ナトリウム塩などのチオール化合物
の存在下で、酢酸ビニルなどのビニルエステル系単量体
を重合し、それをけん化することによって得られる末端
にイオン性基を有するPVA系重合体も用いることがで
きる。
【0018】PVA系重合体は、本発明の効果を損なわ
ない範囲で、共重合可能なエチレン性不飽和単量体を共
重合しても良い。エチレン性不飽和単量体としては、エ
チレン、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、エチ
ルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、N−ビニル
ピロリドン、塩化ビニル、臭化ビニル、フッ化ビニル、
塩化ビニリデン、フッ化ビニリデン、テトラフルオロエ
チレンなどが挙げられる。これらのエチレン性不飽和単
量体の含有量は、通常10モル%以下が好ましい。
【0019】PVA系重合体は、炭素数2〜20のヒド
ロキシアルキル基を側鎖に有していても良い。炭素数2
〜20のヒドロキシアルキル基を側鎖に有する単量体と
しては、3−ブテン−1−オール、4−ペンテン−1−
オール、5−ヘキセン−1−オール、7−オクテン−1
−オール、9−デセン−1−オール、11−ドデセン−
1−オールなどが挙げられる。これらの単量体のほか
に、PVA系重合体の原料であるポリビニルエステル系
重合体のけん化反応時に、ヒドロキシル基の生成が可能
なエステル基を含有する単量体であってもよい。こられ
らの単量体の含有量は、通常10モル%以下が好まし
い。また、本発明に使用されるPVA系重合体は、ノニ
オン性基または(長鎖)アルキル基などを10モル%以
下有していても良い。
【0020】PVA系重合体(B)を連続的にあるいは
2回以上に分けて添加する時期は、ビニル系化合物の重
合転化率が30〜90%の時点であり、40%〜87%
が好ましく、50%〜85%がより好ましく、60%〜
80%が特に好ましい。PVA系重合体の添加方法は特
に制限はないが、水溶液、水性分散液、メタノールなど
の有機溶剤溶液、メタノール・水混合溶液などの形態で
添加する方法が挙げられる。PVA系重合体の溶液の濃
度は通常0.01〜30重量%である。PVA系重合体
の溶液の温度は特に制限はなく、室温または重合温度ま
で昇温したものでも良い。PVA系重合体の添加量は、
懸濁重合に供されるビニル系化合物100重量部に対し
て0.001〜0.5重量部であり、0.01〜0.1
重量部が好ましい。
【0021】次に、ビニル系化合物の懸濁重合用消泡剤
について説明する。ビニル系化合物の懸濁重合用消泡剤
としては、上記のPVA系重合体(B)が挙げられる。
その中でも、けん化度85モル%以下および重合度25
00以下の水溶性PVA系重合体が特に好ましい。ビニ
ル系化合物の懸濁重合用消泡剤として使用される水溶性
PVA系重合体は、水溶性であることが必要であり、け
ん化度が70モル%未満の場合にはイオン性基を導入す
ることなどにより水溶性にする必要がある。なお、「水
溶性」とは、PVA系重合体の4重量%水溶液が20℃
において透明であることをいう。
【0022】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明をさらに詳しく
説明するが、本発明はこれらの実施例によってなんら限
定されるものではない。なお、以下の実施例において
「%」および「部」は特に断りのない限り、重量基準を
意味する。
【0023】実施例1〜5、比較例1〜3 リフラックスコンデンサー付の重合槽(高さ:125c
m)に、けん化度72モル%、重合度720のPVA
(A)0.08部の脱イオン水の溶液1部およびスルホ
ン酸ナトリウム基含有量0.8モル%、けん化度35モ
ル%、重合度300のPVES 0.03部の脱イオン
水の溶液1部を仕込んだ。次に、ジイソプロピルパーオ
キシジカーボネートの70%トルエン溶液(以下、開始
剤溶液と略記する)0.04部を仕込み、オートクレー
ブ内を50mmHgとなるまで脱気して酸素を除いた
後、撹拌下で80℃の温水39部およびVCM30部を
同時に仕込んだ。仕込みが終了した時点での液面は重合
槽の底面から75cmの高さであり、内温は57℃であ
った。重合開始時、重合槽内の圧力は7.0kg/cm
2Gであった。引き続き、リフラックスコンデンサーお
よび重合槽のジャケットの水温を調整することにより、
重合槽の内温を57℃に保ってVCMの懸濁重合を継続
した。表1〜2に示す重合転化率で、表1〜2に示すP
VA系重合体(B)(消泡剤)を添加した。重合開始5
時間後に、重合槽の内圧が4.0kg/cm2Gとなっ
た時点で重合を停止した。VCMの重合転化率は92%
であった。リフラックスコンデンサーにおける重合反応
熱の除去量は、全重合反応熱量の45%であった。得ら
れたPVCの平均重合度は1030であった。
【0024】重合槽内のドライフォームの発生状態およ
び得られたPVCの性能評価は下記の方法で行った。結
果を表1〜2に示す。 [重合槽内のドライフォームの発生状態]重合終了後、
未反応のVCMをパージする前に、オートクレーブ側面
の覗き窓より、重合槽内のドライフォームの発生状態を
観察した。液面よりドライフォームの最高部までの高さ
を実測した。 [PVCの充填比重]JIS K6721−1959に
準拠して測定した。
【0025】
【表1】
【0026】
【表2】
【0027】(表1〜2の脚注) 1)AMPS: 2−アクリルアミド−2−メチルプロパ
ンスルホン酸ナトリウム 2)MPSNa: 3−メルカプト−1−プロパンスルホ
ン酸ナトリウム (*): リフラックスコンデンサーにPVCが詰まっ
ていた。
【0028】
【発明の効果】本発明によると、生産性に優れたリフラ
ックスコンデンサー付きの重合槽を使用し、重合の中期
〜後期に発生するドライフォームに対する消泡効果に優
れ、かつ充填比重の高いビニル系樹脂が得られるビニル
系樹脂の製造方法が提供される。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 懸濁重合用分散安定剤(A)の存在下で
    ビニル系化合物の懸濁重合を行うに際し、リフラックス
    コンデンサー付きの重合槽を用いて、重合転化率30〜
    90%の時点で、該ビニル系化合物100重量部に対し
    てけん化度85モル%以下のポリビニルアルコール系重
    合体(B)0.001〜0.5重量部を連続的に、ある
    いは2回以上に分けて添加することを特徴とするビニル
    系樹脂の製造方法。
  2. 【請求項2】 重合開始前に重合槽内に仕込む水性媒体
    の温度が40℃以上であることを特徴とする請求項1記
    載のビニル系樹脂の製造方法。
  3. 【請求項3】 けん化度85モル%以下および重合度2
    500以下の水溶性ポリビニルアルコール系重合体から
    なるビニル系化合物の懸濁重合用消泡剤。
JP28008097A 1997-10-14 1997-10-14 ビニル系樹脂の製造方法 Pending JPH11116630A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP28008097A JPH11116630A (ja) 1997-10-14 1997-10-14 ビニル系樹脂の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP28008097A JPH11116630A (ja) 1997-10-14 1997-10-14 ビニル系樹脂の製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH11116630A true JPH11116630A (ja) 1999-04-27

Family

ID=17620039

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP28008097A Pending JPH11116630A (ja) 1997-10-14 1997-10-14 ビニル系樹脂の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH11116630A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5982957A (en) * 1998-03-31 1999-11-09 Eastman Kodak Company Scanner illumination
US6613853B1 (en) 1999-10-28 2003-09-02 The Nippon Synthetic Chemical Industry Co., Ltd. Production method of vinyl resin
US7193012B2 (en) 2003-01-30 2007-03-20 The Nippon Synthetic Chemical Industry Co., Ltd. Dispersing agent comprising vinyl alcohol polymer having conjugated double bonds in its molecule

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5982957A (en) * 1998-03-31 1999-11-09 Eastman Kodak Company Scanner illumination
US6613853B1 (en) 1999-10-28 2003-09-02 The Nippon Synthetic Chemical Industry Co., Ltd. Production method of vinyl resin
US7193012B2 (en) 2003-01-30 2007-03-20 The Nippon Synthetic Chemical Industry Co., Ltd. Dispersing agent comprising vinyl alcohol polymer having conjugated double bonds in its molecule

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3474304B2 (ja) ビニル系化合物の懸濁重合用分散安定剤
JP3474307B2 (ja) ビニル系化合物の懸濁重合用分散安定剤
JP3529857B2 (ja) ビニル系化合物の懸濁重合用分散安定剤
JP3995584B2 (ja) ビニル系化合物の懸濁重合用分散安定剤の製造法
JP3441258B2 (ja) ビニル系化合物の懸濁重合用分散助剤及び分散安定剤
JP3742182B2 (ja) ビニル系樹脂の製造方法
JPH11116630A (ja) ビニル系樹脂の製造方法
JP2004075870A (ja) 分散安定剤
JP2002097208A (ja) ビニル系化合物の懸濁重合用分散安定剤
EP0802201B1 (en) Process for producing vinyl resin
JP2001122910A (ja) ビニル系樹脂の製造方法
JP2807526B2 (ja) 塩化ビニル系重合体の製造方法
JP4615153B2 (ja) ビニル系化合物の懸濁重合用分散安定剤
JP4245784B2 (ja) 塩化ビニル懸濁重合用分散安定剤
EP0889068B1 (en) Process for producing aqueous emulsion
JP4754112B2 (ja) ビニル系化合物の懸濁重合用分散安定剤
JP2002037807A (ja) ビニル系化合物の懸濁重合用分散安定剤
JP3563176B2 (ja) ビニル系化合物の懸濁重合用分散安定剤
JP3898696B2 (ja) 塩化ビニル重合体の製造方法
JP3915225B2 (ja) 塩化ビニル系重合体の製造法
JPH0925307A (ja) ビニル系化合物の懸濁重合用分散安定剤
JP2001106706A (ja) 塩化ビニル系樹脂の製造方法
JP2000017007A (ja) 塩化ビニル系樹脂の製造方法
JPH06263806A (ja) 乳化重合用分散安定助剤
JP2009051932A (ja) 塩化ビニル系重合体の製造方法