JPH07116246B2 - 塩化ビニル系単量体の懸濁重合方法 - Google Patents

塩化ビニル系単量体の懸濁重合方法

Info

Publication number
JPH07116246B2
JPH07116246B2 JP27925790A JP27925790A JPH07116246B2 JP H07116246 B2 JPH07116246 B2 JP H07116246B2 JP 27925790 A JP27925790 A JP 27925790A JP 27925790 A JP27925790 A JP 27925790A JP H07116246 B2 JPH07116246 B2 JP H07116246B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
polymerization
vinyl chloride
monomer
weight
mol
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP27925790A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH04154809A (ja
Inventor
靖道 石井
正久 大川
勲 大内
秀樹 若森
多実男 大和
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Zeon Corp
Original Assignee
Zeon Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Zeon Corp filed Critical Zeon Corp
Priority to JP27925790A priority Critical patent/JPH07116246B2/ja
Publication of JPH04154809A publication Critical patent/JPH04154809A/ja
Publication of JPH07116246B2 publication Critical patent/JPH07116246B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)
  • Polymerisation Methods In General (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、塩化ビニル系単量体の改良された懸濁重合方
法に関し、さらに詳しくは多孔性でフィッシュアイ、可
塑剤吸収性および粒度特性に優れた高品質の塩化ビニル
系樹脂を、高速重合で高生産性下製造する懸濁重合方法
に関する。
〔従来の技術〕
従来、塩化ビニル系樹脂を製造するに際し、特定のケン
化度、重合度の部分ケン化ポリ酢酸ビニル(別名、部分
ケン化ポリビニルアルコール)を使用する懸濁重合方法
が多種提案されており、例えば特公昭63−39606号に
は、懸濁剤として(a)ケン化度60〜90モル%、重合度
300〜3000のポリビニルアルコールと(b)ケン化度20
〜55モル%、重合度100〜1000のポリビニルアルコール
とを(a)/(b)=1/9〜8/2の割合で使用する方法
が、また特開昭62−263206号には、(a)ケン化度が85
〜90モル%で4%水溶液の20℃における粘度が25〜65cp
sの部分ケン化ポリ酢酸ビニルと、(b)ケン化度が65
〜75モル%で粘度が5〜6cpsの部分ケン化ポリ酢酸ビニ
ル、および(c)ケン化度35〜50モル%で重合度200〜8
00の部分ケン化ポリ酢酸ビニルを、(a)/(b)=9/
1〜1/1、((a)+(b))/(c)=8/1〜2/1の重合
比で併用する方法が開示されている。しかし、これらの
いずれの方法にも、6時間以内に重合を完結させる、い
わゆる高速重合を行うと、得られる塩化ビニル系樹脂の
フィッシュアイ、可塑剤吸収性、粒度などの品質の低下
を招くという欠点があった。
すなわち、近年、重合器のジャケット構造の改善や還流
凝縮器の運転技術の進歩などに伴い、重合器の重合反応
熱の除去能力が大幅に向上したことによって、工業的規
模で採用されている内容積40m3以上の大型重合器におい
ても、除熱能力的には6時間以内に重合を完結させる高
速重合が可能になった。しかし、従来の技術では大型重
合器でこのような高速重合を実施すると、フィッシュア
イが急激に増加したり粒度の調節が困難になるなどの問
題が生じ、高品質の樹脂を製造することが一層困難とさ
れていた。
したがって、高速重合を実施することにより高生産性下
に、しかも高品質の塩化ビニル系樹脂を製造する懸濁重
合方法を開発することは、極めて重要な技術課題とされ
るのである。
〔発明が解決しようとする課題〕
本発明の目的は、多孔性でフィッシュアイ、可塑剤吸収
性および粒度特性に優れた塩化ビニル系樹脂を、高速重
合で高生産性下に製造する懸濁重合方法を提供すること
にある。
〔課題を解決するための手段〕
本発明のかかる目的は、塩化ビニル系単量体、すなわち
塩化ビニル単量体または塩化ビニルと共重合し得る単量
体と塩化ビニル単量体との混合物を油溶性開始剤の存在
下に水性媒体中で懸濁重合し6時間以内に重合を終了さ
せるに際し、(A)懸濁剤として(a)ケン化度75〜85
モル%、平均重合度1000〜3000の部分ケン化ポリ酢酸ビ
ニル、(b)ケン化度65〜75モル%、平均重合度500〜9
00の部分ケン化ポリ酢酸ビニル、および(c)ケン化度
20〜55モル%、平均重合度200〜1000の部分ケン化ポリ
酢酸ビニルを用い、単量体100重量部あたりの(a)と
(b)との仕込み量の合計が0.02〜0.2重量部で、
(a)と(b)との仕込み重量比が(a)/(b)=1/
5〜5/1であり、かつ単量体100重量部あたりの(c)の
仕込み量が0.01〜0.1重量部となるように仕込み、
(B)重合開始から転化率が少なくとも5%に達するま
での重合器の単位容積あたりの正味攪拌動力を1.0〜3.0
kW/m3として重合することによって達成される。
本発明の目的を一層効果的に達成するためには、さら
に、攪拌機を装着し、加熱・冷却のためのジャケットを
重合器本体内面に内包化した内容積40m3以上の内部ジャ
ケット式大型重合器を用いることにより、本発明を有利
に実施できる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の実施にあたり、まず予め脱気した重合器に塩化
ビニル系単量体、水性媒体、油溶性開始剤および懸濁剤
を仕込むのであるが、懸濁剤としては前記したケン化
度、重合度が異なる(a)、(b)および(c)の3成
分の部分ケン化ポリ酢酸ビニルを前記した特定の量およ
び割合で用いることが必須である。
懸濁剤(a)および(b)成分は重合中の単量体油滴や
重合体粒子を水性媒体中に安定して懸濁させ、粒度およ
びかさ比重を適度に調節しながら、しかも多孔質な内部
構造を有する粒子を製造するために使用するものである
が、この両成分の使用量および比率を厳密に特定するこ
とが必須であり、単量体100重量部あたりの(a)と
(b)との仕込み量の合計が0.02〜0.2重量部、好まし
くは0.04〜0.1重量部で、かつ(a)と(b)との仕込
み重量比が(a)/(b)=1/5〜5/1、好ましくは1/1
〜3/1となるように仕込むのである。(a)と(b)と
の仕込み量の合計が0.02重量部に満たないと重合中の単
量体油滴や重合体粒子の懸濁安定性が損なわれて粗粒分
が増加したり多孔性が低下したり、また0.2重量部を越
えると粒度が細かくなりかさ比重が低下するという不都
合が生じる。(a)と(b)との仕込み重量比(a)/
(b)が1/5未満でも同様に粒度が細かくなりかさ比重
が低下するし、また5/1を越えると多孔性が損なわれ、
フィッシュアイや可塑剤吸収性などの品質の低下を招く
ので本発明の目的が達成できない。懸濁剤(a)および
(b)成分のケン化度、平均重合度が前記した範囲をは
ずれる場合、とくに懸濁剤(a)成分のケン化度が85モ
ル%を越える場合にはフィッシュアイが急激に増加し、
また懸濁剤(b)成分のケン化度が65モル%に満たない
場合には懸濁安定性が損なわれ粗粒化するので、商品価
値がある樹脂を製造することができない。
本発明の懸濁剤系を構成する残りの成分である懸濁剤
(c)成分は、重合体粒子表面のスキン層の形成を防止
するとともに粒子内部の1〜数μオーダーの基本粒子の
凝集を防止することにより、多孔性でフィッシュアイが
少なく可塑剤吸収性が良好な樹脂を得るために必須であ
る。この懸濁剤(c)成分のケン化度、平均重合度が前
記した範囲以外である場合および単量体100重量部あた
りの(c)の仕込み量が0.01重量部未満である場合に
は、これらの効果が発揮できない。また、この仕込み量
が0.1重量部を越えると粒度が細かくなり、かさ比重が
低下するという不都合が生じる。
本発明の目的を一層効果的に達成するためには前記した
懸濁剤系を用い、重合開始から重合体の粒子構造の骨格
が形成される転化率が少なくても5%に達するまでの
間、好ましくは15〜30%に達するまでの間の重合器の単
位容積あたりの正味攪拌動力を1.0〜3.0kW/m3、好まし
くは1.2〜2.5kW/m3、さらに好ましくは1.5〜2.0kW/m3
して重合を行う。
すなわち、本発明者らが前記した懸濁剤系を用い、塩化
ビニル系単量体の高速懸濁重合方法における攪拌動力と
得られる樹脂の粒子構造との関係について鋭意研究を重
ねた結果、多孔性でフィッシュアイ、可塑剤吸収性およ
び粒度特性に優れた重合体粒子を得るためには、粒子構
造の骨格が定まる重合初期の攪拌動力を適正な範囲とす
ることが極めて重要であることを見出し、本発明を完成
させるに至ったのである。
攪拌動力が、1.0kW/m3未満であると多孔性が損なわれて
フィッシュアイや可塑剤吸収性が悪化し、粗粒化を招
く。また、3.0kW/m3を越えると粒度が細かくなりかさ比
重が低下するという不利がある。転化率が少なくても5
%に達した後の攪拌動力は任意であり、重合体粒子が沈
降しない程度に動力を低下させてもよいし、重合器のジ
ャケットの総括伝熱係数を向上させるために動力を高め
て重合を継続させることもできる。
重合器の攪拌動力を調節する方法としては、例えば「化
学工学協会編:化学工学便覧、改訂三版、1065〜1115
頁、昭和43年、丸善株式会社」に詳細に記載されている
ように、各種形状の攪拌装置についての攪拌系のレイノ
ズル数Reと動力数Npの関係を表す実験式や線図を利用す
るか、またはある一定の攪拌条件下での動力を実測する
ことにより装置定数としてのNpを実験的に求め、攪拌翼
の回転数を変更することによって動力を任意に調節する
ことができる。
すなわち、重合器の内容物の密度をρ(kg/m3)、粘性
係数をμ(kg/m・sec)、撹拌翼の回転数をn(1/se
c)、翼長をd(m)、重力換算係数をgC(kg・m/Kg・s
ec2)、減速機構部や軸封部での損失を含まない正味の
攪拌動力をP(Kg・m/sec)とすれば、ReおよびNpはそ
れぞれ Re=ρnd2/μ Np=P・gC/ρn3d5 で定義されるものであり、公知文献または実験的にNpを
求めることができる。塩化ビニル系単量体の懸濁重合方
法で一般的に採用されている大型重合器の攪拌装置のNp
の値はおよそ0.2〜2の範囲である。重合器内の液量を
V(m3)とすれば重合器の単位容積あたりの正味攪拌動
力力Pv(kW/m3)は次式で表される。
Pv=Np・ρn3d5/102・V・gC したがって、特定の攪拌装置を用いて正味攪拌動力を調
整する場合には、動力は撹拌翼の回転数の3乗に比例す
るので、回転数により動力を調節する方法が容易であ
る。
本発明において使用される撹拌翼や所望により使用され
るバッフルなどの攪拌装置の形状は特に限定されるもの
ではなく、従来、塩化ビニル系単量体の懸濁重合方法で
一般的に採用されている公知の攪拌装置を使用すること
ができ、撹拌翼としてはタービン翼、ファンタービン
翼、ファウドラー翼およびブルマージン翼など、またバ
ッフルとしては板型、円筒型、D型、ループ型およびフ
ィンガー型などが例示される。
本発明において重合時間は単量体等の仕込終了後加熱・
昇温により、内温が所定の重合温度に達した時間から、
重合器内の圧力が、その重合温度における自然圧力でし
ばらく推移した後未反応単量体の減少に伴って圧力降下
を始め、その降下巾が2kg/cm2になるまでの時間と定義
する。
本発明において6時間以内の高速重合を実施するに際
し、例えば特開昭57−147502号に記載された内部ジャケ
ット式重合器、すなわち加熱・冷却のためのジャケット
を重合器本体内面に内包化することにより伝熱性能を向
上させた重合器を用いることにより有利に実施できる。
勿論、重合器に還流凝縮器を付設し、付加的に重合反応
熱を除去する方法を採用することも可能である。
本発明において重合を終了させる方法としては、重合器
の圧力が所定の圧力まで降下した時点で重合禁止剤を添
加したり、重合器から未反応単量体を回収する方法が挙
げられる。重合器の温度制御や圧力管理などの安全面か
ら、重合時間は3〜6時間とすることが好ましい。
本発明において用いる開始剤は特に限定されないが、10
時間半減期温度が30〜60℃のものを1種または2種以上
併用することが好ましい。開始剤の仕込み量は、使用す
る開始剤の種類、および重合温度などの重合条件によっ
ても異なるが、通常、単量体100重合部あたり0.01〜2
重量部仕込むことにより6時間以内に重合を完結させる
ことができる。このように開始剤としては、ジ−2−エ
チルヘキシルパーオキシジカーボネート、ジ−(2−エ
トキシエチル)パーオキシジカーボネート、t−ブチル
パーオキシネオデカノエート、α−クミルパーオキシネ
オデカノエート、t−ブチルパーオキシピバレートなど
が例示できる。
本発明において塩化ビニル単量体と共重合し得る単量体
としては、例えば酢酸ビニルなどのアルキルビニルエス
テル、セチルビニルエーテルなどのアルキルビニルエー
テル、エチレンまたはプロピレンなどのα−モノオレフ
ィン類、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチルなどの
アクリル酸アルキルエステル類が例示されるが、これら
に限定されない。
また、本発明において使用する水は、予め脱気処理した
り温度40〜80℃に加温したものでもよく、また界面活性
剤、PH調整剤、連鎖移動剤などを溶解したものを使用す
ることもできる。重合は通常35〜70℃の温度で行われ、
単量体、水、懸濁剤および重合開始剤の仕込み方法は慣
用の方法によればよく、特に限定されるものではない。
〔発明の効果〕
かくして本発明によれば、多孔性でフィッシュアイ、可
塑剤吸収性および粒度特性に優れた塩化ビニル系樹脂を
高生産性下に製造することができるので、極めて有用で
ある。
〔実施例〕
以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明する。な
お、実施例、比較例、参考例の中の%および部はとくに
断りのないかぎり重量基準であり、塩化ビニル系樹脂の
物性値は次の方法により測定した。
(1) フィッシュアイ 塩化ビニル系樹脂100gにジオクチルフタレート45g、ス
テアリン酸カドミウム2g、ステアリン酸バリウム1gおよ
びグリーントナー1gを加えて混合した後、145℃の6イ
ンチロールで6分間混練して厚さ0.4mmのシートに引出
し、そのシートの表面100cm2に観察される透明粒子の数
をもって示した。
(2) 平均粒径 JIS基準の金網を使用した篩分析により、50%通過径と
して示した。
(3) 粗粒分 JIS基準の金網を使用した篩分析により、60メッシュの
金網に残留する割合をもって示した。
(4) かさ比重 JIS K6721に定める方法に準じて測定した値をもって示
した。
(5) 多孔性 米国アミンコ社製の水銀圧入式ポロシメータを使用し、
常圧から14000psiに加圧する間に塩化ビニル系樹脂1gあ
たり圧入された水銀の容積で示した。
(6) 可塑剤吸収性 東洋精機製作所製のラボプラストミルを使用し、ジャケ
ットの温度を85℃に保った容器内に塩化ビニル系樹脂40
0g、ポリエステル系高分子可塑剤PN250(アデカ・アー
ガス化学社製)240gを投入し、回転数60rpmで撹拌しな
がらトルクを記録し、混合トルクが低下し安定するまで
の時間で示した。
実施番号1 翼長2.0mのファウドラー型3枚後退翼および外径0.26m
のパイプバッフル4本を装着した直径3.8m、内容積65m3
の内部ジャケット式ステンレス製重合器を脱気した後、
塩化ビニル単量体100部(23トン)、水130部、ケン化度
が80モル%で平均重合度が2200の部分ケン化ポリ酢酸ビ
ニルを0.04部、ケン化度が73モル%で平均重合度が750
の部分ケン化ポリ酢酸ビニルを0.02部、ケン化度が48モ
ル%で平均重合度が250の部分ケン化ポリ酢酸ビニルを
0.02部、ジ−2−エチルヘキシルパーオキシジカーボネ
ートを0.05部仕込んだ後、重合器の内容物を温度57℃に
昇温し、撹拌翼の回転数を95rpmとすることにより正味
攪拌動力を1.7kW/m3に調節して重合を開始させた。引続
き、この温度および回転数を維持しながら重合を継続さ
せ、重合開始当初8.7kg/cm2であった重合器の圧力が6.7
kg/cm2に降下した時点で重合器から未反応単量体を回収
し、重合を終了させた。次いで重合器の内容物を脱水乾
燥することにより塩化ビニル樹脂を得た。重合時間は5.
2時間、転化率は85%であった。正味攪拌動力は重合の
進行とともに徐々に増加したのが、転化率が30%に達し
た以降は1.8kW/m3の一定値を示した。
実験番号2〜8 第1表に示した懸濁剤を用いた以外は実験番号1と同様
の方法により重合を行い、塩化ビニル樹脂を得た。重合
時間、転化率、正味攪拌動力は実験番号1と同様であっ
た。
実験番号1〜8で得られた塩化ビニル樹脂の物性値は第
1表に示すとおりであった。実験番号1〜4は本発明の
方法による実験例、実験番号5〜8は比較例である。
第1表から明らかであるように、本発明の方法によれ
ば、2成分の懸濁剤を併用した方法およびケン化度が85
モル%を越える懸濁剤を含む3成分の懸濁剤を併用した
方法に比較し、フィッシュアイ、多孔性および可塑剤吸
収性が改良でき、かさ比重、粒度特性に優れた塩化ビニ
ル樹脂が得られる。
実験番号9〜14 第2表に示した撹拌翼回転数および正味攪拌動力で重合
を開始させた以外は実験番号1と同様の方法により重合
を行い、塩化ビニル樹脂を得た。
重合時間および転化率は実験番号1と同様であり、正味
攪拌動力は転化率が30%に達するまでは重合の進行とと
もに0.1〜0.2kW/m3増加し、その後一定値を示した。
実験番号15 ジ−2−エチルヘキシルパーオキシジカーボネートの仕
込み量を0.03部とし、撹拌翼の回転数を74rpmとして正
味攪拌動力を0.8kW/m3に調節して重合を開始させた以外
は、実験番号1と同様の方法により重合を行った。重合
時間は8.5時間であり、正味攪拌動力は転化率30%以降
0.9kW/m3の一定値を示した。転化率は84%であった。
実験番号9〜15で得られた塩化ビニル樹脂の物性値は第
2表に示すとおりであった。実験番号10〜13は本発明の
方法による実施例、実験番号9および14は比較例、実験
番号15は、従来、内容積40m3以上の大型重合器で実施さ
れていた平均的な重合時間である8.5時間で重合を行っ
た参考例である。
第2表から、本発明による懸濁剤系を用い、かつ攪拌動
力を本発明の範囲に調節することにより、フィッシュア
イや可塑剤吸収性に優れ、かさ比重や粒度特性などの物
性値の調和がとれた高品質の塩化ビニル樹脂を高速重合
で高生産性下に製造できることが明らかである。
フロントページの続き (72)発明者 石井 靖道 岡山県倉敷市児島塩生字新浜2767―1 日 本ゼオン株式会社内 (72)発明者 大川 正久 愛媛県新居浜市惣開町5番1号 住友化学 工業株式会社内 (72)発明者 大内 勲 福島県いわき市錦町落合16 呉羽化学工業 株式会社内 (72)発明者 若森 秀樹 福島県いわき市錦町落合16 呉羽化学工業 株式会社内 (72)発明者 大和 多実男 山口県徳山市晴海町1番2号 サン・アロ ー化学株式会社内 (56)参考文献 特公 昭53−6025(JP,B2) 特公 昭53−6024(JP,B2) 特公 昭63−15281(JP,B2) 特公 昭62−20201(JP,B2)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】塩化ビニル単量体または塩化ビニルと共重
    合し得る単量体と塩化ビニル単量体との混合物を油溶性
    開始剤の存在下に水性媒体中で懸濁重合し6時間以内に
    重合を終了させるに際し、(A)懸濁剤として(a)ケ
    ン化度75〜85モル%、平均重合度1000〜3000の部分ケン
    化ポリ酢酸ビニル、(b)ケン化度65〜75モル%、平均
    重合度500〜900の部分ケン化ポリ酢酸ビニル、および
    (c)ケン化度20〜55モル%、平均重合度200〜1000の
    部分ケン化ポリ酢酸ビニルを用い、単量体100重量部あ
    たりの(a)と(b)との仕込み量の合計が0.02〜0.2
    重量部で、(a)と(b)との仕込み重量比が(a)/
    (b)=1/5〜5/1であり、かつ単量体100重量部あたり
    の(c)の仕込み量が0.01〜0.1重量部となるように仕
    込み、(B)重合開始から転化率が少なくとも5%に達
    するまでの重合器の単位容積あたりの正味攪拌動力を1.
    0〜3.0kW/m3として重合することを特徴とする塩化ビニ
    ル系単量体の懸濁重合方法。
  2. 【請求項2】塩化ビニル単量体または塩化ビニルと共重
    合し得る単量体と塩化ビニル単量体との混合物を油溶性
    開始剤の存在下に水性媒体中で懸濁重合し6時間以内に
    重合を終了させるに際し、(A)攪拌機を装着し、加熱
    ・冷却のためのジャケットを重合器本体内面に内包化し
    た内容積40m3以上の内部ジャケット式大型重合器を用
    い、(B)懸濁剤として(a)ケン化度75〜85モル%、
    平均重合度1000〜3000の部分ケン化ポリ酢酸ビニル、
    (b)ケン化度65〜75モル%、平均重合度500〜900の部
    分ケン化ポリ酢酸ビニル、および(c)ケン化度20〜55
    モル%、平均重合度200〜1000の部分ケン化ポリ酢酸ビ
    ニルを用い、単量体100重量部あたりの(a)と(b)
    との仕込み量の合計が0.02〜0.2重量部で、(a)と
    (b)との仕込み重量比が(a)/(b)=1/5〜5/1で
    あり、かつ単量体100重量部あたりの(c)の仕込み量
    が0.01〜0.1重量部となるように仕込んで重合すること
    を特徴とする塩化ビニル系単量体の懸濁重合方法。
JP27925790A 1990-10-19 1990-10-19 塩化ビニル系単量体の懸濁重合方法 Expired - Lifetime JPH07116246B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP27925790A JPH07116246B2 (ja) 1990-10-19 1990-10-19 塩化ビニル系単量体の懸濁重合方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP27925790A JPH07116246B2 (ja) 1990-10-19 1990-10-19 塩化ビニル系単量体の懸濁重合方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH04154809A JPH04154809A (ja) 1992-05-27
JPH07116246B2 true JPH07116246B2 (ja) 1995-12-13

Family

ID=17608642

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP27925790A Expired - Lifetime JPH07116246B2 (ja) 1990-10-19 1990-10-19 塩化ビニル系単量体の懸濁重合方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH07116246B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4993268B2 (ja) * 2006-10-31 2012-08-08 株式会社カネカ 塩化ビニル系重合体の製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JPH04154809A (ja) 1992-05-27

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2583453B2 (ja) 可塑剤吸収性の改良された塩化ビニル系重合体の製造方法
JPS61207411A (ja) 塩化ビニル系樹脂の製造法
JP4024482B2 (ja) 塩化ビニル系重合体の製造方法
JPH07116246B2 (ja) 塩化ビニル系単量体の懸濁重合方法
JPH07110881B2 (ja) 塩化ビニル系単量体の懸濁重合方法
JP2574078B2 (ja) 塩化ビニル系単量体の懸濁重合方法
JP3105583B2 (ja) 塩化ビニル単量体の懸濁重合方法
JPH07119249B2 (ja) 塩化ビニル重合体の製造方法
JP2622040B2 (ja) 塩化ビニル重合体の製造方法
JP3041485B2 (ja) 塩化ビニル系重合体の製造法
JP2823681B2 (ja) 塩化ビニル系重合体の製造方法
JP3115919B2 (ja) 塩化ビニル系重合体の製造方法
JPH0525204A (ja) 塩化ビニル系単量体の懸濁重合方法
JP2648246B2 (ja) 塩化ビニル系単量体の懸濁重合法
JP2574096B2 (ja) 塩化ビニル系単量体の懸濁重合方法
JPH05230115A (ja) 塩化ビニル系単量体の懸濁重合法
JPH07110882B2 (ja) 塩化ビニル重合体の製造方法
JP2000086708A (ja) 塩化ビニル系重合体の製造方法
JPH07119248B2 (ja) 塩化ビニル系単量体の懸濁重合方法
JPH0778083B2 (ja) 塩化ビニル系懸濁重合方法における懸濁安定剤の仕込み方法
JP3307784B2 (ja) 塩化ビニル系重合体の製造方法
JPH01172407A (ja) 塩化ビニル系重合体の製造法
JPH0718007A (ja) 塩化ビニル系重合体の製造方法
JP2602990B2 (ja) 塩化ビニル系単量体の懸濁重合方法
JP3414026B2 (ja) 塩化ビニル系重合体の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20071213

Year of fee payment: 12

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 13

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081213

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 13

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081213

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091213

Year of fee payment: 14

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 14

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091213

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101213

Year of fee payment: 15

EXPY Cancellation because of completion of term