JP3156535B2 - 塩化ビニル系重合体の製造方法 - Google Patents
塩化ビニル系重合体の製造方法Info
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Description
製造方法に関し、特に高品質の塩化ビニル系重合体を、
高い生産性で製造することができる塩化ビニル系重合体
の製造方法に関する。
体とする共重合可能な単量体の混合物(以下まとめて
「塩化ビニル系単量体」という)の重合反応に用いられ
る槽容器は、容器本体1′を円筒形胴部の両端に皿形鏡
板を溶接した耐圧密閉容器で形成すると共に、発熱の除
去や内容物の加熱のためのジャケット16をこの容器本
体1′の外部に付設した外部ジャケット方式の槽容器
(図6)が用いられる。
保持するため、一般に容器の板厚が大きくなり、容器本
体の壁を通しての伝熱係数が低く、発熱反応である塩化
ビニル系単量体の重合においては、高い生産性を得るこ
とが困難であった。また、槽容器を大型化する場合、強
度面の必要性から容器本体の壁の板厚を大きくする必要
があり、更に伝熱係数の低下を招くという不都合があっ
た。
く、図7に示すように容器本体1′の円筒形胴部の内面
と直角に仕切板17を間隔をおいて並設し、仕切板17
の先端間に内ストリップ18を跨設することによって、
該内ストリップ18と前記容器本体1′の内面との間に
仕切板17により仕切られた螺旋状の熱媒流路19を形
成した内部ジャケット方式(特開昭57−147502
号)の槽容器が提案されている。該方式の槽容器におい
ては、容器本体1’の内径に比べて仕切板17の間隔を
小さくすることにより耐圧強度を高め、内ストリップ1
8の肉厚を薄くし、伝熱係数を高くすることができる。
は熱伝導性に優れる反面、塩化ビニル系単量体の重合反
応時に内容物が接する槽容器内面に、多数存在する内ス
トリップ18相互間の溶接部が表面に露出していること
による不都合な点がある。即ち、溶接部はその施工上表
面粗度が粗く、溶接欠陥部分が存在するが、塩化ビニル
系単量体の重合反応では、反応混合物の接する部分(以
下、「接液部」という)の表面粗度が粗いと、重合体ス
ケールが付着しやすく、また付着・生成したスケールが
剥離し製品中に混入すると、品質の悪化(特に、フィル
ム等に加工したときに、フィルム中に未溶融物が残る、
いわゆるフィッシュアイ(FE))を引き起こす。この
ような品質悪化を招く重合体スケールの付着を防ごうと
する場合、多数存在する溶接線を極度に平滑にしたり、
特別な付着防止・除去技術を導入する必要があるなど、
設備の製作・維持のコストが大きくなる不都合がある。
は、反応の進行に伴い発生する塩化水素による腐食を防
ぐため、槽容器内面の材質としてステンレス材を用いる
例が多いが、ステンレス材の溶接部は溶接による残留応
力が集中している。このため、容器内面に溶接線が隣接
して多数存在する内部ジャケット方式の槽容器を用いて
塩化ビニル系単量体の重合反応を行う場合、この塩化水
素(塩素イオン)による応力腐食割れの懸念があるの
で、溶接線の劣化程度の検査を入念にかつ継続的に行う
必要があり、メンテナンスが煩雑で検査費用が嵩むとい
う不都合もある。
解決すべく、本発明者らは、先にかかる問題のない水性
媒体中における塩化ビニル系重合体の製造方法として、
内板の外面に直角に仕切板を間隔をおいて並設し、該仕
切板の先端間に外ストリップを跨設することによって、
前記内板と外ストリップとの間に仕切板により仕切られ
た熱媒の流路を有する流路壁(以下「温調エレメント」
という)を形成し、この温調エレメントを容器本体内に
外ストリップ側を容器本体の内面に対向させて間隔をお
いて固定した構造の槽容器(以下「温調エレメント方式
の槽容器」という)中で塩化ビニル系単量体の重合反応
を行う方法を提案した。
エレメント方式の槽容器中で塩化ビニル系重合体を製造
する際に、温調エレメントの下部の形状を改良すること
により、高品質の塩化ビニル系重合体を製造する方法を
提供することにある。
塩化ビニル系単量体の水性媒体中における重合を、内板
の外面に直角に仕切板を間隔をおいて並設し、該仕切板
の先端間に外ストリップを跨設することによって、前記
内板と外ストリップとの間に仕切板により仕切られた熱
媒の流路を有する流路壁(温調エレメント)を形成し、
この温調エレメントを容器本体内に外ストリップ側を容
器本体の内面に対向させて間隔をおいて固定した槽容器
中で行うに際し、槽容器本体の円筒形胴部の温調エレメ
ントに接続して、該槽容器本体の底部鏡板部分に槽容器
底部中心側に向かって傾斜した形状の温調エレメント
(但し、螺旋状の熱媒流路を除く)が設けられた槽容器
を用いることを特徴とする塩化ビニル系重合体の製造方
法、に存する。以下、本発明について詳細に説明する。
(以下「重合槽」ということもある)は次のような構造
のものである。
外面に直角に仕切板7を間隔をおいて並設し、仕切板7
の先端間に外ストリップ8を跨設することにより、前記
内板6と外ストリップ8との間に仕切板7により仕切ら
れた熱媒の流路9を有する温調エレメント5を形成す
る。この温調エレメント5の外径を槽容器の内径より小
さく製作し、その外ストリップ8側を容器本体1の内面
に対向させて間隔をおいて固定して温調エレメント方式
の槽容器を構成する。この時、容器の円筒形胴部(以下
「直胴部」ということもある)については円筒状の温調
エレメントを用い、また容器の底部鏡板部分には、この
直胴部の温調エレメントに接続して、該槽容器底部中心
側に向かって傾斜した形状の温調エレメント(以下、こ
のような容器の底部鏡板部分に設けられた温調エレメン
トを「底部温調エレメント」という。)を設置する。
槽容器の底部中心に向かって円錐形もしくは円錐台状5
a(図1)、皿形状5b(図3)あるいは半球状5c
(図4)等に形成するのが良く、かつ槽容器本体の底部
鏡板と相似形となっているのがより好ましい。また、塩
化ビニル系単量体の重合には通常円筒形の直胴部の上下
部に皿形鏡板を溶接した形式の槽容器が多く用いられて
おり、撹拌強度等に関し従来の知識を活かした設計を容
易に行えることから、図3に示すような皿形状の底部形
状が特に好ましい。
温調エレメントとの接続部は、連続溶接や接続板を用い
る等の方法で、両方の温調エレメントの内板面同士が隙
間なく接合されたものであるのが好ましい。このような
形状を取ることにより、図5に示すような直胴部に円筒
形の温調エレメント5のみが設置された槽容器において
生じる温調エレメント下端部及び/またはこれを固定す
る隔壁13と底部鏡板3とに挟まれた空間がなくなるの
で、反応時の反応混合物の滞留が少なくなり、かつ洗浄
を容易に行うことができ、スケール付着の可能性が低く
なる。
線と容器の中心線とがほぼ一致するように行うのが良
く、このとき容器本体の内面と温調エレメントの外面
(即ち外ストリップ側)との間には両者の大きさの差に
相当する間隙ができる。この間隙に重合反応中に反応混
合物が侵入してスケールを形成するのを防止するため、
その上下の開口部を封止しておくことがより好ましい。
エレメントの下端部については図1に示すように槽容器
ノズル12の周囲の底部鏡板3に連続溶接等により直接
封止しても、また図3及び図4に示すように隔壁を介し
て封止してもよい。また温調エレメントの上端部につい
ては、通常、容器の直胴部2または頂部鏡板4に隔壁1
3を取り付け封止する。
れた温調エレメント5の外面と容器本体1の内面との間
には間隙室が形成された構造となり、反応混合物の上記
間隙への侵入と、これに伴うスケール付着の生成とが防
止できる。この間隙の上部及び/又は下部を封止するた
めの隔壁等には、温調エレメントの熱による膨張・収縮
を吸収できるような伸縮吸収部を設けておくのが良く、
また塩化ビニル系単量体の重合の際に通常用いられる温
度や圧力に耐え得るような強度を持たせておく必要があ
る。
との間隙の上下部を封止するための溶接や隔壁が反応圧
等により破壊されるのを防ぐため、容器本体の内面(主
に頂部鏡板の部分)と温調エレメントの内板とで囲まれ
た空間(以下「本体室」という)の内圧と間隙室の内圧
とを実質的に同じになるようにするのが保安上好まし
く、このときは上記したほどの隔壁の耐圧強度は必要が
なくなる。この場合、本体室の内圧と間隙室の内圧との
差が3Kg/cm2以下、好ましくは1Kg/cm2以下、より好ま
しくは0.7Kg/cm2以下となるようにするのがよい。
めの方法としては、例えば図1に示すような連通管を用
いて両室を連通させて均圧を確保する方法、隔壁に開口
部を設ける方法、あるいは本体室及び間隙室の内圧を検
出し、間隙室内の圧力を本体室の内圧と実質的に同じに
なるように別途設置した加圧・減圧装置により調節する
方法等があるが、特に限定されるものではなく、またこ
れらを組み合せて用いてもよい。
シリンダー方式等のバランスピストン方式の均圧器や、
ベローズやダイヤフラム等の隔膜方式の均圧器を介して
本体室と間隙室を連結して両室の内圧の差を小さくして
もよい。このような連通管等の均圧設備を用いた場合、
その槽容器側の開口部を介して水等の液体を本体室へ注
入することにより、この開口部及びその周辺へのスケー
ル付着や閉塞を防止する処置を講じておくことが好まし
い。
1に示すように単一の螺旋状としてもよいし、底部鏡板
部は螺旋状、容器本体胴部は周方向は蛇行状とするなど
複数の流路で形成してもよく、また流路を複数に区分し
てもよい。流路に供給する熱媒としては、加熱用には蒸
気、温水等が用いられ、冷却用には、工業用水等の常温
水、別途冷水塔や冷凍機で冷却された水、エチレングリ
コール等の冷媒、フロン等の低温沸点冷媒等が使用でき
るが、いずれも特に限定されない。
板7の間隔とに依存するが、容器本体1の胴長に比べて
仕切板7の間隔は小さいので、内板6の厚さを薄くし
て、高い伝熱係数を得ることができる。内板6の材質
は、前述したように接液部の耐食性を考慮して、ステン
レス材(ステンレス無垢材、ステンレス・炭素鋼クラッ
ド材など、特にSUS316Lが好ましい)やガラスラ
イニング材等が用いられるが、塩素イオンによる応力腐
食割れに耐性のある材質であれば、特に限定されるもの
ではない。
は平滑であるのが好ましい。該表面を平滑にするために
は、工業的に通常実施されるバフ仕上げ、電解研磨等の
方法を特に限定することなく用いることができる。ま
た、その表面粗度としては、Rmaxで通常10μm以
下、好ましくは3μm以下、より好ましくは1μm以下
がよい。Rmaxの測定は、JIS B 0601にて
規定された方法を用いればよい。
内容面に溶接部が占める割合は、内部ジャケット方式の
槽容器より著しく少ないので、重合体スケールの付着や
生成が少なく、得られる製品の品質も良好であり、また
応力腐食割れの懸念も少ないので、保守・点検(いわゆ
るメンテナンス)の程度も通常の外部ジャケット方式の
槽容器並のものでよい。
却器を設置してもよい。還流冷却器の形式、材質は特に
限定されるものではなく、ステンレス鋼を接液部の材質
とする多管式熱交換器等の、一般に塩化ビニル系単量体
の重合に使用される還流冷却器を使用すればよい。伝熱
面積は生産品種の要求品質、除熱負荷の程度、負荷制御
の方式に応じて決定すればよい。負荷制御の方式として
は、一般に用いられている方法でよく、還流冷却器に供
給する冷却媒体の量やその温度で制御する方法などが用
いられる。
設置するが、槽容器本体の頂部鏡板に接続配管を介して
竪型に設置するのが、飛散した重合体の滞留や固着を防
ぐ上で好適である。その他の槽容器(重合槽)の付帯機
器である撹拌翼やバッフルなどの形状は、特に限定され
るものではなく、従来の懸濁重合法、乳化重合法又は微
細懸濁重合法で、一般的に使用されている設備・機器を
使用することができる。
合体とは、塩化ビニル系単量体を水性媒体中で重合して
得られる、塩化ビニルを主な構成単位とする重合体のこ
とをいう。塩化ビニル系単量体の水性媒体中での重合方
法には、一般に懸濁重合法と乳化重合法ならびに微細懸
濁重合法とがある。塩化ビニル系単量体の懸濁重合は、
通常、塩化ビニル系単量体を分散剤を含有する水性媒体
中で、油溶性重合開始剤の存在下に重合させることによ
って実施される。
ニル系単量体を水性媒体中で、乳化剤及び水溶性重合開
始剤の存在下に、また、微細懸濁重合は、塩化ビニル系
単量体を水性媒体中で、乳化剤及び油溶性重合開始剤の
存在下に、均質化処理の上重合させることによって実施
される。
は、塩化ビニル単量体単独及び塩化ビニル単量体を主体
とする共重合可能な単量体の混合物を含む。塩化ビニル
単量体と共重合可能な他の単量体としては、従来一般的
に用いられているものを使用することができ、特に限定
されない。上記の他の単量体としては、例えば、酢酸ビ
ニル、プロピオン酸ビニル、ステアリン酸ビニル等のビ
ニルエステル類、メチルビニルエーテル、エチルビニル
エーテル、オクチルビニルエーテル、ラウリルビニルエ
ーテル、セチルビニルエーテル等のアルキルビニルエー
テル類、エチレン等のα−オレフィン類、アクリル酸、
メタクリル酸等の一価不飽和酸、これらの一価不飽和酸
のメチルエステル、エチルエステル等のアルキルエステ
ル類、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸等の二価不飽
和酸、これらの二価不飽和酸のメチルエステル、エチル
エステル等のアルキルエステル類、塩化ビニリデン等の
ビニリデン化合物、アクリロニトリル等の不飽和ニトリ
ルなどの一種又は二種以上の混合物が挙げられる。これ
らの他の単量体は、塩化ビニル単量体に対し、通常、3
0重量%以下、好ましくは20重量%以下の割合で使用
されるが、特に制限はない。
単量体の懸濁重合法で従来一般的に使用されているもの
でよく、特に限定されない。上記分散剤としては、例え
ば部分ケン化ポリ酢酸ビニル(いわゆるポリビニルアル
コール)、ヒドロキシプロピルメチルセルロースなどの
セルロース誘導体、ゼラチンなどの水溶性ポリマー等が
挙げられる。また、分散助剤としてラウリル硫酸ナトリ
ウムなどのアニオン性界面活性剤、ソルビタン脂肪酸エ
ステル類やグリセリン脂肪酸エステル類などの非イオン
性界面活性剤等を使用しても差し支えない。これらの分
散剤あるいは分散助剤は単独で又は2種類以上の組合せ
で用いることができる。また、これらの分散剤の使用量
には特に制限はなく、その種類、撹拌強度、重合温度、
塩化ビニル単量体と共重合させる他の単量体の種類と組
成、目的とする塩化ビニル系重合体の粒径等によって多
少異なるが、一般には塩化ビニル系単量体の総量に対し
て通常0.001〜2重量%、好ましくは0.03〜1
重量%の範囲内で用いられる。
ては、例えば、高級アルコール硫酸エステル塩(アルカ
リ金属塩、アンモニウム塩)、アルキルベンゼンスルホ
ン酸塩(アルカリ金属塩、アンモニウム塩)、高級脂肪
酸塩(アルカリ金属塩、アンモニウム塩)その他のアニ
オン界面活性剤、ノニオン界面活性剤、及び/またはカ
チオン界面活性剤が挙げられる。これらの界面活性剤
は、1種類を用いてもよいし、2種類以上の併用も可能
である。乳化剤の使用量は、塩化ビニル系単量体に対
し、通常0.1〜3重量%(好ましくは0.3〜1重量
%)の範囲であるが、特に限定されない。また、これら
の乳化剤を加工時の発泡性等の調整用に追加して用いて
もよく、この時は重合用乳化剤とは別に、重合反応終了
後に添加してもよい。
ル系単量体の各重合法で、従来一般的に使用されるもの
でよく、特に限定されない。
は、例えばt−ブチルペルオキシピバレート、t−ブチ
ルペルオキシネオデカノエート、t−ヘキシルペルオキ
シピバレート、t−ヘキシルペルオキシネオデカノエー
ト、α−クミルペルオキシネオデカノエートなどのペル
エステル化合物、ジラウロイルペルオキシドなどのジア
シル又はジアルキルペルオキシド化合物、ジイソプロピ
ルペルオキシジカーボネート、ジ−2−エチルヘキシル
ペルオキシジカーボネートなどのペルカーボネート化合
物、アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、ア
ゾビスイソブチロニトリルなどのアゾ化合物等が挙げら
れる。これらの重合開始剤は、単独で又は2種類以上の
組合せで使用することができる。重合開始剤の使用量
は、開始剤の種類や重合温度、所望の反応時間等によっ
ても異なるが、一般に塩化ビニル系単量体の総量に対し
0.01〜1重量%の範囲である。 乳化重合法で使用
される重合開始剤としては、過硫酸塩(ナトリウム塩、
カリウム塩、アンモニウム塩)、過酸化水素等の水溶性
過酸化物、または、これらの水溶性過酸化物と水溶性還
元剤(例えば、亜硫酸ナトリウム、ピロ亜硫酸ナトリウ
ム、亜硫酸水素ナトリウム、アスコルビン酸、ナトリウ
ムホルムアルデヒドスルホキシレート等)との組合せか
らなる水溶性レドックス系開始剤が例示される。
は、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビス(2,4−
ジメチルバレロニトリル)、ラウロイルペルオキシド、
t−ブチルペルオキシピバレート等の単量体可溶性(油
溶性)開始剤、または、これらの油溶性開始剤と前記の
水溶性還元剤との組合せからなるレドックス系開始剤が
例示される。
単量体の重合に使用される重合度調整剤(連鎖移動剤、
架橋剤)、酸化防止剤、pH調整剤、レドックス系開始
剤の活性化剤等の各種重合助剤を適宜添加することがで
き、これらの各成分の仕込量等は、従来塩化ビニル系単
量体の重合で実施されている一般的な条件で差し支えな
い。
れる重合度調整剤としては、トリクロルエチレン、四塩
化炭素、2−メルカプトエタノール、オクチルメルカプ
タン等の連鎖移動剤、フタル酸ジアリル、イソシアヌル
酸トリアリル、エチレングリコールジアクリレート、ト
リメチロールプロパントリメタクリレート等の架橋剤が
例示できる。
塩化ビニル系単量体、重合開始剤、懸濁重合法の分散
剤、乳化重合法及び微細懸濁重合法の乳化剤、その他各
種重合助剤の仕込割合及び仕込方法は、特に限定されな
い。
開始剤の種類、重合方法、重合度調整剤の使用の有無、
目標とする重合度等によっても異なるが、一般に、0〜
90℃、特に40〜70℃の範囲を用いることが多い。
また、反応に際しては、一定温度で重合を行わせても、
或いは重合の途中で重合温度を変化させてもよい。
は、いわゆる重合禁止剤や重合停止剤を添加したり、重
合槽から未反応単量体を回収する方法等が例示される。
ビニル系重合体のスラリーの脱水・乾燥等の操作として
は、一般に行われている遠心脱水・流動乾燥等の脱水・
乾燥手段でよく、特に限定はされない。乳化重合法及び
微細懸濁重合法で生成した塩化ビニル系重合体のラテッ
クスの乾燥等の操作は、従来から行われている回転円盤
や、二流体ノズル等の噴霧ノズルなどを用いる噴霧乾燥
等の手段を用いればよく、特に限定されない。また、乾
燥処理前にラテックス中の水分の一部を予め取り除き、
ラテックス中の塩化ビニル系重合体の濃度を上げる濃縮
操作をしてもよいし、乾燥後の製品を、分級・粉砕する
操作を行ってもよい。
いて説明するが、本発明は、その要旨を越えない限り、
以下の実施例によって限定されるものではない。なお、
得られた塩化ビニル系重合体のフィッシュアイ(以下、
「FE」と略称する)の評価は下記の方法により行い、
FE個数が少ないほど高品質の塩化ビニル系重合体であ
る、と判定した
0重量部、鉛系粉末安定剤3重量部を、塩化ビニル系重
合体100gをベースとして採取し、ビーカーで予備混
合した後、155℃のロールでそれぞれ4分間、5分
間、7分間混練し、厚さ0.4mmのロールシートを作
成した。得られたロール・シートの一辺5cmの正方形
(面積25cm2 )中に認められるFEの数をそれぞれ
計数して、FE個数とした。
拌器を備え、槽容器内壁(及び温調エレメントの内筒の
表面)を電解研磨処理によりRmax1.2μm程度と
し、間隙室と本体室とに区分されたステンレス製の温調
エレメント方式の槽容器に、図3に示すような底部温調
エレメント及び図1に示すような連通管を設置した。
g、脱イオン水150kg、分散剤として部分ケン化ポ
リ酢酸ビニル60g、及び開始剤としてジオクチルペル
オキシジカーボネートを40g仕込んだ後、温調エレメ
ントに温水を循環し、57℃まで加温し重合を開始し
た。所定の重合率に達するまで57℃の反応温度を保持
して重合を実施した後、未反応の塩化ビニル単量体を回
収し、生成スラリーを抜き出し、換気した上、槽容器を
開放して槽容器内壁(溶接部、その他の部位、温調エレ
メント下端隔壁下部)へのスケール付着状況を観察し
た。
低圧のイオン交換水で洗浄した上で、同条件で次バッチ
のテストを繰り返した。スケール付着状況の観察結果を
表−1に示す。各バッチで得られたスラリーを乾燥して
得た塩化ビニル系重合体について、前記の方法でFEの
評価を行った。結果を表−2に示す。
な底部温調エレメントを有しない温調エレメント方式の
槽容器を用いたこと以外は全て実施例1と同じ条件で塩
化ビニル単量体の重合反応を行い、同様の評価を実施し
た。結果を表−1、表−2に併せて示す。
化ビニル系単量体の重合を行う際に、、該槽容器本体直
胴部の温調エレメントに接続して容器本体の底部鏡板部
分に槽容器底部中心側に向かって傾斜した形状の温調エ
レメントが設けられた槽容器を用いるという本発明の方
法を採ることにより、(1)除熱効率が高く生産性が良
い、及び溶接線の露出が少なく、製品重合体の品質も良
い、という温調エレメント方式の重合槽を用いる効果の
維持・確保、及び(2)温調エレメント下端部及び/ま
たはこれを固定する隔壁と底部鏡板とに挟まれた空間が
なくなり、この部分でのスケール付着や腐食の恐れが少
なくなるので、製品品質が向上し、機器の保守も容易に
なる、という効果を得ることができた。
方式の槽容器の一例を示す縦断面図
方式の槽容器の他の例を示す要部縦断面図
方式の槽容器の他の例を示す要部縦断面図
容器の一例を示す縦断面図
エレメント) 6 内板 7、17 仕切板 8 外ストリップ 9、19 熱媒流路 10 熱媒流路入口 11 熱媒流路出口 12 槽容器ノズル 13 隔壁 14 間隙室 15 連通管 16 (外部)ジャケット 18 内ストリップ H 間隙
Claims (6)
- 【請求項1】 塩化ビニルまたは塩化ビニルを主体とす
る共重合可能な単量体の混合物の水性媒体中における重
合を、内板の外面に直角に仕切板を間隔をおいて並設
し、該仕切板の先端間に外ストリップを跨設することに
よって、前記内板と外ストリップとの間に仕切板により
仕切られた熱媒の流路を有する流路壁(以下「温調エレ
メント」という)を形成し、この温調エレメントを容器
本体内に外ストリップ側を容器本体の内面に対向させて
間隔をおいて固定した槽容器中で行うに際し、槽容器本
体の円筒形胴部の温調エレメントに接続して、槽容器本
体の底部鏡板部分に槽容器底部中心側に向かって傾斜し
た形状の温調エレメント(但し、螺旋状の熱媒流路を除
く)が設けられた槽容器を用いることを特徴とする塩化
ビニル系重合体の製造方法。 - 【請求項2】 槽容器本体の底部鏡板部分に設けられた
温調エレメントの形状が円錐形または円錐台形となって
いる請求項1に記載の塩化ビニル系重合体の製造方法。 - 【請求項3】 槽容器本体の底部鏡板部分に設けられた
温調エレメントの形状が皿形状となっている請求項1に
記載の塩化ビニル系重合体の製造方法。 - 【請求項4】 槽容器本体の底部鏡板部分に設けられた
温調エレメントの形状が半球状となっている請求項1に
記載の塩化ビニル系重合体の製造方法。 - 【請求項5】 温調エレメントの形状が槽容器の底部鏡
板と相似形となっている請求項1〜4のいずれか1項に
記載の塩化ビニル系重合体の製造方法。 - 【請求項6】 温調エレメントの外ストリップ側と槽容
器本体の内面との間の間隙の上下部を封止して間隙室を
形成した構造を有し、かつこの槽容器本体の内面と温調
エレメントの内板とで囲まれた空間と間隙室とを実質的
に同圧とした槽容器を用いる請求項1〜5のいずれか1
項に記載の塩化ビニル系重合体の製造方法。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP00663595A JP3156535B2 (ja) | 1995-01-19 | 1995-01-19 | 塩化ビニル系重合体の製造方法 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP00663595A JP3156535B2 (ja) | 1995-01-19 | 1995-01-19 | 塩化ビニル系重合体の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08193102A JPH08193102A (ja) | 1996-07-30 |
JP3156535B2 true JP3156535B2 (ja) | 2001-04-16 |
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1995
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JPH08193102A (ja) | 1996-07-30 |
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