JP2000119312A - 塩化ビニル系樹脂の製造方法 - Google Patents

塩化ビニル系樹脂の製造方法

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JP2000119312A
JP2000119312A JP10294136A JP29413698A JP2000119312A JP 2000119312 A JP2000119312 A JP 2000119312A JP 10294136 A JP10294136 A JP 10294136A JP 29413698 A JP29413698 A JP 29413698A JP 2000119312 A JP2000119312 A JP 2000119312A
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polymerization
scale
vinyl chloride
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peroxydicarbonate
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JP10294136A
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Mikio Shimizu
幹雄 清水
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Tokuyama Sekisui Co Ltd
Original Assignee
Tokuyama Sekisui Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 重合時に発生する重合体スケールを重合開始
剤処方で抑制する塩化ビニル系樹脂の製造方法を提供す
る。 【解決手段】 リフラックスコンデンサーを備えた重合
器で塩化ビニル系単量体を水性媒体中で重合開始剤及び
分散剤の存在下で重合反応を行うに際し、重合開始剤と
して分子量が280以上のパーオキシジカーボネートを
使用する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、リフラックスコン
デンサーを備えた重合器で塩化ビニル系単量体(以下
「VC」という)又はVCを主成分とするこれと共重合
可能なモノマー混合物の懸濁重合法において、重合時に
発生する重合体スケールを重合開始剤処方で抑制する塩
化ビニル系樹脂の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】塩化ビニルの重合は、通常、重合開始剤
の存在下に乳化剤または分散剤を含む水性媒体中で塩化
ビニル単量体を乳化または懸濁させて実施される。この
重合過程において、重合器及び重合器の付帯機器である
攪拌翼、バッフル、原料等の仕込み用配管またはコンデ
ンサーなど重合装置の塩化ビニル系単量体が接触する部
分に重合体スケールが付着する。スケールの付着は重合
装置の冷却能力を低下させ、特にコンデンサーでの冷却
不足は発熱冷却のバランスを大きく損なう原因となり異
常反応を起こしやすい。
【0003】また、重合装置に付着したスケールは、重
合中に剥離して製品中に混入しフィッシュアイ等製品の
品質を低下させる原因となっている。そして一旦付着し
たスケールはその除去に過大な労力と時間とを費やし特
に各種配管やコンデンサー等の付帯機器に付着したスケ
ールの場合には重合装置を分解する必要が生じる。
【0004】スケールを防止する方法としては例えば原
料用配管、コンデンサーまたはこれらの重合器への取り
付け口に他端をフランジで閉止した短管を設け、その中
央部にスケール付着防止剤を塗布するノズルを設定して
重合装置内壁にスケール付着防止剤を塗布する方法が開
示されている(特公平1−47482号公報)。しか
し、上記方法ではスケール付着防止剤が片流れを起こし
たり、塗膜が不均一になったりさらに塗布されない部分
が生ずるなど均一被膜の形成は困難であった。
【0005】又、特開平6−25313号公報には分散
剤の種類及び仕込み比率によってスケールの付着を防止
しようとする方法が記載されている。しかし塩化ビニル
系単量体や重合開始剤との仕込み手順や仕込み時の温度
の影響で必ずしもスケールを防止することにはならない
という問題点があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記のようにスケール
の付着やスケールの発生を防止するためスケール付着防
止装置やスケール防止剤或いは分散剤や重合開始剤の処
方、仕込等の種々の技術でスケールを防止しようと試み
ているが完全な防止方法は今のところ見出されていな
い。これはスケールの発生要因が複雑で多岐にわたって
いるためである。
【0007】本発明は、上記問題点に鑑みてなされたも
のであり、スケールの発生要因として重合開始剤の影響
が大きいことから、種々の重合開始剤を検討した結果あ
る範囲の重合開始剤においてスケールの発生が抑えられ
ることを見出し、さらに高品質で、かつ経済的な塩化ビ
ニル重合体を製造することができる塩化ビニル系樹脂の
製造方法である。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の塩化ビニル系樹
脂の製造方法は、リフラックスコンデンサーを備えた重
合器で塩化ビニル系単量体を水性媒体中で重合開始剤及
び分散剤の存在下で重合反応を行うに際し、重合開始剤
として分子量が280以上のパーオキシジカーボネート
を使用することを特徴とする。
【0009】本発明を更に詳細に説明する。
【0010】本発明ではリフラックスコンデンサー(以
下RCと略す)及びジャケットを備えた重合器が用いら
れる。RCは液層から気化したガスを冷却して凝縮させ
液体状態に戻して重合熱を除去するためのものである。
従って、RCは重合器内の気相部分に連通するように設
けることが必要とされる。RCは冷却器として公知の構
造のものが用いられ、RC内でガスを冷却するためにR
Cには冷媒が通される。
【0011】本発明で使用される塩化ビニル単量体(以
下VCと略す)はVC単独のほか、VCを主成分とする
混合物(通常、VC50重量%以上)であってもよい。
又、本発明の製造方法が効果を発揮する範囲で、VCと
共重合可能な他のビニル単量体が含まれても良い。VC
と共重合可能な他のビニル単量体としては、例えば、酢
酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニルエステル;
(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル
等の(メタ)アクリル酸エステル;エチレン、プロピレ
ン等のオレフィンの他、(メタ)アクリル酸、無水マレ
イン酸、アクリロニトリル、スチレン、塩化ビニリデン
などが挙げられるが、これらに限定されるものではな
い。
【0012】また、上記VCを用いて水性媒体中で懸濁
重合する場合には、一般に分散剤が使用される。分散剤
の種類としては特に制限されず、通常塩化ビニルの懸濁
重合に用いられるものが挙げられ、例えば、部分ケン化
ポリ酢酸ビニル;メチルセルロース、ヒドロキシエチル
セルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキ
シプロピルメチルセルロース等の水溶性セルロース;ポ
リエチレンオキサイド、ポリアクリル酸、ゼラチン等の
水溶性高分子;ソルビタンモノラウレート、ソルビタン
モノステアレ−ト、グリセリントリステアレ−ト、エチ
レンオキサイドプロピレンオキサイドブロックコポリマ
−等の油溶性乳化剤;ポリオキシエチレンソルビタンモ
ノラウレート、ポリオキシエチレングリセリンオレ−
ト、ラウリン酸ナトリウム等の水溶性乳化剤などが挙げ
られ、これらは単独で使用されてもよく、2種以上が併
用されてもよい。上記分散剤は全量が重合の初期から用
いられてもよく、その一部を重合の途中で追加されても
よい。
【0013】重合開始剤としてはVCの懸濁重合に使用
される一般的な開始剤としてパーオキシジカーボネート
及びパーオキシエステル類があり化学構造で分類すると
下式のように一般的に表示される。
【0014】
【化1】
【0015】その中で本発明は分子量が280以上のパ
ーオキシジカーボネートに制限される。分子量が280
以上のパーオキシジカーボネートとしては、例えばジ−
2−メトキシブチルパーオキシジカーボネート(分子量
294)、ジ−2−エチルヘキシルパオキシジカーボネ
ート(分子量346)等があげられ、これらは単独で用
いられてもよく2種以上が併用されてもよい。
【0016】分子量280未満のパーオキシジカーボネ
ートを使用するとスケールが急激に重合器中に発生して
生産上或いは品質上好ましくない。例えばジイソプロピ
ルパーオキシジカーボネート(分子量206)、ジセカ
ンダリーブチルパーオキシジカーボネート(分子量23
4)等が挙げられる。
【0017】また、パーオキシエステル類を併用しても
よい。例えば、α−クミルパーオキシネオデカーネート
を併用すると本発明で使用する分子量280以上のパー
オキシジカーボネートより分解速度が速いため併用する
ことにより反応効率がアップし生産性向上になる。使用
量はパーオキシジカーボネートの使用量に対し同等量以
下が好ましい。
【0018】さらに、従来重合に適宜使用される重合調
整剤、連鎖移動剤、pH調整剤、ゲル化改良剤及び帯電
防止剤等が添加されてもよい。さらに、スケール防止の
ためスケール付着防止剤を仕込み前に重合器に塗布して
もよく、あるいは添加してもよい。
【0019】本発明における水性媒体、VC、分散剤、
重合開始剤、その他の助剤の仕込み方法として、通常の
懸濁重合において用いられる方法が好適に採用され、例
えば、水性媒体、分散剤、重合開始剤、VCを順次重合
器に添加する方法、あるいはこれらを同時に連続的に仕
込む方法、分散剤水溶液と重合開始剤を溶解したVCを
順次あるいは同時に仕込む方法などが挙げられる。水性
媒体とVCの仕込み重量比率は1/1〜1.7/1の範
囲で行われることが好ましい。
【0020】本発明の重合温度としては40〜65℃が
好ましい。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、実施例により本発明を具体
的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものでは
ない。
【0022】(実施例1)内容積600リットルでジャ
ケット及びRCを備えたステンレス製重合器を脱気した
後、脱イオン水286Kg、部分ケン化ポリ酢酸ビニル
(ケン化度72モル%、平均重合度800)126g、
ヒドロキシプロピルメチルセルロース28g、VC21
6Kg、重合開始剤ジー2ーエチルヘキシルパーオキシ
ジカーボネート110gを仕込んだ。重合器内温を56
℃に昇温し56℃に到達後、RCの運転を徐々に開始し
た。その後重合器の圧力が2.0kg/cm2 に低下し
た時点で未反応VCを回収し得られた塩化ビニル重合体
を脱水し乾燥した。重合器内壁に付着したスケールを回
収し計量した。
【0023】(実施例2、3、比較例1、2)重合開始
剤の種類、添加量を表1に記載した条件としたこと以外
は実施例1と同様に実施した。
【0024】上記実施例及び比較例で得られた塩化ビニ
ル重合体につき下記の評価を行い、その結果を表1に示
した。 (1)粗粒化度 JIS Z 8801に準拠し42メッシュの標準篩を
使用して篩い、篩上に残った粒子の重量%で示した。 (2)フィッシュアイ 得られた塩化ビニル重合体100重量部にジオクチルフ
タレート(可塑剤)50重量部、ステアリン酸バリウム
(安定剤)0.5重量部、ステアリン酸亜鉛(安定剤)
0.5重量部、二酸化チタン(充填剤)0.5重量部、
カーボンブラック(充填剤)0.1重量部を混合し、こ
の混合物を6インチロールで140℃×5分間混練した
後、厚さ3mmのシートとし、このシート100cm2
中にある透明粒子を計測してフィッシュアイの個数とし
た。
【0025】(3)スケール付着量 重合終了後、重合器内壁面に付着した重合体スケールを
壁面より回収して壁面1m2当たりの重量を測定してス
ケール付着量とした。
【0026】
【表1】
【0027】
【発明の効果】本発明の塩化ビニル系樹脂の製造方法
は、上述の通りでありRCを付設した重合器を用いて重
合するに際し、特定の重合開始剤を用いることによっ
て、スケールの発生を抑制し高品質の塩化ビニル系樹脂
が得られる製造方法である。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 リフラックスコンデンサーを備えた重合
    器で塩化ビニル系単量体を水性媒体中で重合開始剤及び
    分散剤の存在下で重合反応を行うに際し、重合開始剤と
    して分子量が280以上のパーオキシジカーボネートを
    使用することを特徴とする塩化ビニル系樹脂の製造方
    法。
  2. 【請求項2】 重合開始剤をα−クミルパーオキシネオ
    デカノエートと併用することを特徴とする請求項1記載
    の塩化ビニル系樹脂の製造方法。
JP10294136A 1998-10-15 1998-10-15 塩化ビニル系樹脂の製造方法 Pending JP2000119312A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014080469A (ja) * 2012-10-15 2014-05-08 Taiyo Vinyl Corp 成形加工性に優れる塩化ビニル系重合体の製造方法

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