JPH06107712A - 塩化ビニル系重合体の製造方法 - Google Patents

塩化ビニル系重合体の製造方法

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JPH06107712A
JPH06107712A JP27939692A JP27939692A JPH06107712A JP H06107712 A JPH06107712 A JP H06107712A JP 27939692 A JP27939692 A JP 27939692A JP 27939692 A JP27939692 A JP 27939692A JP H06107712 A JPH06107712 A JP H06107712A
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vinyl chloride
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polymer
polyvinyl alcohol
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JP27939692A
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Hideji Onishi
秀二 大西
Tadashi Amano
正 天野
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Shin Etsu Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 塩化ビニルを水性媒体中に懸濁分散させて懸
濁重合を行うことにより塩化ビニル系重合体を製造する
方法において、該懸濁分散のための分散剤として、(A)
けん化度20〜60モル%及びけん化度に関するブロックキ
ャラクタが 0.6以上の部分けん化ポリビニルアルコール
と、(B) けん化度65〜75モル%の部分けん化ポリビニル
アルコールとを組合せで使用し、さらに前記懸濁重合開
始後、重合転化率が5〜60%に達した時に、(C) メトキ
シ置換度26〜30重量%及びヒドロキシプロポキシ置換度
4〜15重量%のヒドロキシプロピルメチルセルロースを
重合系に添加することを特徴とする。 【効果】 重合器壁面への重合体スケールの付着を有効
に抑制しながら、嵩比重が高く、ゲル化速度も速く、さ
らには成形品としたときのフィッシュアイも有効に抑制
された塩化ビニル系重合体を得ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、塩化ビニル系重合体の
懸濁重合による製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】塩化ビニル系重合体は物理的性質に優れ
た樹脂であり、硬質及び軟質の成形材料として広く利用
されている。この塩化ビニル系重合体の成形法として押
出成形法が広く適用されているが、この成形法におい
て、押出機からの押出量を増大させるために、嵩比重の
高い塩化ビニル系重合体の開発が要望されている。
【0003】塩化ビニル系重合体の製法としては、塩化
ビニル単量体を水性媒体中に懸濁分散させて重合を行う
懸濁重合法による製法が知られているが、特に嵩比重の
高い塩化ビニル系重合体を製造するために、かかる懸濁
重合法において、例えば、塩化ビニル単量体を重合の途
中で追加する方法(特開昭59−168008号公報)、塩化ビ
ニル単量体を水性媒体中に懸濁分散させるための分散剤
として、高けん化ビニルアルコールを使用する方法(特
開昭57−7600号公報)等の方法が提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】然しながら、上述した
方法においては、嵩比重の高い塩化ビニル系重合体を得
るという点では満足し得るものの、得られる重合体は多
孔性に乏しくなるため、成形品のフィッシュアイが増加
するという問題があった。また得られる重合体はゲル化
速度が遅くなるため、その成形加工性にも問題があっ
た。また塩化ビニル単量体を水性媒体中に懸濁分散させ
るために使用される分散剤としてはポリビニルアルコー
ル(PVA)が知られている。最近では、このPVAの
研究開発も盛んになされており、例えば低重合度で低け
ん化度のいわゆる油溶性タイプのものや、各種の変性基
を分子中に導入したもの等も分散剤として使用されてい
る。
【0005】然しながら、上記油溶性タイプのPVAを
分散剤として用いると、得られる重合体のゲル化性や、
フィッシュアイについての改良効果は認められるもの
の、嵩比重の高い重合体を得ることが困難となる。また
各種の変性基が分子中に導入されたPVAでは、一般的
に分散安定効果が十分でなく、懸濁分散液中の塩化ビニ
ル単量体等の分散安定性が悪く、これに関連して重合器
内壁に重合体スケールが付着したり、得られる重合体の
粒度がばらつく等の不都合を生じる。
【0006】従って本発明の目的は、懸濁重合法により
塩化ビニル系重合体を製造するに際して、重合器壁面へ
の重合体スケールの付着を有効に抑制しながら、嵩比重
が高く、ゲル化速度も速く、さらには成形品としたとき
のフィッシュアイも有効に抑制された塩化ビニル系重合
体を得ることが可能な方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、塩化ビ
ニルまたは塩化ビニルを含むビニル系単量体混合物を水
性媒体中に懸濁分散させて懸濁重合を行う工程を有する
塩化ビニル系重合体の製造方法において、前記懸濁分散
のための分散剤として、(A) 平均重合度 150〜600 、け
ん化度20〜60モル%及びけん化度に関するブロックキャ
ラクタが 0.6以上の部分けん化ポリビニルアルコール
と、(B) 平均重合度 750〜850 、けん化度65〜75モル%
及び4重量%水溶液の20℃における粘度が5〜10センチ
ポイズ(cps) である部分けん化ポリビニルアルコールと
を組合せで使用し、さらに前記懸濁重合開始後、重合転
化率が5〜60%に達した時に、(C) メトキシ置換度26〜
30重量%、ヒドロキシプロポキシ置換度4〜15重量%及
び2重量%水溶液の20℃における粘度が5〜4000cps で
あるヒドロキシプロピルメチルセルロースを重合系に添
加することを特徴とする塩化ビニル系重合体の製造方法
が提供される。
【0008】即ち、本発明方法においては、塩化ビニル
単量体等の重合成分を水性媒体中に分散させるための分
散剤として、前記 (A)及び (B)のポリビニルアルコール
を組合せで使用することが第1の特徴であり、これによ
り球形度が高く、ポロシティの高い重合体が得られる。
さらに重合開始後一定の段階で前記 (C)のヒドロキシプ
ロピルメチルセルロースを重合系に添加することが第2
の特徴であり、重合途中での重合系の分散粒子の粒度調
整を行うことにより、嵩比重の高い重合体を得ることに
成功したものである。
【0009】ポリビニルアルコール(A) 前記分散剤として使用されるポリビニルアルコール(A)
は、平均重合度 150〜600 及びけん化度20〜60モル%の
部分けん化ポリビニルアルコールである。例えば平均重
合度が 150未満であったり、けん化度が20モル%未満で
あると、得られる重合体の嵩比重が低下するとともに、
重合器内壁への重合体スケールの付着量も多くなる。ま
た平均重合度が 600より大であったり、けん化度が60モ
ル%を超えると、得られる重合体はポロシティの低いも
のとなり、該重合体から得られる成形品はフィッシュア
イ量が多いものとなる。
【0010】またこのポリビニルアルコール(A) は、け
ん化度に関するブロックキャラクタηが 0.6以上である
ことも重要である。このブロックキャラクターηとは、
部分けん化ポリビニルアルコールの残存酢酸基の連鎖分
布状態を表すための指標であり、13C−NMRスペクト
ル中のメチレン領域に現れる3本のピークの解析により
求められる。前記の3本のピークは、左側より(OH,OH)
、(OH,OAc)、(OAc,OAc) に相当する3個の2単位連鎖
構造(dyad)に相当し、その吸収強度は3個の構造に比例
している。ブロックキャラクターηは、式(1): η=(OH,OAc)/[2(OH)(OAc)] (1) 〔式中、(OH,OAc)は、上記の測定から求められる2単位
連鎖構造(OH,OAc)の割合を表し、(OH)は、けん化度を表
し、(OAc) は、残存酢酸基の割合を表し、それぞれ分率
で用いられる。〕で表され、0から2までの値を取るこ
とができる。酢酸基の連鎖分布は、η=0の場合、完全
にブロック的であり、0<η<1の場合、0に近づく程
ブロック性が高く、1に近づく程ランダム性が強い。η
=1の場合は完全にランダムであり、1<η≦2の場合
は残存酢酸基とOH基とが交互に存在することを示す
〔「ポバール」, (株)高分子刊行会、1981年4月1日
改定新版発行, 第 246頁〜第 249頁参照〕。
【0011】即ち、部分けん化ポリビニルアルコールの
界面特性は、残存する酢酸基の量のみならずその分布状
態によっても異なり、例えば同一のけん化度であって
も、残存酢酸基の分布状態が異なれば、界面特性も異な
る。本発明によれば、上記のブロックキャラクターηが
0.6未満であるポリビニルアルコールを使用すると、塩
化ビニル単量体等の重合成分が水性媒体中に安定に懸濁
分散されず、この結果として、得られる重合体は粗粒分
が多くなり、重合体壁へのスケール付着も大となる。
【0012】尚、このブロックキャラクタηが 0.6以上
の部分けん化ポリビニルアルコールは、例えばポリビニ
ルアルコールの再酢化により得ることができ、またメタ
ノーール中でのポリ酢酸ビニルのけん化によっても合成
することができる。一般に、ポリ酢酸ビニルの直接けん
化によっては、 0.6以上のブロックキャラクタを有する
ものを得ることは困難である。本発明において、上記の
ポリビニルアルコール(A) の使用量は、仕込み単量体10
0重量部当り 0.005〜0.3 重量部、特に0.01〜0.1 重量
部とすることが好適である。
【0013】ポリビニルアルコール(B) 前記ポリビニルアルコール(A) と組合せで使用されるポ
リビニルアルコール(B) は、平均重合度 750〜850 、け
ん化度65〜75モル%及び4重量%水溶液としたときの20
℃における粘度が5〜10cps である部分けん化ポリビニ
ルアルコールである。このポリビニルアルコール(B) に
おいて、平均重合度が 750未満であったり、けん化度が
65未満、あるいは上記粘度が5cps よりも低い場合に
は、懸濁系が不安定となり、得られる重合体は粗粒とな
ったり、ブロック状となったりする等の不都合を生じ
る。また平均重合度、けん化度あるいは上記粘度が上述
した範囲よりも高い場合には、得られる重合体粒子の球
形度が上がらず、嵩比重の高いものを得ることができな
い。本発明において、上記のポリビニルアルコール(B)
の使用量は、仕込み単量体100重量部当り0.02〜0.2 重
量部、特に0.03〜0.15重量部とすることが好適である。
【0014】ヒドロキシプロピルメチルセルロース(C) 本発明においては、重合開始後、重合転化率が5〜60%
の範囲となった段階で、ヒドロキシプロピルメチルセル
ロース(C) を重合系に添加することにより、懸濁分散粒
子の粒度調整が行われ、嵩比重の高い塩化ビニル系重合
体を得ることができる。このヒドロキシプロピルメチル
セルロース(C) は、メトキシ置換度26〜30重量%、ヒド
ロキシプロポキシ置換度4〜15重量%でかつ、その2重
量%水溶液の20℃における粘度が5〜4000cps である。
例えば水溶液粘度が5cps 未満であったり、メトキシ置
換度が30重量%を越えたり、或いはヒドロキシプロポキ
シ置換度が15重量%を越えると、嵩比重の高い重合体を
得ることが困難となる。また水溶液粘度が4000cps より
大であったり、メトキシ置換度が26重量%未満、ヒドロ
キシプロポキシ置換度が4重量%未満では該重合体から
得られる成形品はフィッシュアイの多いものとなる。ま
た、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(C) の添加時
期が、上記範囲より早くても遅くても、得られる重合体
の嵩比重は低いものとなってしまう。
【0015】尚、重合転化率は、予め、所定の重合系に
ついて、重合を開始してからの経過時間毎に転化率を測
定しておくことにより、経過時間によって推定すること
ができる。本発明において、かかるヒドロキシプロピル
メチルセルロース(C) の添加量は、仕込み単量体 100重
量部当り 0.005〜0.5 重量部の範囲が適当である。
【0016】重合成分 本発明の製造方法において、単量体としては、塩化ビニ
ルを単独で使用することができる他、塩化ビニルを主体
とし、塩化ビニルと共重合可能なコモノマーを含有した
単量体混合物(通常、塩化ビニルを50重量%以上含有)
も使用することができる。かかるコモノマーとしては、
酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニルエステル、
アクリル酸メチル、アクリル酸エチル等の(メタ)アク
リル酸エステル、エチレン、プロピレン等のオレフィ
ン、無水マレイン酸、アクリロニトリル、スチレン、塩
化ビニリデン等を例示することができる。
【0017】また上記単量体とともに水性媒体中に懸濁
分散されるその他の重合成分としては、重合開始剤が使
用される。この重合開始剤としては、従来から塩化ビニ
ルの重合に使用されているものを使用することができ、
例えば t−ブチルパーオキシネオデカノエート、 t−ヘ
キシルパーオキシネオデカノエート、 t−ヘキシルパー
オキシピバレート、α−クミルパーオキシネオデカノエ
ート、 t−ヘキシルネオヘキサノエート、 2,4,4−トリ
メチルペンチル−2−パーオキシ−2−ネオデカノエー
ト等のパーエステル化合物、ジイソプロピルパーオキシ
ジカーボネート、ジ−2−エチルヘキシルパーオキシジ
カーボネート、ジ−2−エトキシエチルパーオキシジカ
ーボネート、ジメトキシイソプロピルパーオキシジカー
ボネート等のパーカーボネート化合物、デカノイルパー
オキシド、ラウロイルパーオキシド、ベンゾイルパーオ
キシド、クメンハイドロパーオキシド、シクロヘキサノ
ンパーオキシド、 2,4−ジクロロベンゾイルパーオキシ
ド、p−メンタンハイドロパーオキシド、 3,5,5−トリ
メチルヘキサノイルパーオキシド、イソブチリルパーオ
キシド、アセチルシクロヘキシルスルホニルパーオキシ
ド等のパーオキシド化合物、α, α′−アゾビスイソブ
チロニトリル、α, α′−アゾビス(2,4−ジメチルバレ
ロニトリル) 、α, α′−アゾビス(4−メトキシ− 2,4
−ジメチルバレロニトリル) 等のアゾ化合物を単独また
は2種以上の組合せで使用することができる。またこれ
らは油溶性の重合開始剤であるが、過硫酸カリウム、過
硫酸アンモニウム、過酸化水素等の水溶性重合開始剤を
単独または組み合わせて使用することもできる。重合開
始剤は、水または単量体の仕込み中、或いは仕込み終了
後に添加すればよく、予め単量体に均一に混合して単量
体とともに仕込んでもよいし、水性エマルジョンとして
水性媒体とともに仕込んでもよい。
【0018】重合条件 本発明の製造方法は、上述した単量体等の水性媒体中へ
の懸濁分散を、前記ポリビニルアルコール(A) と(B) と
を組合せで使用し、且つ、重合開始後、一定の段階でポ
リビニルアルコール(C) を重合系に添加することを除け
ば、それ自体公知の条件で懸濁重合を行うことができ
る。例えば、単量体等の重合体成分を懸濁分散させるた
めに使用する水性媒体の仕込み量は、従来の方法と同
様、単量体との仕込み比(水/単量体)が 1.0〜1.5程
度でよく、必要に応じて、重合の途中で水を追加するこ
ともできる。
【0019】また重合系(懸濁分散液)の安定化を図る
ために、前述したポリビニルアルコール(A) 及び(B) 以
外の分散剤、例えばメチルセルロース、エチルセルロー
ス、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピル
セルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース等の
水溶性セルロースエーテル、ポリアクリル酸、ゼラチン
等の水溶性ポリマー、ソルビタンモノラウレート、ソル
ビタントリオレート、ソルビタンモノステアレート、グ
リセリントリステアレート、エチレンオキシド、プロピ
レンオキシドブロックコポリマー等の油溶性乳化剤、ポ
リオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキ
シエチレングセリンオレート、ラウリン酸ナトリウム等
の水溶性乳化剤、その他炭酸カルシウム、リン酸カルシ
ウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム等を、本
発明の目的が損なわれない範囲内で少量使用することが
できる。さらに、重合開始剤の使用量、重合温度等は、
従来から採用されている範囲でよく、また必要に応じて
重合度調節剤、pH調整剤等を重合系に添加することも
できる。
【0020】
【実施例】以下の実施例において、得られた塩化ビニル
系重合体の嵩比重、粒度分布、可塑剤吸収量、フィッシ
ュアイ及びゲル化時間は、次の方法により測定した。 嵩比重 :JIS K 6721にしたがって測定した。 粒度分布:JIS Z 8801に準じた #60、#100、#200の各篩
を用いて篩分けし、通過量(重量%)を計量した。 可塑剤吸収量:内径25mm、深さ85mmのアルミニウム合金
製容器の底にグラスファイバーを詰め、試料の塩化ビニ
ル重合体10gを採取して投入する。これにジオクチルフ
タレート(以下DOPとする)15ccを加え、30分放置し
てDOPを重合体に充分浸透させる。その後1500Gの加
速度下に過剰のDOPを遠心分離し、重合体10gに吸収
されたDOPの量を測定して、重合体 100g当たりに換
算した。 フィッシュアイ:試料の塩化ビニル重合体を 100重量
部、三塩基性硫酸鉛を1重量部、ステアリン酸鉛を 1.5
重量部、酸化チタンを 0.2重量部、カーボンブラックを
0.1重量部及びDOPを50重量部の割合で調製した混合
物をロールを用いて 145℃で3分間、または5分間混練
した後、厚さ 0.2mmのシートに成形し、シート 100cm2
当たりに含まれるフィッシュアイの個数を計数した。 ゲル化時間:試料の塩化ビニル重合体を 100重量部、三
塩基性硫酸鉛を 0.5重量部、ステアリン酸鉛を 2.5重量
部及びステアリン酸バリウムを 0.7重量部混合し、この
混合物68.5gをブラベンダー社製のプラストグラフによ
り、 205℃、50rpm の条件で混練し、最大トルクを示す
までの時間をゲル化時間とした。ゲル化時間が短いほ
ど、ゲル化性が優れた樹脂と言える。
【0021】実施例1 内容積2m3 のオートクレーブに、純水 930kg、重合度
780、けん化度72.9モル%、4重量%水溶液での20℃に
おける粘度が7.3cps である部分けん化ポリビニルアル
コール 441g、重合度 190、けん化度54.7モル%、ブ
ロックキャラクターη=0.75の部分けん化ポリビニルア
ルコール 189g、を仕込んだ。次に、真空ポンプでオ
ートクレーブの内圧が約 700mmHgとなるまで脱気を行っ
た。その後、塩化ビニル単量体 630kg、を仕込み、さら
に重合開始剤として、ジ−2−エチルヘキシルパーオキ
シジカーボネート 378g、を仕込んでから昇温を開始
し、57℃の温度で重合を続け、重合転化率が40%に達し
た時点で、メトキシ置換度が29.2重量%、ヒドロキシプ
ロポキシ置換度が8.9重量%であり、且つその2重量%
水溶液の20℃における粘度が49.5cps のヒドロキシプロ
ピルメチルセルロース 504g、を添加した。オートク
レーブの内圧が 6.0kg/cm2 Gに達した時点で反応を停
止し、未反応の単量体を回収し、脱水及び乾燥を行って
塩化ビニル重合体を得た。
【0022】得られた重合体について、嵩比重、粒度分
布、可塑剤吸収量、フィッシュアイの測定を行い、その
結果を表1に示した。尚、上記で用いたポリビニルアル
コールのブロックキャラクタは、FT-NMR(商品名: GSX
-270型、日本電子製)で測定した13C−NMRスペクト
ルのメチレン領域のピークから求めた。
【0023】比較例1 実施例1において、ポリビニルアルコールの代わり
に、重合度 235、けん化度50.7モル%ブロックキャラク
タη=0.46の部分けん化ポリビニルアルコールを同量用
いた以外は、実施例1と全く同様に重合体を製造し、各
種特性の測定を行った。結果を表1に示す。尚、得られ
た重合体にはブロック状のものが混在しており、オート
クレーブ内壁には重合体スケールが付着していた。
【0024】比較例2 実施例1において、ポリビニルアルコールの代わり
に、重合度2550、けん化度80モル%の部分けん化ポリビ
ニルアルコールを同量用いた以外は、実施例1と全く同
様に重合体を製造し、各種特性の測定を行った。結果を
表1に示す。
【0025】比較例3 実施例1において、ヒドロキシプロピルメチルセルロー
スの代わりに、重合度 780、けん化度72.9モル%の部
分けん化ポリビニルアルコールを同量用いた以外は、実
施例1と全く同様に重合体を製造し、各種特性の測定を
行った。結果を表1に示す。
【0026】
【表1】
【0027】
【発明の効果】本発明によれば、重合器壁面への重合体
スケールの付着を有効に抑制しながら、嵩比重が高く、
ゲル化速度も速く、さらには成形品としたときのフィッ
シュアイも有効に抑制された塩化ビニル系重合体を得る
ことができる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 塩化ビニルまたは塩化ビニルを含むビニ
    ル系単量体混合物を水性媒体中に懸濁分散させて懸濁重
    合を行う工程を有する塩化ビニル系重合体の製造方法に
    おいて、 前記懸濁分散のための分散剤として、(A) 平均重合度 1
    50〜600 、けん化度20〜60モル%及びけん化度に関する
    ブロックキャラクタが 0.6以上の部分けん化ポリビニル
    アルコールと、(B) 平均重合度 750〜850 、けん化度65
    〜75モル%及び4重量%水溶液の20℃における粘度が5
    〜10センチポイズ(cps) である部分けん化ポリビニルア
    ルコールとを組合せで使用し、 さらに前記懸濁重合開始後、重合転化率が5〜60%に達
    した時に、(C) メトキシ置換度26〜30重量%、ヒドロキ
    シプロポキシ置換度4〜15重量%及び2重量%水溶液の
    20℃における粘度が5〜4000cps であるヒドロキシプロ
    ピルメチルセルロースを重合系に添加することを特徴と
    する塩化ビニル系重合体の製造方法。
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Cited By (9)

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