JP3129106B2 - 塩化ビニル系重合体の製造方法 - Google Patents

塩化ビニル系重合体の製造方法

Info

Publication number
JP3129106B2
JP3129106B2 JP06235356A JP23535694A JP3129106B2 JP 3129106 B2 JP3129106 B2 JP 3129106B2 JP 06235356 A JP06235356 A JP 06235356A JP 23535694 A JP23535694 A JP 23535694A JP 3129106 B2 JP3129106 B2 JP 3129106B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
vinyl chloride
polymerization
chamber
control element
temperature control
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP06235356A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH08100003A (ja
Inventor
英人 飯澤
進 加藤
秀一 榊原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Chemical Corp filed Critical Mitsubishi Chemical Corp
Priority to JP06235356A priority Critical patent/JP3129106B2/ja
Priority to AU30391/95A priority patent/AU693221B2/en
Priority to US08/525,295 priority patent/US5741874A/en
Priority to DE69503853T priority patent/DE69503853T2/de
Priority to EP95114154A priority patent/EP0700716B1/en
Priority to CA002157983A priority patent/CA2157983A1/en
Priority to CN95115169A priority patent/CN1129711A/zh
Priority to TW084109526A priority patent/TW291482B/zh
Publication of JPH08100003A publication Critical patent/JPH08100003A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3129106B2 publication Critical patent/JP3129106B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Physical Or Chemical Processes And Apparatus (AREA)
  • Polymerisation Methods In General (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、塩化ビニル系重合体の
製造方法に関し、特に高品質の塩化ビニル系重合体を、
高い生産性で製造することができる塩化ビニル系重合体
の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、塩化ビニル又は塩化ビニルを主
体とする共重合可能な単量体の混合物(以下まとめて
「塩化ビニル系単量体」という)の重合反応に用いられ
る槽容器は、容器本体1′を円筒形胴部の両端に皿形鏡
板を溶接した耐圧密閉容器で形成すると共に、発熱の除
去、或いは、内容物の加熱のためのジャケット17を、
この容器本体1′の外部に付設した外部ジャケット方式
の槽容器(図4)が用いられる。
【0003】この方式の槽容器は、容器本体で耐圧強度
を保持するため、一般に、容器の板厚が厚くなり、容器
本体の壁を通しての熱伝導率が低く、発熱反応である塩
化ビニル系単量体の重合においては、高生産性を得るこ
とが困難であった。また、槽容器を大型化する場合、強
度面から容器本体の壁の板厚を厚くする必要があり、更
に熱伝導率の低下を招くという不都合があった。
【0004】そこで、この熱伝導での不利を解決すべ
く、図5に示すように容器本体1′の内面と直角に仕切
板18を間隔をおいて並設し、仕切板18の先端間に内
ストリップ19を跨設することによって、該内ストリッ
プ19と前記容器本体1′の内面との間に仕切板18に
より仕切られた流路20を形成した内部ジャケット方式
(特開昭57−147502号)の槽容器が提案されて
いる。
【0005】しかしながら、内部ジャケット方式の槽容
器は、熱伝導性に優れる反面、塩化ビニル系単量体の重
合反応時に内容物が接する槽容器内面に、多数存在する
内ストリップ19間の溶接部が表面に露出していること
による不都合な点がある。即ち、溶接部は、その施工上
どうしても表面粗度が粗く、溶接欠陥部分が存在する
が、塩化ビニル系単量体の重合反応では、反応混合物の
接する部分(以下、接液部という)の表面粗度が粗い
と、重合体スケールが付着しやすく、生成したスケール
が剥離し製品中に混入すると、品質の悪化(特に、フィ
ルム等に加工したときに、フィルム中に未溶融物が残
る、いわゆるフィッシュアイ(FE))を引き起こす。
また、品質悪化を招く重合体スケールの付着を防ごうと
する場合、多数存在する溶接線を極度に平滑にしたり、
特別な付着防止・除去技術を導入する必要があるなど、
設備の製作・維持のコストが大きくなる不都合がある。
【0006】また、塩化ビニル系単量体の重合反応で
は、反応の進行に伴い発生する塩化水素による腐食性の
ため、通常、槽容器内面の材質としてステンレス材を用
いるが、ステンレス材の溶接部は溶接による残留応力が
集中しており、容器内面に溶接線が隣接して多数存在す
る内部ジャケット方式の槽容器を用いて、塩化ビニル系
単量体の重合反応を行う場合、反応の進行に伴い発生す
る塩化水素(塩素イオン)による応力腐食割れの懸念が
ある。そのため、この溶接線の劣化程度の検査を、入念
に、かつ継続的に行う必要があり、メンテナンスが煩雑
で、検査費用が嵩むという不都合もある。
【0007】この内部ジャケット方式の槽容器の利点を
生かしつつ不都合点を解決すべく、本発明者らは、先
に、かかる問題のない水性媒体中における塩化ビニル系
重合体の製造方法として、内筒の外面に直角に仕切板を
間隔をおいて並設し、該仕切板の先端間に外ストリップ
を跨設することによって、前記内筒と外ストリップとの
間に仕切板により仕切られた熱媒の流路を有する流路壁
(以下「温調エレメント」という)を形成し、この温調
エレメントを容器本体内に外ストリップ側を容器本体の
内面に対向させて間隔を置いて固定すると共に、前記温
調エレメントの外ストリップ側と容器本体の内面との間
隙の上下を封止して間隙室を形成した構造の槽容器(以
下「温調エレメント方式の槽容器」という)中で、間隙
室の内圧と、容器本体の内面と温調エレメントの内筒と
で囲まれた空間(以下「本体室」という)の内圧とを連
通管等により実質的に等しく保ちつつ、重合反応を行う
方法を提案した。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、本体
室と間隙室とを連通管によって実質的に均圧を保った温
調エレメント方式の槽容器を用いて塩化ビニル系単量体
の重合反応を行うにあたり、連通管のスケールによる閉
塞を防止することによって高品質の塩化ビニル系重合体
を製造し、かつ安全・安定運転が可能となるような方法
を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明の要旨は、
塩化ビニル系単量体の水性媒体中における重合を、内筒
の外面に直角に仕切板を間隔をおいて並設し、仕切板の
先端間に外ストリップを跨設することによって、前記内
筒と外ストリップとの間に仕切板により仕切られた熱媒
の流路を有する流路壁(温調エレメント)を形成し、こ
の温調エレメントを容器本体内に外ストリップ側を容器
本体の内面に対向させて間隔をおいて固定するとともに
前記温調エレメントの外ストリップ側と容器本体の内面
との間の間隙の上下部を封止して間隙室を形成した構造
を有し、かつ該間隙室と、容器本体の内面と温調エレメ
ントの内筒とで囲まれた空間(本体室)とを連通管を介
して連通させた槽容器中で行うに際し、少なくとも重合
反応期間中に連通管から本体室へ液体を供給することを
特徴とする塩化ビニル系重合体の製造方法、に存する。
【0010】以下本発明を詳細に説明する。 〈槽容器〉槽容器本体 本発明方法に使用される温調エレメント方式の槽容器は
次のような構造のものである。即ち、図1〜図3に示す
ように、内筒6の外面に直角に仕切板7を間隔をおいて
並設し、仕切板7の先端間に外ストリップ8を跨設する
ことにより、前記内筒6と外ストリップ8との間に仕切
板7により仕切られた熱媒の流路9を有する温調エレメ
ント5を形成し、この温調エレメント5の外径を槽容器
の内径より小さく形成し、この温調エレメントの外スト
リップ8側を容器本体1の内面に対向させて間隔を置い
て固定する。
【0011】この温調エレメント5の固定は、その中心
線と容器の中心線とがほぼ一致するように行うのが良
く、このとき容器本体の内面と温調エレメントの外面
(即ち外ストリップ側)との間に、両者の径の差に相当
する間隙ができ、これが円周方向にほぼ均一となる。温
調エレメントの下端部は図1に示すように槽容器ノズル
12の周囲の底部鏡板3に連続溶接等により直接固定し
てもよいし、また隔壁を介して固定してもよい。
【0012】温調エレメントの上端部については、通
常、容器の円筒形胴部2または上部鏡板4に隔壁13を
取り付け固定する。このようにして容器本体1の内部に
固定された温調エレメント5の外面と容器本体1の内面
との間には間隔があるので、この間隙の上下部を例えば
直接溶接により又は隔壁13等により封止して間隙室を
形成した構造とする。これによって、反応混合物の上記
間隙への侵入と、これに伴うスケール付着の生成とが防
止できる。
【0013】この間隙の上部及び/又は下部を封止する
ための隔壁等には、温調エレメントの熱による膨張・収
縮を吸収できるような伸縮吸収部を設けておくのが良
く、また塩化ビニル系単量体の重合の際に通常用いられ
る温度や圧力に耐え得るような強度を持たせておく必要
がある。また、温調エレメント及びこれと容器本体との
間隙の上下部を封止するための溶接や隔壁が反応圧等に
より破壊されるのを防ぐため、容器本体の内面(通常、
頂部鏡板及び底部鏡板の部分)と温調エレメントの内筒
とで囲まれた空間(「本体室」)の内圧と間隙室の内圧
とを実質的に同じになるようにするのが保安上好まし
く、このときは上記したほどの隔壁の耐圧強度は必要が
なくなる。この場合、本体室の内圧と間隙室の内圧との
差が1kg/cm2 以下、より好ましくは0.7kg/
cm2 以下となるようにするのが好ましい。
【0014】本発明方法においては、例えば図1、2に
示すような連通管15を用いて本体室の内圧と間隙室の
内圧とを実質的に同じになるようにする。本発明方法で
使用される温調エレメント方式の槽容器は上記の理由か
ら、本体室の内圧と間隙室の内圧とを実質的に同じにす
ることが、生産を安定に継続する上で重要であるが、塩
化ビニル系単量体の重合反応の場合、連通管内へ塩化ビ
ニル系単量体を含む反応混合物が侵入し、そこで重合し
たり、あるいは発泡等により飛散した重合体が連通管内
壁に付着して、徐々にスケールが成長し、やがては連通
管を閉塞状態に至らせてしまい、両者の均圧確保ができ
なくなる恐れがある。
【0015】本発明方法は連通管から本体室へ液体を供
給することにより、塩化ビニル系単量体の反応混合物
や、重合体を連通管内へ付着させず、槽容器内へ洗い流
すことにより、連通管内のスケール生成・付着を防止す
るものである。本発明方法において供給される液体の入
口は、例えば図1のように連通管の槽容器側の開口部近
くに設けることができ、この場合は、液体の入口を連通
管の垂直(立ち上がり)部にするのが好適であり、また
垂直配管内面の全体が濡れるように、ノズル式の供給口
や分散板を設けてもよい。
【0016】また、この液体の入口を、図2のように、
間隙室の下部に設けて、間隙室から連通管を通じて本体
室へ液体を供給する方法も、本発明の目的を達する上
で、より好ましい方法である。この方法を採ることによ
り、本体室に塩化ビニル系単量体や水等の液状成分が仕
込まれた場合に、温調エレメントや本体室と間隙室との
隔壁が受ける液頭分の圧力についても実質的に均圧を保
つことができる。また、この方法により間隙室内の液体
が移動し、入れ替わるため、重合反応中に発生する塩化
水素(塩酸)の間隙室内への侵入や蓄積も防止されるの
で、腐食を防ぐことができ、安全上も好ましいと言え
る。
【0017】供給する液体としては、重合反応の媒体と
して使用される水が好ましく、例えばイオン交換水(脱
イオン水)が挙げられるが、得られる塩化ビニル系重合
体の品質に悪影響がないものであれば、特に限定される
ものではない。液体の供給は、少なくとも重合反応期間
中に連続的に、または間欠的に行うことが好ましい。
【0018】液体の供給量は、重合反応や品質に悪影響
がなく、また過充填等の弊害がない限り特に限定される
ものではないが、他の部位から本体室へ供給される液体
の量を含めて、供給液体の総量が塩化ビニル系単量体が
重合することによる体積減少分を超えないようにするの
が好ましい。液体の供給は通常ポンプによって行うが、
加圧系への圧入が可能であれば、形式等は特に限定され
るものではなく、渦巻きポンプ等のポンプが使用でき
る。また、プランジャポンプは加圧系への圧入も可能
で、かつ定量性も備えていて好適である。
【0019】温調エレメント5内での熱媒の流路は、図
1に示すように、螺旋状としてもよいし、また底部鏡板
部は螺旋状、容器本体胴部は周方向の蛇行状としてもよ
く、特に限定されない。流路に流す熱媒としては、加熱
用には蒸気、温水等が用いられ、冷却用には、工業用水
等の常温水、別途冷凍機で冷却された水、エチレングリ
コール等の冷媒、フロン等の低温沸点冷媒等が使用でき
るが、いずれも特に限定されない。
【0020】内筒6の板厚は、必要とされる強度と仕切
板7の間隔とに依存するが、容器本体1の胴長に比べて
仕切板7の間隔は小さいので、内筒6の板厚は小さくで
きる。内筒6の材質は、前述したように、塩化ビニル系
単量体の反応混合物と接する部分の耐食性を考慮して、
ステンレス材(ステンレス無垢材、ステンレス・炭素鋼
クラッド材など、特にSUS304やSUS316Lが
好ましい)やガラスライニング材等が用いられるが、耐
食性があって塩素イオンによる応力腐食割れに耐性のあ
る材質であれば、特に限定されるものではない。
【0021】スケール付着防止の観点から内筒6の表面
は平滑であるのが好ましく、該表面を平滑にする方法と
しては、通常、工業的に実施されるバフ仕上げ、電解研
磨等の方法を用いることができ、特に限定されない。ま
た、その表面粗度としては、Rmaxで通常10μm以
下、好ましくは3μm以下、より好ましくは1μm以下
がよい。Rmaxの測定は、JIS B 0601にて
規定された方法を用いればよい。槽容器付帯設備 本発明方法において用いられる槽容器(重合槽)付帯機
器である撹拌翼やバッフルなどの形状は、特に限定され
るものではなく、従来の塩化ビニル系単量体の懸濁重合
法、乳化重合法又は微細懸濁重合法で、一般的に使用さ
れている設備・機器を使用することができる。
【0022】〈重合処方〉塩化ビニル系単量体の水性媒
体中での重合方法には、一般に懸濁重合法と乳化重合法
並びに微細懸濁重合法とがある。塩化ビニル系単量体の
懸濁重合は、通常、塩化ビニル系単量体を分散剤を含有
する水性媒体中で、油溶性重合開始剤の存在下に重合さ
せることによって実施される。塩化ビニル系単量体の乳
化重合は、塩化ビニル系単量体を水性媒体中で、乳化剤
及び水溶性重合開始剤の存在下に、また、微細懸濁重合
は、塩化ビニル系単量体を水性媒体中で、乳化剤及び油
溶性重合開始剤の存在下に、均質化処理の上、重合させ
ることによって実施される。
【0023】単量体 本発明方法において使用される塩化ビニル系単量体と
は、塩化ビニル単量体単独及び塩化ビニル単量体を主体
とする共重合可能な単量体の混合物を含む。塩化ビニル
単量体と共重合可能な他の単量体としては、従来一般的
に用いられているものを使用することができ、特に限定
されない。上記の他の単量体としては、例えば、酢酸ビ
ニル、プロピオン酸ビニル、ステアリン酸ビニル等のビ
ニルエステル類、メチルビニルエーテル、エチルビニル
エーテル、オクチルビニルエーテル、ラウリルビニルエ
ーテル、セチルビニルエーテル等のアルキルビニルエー
テル類、エチレン、プロピレン等のα−オレフィン類、
アクリル酸、メタクリル酸等の一価不飽和酸、これらの
一価不飽和酸のメチルエステル、エチルエステル等のア
ルキルエステル類、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸
等の二価不飽和酸、これらの二価不飽和酸のメチルエス
テル、エチルエステル等のアルキルエステル類、塩化ビ
ニリデン等のビニリデン化合物、アクリロニトリル等の
不飽和ニトリルなどの一種又は二種以上の混合物が挙げ
られる。これらの他の単量体は、塩化ビニル単量体に対
し、通常、30重量%以下、好ましくは20重量%以下
の割合で使用されるが、特に制限はない。
【0024】分散剤 本発明方法において使用できる分散剤は、塩化ビニル系
単量体の懸濁重合法で従来一般的に使用されているもの
でよく、特に限定されない。上記分散剤としては、例え
ば部分ケン化ポリ酢酸ビニル(いわゆるポリビニルアル
コール)、ヒドロキシプロピルメチルセルロースなどの
セルロース誘導体、ゼラチンなどの水溶性ポリマー等が
挙げられる。また、分散助剤としてラウリル硫酸ナトリ
ウムなどのアニオン性界面活性剤、ソルビタン脂肪酸エ
ステル類やグリセリン脂肪酸エステル類などの非イオン
性界面活性剤等を使用しても差し支えない。これらの分
散剤あるいは分散助剤は単独で又は2種類以上の組合せ
で用いることができる。また、これらの分散剤の使用量
には特に制限はなく、その種類、撹拌強度、重合温度、
塩化ビニル単量体と共重合させる他の単量体の種類と組
成、目的とする塩化ビニル系重合体の粒径等によって多
少異なるが、一般には塩化ビニル系単量体の総量に対し
て通常0.001〜2重量%、好ましくは0.03〜1
重量%の範囲内で用いられる。
【0025】乳化剤 乳化重合法及び微細懸濁重合法に用いられる乳化剤とし
ては、例えば、高級アルコール硫酸エステル塩(アルカ
リ金属塩、アンモニウム塩)、アルキルベンゼンスルホ
ン酸塩(アルカリ金属塩、アンモニウム塩)、高級脂肪
酸塩(アルカリ金属塩、アンモニウム塩)その他のアニ
オン界面活性剤、ノニオン界面活性剤、及び/またはカ
チオン界面活性剤が挙げられる。これらの界面活性剤
は、1種類を用いてもよいし、2種類以上の併用も可能
である。乳化剤の使用量は、塩化ビニル系単量体に対
し、通常0.1〜3重量%(好ましくは0.3〜1重量
%)の範囲であるが、特に限定されない。また、これら
の乳化剤を発泡性等の調整用に追加して用いることもで
き、この場合は、重合反応終了後に添加してもよい。
【0026】重合開始剤 本発明方法において使用される重合開始剤は、塩化ビニ
ル系単量体の各重合法で、従来一般的に使用されるもの
でよく、特に限定されない。懸濁重合法で使用される重
合開始剤としては、例えばt−ブチルペルオキシピバレ
ート、t−ブチルペルオキシネオデカノエート、t−ヘ
キシルペルオキシピバレート、t−ヘキシルペルオキシ
ネオデカノエート、α−クミルペルオキシネオデカノエ
ートなどのペルエステル化合物、ジラウロイルペルオキ
シドなどのジアシル又はジアルキルペルオキシド化合
物、ジイソプロピルペルオキシジカーボネート、ジ−2
−エチルヘキシルペルオキシジカーボネートなどのペル
カーボネート化合物、アゾビス(2,4−ジメチルバレ
ロニトリル)、アゾビスイソブチロニトリルなどのアゾ
化合物等が挙げられる。これらの重合開始剤は、単独で
又は2種類以上の組合せで使用することができる。重合
開始剤の使用量は、開始剤の種類や重合温度、所望の反
応時間等によっても異なるが、一般に塩化ビニル系単量
体の総量に対し0.01〜1重量%の範囲である。
【0027】乳化重合法で使用される重合開始剤として
は、過硫酸塩(ナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウ
ム塩)、過酸化水素等の水溶性過酸化物、または、これ
らの水溶性過酸化物と水溶性還元剤(例えば、亜硫酸ナ
トリウム、ピロ亜硫酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウ
ム、アスコルビン酸、ナトリウムホルムアルデヒドスル
ホキシレート等)との組合せからなる水溶性レドックス
系開始剤が例示される。
【0028】微細懸濁重合法で用いられる重合開始剤
は、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビス(2,4−
ジメチルバレロニトリル)、ラウロイルペルオキシド、
t−ブチルペルオキシピバレート等の単量体可溶性(油
溶性)開始剤、または、これらの油溶性開始剤と前記の
水溶性還元剤との組合せからなるレドックス系開始剤が
例示される。
【0029】その他の助剤 更に、本発明方法においては、必要に応じて、塩化ビニ
ル系単量体の重合に使用される重合度調整剤(連鎖移動
剤、架橋剤)、酸化防止剤、pH調整剤、レドックス系
開始剤の活性化剤等の各種重合助剤を適宜添加すること
ができ、これらの各成分の仕込量等は、従来塩化ビニル
系単量体の重合で実施されている一般的な条件で差し支
えない。
【0030】なお、塩化ビニル系単量体の重合に用いら
れる重合度調整剤としては、トリクロルエチレン、四塩
化炭素、2−メルカプトエタノール、オクチルメルカプ
タン等の連鎖移動剤、フタル酸ジアリル、イソシアヌル
酸トリアリル、エチレングリコールジアクリレート、ト
リメチロールプロパントリメタクリレート等の架橋剤が
例示される。 〈重合方法〉仕込方法 本発明方法を実施するに際して、槽容器(以下「重合
槽」ということもある)への水性媒体、塩化ビニル系単
量体、重合開始剤、懸濁重合法の分散剤、乳化重合法及
び微細懸濁重合法の乳化剤、その他各種重合助剤の仕込
割合及び仕込方法は、特に限定されない。
【0031】重合温度 本発明方法において採用される重合温度は、用いる重合
開始剤の種類、重合方法、重合度調整剤の使用の有無、
目標とする重合度等によっても異なるが、一般に、0〜
90℃、特に40〜70℃の範囲を用いることが多い。
また、反応に際しては、一定温度で重合を行わせても、
或いは、重合の途中で重合温度を変化させてもよい。重合停止方法 本発明方法において、重合反応を停止させる方法として
は、いわゆる重合禁止剤や重合停止剤を添加したり、重
合槽から未反応単量体を回収する方法等が例示される。
【0032】〈後処理方法〉懸濁重合法で生成した塩化
ビニル系重合体のスラリーの脱水・乾燥等の操作として
は、一般に行われている遠心脱水・流動乾燥等の脱水・
乾燥手段でよく、特に限定はされない。乳化重合法及び
微細懸濁重合法で生成した塩化ビニル系重合体のラテッ
クスの乾燥等の操作は、従来から行われている回転円盤
や、二流体ノズル等の噴霧ノズルなどを用いる噴霧乾燥
等の手段でよく、特に限定はされない。また、乾燥処理
前にラテックス中の水分の一部を予め取り除き、ラテッ
クス中の塩化ビニル系重合体の濃度を上げる濃縮操作を
してもよいし、乾燥後の製品を、分級・粉砕する操作を
行ってもよい。
【0033】
【実施例】次に、本発明方法の具体的態様を実施例を用
いて説明するが、本発明は、その要旨を越えない限り、
以下の実施例によって限定されるものではない。 <実施例1>内容積400リットルで、攪拌機を備え、
槽容器内壁(即ち温調エレメントの内筒の表面)を電解
研磨処理によりRmax1.2μm程度とし、間隙室と
本体室とに区分されたステンレス製温調エレメント方式
の槽容器に、図2に示すような連通管を設置し、間隙室
から連通管を通じて注水できるような構造とした。
【0034】この槽容器に塩化ビニル単量体100k
g、脱イオン水150kg、分散剤として部分ケン化ポ
リ酢酸ビニル60g、及び開始剤としてジオクチルペル
オキシジカーボネートを40g仕込んだ後、温調エレメ
ントに温水を循環し、57℃まで加温し重合を開始し
た。重合反応が開始し(重合槽の内温が所定の反応温度
に到達したときを重合反応開始とする)てから未反応の
塩化ビニル単量体の回収を終えるまでの間、間隙室より
槽容器本体内へ連通管を通じて、プランジャポンプによ
り2.5リットル/hrの流量で、総量17.5リット
ルの脱イオン水を供給した。
【0035】所定の重合率に達するまで57℃の反応温
度を保持して重合を実施した。その後、未反応の塩化ビ
ニル単量体を回収し、生成スラリーを抜き出し、換気し
た上、槽容器を開放して槽容器内壁へのスケール付着状
況を観察した。スケール付着状況の観察後、槽容器内壁
を低圧のイオン交換水で洗浄した上で、同条件で次バッ
チのテストを繰り返した。スケール付着状況の観察結果
を表−1に示す。
【0036】
【表1】
【0037】
【発明の効果】温調エレメント方式の槽容器において、
該エレメントと容器本体との間隙の上下部を封止して間
隙室を形成した構造とし、この間隙室と重合槽内との均
圧を連通管によって確保したものを用い、かつ連通管か
ら本体室内に液体を供給しながら塩化ビニル系単量体の
重合を行うという本発明の方法を採ることにより、連通
管内のスケールの発生・成長を防止し、連通管の閉塞を
予防することができる。また、この液体の本体室への供
給を間隙室から連通管を経由して行うことにより本体室
内の反応混合物の液頭分の圧力についても実質的な均圧
が確保できて、安全で安定した運転が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明方法の実施に使用される槽容器の一例を
示す縦断面図。
【図2】本発明方法の実施に使用される槽容器の他の例
を示す縦断面図。
【図3】図1の要部拡大図。
【図4】従来の槽容器の例を示す縦断面図。
【図5】従来の槽容器の例を示す要部拡大縦断面図。
【符号の説明】
1 容器本体 2 円筒形胴部 3 底部鏡板 4 頂部鏡板 5 温調エレメント 6 内筒 7、18 仕切板 8 外ストリップ 9、20 熱媒流路 10 熱媒流路入口 11 熱媒流路出口 12 槽容器ノズル 13 隔壁 14 間隙室 15 連通管 16 液体入口 17 (外部)ジャケット 19 内ストリップ H 間隙
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特許2975832(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08F 2/00 - 2/30 B01J 19/00

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 塩化ビニルまたは塩化ビニルを主体とす
    る共重合可能な単量体の混合物の水性媒体中における重
    合を、内筒の外面に直角に仕切板を間隔をおいて並設
    し、仕切板の先端間に外ストリップを跨設することによ
    って、前記内筒と外ストリップとの間に仕切板により仕
    切られた熱媒の流路を有する流路壁(以下「温調エレメ
    ント」という)を形成し、この温調エレメントを容器本
    体内に外ストリップ側を容器本体の内面に対向させて間
    隔をおいて固定するとともに前記温調エレメントの外ス
    トリップ側と容器本体の内面との間の間隙の上下部を封
    止して間隙室を形成した構造を有し、かつ該間隙室と、
    容器本体の内面と温調エレメントの内筒とで囲まれた空
    間(以下「本体室」という)とを連通管を介して連通さ
    せた槽容器中で行うに際し、少なくとも重合反応期間中
    に連通管から本体室へ液体を供給することを特徴とする
    塩化ビニル系重合体の製造方法。
  2. 【請求項2】 連通管から本体室への液体の供給を、間
    隙室から連通管を通じて行う請求項1に記載の塩化ビニ
    ル系重合体の製造方法。
  3. 【請求項3】 液体を重合反応期間中に連続的に供給す
    る請求項1または2に記載の塩化ビニル系重合体の製造
    方法。
  4. 【請求項4】 供給される液体が水である請求項1〜3
    のいずれか1項に記載の塩化ビニル系重合体の製造方
    法。
  5. 【請求項5】 供給される液体の総量が塩化ビニル系単
    量体が重合することによって減少する体積に相当する量
    以下である請求項1〜4のいずれか1項に記載の塩化ビ
    ニル系重合体の製造方法。
JP06235356A 1994-09-12 1994-09-29 塩化ビニル系重合体の製造方法 Expired - Fee Related JP3129106B2 (ja)

Priority Applications (8)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP06235356A JP3129106B2 (ja) 1994-09-29 1994-09-29 塩化ビニル系重合体の製造方法
AU30391/95A AU693221B2 (en) 1994-09-12 1995-09-01 Method for producing poly (vinyl chloride)
US08/525,295 US5741874A (en) 1994-09-12 1995-09-07 Method for producing poly(vinyl chloride)
EP95114154A EP0700716B1 (en) 1994-09-12 1995-09-08 Method for producing poly(vinyl chloride)
DE69503853T DE69503853T2 (de) 1994-09-12 1995-09-08 Verfahren zur Herstellung von Poly(vinylchlorid)
CA002157983A CA2157983A1 (en) 1994-09-12 1995-09-11 Method for producing poly(vinyl chloride)
CN95115169A CN1129711A (zh) 1994-09-12 1995-09-12 生产聚氯乙烯的方法
TW084109526A TW291482B (ja) 1994-09-12 1995-09-12

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP06235356A JP3129106B2 (ja) 1994-09-29 1994-09-29 塩化ビニル系重合体の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH08100003A JPH08100003A (ja) 1996-04-16
JP3129106B2 true JP3129106B2 (ja) 2001-01-29

Family

ID=16984880

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP06235356A Expired - Fee Related JP3129106B2 (ja) 1994-09-12 1994-09-29 塩化ビニル系重合体の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3129106B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3358354B2 (ja) * 1994-12-21 2002-12-16 三菱化学株式会社 塩化ビニル系重合体の製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JPH08100003A (ja) 1996-04-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5741874A (en) Method for producing poly(vinyl chloride)
JP3129106B2 (ja) 塩化ビニル系重合体の製造方法
JP3129105B2 (ja) 塩化ビニル系重合体の製造方法
JP3129111B2 (ja) 塩化ビニル系重合体の製造方法
JP3129154B2 (ja) 塩化ビニル系重合体の製造方法
JP3129101B2 (ja) 塩化ビニル系重合体の製造方法
JP3358354B2 (ja) 塩化ビニル系重合体の製造方法
JP3358370B2 (ja) 塩化ビニル系重合体の製造方法
JPH08337604A (ja) 塩化ビニル系重合体の製造方法
JP3156535B2 (ja) 塩化ビニル系重合体の製造方法
JPH08169905A (ja) 塩化ビニル系重合体の製造方法
JPH08169906A (ja) 塩化ビニル系重合体の製造方法
JPH0873508A (ja) 塩化ビニル系重合体の製造方法
JPH08337605A (ja) 塩化ビニル系重合体の製造方法
JPH08176208A (ja) 塩化ビニル系重合体の製造方法
JP2001247605A (ja) 塩化ビニル系重合体の製造方法およびその重合装置
JPH0678388B2 (ja) 塩化ビニル系重合体の製造方法
JP3261246B2 (ja) 塩化ビニル系重合体の製造方法
JP2627303B2 (ja) 塩化ビニル系重合体の製造方法
JPH0539310A (ja) 塩化ビニル系重合体の製造方法
JPH0912607A (ja) 塩化ビニル系重合体の製造方法
JPH05339304A (ja) 重合装置
JPH04323202A (ja) 塩化ビニル系重合体の製造方法
JPH04170406A (ja) 塩化ビニル系重合体の製造方法
JPH0952906A (ja) 塩化ビニル系重合体の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081117

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081117

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091117

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101117

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111117

Year of fee payment: 11

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees