JP2574077B2 - 塩化ビニル系重合体の製造方法 - Google Patents

塩化ビニル系重合体の製造方法

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JP2574077B2 JP3150242A JP15024291A JP2574077B2 JP 2574077 B2 JP2574077 B2 JP 2574077B2 JP 3150242 A JP3150242 A JP 3150242A JP 15024291 A JP15024291 A JP 15024291A JP 2574077 B2 JP2574077 B2 JP 2574077B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は塩化ビニル系重合体の製
造方法に関し、さらに詳しくは、重合開始のため重合器
の内容物を所定の重合温度に昇温するに際し、内部ジャ
ケット式重合器を用い、ジャケットに特定温度の熱媒体
を循環させることによりスケールの付着を防止し、かつ
昇温に要する時間を大幅に短縮して高生産性にて高品質
の塩化ビニル系重合体を製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】塩化ビニル系重合体は工業的には内容積
40m3 以上のバッチ式大型重合器で製造されており、
製造の際の生産性を高めるためには、重合反応に要する
時間(重合時間)、および重合器への主副原料の仕込
み、重合器の内容物の昇温、重合終了後の重合器の洗浄
操作などに要する時間(操作時間)を短縮することが要
求されていた。
【0003】重合時間を短縮するには、一般的には6時
間以上を要していた重合反応を高速で行って3〜6時間
で重合を完結させる方法が採用されるが、このような高
速重合を行うと重合反応熱の発生速度も必然的に大きく
なる。したがって、発生する多量の反応熱を除去するた
めに、重合器およびジャケットの伝熱面へのスケールの
付着を防止し、重合器の伝熱性能の改善をはかることが
従来にも増して重要な技術課題とされていた。
【0004】従来、重合器内壁面への重合体スケールの
付着を防止する方法として、フェノール系縮合物などの
スケール防止剤を重合器に塗布する方法(特公昭63−
56883号)、重合抑制剤を重合系に添加する方法
(特開昭61−72002号)、特定の材質の重合器を
使用する方法(特公昭58−8405号)など多種提案
されていた。しかしこれらのいずれの方法も、現在工業
的規模で採用されている内容積40m3 以上の大型重合
器を用いて6時間以内に重合を完結させる高速重合法に
適用した場合には、除熱能力を改善する効果が未だ充分
ではなく、重合体スケールの付着により重合器の温度制
御が困難になったり、スケール除去のための洗浄操作に
多大の時間を要するなどの問題点があった。
【0005】一方、重合を実施するにあたり、水、単量
体、重合開始剤および界面活性剤などを重合器に仕込ん
だ後、ジャケットに熱媒体を循環させるなどの手段によ
り重合器の内容物を所定の重合温度まで昇温して重合を
開始するのであるが、従来は大型重合器でこの昇温操作
に1時間以上もの長時間を要していたため、これが重合
器の稼働率を高める上での阻害因子となっていた。
【0006】昇温時間の短縮は昇温の際に使用する熱媒
体の温度を高めることによって達成可能ではあるが、こ
の方法によれば、昇温中に重合器の壁面温度が所定の重
合温度よりも著しく高温になり、壁面に付着した単量体
が高温下で急激に重合するためと推測されるが、重合体
スケールの生成が避けられなかった。また、特に熱媒体
として80℃以上に加熱した工業用水を用いる場合に
は、水中のカルシウム塩などの塩類の溶解度が低下して
析出物が生成し、ジャケットの冷熱媒体通路の内壁に軟
質のスラッジや硬質のスケールとなって付着するので、
熱伝導率を著しく低下させるばかりでなくジャケットの
腐食の原因にもなっいた。更にこの場合、昇温中は高温
の熱媒体を、また重合中は熱除去のため低温の熱媒体を
ジャケットに循環させることとなってその温度差が大き
いため、重合器に熱応力が繰返し発生して溶接線などの
部位に応力腐食割れが発生するという問題があった。
【0007】また、仕込み終了時の重合器の内温が所定
の重合温度となるよう予め水および/または単量体を加
温して仕込み、ジャケットによる昇温操作を省略する方
法(特公昭60−26488号)が開示されているが、
この方法にも、仕込み中に重合器の圧力が急激に上昇し
たり、得られる塩化ビニル系重合体のフィッシュアイや
粒度などの品質の低下を招く欠点があった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは前記欠点
を解決すべく鋭意研究の結果、重合開始のため重合器の
内容物を所定の重合温度に昇温するに際し、内部ジャケ
ット式重合器を用い、ジャケットに特定温度の熱媒体を
循環させることにより、重合器およびジャケットの伝熱
面へのスケールの付着を防止することができ、重合器の
伝熱性能を大幅に改善するとともに、昇温に要する時間
およびスケール除去のための洗浄時間を大幅に短縮でき
ることを見出し、この知見に基づいて本発明を完成する
に至った。
【0009】すなわち本発明の目的は、重合器内壁への
スケール付着及びジャケットの伝熱面へのスラッジやス
ケールの付着を生ずることなく、フィッシュアイや粒度
などの品質が優れた塩化ビニル系重合体を高生産性で製
造する方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】かくして本発明によれ
ば、塩化ビニル単量体、または塩化ビニルと共重合し得
る単量体と塩化ビニルとの混合物から選ばれた塩化ビニ
ル系単量体を重合開始剤および界面活性剤の存在下に水
性媒体中で温度40〜70℃で重合するに際し、重合器
に仕込まれた水および単量体を所定の重合温度に昇温す
るにあたって、重合器本体内面に冷熱媒体の通路を設け
た内部ジャケット式重合器を用い、ジャケットに循環さ
せる熱媒体の温度(Θ)が所定の重合温度(T)に対
し、T+5≦Θ<80(℃)となるように調節して昇温
し、引続き重合を行う塩化ビニル系重合体の製造方法が
提供される。
【0011】以下、本発明を詳細に説明する。本発明に
おいて使用する重合器は、特公平3−4249号公報に
記載されたような、重合器本体内面に冷熱媒体の通路を
設けることにより伝熱性能を向上させた重合器であり、
一般には内部ジャケット式重合器と呼ばれているもので
ある。内部ジャケット式重合器としては、重合時の平均
総括伝熱係数が700kcal/m2・hr・℃以上の伝熱性能
を有するものが好ましい。これが従来の外部ジャケット
式重合器である場合には、伝熱性能が劣るため昇温に要
する時間が長くなって本発明の目的が達成できない。ま
たこの場合、昇温時間を短縮するためには高温の熱媒体
を使用することが必要であり、熱媒体として水を用いる
通常の昇温方法では、ジャケットの熱媒体通路における
スケールの生成が促進されるという問題が生じる。
【0012】本発明の実施にあたり、まず予め脱気した
重合器に水および単量体を慣用の仕込み方法に従って仕
込み、重合器のジャケットに熱媒体を循環させることに
より、重合器の内容物を攪拌下に所定の重合温度に昇温
する。重合開始剤および界面活性剤の仕込み時期は特に
限定されず、昇温の前、途中、または昇温後に仕込むこ
とができる。本発明においては、この昇温操作の際に使
用する熱媒体の温度(Θ)が所定の重合温度(T)に対
し、T+5≦Θ<80(℃)となるように調節して昇温
を行う。熱媒体としては、加熱した工業用水を用いる方
法が経済的であり、取扱も容易である。熱媒体の循環流
量などその他の昇温条件は、従来、一般的に採用されて
いた条件でよく、特に限定されない。
【0013】重合器やジャケットの伝熱面へのスケール
の付着を防止するためには、昇温に使用する熱媒体の温
度が低いほど有利であるが、この温度がT+5(℃)に
満たない場合には昇温時間が長くなるという不利が生じ
る。昇温時間を短縮するためには、T+10(℃)以上
とすることが好ましい。ただし、この温度が80℃以上
になると、昇温中にジャケット壁面に付着した単量体が
高温下で急激に重合するためスケールが増加し、また、
熱媒体として水を用いる場合には、水中に溶解した塩類
が析出し、これがジャケットの熱媒体通路内壁に軟質の
スラッジや硬質のスケールとなって付着するので、本発
明において使用する熱媒体の温度は80℃未満とするこ
とが必須である。また、この温度範囲とすることによっ
て、重合器材質の応力腐食割れを防止することができ
る。
【0014】本発明の目的を一層効果的に達成するため
には、重合器への水および/または単量体の仕込み中に
重合器ジャケットに熱媒体を循環させ昇温を開始する。
この方法によれば、仕込み終了後に昇温を開始する方法
に比較して、一層の操作時間の短縮が可能である。昇温
を開始する時期は、重合に使用する水および単量体の両
者の全量の1/3〜2/3が重合器に仕込まれた時点が
好ましい。勿論、これ以前に昇温を開始してもよいが、
重合器の内容物が少ない場合にはジャケットの有効伝熱
面積が減少するので、昇温の効率が低下する。
【0015】また、予め加温した水および/または単量
体を重合器に仕込むことによって昇温時間をさらに短縮
することができる。この際の水および単量体の温度は、
重合に使用する両者の全量の混合時の温度(t)が、所
定の重合温度(T)に対し、T−20≦t≦T−5
(℃)となる範囲が好ましい。この温度tがT−20
(℃)に満たない場合には昇温時間を短縮する効果が不
十分であり、またT−5(℃)を越える場合には、フィ
ッシュアイや粒度など得られる重合体の品質の低下を招
くほか、仕込み時に重合器の圧力が急激に上昇するなど
の危険が伴う。水は単量体に比較して比熱が大きく、ま
た加温時の取扱性や安全性に優れるので、水を加温して
仕込む方法が有利である。
【0016】本発明を実施するにあたり、水、単量体、
重合開始剤および界面活性剤などの仕込み方法は特に限
定されない。しかしながら、本発明の目的を達成するた
めの最も効果的な方法は、これらの全量を同時に仕込む
方法である。この方法によれば、仕込み時間を短縮でき
るとともに水を媒体とする単量体の懸濁・乳化液滴に重
合開始剤や界面活性剤を均一に分配させることができる
ので、スケール防止効果が発揮され、一層高品質の塩化
ビニル系重合体を得ることができる。
【0017】このようにして各成分を重合器に仕込み、
重合器の内容物を所定の重合温度に昇温して重合を開始
させた後、反応熱を除去しながら重合器の内温を所定の
重合温度に保持し重合を行なうのであるが、勿論、還流
凝縮器による熱除去は慣用のごとくに採用することがで
き、また所望に応じてスケール防止のための薬剤を重合
器に塗布したり添加することもできる。
【0018】本発明による方法は水性媒体中での重合、
すなわち懸濁重合、乳化重合、微細懸濁重合に適用でき
る。本発明において塩化ビニルと共重合し得る単量体と
しては、例えば酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のア
ルキルビニルエステル類、ラウリルビニルエーテル、セ
チルビニルエーテル等のアルキルビニルエーテル類、エ
チレン、プロピレン等のα−モノオレフィン類、アクリ
ル酸メチル、メタクリル酸メチル等のアクリル酸アルキ
ルエステル類などが例示されるが、これらに限定されな
い。
【0019】また本発明において使用される懸濁剤・乳
化剤などの界面活性剤および重合開始剤は、通常の塩化
ビニルの懸濁重合又は乳化重合において使用されるもの
である。懸濁剤としては例えばポリビニルアルコール、
ポリ酢酸ビニルの部分ケン化物、メチルセルロースやヒ
ドロキシプロピルメチルセルロース等のセルロース誘導
体、無水マレイン酸−酢酸ビニル共重合体等の合成高分
子物質などが例示される。また、乳化剤としては、高級
脂肪酸のソルビタンエステルまたはグリセリンエステル
およびこれらのポリオキシエチレン付加物等のノニオン
性界面活性剤類、ラウリル硫酸ナトリウムやドデシルベ
ンゼンスルフォン酸ナトリウム等のアニオン性界面活性
剤類などが例示される。
【0020】油溶性重合開始剤としては例えばジ−2−
エチルヘキシルパーオキシジカーボネート、ジエトキシ
エチルパーオキシジカーボネート、α−クミルパーオキ
シネオデカノエート、2,4,4−トリメチルペンチル
−2−パーオキシネオデカノエート、t−ブチルパーオ
キシネオデカノエート、t−ブチルパーオキシピバレー
ト、3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイ
ドおよびアセチルシクロヘキシルスルフォニルパーオキ
サイド等のような有機過酸化物類、α,α′−アゾビス
イソブチロニトリルおよびα,α′−アゾビス−2,4
−ジメチルバレロニトリル等のアゾ化合物類、クメンハ
イドロパーオキサイドのようなハイドロパーオキサイド
類などの油溶性の重合開始剤や、過硫酸カリウム、過酸
化水素などの水溶性重合開始剤が挙げられ、これらの一
種または二種以上の混合物が用いられる。
【0021】また、所望に応じてメルカプトアルカノー
ル、チオグリコール酸アルキルエステル等の連鎖移動
剤、ケン化度20〜55モル%のポリ酢酸ビニル類等の
油溶性懸濁助剤、pH調整剤、レドックス重合開始剤系
としての還元剤または重合禁止剤などを使用することも
できる。各成分の仕込み量および仕込み部数などは、従
来塩化ビニル系の重合で行なわれている慣用の条件でよ
く、特に限定されるものではない。
【0022】
【発明の効果】かくして本発明によれば、特定構造の重
合器を用い、特定温度の熱媒体を用いて昇温操作を行う
ことにより、重合液の接液面およびジャケットの冷熱媒
体通路内壁へのスケールの生成を防止し、重合開始のた
めの仕込みや昇温に要する操作時間を大幅に短縮できる
という、従来技術では達成困難であった課題を解決する
ことができ、工業的見地から極めて有用である。
【0023】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的
に説明する。なお、実施例、比較例および参考例の中の
部および%はとくに断りのないかぎり重量基準である。
また、各実施例で示した塩化ビニル系重合体の物性値は
次の方法により測定した。
【0024】(1)フィッシュアイ 塩化ビニル系重合体100gに、ジオクチルフタレート
45g、ステアリン酸カドミウム2g、ステアリン酸バ
リウム1g、およびグリーントナー1gを加えて混合し
た後、145℃の6インチロールで6分間混練して厚さ
0.4mmのシートに引出し、そのシートの100cm2
に観察される透明粒子の数をもって示した。
【0025】(2)粗粒分 JIS基準の金網を使用した篩分析により、60メッシ
ュの金網に残留する割合をもって示した。
【0026】実験番号1(実施例) 内容積65m3の内部ジャケット式ステンレス製重合器を
脱気した後、塩化ビニル単量体100部(23.5ト
ン)、水120部、部分ケン化ポリ酢酸ビニル0.06
部およびジ−2−エチルヘキシルパーオキシジカーボネ
ート0.032部を25分間で連続して同時に重合器に
仕込み、各成分の仕込み終了後、重合器のジャケットに
熱媒体として温度70〜72℃に調節した工業用水を循
環させることにより、重合器の内容物を攪拌しながら5
7℃に昇温して重合を開始させた。
【0027】引続きジャケットに冷却水を循環させて反
応熱を除去しながら重合器の内温を57℃に保持し、攪
拌下に重合を行った。重合器の圧力が6.7Kg/cm
に降下した時点で重合器から未反応単量体を回収して
重合を終了させ、重合器の内容物を排出し脱水乾燥する
ことにより、塩化ビニル重合体を得た。以上の操作を1
5バッチ繰り返した。重合時間(重合温度到達時点か
ら、重合器内の圧力が重合温度における自然圧力で推移
した後2Kg/cm降下するまでの時間)は6.9〜
7.2時間、重合転化率は84〜85%であった。
【0028】実験番号2(実施例)、および実験番号3
〜5(比較例) 表1に示した重合器を用い、単量体の仕込み量、および
昇温のために用いた熱媒体(工業用水)の温度を表1に
示した値とした以外は、すべて実験番号1と同一の条件
で各々15バッチの重合を繰り返し行い、塩化ビニル重
合体を得た。
【0029】このようにして実施した実験番号1〜5の
結果を表1に示す。
【表1】
【0030】実験番号6(実施例) 重合開始剤として、ジー2−エチルヘキシルパーオキシ
ジカ−ボネートの代わりに2,4,4−トリメチルペン
チル−2−パーオキシネオデカノエートを0.050部
用い、各成分の仕込み終了後熱媒体として温度75℃の
工業用水を重合器のジャケットに循環させて昇温を行っ
た以外は、すべて実験番号1と同一の条件で重合を行
い、塩化ビニル重合体を得た。重合時間は4.4時間、
重合転化率は85%であった。
【0031】実験番号7(実施例) 各成分の仕込み開始から10分後に重合器の内容物の昇
温を開始した以外は、すべて実験番号6と同一の条件で
重合を行い、塩化ビニル重合体を得た。
【0032】実験番号8(実施例) 予め温度58℃に加温した水(重合に使用する水と単量
体の両者の全量の混合温度49℃)を用いた以外は、す
べて実験番号6と同一の条件で重合を行い、塩化ビニル
重合体を得た。
【0033】実験番号9(実施例) 予め温度58℃に加温した水を用い、各成分の仕込み開
始から10分後に重合器の内容物の昇温を開始した以外
は、すべて実験番号6と同一の条件で重合を行い、塩化
ビニル重合体を得た。
【0034】実験番号10(参考例) 予め温度69℃に加温した水(重合に使用する水と単量
体の両者の全量の混合温度57℃)を用い、各成分の仕
込み終了後、昇温操作を行わずに重合を行った以外は、
すべて実験番号6と同一の条件で重合を行い、塩化ビニ
ル重合体を得た。
【0035】このようにして実施した実験番号6〜10
の結果を表2に示す。
【表2】
【0036】実験番号11(実施例) 内部ジャケット式65m3重合器を脱気した後、水、単量
体、重合開始剤および界面活性剤を仕込み、各成分の仕
込み終了後に重合器ジャケットに温度73〜77℃の工
業用水を循環させることにより、重合器の内容物を攪拌
しながら57℃に昇温して重合を開始させた。引続きジ
ャケットに冷却水を循環させて反応熱を除去し、重合器
の内温を57℃に保持しながら重合を終了させた。以上
の操作を900バッチ繰り返し行った後、ジャケットの
冷熱媒体通路の内部点検を実施したところ、スケールの
付着は皆無であった。
【0037】実験番号12(比較例) 外部ジャケット式55m3重合器を用い、温度110〜1
15℃の工業用水を用いて昇温した以外は実験番号11
と同一の操作を600バッチ繰返し行った後、ジャケッ
トの冷熱媒体通路の内部点検を実施したところ、冷熱媒
体入口近傍を中心に、膜厚0.02〜0.1mmの硬質状
のスケールの付着が観察された。
【0038】これらの表1および2、ならびに実験番号
11〜12の結果より、本発明の方法によって重合器の
伝熱面へのスケールの付着を防止でき、昇温や仕込みに
要する操作時間を大幅に短縮できることが明らかであ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 石井 靖道 岡山県倉敷市児島塩生字新浜2767の1 日本ゼオン株式会社内 (72)発明者 大川 正久 愛媛県新居浜市惣開町5番1号 住友化 学工業株式会社内 (72)発明者 大内 勲 福島県いわき市錦町落合16 呉羽化学工 業株式会社内 (72)発明者 若森 秀樹 福島県いわき市錦町落合16 呉羽化学工 業株式会社内 (72)発明者 大和 多実男 山口県徳山市晴海町1番2号 サン・ア ロー化学株式会社内 (56)参考文献 特開 昭49−18984(JP,A) 特開 昭57−147502(JP,A) R.H.BURGESS,“MANU FACTUTE AND PROCES SING OF PVC”(1982) A PPLIED SCIENCE PUB LISHERS LTD(英)P.10− 25 神鋼ファウドラー技報、32〜3! (1988)P.21−26

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 塩化ビニル単量体、または塩化ビニルと
    共重合し得る単量体と塩化ビニルとの混合物から選ばれ
    た塩化ビニル系単量体を重合開始剤および界面活性剤の
    存在下に水性媒体中で温度40〜70℃で重合するに際
    し、重合器に仕込まれた水および単量体を所定の重合温
    度に昇温するにあたって、重合器本体内面に冷熱媒体の
    通路を設けた内部ジャケット式重合器を用い、ジャケッ
    トに循環させる熱媒体の温度(Θ)が所定の重合温度
    (T)に対し、T+5≦Θ<80(℃)となるように調
    節して昇温し、引続き重合を行うことを特徴とする塩化
    ビニル系重合体の製造方法。
  2. 【請求項2】 水および/または単量体の重合器への仕
    込み中に昇温を開始することを特徴とする請求項1記載
    の塩化ビニル系重合体の製造方法。
  3. 【請求項3】 予め加温した水および/または単量体を
    重合器に仕込み、昇温することを特徴とする請求項1ま
    たは2記載の塩化ビニル系重合体の製造方法。
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