JP2000038405A - 塩化ビニル系重合体の製造法 - Google Patents

塩化ビニル系重合体の製造法

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JP2000038405A
JP2000038405A JP20634598A JP20634598A JP2000038405A JP 2000038405 A JP2000038405 A JP 2000038405A JP 20634598 A JP20634598 A JP 20634598A JP 20634598 A JP20634598 A JP 20634598A JP 2000038405 A JP2000038405 A JP 2000038405A
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vinyl chloride
stirring
polymerization
stirring blade
chloride polymer
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JP20634598A
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Takehiko Sakane
毅彦 坂根
Tatsumi Nakamura
辰美 中村
Masayoshi Honda
正佳 本多
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Tosoh Corp
Original Assignee
Tosoh Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 品質に優れる塩化ビニル系重合体が得られ、
スケール付着を伴うことなく重合時間が大幅に短縮でき
る塩化ビニル系重合体の製造法を提供する。 【解決手段】 特定のパドル翼を用い、重合反応中に総
除熱量の50%以上をリフラックスコンデンサーにより
除熱し、重合反応系内の1m3当たりの正味撹拌所要動
力を特定の範囲内とし攪拌を行い、重合反応を5時間以
内で完結する塩化ビニル系重合体の製造法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、塩化ビニル単量
体、又は、塩化ビニル単量体及び塩化ビニル単量体と共
重合可能な単量体との混合物(以下、塩化ビニル系単量
体という。)を懸濁重合する製造法において、リフラッ
クスコンデンサーでの除熱量を高め、重合反応系内の発
泡を防止し、塩化ビニル系重合体製造時の生産性を向上
させ、フィッシュアイを改善し、スケール付着を防止す
る塩化ビニル系重合体の製造法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般的に、塩化ビニル系単量体の製造は
バッチ式で行われ、塩化ビニル系重合体を製造する際に
は、重合反応器に水性媒体、懸濁剤、重合開始剤および
添加剤を仕込んだ後、重合反応系内を脱気して塩化ビニ
ル系単量体等を仕込み、攪拌しながら重合反応器のジャ
ケットに温水循環または水蒸気を通し、重合温度まで昇
温して重合反応を開始させる。その後、重合反応熱が出
てきた時点から重合反応器のジャケットに冷却水を通し
て重合温度を一定に保つべく冷却を行い、所定の重合転
化率に到達するまで重合反応を継続する。そして、重合
反応終了後、未反応塩化ビニル系単量体を回収し、塩化
ビニル系重合体を反応器から排出する一連の重合操作を
行っている。
【0003】近年、塩化ビニル系重合体の生産性を向上
させるため、重合反応器の大型化、重合時間の短縮化等
が図られている。しかし、重合反応器を大型化した場
合、反応器の内容積当たりのジャケット伝熱面積が低下
し、重合時間を短縮化した場合は、単位時間当たりの発
熱量が増大したりするため、加熱冷却用ジャケットだけ
で重合反応系内を冷却するには限界がある。
【0004】そこで、重合反応系内の除熱量を高めるた
め、ジャケットによる除熱量を高める方法として、冷凍
機等を使用しジャケットに流す冷却水の温度を下げる方
法、重合反応系内にジャケットを有する内部ジャケット
を使用する方法、リフラックスコンデンサーで除熱する
方法等があり、特に、リフラックスコンデンサーによる
除熱は冷却能力が大きく、設備コスト、ランニングコス
トが安いという特徴を有している。
【0005】しかし、リフラックスコンデンサーによる
除熱量を高めた場合、未反応塩化ビニル系単量体の蒸発
量が増加し、それに伴い重合反応器内で重合体スラリー
の発泡が発生したり、リフラックスコンデンサーの内部
へ重合体スラリーが流入し易くなるため、重合反応器内
壁面、リフラックスコンデンサー内等にスケールが付着
する等の問題が生じるばかりでなく、次バッチに得られ
る塩化ビニル系重合体のロールフィッシュアイが悪化し
たり、粒度分布が広くなる等の品質上の問題を生じ、さ
らに最悪の場合はリフラックスコンデンサーの除熱制御
が困難となる。
【0006】そして、リフラックスコンデンサーにて除
熱を行う際の重合体スラリーの発泡防止の方法として
は、特開昭56−26908号、特公平3−38283
号には気相部に設置した回転羽根で泡を破泡する方法、
特開平2−180908号、特開平3−212409号
には消泡剤を添加する方法等が提案され、さらに特開平
7−25909号には、液面センサーを重合缶に設置
し、液面をリフラックスコンデンサーで制御する方法が
開示されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
特開昭56−26908号、特公平3−38283号に
記載の方法は、泡は破泡できるものの飛散した泡が重合
反応缶壁面などに付着しスケールとなるため、得られる
塩化ビニル系重合体のロールフィッシュアイが悪化する
という問題を有する。
【0008】また、特開平2−180908号、特開平
3−212409号に記載の方法は、消泡剤の添加によ
り発泡が抑制できるものの、得られる塩化ビニル系重合
体の熱安定性やロールフィッシュアイが悪化するという
問題を有する。
【0009】さらに、特開平7−25909号に記載の
方法は、リフラックスコンデンサーによる除熱量を調整
することにより、発泡による液面の上昇は抑えられる
が、リフラックスコンデンサーでの除熱量を高めること
は困難であり、リフラックスコンデンサーでの除熱量を
高めた場合、重合体スラリーの発泡を根本的に抑えるこ
とはできない。
【0010】そこで、本発明の目的は、リフラックスコ
ンデンサーでの除熱量を高めても重合体スラリーの発泡
が防止でき、塩化ビニル系重合体製造時の重合工程の生
産性を向上させ、さらにスケールの付着を防止し、得ら
れる塩化ビニル系重合体のフィッシュアイが改善され、
粒度分布がシャープである塩化ビニル系重合体の製造法
を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
に関し鋭意検討した結果、特定の撹拌翼を用い、特定の
条件下における正味撹拌所要動力を特定の範囲内とする
ことにより、リフラックスコンデンサーでの除熱量を高
めても重合体スラリーの発泡を防止することができ、そ
れにより塩化ビニル系重合体製造時の重合工程の生産性
を向上させ、併せて得られる塩化ビニル系重合体のロー
ルフィッシュアイの改善、スケールの付着を防止できる
ことを見出し本発明を完成させるに至った。
【0012】即ち、本発明は、塩化ビニル系単量体を水
性媒体中、重合開始剤及び分散安定剤の存在下、リフラ
ックスコンデンサーを設けた大型重合反応器を用い、懸
濁重合を行う塩化ビニル系重合体の製造法において、撹
拌翼として重合反応器内径Dに対する攪拌翼径dの比で
あるd/Dが0.35以上0.50以下であり、攪拌翼
径dに対する攪拌翼高さbの比であるb/dが0.17
以上0.40以下であり、かつ、攪拌翼径d、攪拌翼高
さb、攪拌翼枚数np、攪拌翼段数n、重合反応器内径
D、重合反応器直胴部長さHに対し関係式(d×b×n
p×n)/(2×D×H)から得られる値が0.04以
上0.12以下であるパドル翼を用い、重合反応中に総
除熱量の50%以上をリフラックスコンデンサーにより
除熱し、塩化ビニル系単量体の塩化ビニル系重合体への
重合転化率が30%に達するまでに、重合反応系内の1
3当たりの正味撹拌所要動力を1.0kW/m3以上
2.0kW/m3未満とし、塩化ビニル系単量体の塩化
ビニル系重合体への転化率が30%を超え70%以下の
範囲内に重合反応系内の1m3当たりの正味撹拌所要動
力を2.0kW/m3以上3.0kW/m3以下とし攪拌
を行い、重合反応を5時間以内で完結することを特徴と
する塩化ビニル系重合体の製造法に関するものである。
【0013】以下、本発明について更に詳細に説明す
る。
【0014】発明に用いられる撹拌翼は、パドル翼であ
り、該パドル翼は重合反応器内径Dに対する攪拌翼径d
の比であるd/D、攪拌翼径dに対する攪拌翼高さbの
比であるb/d、さらに攪拌翼径d、攪拌翼高さb、攪
拌翼枚数np、攪拌翼段数n、重合反応器内径D、重合
反応器直胴部長さHに対する関係式(d×b×np×
n)/(2×D×H)より求められる値が本発明の目的
を達成するためにすべて特定の範囲内であることが必要
がある。
【0015】ここで、攪拌翼径dとは、パドル翼が撹拌
軸を中心に回転した場合の翼先端の軌跡円の直径であ
る。
【0016】攪拌翼高さbとは、翼1段を撹拌軸に取り
付けた場合のパドル翼のブレード垂直方向の下端から上
端までの長さである。
【0017】攪拌翼枚数npとは、パドル翼1個当たり
のブレードの数である。
【0018】攪拌翼段数とは、撹拌軸に付いているパド
ル翼の個数である。
【0019】攪拌翼径d、攪拌翼高さb、攪拌翼枚数n
p、攪拌翼段数n、重合反応器内径D、重合反応器直胴
部長さHに対する関係式(d×b×np×n)/(2×
D×H)より求められる値は、重合反応器直胴部の断面
積に対する全撹拌翼の面積の比を表す。
【0020】本発明において用いられるパドル翼は、重
合反応器内径Dに対するその攪拌翼径dの比であるd/
Dが、0.35以上0.50以下を有するものであり、
特に0.38以上0.47以下を有するものが好まし
い。d/Dが0.35未満である場合、得られる塩化ビ
ニル系重合体の粒子径が適切な大きさとならない。ま
た、d/Dが0.50を超える場合、得られる塩化ビニ
ル系重合体のロールフィッシュアイが悪化する。
【0021】また、該パドル翼の攪拌翼径dは、該攪拌
翼径dに対する攪拌翼高さbの比であるb/dが0.1
7以上、0.40以下を有するものであり、特に0.2
0以上0.35以下であることが好ましい。b/dが
0.17未満である場合、塩化ビニル系重合体の製造時
リフラックスコンデンサーによる除熱量を高めた場合、
均一な撹拌を行うことが困難となり、発泡現象を抑える
ことができなくなることからスケールの付着が増大する
と共に、得られる塩化ビニル系重合体のロールフィッシ
ュアイが悪化する。また、b/dが0.40より大きい
場合、適切な大きさの粒子径を有する塩化ビニル系重合
体が得られない。
【0022】更に、該パドル翼は、重合反応器直胴部の
断面積に対する全撹拌翼の面積の比を示す関係式(np
×b×n)/(2×D×H)から得られる値が0.04
以上0.12以下であり、特に0.05以上0.10以
下であることが好ましい。該関係式の値が0.04未
満、又は0.12を超える場合、リフラックスコンデン
サーによる除熱量を高めた場合、重合体スラリーの発泡
現象を抑えることができない。
【0023】該パドル翼の取り付け位置は、重合反応器
全体が十分混合できる位置に取り付ければ特に制限はな
く、撹拌翼間の距離を等しくすることが好ましい。
【0024】本発明の製造法は、リフラックスコンデン
サーを設けた大型重合反応器を用いて行われ、ここでい
う大型重合反応器とは内容積40m3以上、特に80m3
以上の内容積を有する重合反応器であることが好まし
い。
【0025】本発明は、リフラックスコンデンサーを設
けた大型重合反応器を用いて行うものであり、該リフラ
ックスコンデンサーによる除熱は、塩化ビニル系単量体
の重合反応中に該重合反応による総除熱量の50%以上
を除熱するものである。ここで、リフラックスコンデン
サーでの除熱方法には特に制限はなく、重合初期から除
熱を開始しても、重合途中から除熱を開始しも良く、総
除熱量の50%以上をリフラックスコンデンサーにより
除熱する事により、高い生産効率で塩化ビニル系重合体
を製造することが可能となる。
【0026】本発明の製造法は、塩化ビニル系単量体の
塩化ビニル系重合体への重合転化率が30%に達するま
でに、重合反応系内の1m3当たりの正味撹拌所要動力
を1.0kW/m3以上2.0kW/m3未満とし、塩化
ビニル系単量体の塩化ビニル系重合体への重合転化率が
30%を超え70%以下の範囲内に重合反応系内の1m
3当たりの正味撹拌所要動力を2.0kW/m3以上3.
0kW/m3以下として、攪拌を行うものである。そし
て、ここでいう塩化ビニル系単量体の塩化ビニル系重合
体への重合転化率とは、重合反応系内を除熱した除熱量
の積算値を仕込み塩化ビニル系単量体が塩化ビニル系重
合体となった場合の理論発熱量(ここで、塩化ビニル単
量体1kg当たりの理論重合発熱量は374.4kca
l/kgである)で割った値を百分率で示したものであ
る。
【0027】ここで、塩化ビニル系単量体の塩化ビニル
系重合体への重合転化率が30%に達するまでの重合反
応系内の1m3当たりの正味撹拌所要動力が1.0kW
/m3より小さい場合、又は、2.0kW/m3以上であ
る場合、得られる塩化ビニル系重合体は、非常に粗粒化
したものとなり、適正な粒子径を有する塩化ビニル系重
合体粒子が得られない。また、塩化ビニル系単量体の塩
化ビニル系重合体への重合転化率が30%を超え70%
以下の範囲での重合反応系内の1m3当たりの正味撹拌
所要動力が2.0kW/m3未満である場合、リフラッ
クスコンデンサーによる除熱に伴う発泡が抑えられず、
スケールが付着したり、得られる塩化ビニル系重合体の
ロールフィッシュアイが悪化したりする。一方、1m3
当たりの正味撹拌所要動力が3.0kW/m3を超える
場合、得られる塩化ビニル系重合体が粗粒化するばかり
でなく、撹拌設備コストや電力のコストが高くなるとい
った問題を有する。
【0028】本発明でいう重合反応系内の1m3当たり
の正味撹拌所要動力とは、例えばP=(K×2×π×n
×T)/Vで算出することが可能である。ここで、P:
重合反応系内の1m3体積当たりの正味攪拌所要動力
(kW/m3)、V:重合反応器内容物体積(m3)、
K:換算係数0.00981(kW・S)/(kg・f
−m)、n:回転数(1/sec)、T:正味トルク
(重合反応時のトルク−液抜き運転トルク)(kg・f
−m)を表す。
【0029】本発明の製造法は、重合時間を5時間以内
に完結することにより、塩化ビニル系重合体製造時の生
産効率を高めるという目的を達成するものである。
【0030】本発明に用いられるバッフルとしては、一
般的なバッフルを用いることができ、例えば板型、円筒
型、D型、ループ型、フィンガー型等が使用できる。ま
た、加熱冷却用ジャケットとしては、例えば外部ジャケ
ット又は内部ジャケットが使用できる。
【0031】本発明でいう塩化ビニル系単量体とは、塩
化ビニル単量体のみのほか、塩化ビニル単量体及び塩化
ビニル単量体と共重合可能な単量体との混合物が含まれ
る。そして、塩化ビニル単量体と共重合可能な単量体と
しては、塩化ビニル単量体と共重合可能な単量体であれ
ばいかなるものも使用することができ、例えばエチレ
ン,プロピレン等のオレフィン類、酢酸ビニル,ステア
リン酸ビニル等のビニルエステル類、エチルビニルエー
テル,セチルビニルエーテル等のビニルエーテル類、ア
クリル酸メチル,アクリル酸エチル,アクリル酸ブチ
ル,アクリル酸プロピル等のアクリル酸エステル類、マ
レイン酸,フマル酸のエステル類または無水物、スチレ
ン等の芳香族ビニル化合物、アクリロニトリル等の従来
から塩化ビニルと共重合可能な単量体として知られてい
る単量体が挙げられる。そして、該共重合可能な単量体
は、塩化ビニル単量体に対し通常20重量%以下の割合
で使用することが好ましい。
【0032】本発明でいう水性媒体としては、脱イオン
水が好ましく、その使用方法としては、常温で使用して
も、昇温時間短縮のためにあらかじめ加温したり、重合
反応器内で仕込み中に加温しても良い。
【0033】本発明でいう重合開始剤としては、一般に
塩化ビニル系単量体の重合開始剤として知られているも
のを用いることができ、例えばジイソプロピルパーオキ
シジカーボネート、ジ−2−エチルヘキシルパーオキシ
ジカーボネート、ジエトキシエチルパーオキシジカーボ
ネート等のパーオキシカオボネート化合物;t−ブチル
パーオキシネオデカノエート、α−クミルパーオキシネ
オデカノエート、t−ヘキシルパーオキシビバレート、
t−アミルパーオキシネオデカノエート、1,1−ジメ
チルー3ーヒドロキシブチルパーオキシネオデカノエー
ト、t−ヘキシルパーオキシジグリコレート、α−クミ
ルパーオキシネオデカネート等のパーオキシエステル化
合物;アセチルシクロヘキシルスルホニルパーオキシド
等の過酸化物,アゾビス−2,4−ジメチルバレロニト
リル,アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレ
ロニトリル)等のアゾ化合物;過酸化水素を挙げること
ができ、これらは一種単独または二種以上の組合わせで
使用することも可能である。そして、これら重合開始剤
は、塩化ビニル系単量体100重量部に対して0.00
1〜1重量部の範囲で用いることが好ましい。
【0034】本発明でいう分散安定剤としては、一般的
に懸濁重合の分散安定剤として使用されているものでよ
く、例えばメチルセルロース,ヒドロキシエチルセルロ
ース,ヒドロキシプロピルセルロース,ヒドロキシプロ
ピルメチルセルロース等のセルローズ誘導体、部分けん
化ポリビニルアルコール、アクリル酸重合体、ゼラチン
等の水溶性ポリマー;ノニオン界面活性剤、アニオン界
面活性剤等が挙げられ、これらは一種単独でまたは二種
以上組合わせ使用することも可能であり、これら分散安
定剤は、塩化ビニル系単量体100重量部に対して0.
01〜1重量部の範囲で用いることが好ましい。
【0035】さらに、本発明においては、必要に応じ
て、塩化ビニル系重合体の製造時に適宜使用される連鎖
移動剤、酸化防止剤、帯電防止剤、pH調整剤、スケー
ル付着防止剤、滑剤等を添加しても差し支えない。
【0036】
【実施例】以下に実施例および比較例にもとづき本発明
を説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるもの
ではない。
【0037】実施例及び比較例により得られた塩化ビニ
ル系重合体の評価は、下記方法により測定した。
【0038】〜発泡状況〜 重合反応器上部に取り付けた観察窓から液表面の動きを
目視により観察し、発泡状況を観察した。
【0039】○;重合反応系内に発泡が観察されない。
【0040】×;重合反応系内に発泡が観察された。
【0041】〜平均粒子径〜 得られた塩化ビニル系重合体をJIS Z 8801に
準じた45メッシュの篩にかけ、該篩を通過したサンプ
ルを用い、該サンプルの50重量%の塩化ビニル系重合
体粒子が通過するふるいの目の大きさ(μm)を平均粒
子径として表す。
【0042】〜ロールフィッシュアイ〜 得られた塩化ビニル系重合体100重量部、Ca−Zn
系粉末複合安定剤1.5重量部、有機燐系安定化助剤
0.5重量部、群青3重量部およびポリエステル系可塑
剤50重量部を混合し、150℃のロールで厚さ0.3
5mmとして9分間混練し、0.35mmのシートを分
取し、シート50cm2中の透明粒子の数をもって示
す。
【0043】〜スケール付着状況〜 重合反応器壁についたスケール付着状況を目視で評価し
た。
【0044】 ○;良好 ×;悪い(付着が激しい) 実施例1 リフラックスコンデンサー、重合反応器内部が観察でき
る観察窓を設置した内径(D)3.900m、直胴部長
さ(H)7.200m、内容積100m3の重合反応器
及び攪拌翼として攪拌翼径(d)1.560m、攪拌翼
高さ(b)0.390m、攪拌翼枚数(np)2枚であ
るパドル翼を攪拌翼段数(n)3段で有する重合反応装
置を用いて塩化ビニル系重合体の製造を行った。
【0045】その際、d/D=0.400、b/d=
0.250、(d×b×np×n)/(2×D×H)=
0.065であった。
【0046】該重合反応器に40℃の脱イオン水450
00kg、分散安定剤としてけん化度80モル%,平均
重合度2600の部分ケン化ポリビニルアルコール3.
5%溶液431kg、けん化度35%,平均重合度30
0の部分ケン化ポリビニルアルコール14.4kgを仕
込み、真空ポンプで重合反応器を減圧した。そして、塩
化ビニル単量体36000kg(理論重合発熱量134
80Mcal)、重合開始剤として純度70重量%のク
ミルパーオキシネオデカノエート5.8kg及び純度7
0%のt−ブチルパーオキシネオデカノエート13.0
kgを重合反応器内に仕込み撹拌を開始し、重合反応系
内の1m3当たりの正味撹拌所要動力を1.7kW/m3
に調整し攪拌しながら重合温度57℃まで昇温し、リフ
ラックスコンデンサーでの除熱を開始した。その際、重
合反応時の総除熱量の60%の熱量を除熱できるように
リフラックスコンデンサーの運転条件を調整した。塩化
ビニル単量体の塩化ビニル重合体への重合転化率が35
%(総除熱量が4720Mcal)(重合温度が57℃
に到達してから100分後)となった段階で、重合反応
系内の1m3当たりの正味撹拌所要動力を2.5kW/
3とした。そして、重合反応が57℃に到達してから
4.5時間後に重合反応を終了し、未反応塩化ビニル単
量体を回収した。
【0047】得られた塩化ビニル重合体スラリーを脱水
乾燥し、塩化ビニル重合体を得た。
【0048】得られた塩化ビニル重合体を上記の評価方
法により評価測定した。その結果を表1に示す。
【0049】塩化ビニル重合体の製造時に発泡は全く起
こらず、得られた塩化ビニル重合体の平均粒子径及びロ
ールフィッシュアイは良好なものであり、塩化ビニル重
合体の製造時のスケール付着も認められなかった。
【0050】実施例2 重合反応系内の1m3当たりの正味撹拌所要動力を塩化
ビニル単量体の塩化ビニル重合体への重合転化率50%
(総除熱量6740Mcal)(重合反応温度57℃に
到達してから150分後)までは1.7kW/m3
し、塩化ビニル単量体の塩化ビニル重合体への重合転化
率50%から塩化ビニル系単量体の塩化ビニル系重合体
への重合転化率80%(総除熱量10784Mcal)
(重合反応温度57℃に到達してから230分後)まで
の間は2.5kW/m3とした以外は、実施例1と同様
の方法により塩化ビニル重合体の製造を行った。
【0051】その結果を表1に示す。
【0052】塩化ビニル重合体の製造時に発泡は全く起
こらず、得られた塩化ビニル重合体の平均粒子径及びロ
ールフィッシュアイは良好なものであり、塩化ビニル重
合体の製造時のスケール付着も認められなかった。
【0053】実施例3 リフラックスコンデンサーでの除熱量を総除熱量の85
%となるように調整した以外は、実施例1と同様の方法
により塩化ビニル重合体の製造を行った。
【0054】その結果を表1に示す。
【0055】塩化ビニル重合体の製造時に発泡は全く起
こらず、得られた塩化ビニル重合体の平均粒子径及びロ
ールフィッシュアイは良好なものであり、塩化ビニル重
合体の製造時のスケール付着も認められなかった。
【0056】実施例4 撹拌翼として攪拌翼径(d)1.560m、攪拌翼高さ
(b)0.585m、攪拌翼枚数(np)2枚のパドル
翼を攪拌翼段数(n)3段で用い、d/D=0.40
0、b/d=0.375、(d×b×np×n)/(2
×D×H)=0.098とした以外は実施例1と同様の
方法により塩化ビニル重合体の製造を行った。
【0057】その結果を表1に示す。
【0058】塩化ビニル重合体の製造時に発泡は全く起
こらず、得られた塩化ビニル重合体の平均粒子径及びロ
ールフィッシュアイは良好なものであり、塩化ビニル重
合体の製造時のスケール付着も認められなかった。
【0059】実施例5 撹拌翼として翼径(d)1.755m、翼高さ(b)
0.390m、翼枚数(np)2枚のパドル翼を攪拌翼
段数(n)3段で用い、d/D=0.450、b/d=
0.222、(d×b×np×n)/(2×D×H)=
0.073とした以外は実施例1と同様の方法により塩
化ビニル重合体の製造を行った。
【0060】その結果を表1に示す。
【0061】塩化ビニル重合体の製造時に発泡は全く起
こらず、得られた塩化ビニル重合体の平均粒子径及びロ
ールフィッシュアイは良好なものであり、塩化ビニル重
合体の製造時のスケール付着も認められなかった。
【0062】実施例6 撹拌翼として翼径(d)1.560m、翼高さ(b)
0.390m、翼枚数(np)3枚のパドル翼を攪拌翼
段数(n)2段で用い、d/D=0.400、b/d=
0.250、(d×b×np×n)/(2×D×H)=
0.065とした以外は実施例1と同様により塩化ビニ
ル重合体の製造を行った。
【0063】その結果を表1に示す。
【0064】塩化ビニル重合体の製造時に発泡は全く起
こらず、得られた塩化ビニル重合体の平均粒子径及びロ
ールフィッシュアイは良好なものであり、塩化ビニル重
合体の製造時のスケール付着も認められなかった。
【0065】比較例1 撹拌開始から重合反応終了まで重合反応系内の1m3
たりの正味撹拌所要動力を1.7kW/m3とし、正味
撹拌所要動力を変更しなかったこと以外は、実施例1と
同様の方法により塩化ビニル重合体の製造を行った。
【0066】その結果を表2に示す。
【0067】実施例1において用いたパドル翼と同じ撹
拌翼を用いても、正味撹拌所要動力の調整を行わないと
塩化ビニル重合体の製造時に発泡が発生し、スケール付
着が激しく見られ、得られる塩化ビニル重合体のロール
フィッシュアイは劣るものであった。
【0068】比較例2 撹拌開始から重合終了まで重合反応系内の1m3当たり
の正味撹拌所要動力を2.5kW/m3とし、正味撹拌
所要動力を変更しなかったこと以外は、実施例1と同様
の方法により塩化ビニル重合体の製造を行った。
【0069】その結果を表2に示す。
【0070】実施例1と同じパドル翼を撹拌翼として用
いても、正味撹拌所要動力の調整を、を行わないと得ら
れる塩化ビニル重合体は粗粒化が激しく、スケール付着
が見られ、ロールフィッシュアイも劣るものであった。
【0071】比較例3 塩化ビニル単量体の塩化ビニル重合体への重合転化率7
5%(総除熱量10110Mcal)(重合温度57℃
に到達してから210分後)までは重合反応系内の1m
3当たりの正味攪拌所用動力を1.7kW/m3として攪
拌を続け、その後重合反応系内の1m3当たりの正味撹
拌所要動力を2.5kW/m3とした以外は、実施例1
と同様の方法により塩化ビニル重合体の製造を行った。
【0072】その結果を表2に示す。
【0073】塩化ビニル重合体製造時の発泡は激しく、
スケール付着も激しく、得られた塩化ビニル重合体は粗
粒化し、ロールフィッシュアイも劣るものであった。
【0074】比較例4 塩化ビニル単量体の塩化ビニル重合体への重合転化率が
35%(総除熱量4718Mcal)(重合温度57℃
に到達してから100分後)に達した時点で重合反応系
内の1m3当たりの正味撹拌所要動力を3.5kW/m3
とした以外は、実施例1と同様の方法により塩化ビニル
重合体の製造を行った。
【0075】その結果を表2に示す。
【0076】得られた塩化ビニル重合体は粗粒化し、ロ
ールフィッシュアイは劣るものであった。
【0077】比較例5 撹拌翼として攪拌翼径(d)1.560m、攪拌翼高さ
(b)0.195m、攪拌翼枚数(np)2枚のパドル
翼を攪拌翼段数(n)3段で用い、d/D=0.40
0、b/d=0.125、(d×b×np×n)/(2
×D×H)=0.033とした以外は実施例1と同様の
方法により塩化ビニル重合体の製造を行った。
【0078】その結果を表3に示す。
【0079】塩化ビニル重合体製造時の発泡は激しく、
スケール付着も激しく、得られた塩化ビニル重合体のロ
ールフィッシュアイは劣るものであった。
【0080】比較例6 撹拌翼として攪拌翼径(d)1.560m、攪拌翼高さ
(b)0.780m、攪拌翼枚数(np)2枚のパドル
翼を攪拌翼段数(n)3段で用い、d/D=0.40
0、b/d=0.500、(d×b×np×n)/(2
×D×H)=0.130とした以外は実施例1と同様の
方法により塩化ビニル重合体の製造を行った。
【0081】その結果を表3に示す。
【0082】塩化ビニル重合体製造時の発泡は激しく、
スケール付着も激しく、得られた塩化ビニル重合体は粗
粒化し、ロールフィッシュアイが劣るものであった。
【0083】比較例7 撹拌翼として攪拌翼径(d)2.145m、攪拌翼高さ
(b)0.193m、攪拌翼枚数(np)2枚のパドル
翼を攪拌翼段数(n)3段で用い、d/D=0.55
0、b/d=0.090、(d×b×np×n)/(2
×D×H)=0.044とた以外は実施例1と同様の方
法により塩化ビニル重合体の製造を行った。
【0084】その結果を表3に示す。
【0085】塩化ビニル重合体製造時の発泡は激しく、
スケール付着も激しく、得られた塩化ビニル重合体は粗
粒化し、ロールフィッシュアイも劣るものであった。
【0086】
【表1】
【0087】
【表2】
【0088】
【表3】
【0089】
【発明の効果】本発明の製造法は、リフラックスコンデ
ンサーによる除熱量を高めても、塩化ビニル系重合体の
製造時に発泡が起こらず、得られる塩化ビニル系重合体
の粗粒化やロールフィッシュアイの悪化、スケール付着
を伴うことなく重合時間が大幅に短縮でき、塩化ビニル
系重合体の生産性を大幅に高めることができ、その工業
的価値は非常に大きいものである。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】塩化ビニル系単量体を水性媒体中、重合開
    始剤及び分散安定剤の存在下、リフラックスコンデンサ
    ーを設けた大型重合反応器を用い、懸濁重合を行う塩化
    ビニル系重合体の製造法において、撹拌翼として重合反
    応器内径Dに対する攪拌翼径dの比であるd/Dが0.
    35以上0.50以下であり、攪拌翼径dに対する攪拌
    翼高さbの比であるb/dが0.17以上0.40以下
    であり、かつ、攪拌翼径d、攪拌翼高さb、攪拌翼枚数
    np、攪拌翼段数n、重合反応器内径D、重合反応器直
    胴部長さHに対し関係式(d×b×np×n)/(2×
    D×H)から得られる値が0.04以上0.12以下で
    あるパドル翼を用い、重合反応中に総除熱量の50%以
    上をリフラックスコンデンサーにより除熱し、塩化ビニ
    ル系単量体の塩化ビニル系重合体への重合転化率が30
    %に達するまでに、重合反応系内の1m3当たりの正味
    撹拌所要動力を1.0kW/m3以上2.0kW/m3
    満とし、塩化ビニル系単量体の塩化ビニル系重合体への
    転化率が30%を超え70%以下の範囲内に重合反応系
    内の1m3当たりの正味撹拌所要動力を2.0kW/m3
    以上3.0kW/m3以下とし攪拌を行い、重合反応を
    5時間以内で完結することを特徴とする塩化ビニル系重
    合体の製造法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008111065A (ja) * 2006-10-31 2008-05-15 Kaneka Corp 塩化ビニル系重合体の製造方法

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JP2008111065A (ja) * 2006-10-31 2008-05-15 Kaneka Corp 塩化ビニル系重合体の製造方法

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