JP3105583B2 - 塩化ビニル単量体の懸濁重合方法 - Google Patents

塩化ビニル単量体の懸濁重合方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は塩化ビニル単量体の改良
された重合方法に関するものであり、更に詳しくは、嵩
比重が大きく、主として硬質分野における加工生産性に
優れた塩化ビニル樹脂(以下PVCと略記する)を得る
ための懸濁重合方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】汎用のPVCは、工業的には加熱・冷却
のためのジャケット、撹拌装置を備えた重合器を用い、
重合開始剤、分散剤の存在下に水性媒体中で懸濁重合す
ることにより生産される。PVCの成形加工は、一般に
重合体粒子の性状に大きく影響され、特に硬質PVC製
品の加工においては、重合体粒子の嵩比重の増加が求め
られている。これは、嵩比重の増大により、ブレンダー
等でのバッチ操作で一回当りの処理量が増大し、また押
出機への樹脂の食い込みが良くなり、単位時間当りの押
出量が増大することにより加工生産性が向上するためで
ある。このため、従来用いられてきた嵩比重0.55g
/ml以下のものを0.56〜0.60g/ml程度に
増大することが求められている。
【0003】重合体の嵩比重は、一般的には粒子の空隙
率により決まる粒子密度と、粒子の大きさ、粒子の形状
による粉体の充填性により決定される。従来、PVCの
嵩比重を増大させる方法として、特開昭50−9767
9号公報に記載されるように、塩化ビニル単量体を水性
媒体中で懸濁重合させるに際して、重合途中で塩化ビニ
ル単量体を後添加する方法が知られている。この方法で
は、既に生成した重合体粒子の空隙に、単量体を後から
添加、充填して重合するため、嵩比重の上昇に効果があ
るが、多孔性を損ない、また個々の粒子に単量体が均一
に入らず、透明粒子を生成しやすいため、成形に際して
の樹脂の溶融、ゲル化性が劣り、フィッシュアイが増加
し、成形品の外観、物性が低下するという問題がある。
【0004】このため特開昭57−192411号、特
開昭59−168008号各公報では、単量体の後添加
に加えて、重合を二段階とし、前半に高重合度の重合体
を得、後半に低重合度の重合体を得ることにより、加工
性の低下を防止する方法が提案されている。しかし、こ
の方法では単量体の後添加の設備、および煩雑な操作を
必要とするという欠点がある。
【0005】また、分散剤の種類、量の選択により、嵩
比重が高く、かつ多孔性に富むPVCを得るべく種々の
組合せが提案されている。例えば特開昭62−1016
09号公報では、鹸化度85〜90モル%の高鹸化度ポ
リ酢酸ビニルを主分散剤とし、鹸化度35〜50モル%
の水不溶性の極低鹸化度ポリ酢酸ビニルを併用すること
が提案されている。また、特開昭62−260803号
公報では、鹸化度85〜90モル%の高鹸化度ポリ酢酸
ビニルと表面張力の小さい鹸化度65〜75モル%の中
鹸化度ポリ酢酸ビニルとの併用が記載されている。ま
た、3種の分散剤の組合せとして、特開昭62−263
206号公報では、鹸化度85〜90モル%の高鹸化度
ポリ酢酸ビニルを主分散剤とし、これに鹸化度65〜7
5モル%の中鹸化度ポリ酢酸ビニルおよび鹸化度35〜
50モル%の極低鹸化度ポリ酢酸ビニルを併用する方法
が提案されている。しかし、このように鹸化度85〜9
0モル%の高鹸化度ポリ酢酸ビニルを多く用いれば、製
品PVC粒子の嵩比重は大きくなるが、多孔性が低下
し、フィッシュアイの増大が避けられない。
【0006】一方、特開昭61−141703号公報で
は、鹸化度70〜85モル%の部分鹸化ポリ酢酸ビニル
を主分散剤とし、鹸化度85モル%以上の高鹸化度ポリ
酢酸ビニルおよび水溶性セルローズと組み合わせ使用す
ることが提案されている。このように鹸化度85モル%
以下のものを主分散剤として用いると、多孔性の低下は
少ないが、嵩比重の大幅な増大は望めない。このように
高嵩比重と低フィッシュアイ成形性という相反する特性
を兼ね備えたPVC粒子を得ることは極めて難しく、未
だ完全なものは得られていないのが現状である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、透明
粒子、フィッシュアイの増加を招くことなく、嵩比重の
大きい粒子状PVCを得る方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成すべく鋭意研究の結果、塩化ビニルの懸濁重合を
行なうに当り、鹸化度75〜84モル%の部分鹸化ポリ
酢酸ビニルを主分散剤とし、これに少量の、より高い鹸
化度の部分鹸化ポリ酢酸ビニルと極低鹸化度の部分鹸化
ポリ酢酸ビニルとを併用し、かつ水溶性燐酸塩の存在
下、特定の撹拌動力下に重合を行なうことにより、多孔
性の低下がなく、適度な粒径で粒子形状が丸みを帯び
た、嵩比重の大きいPVC粒子が得られることを見出
し、本発明を完成するに至った。
【0009】即ち、本発明は塩化ビニル単量体を水性媒
体中で懸濁重合するに当り、分散剤として、(A)鹸化
度75〜84モル%、平均重合度1000以上の部分鹸
化ポリ酢酸ビニル、(B)鹸化度85〜90モル%、平
均重合度1500以上の部分鹸化ポリ酢酸ビニル、
(C)鹸化度25〜45モル%、平均重合度200〜8
00の部分鹸化ポリ酢酸ビニルの3種を併用し、これら
の重量比が、(B)/(A)=0.05〜0.5、
(C)/{(A)+(B)}=0.1〜0.5であり、
かつ水溶性燐酸塩を単量体100重量部に対して、0.
01〜0.1重量部添加し、重合転化率30%迄の重合
器の内溶液1m3 当りの正味撹拌動力P vを1.0〜
2.5kW/m3 に制御することにより、本目的が達成
される。
【0010】以下本発明を詳細に説明する。本発明にお
いて用いられる(A)鹸化度75〜84モル%、平均重
合度1000以上のポリ酢酸ビニルは、主分散剤であ
り、鹸化度が75モル%未満では、嵩比重の大きいPV
C粒子が得られない。鹸化度が84モル%を越えると嵩
比重は大きくなるが、多孔性が劣り、フィッシュアイが
増加する。また平均重合度が1000未満では、分散安
定性が劣り、粗粒化しやすい。その使用量は単量体10
0重量部に対して0.03〜0.08重量部が好まし
い。使用量が0.03重量部未満では分散安定性が劣
り、粗粒化しやすい。また使用量が0.08重量部を越
えると多孔性が劣り、フィッシュアイが増加するのみな
らず、粒子径が小さくなり、かさ比重の大きいPVCが
得られない。
【0011】本発明において用いられる(B)鹸化度8
5〜90モル%、平均重合度1500以上の高鹸化度ポ
リ酢酸ビニルは、副分散剤として用いられ、鹸化度が8
5モル%未満では得られたPVCの嵩比重が小さく、鹸
化度が90モル%を越えると嵩比重は大きくなるが、多
孔性が劣り、フィッシュアイが増加する。また、平均重
合度が1500未満では、嵩比重の大きいPVCは得ら
れない。その使用量は重量比で(B)/(A)=0.0
5〜0.5にする必要があり、(B)/(A)が0.0
5未満では嵩比重が小さく、0.5を越えると嵩比重は
大きいが多孔性が劣り、フィッシュアイの多いPVCし
か得られない。
【0012】また、(C)鹸化度25〜45モル%、平
均重合度200〜800の極低鹸化度ポリ酢酸ビニル
は、製品PVCの多孔性に寄与し、フィッシュアイを少
なくするために用いられ、その鹸化度が25モル%未満
または45モル%を越えた場合、また、鹸化度が25〜
45モル%の範囲であっても、平均重合度が800を越
えた場合は、その効果が劣り、フィッシュアイが増加す
る。その添加量としては重量比で(C)/{(A)+
(B)}=0.1〜0.5の範囲が好ましく、0.1未
満では、多孔性が劣り、フィッシュアイの多いPVCし
か得られない。また、0.5を越えると嵩比重が小さく
なる。
【0013】本発明において用いられる水溶性燐酸塩に
は、燐酸、ピロ燐酸、ポリ(メタ)燐酸のナトリウム、
カリウム、アンモニウム塩が含まれ、第一燐酸塩、第二
燐酸塩、第三燐酸塩のいずれでもよい。より具体的に
は、例えば、第一燐酸ソーダ、第二燐酸ソーダ、第三燐
酸ソーダ、ピロ燐酸ソーダ、中性ピロ燐酸ソーダ、酸性
ピロ燐酸ソーダ、トリメタ燐酸ソーダ、ヘキサメタ燐酸
ソーダ等が挙げられる。これらは単独または混合して用
いることができる。その使用量は、塩化ビニル単量体1
00重量部に対して、0.01〜0.1重量部が好まし
く、粉体または水溶液として重合原料の仕込み時に、重
合器に添加される。使用量が0.01重量部未満では得
られるPVCの粒子の形状が悪く、嵩比重が小さい。ま
た0.1重量部を越えて使用すると、造粒が不安定にな
り、粗粒化しやすい。これら水溶性燐酸塩の作用機構は
明確ではないが、重合反応の初期において単量体の液滴
の凝集に何らかの作用をし、より球形に近いPVC粒子
の生成に寄与するものと考えられる。
【0014】本発明においては、重合の比較的初期にお
いて、重合器の内溶液1m3 当りの正味撹拌動力Pv
(kW/m3 )を、1.0〜2.5に制御する必要があ
る。ここで正味撹拌動力はP v=(Pt−Pe)/Vで
示され、Ptは重合中の撹拌動力、Peは無負荷時(重
合器内が空の時)の撹拌動力であり、Vは重合器内の液
量である。撹拌動力の制御は、重合器の撹拌回転数によ
り調節するのが容易である。Pvが1.0kW/m3
満では粒子の形状が球形から遠ざかり、嵩比重が低下す
る。また2.5kW/m3 を越えると懸濁油滴の分散・
合一の頻度が多くなりすぎ、油滴、重合粒子同志の衝突
による凝集が生じ易く、粗粒化する。
【0015】重合器の撹拌動力を調節する方法として
は、例えば「化学工学協会編:化学工学便覧、第3版、
丸善株式会社、昭和43年」に詳細に記載されているよ
うに、各種形状の撹拌装置についての撹拌系のレイノル
ズ数Reと動力数Npの関係を表す実験式や線図を利用
するか、または動力を実測することによりNpを求め撹
拌動力を調節することができる。即ち、重合器の内容物
の密度をρ(kg/m3 )、粘性係数をμ(kg/m
sec)、撹拌翼の回転数をn(1/sec)、翼長を
d(m)、重力換算係数をg c (kg・m/kg・se
2)、減速機構部や軸封部での損失を含まない正味の
撹拌動力をP(kg・m/sec)とすれば、Reおよ
びNpはそれぞれ Re=ρnd2 /μ Np=P・gc /ρn3 5 で定義されるものであり、公知文献または実験により容
易にNpを求めることができる。塩化ビニル単量体の懸
濁重合で一般的に採用されている大型重合器の撹拌装置
のNpは、およそ0.3〜1.5の範囲である。
【0016】Npが求まれば次式から重合器の単位容積
当りの正味撹拌動力Pvが算出できる。 Pv=Np・ρn3 5 /102・V・gc ここでVは重合器内の液量である。特定の撹拌装置を用
いて動力を調整する場合には、動力は回転数の3乗に比
例するので、回転数を変更することにより撹拌動力を任
意に調節することが可能である。撹拌回転数は、反応期
間中一定でも良いし、また途中で変更しても良いが、重
合開始から重合転化率30%の期間は前記Pv=1.0
〜2.5kW/m3 を満足する範囲内でなければならな
い。
【0017】本発明において使用される撹拌装置の撹拌
翼としては、ファウドラー翼、ブルマージン翼、タービ
ン翼、ファンタービン翼、パドル翼等があるが、ファウ
ドラー翼においてより好適に実施することが出来る。ま
たバッフルとしては、パイプ(棒型)バッフル、D型バ
ッフル、E型(フィンガー型)バッフルが好ましい。こ
れらの撹拌翼およびバッフルは一般に使用されており、
例えば前記「化学工学便覧」または「佐伯康治著:ポリ
マー製造プロセス、157〜159頁、1971年工業
調査会」等に説明されている。
【0018】本発明において使用する重合開始剤として
は、一般に塩化ビニルの懸濁重合において用いられる油
溶性重合開始剤が使用可能である。例えば、ジ−2−エ
チルヘキシルパーオキシジカーボネート、ジ−(2−エ
トキシエチル)パーオキシジカーボネート等のパーオキ
シジカーボネート系の開始剤、3,5,5−トリメチル
ヘキサノイルパーオキサイド等のジアシルパーオキサイ
ド系の開始剤、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチル
バレロニトリル)等のアゾ化合物系の開始剤、および、
2,4,4−トリメチルペンチル−2−パーオキシネオ
デカノエート、(α,α’−ビス−デカノイルパーオキ
シ)ジイソプロピルベンゼン、ターシャリブチルパーオ
キシデカノエート、ターシャリヘキシルパーオキシピバ
レート等のパーエステル系の開始剤等が例示されるが、
これらの開始剤に限定されない。所望の重合時間になる
ように、一種または二種以上組み合わせて用いることが
できる。
【0019】また、本発明においては、必要に応じてメ
ルカプトアルカノール、チオグリコール酸アルキルエス
テル等の連鎖移動剤を添加して重合度を調節することが
できる。
【0020】本発明における水、塩化ビニル単量体、懸
濁剤、開始剤、水溶性燐酸塩、その他の助剤の仕込み方
法としては、通常の懸濁重合において用いられる如何な
る方法も採用することが出来る。例えば、水、懸濁剤、
水溶性燐酸塩、開始剤、塩化ビニル単量体を順次重合器
に添加する方法、あるいはこれらを同時に連続的に仕込
む方法、懸濁剤水溶液と開始剤を溶解した塩化ビニル単
量体とを順次、あるいは同時に仕込む方法等いずれの方
法も可能である。またこの時、単量体、水のどちらか一
方あるいは両者を予め加温して仕込んでも良い。水と塩
化ビニル単量体の重量比は一般に、水/塩化ビニル単量
体=1/1〜1.6/1程度で行われる。重合反応は5
0〜70℃の温度で行われ、仕込み終了後加熱・昇温に
より、内温が所定の重合温度に達した後、その温度に保
ち、その反応温度における自然圧力でしばらく推移した
後、未反応単量体の減少に伴って圧力が降下を始め、そ
の降下幅が2〜4kg/cm2 (重合転化率として約8
6〜92%)に達した後、未反応単量体を回収し、反応
を終了する。なお、本発明における重合時間とは、内温
が所定の重合温度に達してから、未反応単量体の回収を
開始する時間までの時間と定義する。
【0021】一般に塩化ビニルの懸濁重合においては、
重合時間を開始剤処方等により短くすることができる
が、得られる重合体粒子が粗大化し、フィッシュアイが
増加するという問題がある。本発明の懸濁重合方法は、
重合時間が6時間以下の高速重合においてもフィッシュ
アイの増加等がなく好適に実施することができる。重合
反応の生産性を上げるためには、大型の重合器を用い、
その重合器の除熱能力の限界まで反応速度を大きくする
ことが行われる。しかし、重合器の大型化は、内容積当
りのジャケット面積を小さくし、除熱能力を減少させ
る。このため、特に内容積が40m3 以上と大型の重合
器を用いる場合、特公平3−4249号公報に例示され
るように、重合器の内側に加熱・冷却のためのジャケッ
トを内包化した内部ジャケット重合器を用いることによ
り、除熱能力が向上し、より高速で短時間の重合が可能
となり、本発明をより効率よく実施することができる。
また重合器の除熱能力を大きくする手段として、還流凝
縮器を用いて補助的に除熱を行う場合、単量体の蒸発に
より多孔性が増す一方において、凝縮した単量体がPV
C粒子に不均一に付着し、粒子形状を悪くするため、嵩
比重が低下する傾向があることが知られている。この場
合も除熱能力の大きい内部ジャケット重合器を用いるこ
とにより、還流凝縮器の負荷を小さくすることができ、
嵩比重の低下を最小限にとどめることが可能となる。
【0022】
【発明の効果】かくして本発明によれば、従来技術では
得られなかった、嵩比重が例えば0.56〜0.59g
/mlと大きく、しかもフィッシュアイの少ない例えば
平均粒径が145〜165μmの粒子状PVCを得るこ
とができる。本発明によって得られたPVCは、特に硬
質押出成形に適しており、嵩比重が高いため、押出量が
増大し、加工生産性を高める利点を有している。
【0023】
【実施例】以下に実施例、比較例により本発明を具体的
に説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定される
ものではない。なお、実施例、比較例の中の「%」、
「部」は、特に断りのない限り重量基準である。また、
各実施例、比較例で示したPVCの物性値は次の方法に
より測定した。
【0024】(1)粗粒分 JIS基準の金網を使用した篩分析により、60メッシ
ュの金網に残留する割合をもって示した。
【0025】(2)平均粒径(DP 50) JIS Z8815に定める篩分析により、50%通過
径を求めた。
【0026】(3)嵩比重 JIS K6721に定める方法により測定した。
【0027】(4)フィッシュアイ 試料PVC100g、鉛ステアレート2.5g、バリウ
ムステアレート0.7g、三塩基性硫酸鉛0.5g、カ
ーボンブラック0.035g、酸化チタン0.1gを混
合し、表面温度163℃のロール上で7分間混練した
後、厚さ約0.7mmのシートを引き出した。このシー
トの裏面から光を当て、このシートの15cm×30c
mの面積内に観察される透明粒子(フィッシュアイ)の
数を求めた。
【0028】実施例1 翼長1.71mのファウドラー型4枚後退翼および外径
0.22mのパイプバッフル4本を装着した直径3.2
0m、内容積45m3 の内部ジャケット付きステンレス
製重合器を脱気した後、塩化ビニル単量体100部(1
6.5トン)、水130部、(A)鹸化度が80モル%
で平均重合度が2500の部分鹸化ポリ酢酸ビニル0.
05部、(B)鹸化度が88モル%で平均重合度が24
00の部分鹸化ポリ酢酸ビニル0.005部、(C)鹸
化度が33モル%で平均重合度が300の部分鹸化ポリ
酢酸ビニル0.015部、ピロ燐酸ソーダ0.04部、
ジ−(2−エトキシエチル)パーオキシカーボネート
(EEP)0.05部を仕込んだ。昇温後の重合開始時
における正味撹拌動力Pvが1.5kW/m3 となるよ
うに回転数102rpmで撹拌し、次いで内温を57℃
に昇温し重合を行った。重合器内部の圧力が昇温後の
8.8kg/cm2 から6.0kg/cm2 に低下した
時点(重合転化率約90%)で未反応単量体を回収し、
内容物を脱水乾燥した。Pvは昇温後時間経過とともに
徐々に上昇し、重合転化率30%に達した時点で1.8
kW/m3 であった。重合反応時間は4.5時間であっ
た。このようにして得られたPVC粒子の物性値を表1
に示す。
【0029】実施例2〜12、比較例1〜12 部分鹸化ポリ酢酸ビニルの種類、量、組合せ、燐酸塩の
種類、量、正味撹拌動力を、表1および表2に示した条
件に変えた以外は実施例1と同一条件で重合を行った。
得られたPVC粒子の物性値を表1および表2に示し
た。
【0030】
【表1】
【0031】
【表2】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭50−135193(JP,A) 特開 平4−277503(JP,A) 特開 昭62−263206(JP,A) 特開 平1−172407(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08F 2/00 - 2/60

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 塩化ビニル単量体を、油溶性開始剤の存
    在下に水性媒体中で懸濁重合するに際し、分散剤として (A)鹸化度75〜84モル%、平均重合度1000以
    上の部分鹸化ポリ酢酸ビニル、 (B)鹸化度85〜90モル%、平均重合度1500以
    上の部分鹸化ポリ酢酸ビニル、 (C)鹸化度25〜45モル%、平均重合度200〜8
    00の部分鹸化ポリ酢酸ビニルの3種を併用し、これら
    の重量比が、(B)/(A)=0.05〜0.5、
    (C)/{(A)+(B)}=0.1〜0.5であり、
    かつ水溶性燐酸塩を単量体100重量部に対して、0.
    01〜0.1重量部添加し、重合転化率30%迄の重合
    器の内溶液1m3 当りの正味撹拌動力P vを1.0〜
    2.5kW/m3 に制御することを特徴とする塩化ビニ
    ル単量体の懸濁重合方法。
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