JPH0578406A - 塩化ビニル系重合体の製造方法 - Google Patents

塩化ビニル系重合体の製造方法

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JPH0578406A
JPH0578406A JP3269003A JP26900391A JPH0578406A JP H0578406 A JPH0578406 A JP H0578406A JP 3269003 A JP3269003 A JP 3269003A JP 26900391 A JP26900391 A JP 26900391A JP H0578406 A JPH0578406 A JP H0578406A
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正 天野
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稔 重光
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】本発明はポロシティが高く可塑剤吸収性に優れ
成形品のフィシュアイを抑制した粒度分布の狭い高品質
の塩化ビニル系重合体の製造方法を提供する。 【構成】この方法は塩化ビニル系単量体と油溶性重合開
始剤とを塩化ビニル系単量体 100重量部当り合わせて0.
03〜0.15重量部のA)平均重合度1500〜2700、ケン化度
75〜99モル%の部分ケン化ポリビニルアルコールとB)
メトキシ置換度26〜30重量%、ヒドロキシプロポキシ置
換度4〜15重量%、2重量%水溶液の20℃における粘度
5〜 4000cpsのヒドロキシプロピルメチルセルロースお
よびC)A,B両成分と同量であって、その1〜5重量
倍の平均重合度150〜 600、ケン化度20〜55モル%の部
分ケン化ポリビニルアルコールからなる分散安定剤の存
在下に水性媒体中で懸濁重合し、重合転化率が10〜60%
に達した時点で、さらに当初の仕込み単量体の2〜10重
量%に相当する量の単量体を添加するものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は塩化ビニル系重合体の製
造方法、とくには気孔率(ポロシティ)が高く、可塑剤
吸収性がよく、フィシュアイの少ない成形品を得ること
ができる塩化ビニル系重合体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】塩化ビニル系重合体は物理的性質に優れ
た有用な樹脂で、硬質および軟質の材料として広く利用
されている。この内軟質の分野では種々の可塑剤が使用
されるため、塩化ビニル系重合体に要求される重要な特
性の一つとして可塑剤吸収性に優れていることが挙げら
れる。この要求に応えるには塩化ビニル系重合体の粒子
をより多孔性にしなければならない。
【0003】可塑剤吸収性に優れた塩化ビニル系重合体
の製造方法はこれまでに多数提案されている。例えば、
特開昭52 -115890号公報にはケン化度37〜70モル%、重
合度160〜 500の部分ケン化ポリビニルアルコールの存
在下に塩化ビニルの懸濁重合を行うことにより、また特
開昭57-14607号および同60 -229907号公報には界面活性
剤または低ケン化度のポリビニルアルコールを分散剤と
して重合を始めた後、所定の重合率に達した時点でさら
に水溶性の分散剤を追加して重合を行うことにより、そ
れぞれ多孔性の塩化ビニル系重合体を得ている。
【0004】これらの方法によれば、確かにある程度多
孔性で可塑剤吸収性に優れた塩化ビニル系重合体が得ら
れるが、重合中、とくに重合末期に見掛けのスラリー粘
度が上昇するため、攪拌負荷が過大となったり重合系が
不均一となり重合器ジャケットの熱交換能力が低下す
る。その結果、重合器内に粗粒を生じたり器内の温度が
上昇し、得られる重合体の粒度分布が広くなり、フィッ
シュアイも増加していた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】したがって、本発明の
目的はポロシティが高く、可塑剤吸収性に優れ、成形品
のフィシュアイを有効に抑制することができ、粒度分布
の狭い高品質の塩化ビニル系重合体を製造する方法を提
供するにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、特定の部分ケ
ン化ポリビニルアルコールとヒドロキシプロピルメチル
セルロースとからなる分散安定剤を用いて塩化ビニル系
単量体を水性媒体中に懸濁分散させると共に、重合開始
後、一定のタイミングで一定量の塩化ビニル系単量体を
追加するという手段を採用することによって上記課題を
解決したものである。
【0007】すなわち本発明の塩化ビニル系重合体の製
造方法は、塩化ビニル系単量体と油溶性重合開始剤とを
分散安定剤の存在下に水性媒体中で懸濁重合するに際
し、前記分散安定剤として(A)平均重合度が1500〜27
00、ケン化度が75〜99モル%の部分ケン化ポリビニルア
ルコールと(B)メトキシ置換度が26〜30重量%、ヒド
ロキシプロポキシ置換度が4〜15重量%で、その2重量
%水溶液の20℃における粘度が5〜 4000cpsであるヒド
ロキシプロピルメチルセルロースとを、合わせて塩化ビ
ニル系単量体の全仕込み量 100重量部当り0.03〜0.15重
量部使用すると共に、(C)平均重合度が 150〜 600、
ケン化度が20〜55モル%の部分ケン化ポリビニルアルコ
ールを、塩化ビニル系単量体の全仕込み量 100重量部当
り0.03〜0.15重量部であって、(A),(B)両成分の
1〜5重量倍使用し、重合開始後、重合転化率が10〜60
%に達した時点で、さらに当初の仕込み単量体の2〜10
重量%に相当する量の単量体を添加することを特徴とす
るものである。
【0008】以下、本発明をさらに詳細に説明する。本
発明において塩化ビニル系単量体を水性媒体中に懸濁分
散させるために使用される分散安定剤は、上述した
(A)、(C)2種の部分ケン化ポリビニルアルコール
と(B)のヒドロキシプロピルメチルセルロースとから
なる。
【0009】この分散安定剤は(A)部分ケン化ポリビ
ニルアルコールと(B)ヒドロキシプロピルメチルセル
ロースとの合計量として、塩化ビニル系単量体の全仕込
み量100重量部当り0.03〜0.15重量部の割合で使用され
る。この(A)、(B)両成分の使用割合は、重量基準
でA/B=9/1〜1/10の範囲とするのが好適であ
る。(A)成分の使用量が上記範囲よりも多いとフィシ
ュアイが多くなり、また上記範囲よりも少ないと重合末
期における攪拌負荷が大きくなり、得られる重合体に粗
粒を生じたり、粒度分布が広くなるので好ましくない。
【0010】(C)の部分ケン化ポリビニルアルコール
は(A)、(B)両成分の使用量に対し重量基準で1〜
5倍の範囲内で、また塩化ビニル系単量体の全仕込み量
100重量部当り0.03〜0.15重量部の割合で使用される。
【0011】(A)成分としての部分ケン化ポリビニル
アルコールは、平均重合度が1500〜2700、ケン化度が75
〜99モル%のものであることが必要とされ、その平均重
合度が1500より低いかケン化度が75モル%より低いと、
懸濁系が不安定となって得られる重合体の粒度分布が広
くなって、粗粒化したりフィシュアイが増大したりする
ようになる。また平均重合度が2700よりも高いかケン化
度が99モル%を超えるときも同様にフィシュアイが増大
する。
【0012】(B)成分としてのヒドロキシプロピルメ
チルセルロースは、メトキシ置換度が26〜30重量%、ヒ
ドロキシプロポキシ置換度が4〜15重量%で、その2重
量%水溶液の20℃における粘度が5〜 4000cpsのもので
あることが必要とされ、このメトキシ置換度が26重量%
より低いかヒドロキシプロポキシ置換度が4重量%より
低いと、同様にフィッシュアイが増大し、またメトキシ
置換度が30重量%より高いかヒドロキシブロポキシ置換
度が15重量%を超えると、得られる重合体粒子の粒度分
布が広くなる。
【0013】(C)成分としての部分ケン化ポリビニル
アルコールは、平均重合度が 150〜600、ケン化度が20
〜55モル%のものであることが必要とされ、この平均重
合度が 150よりも低いかケン化度が20モル%より小さい
と、得られる重合体粒子の粒度分布が広くなって粗粒化
したり重合器内にスケールが付着したりする。また平均
重合度が 600を超えるかケン化度が55モル%より高くな
ると、可塑剤吸収性が低下し重合体成形品のフィッシュ
アイが増加する。
【0014】これら分散安定剤の重合系への仕込み方法
は、(A)、(B)両成分のように水溶性のものでは水
に溶かして添加するのが好ましく、(C)成分のような
低ケン化度の部分ケン化ポリビニルアルコールでは、そ
のまま直接添加する方法、メタノール、アセトン、酢酸
メチル、酢酸エチル等の溶剤または水/メタノール等の
混合溶媒に溶解して添加する方法、水性エマルジョンと
して添加する方法など任意に選択することができる。
【0015】本発明の方法ではまた、重合開始後、重合
転化率が10〜60%、好ましくは30〜60%に達した時点
で、さらに当初の仕込み単量体の2〜10重量%に相当す
る量の単量体を添加するのであるが、このとき重合転化
率が10%未満では粒子径が細かくなったり粗粒が生じた
りして懸濁系が不安定となり、また60%を超えると重合
系の粘度上昇を抑制することができず、重合成形品のフ
ィッシュアイが増大する。
【0016】同様に、添加量が仕込み単量体の2重量%
未満のときも重合系の粘度上昇を抑制することができず
重合成形品のフィッシュアイが増加し、10重量%を超え
ると可塑剤吸収性が低下するので好ましくない。この単
量体の添加方法は上記重合転化率の間に連続的あるいは
間けつ的に添加しても、また一括して添加してもよい。
なお、重合転化率は重合を開始してからの経過時間によ
って、ほぼ正確に推定することができる。
【0017】なお、本発明の重合系で使用される水性媒
体の量としては、当初の仕込み単量体 100重量部に対し
120〜 170重量部、好ましくは 130〜 150重量部であっ
て、これが 120重量部未満では懸濁系が不安定となって
粗粒が発生し易くなり、 170重量部を超えると重合器中
に仕込める単量体の量が相対的に減少して生産性が向上
せず経済性が失われる。
【0018】本発明の方法で重合される塩化ビニル系単
量体としては、塩化ビニル単独のほか、塩化ビニルを主
体とするこれと共重合可能なビニル系単量体の混合物
(通常塩化ビニルが50重量%以上)が包含される。この
塩化ビニルと共重合されるコモノマーとしては、エチレ
ン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキ
セン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−
デセン、1−ウンデセン、1−ドデセン、1−トリデセ
ン、1−テトラデセンなどのα−オレフィン;アクリル
酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチルなどのアクリ
ル酸またはそのエステル;メタクリル酸、メタクリル酸
メチルなどのメタクリル酸またはそのエステル;マレイ
ン酸またはそのエステル;酢酸ビニル、プロピオン酸ビ
ニルなどのビニルエステル;ラウリルビニルエーテル、
イソブチルビニルエーテルなどのビニルエーテル;無水
マレイン酸;アクリロニトリル;スチレン;塩化ビニリ
デン;その他塩化ビニルと共重合可能な単量体などが挙
げられ、これらは単独または2種以上の組合せで用いら
れる。
【0019】本発明において用いられる重合開始剤は従
来塩化ビニル系の重合に使用されているものでよく、こ
れには例えばジイソプロピルパーオキシジカーボネー
ト、ジ−2−エチルヘキシルパーオキシジカーボネー
ト、ジエトキシエチルパーオキシジカーボネートなどの
パーカーボネート化合物;t−ブチルパーオキシネオデ
カネート、t−ブチルパーオキシピバレート、t−ヘキ
シルパーオキシピバレ−ト、α−クミルパーオキシネオ
デカネート、2, 4, 4−トリメチルペンチル−2−パ
ーオキシ−2−ネオデカネートなどのパーエステル化合
物;アセチルシクロヘキシルスルホニルパーオキシド、
2, 4, 4−トリメチルペンチル−2−パーオキシフェ
ノキシアセテート、3, 5, 5−トリメチルヘキサノイ
ルパーオキシド、ラウロイルパーオキシドなどの過酸化
物;アゾビス−2, 4−ジメチルバレロニトリル、アゾ
ビス(4−メトキシ−2, 4−ジメチルバレロニトリ
ル)などのアゾ化合物等を、単独または2種以上の組み
合わせで使用することができる。また、これらの油溶性
触媒には過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過酸化
水素、キュメンハイドロパーオキシド等の水溶性触媒
を、単独または2種以上の組み合わせで併用することも
できる。
【0020】これら重合開始剤の添加量は塩化ビニル系
単量体の全仕込み量 100重量部に対して0.01〜 0.3重量
部が好ましい。この添加方法は通常実施されている方法
でよく、そのまま直接重合器内に投入するか、分散剤を
用いてエマルジョンにして投入するなど、とくに制限さ
れるものではない。
【0021】本発明の塩化ビニル系重合体の製造方法
は、前述したように(A)、(B)、(C)3種類の分
散安定剤を使用すると共に、一定量の単量体を一定のタ
イミングで添加することを除けば、従来公知の方法で行
われる。すなわち、重合器への水性媒体、塩化ビニル単
量体、場合によっては他のコモノマー、分散助剤、重合
開始剤などの仕込み方法、重合温度などは従来と同様に
行えばよい。
【0022】さらにこの重合系には、必要に応じて、塩
化ビニル系の重合に適宜使用される重合調整剤、連鎖移
動剤、pH調整剤、ゲル化改良剤、帯電防止剤、架橋
剤、安定剤、充てん剤、酸化防止剤、緩衝剤、スケール
防止剤などを添加することも任意である。
【0023】
【実施例】以下、本発明の具体的態様を実施例により説
明するが、本発明はこれらの記載に限定されるものでは
ない。 実験 No.1 撹拌器およびジャッケット付きの内容積2000Lのステン
レス製重合器に、脱イオン水 900kg、t−ブチルパーオ
キシネオデカネート 528g、分散安定剤として(A)平
均重合度2600、ケン化度80.2モル%の部分ケン化ポリビ
ニルアルコール336g、(B)メトキシ置換度29.2重量
%、ヒドロキシプロポキシ置換度 8.9重量%で、その2
重量%水溶液の20℃における粘度が49.5cps のヒドロキ
シプロピルメチルセルロース84gおよび(C)平均重合
度 235、ケン化度48モル%の部分ケン化ポリビニルアル
コール 420gを、(A)、(B)は水溶液として、
(C)は水/メタノール=1/1の溶液として、それぞ
れ仕込んだ。次いで重合器内圧が50mmHgになるまで脱気
した後、塩化ビニル 600kgを仕込んだ。
【0024】215rpmで攪拌しながらジャッケットに熱水
を通じて52℃まで昇温させた後、この温度を保ちながら
重合させた。その後、重合転化率が50%に達した時点
で、塩化ビニル単量体48kgを追加して重合を続けた。重
合器内圧が 6.6kg/cm2・Gに低下した時点で未反応単量体
を回収した後、反応混合物であるスラリーを重合器内か
ら取り出し、脱水・乾燥して重合体を得た。
【0025】実験 No.2 実験 No.1において、脱イオン水の添加量を 660kgに変
えたほかは同様にして重合体を得た。
【0026】実験 No.3 実験 No.1において、塩化ビニル単量体の重合中での追
加を行わなかったほかは同様にして重合体を得た。
【0027】実験 No.4 実験 No.1において、塩化ビニル単量体の重合中での追
加量を90kgとしたほかは同様にして重合体を得た。
【0028】実験 No.5 実験 No.1において、塩化ビニル単量体の重合中での追
加量を30kgとしたほかは同様にして重合体を得た。
【0029】実験 No.6 実験 No.1において、塩化ビニル単量体の重合中での追
加時期を重合転化率が70%に達したときとしたほかは同
様にして重合体を得た。
【0030】実験 No.7 実験 No.1において、(A)成分の部分ケン化ポリビニ
ルアルコールの添加量を 420gとし、(B)成分のヒド
ロキシプロピルメチルセルロースを添加しなかったほか
は同様にして重合体を得た。
【0031】実験 No.8 実験 No.1において、(A)成分の部分ケン化ポリビニ
ルアルコールを添加せず、(B)成分のヒドロキシプロ
ピルメチルセルロースの添加量を 420gとしたほかは同
様にして重合体を得た。
【0032】実験 No.9 実験 No.1において、(C)成分の部分ケン化ポリビニ
ルアルコールの添加量を 336gとしたほかは同様にして
重合体を得た。
【0033】実験 No.10 実験 No.1において、(A)成分として平均重合度170
0、ケン化度99.0モル%の部分ケン化ポリビニルアルコ
ール 336gを用いたほかは同様にして重合体を得た。
【0034】実験 No.11 実験 No.1において、(A)成分として平均重合度100
0、ケン化度88.0モル%の部分ケン化ポリビニルアルコ
ール 336gを用いたほかは同様にして重合体を得た。
【0035】実験 No.12 実験 No.1において、(A)成分として平均重合度 77
0、ケン化度72.5モル%の部分ケン化ポリビニルアルコ
ール 336gを用いたほかは同様にして重合体を得た。
【0036】実験 No.13 実験 No.1において、(B)成分としてメトキシ置換度
21.5重量%、ヒドロキシプロポキシ置換度 8.2重量%
で、その2重量%水溶液の20℃における粘度が100cpsの
ヒドロキシプロピルメチルセルロース84gを用いたほか
は同様にして重合体を得た。
【0037】実験 No.14 実験 No.1において、(B)成分としてメトキシ置換度
29.0重量%、ヒドロキシプロポキシ置換度10.0重量%
で、その2重量%水溶液の20℃における粘度が400cpsの
ヒドロキシプロピルメチルセルロース84gを用いたほか
は同様にして重合体を得た。
【0038】実験 No.15 実験 No.1において、(C)成分として平均重合度100
0、ケン化度45.0モル%の部分ケン化ポリビニルアルコ
ール 420gを用いたほかは同様にして重合体を得た。
【0039】実験 No.16 実験 No.1において、(C)成分として平均重合度 50
0、ケン化度81.0モル%の部分ケン化ポリビニルアルコ
ール 420gを用いたほかは同様にして重合体を得た。
【0040】得られた各重合体について下記の方法によ
り嵩比重、粒度分布、可塑剤吸収量および可塑剤吸収時
間を測定すると共に、成形品のフィシュアイ量を測定
し、それらの結果を表1(実験 No.1〜8)および表2
(実験 No.9〜16)に示した。なお、実験 No.1、5、
10および14が本発明、他は対照例である。
【0041】・嵩比重:JIS K-6721にしたがって測定し
た。 ・粒度分布:JIS Z-8801に準じた #60、#100、#200の各
篩を用いて篩分けし、通過量(重量%)を計量した。
【0042】・可塑剤吸収量:内径25mm、深さ85mmのア
ルミニウム合金製容器の底にグラスファイバ−を詰め、
得られた重合体10gを採取して投入する。これにジオク
チルフタレ−ト(DOP)15ccを加え、30分放置してD
OPを樹脂に充分浸透させる。その後1500Gの加速度で
過剰のDOPを遠心分離し、樹脂に吸収されたDOPの
量を樹脂 100重量部当りの値で表した。
【0043】・可塑剤吸収時間:プラストグラフ(プラ
ネタリーミキサー)に重合体粉末 400gを入れ、60rpm
で攪拌しながら4分間予熱して80℃とした後、これにジ
オクチルフタレ−トを 200g添加し、その添加時よりト
ルクの下降した時点までの時間を測定して可塑剤吸収時
間とした。
【0044】・成形品のフィシュアイ量: 得られた重合体 100重量部 ジオクチルフタレート 50 〃 三塩基性硫酸鉛 1 〃 ステアリン酸鉛 1.5〃 二酸化チタン 0.2〃 カーボンブラック 0.1〃 を混合したコンパウンド25gを、 145℃のロールで3分
間混練した後、厚さ 0.2mmのシートに成形した。得られ
たシートの面積100cm2当りの透明粒子数を計数し、これ
をフィシュアイ量とした。
【0045】
【表1】
【0046】
【表2】
【0047】
【発明の効果】本発明によれば、ポロシティが高く、可
塑剤吸収性に優れ、成形品のフィシュアイを有効に抑制
することができ、粒度分布の狭い高品質の塩化ビニル系
重合体を製造することができる。とくに平均重合度1000
が以上で可塑剤吸収量が28重量%以上の軟質用塩化ビニ
ル系重合体の製造に好適である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】塩化ビニル系単量体と油溶性重合開始剤と
    を分散安定剤の存在下に水性媒体中で懸濁重合するに際
    し、水性媒体を当初の仕込み単量体 100重量部に対して
    120〜 170重量部仕込み、前記分散安定剤として(A)
    平均重合度が1500〜2700、ケン化度が75〜99モル%の部
    分ケン化ポリビニルアルコールと(B)メトキシ置換度
    が26〜30重量%、ヒドロキシプロポキシ置換度が4〜15
    重量%で、その2重量%水溶液の20℃における粘度が5
    〜 4000cpsであるヒドロキシプロピルメチルセルロース
    とを、合わせて塩化ビニル系単量体の全仕込み量 100重
    量部当り0.03〜0.15重量部使用すると共に、(C)平均
    重合度が 150〜 600、ケン化度が20〜55モル%の部分ケ
    ン化ポリビニルアルコールを、塩化ビニル系単量体の全
    仕込み量 100重量部当り0.03〜0.15重量部であって、
    (A),(B)両成分の1〜5重量倍使用し、重合開始
    後、重合転化率が10〜60%に達した時点で、さらに当初
    の仕込み単量体の2〜10重量%に相当する量の単量体を
    添加することを特徴とする塩化ビニル系重合体の製造方
    法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2013537251A (ja) * 2010-09-22 2013-09-30 フィンノリト ゲーエムベーハー ウント ツェーオー. カーゲー ポリ塩化ビニル(pvc)樹脂を作製する方法
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