JP2574078B2 - 塩化ビニル系単量体の懸濁重合方法 - Google Patents
塩化ビニル系単量体の懸濁重合方法Info
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Description
濁重合方法に関し、さらに詳しくは、かさ比重が大き
く、適度な粒度を有し、かつゲル化性、粉体流動性に優
れた、成形加工性の改良された高品質の塩化ビニル系樹
脂を高生産性にて製造するための製造方法に関する。
は、懸濁剤の界面化学的作用と攪拌による機械的せん断
作用により単量体を水性媒体中に油滴として分散させ、
この油滴内に溶解した重合開始剤によって重合が開始し
進行するが、同時に液状の単量体油滴は重合の進行に伴
ってその粘度が増大し、ついには樹脂状の重合体粒子に
転化する。そして重合初期の転化率がおよそ5%に達す
るまでの過程において油滴単位の合体、分散が繰返し行
われ、この段階で粒子構造の基本骨格が形成される。塩
化ビニル系樹脂として最終的に得られる重合体粒子は、
複数の油滴単位から構成された凝集体であり、その内部
は空隙を有する微粒子の集合体である。
では、懸濁剤系の種類・量などの懸濁剤処方、攪拌速度
・動力などの攪拌条件、および液状単量体から樹脂状重
合体への転化速度、すなわち重合反応速度などの重合諸
条件が粒子構造を決定する上で非常に重要な因子となる
ものであり、これらの条件が樹脂の粒子構造に起因する
品質特性、例えば粒度、かさ比重、ゲル化性、粉体流動
性などを支配することが知られている。
工生産性を高めたり、バッチ混合器での処理量を増やす
ために、かさ比重が高く、ゲル化性に優れ、しかも適度
な粒度を有した粉体流動性、成形加工性に優れた樹脂が
要求されていた。このような要求に合致する樹脂を製造
するための懸濁重合方法として、例えば還流凝縮器を付
設した重合器を用い、初期仕込み時の水/単量体比を
0.8〜1.0とし、重合中に水を追加する方法(特公
平3−4561号)、重合中に単量体を追加する方法
(特開昭50−97679号)、重合中に重合温度を高
める方法(特開昭61−207410号)などが開示さ
れているが、これらの方法は、かさ比重を高めるという
効果が不十分であるほか、重合系の懸濁安定性が不十分
であるために粗粒化したり、重合操作が煩雑になるなど
の問題点があった。
て、複数種の部分ケン化ポリ酢酸ビニルおよびセルロー
ス誘導体を組み合わせて使用する方法が多数提案されて
いる。例えば、特公昭63−39606号、特公平1−
27088号、特公平2−22081号、特公平2−6
2121号、特開昭61−141703号、特開昭62
−260803号、特開昭62−263206号、特開
昭63−156809号、特開昭63−264611
号、特開昭63−275606号などである。
は、確かにかさ比重を高める効果は認められるものの、
その効果が不十分であったり、あるいは粒度、ゲル化
性、粉体流動性など、その他の品質特性が劣るなどの欠
点があり、成形加工性の優れた樹脂を高生産性にて安定
的に得るための方法としては、未だ満足できるものでは
ない。
を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、特定の懸濁剤およ
び懸濁助剤を特定重量比で併用し、重合初期の攪拌動力
を特定範囲に制御して6時間以内に重合完結することに
より、かさ比重が高く、ゲル化性に優れ、しかも適度な
粒度を有した粉体流動性および成形加工性の改良された
塩化ビニル系重合体を高生産性にて製造できることを見
出し、本発明を完成するに至った。すなわち本発明の目
的は、高品質の塩化ビニル系重合体を高生産性で製造す
る改良された方法を提供することにある。
塩化ビニル系単量体を油溶性重合開始剤の存在下に水性
媒体中で懸濁重合するに際し、(A)平均ケン化度65
〜95モル%の部分ケン化ポリ酢酸ビニルおよびヒドロ
キシプロピルメチルセルロースから成る群より選ばれた
少なくとも1種の懸濁剤、および(B)平均ケン化度1
5〜55モル%の部分ケン化ポリ酢酸ビニルおよびHL
B値が2〜10の非イオン性界面活性剤から成る群より
選ばれた少なくとも1種の懸濁助剤の両者を、(A)/
(B)の重量比が0.5〜20となるよう併用し、かつ
重合開始から転化率が少なくとも5%に達するまでの期
間の重合器の内容液1m3あたりの正味攪拌動力を1.0
〜2.0kW/m3に制御して重合を行い、6時間以内に重
合完結させることによって達成される。
おいて、塩化ビニルと共重合し得る単量体としては、例
えば酢酸ビニルに代表されるアルキルビニルエステル
類、セチルビニルエーテルに代表されるアルキルビニル
エーテル類、エチレン、プロピレン等のα−モノオレフ
ィン類、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル等の
(メタ)アクリル酸アルキルエステル類、その他塩化ビ
ニリデン、スチレン等が例示されるが、共重合するもの
であればこれらに限定されない。
ン化度65〜95モル%の部分ケン化ポリ酢酸ビニルお
よびヒドロキシプロピルメチルセルロースから成る群よ
り選ばれた少なくとも1種である。これが部分ケン化ポ
リ酢酸ビニルから選択される場合は、ケン化度70〜9
0モル%で、平均重合度が700〜3000のものが好
ましい。また、ヒドロキシプロピルメチルセルロースか
ら選択される場合には、メトキシ基含量25〜30重量
%、ヒドロキシプロポキシ基含量4〜12重量%、およ
び2重量%水溶液の20℃における粘度40〜60セン
チポイズのものが好ましい。
散効果、懸濁保護効果により、粘度や粒子の凝集状態を
調節する作用を有することから、主懸濁剤、1次懸濁剤
などと呼ばれているのに対し、本発明で使用する成分
(B)は水に不溶ないしは難溶性であり、水性媒体中で
の懸濁重合に用いても界面活性能が小さいことから、一
般には懸濁助剤、補助懸濁剤、または2次懸濁剤などと
呼ばれている。本発明においては、これを懸濁助剤と称
する。
ン化度15〜55モル%の部分ケン化ポリ酢酸ビニルお
よびHLB値が2〜10の非イオン性界面活性剤から成
る群より選ばれた少なくとも1種の化合物である。これ
が部分ケン化ポリ酢酸ビニルから選択される場合は、ケ
ン化度が30〜50モル%で重合度が200〜800の
範囲のものが好ましい。一方、HLB値が2〜10の非
イオン性界面活性剤としては、ソルビタンモノラウレー
ト、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタン(モノ、
ジ、トリ)ステアレート、ソルビタンモノオレート等の
ソルビタン脂肪酸エステル類、ステアリン酸モノグリセ
ライド、オレイン酸モノグリセライド等のグリセリン脂
肪酸エステル類などが例示されるが、これらに限定され
ない。しかしながら、懸濁助剤(B)が前記の界面活性
剤から選択される場合には、ソルビタン脂肪酸エステル
類が好ましく、ソルビタンモノステアレートが特に好ま
しい。
体油滴に溶解して油滴内部および表面に析出する微細重
合粒子の凝集を防止する作用を有するためと推察される
が、内部空隙に富み、スキン層の少ない重合体が得られ
るので、フィッシュアイや成形加工時のゲル化性、可塑
剤吸収性を改良する効果がある。
た懸濁剤(A)および懸濁助剤(B)の両者の群からそ
れぞれ選択される各少なくとも1種を併用し、その重量
比(A)/(B)を0.5〜20、好ましくは1〜10
とする。これが0.5に満たない場合には、樹脂のかさ
比重が低下するほか、製品樹脂中の微粉が増加して粉体
流動性が阻害される。また、この値が20を越えると樹
脂のゲル化性が悪化するので、本発明の目的が達成でき
ない。懸濁剤(A)の使用量は、通常、単量体100重
量部あたり0.03〜0.08重量部の範囲である。
した重合器に単量体、水、重合開始剤、および前記した
懸濁剤系を慣用の仕込み方法に従って仕込み、重合器の
ジャケットに熱媒体を循環させるなどの手段により、重
合器の内容物を攪拌下に所定の重合温度に昇温して重合
を開始させるのであるが、本発明においては、重合開始
から転化率が少なくとも5%、好ましくは10〜30%
に達するまでの期間、すなわち重合体粒子構造の基本骨
格が形成されるまでの間は、重合器の内容液1m3あたり
の正味攪拌動力を1.0〜2.0kW/m3、好ましくは
1.2〜1.6kW/m3に制御することが必須である。こ
の値が1.0kW/m3に満たない場合には、前記した懸濁
剤系を使用した場合でも、重合体粒子の粗粒化を招くほ
か、多孔性が損なわれてゲル化性が低下する。また、
2.0kW/m3を越えると、かさ比重が低下するばかりで
なく、粒度が細かくなるか、あるいはその他の重合条件
によっては粗粒が発生するという不利がある。転化率が
5%に達したのちの攪拌動力は特に限定されず、重合器
内が均一に攪拌されさえすればよい。
は、例えば「化学工学協会編:化学工学便覧、改訂三
版、1065〜1115頁、昭和43年、丸善株式会
社」に詳細に記載されているように、各種形状の攪拌装
置についての攪拌系のレイノルズ数Reと動力数Npの
関係を表す実験式や線図を利用するか、またはある一定
の攪拌条件下での動力を実測することにより装置定数と
してのNpを実験的に求め、攪拌翼の回転数を変更する
ことによって動力を任意に調節することができる。
g/m3)、粘性係数をμ(kg/m・sec)、攬拌
翼の回転数をn(1/sec)、翼スパンをd(m)、
重力換算係数をgc(kg・m/Kg・sec2)、減
速機構部や軸封部での損失を含まない正味の攪拌動力を
P(Kg/m・sec)とすれば、ReおよびNpはそ
れぞれ Re=ρnd2/μ Np=P・gc/ρn3d5 で定義されるものであり、公知文献または実験からNp
を求めることができる。
的に採用されている大型重合器の攪拌装置のNpの値は
およそ0.2〜2の範囲である。重合器内の液量をV
(m3)とすれば重合器の単位容積あたりの正味攪拌動力
Pv(kW/m3)は次式に従って算出することができる。 Pv=Np・ρn3 d5 ・/102・V・gc したがって、特定の攪拌装置を用いて正味攪拌動力を調
整する場合には、動力は攪拌翼の回転数の3乗に比例す
るので、回転数を変更することにより動力を制御するこ
とができる。
より使用されるバッフルなどの攪拌装置の形状は特に限
定されるものではなく、従来、塩化ビニル系単量体の懸
濁重量方法では一般的に採用されている公知の攪拌装置
を使用することができ、攪拌翼としてはタービン翼、フ
ァンタービン翼、ファウドラー翼およびブルーマージン
翼などが例示されるが、ファウドラー翼が好ましく、ま
たバッフルとしては板型、パイプ型、D型、ループ型お
よびE型(フィンガー型)などが例示されるが、パイプ
型、D型、E型のバッフルが好ましい。これらの攪拌翼
およびバッフルは塩化ビニルの重合で一般に使用されて
いるものでよく、例えば前記「化学工学便覧」または
「佐伯康治著:ポリマー製造プロセス、157〜159
ページ、1971年、工業調査会」などに説明されてい
る。
来工業的規模で採用されている内容積40m3以上の大型
重合器では通常6時間を越えていた重合反応を、6時間
以内に完結させることが必須である。このような高速重
合を実施することにより液状単量体から樹脂状重合体へ
の転化速度が速まり、油滴どうしの離合集散の頻度、お
よびこの過程で油滴内部に生成する微小粒子の凝集状態
などが影響されるためと推定されるが、かさ比重の高い
重合体粒子を得ることが可能になる。しかも粉体の流動
性を阻害する微細な粒子の生成を抑制することができ、
成形加工時の樹脂の取扱性が改善されるという利点が伴
う。重合完結までの時間が6時間を越えると、かさ比重
や粉体流動性が低下するので本発明の目的が達成できな
い。
すなわち重合時間とは、単量体などの各成分の仕込み終
了後昇温操作などにより重合器の内温が所定の重合温度
に達した時点から、重合器の圧力がその重合温度での自
然圧力で暫く推移した後未反応単量体の減少に伴って圧
力降下を始め、その降下巾が2kg/cm2 に達するまでの
時間と定義する。本発明における重合時間は、重合器の
温度制御や圧力管理などの安全面から3〜6時間とする
ことが好ましい。本発明において重合を完結させる方法
としては、重合禁止剤を添加したり、重合器から未反応
単量体を回収する方法が挙げられる。
用量で調節することができ、その使用量を増すことによ
って重合時間の短縮が可能である。本発明において6時
間以内に重合完結させるために使用する開始剤は、従来
から塩化ビニル系単量体の懸濁重合方法で一般的に使用
されていたものでよく、特に限定されないが、例えば
2,4,4−トリメチルペンチル−2−パーオキシネオ
デカノエート、ジ−2−エチルヘキシルパーオキシジカ
ーボネート、ジエトキシエチルパーオキシジカーボネー
ト、α−クミルパーオキシネオデカノエート、t−ブチ
ルパーオキシネオデカノエート、t−ブチルパーオキシ
ピバレート、3,5,5−トリメチルヘキサノイルパー
オキサイドおよびアセチルシクロヘキシルスルフォニル
パーオキサイドなどのような有機過酸化物、α,α′−
アゾビスイソブチロニトリルおよびα,α′−アゾビス
−2,4−ジメチルバレロニトリルなどのアゾ化合物が
挙げられ、これらの1種または2種以上の混合物が用い
られる。しかしながら10時間半減期温度が34〜50
℃のパーエステル構造を有する開始剤を、重合に使用す
る全開始剤量の50%以上使用することが好ましい。開
始剤の使用量は開始剤種類や重合温度によっても異なる
が、通常、単量体100重量部あたり0.02〜1重量
部の範囲である。
器を用いて、本発明に従って6時間以内の高速重合を実
施するに際して多量の反応熱が発生するが、この反応熱
を除去するにあたって例えば特公平3−4249号に記
載された内部ジャケット式重合器、すなわち重合器本体
内面に冷熱媒体の通路を設けることにより伝熱性能を向
上させた重合器を用いれば、重合器の温度管理が容易に
なり、しかも熱除去に伴うスラリーの発泡や懸濁安定性
の低下などの悪影響もないので、本発明の目的を一層有
利に達成することができる。内部ジャケット式重合器と
しては重合時の総括伝熱係数が700kcal/m2・hr・℃
以上の性能を有するものが好ましい。勿論、還流凝縮器
を用い、付加的に重合反応熱を除去する方法を採用する
ことも可能である。
用いて熱除去を行う際には、重合中の還流凝縮器による
最大除熱割合を50%未満として除熱を行う。ここで還
流凝縮器による除熱割合とは、重合反応に伴う発熱量に
対する還流凝縮器での除熱量の割合である。この割合が
50%を越える場合には、スラリーの発泡により還流凝
縮器の伝熱面に重合体が付着堆積し、重合を繰り返し行
うと除熱が困難になるばかりでなく、単量体がスラリー
中から気化する際に重合系が激しく攪拌されるためと推
察されるが、懸濁安定性が損なわれて粗粒化したり、粒
子形状が不規則になり球状の樹脂を得ることができなく
なり、粉体流動性やかさ比重の低下を招くという不都合
が生じる。還流凝縮器の構造は特に限定されないが、一
般には多管式還流凝縮器が例示される。また、還流凝縮
器の使用方法は公知のいかなる方法をも採用することが
できるが、その最大除熱割合は50%未満に制御する。
れ、所望に応じてメルカプトアルカノール、チオグリコ
ール酸アルキルエステルなどの連鎖移動剤、pH調整
剤、または重合禁止剤などを使用することもできる。水
は予め加温したものでもよく、また脱気したものでもよ
い。これらの各成分の仕込み量、部数、およびその他の
重合条件は、従来塩化ビニル系の重合で行われている慣
用の条件でよく、特に限定されるものではない。
および懸濁助剤を特定重量比で併用し、さらに、重合粒
子の構造支配因子である攪拌動力、および重合反応速度
を特定範囲に制御することにより、粒度、かさ比重、ゲ
ル化性、粉体流動性など成形加工性に優れた塩化ビニル
系樹脂を得ることができ、しかも重合生産性を高めるこ
とができるという、従来技術では達成困難であった課題
を解決することができ、工業的見地から極めて有用であ
る。
に説明する。なお、実施例、比較例の中の%および部
は、とくに断りのない限り重量基準である。また、塩化
ビニル系樹脂の物性値は次の方法により測定した。
径として示した。
する割合をもって示した。
もって示した。
めるかさ比重測定用ホッパーから、全量落下するのに要
する時間をもって示した。
ットの温度を190℃に保った容器内に塩化ビニル系樹
脂100部(65g)、ステアリン酸鉛1部、三塩基性
硫酸鉛2.5部、二塩基性ステアリン酸鉛0.3部を投
入して3分間予熱した後、ローラーヘッドを30rpm で
回転させながら混練を行い、混練トルクが安定し一定値
を示すまでの時間をもって示した。
び外径0.22mのパイプバッフル4本を装着した直径
3.2m、内容積45m3の内部ジャケット式ステンレス
製重合器を脱気した後、塩化ビニル単量体100部(1
7.0トン)、水110部、懸濁剤としてケン化度が8
8モル%で平均重合度が2400の部分ケン化ポリ酢酸
ビニル0.050部、懸濁助剤としてソルビタンモノス
テアレート0.050部、および重合開始剤として2,
4,4−トリメチルペンチル−2−パーオキシネオデカ
ノエート0.05部を仕込み、攪拌翼の回転数を112
rpm に制御して攪拌下に重合器の内容物を温度57℃に
昇温して、重合を開始させた。
ットで反応熱を除去することにより内温を57℃に保ち
ながら重合を継続させ、重合開始当初8.7kg/cm
2であった重合器の圧力が6.7kg/cm2に降下し
た時点で重合器から未反応単量体を回収し、重合完結さ
せた。次いで重合器の内容物を排出し、脱水乾燥するこ
とにより塩化ビニル樹脂を得た。正味攪拌動力Pvは重
合開始時1.5kW/m3であったが、その後重合の進
行とともに徐々に増加し、重合転化率が5%に達した時
点では1.6kW/m3を示した。重合時間(重合温度
到達時点から、上記の重合完結までの時間)は4.3時
間であり、重合完結時の転化率は85%であった。
べて実験番号1と同一の条件で重合を行い、塩化ビニル
樹脂を得た。正味攪拌動力、重合時間、および重合完結
時の転化率はすべて実験番号1と同様であった。
示した。
とにより正味攪拌動力を調節した以外は、すべて実験番
号1と同一の条件で重合を行い、塩化ビニル樹脂を得
た。重合時間および重合完結時の転化率は、すべて実験
番号1と同様であった。
て、表2に示した。
〜14(比較例) 表3に示した重合開始剤を用いることにより重合時間を
調節した以外は、すべて実験番号1と同一の条件で重合
を行い、塩化ビニル樹脂を得た。正味攪拌動力および重
合完結時の転化率は、すべて実験番号1と同様であっ
た。
して、表3に示した。
多管式還流凝縮器を連結し、重合器の内容物を昇温して
重合を開始させると同時に還流凝縮器に冷却水を通水し
て重合反応熱の除去を開始し、還流凝縮器による最大除
熱割合を表4に示した値に制御しながら重合を行い、重
合完結させた以外は、すべて実験番号1と同一の条件で
重合を行い、塩化ビニル樹脂を得た。正味攪拌動力、重
合時間および重合完結時の転化率は、すべて実験番号1
と同様であった。
4に示した。
Claims (3)
- 【請求項1】 塩化ビニル単量体、または塩化ビニルと
共重合し得る単量体と塩化ビニルとの混合物から選ばれ
た塩化ビニル系単量体を油溶性重合開始剤の存在下に水
性媒体中で懸濁重合するに際し、 (A)平均ケン化度65〜95モル%の部分ケン化ポリ
酢酸ビニルおよびヒドロキシプロピルメチルセルロース
から成る群より選ばれた少なくとも1種の懸濁剤、およ
び (B)平均ケン化度15〜55モル%の部分ケン化ポリ
酢酸ビニルおよびHLB値が2〜10の非イオン性界面
活性剤から成る群より選ばれた少なくとも1種の懸濁助
剤の両者を、(A)/(B)の重量比が0.5〜20と
なるよう併用し、かつ重合開始から転化率が少なくとも
5%に達するまでの期間の重合器の内容液1m3あたりの
正味攪拌動力を1.0〜2.0kW/m3に制御して重合を
行い、6時間以内に重合完結させることを特徴とする塩
化ビニル系単量体の懸濁重合方法。 - 【請求項2】 攪拌装置を装着し、重合器本体内面に冷
熱媒体の通路を設けた内容積40m3以上の内部ジャケッ
ト式大型重合器を用いることを特徴とする請求項1記載
の塩化ビニル系単量体の懸濁重合方法。 - 【請求項3】 還流凝縮器を装着した重合器を用い、還
流凝縮器による最大除熱割合を50%未満に制御して重
合を行うことを特徴とする請求項1または2記載の塩化
ビニル系単量体の懸濁重合方法。
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