JP2001106706A - 塩化ビニル系樹脂の製造方法 - Google Patents

塩化ビニル系樹脂の製造方法

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JP2001106706A
JP2001106706A JP29003699A JP29003699A JP2001106706A JP 2001106706 A JP2001106706 A JP 2001106706A JP 29003699 A JP29003699 A JP 29003699A JP 29003699 A JP29003699 A JP 29003699A JP 2001106706 A JP2001106706 A JP 2001106706A
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vinyl chloride
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aqueous medium
suspension
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JP29003699A
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Mikio Shimizu
幹雄 清水
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Tokuyama Sekisui Co Ltd
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Tokuyama Sekisui Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 フィッシュアイの発生が少なく、且つ環流凝
縮器を有する重合器を使用してバッチの出来高を上げ重
合工程の生産性が高い塩化ビニル系樹脂の製造方法を提
供する。 【解決手段】 環流凝縮器を備えた重合器を用いて水媒
体中で懸濁重合するに際し、水媒体/塩化ビニル系単量
体重量比を0.5/1.0〜1.2/1.0で仕込み、
分散剤として平均分子量が10万〜800万であるポリ
エチレンオキサイドを塩化ビニル系単量体100重量部
に対し0.001〜0.08重量部を添加することを特
徴とする塩化ビニル系樹脂の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、塩化ビニル系単量
体(以下「VC」という)又はVCを主成分とするこれ
と共重合可能なモノマー混合物の懸濁重合法において、
重合工程の生産性が高く、フィッシュアイの少ない塩化
ビニル系樹脂(以下「PVC」という)の製造方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】従来、VCの重合は、一般に、加熱・冷
却の為のジャケット及び攪拌装置を備えた重合器中で、
バッチ式の水懸濁重合方法が行われている。即ち、重合
器中に先ず水媒体及び分散剤を仕込み、次に重合開始剤
を仕込み、続いて重合器内を真空脱気した後VCを仕込
み、昇温して重合反応を開始し、反応熱が出てきた時点
から重合器ジャケットに冷却水を通して重合温度を維持
し、次にVCを回収してPVCを重合器から排出する、
一連の重合操作を行っている。このような一連の重合工
程において、生産性を高めるためには、各工程の時間の
短縮やバッチ当たりの出来高を高める方法がある。
【0003】このような方法において、いかに効率良く
反応熱を除熱するかが一つの課題となってくるが、一般
に、環流凝縮器(以下「RC」という)による除熱が行
われている。しかし、RCを使用すると、フィッシュア
イが発生したり、重合が不安定になり安定生産に支障を
来したりすることから、種々の対策が開示されている。
【0004】その中で、生産性を上げるためバッチ出来
高を上げる方法があるが、例えば、仕込時に水/VC比
を0.8〜1.0とし、重合途中に体積収縮分を超えな
い範囲で水を追加し、重合終了後の水/VC比を1.0
〜1.4にする方法(特公平3−4561号公報)或い
は、仕込時に水/VC比を0.8〜1.5とし、重合器
内温度を所定の温度とした後、重合開始剤を仕込むとと
もに環流凝縮器を稼働させ重合を行う方法(特開平6−
136009号公報)が開示されている。しかし、これ
らの方法では、得られたPVC樹脂のフィッシュアイの
発生を防止する対策としては不十分であり、更に水/V
C比が通常より低く、生成するPVC量が多くなるため
懸濁液の粘度が高くなり、重合器ジャケットやRCの除
熱能力が低下して重合の制御が困難となり、はなはだし
い場合には懸濁液の一部が塊状となり正常な粒子が得ら
れなかったりする。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記問題点
を解決するために、フィッシュアイの発生が少なく、且
つRCを有する重合器を使用してバッチの出来高を上げ
重合工程の生産性が高いPVCの製造方法を提供するこ
とを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明による塩化ビニル
系樹脂の製造方法は、環流凝縮器を備えた重合器を用い
て水媒体中で懸濁重合するに際し、水媒体/VC重量比
を0.5/1.0〜1.2/1.0で仕込み、分散剤と
して平均分子量が10万〜800万であるポリエチレン
オキサイドをVC100重量部に対し0.001〜0.
08重量部を添加することを特徴とする。以下、本発明
を更に詳細に説明する。
【0007】本発明では、RCを備えた重合器が用いら
れる。RCは、液層から気化したガスを冷却して凝縮さ
せ液体状態に戻して重合熱を除去するためのものである
ため、重合器内の気相部分に連通するように設けられ
る。また、RCは冷却器として公知の構造のものが用い
られ、RC内でガスを冷却するために冷媒が通される。
【0008】RCにおける除熱の制御は、バブル操作に
よる水量調節、水温調節など公知の方法によることがで
きる。重合器ジャケットにおける除熱の制御も同様に公
知の方法によることができる。また、稼働時期は、重合
開始剤を仕込むとともに稼働させてもよく、或いは所定
の重合温度に到達した後に稼働させてもよい。
【0009】本発明で用いられるVCは、VC単独で
も、VCを主成分とする混合物(一般に、VC50重量
%以上)であってもよい。又、本発明の製造方法が効果
を発揮する範囲で、VCと共重合可能な他のビニル単量
体を含んでいてもよい。このVCと共重合可能な他のビ
ニル単量体としては特に限定されず、例えば、酢酸ビニ
ル、プロピオン酸ビニル等のビニルエステル類;(メ
タ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル等の
(メタ)アクリル酸エステル類;エチレン、プロピレン
等のオレフィン類、(メタ)アクリル酸、無水マレイン
酸、アクリロニトリル、スチレン、塩化ビニリデン等が
挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を
併用してもよい。更に、予め加温したVCを使用するの
が生産性向上のためには好ましい。
【0010】本発明で使用される分散剤としてのポリエ
チレンオキサイドは、平均分子量が10万〜800万で
あり、好ましくは200万〜800万である。平均分子
量が10万未満では、粒子の粗大化を防ぐ効果は見られ
ず、又800万を超えるポリエチレンオキサイドは現在
生産されていない。
【0011】上記ポリエチレンオキサイドの添加量は、
VC100重量部に対して0.001〜0.08重量部
であり、好ましくは0.005〜0.05重量部であ
る。0.001重量部未満では粒子の粗大化を防ぐ効果
は見られず、0.08重量部を超えるとフィッシュアイ
が増加しする。
【0012】本発明でポリエチレンオキサイドと併用す
る分散剤は、VCの重合に使用する分散剤であればよ
い。例えば、部分ケン化ポリビニルアルコール、メチル
セルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシ
プロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロ
ース等の水溶性セルロース、ポリアクリル酸、ゼラチン
等の水溶性高分子;ソルビタンモノラウレート、ソルビ
タンモノステアレート、グリセリントリステアレート等
の油溶性乳化剤;ポリオキシエチレンソルビタンモノラ
ウレート、ポリオキシエチレングリセリンオレート、ラ
ウリン酸ナトリウム等の水溶性乳化剤等が挙げられ、こ
れらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよ
い。
【0013】本発明の懸濁重合に用いられる重合開始剤
としては、一般にVCの懸濁重合で用いられる重合開始
剤が好適に用いられ、例えば、ジイソプロピルパーオキ
シジカーボネート、ジ−2−エチルヘキシルパーオキシ
ジカーボネート、ジエトキシエチルパーオキシジカーボ
ネート等のパーオキシカーボネート化合物;α−クミル
パーオキシネオデカーネート、t−ブチルパーオキシネ
オデカーネート、t−ブチルパーオキシピバレ−ト、t
−ヘキシルパーオキシネオデカーネート等のパーオキシ
エステル化合物;アセチルシクロヘキシルスルホニルパ
−オキサイド、2,4,4−トリメチルペンチル−2−
パ−オキシフェノキシアセテ−ト等の過酸化物;アゾビ
ス−2,4−ジメチルバレロニトリル、アゾビス(4−
メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)等のアゾ
化合物;過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過酸化
水素等が挙げられ、これらは単独で用いられてもよく、
2種以上が併用されてもよい。
【0014】さらに、一般の重合で適宜用いられる重合
調整剤、連鎖移動剤、pH調整剤、ゲル化改良剤、帯電
防止剤及び重合スケール付着防止剤等が添加されてもよ
い。
【0015】本発明における仕込時の水媒体/VC重量
比は、0.5/1.0〜1.2/1.0であり、重合途
中で反応進行による懸濁液の体積収縮分を超えない範囲
の水を連続的に又は間歇的に追加することが好ましい。
水媒体/VC重量比が0.5未満では、いかにポリエチ
レンオキサイドを添加しても懸濁液の分散状態が不均一
になり正常な粒子が得られず、最悪の場合は異常重合を
起こす。また、水媒体/VC重量比が1.2を超える
と、生産性が低下してしまう。
【0016】本発明の懸濁重合においては、水媒体、V
C、分散剤、重合開始剤、その他の添加剤の仕込方法と
しては、通常の懸濁重合において用いられる方法が好適
に用いられる。例えば、水媒体、分散剤、重合開始剤、
VCを順次重合器に添加する方法、これらを同時に連続
的に仕込む方法、分散剤水溶液と重合開始剤を溶解した
VCを順次又は同時に仕込む方法等が挙げられる。ま
た、重合に伴って発生する反応熱を重合器ジャケット及
びRCにより除熱し、重合器内の懸濁液の温度を所定の
重合温度に制御しながら重合を継続させ、完結させるこ
とができる。
【0017】また、本発明の懸濁重合においては、重合
温度は特に限定されず、一般に40〜80℃が好まし
い。
【0018】
【発明の実施の形態】本発明をさらに詳しく説明するた
め以下に実施例を挙げるが、本発明はこれら実施例のみ
に限定されるものではない。
【0019】(実施例1)伝熱面積0.5m2 のRCを
備えた600リットルの重合器に、分散剤として平均分
子量450万のポリエチレンオキサイド0.04重量
部、ケン化度72モル%の部分ケン化ポリビニルアルコ
ール0.03重量部及びヒドロキシプロピルメチルセル
ロース0.03重量部を溶解した水60重量部を仕込
み、攪拌して均一の溶液とし、重合開始剤としてジ−2
−エチルヘキシルパーオキシジカーボネート0.055
重量部を添加し、次に、重合器内の空気を除いてVC1
00重量部を仕込み(水/VC仕込重量比は0.6)、
58℃に昇温して重合を開始させた。その直後に、RC
を稼働させ、4時間後に重合器の圧力が0.75MPa
となったとき、未反応のVCを回収してPVCを得た。
ここで、重合中のRCによる除熱は、20℃の水を循環
させて重合反応熱の60%を除去する条件で行った。な
お、重合開始直後より重合の間中、定量ポンプを用いて
水を連続的に重合器内に追加した。
【0020】(実施例2〜4)水/VC仕込重量比及び
ポリエチレンオキサイドの仕込量について表1の如く変
更した以外は、実施例1と同様にして重合を行いPVC
を得た。
【0021】(比較例1)分散剤として、ポリエチレン
オキサイドを添加せず、その他は実施例1と同じ条件で
重合を行った。その結果、重合途中で懸濁液の動きが全
くなくなり正常な粒子が得られなかった。
【0022】(実施例5)分散剤として平均分子量17
0万のポリエチレンオキサイドを溶解した水を80重量
部仕込み(水/VC仕込重量比は0.8)、その他は実
施例1と同じ条件で重合を行った。
【0023】(実施例6〜8、比較例2、3)ポリエチ
レンオキサイドの平均分子量及び仕込量について表2の
如く変更した以外は、実施例5と同様にして重合を行い
PVCを得た。
【0024】上記実施例及び比較例で得られたPVCの
物性評価を以下の通り行い、実施例1〜4、比較例1は
表1に、実施例5〜8、比較例2、3は表2に、その結
果を示す。 (1)懸濁液の粘性の観察 反応中の懸濁液の粘度は測定が困難であるため、重合器
の上部に内部を観察できる耐圧透視ガラスを設け、懸濁
液の巻き込みの状態を観察し、次の判断基準で粘性の高
低を判断した。なお、観察は重合開始から2時間目より
行った。 ○;懸濁液の動きが活発で巻き込みがあり、中心部の液
面低下が認められた(粘性は低い状態)。 △;懸濁液の動きが悪く巻き込みがあるが、中心部の液
面低下が認められなかった(粘性は高い状態)。 ×;懸濁液の動きが全くない。
【0025】(2)フィッシュアイ 得られたPVC100重量部に対し、可塑剤(ジオクチ
ルフタレ−ト)50重量部、安定剤(ステアリン酸バリ
ウム)0.5重量部、安定剤(ステアリン酸亜鉛)0.
5重量部、充填剤(二酸化チタン)0.5重量部及び充
填剤(カ−ボンブラック)0.1重量部を混合し、この
混合物を6インチロ−ルで140℃で5分間混練して厚
さ0.3mmのシ−トを作製した。このシ−トの100
cm2 中にある透明粒子の数を計数して、フィッシュア
イの個数とした。
【0026】
【表1】
【0027】
【表2】
【0028】表1及び2に示したように、本発明の実施
例1〜8のPVCは、懸濁液の粘性が高くなく、フィッ
シュアイの発生も少ない。
【0029】一方、表1に示したように、ポリエチレン
オキサイドを添加しなかった比較例1は、懸濁液の粘性
が高くなりすぎてPVCが得られず、また、表2に示し
たように、ポリエチレンオキサイドの平均分子量が10
万未満の比較例2では、懸濁液の粘性が高くなるととも
にフィッシュアイが多数発生し、添加量が0.08部を
超える比較例3は、フィッシュアイが多数発生した。
【0030】
【発明の効果】以上、本発明によれば、フィッシュアイ
の発生が少なく、且つRCを有する重合器を使用してバ
ッチの出来高を上げ重合工程の生産性を高めてPVCを
製造することができる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 環流凝縮器を備えた重合器を用いて水媒
    体中で懸濁重合するに際し、水媒体/塩化ビニル系単量
    体重量比を0.5/1.0〜1.2/1.0で仕込み、
    分散剤として平均分子量が10万〜800万であるポリ
    エチレンオキサイドを塩化ビニル系単量体100重量部
    に対し0.001〜0.08重量部を添加することを特
    徴とする塩化ビニル系樹脂の製造方法。
JP29003699A 1999-10-12 1999-10-12 塩化ビニル系樹脂の製造方法 Pending JP2001106706A (ja)

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