JP3358354B2 - 塩化ビニル系重合体の製造方法 - Google Patents
塩化ビニル系重合体の製造方法Info
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Description
製造方法に関し、特に高品質の塩化ビニル系重合体を、
高生産性で製造することができる塩化ビニル系重合体の
製造方法に関する。
体とする共重合可能な単量体の混合物(以下まとめて
「塩化ビニル系単量体」という)の重合反応に用いられ
る槽容器は、容器本体1′を円筒形胴部の両端に皿形鏡
板を溶接した耐圧密閉容器で形成すると共に、発熱の除
去、或いは、内容物の加熱のためのジャケット20を、
この容器本体1′の外部に付設した外部ジャケット方式
の槽容器(図4)が用いられる。
を保持するため、一般に容器の板厚が厚くなり、容器本
体の壁を通しての伝熱係数が低く、発熱反応である塩化
ビニル系単量体の重合においては、高い生産性を得るこ
とが困難であった。また、槽容器を大型化する場合、強
度面の必要から容器本体の壁の板厚を厚くする必要があ
り、更に伝熱係数の低下を招くという不都合があった。
く、図5に示すように容器本体1′の内面と直角に仕切
板21を間隔をおいて並設し、仕切板21の先端間に内
ストリップ22を跨設することによって、該内ストリッ
プ22と前記容器本体1′の内面との間に仕切板21に
より仕切られた螺旋状の熱媒流路23を形成した内部ジ
ャケット方式(特開昭57−147502号)の槽容器
が提案されている。該方式の槽容器においては、容器本
体1’の内径に比べて仕切板21の間隔を小さくするこ
とにより耐圧強度を高め、内ストリップ22の肉厚を薄
くし、伝熱係数を高くすることができる。
器は、熱伝導性に優れる反面、塩化ビニル系単量体の重
合反応時に内容物が接する槽容器内面に、多数存在する
内ストリップ22間の溶接部が表面に露出していること
による不都合な点がある。即ち、溶接部は、その施工上
表面粗度が粗く、溶接欠陥部分が存在するが、塩化ビニ
ル系単量体の重合反応では、反応混合物の接する部分
(以下、接液部という)の表面粗度が粗いと、重合体ス
ケールが付着しやすく、生成したスケールが剥離し製品
中に混入すると、品質の悪化(特に、フィルム等に加工
したときに、フィルム中に未溶融物が残る、いわゆるフ
ィッシュアイ(FE))を引き起こす。また、品質悪化
を招く重合体スケールの付着を防ごうとする場合、多数
存在する溶接線を極度に平滑にしたり、特別な付着防止
・除去技術を導入する必要があるなど、設備の製作・維
持のコストが大きくなる不都合がある。
は、反応の進行に伴い発生する塩化水素による腐食性の
ため、通常、槽容器内面の材質としてステンレス材を用
いるが、ステンレス材の溶接部は溶接による残留応力が
集中しており、容器内面に溶接線が隣接して多数存在す
る内部ジャケット方式の槽容器を用いて、塩化ビニル系
単量体の重合反応を行う場合、反応の進行に伴い発生す
る塩化水素(塩素イオン)による応力腐食割れの懸念が
ある。そのため、この溶接線の劣化程度の検査を、入念
に、かつ継続的に行う必要があり、メンテナンスが煩雑
で、検査費用が嵩むという不都合もある。
生かしつつ不都合点を解決すべく、本発明者らは、先
に、かかる問題のない水性媒体中における塩化ビニル系
重合体の製造方法として、内筒の外面に直角に仕切板を
間隔をおいて並設し、該仕切板の先端間に外ストリップ
を跨設することによって、前記内筒と外ストリップとの
間に仕切板により仕切られた熱媒の流路を有する流路壁
(以下「温調エレメント」という)を形成し、この温調
エレメントを容器本体内に外ストリップ側を容器本体の
内面に対向させて間隔をおいて固定するとともに前記温
調エレメントの外ストリップ側と容器本体の内面との間
の間隙の上下部を封止して間隙室を形成した構造の槽容
器(以下「温調エレメント方式の槽容器」という)中
で、該間隙室の内圧と容器本体の内面と温調エレメント
の内筒とで囲まれた空間(以下「本体室」という)の内
圧との差を連通管やバランスピストン等の均圧器により
小さく保ちつつ重合反応を行う方法を提案した。
室と間隙室とを連通管もしくは均圧器を介した配管で連
結した構造の温調エレメント方式の槽容器中で塩化ビニ
ル系単量体の重合反応を行うに当たり、該配管のスケー
ルによる閉塞を防止し、併せて高品質の塩化ビニル系重
合体を製造し、かつ安全・安定運転が可能となるような
方法を提供することにある。
塩化ビニル系単量体水性媒体中における重合を、内筒の
外面に直角に仕切板を間隔をおいて並設し、該仕切板の
先端間に外ストリップを跨設することによって、前記内
筒と外ストリップとの間に仕切板により仕切られた熱媒
の流路を有する流路壁(温調エレメント)を形成し、こ
の温調エレメントを容器本体内に外ストリップ側を容器
本体の内面に対向させて間隔をおいて固定するととも
に、前記温調エレメントの外ストリップ側と容器本体の
内面との間の間隙の上下部を封止して間隙室を形成した
構造を有しており、かつこの容器本体の内面と温調エレ
メントの内筒とで囲まれた空間(本体室)と間隙室と
を、連通管または均圧器を介した配管(以下まとめて
「均圧配管」という)で連結した槽容器中で行うに際
し、上記均圧配管の本体室側開口部(以下「槽側接続
口」という)が槽容器の頂部鏡板に接続する配管に設け
られた槽容器を用いることを特徴とする塩化ビニル系重
合体の製造方法、に存する。以下、本発明を詳細に説明
する。
次のような構造のものである。即ち、図1〜図3に示す
ように、内筒6の外面に直角に仕切板7を間隔をおいて
並設し、仕切板7の先端間に外ストリップ8を跨設する
ことにより、前記内筒6と外ストリップ8との間に仕切
板7により仕切られた熱媒の流路9を有する温調エレメ
ント5を形成する。この温調エレメント5の外径を槽容
器の内径より小さく製作し、この温調エレメントの外ス
トリップ8側を容器本体1の内面に対向させて間隔を置
いて固定する。
線と容器の中心線とがほぼ一致するように行うのが良
く、このとき容器本体の内面と温調エレメントの外面
(即ち外ストリップ8側)との間に、両者の半径の差に
相当する間隙Hができ、これが円周方向にほぼ均一とな
る。温調エレメントの下端部は図1に示すように槽容器
ノズル12の周囲の底部鏡板3に連続溶接等により直接
封止してもよいし、また隔壁を介して封止してもよい。
常、容器の円筒形胴部2または頂部鏡板4に隔壁13を
取り付け封止する。このようにして容器本体1の内部に
固定された温調エレメント5の外面と容器本体1の内面
との間には間隙室が形成された構造となる。これによっ
て、反応混合物の上記間隙への侵入と、これに伴うスケ
ール付着の生成とが防止できる。
ための隔壁等には、温調エレメントの熱による膨張・収
縮を吸収できるような伸縮吸収部を設けておくのが良
く、また塩化ビニル系単量体の重合の際に通常用いられ
る温度や圧力に耐え得るような強度を持たせておく必要
がある。また、温調エレメント及びこれと容器本体との
間隙の上下部を封止するための溶接や隔壁が反応圧等に
より破壊されるのを防ぐため、容器本体の内面(通常、
頂部鏡板及び底部鏡板の部分)と温調エレメントの内筒
とで囲まれた空間(本体室)の内圧と間隙室の内圧との
差を小さくするのが保安上好ましく、このときは上記し
たほどの隔壁の耐圧強度は必要がなくなる。
を、例えば図1に示すような連通管または均圧器を介し
た配管(均圧配管)で連結する。本発明方法に用いるこ
とができる均圧器は、例えばバランスピストンを用いる
ものとしては、空気シリンダー方式のもの、メカニカル
シールの封液加圧用のシリンダー方式のもの例えば日本
ピラー工業株式会社の均圧器があり、また隔膜を用いる
ものとしてはダイヤフラム方式のものやベローズ方式の
もの等が挙げられる。これらの均圧器は摺動式ピストン
あるいはダイヤフラムやベローズのような耐圧膜により
均圧器の両側の差圧を例えば3Kg/cm2以下のような、所
定の圧力以下とすることができるような構造となってい
る。
が、塩化ビニル系単量体の重合反応中の圧力変化に耐え
うる強度と耐蝕性がある材質のものを用いればよい。ま
た、均圧器の間隙室側部分、間隙室、及びその両者を結
ぶ配管部分に液体を封入しておくと、均圧器の可動部分
の変位量を小さくすることができ、従って均圧器も小規
模なもので十分となるので好ましい。
へ供給される液体と同じ種類であるのが好ましいが特に
限定されることはないが、万一の漏洩等による本体室内
側の内容物との混合を考えた場合、水または塩化ビニル
系単量体、あるいはこれらにラジカル捕捉剤等の重合禁
止剤を添加したものを用いるのが好適である。本発明方
法で使用される温調エレメント方式の槽容器は上記の理
由から、本体室の内圧と間隙室の内圧との差を小さくす
るため均圧配管を介して両者を連結することが、生産を
安定に継続する上で重要であるが、塩化ビニル系単量体
の重合反応の場合、均圧配管内へ塩化ビニル系単量体を
含む反応混合物が侵入し、そこで重合したり、あるいは
発泡等により飛散した重合体や上記反応混合物が、均圧
配管の内壁に付着して、徐々にスケールが成長し、やが
ては均圧配管を閉塞状態に至らせてしまい、両者の差圧
を所定の圧力範囲に維持できなくなる可能性がある。
に使用される槽容器の頂部鏡板に接続する各種配管に、
均圧配管の槽側の開口部(槽側接続口)を設けることに
より、該均圧配管のスケール付着・生成による閉塞を防
止するものである。槽側接続口が設けられる配管として
は、例えば、塩化ビニル系単量体や水媒体あるいは重合
に使用される助剤の仕込み用配管、未反応単量体の回収
用配管、槽容器内を減圧するのに用いる配管等が挙げら
れ、配管径が大きなもので、より槽容器の頂部に近い位
置にある配管が好ましい。
(ヘッダー配管)に接続するのも、均圧配管の閉塞の危
険性を分散させる上でより好適である。配管の接続方向
としては、図1に示すように槽側の均圧配管を下向きに
接続するのが、均圧配管内への反応混合物や重合体の侵
入を防ぐ上で好ましい。更に、槽側接続口が設けられる
配管を通じて、槽容器内へ液体を供給することも、反応
混合物や重合体を洗い流すことができて、均圧配管内の
スケールの付着・生成を防止する上でより好適である。
び図3に示すように槽側接続口を設ける配管のフランジ
17、あるいはバルブ18等が挙げられるが、均圧配管
を接続する配管の頂部鏡板4との接続部付近の配管内面
が供給液体で洗われるような位置であればよい。また均
圧配管が連通管の場合は、図1に例示するように、間隙
室に液体入口16を設けて、均圧配管を通じて液体の供
給を行う等しても差し支えはない。
反応の媒体として使用される水が好ましく、例えば、イ
オン交換水(脱イオン水)、蒸留水、通常の重合反応で
用いられる助剤を溶解した水等が挙げられるが、得られ
る塩化ビニル系重合体の品質等に悪影響がないものであ
れば、特に限定されるものではない。液体の供給は、少
なくとも重合反応期間中に連続的、或いは間欠的に行う
ことが好ましく、またその供給量は、重合反応や品質に
悪影響がなく、また過充填等の弊害がない限り、特に限
定されるものではないが、他の部位から本体室へ供給さ
れる液体の量も含め、供給液体の総量が、塩化ビニル系
単量体が重合することによる体積減少分を超えないよう
にするのが好ましい。
が、加圧系への圧入が可能であれば、その形式等は特に
限定されるものではなく、渦巻きポンプ等のポンプが使
用できる。また、プランジャポンプは加圧系への圧入も
可能で、かつ定量性も備えていて好適である。温調エレ
メント5内での熱媒の流路は、図1に示すように、螺旋
状としてもよいし、図3に示すように、底部鏡板部は螺
旋状、容器本体胴部は周方向の蛇行状としてもよく、特
に限定されない。流路に流す熱媒としては、加熱用には
蒸気、温水等が用いられ、冷却用には、工業用水等の常
温水、別途冷凍機で冷却された水、エチレングリコール
等の冷媒、フロン等の低温沸点冷媒等が使用できるが、
いずれも特に限定されない。
板7の間隔とに依存するが、容器本体1の胴長に比べて
仕切板7の間隔は小さいので、内筒6の板厚を薄くし
て、高い伝熱係数を得ることができる。内筒6の材質
は、前述したように、塩化ビニル系単量体の反応混合物
と接する部分の耐食性を考慮して、ステンレス材(ステ
ンレス無垢材、ステンレス・炭素鋼クラッド材など、特
にSUS316Lが好ましい)やガラスライニング材等
が用いられるが、塩素イオンによる応力腐食割れに耐性
のある材質であれば、特に限定されるものではない。
は平滑であるのが好ましく、該表面を平滑にする方法と
しては、通常、工業的に実施されるバフ仕上げ、電解研
磨等の方法を特に限定することなく用いることができ
る。また、その表面粗度としては、Rmaxで通常10
μm以下、好ましくは3μm以下、より好ましくは1μ
m以下がよい。Rmaxの測定は、JIS B 060
1にて規定された方法を用いればよい。
内容面に溶接部が占める割合は、内部ジャケット方式の
槽容器より著しく少ないので、重合体スケールの付着生
成が少なく、得られる製品の品質も良好であり、また、
応力腐食割れの懸念も少ないので、保守・点検(いわゆ
るメンテナンス)の程度も通常の外部ジャケット方式の
槽容器並のものでよい。槽容器付帯設備 本発明方法において用いられる槽容器(以下「重合槽」
ということもある)の付帯機器である撹拌翼やバッフル
などの形状は、特に限定されるものではなく、従来の懸
濁重合法、乳化重合法又は微細懸濁重合法で、一般的に
使用されている設備・機器を使用することができる。
合体とは、塩化ビニル系単量体を水性媒体中で重合して
得られる、塩化ビニルを主な構成単位とする重合体のこ
とをいう。また本発明にいう重合反応期間とは、反応系
が所定の重合温度に達してから、重合槽の内圧が、反応
系の温度における塩化ビニル系単量体の飽和圧力から所
定圧力低下して、未反応の単量体を回収しはじめる時ま
でのことをいう。
方法には、一般に懸濁重合法と乳化重合法ならびに微細
懸濁重合法とがある。塩化ビニル系単量体の懸濁重合
は、通常、塩化ビニル系単量体を分散剤を含有する水性
媒体中で、油溶性重合開始剤の存在下に重合させること
によって実施される。
ニル系単量体を水性媒体中で、乳化剤及び水溶性重合開
始剤の存在下に、また、微細懸濁重合は、塩化ビニル系
単量体を水性媒体中で、乳化剤及び油溶性重合開始剤の
存在下に、均質化処理の上、重合させることによって実
施される。
は、塩化ビニル単量体単独及び塩化ビニル単量体を主体
とする共重合可能な単量体の混合物を含む。塩化ビニル
単量体と共重合可能な他の単量体としては、従来一般的
に用いられているものを使用することができ、特に限定
されない。上記の他の単量体としては、例えば、酢酸ビ
ニル、プロピオン酸ビニル、ステアリン酸ビニル等のビ
ニルエステル類、メチルビニルエーテル、エチルビニル
エーテル、オクチルビニルエーテル、ラウリルビニルエ
ーテル、セチルビニルエーテル等のアルキルビニルエー
テル類、エチレン等のα−オレフィン類、アクリル酸、
メタクリル酸等の一価不飽和酸、これらの一価不飽和酸
のメチルエステル、エチルエステル等のアルキルエステ
ル類、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸等の二価不飽
和酸、これらの二価不飽和酸のメチルエステル、エチル
エステル等のアルキルエステル類、塩化ビニリデン等の
ビニリデン化合物、アクリロニトリル等の不飽和ニトリ
ルなどの一種又は二種以上の混合物が挙げられる。これ
らの他の単量体は、塩化ビニル単量体に対し、通常、3
0重量%以下、好ましくは20重量%以下の割合で使用
されるが、特に制限はない。
単量体の懸濁重合法で従来一般的に使用されているもの
でよく、特に限定されない。上記分散剤としては、例え
ば部分ケン化ポリ酢酸ビニル(いわゆるポリビニルアル
コール)、ヒドロキシプロピルメチルセルロースなどの
セルロース誘導体、ゼラチンなどの水溶性ポリマー等が
挙げられる。また、分散助剤としてラウリル硫酸ナトリ
ウムなどのアニオン性界面活性剤、ソルビタン脂肪酸エ
ステル類やグリセリン脂肪酸エステル類などの非イオン
性界面活性剤等を使用しても差し支えない。これらの分
散剤あるいは分散助剤は単独で又は2種類以上の組合せ
で用いることができる。また、これらの分散剤の使用量
には特に制限はなく、その種類、撹拌強度、重合温度、
塩化ビニル単量体と共重合させる他の単量体の種類と組
成、生成する塩化ビニル系重合体の粒径等によって多少
異なるが、一般には塩化ビニル系単量体の総量に対して
0.001〜2重量%、好ましくは0.03〜1重量%
の範囲内で用いられる。
ては、例えば、高級アルコール硫酸エステル塩(アルカ
リ金属塩、アンモニウム塩)、アルキルベンゼンスルホ
ン酸塩(アルカリ金属塩、アンモニウム塩)、高級脂肪
酸塩(アルカリ金属塩、アンモニウム塩)その他のアニ
オン界面活性剤、ノニオン界面活性剤、及び/またはカ
チオン界面活性剤が挙げられる。これらの界面活性剤
は、1種類を用いてもよいし、2種類以上の併用も可能
である。乳化剤の使用量は、塩化ビニル系単量体に対
し、通常0.1〜3重量%(好ましくは0.3〜1重量
%)の範囲であるが、特に限定されない。また、これら
の乳化剤を、加工時の発泡性等の調整用に追加して用い
てもよく、この時は重合用乳化剤とは別に、重合反応終
了後に添加してもよい。
ル系単量体の各重合法で、従来一般的に使用されるのも
でよく、特に限定されない。懸濁重合法で使用される重
合開始剤としては、例えばt−ブチルペルオキシピバレ
ート、t−ブチルペルオキシネオデカノエート、t−ヘ
キシルペルオキシピバレート、t−ヘキシルペルオキシ
ネオデカノエート、α−クミルペルオキシネオデカノエ
ートなどのペルエステル化合物、ジラウロイルペルオキ
シドなどのジアシル又はジアルキルペルオキシド化合
物、ジイソプロピルペルオキシジカーボネート、ジ−2
−エチルヘキシルペルオキシジカーボネートなどのペル
カーボネート化合物、アゾビス(2,4−ジメチルバレ
ロニトリル)、アゾビスイソブチロニトリルなどのアゾ
化合物等が挙げられる。これらの重合開始剤は、単独で
又は2種類以上の組合せで使用することができる。重合
開始剤の使用量は、開始剤の種類や重合温度、所望の反
応時間等によっても異なるが、一般に塩化ビニル系単量
体の総量に対し0.01〜1重量%の範囲である。
は、過硫酸塩(ナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウ
ム塩)、過酸化水素等の水溶性過酸化物、または、これ
らの水溶性過酸化物と水溶性還元剤(例えば、亜硫酸ナ
トリウム、ピロ亜硫酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウ
ム、アスコルビン酸、ナトリウムホルムアルデヒドスル
ホキシレート等)との組合せからなる水溶性レドックス
系開始剤が例示される。
しては、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビス(2,
4−ジメチルバレロニトリル)、ラウロイルペルオキシ
ド、t−ブチルペルオキシピバレート等の単量体可溶性
(油溶性)開始剤、または、これらの油溶性開始剤と前
記の水溶性還元剤との組合せからなるレドックス系開始
剤が例示される。
ル系単量体の重合に使用される重合度調整剤(連鎖移動
剤、架橋剤)、酸化防止剤、pH調整剤、レドックス系
開始剤の活性化剤等の各種重合助剤を適宜添加すること
ができ、これらの各成分の仕込量等は、従来塩化ビニル
系単量体の重合で実施されている一般的な条件で差し支
えない。なお、塩化ビニル系単量体の重合に用いられる
重合度調整剤としては、トリクロルエチレン、四塩化炭
素、2−メルカプトエタノール、オクチルメルカプタン
等の連鎖移動剤、フタル酸ジアリル、イソシアヌル酸ト
リアリル、エチレングリコールジアクリレート、トリメ
チロールプロパントリメタクリレート等の架橋剤が例示
される。
水性媒体、塩化ビニル系単量体、重合開始剤、懸濁重合
法の分散剤、乳化重合法及び微細懸濁重合法の乳化剤、
その他各種重合助剤の仕込割合及び仕込方法は、特に限
定されない。重合温度 本発明方法において採用される重合温度は、用いる重合
開始剤の種類、重合方法、重合度調整剤の使用の有無、
目標とする重合度等によっても異なるが、一般に、0〜
90℃、特に40〜70℃の範囲を用いることが多い。
また、反応に際しては、一定温度で重合を行わせても、
或いは、重合の途中で重合温度を変化させてもよい。
は、いわゆる重合禁止剤や重合停止剤を添加したり、重
合槽から未反応単量体を回収する方法等が例示される。 <後処理方法>懸濁重合法で生成した塩化ビニル系重合
体のスラリーの脱水・乾燥等の操作としては、一般に行
われている遠心脱水・流動乾燥等の脱水・乾燥手段でよ
く、特に限定はされない。乳化重合法及び微細懸濁重合
法で生成した塩化ビニル系重合体のラテックスの乾燥等
の操作は、従来から行われている回転円盤や、二流体ノ
ズル等の噴霧ノズルなどを用いる噴霧乾燥等の手段でよ
く、特に限定はされない。また、乾燥処理前にラテック
ス中の水分の一部を予め取り除き、ラテックス中の塩化
ビニル系重合体の濃度を上げる濃縮操作をしてもよい
し、乾燥後の製品を、分級・粉砕する操作を行ってもよ
い。
いて説明するが、本発明は、その要旨を越えない限り、
以下の実施例によって限定されるものではない。なお、
得られた塩化ビニル系重合体の物性評価は下記の物性測
定方法により行った。物性測定方法 平均重合度及び嵩比重 JIS K 6721に示される方法に準じて求めた。 フィッシュ・アイ(以下、「FE」と略称する) 塩化ビニル系重合体100重量部、可塑剤(DOP)5
0重量部、鉛系粉末安定剤3重量部を、塩化ビニル系重
合体100gをベースとして採取し、ビーカーで予備混
合した後、155℃のロールでそれぞれ4分間、5分
間、7分間混練し、厚さ0.4mmのロールシートを作
成した。得られたロール・シートの一辺5cmの正方形
(面積25cm2 )中に認められるFEの数をそれぞれ
計数して、FE個数とした。
拌器を備え、槽容器内壁(即ち、温調エレメントの内筒
の表面)を電解研磨処理によりRmax1.2μm程度
とし、間隙室と本体室とに区分されたステンレス製温調
エレメント方式の槽容器に、図3に示すようなバランス
ピストンを介した配管を設置し、該配管の槽側の接続口
を塩化ビニル単量体の仕込み用配管に設け、仕込み用配
管のバルブから液体を供給できるような構造とした。ま
た間隙室及びここから均圧器に至る部分には水を充填し
た。
g、脱イオン水150kg、分散剤として部分ケン化ポ
リ酢酸ビニル60g、及び開始剤としてジオクチルペル
オキシジカーボネートを40g仕込んだ後、温調エレメ
ントに温水を循環し、57℃まで加温し重合を開始し
た。重合反応が開始し(重合槽の内温が所定の反応温度
に到達した時を重合反応開始とする)てから未反応の塩
化ビニル単量体の回収を終えるまでの間、上記単量体の
仕込み用配管から槽容器本体内へ、プランジャポンプに
より2.5リットル/hrの流量で総量17.5リット
ルの脱イオン水を供給した。
度を保持して重合を実施した。その後、未反応の塩化ビ
ニル単量体を回収し、生成スラリーを抜き出し、換気し
た上、槽容器を開放して槽容器内壁等へのスケール付着
状況を観察した。スケール付着状況の観察後、槽容器内
壁を低圧のイオン交換水で洗浄した上で、同条件で次バ
ッチのテストを繰り返した。スケール付着状況の観察結
果を表−1に示す。各バッチで得られた塩化ビニル系重
合体について、前記の方法で物性評価を行った。結果を
表−2に示す。
ト方式とした以外は全て実施例1と同じ条件で塩化ビニ
ル単量体の重合反応を行い、同様の評価を実施した。結
果を表−1、表−2に併せて示す。
該エレメントと容器本体との間隙の上下部を封止して間
隙室を形成し、間隙室と槽容器本体内とを均圧配管で連
結し、かつ該均圧配管の槽容器本体側の開口部を槽容器
の頂部鏡板に存在する配管に設けた槽容器を用いて塩化
ビニル系単量体の重合を行い、かつ重合反応期間中に該
配管から液体を本体室内へ供給するという本発明の方法
を採ることにより以下の効果が達成された。 (1)除熱効率が高く生産性が良く、製品重合体の品質
も良い、という温調エレメント方式の重合槽を用いる効
果の維持・確保。 (2)溶接線の露出が少ないため、スケール付着や腐食
の恐れが少なくなるので、製品品質が向上し、機器の保
守も容易になるという効果の達成。 (3)均圧配管を槽容器の頂部鏡板に存在する配管に接
続し、この接続された配管を通じて液体を供給すること
による均圧配管の閉塞防止。
示す縦断面図
を示す縦断面図
Claims (7)
- 【請求項1】 塩化ビニルまたは塩化ビニルを主体とす
る共重合可能な単量体の混合物の水性媒体中における重
合を、内筒の外面に直角に仕切板を間隔をおいて並設
し、該仕切板の先端間に外ストリップを跨設することに
よって、前記内筒と外ストリップとの間に仕切板により
仕切られた熱媒の流路を有する流路壁(以下「温調エレ
メント」という)を形成し、この温調エレメントを容器
本体内に外ストリップ側を容器本体の内面に対向させて
間隔をおいて固定するとともに、前記温調エレメントの
外ストリップ側と容器本体の内面との間の間隙の上下部
を封止して間隙室を形成した構造を有しており、かつこ
の容器本体の内面と温調エレメントの内筒とで囲まれた
空間(以下「本体室」という)と間隙室とを、連通管ま
たは均圧器を介した配管(以下まとめて「均圧配管」と
いう)で連結した槽容器中で行うに際し、上記均圧配管
の本体室側開口部(以下「槽側接続口」という)が槽容
器の頂部鏡板に接続する配管に設けられた槽容器を用い
ることを特徴とする塩化ビニル系重合体の製造方法。 - 【請求項2】 均圧配管の槽側接続口が設けられた配管
に液体を供給する請求項1に記載の塩化ビニル系重合体
の製造方法。 - 【請求項3】 均圧器としてバランスピストン式均圧器
を用いる請求項1または2に記載の塩化ビニル系重合体
の製造方法。 - 【請求項4】 均圧器として隔膜式均圧器を用いる請求
項1または2に記載の塩化ビニル系重合体の製造方法。 - 【請求項5】 間隙室に液体を封入した槽容器を用いる
請求項3または4に記載の塩化ビニル系重合体の製造方
法。 - 【請求項6】 温調エレメントの熱媒の流路を螺旋状と
した槽容器を用いる請求項1〜5のいずれか1項に記載
の塩化ビニル系重合体の製造方法。 - 【請求項7】 容器本体の底部鏡面板に対応する温調エ
レメントの熱媒の流路を螺旋状とし、該底部鏡面板に連
なる容器本体の胴部に対応する温調エレメントの熱媒の
流路をその周方向に蛇行させた槽容器を用いる請求項1
〜5のいずれか1項に記載の塩化ビニル系重合体の製造
方法。
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Applications Claiming Priority (1)
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JP31857494A JP3358354B2 (ja) | 1994-12-21 | 1994-12-21 | 塩化ビニル系重合体の製造方法 |
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Publication Number | Publication Date |
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JPH08176207A JPH08176207A (ja) | 1996-07-09 |
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JP31857494A Expired - Fee Related JP3358354B2 (ja) | 1994-12-21 | 1994-12-21 | 塩化ビニル系重合体の製造方法 |
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1994
- 1994-12-21 JP JP31857494A patent/JP3358354B2/ja not_active Expired - Fee Related
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