JPH0873509A - 塩化ビニル系重合体の製造方法 - Google Patents

塩化ビニル系重合体の製造方法

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JPH0873509A
JPH0873509A JP21729194A JP21729194A JPH0873509A JP H0873509 A JPH0873509 A JP H0873509A JP 21729194 A JP21729194 A JP 21729194A JP 21729194 A JP21729194 A JP 21729194A JP H0873509 A JPH0873509 A JP H0873509A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 内部ジャケット方式の長所を生かしつつ、付
着生成等の従来の槽容器の不都合点を解決するため特定
の構造の槽容器を用いて、高品質の塩化ビニル系重合体
を高い生産性で製造することのできる方法の提供。 【構成】 内筒の外面に直角に仕切板を間隔をおいて並
設し、該仕切板の先端間の外ストリップを跨設すること
によって、前記内筒と外ストリップとの間に仕切板によ
り仕切られた熱媒の流路を有する温調エレメントを形成
し、この温調エレメントを容器本体内に外ストリップ側
を容器本体の内面に対向させて間隔を置いて固定すると
共に、前記温調エレメントと容器本体の内面との間隙の
上下部を封止して間隙室を形成した構造の槽容器を用い
て、塩化ビニル又は塩化ビニルを主体とする共重合可能
な単量体の混合物の重合反応を水性媒体中で行う塩化ビ
ニル系重合体の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、塩化ビニル系重合体の
製造方法に関し、特に高品質の塩化ビニル系重合体を、
高生産性で製造することができる塩化ビニル系重合体の
製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、塩化ビニル又は塩化ビニルを主
体とする共重合可能な単量体の混合物(以下まとめて
「塩化ビニル系単量体」という)の重合反応に用いられ
る槽容器は、容器本体1′を円筒形胴部の両端に皿形鏡
板を溶接した耐圧密閉容器で形成すると共に、発熱の除
去、或いは、内容物の加熱のためのジャケット20を、
この容器本体1′の外部に付設した外部ジャケット方式
の槽容器(図4)が用いられる。
【0003】この方式の槽容器は、容器本体で耐圧強度
を保持するため、一般に、容器の板厚が厚くなり、容器
本体の壁を通しての熱伝導率が低く、発熱反応である塩
化ビニル系単量体の重合においては、高生産性を得るこ
とが困難であった。また、槽容器を大型化する場合、強
度面から容器本体の壁の板厚を厚くする必要があり、更
に熱伝導率の低下を招くという不都合があった。
【0004】そこで、この熱伝導での不利を解決すべ
く、図5に示すように容器本体1′の内面と直角に仕切
板21を間隔をおいて並設し、仕切板21の先端間に内
ストリップ22を跨設することによって、該内ストリッ
プ22と前記容器本体1′の内面との間に仕切板21に
より仕切られた螺旋状の流路23を形成した内部ジャケ
ット方式(特開昭57−147502号)の槽容器が提
案されている。
【0005】しかしながら、内部ジャケット方式の槽容
器は、熱伝導性に優れる反面、塩化ビニル系単量体の重
合反応時に内容物が接する槽容器内面に、多数存在する
内ストリップ22間の溶接部が表面に露出していること
による不都合な点がある。即ち、溶接部は、その施工上
どうしても表面粗度が粗く、溶接欠陥部分が存在する
が、塩化ビニル系単量体の重合反応では、反応混合物の
接する部分(以下、接液部という)の表面粗度が粗い
と、重合体スケールが付着しやすく、生成したスケール
が剥離し製品中に混入すると、品質の悪化(特に、フィ
ルム等に加工したときに、フィルム中に未溶融物が残
る、いわゆるフィッシュアイ(FE))を引き起こす。
また、品質悪化を招く重合体スケールの付着を防ごうと
する場合、多数存在する溶接線を極度に平滑にしたり、
特別な付着防止・除去技術を導入する必要があるなど、
設備の製作・維持のコストが大きくなる不都合がある。
【0006】また、塩化ビニル系単量体の重合反応で
は、反応の進行に伴い発生する塩化水素による腐食性の
ため、通常、槽容器内面の材質としてステンレス材を用
いるが、ステンレス材の溶接部は溶接による残留応力が
集中しており、容器内面に溶接線が隣接して多数存在す
る内部ジャケット方式の槽容器を用いて、塩化ビニル系
単量体の重合反応を行う場合、反応の進行に伴い発生す
る塩化水素(塩素イオン)による応力腐食割れの懸念が
ある。そのため、この溶接線の劣化程度の検査を、入念
に、かつ継続的に行う必要があり、メンテナンスが煩雑
で、検査費用が嵩むという不都合もある。
【0007】この内部ジャケット方式の槽容器の利点を
生かしつつ不都合点を解決すべく、本発明者らは、先
に、かかる問題のない塩化ビニル系重合体の製造方法と
して、図6,7に示すように、内板27の裏面に直角に
仕切板28を間隔をおいて並設し、仕切板28の先端間
に外ストリップ29を跨設することによって、前記内板
27と外ストリップ29との間に仕切板28により仕切
られた熱媒の流路30を有する流路壁27A(以下「温
調エレメント」という)を形成し、この温調エレメント
を外ストリップ29にて容器本体1′の内面に固定した
高熱伝導性の槽容器(特開平4−141223号)を使
用する方法を提案した。
【0008】内部ジャケット方式の槽容器の不都合点で
あった溶接部の数量を、通常の外部ジャケット方式の槽
容器と同程度まで少なくしたかかる方式の槽容器によ
り、上記のような問題は低減された。しかし、容器本体
1′の内面に温調エレメントを固定するにあたり、完全
密着は難しく、若干の隙間ができ、そのため、塩化ビニ
ル系単量体の重合反応をこの方式の槽容器で行うと、重
合初期の反応混合物は液状であるため、容器本体と温調
エレメントの間隙に混合物が入り込み、ここで重合反応
が起こり、重合体スケールの生成や生成したスケールの
製品中への混入による品質悪化が発生するおそれが大き
い。
【0009】また、温調エレメントの外側面は、多数の
溶接のため、歪みが生じ易い。温調エレメントが大型に
なるほどこの歪みが大きくなるので、大型の槽容器では
温調エレメントと容器本体との密着が非常に困難になる
という欠点があり、大型化され、合理化、生産性を向上
させる方向にある塩化ビニル系重合体製造用の重合槽に
は適用が難しいという問題があった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、内部
ジャケット方式の槽容器の利点を生かしつつ不都合点が
解決された槽容器を用いて、高品質の塩化ビニル系重合
体を、高い生産性で製造することのできる方法を提供す
ることにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明の要旨は、
内筒の外面に直角に仕切板を間隔をおいて並設し、該仕
切板の先端間に外ストリップを跨設することによって、
前記内筒と外ストリップとの間に仕切板により仕切られ
た熱媒の流路を有する流路壁(「温調エレメント」)を
形成し、この温調エレメントを容器本体内に外ストリッ
プ側を容器本体の内面に対向させて間隔を置いて固定す
ると共に、前記温調エレメントの外ストリップ側と容器
本体の内面との間隙の上下を封止して間隙室を形成した
構造の槽容器(以下「温調エレメント方式の槽容器」と
いう)中で、塩化ビニル系単量体の重合反応を水性媒体
中で行うことに存する。
【0012】〈槽容器〉槽容器本体 本発明方法に使用される温調エレメント方式の槽容器は
次のような構造のものである。即ち、図1〜図3に示す
ように、内筒6の外面に直角に仕切板7を間隔をおいて
並設し、仕切板7の先端間に外ストリップ8を跨設する
ことにより、前記内筒6と外ストリップ8との間に仕切
板7により仕切られた熱媒の流路9を有する温調エレメ
ント5A(5B)を形成し、この温調エレメント5A
(5B)の外径を槽容器の内径より小さく形成し、この
温調エレメントの外ストリップ8側を容器本体1の内面
に対向させて間隔を置いて固定する。
【0013】この温調エレメント5A(5B)の固定
は、その中心線と容器の中心線とがほぼ一致するように
行うのが良く、このとき容器本体の内面と温調エレメン
トの外面(即ち外ストリップ側)との間に、両者の径の
差に相当する間隙ができ、これが円周方向にほぼ均一と
なる。温調エレメントの下端部は図1に示すように槽容
器ノズル12の周囲の底部鏡板3に連続溶接等により直
接固定してもよいし、また隔壁を介して固定してもよ
い。
【0014】温調エレメントの上端部については、通
常、容器の円筒形胴部2または上部鏡板4に隔壁13を
取り付け固定する。このようにして容器本体1の内部に
固定された温調エレメント5A(5B)の外面と容器本
体1の内面との間には間隔があるので、この間隙の上下
部を例えば直接溶接により又は隔壁13等により封止し
て間隙室を形成した構造とする。これによって、反応混
合物の上記間隙への侵入と、これに伴うスケール付着の
生成とが防止できる。
【0015】この間隙の上部及び/又は下部を封止する
ための隔壁等には、温調エレメントの熱による膨張・収
縮を吸収できるような伸縮吸収部を設けておくのが良
く、また塩化ビニル系単量体の重合の際に通常用いられ
る温度や圧力に耐え得るような強度を持たせておく必要
がある。また、温調エレメント及びこれと容器本体との
間隙の上下部を封止するための溶接や隔壁が反応圧等に
より破壊されるのを防ぐため、容器本体の内面(通常、
頂部鏡板及び底部鏡板の部分)と温調エレメントの内筒
とで囲まれた空間(以下「本体室」という)の内圧と間
隙室の内圧とを実質的に同じになるようにするのが保安
上好ましく、このときは上記したほどの隔壁の耐圧強度
は必要がなくなる。この場合、本体室の内圧と間隙室の
内圧との差が1kg/cm2 以下、より好ましくは0.
7kg/cm2 以下となるようにするのが好ましい。
【0016】本体室と間隙室とを実質的に同圧とするた
めの方法としては、例えば図1に示すような圧力バラン
ス機構15(連通管16にバランスピストン17を設置
したもの)による方法、図3に示すような連通管161
を用いる均圧確保による方法、あるいは本体室及び間隙
室の内圧を検出し、間隙室内の圧力を本体室の内圧と実
質的に同じになるように別途設置した加圧・減圧装置に
より調節する方法等があるが、特に限定されるものでは
なく、またこれらを組み合せて用いてもよい。
【0017】温調エレメント5A(5B)内での熱媒の
流路は、図1に示すように、螺旋状としてもよいし、図
3に示すように、底部鏡板部は螺旋状、容器本体胴部は
周方向の蛇行状としてもよく、特に限定されない。流路
に流す熱媒としては、加熱用には蒸気、温水等が用いら
れ、冷却用には、工業用水等の常温水、別途冷凍機で冷
却された水、エチレングリコール等の冷媒、フロン等の
低温沸点冷媒等が使用できるが、いずれも特に限定され
ない。
【0018】内筒6の板厚は、必要とされる強度と仕切
板7の間隙とに依存するが、容器本体1の胴長に比べて
仕切板7の間隔は小さいので、内筒6の板厚は小さくで
きる。内筒6の材質は、前述したように、塩化ビニル系
単量体の反応混合物と接する部分の耐食性を考慮して、
ステンレス材(ステンレス無垢材、ステンレス・炭素鋼
クラッド材など、特にSUS316Lが好ましい)やガ
ラスライニング材等が用いられるが、塩素イオンによる
応力腐食割れに耐性のある材質であれば、特に限定され
るものではない。
【0019】スケール付着防止の観点から内筒6の表面
は平滑であるのが好ましく、該表面を平滑にするために
は、通常、工業的に実施されるバフ仕上げ、電解研磨等
の方法を特に限定することなく用いることができる。ま
た、その表面粗度としては、Rmaxで通常10μm以
下、好ましくは3μm以下、より好ましくは1μm以下
がよい。Rmaxの測定は、JIS B 0601にて
規定された方法を用いればよい。
【0020】槽容器付帯設備 本発明方法において用いられる槽容器(重合槽)の付帯
機器である撹拌翼やバッフルなどの形状は、特に限定さ
れるものではなく、従来の懸濁重合法、乳化重合法又は
微細懸濁重合法で、一般的に使用されている設備・機器
を使用することができる。
【0021】〈重合処方〉塩化ビニル系単量体の水性媒
体中での重合は、一般に懸濁重合と乳化重合ならびに微
細懸濁重合とがある。塩化ビニル系単量体の懸濁重合
は、通常、塩化ビニル系単量体を分散剤を含有する水性
媒体中で、油溶性重合開始剤の存在下に重合させること
によって実施される。塩化ビニル系単量体の乳化重合
は、塩化ビニル系単量体を水性媒体中で、乳化剤及び水
溶性重合開始剤の存在下に、また、微細懸濁重合は、塩
化ビニル系単量体を水性媒体中で、乳化剤及び油溶性重
合開始剤の存在下に、均質化処理の上重合させることに
よって実施される。
【0022】単量体 本発明方法において使用される塩化ビニル系単量体と
は、塩化ビニル単量体単独及び塩化ビニル単量体を主体
とする共重合可能な単量体の混合物を含む。塩化ビニル
単量体と共重合可能な他の単量体としては、従来一般的
に用いられているものを使用することができ、特に限定
されない。上記の他の単量体としては、例えば、酢酸ビ
ニル、プロピオン酸ビニル、ステアリン酸ビニル等のビ
ニルエステル類、メチルビニルエーテル、エチルビニル
エーテル、オクチルビニルエーテル、ラウリルビニルエ
ーテル、セチルビニルエーテル等のアルキルビニルエー
テル類、エチレン等のα−オレフィン類、アクリル酸、
メタクリル酸等の一価不飽和酸、これらの一価不飽和酸
のメチルエステル等のアルキルエステル類、マレイン
酸、フマル酸、イタコン酸等の二価不飽和酸、これらの
二価不飽和酸のアルキルエステル類、塩化ビニリデン等
のビニリデン化合物、アクリロニトリル等の不飽和ニト
リルなどの一種又は二種以上の混合物が挙げられる。こ
れらの他の単量体は、塩化ビニル単量体に対し、通常、
30重量%以下、好ましくは20重量%以下の割合で使
用されるが、特に制限はない。
【0023】分散剤 本発明方法において使用できる分散剤は、塩化ビニル系
単量体の懸濁重合法で従来一般的に使用されているもの
でよく、特に限定されない。上記分散剤としては、例え
ば部分ケン化ポリ酢酸ビニル(いわゆるポリビニルアル
コール)、ヒドロキシプロピルメチルセルロースなどの
セルロース誘導体、ゼラチンなどの水溶性ポリマー等が
挙げられる。また、分散助剤としてラウリル硫酸ナトリ
ウムなどのアニオン性界面活性剤、ソルビタン脂肪酸エ
ステル類やグリセリン脂肪酸エステル類などの非イオン
性界面活性剤等を使用しても差し支えない。これらの分
散剤あるいは分散助剤は単独で又は2種類以上の組合せ
で用いることができる。また、これらの分散剤の使用量
には特に制限はなく、その種類、撹拌強度、重合温度、
塩化ビニル単量体と共重合させる他の単量体の種類と組
成、目的とする塩化ビニル系重合体の粒径等によって多
少異なるが、一般には塩化ビニル系単量体の総量に対し
て通常0.001〜2重量%、好ましくは0.03〜1
重量%の範囲内で用いられる。
【0024】乳化剤 乳化重合法及び微細懸濁重合法に用いられる乳化剤とし
ては、例えば、高級アルコール硫酸エステル塩(アルカ
リ金属塩、アンモニウム塩)、アルキルベンゼンスルホ
ン酸塩(アルカリ金属塩、アンモニウム塩)、高級脂肪
酸塩(アルカリ金属塩、アンモニウム塩)その他のアニ
オン界面活性剤、ノニオン界面活性剤、及び/またはカ
チオン界面活性剤が挙げられる。これらの界面活性剤
は、1種類を用いてもよいし、2種類以上の併用も可能
である。乳化剤の使用量は、塩化ビニル系単量体に対
し、通常0.1〜3重量%(好ましくは0.3〜1重量
%)の範囲であるが、特に限定されない。また、これら
の乳化剤は、重合用乳化剤とは別に、重合反応終了後に
添加してもよい。
【0025】重合開始剤 本発明方法において使用される重合開始剤は、塩化ビニ
ル系単量体の各重合法で、従来一般的に使用されるもの
でよく、特に限定されない。懸濁重合法で使用される重
合開始剤としては、例えばt−ブチルペルオキシピバレ
ート、t−ブチルペルオキシネオデカノエート、t−ヘ
キシルペルオキシピバレート、t−ヘキシルペルオキシ
ネオデカノエート、α−クミルペルオキシネオデカノエ
ートなどのペルエステル化合物、ジラウロイルペルオキ
シドなどのジアシル又はジアルキルペルオキシド化合
物、ジイソプロピルペルオキシジカーボネート、ジ−2
−エチルヘキシルペルオキシジカーボネートなどのペル
カーボネート化合物、アゾビス(2,4−ジメチルバレ
ロニトリル)、アゾビスイソブチロニトリルなどのアゾ
化合物等が挙げられる。これらの重合開始剤は、単独で
又は2種類以上の組合せで使用することができる。重合
開始剤の使用量は、開始剤の種類や重合温度、所望の反
応時間等によっても異なるが、一般に塩化ビニル系単量
体の総量に対し0.01〜1重量%の範囲である。
【0026】乳化重合法で使用される重合開始剤として
は、過硫酸塩(ナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウ
ム塩)、過酸化水素等の水溶性過酸化物、または、これ
らの水溶性過酸化物と水溶性還元剤(例えば、亜硫酸ナ
トリウム、ピロ亜硫酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウ
ム、アスコルビン酸、ナトリウムホルムアルデヒドスル
ホキシレート等)との組合せからなる水溶性レドックス
系開始剤が例示される。
【0027】微細懸濁重合法で用いられる重合開始剤
は、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビス(2,4−
ジメチルバレロニトリル)、ラウロイルペルオキシド、
t−ブチルペルオキシピバレート等の単量体可溶性(油
溶性)開始剤、または、これらの油溶性開始剤と前記の
水溶性還元剤との組合せからなるレドックス系開始剤が
例示される。
【0028】その他の助剤 更に、本発明方法においては、必要に応じて、塩化ビニ
ル系単量体の重合に使用される重合度調整剤(連鎖移動
剤、架橋剤)、酸化防止剤、pH調整剤、レドックス系
開始剤の活性化剤等の各種重合助剤を適宜添加すること
ができ、これらの各成分の仕込量等は、従来塩化ビニル
系単量体の重合で実施されている一般的な条件で差し支
えない。
【0029】なお、塩化ビニル系単量体の重合に用いら
れる重合度調整剤としては、トリクロルエチレン、四塩
化炭素、2−メルカプトエタノール、オクチルメルカプ
タン等の連鎖移動剤、フタル酸ジアリル、イソシアヌル
酸トリアリル、エチレングリコールジアクリレート、ト
リメチロールプロパントリメタクリレート等の架橋剤が
例示される。
【0030】〈重合方法〉仕込方法 本発明方法を実施するに際して、槽容器(以下「重合
槽」ということもある)への水性媒体、塩化ビニル系単
量体、重合開始剤、懸濁重合法の分散剤、乳化重合法及
び微細懸濁重合法の乳化剤、その他各種重合助剤の仕込
割合及び仕込方法は、特に限定されない。
【0031】重合温度 本発明方法において採用される重合温度は、用いる重合
開始剤の種類、重合方法、重合度調整剤の使用の有無、
目標とする重合度等によっても異なるが、一般に、0〜
90℃、特に40〜70℃の範囲を用いることが多い。
また、反応に際しては、一定温度で重合を行わせても、
或いは、重合の途中で重合温度を変化させてもよい。
【0032】重合停止方法 本発明方法において、重合反応を停止させる方法として
は、いわゆる重合禁止剤や重合停止剤を添加したり、重
合槽から未反応単量体を回収する方法等が例示される。 〈後処理方法〉懸濁重合法で生成した塩化ビニル系重合
体のスラリーの脱水・乾燥等の操作としては、一般に行
われている遠心脱水・流動乾燥等の脱水・乾燥手段でよ
く、特に限定はされない。乳化重合法及び微細懸濁重合
法で生成した塩化ビニル系重合体のラテックスの乾燥等
の操作は、従来から行われている回転円盤や、二流体ノ
ズル等の噴霧ノズルなどを用いる噴霧乾燥等の手段でよ
く、特に限定はされない。また、乾燥処理前にラテック
ス中の水分の一部を予め取り除き、ラテックス中の塩化
ビニル系重合体の濃度を上げる濃縮操作をしてもよい
し、乾燥後の製品を、分級・粉砕する操作を行ってもよ
い。
【0033】
【実施例】次に、本発明方法の具体的態様を実施例を用
いて説明するが、本発明は、その要旨を越えない限り、
以下の実施例によって限定されるものではない。なお、
得られた塩化ビニル系重合体の物性評価は下記の物性測
定方法により行った。物性測定方法 平均重合度及び嵩比重 JIS K 6721に示される方法に準じて求めた。 フィッシュ・アイ(以下、「FE」と略称する) 塩化ビニル系重合体100重量部、可塑剤(DOP)5
0重量部、鉛系粉末安定剤3重量部を、塩化ビニル系重
合体100gをベースとして採取し、ビーカーで予備混
合した後、155℃のロールでそれぞれ4分間、5分
間、7分間混練し、厚さ0.4mmのロールシートを作
成した。得られたロール・シートの一辺5cmの正方形
(面積25cm2 )中に認められるFEの数をそれぞれ
計数して、FE個数とした。
【0034】実施例1 内容積400リットルで、槽容器内壁(即ち温調エレメ
ントの内筒の表面)を電解研磨処理によりRmax1.
2μm程度とした撹拌機付のステンレス製温調エレメン
ト方式の槽容器に塩化ビニル単量体100kg、脱イオ
ン水150kg、分散剤として部分ケン化ポリ酢酸ビニ
ル60g、及び開始剤としてジオクチルペルオキシジカ
ーボネートを40g仕込んだ後、温調エレメントに温水
を循環し、57℃まで加温し重合を開始した。所定の重
合率に達するまでこの温度を保持して重合を実施した。
その後、未反応の塩化ビニル単量体を回収し、生成スラ
リーを抜き出し、換気した上、槽容器を開放して槽容器
内壁へのスケール付着状況を観察した。結果を表−1に
示す。スケール付着状況の観察後、槽容器内壁を低圧の
イオン交換水で洗浄した上で、同条件で次バッチのテス
トを繰り返した。各バッチで得られた塩化ビニル系重合
体について、前記の方法で物性評価を行った。結果を表
−2に示す。
【0035】比較例1 槽容器の形式を内部ジャケット方式とした以外は全て実
施例1と同条件で塩化ビニル単量体の重合反応を行い、
同様の評価を実施した。結果を表−1、表−2に併せて
示す。
【0036】
【表1】 判定基準:○ … 全表面積の10%未満の内壁に付着
が生成 △ … 全表面積の10%以上、50%未満の内壁に付
着が生成 × … 全表面積の50%以上の内壁に付着が生成
【0037】
【表2】
【0038】
【発明の効果】温調エレメント方式の槽容器において、
該エレメントと容器本体との間隙の上下部を封止して間
隙室を形成した構造とし、必要に応じ、この間隙室と重
合槽内との均圧を確保したものを用いて塩化ビニル系単
量体の重合を行うという本発明の方法を採ることにより
以下の効果が達成された。 (1)除熱効率が高く生産性が良い、及び溶接線の露出
が少なく、製品重合体の品質も良い、という温調エレメ
ント方式の重合槽を用いる効果の維持・確保。 (2)温調エレメントと容器内面との間隙への反応混合
物の侵入が防止でき、この部分でのスケール付着や腐食
の恐れが少なくなるので、製品品質が向上し、機器の保
守も容易になるという効果の達成。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明方法の実施に使用される槽容器の一例を
示す縦断面図
【図2】図1の要部拡大図
【図3】本発明方法の実施に使用される槽容器の他の例
を示す縦断面図
【図4】従来の槽容器の例を示す縦断面図
【図5】従来の槽容器の例を示す要部拡大縦断面図
【図6】従来の槽容器の他の例を示す縦断面図
【図7】従来の槽容器の他の例を示す要部拡大縦断面図
【符号の説明】
1 容器本体 2 円筒形胴部 3 底部鏡板 4 頂部鏡板 5A,5B 温調エレメント 6 内筒 7 仕切板 8 外ストリップ 9 熱媒流路 10 熱媒流路入口 11 熱媒流路出口 12 槽容器ノズル 13 隔壁 14 間隙室 15 圧力バランス機構 16,161 連通管 17 バランスピストン H 間隙

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 塩化ビニルまたは塩化ビニルを主体とす
    る共重合可能な単量体の混合物を水性媒体中において重
    合するに際して、該重合を、内筒の外面に直角に仕切板
    を間隔をおいて並設し、仕切板の先端間に外ストリップ
    を跨設することによって、前記内筒と外ストリップとの
    間に仕切板により仕切られた熱媒の流路を有する流路壁
    (以下「温調エレメント」という)を形成し、この温調
    エレメントを容器本体内に外ストリップ側を容器本体の
    内面に対向させて間隔をおいて固定するとともに前記温
    調エレメントの外ストリップ側と容器本体の内面との間
    の間隙の上下部を封止して間隙室を形成した構造の槽容
    器中で行うことを特徴とする塩化ビニル系重合体の製造
    方法。
  2. 【請求項2】 容器本体の内面と温調エレメントの内筒
    とで囲まれた空間(以下「本体室」という)と間隙室と
    を実質的に同圧とした槽容器中で重合を行う請求項1に
    記載の塩化ビニル系重合体の製造方法。
  3. 【請求項3】 本体室と間隙室とを連通管によって連通
    させることによって両者を実質的に同圧とした請求項2
    に記載の塩化ビニル系重合体の製造方法。
  4. 【請求項4】 本体室と間隙室とをバランスピストンを
    介して連通させることによって両者を実質的に同圧とし
    た請求項2に記載の塩化ビニル系重合体の製造方法。
  5. 【請求項5】 本体室内の圧力と間隙室内の圧力とを検
    出し、間隙室内の圧力を制御することによって、両者を
    実質的に同圧とした請求項2に記載の塩化ビニル系重合
    体の製造方法。
  6. 【請求項6】 温調エレメントの熱媒の流路を螺旋状と
    した槽容器中で重合を行う請求項1〜5のいずれか1項
    に記載の塩化ビニル系重合体の製造方法。
  7. 【請求項7】 容器本体の底部鏡面板に対応する温調エ
    レメントの熱媒の流路を螺旋状とし、該底部鏡面板に連
    なる容器本体の胴部に対応する温調エレメントの熱媒の
    流路をその周方向に蛇行させた槽容器中で重合を行う請
    求項1〜5のいずれか1項に記載の塩化ビニル系重合体
    の製造方法。
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