JP2008111065A - 塩化ビニル系重合体の製造方法 - Google Patents

塩化ビニル系重合体の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 塩化ビニル系単量体の懸濁重合法に関し、微細粒子および粗大粒子の生成を抑制する製造方法を提供する。
【解決手段】塩化ビニル系単量体を油溶性重合開始剤の存在下に水性媒体中で懸濁重合するに際し、重合開始から重合転化率6%までの間を重合機の内容積1m3あたりの正味撹拌動力を0.8〜1.9kw/m3とし、その後、重合転化率が25%までの間の重合機の内容積1m3あたりの正味撹拌動力を0.2〜0.8kw/m3として重合することで微細粒子および粗大粒子の生成が抑制できる。
【選択図】 なし

Description

本発明は塩化ビニル系単量体の懸濁重合法に関し、詳しくは特定の転化率における重合機の内容積1m3あたりの正味撹拌動力を制御することにより、粒度の細かい粒子および粒度の大きい粒子の生成を抑制することができる塩化ビニル系単量体の懸濁重合法に関するものである。
塩化ビニル系単量体の重合の多くは油溶性重合開始剤の存在下に水性媒体中で懸濁重合する方法が採用されている。得られた重合体の回収は、スラリーをスーパーデカンターなどのろ過機を用い、脱水した後、熱風で乾燥する。乾燥粉体はサイクロンなどの捕集装置を用い、集められる。この乾燥粉体に200メッシュ以下の微粉が多いと、収率が低く、経済的でなく、また、乾燥粉体に60メッシュ以上の粗大粒子が多いと、収率が低くなり経済的でなくなるとともに、フィッシュアイが増加し、品質問題を起こすという課題が生じる。
このような塩化ビニル系重合体に関する課題を解決するために、例えば、重合転化率が0.1%〜5.0%未満の間まで重合器内の内容液1m3あたりの正味の攪拌動力を1.0〜2.0kw/m3に制御し、その後重合転化率が0.2kw/m3以上1.0kw/m3未満に調整して重合を継続し、6時間以内に重合を完結する塩化ビニル系重合体の製造方法が開示されている(特許文献1)。しかし、この方法では、微粉が少ない重合体は得られるものの、粗粒が多く存在し、フィッシュアイも十分に低減できないという課題があった。
また、重合開始から重合転化率が0.1%まで、重合器内の内容液1m3あたりの正味の攪拌動力を0.2kw/m3以上1.0kw/m3未満に制御して重合を行い、6時間以内に重合を完結する塩化ビニル系重合体の製造方法が開示されている(特許文献2)。しかし、この方法でも、やはり粗粒が多く存在し、フィッシュアイも十分に低減できないという課題があった。
特開平10−279629号公報 特開平10−279628号公報
本発明は、上記現状に鑑み、塩化ビニル系単量体の懸濁重合法に関し、詳しくは特定の転化率における重合機の内容積1m3あたりの正味撹拌動力を特定条件に制御することにより、粗大粒子の生成を抑制することができる塩化ビニル系重合体を提供するものである。
すなわち、本発明は
塩化ビニル系単量体を油溶性重合開始剤の存在下に水性媒体中で懸濁重合するに際し、重合開始から重合転化率6%までの間は攪拌動力(「重合機の内容積1m3あたりの正味撹拌動力」のことをいう)を0.8kw/m3以上1.9kw/m3以下(第一工程)とし、その後、重合転化率が25%までの間は撹拌動力を0.2kw/m3以上0.8kw/m3以下(第二工程)として重合することを特徴とする塩化ビニル系重合体の製造方法に関する(請求項1)、
リフラックスコンデンサーを設置した重合機を用い、リフラックスコンデンサーによる除熱割合が全除熱量の50%以上であることを特徴とする請求項1記載の塩化ビニル系重合体の製造方法に関する(請求項2)、
第二工程への切替時点が、重合転化率7%以降であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の塩化ビニル系重合体の製造方法に関する(請求項3)、
第二工程の後、攪拌動力を0.8kw/m3以上1.9kw/m3以下とすることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の塩化ビニル系重合体の製造方法に関する(請求項4)、ものである。
本発明によれば、粗大粒子の生成を抑制することができる。
本発明は、重合開始から重合転化率が6%までは重合機の内容積1m3あたりの正味撹拌動力を0.8kw/m3以上1.9kw/m3以下の範囲に制御する必要がある。この段階で0.8kw/m3以上1.9kw/m3以下の範囲であれば、分散性、初期の合一および再分散頻度が好ましく、生成する粒子に粗大粒子や微細粒子の形成が少ないため、好ましい。
この範囲での正味の攪拌動力は、0.8kw/m3以上1.8kw/m3以下であることがより好ましく、0.8kw/m3以上1.6kw/m3以下であることが更に好ましく、1.0kw/m3以上1.5kw/m3以下であることが特に好ましい。
また、重合転化率が6%を越えて15%までの範囲で第一工程を継続しても構わない。重合転化率が7%以降に第一工程を終了することがより好ましい。第二工程への切替は13%までに行うことがより好ましく、10%までに行うことが更に好ましい。
本発明は、重合転化率が第一工程終了後25%の間は重合機の内容積1m3あたりの正味撹拌動力を0.2kw/m3以上0.8kw/m3以下の範囲に制御する必要がある。この段階で、粒子の均一性および所望の粒子径が形成される。この範囲での正味の攪拌動力は、0.2kw/m3以上0.7kw/m3であることがより好ましく、0.2kw/m3以上0.6kw/m3以下であることが更に好ましい。
また、重合転化率が25%を越えて30%までの範囲で第二工程を継続しても構わない。
第二工程終了後は、重合転化率に依存した重合機の内容積1m3あたりの正味撹拌動力の制限は特に無いが、除熱効率の観点から、正味の攪拌動力は0.8kw/m3以上1.9kw/m3であることが好ましい。0.8kw/m3以上1.6kw/m3以下であればより好ましく、1.0kw/m3以上1.5kw/m3以下であれば更に好ましい。
一例を挙げると、重合除熱の面で例を挙げると、内容積1500Lのステンレス製重合器を用いた場合、重合転化率が35%において、正味撹拌動力を1.2kw/m3と0.5kw/m3に調整した時のジャケット出口温度は、前者のほうが3.7℃高く、明らかに重合除熱の面で優れ、正味撹拌動力を重合初期と同様の状態にすることが望ましい。
本発明の塩化ビニル系重合体の製造方法は、次のような手順で重合が行われる。すなわち、重合機に所定量の脱イオン水、分散剤および開始剤を仕込み、重合機を密閉した後、真空ポンプで重合機内部を脱気する。次いで、所定量の塩化ビニル単量体を仕込み、同時に撹拌を開始する。塩化ビニル単量体を仕込んだ後、昇温を開始する。
本発明の重合開始とは、重合系内の温度が目的の品質を得るために必要な分子量から設定される所定の重合温度に達した時点をいう。尚、本発明においては、原材料を重合器に仕込み始めて攪拌を開始してから所定の重合温度に達するまでの期間は、本発明の目的を奏する範囲であれば、正味の攪拌動力は0.8kw/m3以上1.9kw/m3以下であっても、それ以外の範囲であっても構わない。
本発明において、リフラックスコンデンサーを設置した重合機とは、リフラックスコンデンサーが重合機本体に直接接続されていること を意味する。また、リフラックスコンデンサーによる除熱割合が全除熱量の50%以上であるとは、その他の除熱を重合機本体のジャケット等で行うことを意味する。
本発明において使用される撹拌翼やバッフルなどの撹拌装置に特に制限はない。撹拌翼としては、タービン翼、傾斜パドル翼、ブルーマージン翼、ファウドラー翼などが挙げられる。バッフルとしては、板型、円筒型、ループ型、フィンガー型などが挙げられる。
本発明に使用する単量体は、塩化ビニルを主成分とする単量体であり、具体的には、塩化ビニル単量体単独、または塩化ビニル単量体を70重量%以上含有し、塩化ビニルと共重合可能な単量体との混合物である。塩化ビニルと共重合可能な単量体としては、たとえば、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニルエステル類、エチレン、プロピレン、イソブチルビニルエーテル等のα−オレフィン類、1−クロロプロピレン、2−クロロブチレン等のクロル化オレフィン類、(メタ)アクリル酸メチル等の(メタ)アクリル酸エステル類、無水マレイン酸、アクリロニトリル、スチレン、塩化ビニリデン等が挙げられ、これらは単独で用いることも、2種以上組み合わせて用いることも可能である。
本発明に使用される分散安定剤としては、部分鹸化ポリ酢酸ビニル、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸、酢酸ビニル−マレイン酸共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、ゼラチン、デンプン、ポリエチレンオキサイド等、公知の物を1種あるいは2種以上組み合わせて用いることができる。
これらの分散安定剤は、0.04〜0.2重量部 の範囲を使用することが好ましい。
本発明に用いられる重合開始剤は、従来公知のものを用いればよいが、これらの開始剤のうち10時間半減期温度が30〜65℃のものを1種または2種以上使用するのが好ましい。このような重合開始剤としては、ターシャリーブチルパーオキシネオデカノエート、ターシャリーヘキシルパーオキシネオデカノエート、ターシャリーブチルパーオキシネオヘプタノエート、ターシャリーヘキシルパーオキシピバレート、ターシャリーブチルパーオキシピバレート、ターシャリーヘキシルパーオキシネオヘキサノエート、α−クミルパーオキシネオデカノエート、3,5,5、−トリメチルヘキサノイルパーオキサイド、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシネオデカノエート、1−シクロヘキシル−1−メチルエチルパーオキシネオデカノエート等のパーエステル化合物、1,1−ジメチル−3−ヒドロキシブチルパーオキシネオデカノエート等のパーエステル化合物、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ−2−エチルヘキシルパーオキシジカーボネート、ジ−2−エトキシエチルパーオキシジカーボネート、ジメトキシイソプロピルパーオキシジカーボネート等のパーカーボネート化合物、ベンゾイルパーオキサイド、アセチルシクロヘキシルパーオキサイド等のパーオキサイド化合物、2,2‘−アゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリル等のアゾ化合物を挙げることができ、これらを1種または2種以上組み合わせて使用することができる。さらにこれら開始剤は仕込工程の任意のタイミングで仕込むことが可能である。
本発明における重合発熱の除熱方法は、従来の除熱方式、たとえば、ジャケットによる除熱、内部ジャケット等による除熱を用いればよい。また、生産性を向上させるため、リフラックスコンデンサーを設置した重合機を用いても良い。好ましくは、リフラックスコンデンサーによる除熱割合が全除熱量の50%以上で、残りをジャケット等で除熱する方式を採用するのが良い。
また、本発明の効果を損なわない範囲で通常懸濁重合に使用される他の添加剤、例えば重合器内壁等へのスケール付着を防止することのできる安定剤、酸化防止剤等、平均重合度を調整する連鎖移動剤、消泡剤、重合水媒体のpHを調整するpH調整剤等を添加することができ、その使用量も従来公知の方法に従うことができる。
本発明を実施するに際し、重合機への塩化ビニル単量体、水性媒体、分散安定剤、重合開始剤、各種重合助剤の仕込割合、仕込方法、あるいはスケール付着防止剤の種類や適用の方法も特に限定されるものではない。重合機からの未反応単量体の回収する方法、塩化ビニル系重合体から残留した塩化ビニル単量体を除去する方法、生成した塩化ビニル系重合体を水性媒体から分離し、乾燥するための方法等も、通常採用されている方法を用いればよい。
以下、実施例を示して本発明を具体的に説明するが、本発明はこれによって限定されるものではない。
(実施例1)
内容積1500Lのステンレス製重合器にイオン交換水100部(塩化ビル単量体100部に対して、以下同じ)、分散剤として平均重合度2200で鹸化度が80%の部分鹸化ポリ酢酸ビニルを0.048部、平均分子量が450万であるPEOを0.009部、重合開始剤としてターシャリーブチルパーオキシネオデカノエートを0.017部及び3,5,5、−トリメチルヘキサノイルパーオキサイドを0.021部仕込み、真空ポンプで減圧し、酸素を除去した。続いて塩化ビニル単量体を100部仕込み、塩化ビニル単量体の仕込みと同時に撹拌を開始し、正味の撹拌所要動力が1.2kW/m3となるように回転数を調節した。重合器内温度を63℃に昇温して重合を開始した。
重合転化率が7.4%になった時点で正味の撹拌所要動力が0.5kW/m3となるように回転数を調節した。
さらに、重合転化率が26.5%で正味の撹拌所要動力が1.2kW/m3となるように回転数を調節した。重合機内圧が定常圧より0.15MPa低下した時点で重合を停止し、未反応単量体を回収して重合を終了した。得られたスラリーを脱水、乾燥して塩化ビニル重合体を得た。
得られた塩化ビニル重合体はJIS Z 8801に準拠して粒度分布を測定した。
得られた塩化ビニル重合体は60メッシュオンが0%、200メッシュパスが9.5%の重合体粒子となった。
(実施例2)
実施例1で、重合転化率が7.4%〜26.5%の期間の正味の撹拌所要動力が0.25kW/m3となるように回転数を調節した以外は同様に実施した。得られた塩化ビニル重合体は60メッシュオンが0%、200メッシュパスが5.5%の重合体粒子であった。
(実施例3)
実施例1で、分散剤として平均重合度1000で鹸化度が80%の部分鹸化ポリ酢酸ビニルを0.048部、平均分子量が450万であるPEOを0.009部、を用いた以外は同様に実施した。得られた塩化ビニル重合体は60メッシュオンが0%、200メッシュパスが7.5%の重合体粒子であった。
(実施例4)
実施例1で、分散剤として平均重合度1000で鹸化度が80%の部分鹸化ポリ酢酸ビニルを0.048部、平均分子量が450万であるPEOを0.009部、を用い、重合転化率が7.4%〜26.5%の期間の正味の撹拌所要動力が0.25kW/m3となるように回転数を調節した以外は同様に実施した。得られた塩化ビニル重合体は60メッシュオンが0%、200メッシュパスが3.0%の重合体粒子であった。
Figure 2008111065
(比較例1)
実施例1で、正味の撹拌所要動力が1.2kW/m3となるように回転数を調節して重合し、重合終了までその攪拌所要動力を維持したこと以外は同様に実施した。得られた塩化ビニル重合体は60メッシュオンが2.0%、200メッシュパスが15.5%の重合体粒子であった。
(比較例2)
実施例1で、重合転化率が3.6%〜26,5%の期間の正味の撹拌所要動力が0.25kW/m3となるように回転数を調節した以外は同様に実施した。得られた塩化ビニル重合体は60メッシュオンが8.3%、200メッシュパスが3.5%の重合体粒子であった。
(比較例3)
実施例1で、重合転化率が3.6%までは正味の撹拌所要動力が0.25kW/m3、重合転化率が3.6%以降の期間の正味の撹拌所要動力が1.2kW/m3となるように回転数を調節して重合した以外は同様に実施した。得られた塩化ビニル重合体は60メッシュオンが6.3%、200メッシュパスが5.5%の重合体粒子であった。
(実施例5)
内容積1500Lのステンレス製重合器の内部をRCの内部と共に脱気した後、脱気したイオン交換水100部(塩化ビル単量体100部に対して、以下同じ)、塩化ビニル100部、分散剤として平均重合度2200で鹸化度が80%の部分鹸化ポリ酢酸ビニルを0.064重量部、平均分子量が450万であるPEOを0.009部、並びに重合開始剤としてターシャリーブチルパーオキシネオデカノエートを0.034重量部及び3,5,5、−トリメチルヘキサノイルパーオキサイドを0.057重量部を仕込み、重合器内温度を63℃に昇温した。重合器内温度が63℃に到達すると同時にRCを稼働させた。尚、重合中RCの冷却水温度及び重合器ジャケット温度を制御し、重合反応熱をRCと重合器ジャケットで除熱し、RCによる除熱は75%となるように調整した。重合開始から重合転化率8.6%に到達した時点で正味の撹拌所要動力が0.5kW/m3となるように回転数を調節した。
さらに、重合転化率が26.5%で正味の撹拌所要動力が1.2kW/m3となるように回転数を調節した。重合機内圧が定常圧より0.15MPa低下した時点で重合を停止し、未反応単量体を回収して重合を終了した。得られたスラリーを脱水、乾燥して塩化ビニル重合体を得た。得られた塩化ビニル重合体は60メッシュオンが0%、200メッシュパスが11.5%の重合体粒子となった。
(実施例6)
実施例5で、重合転化率が8.6%〜26.5%の期間の正味の撹拌所要動力が0.25kW/m3となるように回転数を調節した以外は同様に実施した。得られた塩化ビニル重合体は60メッシュオンが0%、200メッシュパスが4.5%の重合体粒子であった。
(実施例7)
実施例5で、分散剤として平均重合度2200で鹸化度が80%の部分鹸化ポリ酢酸ビニルを0.079重量部、平均分子量が450万であるPEOを0.009部重合転化率が8.6%〜26.5%の期間の正味の撹拌所要動力が0.5kW/m3となるように回転数を調節した以外は同様に実施した。得られた塩化ビニル重合体は60メッシュオンが0%、200メッシュパスが10.0%の重合体粒子であった。
(実施例8)
実施例5で、分散剤として平均重合度2200で鹸化度が80%の部分鹸化ポリ酢酸ビニルを0.079重量部、平均分子量が450万であるPEOを0.009部重合転化率が12%〜26.5%の期間の正味の撹拌所要動力が0.25kW/m3となるように回転数を調節した以外は同様に実施した。得られた塩化ビニル重合体は60メッシュオンが0%、200メッシュパスが16.3%の重合体粒子であった。
Figure 2008111065
Figure 2008111065
(比較例4)
実施例5で、重合転化率が7.4%までの期間の正味の攪拌所要動力が1.2kW/m3、重合転化率が7.4%〜26.5%間での期間の正味の撹拌所要動力が1.2kW/m3となるように回転数を調節して重合した以外は同様に実施した。得られた塩化ビニル重合体は60メッシュオンが2.0%、200メッシュパスが16.5%の重合体粒子であった。
(比較例5)
実施例5で、重合転化率が3.6%までの期間の正味の撹拌所要動力が1.2kW/m3、重合転化率が3.6%〜26.5%の期間の正味の撹拌所要動力が0.25kW/m3となるように回転数を調節した以外は同様に実施した。得られた塩化ビニル重合体は60メッシュオンが10.3%、200メッシュパスが5.5%の重合体粒子であった。
(比較例6)
実施例5で、重合転化率が0%〜3.6%の期間の正味の撹拌所要動力が1.2kW/m3、重合転化率が3.6%以降重合終了までの期間の正味の撹拌所要動力が0.5kW/m3となるように回転数を調節した以外は同様に実施した。得られた塩化ビニル重合体は60メッシュオンが2.3%、200メッシュパスが2.8%の重合体粒子であった。
(比較例7)
実施例5で、重合転化率が0%〜2%の期間の正味の撹拌所要動力が1.2kW/m3、重合転化率が2%以降重合終了までの期間の正味の撹拌所要動力が0.5kW/m3となるように回転数を調節した以外は同様に実施した。得られた塩化ビニル重合体は60メッシュオンが3.5%、200メッシュパスが1.0%の重合体粒子であった。
Figure 2008111065
(比較例8)
実施例7で、重合転化率が0%〜0.5%の期間の正味の撹拌所要動力が1.2kW/m3、重合転化率が0.5%以降重合終了までの期間の正味の撹拌所要動力が0.25kW/m3となるように回転数を調節した以外は同様に実施した。得られた塩化ビニル重合体は60メッシュオンが3.5%、200メッシュパスが1.0%の重合体粒子であった。
(比較例9)
実施例7で、重合転化率が0%〜5%の期間の正味の撹拌所要動力が1.2kW/m3、重合転化率が0.5%以降重合終了までの期間の正味の撹拌所要動力が0.25kW/m3となるように回転数を調節した以外は同様に実施した。得られた塩化ビニル重合体は60メッシュオンが2.3%、200メッシュパスが2.8%の重合体粒子であった。
(比較例10)
実施例5で、重合転化率が0%〜7.4%の期間の正味の撹拌所要動力が1.2kW/m3、重合転化率が7.4%〜22%の期間の正味の撹拌所要動力が0.25kW/m3、22%以降重合終了までの期間の正味の攪拌所要動力が1.2kW/m3となるように回転数を調節した以外は同様に実施した。得られた塩化ビニル重合体は60メッシュオンが0.7%、200メッシュパスが5.6%の重合体粒子であった。
(比較例11)
実施例5で、重合転化率が0%〜7.4%の期間の正味の撹拌所要動力が2.0kW/m3、重合転化率が7.4%〜26.5%の期間の正味の撹拌所要動力が0.5kW/m3、重合転化率が26.5%以降の期間の正味の撹拌所要動力が1.2kW/m3となるように回転数を調節した以外は同様に実施した。得られた塩化ビニル重合体は60メッシュオンが2.2%、200メッシュパスが6.6%の重合体粒子であった。
(比較例12)
実施例1で、重合転化率が0%〜7.4%の期間の正味の撹拌所要動力が1.2kW/m3、重合転化率が7.4%〜29.5%の期間の正味の撹拌所要動力が0.1kW/m3、重合転化率が29.5%以降の期間の正味の撹拌所要動力が1.2kW/m3となるように回転数を調節した以外は同様に実施した。得られた塩化ビニル重合体は60メッシュオンが1.3%、200メッシュパスが3.0%の重合体粒子であった。
(比較例13)
実施例7で、重合転化率が0%〜0.5%の期間の正味の撹拌所要動力が0.2kW/m3、重合転化率が0.5%以降重合終了までの期間の正味の撹拌所要動力が1.2kW/m3となるように回転数を調節した以外は同様に実施した。得られた塩化ビニル重合体は60メッシュオンが4.3%、200メッシュパスが21.6%の重合体粒子であった。
Figure 2008111065
Figure 2008111065
結果を表1〜6に示した。重合開始から重合転化率6%までの間を重合機の内容積1m3あたりの正味撹拌動力を0.8〜1.9kw/m3とし、その後、重合転化率が25%までの期間の重合機の内容積1m3あたりの正味撹拌動力を0.2〜0.8kw/m3として重合することにより、大粒子が減少したことが明らかである。

Claims (4)

  1. 塩化ビニル系単量体を油溶性重合開始剤の存在下に水性媒体中で懸濁重合するに際し、重合開始から重合転化率6%までの間は攪拌動力(「重合機の内容積1m3あたりの正味撹拌動力」のことをいう)を0.8kw/m3以上1.9kw/m3以下(第一工程)とし、その後、重合転化率が25%までの間は撹拌動力を0.2kw/m3以上0.8kw/m3以下(第二工程)として重合することを特徴とする塩化ビニル系重合体の製造方法。
  2. リフラックスコンデンサーを設置した重合機を用い、リフラックスコンデンサーによる除熱割合が全除熱量の50%以上であることを特徴とする請求項1記載の塩化ビニル系重合体の製造方法。
  3. 第二工程への切替時点が、重合転化率7%以降であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の塩化ビニル系重合体の製造方法。
  4. 第二工程の後、攪拌動力を0.8kw/m3以上1.9kw/m3以下とすることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の塩化ビニル系重合体の製造方法。
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