JP3440646B2 - 塩化ビニル系重合体の製造方法 - Google Patents

塩化ビニル系重合体の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、塩化ビニル系重合
体の製造方法に関する。詳しくは、還流冷却器及び反応
混合物を重合槽外の熱交換器を経て循環させることがで
きる循環配管を設けた重合槽を用いて塩化ビニル系重合
体を製造するに際して、これらの還流冷却器、熱交換器
及び循環配管への重合体スケールの付着やこれによる閉
塞が起きにくく、かつ品質が良好な重合体を、高い生産
性で製造することができる塩化ビニル系重合体の製造方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】塩化ビニル又は塩化ビニルを主体とする
共重合可能な単量体の混合物(以下まとめて、塩化ビニ
ル系単量体という)を水性媒体中で重合させて塩化ビニ
ル系重合体を製造するための重合槽としては、生産性の
向上のために還流冷却器または重合槽の外部に設けられ
た熱交換器(以下「外部熱交換器」と記す)を経て反応
混合物を循環させることが出来る配管を設けた、内容積
40m3 以上のような大型の重合槽が用いられるように
なっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】これらの設備により除
熱能力は大幅に向上するが、還流冷却器での除熱量を増
加させて行くと、反応混合物が発泡して、泡や飛沫に同
伴した重合体粒子が還流冷却器等に付着・堆積して、除
熱能力が低下したり、得られる塩化ビニル系重合体の品
質(特にフィッシュアイ(FE))が悪化する恐れがあ
る。また、外部熱交換器を用いて除熱を行った場合も、
循環配管の内部や外部熱交換器に付着が生成し、配管等
の閉塞による除熱能力の低下や付着物による製品品質の
悪化が懸念される。
【0004】本発明の目的は、還流冷却器及び外部熱交
換器を付設した重合槽を用いる塩化ビニル系重合体の製
造において、還流冷却器や循環配管、外部熱交換器等へ
の付着生成を防止して、高品質の塩化ビニル系重合体を
得ることができる方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明の要旨は、
塩化ビニル系単量体の水性媒体中における重合を、気相
部に還流冷却器を有し、かつ反応混合物を重合槽外の熱
交換器(外部熱交換器)を経て循環させることができる
循環配管を設けた重合槽を用いて行うにあたり、還流冷
却器による反応熱の除去(除熱)を開始した後に、循環
配管中に設置された熱交換器による除熱を開始すること
を特徴とする塩化ビニル系重合体の製造方法、還流冷却
器による除熱を反応転化率が5〜20%の間に開始する
上記の塩化ビニル系重合体の製造方法、循環配管中に設
置された熱交換器による除熱を反応転化率が20〜60
%の間に開始する上記の塩化ビニル系重合体の製造方
法、反応転化率が60〜85%の間の還流冷却器の除熱
負荷を、反応中の還流冷却器の最大除熱負荷の80%以
下とする上記の塩化ビニル系重合体の製造方法、及び、
反応時間が2時間〜5時間である上記の塩化ビニル系重
合体の製造方法、に存する。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明方法について詳細に
説明する。 <還流冷却器>本発明方法において用いられる還流冷却
器の形式、材質は特に限定されるものではなく、ステン
レス鋼を接液部の材質とする多管式熱交換器等、一般に
塩化ビニル系単量体の重合用に使用される還流冷却器を
使用すればよい。伝熱面積は生産品種の要求品質、除熱
負荷の程度、負荷制御の方式に応じて決定すればよい。
負荷制御の方式としては、一般に用いられている方法で
よく、還流冷却器に通水する冷却水量や冷却水の温度で
制御する方法などが用いられる。
【0007】また、この還流冷却器は重合槽の気相部に
設置するが、ここにいう気相部とは重合反応混合物の上
部に形成される気相部分に主に接触する重合槽の部分の
ことであり、通常、還流冷却器は上部鏡板に接続配管を
介するか、もしくは介することなく竪型に設置される。
還流冷却器による除熱の開始時期は特に限定されず、重
合の開始(反応混合物が所定の反応温度に達した時を重
合の開始時とする)以前でも、開始と同時でも、或いは
開始した後でも構わない。特に、重合体粒子の外殻の形
成が完了すると言われている、反応転化率5〜20%の
間に除熱を開始するのが好適である。反応転化率5%未
満で還流冷却器による除熱を始めると、生成重合体中に
不定型の粒子が混ざったり、還流冷却器への付着が多く
なる傾向となる。また、反応転化率が20%を超えてか
ら還流冷却器を使用しはじめても、これを用いることに
よる生産性向上効果が小さくなり、経済的に不利であ
る。
【0008】重合槽のジャケットと還流冷却器とを併用
して除熱を行った場合、重合反応熱の発生が最も大きく
なる時期の除熱状態、即ち還流冷却器の除熱負荷が最大
の状態のままで反応を継続していくと、塩化ビニル系重
合体が多くなる反応末期には反応混合物の固形分濃度が
高くなるためか発泡が起きやすくなり、その結果泡や飛
沫に同伴した塩化ビニル系重合体が還流冷却器や関連配
管等に付着して除熱能力が低下したり、剥離したスケー
ルによって製品のフィッシュアイが悪化したりする恐れ
がある。そこで、反応末期においては、反応熱の減少に
応じて還流冷却器の除熱負荷を低くするのが好ましい。
【0009】還流冷却器の除熱負荷を低くする方法は特
に限定されないが、例えば、重合槽または還流冷却器に
不活性気体を注入する方法や還流冷却器に供給する冷却
水の温度や流量を変更する方法が、最も簡便で制御性の
良い方法である。除熱負荷を低下させはじめる時期は反
応転化率が60%以上、好ましくは60%〜85%が良
く、またその低下は一段階で行っても、逐次的又は連続
的に行ってもよい。
【0010】<循環配管及び外部熱交換器>本発明方法
に用いる外部熱交換器は、前記の還流冷却器と同様塩化
ビニルの重合に通常用いられる多管式熱交換器等を使用
すればよく、特に限定されない。また、この循環配管は
「重合槽からの出口−循環ポンプ−外部熱交換器−重合
槽への返送入口」のように構成するのが一般的であり、
重合槽からの出口は反応混合物の液相となる部分に、ま
た返送入口も通常は液相部分に設けるが、返送入口につ
いては気相部分に設けても構わない。また循環ポンプの
形式も取扱い物質の性質に応じて、保安や安全性さえ確
保されれば特に限定されることはなく、耐圧防爆仕様の
渦巻きポンプ等が使用できる。
【0011】本発明方法においては、外部熱交換器によ
る除熱は還流冷却器による除熱を開始した後に開始す
る。開始時期としては、反応転化率が20%〜60%の
間が特に好ましい。外部熱交換器による除熱を還流冷却
器による除熱よりも先に開始すると、還流冷却器の除熱
能力を十分活用することができなくなって効率が悪く、
またこの外部熱交換器による除熱開始が反応転化率20
%未満の場合は、循環配管や外部熱交換器にスケール付
着が生成しやすく、一方60%を超えた転化率では、通
常、除熱負荷が低下してくる段階であって、外部熱交換
器を使用する意義が少なくなる。
【0012】なお、循環配管等は反応混合物の循環が始
まるまでは、仕切り弁等により重合槽内と区分し、水や
窒素ガスのような反応に悪影響を与えない液体や気体等
を充填しておいて反応混合物の侵入を防止するようにし
ておくことが好ましい。本発明方法においては、これら
のジャケット、還流冷却器及び外部熱交換器の除熱能力
が最も効果的に使用できるようにするため、マイクロプ
ロセッサ等を用いたDDC(ダイレクト・ディジタル・
コントロール)制御等の最適除熱制御を行うことができ
る設備を備えることが、安全性・生産性の向上のためよ
り望ましい。
【0013】<重合処方>本発明にいう塩化ビニル系重
合体とは、塩化ビニル系単量体を水性媒体中で重合して
得られる、塩化ビニルを主な構成単位とする重合体のこ
とをいう。また本発明にいう反応時間とは、反応系が所
定の重合温度に達してから、重合槽の内圧が、反応系の
温度における塩化ビニル系単量体の飽和圧力から所定圧
力低下して、未反応の単量体を回収しはじめる時までの
時間のことをいう。
【0014】単量体 本発明方法において使用される塩化ビニル系単量体と
は、塩化ビニル単量体単独及び塩化ビニル単量体を主体
とする共重合可能な単量体の混合物を含む。塩化ビニル
単量体と共重合可能な他の単量体としては、従来一般的
に用いられているものを使用することができ、特に限定
されない。上記の他の単量体としては、例えば、酢酸ビ
ニル、プロピオン酸ビニル、ステアリン酸ビニル等のビ
ニルエステル類、メチルビニルエーテル、エチルビニル
エーテル、オクチルビニルエーテル、ラウリルビニルエ
ーテル、セチルビニルエーテル等のアルキルビニルエー
テル類、エチレン等のα−オレフィン類、アクリル酸、
メタクリル酸等の一価不飽和酸、これらの一価不飽和酸
のメチルエステル、エチルエステル等のアルキルエステ
ル類、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸等の二価不飽
和酸、これらの二価不飽和酸のメチルエステル、エチル
エステル等のアルキルエステル類、塩化ビニリデン等の
ビニリデン化合物、アクリロニトリル等の不飽和ニトリ
ルなどの一種又は二種以上の混合物が挙げられる。これ
らの他の単量体は、塩化ビニル単量体に対し、通常、3
0重量%以下、好ましくは20重量%以下の割合で使用
されるが、特に制限はない。
【0015】分散剤 本発明方法において使用できる分散剤は、塩化ビニル系
単量体の懸濁重合法で従来一般的に使用されているもの
でよく、特に限定されない。上記分散剤としては、例え
ば部分ケン化ポリ酢酸ビニル(いわゆるポリビニルアル
コール)、ヒドロキシプロピルメチルセルロースなどの
セルロース誘導体、ゼラチンなどの水溶性ポリマー等が
挙げられる。また、分散助剤としてラウリル硫酸ナトリ
ウムなどのアニオン性界面活性剤、ソルビタン脂肪酸エ
ステル類やグリセリン脂肪酸エステル類などの非イオン
性界面活性剤等を使用しても差し支えない。これらの分
散剤あるいは分散助剤は単独で又は2種類以上の組合せ
で用いることができる。また、これらの分散剤の使用量
には特に制限はなく、その種類、撹拌強度、重合温度、
塩化ビニル単量体と共重合させる他の単量体の種類と組
成、目的とする塩化ビニル系重合体の粒径等によって多
少異なるが、一般には塩化ビニル系単量体の総量に対し
て通常0.001〜2重量%、好ましくは0.03〜1
重量%の範囲内で用いられる。
【0016】重合開始剤 本発明方法において使用される重合開始剤は、塩化ビニ
ル系単量体の重合法で一般的に使用されるものでよく、
特に限定されない。懸濁重合法で使用される重合開始剤
としては、例えばt−ブチルペルオキシピバレート、t
−ブチルペルオキシネオデカノエート、t−ヘキシルペ
ルオキシピバレート、t−ヘキシルペルオキシネオデカ
ノエート、α−クミルペルオキシネオデカノエートなど
のペルエステル化合物、ジラウロイルペルオキシドなど
のジアシル又はジアルキルペルオキシド化合物、ジイソ
プロピルペルオキシジカーボネート、ジ−2−エチルヘ
キシルペルオキシジカーボネートなどのペルカーボネー
ト化合物、アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリ
ル)、アゾビスイソブチロニトリルなどのアゾ化合物等
が挙げられる。これらの重合開始剤は、単独で又は2種
類以上の組合せで使用することができる。重合開始剤の
使用量は、開始剤の種類や重合温度、所望の反応時間等
によっても異なるが、一般に塩化ビニル系単量体の総量
に対し0.01〜1重量%の範囲である。
【0017】その他の助剤 更に、本発明方法においては、必要に応じて、塩化ビニ
ル系単量体の重合に使用される重合度調整剤(連鎖移動
剤、架橋剤)、酸化防止剤、pH調整剤、レドックス系
開始剤の活性化剤等の各種重合助剤を適宜添加すること
ができ、これらの各成分の仕込量等は、従来塩化ビニル
系単量体の重合で実施されている一般的な条件で差し支
えない。
【0018】なお、塩化ビニル系単量体の重合に用いら
れる重合度調整剤としては、トリクロルエチレン、四塩
化炭素、2−メルカプトエタノール、オクチルメルカプ
タン等の連鎖移動剤、フタル酸ジアリル、イソシアヌル
酸トリアリル、エチレングリコールジアクリレート、ト
リメチロールプロパントリメタクリレート等の架橋剤が
例示される。
【0019】<重合方法>本発明方法を実施するに際し
て、重合槽への水性媒体、塩化ビニル系単量体、重合開
始剤、分散剤、その他各種重合助剤の仕込割合及び仕込
方法は、特に限定されない。
【0020】重合温度 本発明方法において採用される重合温度は、用いる重合
開始剤の種類、重合方法、重合度調整剤の使用の有無、
目標とする重合度等によっても異なるが、一般に、0〜
90℃、特に40〜70℃の範囲を用いることが多い。
また、反応に際しては、一定温度で重合を行わせても、
或いは、重合の途中で重合温度を変化させてもよい。
【0021】反応時間 本発明方法を実施するに際し、反応時間は特に限定され
ない。しかし、3種類の冷却設備を効率的に使用するこ
とができる本発明方法を用いることにより、従来困難と
されていた2時間半から5時間、特に2時間半から4時
間半のような短時間の反応が安定にできるようになった
ので、本発明方法はこのような短い反応時間の重合に適
用するのが特に好ましい。
【0022】重合停止方法 本発明方法において、重合反応を停止させる方法として
は、いわゆる重合禁止剤や重合停止剤を添加したり、重
合槽から未反応単量体を回収する方法等が例示される。
【0023】<後処理方法>生成塩化ビニル系重合体か
ら残留塩化ビニルを除去する方法としては、一般に知ら
れている加熱下に減圧して残留塩化ビニルを気化させて
除く方法等が特に限定されることなく使用できる。ま
た、塩化ビニル系重合体のスラリーの脱水・乾燥等の操
作としては、一般に行われている遠心脱水・流動乾燥等
の脱水・乾燥手段でよく、特に限定はされない。
【0024】
【実施例】次に、本発明方法の具体的態様を実施例を用
いて説明するが、本発明はその要旨を越えない限り、以
下の実施例によって限定されるものではない。なお、ス
ケール付着状態の観察・評価及び生成重合体のフィッシ
ュアイの評価は下記の方法により行った。
【0025】付着状態の観察 重合反応終了後、還流冷却器内部、循環配管の入口・出
口及び外部熱交換器内部のスケール付着状態を黙視で観
察し、次の基準で評価した。 ○・・・・付着全くなし △・・・・薄膜状の付着が見られるが部分的 ×・・・・付着が著しく、配管や熱交換器のチューブの
一部又は全部に狭窄や閉塞が見られる
【0026】フィッシュアイ(FE)の評価 塩化ビニル重合体100g、可塑剤(DOP)50g及
び鉛系熱安定剤3gをビーカーに秤取し、混合した上
で、表面温度155℃のロールを用いて、3、4、5、
7分間それぞれ混練りし、厚さ0.4mmのロールシー
トを作成した。このシートの25cm2 中に見られる未
溶融粒子(フィッシュアイ)の数を数えて、それぞれの
混練時間におけるFE個数とした。
【0027】実施例1 内容積400リットルで、撹拌機を備え、除熱設備とし
て重合槽ジャケット、上鏡部に竪置きに設置された伝熱
面積1m2 の多管式還流冷却器、及び外部熱交換器(多
管式、伝熱面積1m2 )を含む循環配管を備えた重合槽
に、塩化ビニル単量体100kg、脱イオン水150k
g及び分散剤として部分ケン化ポリ酢酸ビニル60gを
仕込み、系内を脱気した。次いで重合開始剤としてジセ
カンダリーブチルペルオキシジカーボネートを所定量
(目標反応時間に応じて決定する。例えば本例では、目
標反応時間が4.5時間、仕込量は60g)仕込んだ
後、57℃まで加温し重合を開始した。表に示す反応転
化率で還流冷却器及び外部熱交換器による除熱を開始し
た。
【0028】所定の重合率に達するまでこの温度を保持
して重合を実施した後、未反応の塩化ビニル単量体を回
収し、生成スラリーを抜き出した。得られたスラリーは
脱水・乾燥して塩化ビニル系重合体としてフィッシュア
イの評価を行った。また、重合槽は換気した上で開放
し、還流冷却器下部及び循環配管の出入口のスケール付
着状況を観察し、また循環配管を分解して外部熱交換器
のチューブの閉塞状況を観察した。
【0029】実施例2 重合開始剤量を増して目標反応時間を3時間とし、また
表に示す条件で除熱を行ったこと以外は実施例1と同様
にして塩化ビニルの重合を実施し、重合槽及び付帯機器
の付着・閉塞状況の観察を行った。結果は表に示す。な
お、還流冷却器のチューブの一部に発泡によると思われ
る少量のスケール付着が見られた。
【0030】実施例3 表に示す条件、即ち反応転化率70%において還流冷却
器の頂部から窒素ガスを注入してその伝熱面積の一部を
冷却に用いられないようにすることにより還流冷却器の
除熱負荷を6000kcal/hから4500kcal
/hとしたこと以外は実施例2と同様の条件で塩化ビニ
ルの重合を実施し重合槽及び付帯機器の付着・閉塞状況
の観察を行った。結果は表に示す。
【0031】比較例1 還流冷却器及び外部熱交換器(及びこれに接続する循環
配管)を使用せず、目標反応時間を9時間として重合開
始剤量の調節を行ったこと以外は実施例1と同様にして
塩化ビニルの重合を行った。結果は表に示す。
【0032】比較例2、3 比較例2においてはジャケットと還流冷却器だけを、ま
た比較例3においてはジャケットと外部熱交換器だけ
を、それぞれ用いて反応熱の除去を行ったこと以外は実
施例1と同様にして反応を実施した。表に示す反応転化
率で還流冷却器または外部熱交換器による除熱を開始し
て、それぞれ反応を完了した。実施例1と同様に、生成
塩化ビニル系重合体のフィッシュアイの評価及びスケー
ル付着状況の観察を行った。比較例2においては還流冷
却器のチューブの一部に発泡によると思われるスケール
の付着が、また比較例3においては循環配管及び外部熱
交換器内部に著しいスケール付着が観察された。また、
この時の製品重合体のフィッシュアイも劣っていた。
【0033】比較例4、8 目標反応時間を比較例4では4.5時間、比較例8では
重合開始剤量を調節して3時間としたこと以外は実施例
1と同様にして塩化ビニルの重合を開始した。還流冷却
器による除熱を比較例4では30%、比較例8では25
%の反応転化率で開始するように計画していたが、この
反応転化率に達する前にジャケットの除熱能力が不足し
て反応温度が上昇し始めたので、重合禁止剤を投入して
反応を停止させた。
【0034】比較例5〜7 目標反応時間を重合開始剤量を調節して比較例7で3時
間としたこと以外は実施例1と同様にして塩化ビニルの
重合を開始した。還流冷却器及び外部熱交換器による除
熱の開始時期はそれぞれ表に示すような条件とした。実
施例1と同様に、生成塩化ビニル系重合体のフィッシュ
アイの評価及び重合槽や付帯機器の付着・閉塞状況の観
察を行った。結果は表に併せて示す。比較例5〜7の全
てにおいて循環配管及び外部熱交換器内部に著しいスケ
ール付着が観察され、また製品重合体のフィッシュアイ
も劣っていた。また比較例7においては更に還流冷却器
のチューブの一部に発泡によると思われる少量のスケー
ル付着が見られた。
【0035】
【表1】
【0036】
【発明の効果】上記のように還流冷却器と外部熱交換器
とを併用する場合に、それらによる除熱を特定の順序、
及び好ましくは特定の反応転化率で開始することによ
り、使用する還流冷却器や循環ポンプ、外部熱交換器等
の種類や構造によらず、これらの機器や配管へのスケー
ルの付着や配管等の閉塞がほとんどなくなり、高い品質
の塩化ビニル系重合体を優れた生産性で製造することが
可能である。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−306107(JP,A) 特開 平9−48803(JP,A) 特開 平7−233201(JP,A) 特開 平7−82304(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08F 2/00 - 2/60

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 塩化ビニルまたは塩化ビニルを主体とす
    る共重合可能な単量体の混合物の水性媒体中における重
    合を、気相部に還流冷却器を有し、かつ反応混合物を重
    合槽外の熱交換器を経て循環させることができる循環配
    管を設けた重合槽を用いて行うにあたり、還流冷却器に
    よる反応熱の除去(以下「除熱」と記す)を開始した後
    に、循環配管中に設置された熱交換器による除熱を開始
    することを特徴とする塩化ビニル系重合体の製造方法。
  2. 【請求項2】 還流冷却器による除熱を反応転化率が5
    〜20%の間に開始する請求項1に記載の塩化ビニル系
    重合体の製造方法。
  3. 【請求項3】 循環配管中に設置された熱交換器による
    除熱を反応転化率が20〜60%の間に開始する請求項
    1または請求項2に記載の塩化ビニル系重合体の製造方
    法。
  4. 【請求項4】 反応転化率が60〜85%の間の還流冷
    却器の除熱負荷を、反応中の還流冷却器の最大除熱負荷
    の80%以下とする請求項1〜3のいずれか1項に記載
    の塩化ビニル系重合体の製造方法。
  5. 【請求項5】 反応時間が2時間〜5時間である請求項
    1〜4のいずれか1項に記載の塩化ビニル系重合体の製
    造方法。
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