JPH11302307A - 塩化ビニル系重合体の製造方法 - Google Patents

塩化ビニル系重合体の製造方法

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JPH11302307A
JPH11302307A JP10625898A JP10625898A JPH11302307A JP H11302307 A JPH11302307 A JP H11302307A JP 10625898 A JP10625898 A JP 10625898A JP 10625898 A JP10625898 A JP 10625898A JP H11302307 A JPH11302307 A JP H11302307A
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vinyl chloride
suspension
weight
temperature
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JP10625898A
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English (en)
Inventor
Masayoshi Honda
正佳 本多
Tatsumi Nakamura
辰美 中村
Takehiko Sakane
毅彦 坂根
Toshihiko Tanaka
利彦 田中
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TAIYO ENBI KK
Original Assignee
TAIYO ENBI KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】かさ比重が高く、かつ混練時にゲル化しやすい
PVCを安定して生産性良く製造する方法を提供する。 【解決手段】内容積40m3以上の重合器を用い重合時
間を6時間以内として塩化ビニル系重合体を製造する際
に、懸濁剤として、(A)ケン化度65〜99モル%、
平均重合度1000〜4000の部分ケン化ポリビニル
アルコールを0.03〜0.2重量部存在させ、正味撹
拌動力を1.0〜2.0kW/m3として撹拌しながら
昇温し、所定の重合温度に到達した後、(B)ケン化度
75〜85モル%、平均重合度2000〜4000の部
分ケン化ポリビニルアルコールを0.01〜0.02重
量部、重合系内に添加する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、塩化ビニル系重合
体の製造法に関するものであり、さらに詳しくはかさ比
重が高く、かつ混練時にゲル化しやすい改良された塩化
ビニル系重合体を生産性良く製造する方法に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】塩化ビニル系重合体(以下、PVCとい
う)は、優れた物理的、機械的性質などを有しているた
め、多方面の分野にわたり使用されている。市場の動向
として、硬質配合として押出成形する場合、成形機の押
出量の増大を図るため、かさ比重の高いPVCの開発が
要望されている。しかしながら、従来知られている懸濁
重合法ではかさ比重またはゲル化性のどちらか一方のみ
に優れるPVCしか得られず、いずれも押出加工への使
用には不十分なものであった。
【0003】特開昭62−504号公報で提案されてい
る方法によれば、球形で高かさ比重のPVCが得られる
が、非多孔性でゲル化性の不十分なものであった。
【0004】また、特開平9−48803号公報には、
懸濁剤の全使用量の0〜30重量%を使用して重合を開
始し、重合開始時から重合転化率が5〜50%に達する
時にわたって、残りの懸濁剤を重合器内容物に添加し、
かつ還流凝縮器による除熱を転化率5%未満から開始す
る方法が提案されている。
【0005】しかし、重合反応の初期の懸濁剤の使用量
が少なく、懸濁液の安定性に乏しく、重合資材や条件の
バッチ毎の変動により、粒径やかさ比重のばらつきが大
きかった。
【0006】また近年においては生産効率向上に対する
要請が強く、内容積40m3以上の大型重合器を用いて
6時間以内の短時間に懸濁重合を完結させることが望ま
れている。このような過酷な重合条件下では、懸濁液の
安定性の低下の問題、およびこれにともなう粒径・かさ
比重のばらつきの問題がさらに顕著となる。したがっ
て、かさ比重およびゲル化性の良好な高品質PVCを得
るための重合処方も、従来の穏やかな製造条件の場合と
異なる観点から検討されなければならない。すなわち、
小規模の製造スケールで良好な物性を示す重合処方を、
そのまま、あるいは若干の変更を加えてスケールアップ
しても必ずしも良好なPVCを得ることはできず、製造
規模、重合時間等の種々の条件を考慮し、かかる条件に
応じた最適の重合処方を再度検討し直す必要がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、かさ
比重が高く、かつ混練時にゲル化しやすいPVCを安定
して生産性良く製造することができる方法を提供するこ
とにあり、大型重合器を用い短時間で重合を完結させる
ような過酷な重合条件下においても上記のような高品質
のPVCを安定して製造できる方法を提供することを目
的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決する本発
明によれば、撹拌機、ジャケット及び還流凝縮器を備え
た内容積が40m3以上の重合器を用い、塩化ビニル単
量体又は塩化ビニル単量体を含む単量体混合物を、重合
開始剤の存在下、水性媒体中で懸濁重合し、重合時間を
6時間以内として塩化ビニル系重合体を製造する際に、
懸濁剤として、(A)ケン化度65〜99モル%、か
つ、平均重合度1000〜4000である部分ケン化ポ
リビニルアルコールの一種又は二種以上を単量体100
重量部に対して合計0.03〜0.2重量部存在させ、
かつ重合器懸濁液1m3あたりの正味撹拌動力を1.0
〜2.0kW/m3として撹拌しながら該重合懸濁液を
昇温し、該重合懸濁液が所定の重合温度に到達した後、
(B)ケン化度75〜85モル%、かつ、平均重合度2
000〜4000の部分ケン化ポリビニルアルコール
を、単量体100重量部に対して合計0.01〜0.0
2重量部、重合系内に添加することを特徴とする塩化ビ
ニル系重合体の製造方法、が提供される。
【0009】本発明の塩化ビニル系重合体の製造方法
は、PVCを製造する際に、特定の懸濁安定剤を特定量
存在させ特定の撹拌条件で重合を開始することにより、
初期粒子形成時の粒子内部のモルフォロジーを制御し、
かつ重合懸濁液が所定の温度条件に到達した時点で特定
の懸濁安定剤を添加することにより、重合初期に生成し
た液滴に由来する粒子の凝集度合いを制御するものであ
る。これにより、かさ比重が高く、かつ混練時にゲル化
しやすいPVCを生産性良く製造することができる。ま
た、重合初期の懸濁液安定性の低下を防ぎ、重合資材や
条件のバッチ毎の変動による粒径・かさ比重のばらつき
を抑えて高品質のPVCを安定して得ることができる。
【0010】本発明は、撹拌機、ジャケット及び還流凝
縮器を備えた内容積が40m3以上の重合器を用い、重
合時間を6時間以内として重合を行うため、高い生産効
率にてPVCを得ることができる。このような過酷な反
応条件下では、従来、懸濁液の安定性の低下、およびこ
れにともなう粒径・かさ比重のばらつきが特に大きな問
題となっていたが、本発明の塩化ビニル系重合体の製造
方法によれば、上述した手段により、かかる問題を生ず
ることなく高い生産効率を実現することができる。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て説明する。なお、以下の記載において懸濁剤等の部数
は、ことわりがない限り単量体100重量部に対する部
数をいうものとする。
【0012】本発明で重合開始前に重合系に添加される
懸濁剤(A)は、ケン化度65〜99モル%、かつ、平
均重合度1000〜4000、好ましくはケン化度75
〜99モル%、かつ、平均重合度2000〜3500の
ものである。ケン化度が65モル%未満又は平均重合度
が1000未満の場合、かさ比重の高いPVCを得るこ
とは困難である。一方、ケン化度が99モル%又は平均
重合度が4000を超える場合、得られるPVCがゲル
化性に乏しくなり好ましくない。この範囲の中で一種又
は二種以上を併用することができる。
【0013】懸濁剤(A)の使用量は、合計で0.03
〜0.2重量部、好ましくは0.03〜0.1重量部使
用される。この量が0.03重量部より小さい場合には
重合体が粗粒化したり、重合器内壁等にスケールが付着
する場合があり、0.2重量部を超えると得られる重合
体のかさ比重が低下する場合がある。
【0014】本発明では、懸濁剤(A)を含んだ水性媒
体、重合開始剤、塩化ビニル系単量体混合物および必要
に応じその他の添加物を重合容器に仕込んだ後、重合器
の内容液1m3あたりの正味撹拌動力を1.0〜2.0
kW/m3、好ましくは1.0〜1.5kW/m3として
撹拌を開始する。撹拌動力をこの範囲に制御することに
よって、液滴内部を改良された構造に制御することが可
能となる。従って、撹拌動力が1.0kW/m3に満た
ない場合は、得られる重合体の内部空隙が低下しゲル化
性に乏しくなり、場合によっては重合体が粗粒化した
り、重合器内壁等にスケールが付着する場合があり好ま
しくない。また2.0kW/m3を超えると、液滴の大
きさが小さくなり過ぎるため、得られる重合体がいびつ
となってかさ比重が低下し好ましくない。
【0015】ここで正味撹拌動力とは、減速機構部や軸
封部での損失を含まない正味の撹拌動力をいい、撹拌翼
の回転数を適宜に設定すること等によって任意に調節す
ることができる。
【0016】本発明では、重合懸濁液が所定の重合温度
に到達すると同時に、または所定の重合温度に到達後、
所定時間内に、(B)ケン化度75〜85モル%、平均
重合度2000〜4000の部分ケン化ポリビニルアル
コールを重合系内に添加する。所定の重合温度とは、あ
らかじめ設定した重合温度であって、通常40〜70℃
の範囲の温度とする。
【0017】懸濁剤(B)の添加の方法は、一括でも、
段階的でも、あるいは連続的でもよいが、懸濁剤(B)
の添加を開始する時期は、重合懸濁液が所定の重合温度
に到達すると同時、または重合温度到達から好ましくは
20分以内、さらに好ましくは10分以内とする。重合
転化率で表すと好ましくは2〜10重量%、さらに好ま
しくは2〜5重量%に達した時点である。
【0018】本発明では懸濁剤(B)を、懸濁液が重合
温度に到達した時点、またはその後、所定の時間以内に
添加することにより、重合初期に生成した液滴に由来す
る粒子の凝集度合いを制御し、重合体の外部形状を充填
性の高い構造に制御することができる。添加時期がこれ
より早い重合初期、すなわち、懸濁液が重合温度に到達
していない時期や、重合転化率が2重量%に達していな
い時期とすると、液滴の大きさが不均一となり、得られ
る重合体がいびつとなってかさ比重が低下する場合があ
る。(B)の添加時期を、重合温度到達から20分より
も遅い時期や、重合転化率が10重量%を超える時期と
すると、粒子が凝集し過ぎ、粗大粒子となったり、いび
つな形状となってかさ比重が低下する場合がある。
【0019】懸濁剤(B)の添加の開始時期は、添加開
始から好ましくは120分以内、さらに好ましくは60
分以内、最も好ましくは30分以内とする。あるいは、
重合転化率が好ましくは50重量%、さらに好ましくは
30重量%、最も好ましくは15重量%に達する以前と
する。このようにすることによって、粒子が凝集し過
ぎ、粗大粒子となったり、いびつな形状となってかさ比
重が低下することを防止することができる。
【0020】また粒子の凝集度合いを制御するため懸濁
剤(B)は保護コロイド性の高い部分ケン化ポリビニル
アルコールを用いる必要がある。ケン化度が75モル%
より小さい場合又は平均重合度が2000より小さい場
合にはかさ比重の低い重合体しか得られない。一方、ケ
ン化度が85モル%又は平均重合度が4000を超える
場合、得られるPVCがゲル化性に乏しくなり好ましく
ない。懸濁剤(B)の量は、単量体100重量部に対
し、0.01〜0.2重量部、好ましくは0.01〜
0.1重量部とする。
【0021】本発明では、撹拌開始から懸濁液の温度が
重合温度に到達するまでの間、前述のように重合器の内
容液1m3あたりの正味撹拌動力を1.0〜2.0kW
/m3に維持して撹拌を行う。これに対し、重合懸濁液
が所定の重合温度に到達した後は、重合懸濁液が所定の
重合温度に到達する前の前記正味撹拌動力の0.85〜
1.15倍の正味撹拌動力にて撹拌を継続することが好
ましい。このようにすることによって、かさ比重の高い
PVCを安定して得ることができる。
【0022】本発明において用いられる水性媒体とは、
水又は水を主成分とする媒体であり、本発明の目的を逸
脱しない限りにおいていかなるものを含んでいても良
い。そして、生産効率よく、品質に優れたPVCが得ら
れることから該水性媒体の温度が30℃以上であるのが
好ましい。
【0023】本発明の懸濁重合においては、水性媒体と
塩化ビニル系単量体との比率(重量比)は、水性媒体/
塩化ビニル系単量体比=0.7〜1.2であることが好
ましい。
【0024】また、重合時の懸濁液の流動状態を一定に
保つために重合進行に伴う体積収縮分と同等容量の水を
連続的または間欠的に追加することが望ましい。
【0025】本発明において用いる重合開始剤として
は、アセチルシクロヘキシルスルホニルパーオキサイ
ド、イソブチリルパーオキサイド、(α,α−ビスネオ
デカノイルパーオキシ)ジイソプロピルベンゼン、クミ
ルパーオキシネオデカノエート、ジイソプロピルパーオ
キシジカーボネート、ジ(2−エトキシエチル)パーオ
キシジカーボネート、ジ(2−エチルヘキシル)パーオ
キシジカーボネート、t−ブチルパーオキシネオデカノ
エート、t−ヘキシルパーオキシピバレート、t−ブチ
ルパーオキシピバレート、ラウリルパーオキサイド等の
有機過酸化物;アゾビス−2,4−ジメチルバレロニト
リル、アゾビス−(4−メトキシ−2,4−ジメチルバ
レロニトリル、アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ化
合物、その他の公知のものが、単独または数種のものを
併用して使用できる。
【0026】上記重合開始剤を単独または数種のものを
併用することにより、重合時間を6時間以内とするの
が、生産効率が良く好ましい。
【0027】ここで、本発明における重合時間とは、モ
ノマー等の仕込終了後、重合器の内温が所定の重合温度
に達した時点から、未反応単量体の減少による重合器内
の圧力の降下幅が2kg/cm2となる時点をいう。
【0028】加熱冷却用ジャケットとしては、外部ジャ
ケット及び内部ジャケットが使用できる。
【0029】また、重合を6時間以内の短時間で完結さ
せる場合、還流凝縮器を使用することが好ましい。還流
凝縮器は重合器の気相部に設けられ、その電熱面積、熱
伝導度は、所望の除熱能力に応じて適宜定められる。還
流凝縮器は塩化ビニル系単量体の重合を開始する昇温前
に加熱を行い、懸濁液が所定の重合温度に到達するまで
還流凝縮器を重合温度以上に保つのが好ましい。
【0030】重合中、還流凝縮器を作動させる場合、還
流凝縮器による除熱量は一定としてもよく、重合器のジ
ャケット温度を還流凝縮器作動時点での反応器のジャケ
ット温度で一定となるように、還流凝縮器の除熱量を制
御してもよい。
【0031】本発明において使用される撹拌機、所望に
より使用されるバッフル等の撹拌装置の形状は特に限定
されるものではなく、従来から塩化ビニル系単量体の懸
濁重合方法で一般的に採用されている公知の撹拌装置を
使用することができる。すなわち撹拌翼としてはパドル
翼、ピッチドパドル翼、ブルマージン翼、ファウドラー
翼、タービン翼、プロペラ翼等を一種類で用いるかまた
は他の撹拌翼と組み合わせて用いることができる。また
バッフルとしては板型、円筒型、D型、ループ型及びフ
ィンガー型等が例示される。
【0032】本発明においては、必要に応じて、スケー
ル防止剤、連鎖移動剤、消泡剤、pH調整剤、帯電防止
剤、酸化防止剤、架橋剤等を重合開始前あるいは重合後
に重合系に添加してもよく、重合中にその一部を分割ま
たは連続的に重合系に添加してもよい。
【0033】本願の塩化ビニル系重合体の製造方法に使
用する重合器の内壁にはポリマー付着防止剤を塗布する
ことが好ましい。また還流凝縮器等の付帯設備に対して
も同様にポリマー付着防止剤を塗布することが好まし
い。このようにすることによって、いわゆるクローズド
化プロセスが可能となるからである。本発明におけるポ
リマー付着防止剤は、公知のものを用いることができ
る。
【0034】消泡剤としては、ポリシロキサン、ジメチ
ルポリシロキサン、ジフェニルポリシロキサン等のシリ
コーンオイル類;炭素原子数が10〜30の脂肪酸また
は芳香族のアルコール類;エチレンオキサイド、プロピ
レンオキサイド、ブチレンオキサイド等のようなアルキ
レンオキサイドのホモ重合物、ランダム共重合物および
ブロック共重合物等のポリオキシアルキレングリコール
類;ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソ
ルビタン脂肪酸エステル等、アセチレングリコール類等
が例示される。これらを単独又は2種以上の組合せで使
用することができる。これらの消泡剤の重合系への添加
は、そのままで、もしくは水などの溶剤に溶解または分
散させた状態で、重合開始前あるいは重合後に重合系に
添加してもよく、重合中にその一部を分割または連続的
に重合系に添加してもよい。
【0035】本発明における塩化ビニル系単量体とは、
塩化ビニル単量体叉は塩化ビニル単量体を主体とするこ
れと共重合可能なビニル系単量体との混合物が含まれ、
この塩化ビニル単量体と共重合可能なビニル系単量体と
しては、例えばエチレン、プロピレン等のオレフィン化
合物;、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニルエ
ステル類;アクリル酸、α−アルキルアクリル酸等の不
飽和モノカルボン酸及びそのアルキルエステル類、アミ
ド類;アクリロニトリル等の不飽和ニトリル類;マレイ
ン酸、フマール酸等の不飽和ジカルボン酸類、そのアル
キルエステル類およびその無水物;N−置換マレイミド
類;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル等の
ビニルアルキルエーテル類;各種ビニリデン化合物等が
例示される。
【0036】
【実施例】以下、本発明の製造方法を実施例および比較
例にもとづき説明するが、本発明はこれらに限定される
ものではない。物性評価は下記の方法により行った。 (平均粒子径)JIS Z−8801に準拠して測定し
た。50重量%通過径を平均粒径とした。 (かさ比重)JIS K6721に準拠して測定した。 (ゲル化時間)塩化ビニル系重合体100重量部に三塩
基性硫酸鉛3部、ステアリン酸鉛1部を加えてよく混合
したのち、この混合物64gをブラベンダー社製のプラ
ストグラフ試験機に入れ、ローラーの回転数60rp
m、チャンバー温度190℃の条件下に塩化ビニル系重
合体を投入してから最高トルクに達するまでの時間を測
定した。
【0037】実施例1 還流凝縮器を有する内容積100m3の反応器の該還流
凝縮器に70℃の熱水を通水した後、40℃の脱イオン
水45000Kg、(A)ケン化度80モル%で平均重
合度2600の部分ケン化ポリビニルアルコール(以下
PVA)0.04重量部、重合開始剤クミルパーオキシ
ネオデカノエート0.044重量部とt−ブチルパーオ
キシネオデカノエート0.044重量部、塩化ビニル単
量体100重量部(36000Kg)を反応器に仕込
み、単位容積当たりの正味撹拌動力が1.2kW/m3
となるように調整して撹拌を開始し、57℃まで昇温し
た。懸濁液の温度が57℃に達した時点(重合転化率3
%)で、(B)ケン化度80モル%で平均重合度260
0のPVA0.02重量部を30分間で反応器に添加
し、かつ還流凝縮器のジャケット温度を低下させ、反応
器のジャケット温度が一定となるように還流凝縮器のジ
ャケット温度を制御しながら重合を継続した。重合中の
単位容積当たりの正味撹拌動力は1.2kW/m3で一
定となるように調整し、重合中5000リットル/時で
水を連続的に注入した。重合後、未反応の単量体を回収
した後、重合体スラリーを取り出し、脱水乾燥して得ら
れた重合体を評価した。
【0038】実施例2 重合開始前に仕込むPVAをケン化度80モル%で平均
重合度2200のPVA0.04部とケン化度98モル
%で平均重合度3500のPVA0.04部との併用に
変更したほかは実施例1と同じ条件で重合を行い評価し
た。
【0039】実施例3 懸濁剤(B)のPVAを懸濁液の温度が57℃に達した
時点より20分後(転化率10%)に添加を開始し30
分以内に添加を完了したほかは実施例1と同じ条件で重
合を行い評価した。
【0040】実施例4 単位容積当たりの正味撹拌動力を1.5kW/m3に変
更したほかは実施例1と同じ条件で重合を行い評価し
た。
【0041】実施例5 単位容積当たりの正味撹拌動力を2.0kW/m3に変
更したほかは実施例1と同じ条件で重合を行い評価し
た。
【0042】実施例6 単位容積当たりの正味撹拌動力が1.2kW/m3とな
るように回転数を調整して撹拌を開始し、その後重合終
了まで回転数を一定にしたほかは実施例1と同じ条件で
重合を行い評価した。単位容積当たりの正味撹拌動力
は、重合の進行とともに徐々に増加し、重合転化率50
%の時点で、1.45kW/m3を示した。
【0043】比較例1 懸濁剤(B)のPVAを懸濁液の温度が48℃になった
時点(転化率0.5%)で添加を開始したほかは実施例
1と同じ条件で重合を行い評価した。
【0044】比較例2 懸濁剤(B)のPVAを懸濁液の温度が57℃に達した
時点より30分後(転化率20%)に添加を開始し30
分以内に添加を完了したほかは実施例1と同じ条件で重
合を行い評価した。
【0045】比較例3 単位容積当たりの正味撹拌動力を0.8kW/m3に変
更したほかは実施例1と同じ条件で重合を行い評価し
た。
【0046】比較例4 単位容積当たりの正味撹拌動力を2.3kW/m3に変
更したほかは実施例1と同じ条件で重合を行い評価し
た。
【0047】比較例5 重合開始前に仕込む懸濁剤(A)の量を0.02部に変
更したほかは実施例1と同じ条件で重合を行った。得ら
れた重合体は塊状化したものであった。実施例および比
較例で得られたPVCは、表1、2に示すような物性を
有していた。
【0048】
【表1】
【0049】
【表2】
【発明の効果】本発明の方法によれば、かさ比重が高
く、かつ混練時にゲル化しやすい改良されたPVCが生
産性良く得られ、その工業的価値は高い。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田中 利彦 三重県四日市市霞1−8 大洋塩ビ株式会 社四日市研究所内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 撹拌機、ジャケット及び還流凝縮器を備
    えた内容積が40m 3以上の重合器を用い、塩化ビニル
    単量体又は塩化ビニル単量体を含む単量体混合物を、重
    合開始剤の存在下、水性媒体中で懸濁重合し、重合時間
    を6時間以内として塩化ビニル系重合体を製造する際
    に、懸濁剤として、(A)ケン化度65〜99モル%、
    かつ、平均重合度1000〜4000である部分ケン化
    ポリビニルアルコールの一種又は二種以上を単量体10
    0重量部に対して合計0.03〜0.2重量部存在さ
    せ、かつ重合器懸濁液1m3あたりの正味撹拌動力を
    1.0〜2.0kW/m3として撹拌しながら該重合懸
    濁液を昇温し、該重合懸濁液が所定の重合温度に到達し
    た後、(B)ケン化度75〜85モル%、かつ、平均重
    合度2000〜4000の部分ケン化ポリビニルアルコ
    ールを、単量体100重量部に対して合計0.01〜
    0.02重量部、重合系内に添加することを特徴とする
    塩化ビニル系重合体の製造方法。
  2. 【請求項2】 懸濁剤(B)を、重合懸濁液が所定の重
    合温度に到達した後、20分以内に添加を開始すること
    を特徴とする請求項1に記載の塩化ビニル系重合体の製
    造方法。
  3. 【請求項3】 懸濁剤(B)の添加を、添加開始後12
    0分以内に完了することを特徴とする請求項2に記載の
    塩化ビニル系重合体の製造方法。
  4. 【請求項4】 懸濁剤(B)を、重合転化率が2〜10
    重量%に達した時点で添加を開始することを特徴とする
    請求項1に記載の塩化ビニル系重合体の製造方法。
  5. 【請求項5】 懸濁剤(B)の添加を、重合転化率が5
    0重量%に達する以前に添加を完了することを特徴とす
    る請求項4に記載の塩化ビニル系重合体の製造方法。
  6. 【請求項6】 重合懸濁液が前記所定の重合温度に到達
    した後、重合懸濁液が所定の重合温度に到達する前の前
    記正味撹拌動力の0.85〜1.15倍の正味撹拌動力
    にて撹拌を継続することを特徴とする請求項1乃至5い
    ずれかに記載の塩化ビニル系重合体の製造方法。
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JP2008111065A (ja) * 2006-10-31 2008-05-15 Kaneka Corp 塩化ビニル系重合体の製造方法

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