JP3709918B2 - 塩化ビニル系重合体の製造方法 - Google Patents

塩化ビニル系重合体の製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、塩化ビニル系重合体の製造方法に関し、重合反応器内部に残った重合体又は重合反応器内壁に付着した重合体スケールを効率良く除去することができ、フィッシュアイが少ない品質上優れた塩化ビニル系重合体を得ることができる塩化ビニル系重合体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
通常、塩化ビニル系重合体は、懸濁重合、乳化重合等の方法により製造されている。具体的には、塩化ビニル単量体単独又は塩化ビニル単量体とこれと共重合し得る他の単量体との単量体混合物と、重合開始剤と、水と、分散剤と、必要に応じて他の助剤とを重合反応器内に仕込み、攪拌しながら、所定温度に維持しつつ重合を行い、重合開始後、所定の重合率に到達した時点で重合を停止した後、重合反応器内より重合体スラリーを抜き出し、この抜き出した重合体スラリーを脱水、乾燥して塩化ビニル系重合体を製造している。この際、通常、重合体スラリーを抜き出した後、重合反応器内を水により洗浄し、重合反応器内に残留する重合体及び重合反応器内壁に生成付着した重合体スケールの除去を行っている。
【0003】
即ち、塩化ビニル系重合体の製造方法においては、通常、▲1▼重合反応器内への仕込み工程→▲2▼重合工程→▲3▼重合体スラリーの抜き出し工程→▲4▼重合反応器内の水洗工程からなる一連の重合体製造工程を繰り返すことにより、連続して塩化ビニル系重合体の製造を行っている。
【0004】
しかしながら、上記重合体製造工程を繰り返し行っていくと、得られる塩化ビニル系重合体製品中に重合反応器内に残存する重合体及び重合反応器内壁に生成付着した重合体スケールが混入して、塩化ビニル系重合体を成形加工時に溶融ゲル化しにくい粒子となり、所謂フィッシュアイが増加する等の品質上の問題を引き起こす原因となっている。
【0005】
このため、従来から、(i)重合反応器内壁面に重合体スケール付着防止剤の塗布液を塗布して、内壁面に塗膜を形成させた後、仕込み、重合を行い、重合体スケールの付着を防止する方法、(ii)重合体スケール付着防止剤を重合反応系へ添加する方法等の重合体スケール付着防止技術が開発されている。
【0006】
これらの方法によれば、重合終了後、重合反応器内壁に生成付着する重合体スケールは低減できるが、重合反応器内に残存する重合体はそのままであり、フィッシュアイの低減等の品質上の問題を解決するには不十分であった。
【0007】
一方、重合反応器より重合体スラリーを抜き出した後、重合反応器内壁を高圧水(水圧100〜600kg/cm2G(9.81〜58.9MPa・Gauge))で洗浄する技術も提案されている。
【0008】
しかしながら、高圧水を用いて洗浄する場合、その圧力制御が難しい上に、重合反応器内に残留する重合体及び重合反応器内壁に付着した重合体スケールを反応器外に洗い流して除去するには十分ではなく、フィッシュアイの低減等の品質上の問題を解決するには至っていなかった。
【0009】
更に、高圧水を用いて洗浄を行う場合の水洗装置は、水圧を高くするために特殊なポンプを必要とすると共に、圧力制御のための装置が複雑化し、水洗装置の製作コスト面で高価となるという欠点があった。
【0010】
本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、重合反応器内に残留する重合体及び重合体内壁に付着した重合体スケールを効率良く取除くことができ、フィッシュアイの発生の少ない品質上優れた塩化ビニル系重合体を得ることができる塩化ビニル系重合体の製造方法を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段及び発明の実施の形態】
本発明者は、上記目的を達成するため、塩化ビニル系重合体製品中のフィッシュアイを低減させることができる重合反応器内壁の洗浄方法について鋭意検討を重ねた結果、従来の高圧水を用いた洗浄方法では、重合反応器内壁に付着した重合体スケールを剥がす効果はあるものの、重合反応器内部に残留する重合体及び重合反応器内壁から剥がされた重合体スケールを重合反応器外へ洗い流して除去する効果が小さいことを知見した。
【0012】
そこで、本発明者が、更に鋭意検討を進めた結果、重合反応器内を水により洗浄するに当たり、重合反応器内壁の表面積当りの水洗量をある一定以上にすることにより、重合反応器内部に残留する重合体及び重合反応器内壁に付着した重合体スケールを重合反応器外へ洗い流して除去し得、塩化ビニル系重合体製品中のフィッシュアイが効果的に減少することを知見した。
【0013】
即ち、塩化ビニル単量体単独又は塩化ビニル単量体とこれと共重合し得る単量体との混合単量体を重合反応器に仕込み、重合させ、重合終了後、重合反応器内から重合体スラリーを抜き出し、その後重合反応器内を水洗する一連の製造工程を繰り返すことにより塩化ビニル系重合体を製造する方法において、ノズル昇降方式水洗装置を用い、上記水洗工程として重合反応器内壁の表面積当たり0.01〜0.5m3/m2の量の水による水洗を、水圧0.5〜50kg/cm2G(0.049〜4.9MPa・Gauge)の範囲で行うことにより、重合反応器内に残留する重合体及び重合反応器内壁に生成付着した重合体スケールを確実に重合反応器外へ洗い流して除去することができ、フィッシュアイの少ない品質上優れた塩化ビニル系重合体が得られ、しかも水洗時間を短縮することが可能となり、大幅な生産性の向上を図ることができることを見出し、本発明をなすに至った。
【0014】
従って、本発明は、塩化ビニル単量体単独又は塩化ビニル単量体とこれと共重合し得る単量体との混合単量体を重合反応器に仕込み、重合させ、重合終了後、重合反応器内から重合体スラリーを抜き出し、その後重合反応器内を水洗する一連の製造工程を繰り返すことにより塩化ビニル系重合体を製造する方法において、上記重合反応器として内容積が40m3以上の重合反応器を用いると共に、ノズル昇降方式水洗装置を用い、上記水洗工程として重合反応器内壁の表面積当たり0.01〜0.5m3/m2の量の水により、水圧を0.5〜50kg/cm2G(0.049〜4.9MPa・Gauge)の範囲として水洗を行うことを特徴とする塩化ビニル系重合体の製造方法を提供する。
【0015】
以下、本発明につき更に詳しく説明する。
本発明の塩化ビニル系重合体の製造方法は、塩化ビニル単量体等を重合反応器に仕込み、重合させ、重合終了後、重合反応器内から重合体スラリーを抜き出した後、重合反応器内を水洗する一連の製造工程を繰り返すことにより塩化ビニル系重合体を製造する方法において、上記水洗工程において重合反応器内壁の表面積当りの水洗量を0.01〜0.5m3/m2の範囲内としたものである。
【0016】
ここで、重合反応器内の水による洗浄は、重合反応器内壁の表面積当り0.01〜0.5m3/m2の量の水で行うことが必要であり、好ましくは0.03〜0.5m3/m2、更に好ましくは0.03〜0.3m3/m2の範囲である。
【0017】
重合反応器内壁の表面積当りの水洗量が0.01m3/m2未満であると水洗量が不足して重合反応器内に残留する重合体及び重合反応器内壁に生成付着した重合体スケールを洗い流して除去することができないため、得られる塩化ビニル系重合体製品中のフィッシュアイを低減することが困難となる。一方、0.5m3/m2を超えてもそれ以上フィッシュアイを低減させる効果は得られないばかりか、却って洗浄に使用する水の水洗量が必要以上に増加してコスト高となり経済的でなくなる上に、洗浄の際、重合反応器内より排出される洗浄水の廃液処理が増加するという問題が生じる。
【0018】
また、重合反応器内壁を水により洗浄するに当り、上記のように重合反応器内壁の表面積当りの水洗量を0.01〜0.5m3/m2の範囲内とすることにより、従来使用されている高圧水(水圧100〜600kg/cm2G(9.81〜58.1MPa・Gauge))を用いる必要がなくなるという利点がある。
【0019】
この場合、水洗時の水圧は、0.5〜50kg/cm2G(0.0491〜4.91MPa・Gauge)、好ましくは1〜40kg/cm2G(0.0981〜3.92MPa・Gauge)、更に好ましくは3〜30kg/cm2G(0.294〜2.94MPa・Gauge)の範囲である。水洗時の水圧が0.5kg/cm2G未満の場合でも重合反応器内部に残った重合体及び重合反応器内壁に付着した重合体スケールを除去することは可能であるが、水洗時間が長くなり生産効率が低下するため好ましくない。一方、水圧が50kg/cm2Gを超えると水圧を高くするための特殊なポンプが必要となる上に、水圧の圧力制御の装置が複雑化するため、水洗装置の製作コスト面で高価となる。なお、水圧を1kg/cm2G以上とすると、フィッシュアイの低減化効果だけでなく、水洗時間の短縮効果が得られるのでより好ましい。
【0020】
本発明の製造方法によれば、重合反応器の内容積が40m3以上、特に80m3以上である大型の重合反応器を用いた場合には水洗時間が短縮し得、生産性の面からも効率的である。
【0021】
また、本発明の製造方法において、上記重合反応器内の洗浄を行うための水洗装置としては、回転式ノズル等のノズルが重合反応器外上部の格納位置より重合反応器内へ移動可能なノズル昇降方式水洗装置を用いる。
【0022】
上記ノズル昇降方式水洗装置は、重合反応器外上部に設置されたバルブ弁により重合反応器内部と仕切られる(密閉方式)。このバルブ弁としては、通常、ボール弁(玉弁)が使用されるが、水による洗浄を行う際にはバルブ弁を開いてノズルを重合反応器内へ降下させて水洗を行う。水洗終了後はノズルを上昇させて格納位置に戻してバルブ弁を閉じる。
【0023】
この場合、ノズル昇降方式水洗装置におけるノズルの昇降方式としては、シリンダー方式等が例示されるが、洗浄効果、洗浄時間、洗浄に用いられる洗浄水量などの点からシリンダー方式が好適である。
【0024】
このシリンダー方式のノズル昇降方式水洗装置には、シリンダー内には洗浄水送出管が上下に移動可能に設置されており、シリンダーの下端から洗浄水送出管を摺動可能に突出させて、その突出部(先端部)に洗浄水を噴出するノズルが取り付けられている。この洗浄水送出管を駆動させる駆動方法としては、例えば電動モーター、水圧式ジェットシリンダー、水圧式シリンダー、エアーシリンダー、油圧シリンダーなどが挙げられる。なお、多段式で昇降するシリンダー方式を用いることもできる。
【0025】
本発明の製造方法は、塩化ビニル単量体等を重合反応器に仕込み、重合させ、重合終了後、重合反応器内から重合体スラリーを抜き出し、その後重合反応器内を水洗する一連の製造工程を繰り返して行い、以下同様の製造工程を繰り返すことにより、効率良く塩化ビニル系重合体を製造することができるものである。
【0026】
なお、本発明の製造方法では、通常用いられている公知の重合体スケール付着防止剤を重合反応器内壁面へ塗布する方法、及び重合体スケール付着防止剤を重合反応系へ添加する方法等の重合体スケール付着防止技術を併用することもでき、これにより、除去清掃すべき重合体スケールの付着量が減少して、洗浄時間の更なる短縮が期待でき、生産性の向上が図れる点から有利である。
【0027】
次に、本発明の塩化ビニル系重合体の製造方法は、その重合方法については特に制限されないが、水性媒体中での重合が好ましい。この水性媒体中での重合方法としては懸濁重合、マイクロ懸濁重合、乳化重合等の重合方法が挙げられる。
【0028】
本発明の重合方法は、塩化ビニル系重合体の製造方法に関するものであるが、塩化ビニル系重合体としては塩化ビニル単独重合体、塩化ビニル単量体とこれと共重合可能な他の重合体との塩化ビニル系共重合体(通常、塩化ビニルが50重量%以上含有する)が例示される。
【0029】
塩化ビニルと共重合可能な他の単量体としては、エチレン、プロピレン等のオレフィン類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ステアリン酸ビニル等のビニルエステル類;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタアクリル酸メチル等の(メタ)アクリル酸エステル類;マレイン酸、フマル酸等の酸のエステル類;アクリロニトリル等のニトリル化合物;塩化ビニリデン等のビニリデン化合物;スチレン;その他塩化ビニルと共重合可能な単量体などが挙げられ、これらの1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0030】
本発明において使用される重合開始剤は、塩化ビニル系単量体の重合に通常用いられる油溶性開始剤又は水溶性開始剤であり、特に限定されないが、例えば油溶性開始剤としては、ラウロイルパーオキサイド、3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシピバレート、t−ブチルパーオキシネオデカネート、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ−2−エチルヘキシルパーオキシジカーボネート、アセチルシクロヘキシルスルホニルパーオキサイド等の有機過酸化物;α,α’−アゾビスイソブチロニトリル、α,α’−アゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリル等のアゾ化合物が挙げられ、これらの1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0031】
一方、水溶性開始剤としては、例えば過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム、過酸化水素等が挙げられ、これらは重合方法に応じて1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0032】
上記重合開始剤の添加量は、通常、仕込み単量体100重量部に対して0.01〜3重量部である。
【0033】
本発明において懸濁重合等に使用される分散剤としては、公知のものでよく、例えば部分けん化ポリビニルアルコール、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリエチレンオキサイド、ゼラチン、酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、澱粉等が挙げられ、これらの1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。また、マイクロ懸濁重合や乳化重合において使用される乳化剤についても公知のものでよく、例えば、アルキル硫酸ナトリウム、アルキルベンゼンスルホン酸ソーダ、α―オレフィンスルホン酸ソーダ、脂肪酸ソーダ等のアニオン系界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェノールエーテル、ソルビタン脂肪酸エステル等のノニオン系界面活性剤などが挙げられ、これらの1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0034】
これら分散剤の添加量は、通常、仕込み単量体100重量部に対して0.01〜3重量部である。
【0035】
なお、本発明においては、必要に応じて分子量調整剤、連鎖移動剤、pH調整剤、ゲル化改良剤、帯電防止剤などを使用することもできる。また、重合反応に使用される重合開始剤、分散剤、乳化剤、分子量調整剤などは、最初に一括して重合反応系に添加するほか、重合反応中に分割して添加することもできる。その他の重合条件は、重合される単量体の種類、重合の方法に応じて従来より行われてきた条件を適宜採用することができる。
【0036】
【実施例】
以下、実施例及び比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記実施例に制限されるものではない。
【0037】
〔実施例1〜8、比較例1〜3〕
重合反応器外上部にシリンダー昇降方式のノズル昇降水洗装置(回転ノズルが洗浄水送出管の先端部に接続されており、この洗浄水送出管の昇降駆動力、回転ノズルの回転駆動力は水圧式駆動力である。)及び還流コンデンサーが付設され、外部ジャケット、バッフル、攪拌機が付設されている内容積80m3のステンレス製重合反応器を用いて、以下の通り塩化ビニル重合体の製造を行った。
【0038】
まず、重合反応器内を脱気した後、
脱イオン水:40m3
部分けん化ポリビニルアルコール:30kg
ジ−2−エチルヘキシルパーオキシジカーボネート:15kg
塩化ビニル単量体:30t
を重合反応器に仕込み、攪拌しながら、57℃に昇温して重合を開始した後、内温を57℃に維持して重合を続けた。
その後、重合率が85%に達した時点で重合を停止し、重合反応器内よりスラリー状になった塩化ビニル重合体と水を抜き出した後、重合反応器内壁の水による洗浄を表1,2に示した条件で行った。
【0039】
引き続いて、2バッチ目以降も同様の条件で仕込み、重合、重合体スラリーの抜き出し、水による洗浄を行い、以下同様の条件で連続50バッチ目まで塩化ビニル重合体の製造を行った。
【0040】
25バッチ目及び50バッチ目の終了後に得られた重合体スラリーを脱水、乾燥することにより得られた塩化ビニル重合体について、下記方法によりフィッシュアイの測定を行った。結果を表1,2に示す。
【0041】
フィッシュアイの測定方法
得られた塩化ビニル重合体100重量部、DOP(ジオクチルフタレート)50重量部、ステアリン酸バリウム0.1重量部、ステアリン酸カドミウム0.1重量部、セタノール0.8重量部、すず系安定剤2.0重量部、二酸化チタン0.5重量部およびカーボンブラック0.1重量部を6インチロールを用いて140℃で4分間混合混練し、厚さ0.3mmのシートとして分取し、このシート100cm2中の白色透明粒子の数で示した。
【0042】
【表1】
Figure 0003709918
【0043】
【表2】
Figure 0003709918
【0044】
表1,2の結果から、比較例1,3は重合反応器内壁の表面積当たりの水洗量が0.0057m3/m2と少なく、このためフィッシュアイが100個以上と多くなり、特に比較例3では洗浄時間を150分と長くしてもフィッシュアイが100個以上であることが認められた。
また、比較例2は重合反応器内壁の表面積当たりの水洗量が0.76m3/m2と多く、このため、水洗量が多く必要であると共に、洗浄時間が長くなることが認められた。
これに対して、重合反応器内壁の表面積当たりの水洗量が0.01〜0.5m3/m2である実施例1〜8は、フィッシュアイが少なく、しかも洗浄時間が短くて済むことが確認できた。
【0045】
【発明の効果】
本発明によれば、フィッシュアイの少ない品質上優れた塩化ビニル系重合体を得ることができる。また、本発明によれば、水による洗浄時間を短くすることが可能なため大幅な生産性の向上を図ることができるものである。

Claims (2)

  1. 塩化ビニル単量体単独又は塩化ビニル単量体とこれと共重合し得る単量体との混合単量体を重合反応器に仕込み、重合させ、重合終了後、重合反応器内から重合体スラリーを抜き出し、その後重合反応器内を水洗する一連の製造工程を繰り返すことにより塩化ビニル系重合体を製造する方法において、
    上記重合反応器として内容積が40m3以上の重合反応器を用いると共に、ノズル昇降方式水洗装置を用い、上記水洗工程として重合反応器内壁の表面積当たり0.01〜0.5m3/m2の量の水により、水圧を0.5〜50kg/cm2G(0.049〜4.9MPa・Gauge)の範囲として水洗を行うことを特徴とする塩化ビニル系重合体の製造方法。
  2. 上記水洗工程の水洗量が重合反応器内壁の表面積当たり0.03〜0.5m3/m2であり、水圧が3〜50kg/cm2G(0.294〜4.9MPa・Gauge)である請求項1記載の塩化ビニル系重合体の製造方法。
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