JP2001247605A - 塩化ビニル系重合体の製造方法およびその重合装置 - Google Patents

塩化ビニル系重合体の製造方法およびその重合装置

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JP2001247605A JP2000062573A JP2000062573A JP2001247605A JP 2001247605 A JP2001247605 A JP 2001247605A JP 2000062573 A JP2000062573 A JP 2000062573A JP 2000062573 A JP2000062573 A JP 2000062573A JP 2001247605 A JP2001247605 A JP 2001247605A
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Hidesumi Iwai
秀純 岩井
Yoshihiro Moriyama
良弘 森山
Kazumasa Yamane
一正 山根
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Abstract

(57)【要約】 【課題】塩化ビニル系重合体および重合開始剤の自動仕
込、連続生産する際に、塩化ビニル系単量体の仕込配管
に設置される重合開始剤仕込ノズル内でのスケール形成
を防止し、品質上の問題を発生させることなく、長期に
わたって安定的な運転を可能とする塩化ビニル系重合体
を製造する方法およびその重合装置を提供する。 【解決手段】 塩化ビニルまたは塩化ビニルとこれと共
重合可能な単量体との混合物を重合させる重合機に、単
量体仕込配管と重合機との遮断弁の上流に重合開始剤仕
込ノズルを先端部分を上方に向けて設置し、該ノズルを
通して重合開始剤を重合機内に仕込むことを特徴とする
塩化ビニル系重合体の製造方法、およびその重合装置と
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は塩化ビニル系重合体
の製造方法に関するものであり、更に詳しくは、塩化ビ
ニル系単量体及び又は加熱脱気水性媒体の仕込配管に設
置される重合開始剤仕込ノズル内でのスケール形成を防
止し、長期間安定的に運転可能な塩化ビニル系重合体の
製造方法およびその重合装置に関する。
【0002】
【従来の技術】塩化ビニル系樹脂は安価で且つ品質バラ
ンスに優れているため、軟質分野、硬質分野など種々の
広範な分野で利用されている。例えば、硬質分野ではパ
イプ、フィルム、工業板、窓枠などの用途、軟質分野で
は電線被覆、ラップフィルム、シートなどの用途に使わ
れている。
【0003】一方、材料としての塩化ビニル系樹脂は安
価なことが求められる汎用樹脂であり、可能な限り製造
コストの低減が求められ、また、塩化ビニルガスに対す
る作業環境上の要請よりクローズド化が求められること
から、重合機を開けること無く連続的に自動仕込するプ
ロセスへの転換が図られてきた。
【0004】しかし乍ら、このように塩化ビニル系単量
体や重合開始剤を自動的に仕込む方法には、塩化ビニル
系単量体仕込配管や重合開始剤の仕込配管内にてスケー
ルが付着して、フィッシュアイが増加し、遂には閉塞に
至るという問題があった。
【0005】一方、スケール付着の防止方法としては、
例えば、特開昭54−107991、特公昭57−11
561、特開昭55−54305、特開昭53−474
86で開示されるスケール防止剤を配管内に塗布、乾燥
して塗膜形成する方法が考えられるが、十分な効果が得
られず、また効果の持続性に乏しいので頻繁にスケール
防止剤の塗布、乾燥を行なう必要がある。そのため、こ
れらの方法では、生産性を低下させるだけでなく、スケ
ール防止剤を含んだ黒色異物が得られた塩化ビニル系重
合体に混入し、品質を低下させる問題がある。
【0006】また、特開昭60−223809には塩化
ビニル系単量体の仕込配管内を不活性液体或いは不活性
気体で封じる方法を開示しているが、これによれば封入
を行なう為のノズル、バルブ等の設備や封入という新た
な工程が必要で、更に重合開始剤の仕込配管にも同様の
設備を設置するには、設備並びに工程が煩雑になる欠点
がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明はこのような現
状に鑑みてなされたものであり、塩化ビニル系重合体お
よび重合開始剤の自動仕込、連続生産する際に、品質上
の問題を発生させることなく、長期にわたって安定的な
運転を可能とする塩化ビニル系重合体の製造方法に関す
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、塩化ビニ
ル系単量体仕込配管及びそこに設置される重合開始剤仕
込ノズルのスケール形成防止を図るべく、上記課題に関
し鋭意検討した結果、特性の形状を有する重合開始剤の
仕込配管ノズルを使用する仕込方法を採用することによ
って、上記課題を解決しうることを見出し、本発明を完
成させるに至った。
【0009】即ち本発明は、塩化ビニルまたは塩化ビニ
ルとこれと共重合可能な単量体の仕込み配管、および加
熱脱気水性媒体の仕込配管を設けた重合機に、単量体仕
込配管と重合機との遮断弁の上流に重合開始剤仕込みノ
ズルを先端部分を上方に向けて設置し、該ノズルを通し
て重合開始剤を重合機内に仕込むことを特徴とする塩化
ビニル系重合体の製造方法を内容とする。
【0010】また、好ましい態様として、重合開始剤仕
込終了後、油性および又は水性媒体にて該ノズルの洗浄
を行ない、当該ノズル内部を水性媒体で満たす事を特徴
とする塩化ビニル系重合体の製造方法を内容とする。
【0011】また、更に好ましい態様として、重合開始
剤仕込終了後、油性および又は水性媒体にて該ノズルの
洗浄を行ない、重合機との遮断弁の上流を水性媒体にて
満たし、重合開始剤仕込ノズルを該水性媒体中にひたす
ことを特徴とする塩化ビニル系重合体の製造方法を内容
とする。
【0012】別の態様として、塩化ビニルまたは塩化ビ
ニルとこれと共重合可能な単量体からなる塩化ビニル系
単量体の仕込終了後、水性媒体にて塩化ビニル系単量体
仕込配管を洗浄する事を特徴とする塩化ビニル系重合体
の製造方法を内容とする。
【0013】更に、別の態様として、塩化ビニルまたは
塩化ビニルとこれと共重合可能な単量体との混合物を水
性媒体中で重合させる重合機に、単量体および加熱脱気
水性媒体の仕込配管を付設し、該単量体仕込み配管(場
合により、加熱脱気水性媒体の仕込配管と共用でもよ
い)の重合機と遮断弁の上流に重合開始剤仕込ノズルを
先端部分を上方に向けて設置したことを特徴とする塩化
ビニル系重合体の重合装置を内容とする。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明における前記塩化ビニルと
これと共重合可能な単量体との混合物における塩化ビニ
ルと共重合可能な単量体の例としては、例えば、酢酸ビ
ニル、プロピオン酸ビニルなどのビニルエステル類、エ
チレン、プロピレンなどのオレフィン類、イソブチルビ
ニルエーテルなどのビニルエーテル類、無水マレイン
酸、アクリロニトリル、スチレンなどがあげられ、これ
らは単独で用いてもよく、2種以上組合せてもよい。
【0015】本発明における重合機とは、耐圧重合反応
装置であれば如何なるものでも良く、該重合反応装置に
おいて用いられる攪拌機、所望により用いられるバッブ
ル等の攪拌装置の形状に特に制限はなく、従来から塩化
ビニル系単量体の懸濁重合で一般的に採用されている公
知の攪拌装置を用いることが出来、そのような攪拌翼と
しては、例えば、パドル翼、ブルーマージン翼、ファウ
ドラー翼、タービン翼、プロペラ翼、ピッチパドル翼な
どが挙げられ、これらの攪拌翼は一種類で用いても、多
くの攪拌翼と組合せても、数段に別けて用いてもよい。
また、バッブルとしては、例えば板型、円筒型、D型、
ループ型、フィンガー型などが例示される。また、重合
機には、加熱冷却用ジャケットや外部スラリー循環式の
熱交換器を用いても良く、そのような加熱冷却用ジャケ
ットとしては、例えば外部ジャケット、内部ジャケット
などが挙げられ、外部スラリー循環式の熱交換器として
は、シェルアンドチューブ式、多管式、コイル式、スパ
イラル式などが挙げられ、循環ポンプは一般に使用され
るもので良い。更には、重合機に付設する還流凝縮器を
用いても良く、設置形式は直接、ガス/凝縮液配管によ
る間接の何れでも良く、凝縮器の形式としては洗浄が容
易なシェルアンドチューブ式が好ましいが、多管式、コ
イル式、スパイラル式などの何れを用いても良い。
【0016】本発明における重合機の容量は、特に制限
されるものでは無いが、生産効率良く塩化ビニル系重合
体を生産する事が可能になることから25m3以上、更
に好ましくは35m3以上、更に好ましくは60m3以上
の重合機を用いることが好ましい。また、スケール防止
剤を重合機およびまたは付帯設備に塗布してもよい。
【0017】本発明において付設する仕込配管3は、塩
化ビニル系単量体と加熱脱気水性媒体とを別配管として
も、同一配管としてもよい。同一配管とする場合には、
シリーズで連続的に仕込を行なっても良く、また同時に
並行して仕込みを行なっても良い。同時に並行して仕込
みを行なう場合には、塩化ビニル系単量体と加熱脱気水
性媒体をスタティックミキサーなどの混合器を用いて混
合しながら重合機への仕込を行なっても良い。
【0018】本発明において用いられる加熱脱気水性媒
体とは、水又は水を主体とする媒体であり、特に加熱し
た脱イオン水、更には加熱した脱イオン脱気水である事
がこのましい。水性媒体の加熱温度は40℃〜95℃の
範囲が好ましく、昇温時間を短縮するには、更には50
℃〜95℃の範囲がより好ましい。
【0019】本発明にて付設する重合開始剤仕込配管
は、塩化ビニル系単量体仕込配管3において、重合機1
との遮断弁4の上流側に設置される。重合開始剤仕込ノ
ズル2は、重合開始剤仕込配管より単量体等の仕込配管
3の内部へのインサートタイプであり、単量体等の仕込
配管3内部にて該仕込ノズル2の先端部分が上方に向い
ており、ノズル内部に液体が保持される構造となってい
る。ノズル先端の上向き部分の高さh(ノズル底辺から
先端部までの最大高さ)は、ノズル直径Dに対して1.
5倍以上が好ましく、更には2倍以上が良い。ノズル先
端の上向き部分の高さhは、好ましくはノズル直径Dに
対して10倍以下、更に好ましくは5倍以下がよい。高
さがあまり小さいと、ノズル内に液体を保持する効力が
弱まり、スケール形成防止の効果が弱くなるので適宜調
整する。
【0020】なお、本発明において塩化ビニル系単量体
仕込み配管3は、加熱脱気水性媒体の仕込みと共用の配
管であってもよい(図2)。
【0021】また、重合開始剤仕込ノズル2は、重合開
始剤仕込終了後に油性および又は水性媒体にて洗浄を行
うが、両方又は、どちらか一方による洗浄でも良いが、
油性媒体による洗浄の後に水性媒体にてシリーズで連続
的に洗浄することが好ましい。油性媒体としては不活性
の油性媒体が好ましい。例えば、イソパラフィンハイド
ロカーボンオイルであるシェルゾール(シェルジャパン
社製)やIPソルベント(出光石油化学社製)等が挙げ
られる。また、これらの不活性油性媒体にラジカル捕捉
機能のある重合禁止剤や抗酸化剤を含有させておく場合
も有効である。
【0022】重合禁止剤や抗酸化剤としては、一般に塩
化ビニル系重合体の重合に用いられるものでよく、例え
ばヒンダードフェノール系の酸化防止剤などが挙げられ
る。
【0023】水性媒体としては、脱イオン水や脱気脱イ
オン水の他にラジカル捕捉機能のある物質の水溶液を用
いる事は更に有効である。ラジカル捕捉機能のある物質
としては、亜硝酸塩などの金属塩や重合禁止剤、例えば
ハイドロキノンなどが挙げられるが、これに限定される
ものでは無い。
【0024】油性および又は水性媒体の洗浄量は、重合
開始剤仕込配管の直径および長さにもよるが、残留洗浄
媒体中の重合開始剤残留濃度が2%以下、好ましくは1
%以下、更に好ましくは0.5%以下になる量が望まし
い。洗浄量が十分でなく、洗浄媒体中の残留重合開始剤
濃度が高い場合にはスケール防止の効果が弱くなる。
【0025】重合開始剤仕込ノズル2を油性および又は
水性媒体にて洗浄を行なった後にノズル内部を水性媒体
にて満たすが、この水性媒体とは前述した脱イオン水や
脱気脱イオン水でよく、好ましくはラジカル捕捉機能の
ある物質を含有した脱イオン水が望ましい。
【0026】また、塩化ビニル系単量体および重合開始
剤の仕込終了後、単量体仕込配管3を水性媒体にて洗浄
し、重合機1との遮断弁4の上流を水性媒体にて満た
し、少なくとも重合開始剤仕込ノズル2を水性媒体中に
漬す事が特に好ましいが、この水性媒体は脱イオン水や
脱気脱イオン水および加熱脱気イオン水でよい。遮断弁
4の上流側を水性媒体で満たし、重合開始剤ノズル2を
水性媒体中に漬すとスケール形成の防止効果はより強く
なる。
【0027】本発明において用いられる重合開始剤とし
ては、一般に重合開始剤として知られるものを用いるこ
とができ、例えば、ジイソプロピルパーオキシジカーボ
ネート、ジ−2−エチルヘキシルパーオキシジカーボネ
ート、ジエトキシエチルパーオキシジカーボネート等の
パーオキシジカーボネート化合物、t−ブチルパーオキ
シネオデカノエート、α−クミルパーオキシネオデカノ
エート、t−ヘキシルパーオキシビパレート、t−アミ
ルパーオキシネオデカノエート、1,1−ジメチル−3
−ヒドロキシブチルパーオキシネオデカノエート、t−
ヘキシルパーオキシジグリコレート、α−クミルパーオ
キシネオデカネート等のパーオキシエステル化合物、ア
セチルシクロヘキシルスルホニルパーオキシド等の過酸
化物、アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、
アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニト
リル)等のアゾ化合物、過酸化水素を挙げることがで
き、これらは一種単独または二種以上の組合せで使用す
ることも可能である。
【0028】また、該重合開始剤は、塩化ビニル単量体
100部に対して0.001〜1重量部の範囲で使用す
ることが好ましい。この重合機への添加方法は、通常使
用されている方法で良く、水性媒体および又は塩化ビニ
ル系単量体の仕込中に直接または乳化剤や界面活性剤や
懸濁剤を用いてエマルジョン状態の水溶液にして添加す
るか、または、仕込終了後に単独で直接またはエマルジ
ョン状態の水溶液にして仕込むなど、特に制限されるも
のではない。
【0029】本発明は、懸濁重合や乳化重合など何れに
おいても有効であるが、用いられる分散/乳化安定剤と
しては、特に制限されるものではなく一般的に懸濁重合
や乳化重合に使用されるもので良い。例えば懸濁系分散
安定剤としては、メチルセルロース、ヒドロキシエチル
セルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキ
シポロピルエチルセルロース等のセルロース誘導体、部
分ケン化ポリビニルアルコール、アクリル酸重合体、ゼ
ラチン等の水溶性ポリマー、ノニオン界面活性剤、アニ
オン界面活性剤等が挙げられ、こられは一種単独又は二
種以上の組合せで使用することも可能であり、該分散剤
は、塩化ビニル系単量体100重量部に対して0.01
〜1重量部の範囲で使用することが好ましい。
【0030】更には重合系には必要に応じて、塩化ビニ
ル系単量体の重合に適宜使用される増粘剤、重合調整
剤、連鎖移動剤、pH調節剤、ゲル化改良剤、帯電防止
剤、架橋剤、安定剤、充填剤、酸化防止剤、緩衝剤、ス
ケール防止剤などを添加することも任意である。
【0031】
【実施例】以下、本発明を実施例および比較例にもどづ
き説明するが、本発明はこれらに限定されるものではな
い。
【0032】得られた塩化ビニル系重合体の特性値は次
の方法により測定した。 (1)フィッシュアイ 塩化ビニル系重合体100重量部にジオクチルフタレー
ト50重量部、三塩基性硫酸鉛3重量部、ステアリン酸
1重量部、及びカーボンブラック0.02部を添加し十
分攪拌混合した後、表面温度が140℃に調節された8
インチロールに投入し、8分間混練した後に厚さ0.3
mmのロールシートを切り出した。採取したロールシー
ト表面の表面積100cm2にて透明粒子の数を観察
し、計数して示した。
【0033】(実施例1)図1に示すような先端が6c
m上向きになった20A(内径22mm)の重合開始剤
仕込ノズル2を配管内に付設した塩化ビニル単量体の仕
込配管3と予熱脱気水の仕込配管5とを有し、凝縮還流
器を装備した容量30m3のステンレス製重合機1を脱
気した後、予め脱気した65℃の脱イオン水10tを仕
込配管5より、塩化ビニル単量体10tを遮断弁4を開
けて仕込配管3より仕込み始めた。その後、重合度20
00ケン化度78mol%の部分ケン化ポリ酢酸ビニル
の5%溶液を、塩化ビニル単量体100部に対して0.
07部として仕込み、ジ−2−エチルヘキシルパーオキ
シジカーボネートを溶解した50%のトルエン溶液を、
塩化ビニル単量体100部に対して0.04部として仕
込みを行なった。重合開始剤の仕込終了後、イソパラフ
ィンハイドロカーボンオイル20Lを、次いで脱イオン
水20Lを重合開始剤仕込ノズル2より仕込むことで洗
浄を行なった。塩化ビニル単量体仕込終了後、200L
の脱イオン水にて洗浄を行ない、遮断弁4を閉じ、ノズ
ルを管内の脱イオン水中に漬したあと、洗浄水供給ポン
プ7を停止し終了した。
【0034】次いでジャケットおよび凝縮還流器により
内温が57℃になるよう調節して重合を行ない、重合機
内圧が定常圧より0.1MPa降下した時点で未反応単
量体を回収して重合を終了した。得られたスラリーを脱
水、乾燥して塩化ビニル重合体を得た。
【0035】同様の操作を連続的に行ない、20バッチ
毎に80バッチまで塩化ビニル単量体の仕込配管3及び
重合開始剤仕込ノズル2のスケール付着状況を観察し、
また塩化ビニル重合体のフィッシュアイを調べた。
【0036】(実施例2)図2に示すような先端が6c
m上向きになった20A(内径22mm)の重合開始剤
仕込ノズル2を配管内に付設した塩化ビニル単量体仕込
配管3を有し、凝縮還流器を装備した容量30m3のス
テンレス製重合機1を脱気した後、20℃の塩化ビニル
単量体10tを遮断弁4を開けて仕込配管3より仕込
み、続いて予め脱気した65℃の脱イオン水10tを該
仕込配管3より仕込んだ。予熱脱気水仕込中に重合度2
000ケン化度78mol%の部分ケン化ポリ酢酸ビニ
ルの5%溶液を塩化ビニル単量体100部に対して0.
07部として仕込み、塩化ビニル単量体仕込中にジ−2
−エチルヘキシルパーオキシジカーボネートを溶解した
50%のトルエン溶液を、塩化ビニル単量体100部に
対して0.04部として仕込んだ。重合開始剤の仕込終
了後、イソパラフィンハイドロカーボンオイル20L
を、次いで1重量%のハイドロキノンの脱イオン水溶液
20Lを重合開始剤仕込ノズル2より仕込むことで洗浄
を行なった。予熱脱気水の仕込終了直前に遮断弁4を閉
じて、ノズルを管内予熱脱予熱脱気水中に漬けたあと、
同脱気水仕込ポンプを停止して、洗浄を終了し、重合を
行なった他は、実施例1と同様で行なった。
【0037】(比較例1)実施例1において、ノズルの
先端に上向き部分のない水平ノズルにより重合開始剤の
仕込終了後、イソパラフィンハイドロカーボンオイル2
0Lを重合開始剤仕込ノズル2より仕込むことだけで洗
浄を行なった。他は実施例1と同様に行なった。
【0038】(比較例2)実施例2において、重合開始
剤仕込配管を塩化ビニル単量体仕込配管3に直接接続
し、インサートノズル無しとした。他は実施例2と同様
で行なった。
【0039】結果を表1に示す。
【0040】
【表1】 以上のように、本発明により先端が上向きである重合開
始剤ノズルを用いれば、従来の方法(比較例1,2)に
比較して、塩化ビニル単量体の仕込配管および、重合開
始剤仕込配管でのスケール形成を防止でき、フィッシュ
アイも少ない重合体が得られることが判る。また、実施
例1,2から、重合禁止効果のある物質にて重合開始剤
仕込ノズルを洗浄すればスケール形成の防止効果は高く
なることが判る。
【0041】
【発明の効果】本発明によれば、塩化ビニル系重合体お
よび重合開始剤の自動仕込、連続生産する際に、塩化ビ
ニル系単量体仕込配管とそこに設置する重合開始剤仕込
ノズルのスケール形成を防止し、フィッシュアイの発生
など品質上の問題を生じることなく長期安定的に塩化ビ
ニル系重合体を製造できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施態様の例を示す図である。
【図2】本発明の別の実施態様を示す図である。
【符号の説明】
1 重合機 2 重合開始剤仕込ノズル 3 塩化ビニル単量体仕込配管 4 遮断弁 5 加熱脱気水性媒体仕込配管 6 洗浄水供給配管 7 洗浄水供給ポンプ

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 塩化ビニルまたは塩化ビニルとこれと共
    重合可能な単量体の仕込み配管、および加熱脱気水性媒
    体の仕込配管を設けた重合機に、単量体仕込配管と重合
    機との遮断弁の上流に重合開始剤仕込ノズルを先端部分
    を上方に向けて設置し、該ノズルを通して重合開始剤を
    重合機内に仕込むことを特徴とする塩化ビニル系重合体
    の製造方法。
  2. 【請求項2】 重合開始剤仕込終了後、油性および又は
    水性媒体にて該ノズルの洗浄を行ない、当該ノズル内部
    を水性媒体で満たす事を特徴とする請求項1記載の塩化
    ビニル系重合体の製造方法。
  3. 【請求項3】 重合開始剤仕込終了後、油性および又は
    水性媒体にて該ノズルの洗浄を行ない、重合機との遮断
    弁の上流を水性媒体にて満たし、重合開始剤仕込ノズル
    を該水性媒体中にひたすことを特徴とする請求項1また
    は2記載の塩化ビニル系重合体の製造方法。
  4. 【請求項4】 塩化ビニルまたは塩化ビニルとこれと共
    重合可能な単量体の仕込終了後、水性媒体にて単量体仕
    込配管を洗浄する事を特徴とする請求項1、2または3
    記載の塩化ビニル系重合体の製造方法。
  5. 【請求項5】 塩化ビニルまたは塩化ビニルとこれと共
    重合可能な単量体との混合物を水性媒体中で重合させる
    重合機に、単量体および加熱脱気水性媒体の仕込配管を
    付設し、該単量体仕込み配管の重合機と遮断弁の上流に
    重合開始剤仕込ノズルを先端部分を上方に向けて設置し
    たことを特徴とする塩化ビニル系重合体の重合装置。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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