JP3239613B2 - 塩化ビニル系重合体の製造方法 - Google Patents

塩化ビニル系重合体の製造方法

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JP3239613B2 JP11451194A JP11451194A JP3239613B2 JP 3239613 B2 JP3239613 B2 JP 3239613B2 JP 11451194 A JP11451194 A JP 11451194A JP 11451194 A JP11451194 A JP 11451194A JP 3239613 B2 JP3239613 B2 JP 3239613B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高品質の塩化ビニル系
重合体を製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】塩化ビニル系重合体は、物理的性質に優
れた有用な樹脂であり、硬質及び軟質の材料として広く
利用されている。
【0003】この塩化ビニル系重合体の成形法として
は、カレンダー成形、押し出し成形、射出成形等の方法
が一般的であるが、近年、硬質押出成形法による成形法
においては、成形機の押出量を増大させる見地から、か
さ比重の高い塩化ビニル系重合体の開発が要望されてい
る。
【0004】そのため、水性媒体中における懸濁重合に
よる塩化ビニル系重合体の製造方法において、かさ比重
の高い塩化ビニル系重合体を製造する方法が種々検討さ
れており、例えば単量体を重合途中で添加する方法(特
開昭59−16800号公報)、高けん化ポリビニルア
ルコールを使用する方法(特開昭57−7600号公
報)、懸濁剤を重合途中で追加する方法(特開平5−3
9309号公報)等多数の方法が提案されている。
【0005】しかし、これらの方法によれば、ある程度
かさ比重の高い重合体を得ることができるが、得られる
重合体の多孔性が乏しいため、成形品のフィッシュアイ
が増加したり、ゲル化性が劣るなどの問題点がある。ま
た、多孔性が乏しいと、脱モノマー性も悪くなるので、
粒子中に残存する未反応単量体の濃度が高くなって重合
体製造工程あるいは成形加工工程での作業環境を損い、
成形体中にも未反応単量体が残留することがあるため、
食品等の用途によっては重大な影響を与える問題があ
る。
【0006】一方、最近懸濁剤としてのポリビニルアル
コールの改良も進み、低重合度、低けん化度のいわゆる
油溶性タイプのものや各種変性基を導入したものなども
開発されてきたが、このうち油溶性タイプのものは、脱
モノマー性とフィッシュアイの改良効果が認められるも
のの、かさ比重が低下したり、帯電によるフリーフロー
性の低下という問題がある。また、各種変性基を導入し
たものは、通常の方法では懸濁系の安定性が悪く、スケ
ールが付着したり、粒度がばらつく等の問題がある。
【0007】また、反応系内におけるスケール付着が少
なく、得られる塩化ビニル系重合体の嵩比重が高く、脱
モノマー、可塑剤吸収性等が良好で、フィッシュアイの
少ない塩化ビニル系単量体の懸濁重合方法(特開平4−
311708号公報)が提案されているが、この方法は
嵩比重の向上は見られるものの押出成形における押出量
を増大させる見地から十分でなく、更に嵩比重の高い塩
化ビニル系重合体の開発が望まれている。
【0008】本発明は、上記事情に鑑みなされたもの
で、かさ比重が高く、フリーフロー性、脱モノマー性、
ゲル化性、可塑剤吸収性などが良好であると共に、フィ
ッシュアイが少ない高品質の塩化ビニル系重合体を反応
系内におけるスケール付着が少なく製造することができ
る塩化ビニル系重合体の製造方法を提供することを目的
とする。
【0009】
【課題を解決するための手段及び作用】本発明者は、上
記目的を達成するため鋭意検討を重ねた結果、塩化ビニ
ル単量体又は塩化ビニルを主体とするビニル系単量体の
混合物を水性媒体中で懸濁重合する際に、分散剤の種類
や添加時期、撹拌条件等について検討を重ねた結果、重
合開始時に使用する分散安定剤としてけん化度60〜8
0モル%、平均重合度500〜1000、4%水溶液の
粘度15cps以下(20℃)、1%水溶液の波長28
0nmにおける吸光度が4以上の特定の部分けん化ポリ
ビニルアルコールを使用すると共に、更に重合途中でけ
ん化度75〜85モル%、平均重合度1500〜270
0の特定の部分けん化ポリビニルアルコールを添加し、
これに加えて重合の進行に応じて適切な撹拌条件、具体
的には重合開始前から重合率20〜50%までの間は8
0〜120kg・m/s・ton、それ以後から重合終
了までは130〜200kg・m/s・tonの撹拌所
要動力を採用することにより、かさ比重が高く、フリー
フロー性、脱モノマー性、ゲル化性、可塑剤吸収性など
が良好である上、フィッシュアイが少ない優れた品質の
塩化ビニル系重合体が得られると共に、重合缶内へのス
ケール付着なしに製造できることを知見した。
【0010】即ち、重合初期から用いる分散安定剤とし
て上述した乳化分散作用が強い部分けん化ポリビニルア
ルコールを使用するが、このような乳化分散作用が強い
分散安定剤を用いた場合、重合初期に高い撹拌動力を与
えてしまうと、単量体の分散液滴が細かくなりすぎるた
め、懸濁系が安定せず、粗粒になったり、重合缶内に多
量のスケールが付着するなどのトラブルが発生する。こ
のため重合の初期は低めに撹拌動力をコントロールし、
その後かさ比重を向上させるため高けん化ポリビニルア
ルコールを添加すると共に、撹拌動力を上げ、重合体粒
子表面に付着した微細な粒子を除去することにより、上
述したような高品質の塩化ビニル系重合体をスケール付
着なしに得ることができることを見い出し、本発明をな
すに至ったものである。
【0011】従って、本発明は、塩化ビニル又は塩化ビ
ニルを含むビニル系単量体混合物を水性媒体中で懸濁重
合する際、(A)重合開始時に、分散安定剤として、け
ん化度60〜80モル%、平均重合度500〜100
0、4%水溶液の20℃での粘度が15cps以下、1
%水溶液の波長280nmにおける吸光度が4以上であ
る部分けん化ポリビニルアルコールを用い、(B)重合
率30〜60%の間にけん化度75〜85モル%、平均
重合度1500〜2700の部分けん化ポリビニルアル
コールを仕込み単量体に対し0.001〜0.5重量%
添加し、(C)重合開始前から重合率20〜50%まで
の間は重合懸濁液に対する撹拌動力を80〜120kg
・m/s・tonとすると共に、(D)その後から重合
終了までの間は重合懸濁液に対する撹拌動力を130〜
200kg・m/s・tonとすることを特徴とする塩
化ビニル系重合体の製造方法を提供する。
【0012】以下、本発明について更に詳しく説明する
と、本発明の塩化ビニル系重合体の製造方法は、上述し
たように、塩化ビニル又は塩化ビニルを含むビニル系単
量体混合物を水性媒体中で懸濁重合するものである。
【0013】この場合、原料は塩化ビニル単独でもよ
く、塩化ビニル及びこれと共重合可能なビニル系単量体
(コモノマー)との混合物(塩化ビニルが50重量%以
上、更に好ましくは80重量%以上)であってもよい。
このコモノマーとしては、酢酸ビニル、プロピオン酸ビ
ニル等のビニルエステル、アクリル酸メチル、アクリル
酸エチル等のアクリル酸エステルもしくはメタアクリル
酸エステル、エチレン、プロピレン等のオレフィン、ラ
ウリルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル等の
ビニルエーテル、そのほか無水マレイン酸、アクリロニ
トリル、スチレン、塩化ビニリデン等の塩化ビニルと共
重合可能な単量体を挙げることができ、これらの1種を
単独で又は2種以上を塩化ビニルと併用することができ
る。
【0014】また、重合開始剤は従来塩化ビニル系の重
合に使用されているもので良く、具体的にはジイソプロ
ピルパーオキシジカーボネート、ジ−2−エチルヘキシ
ルパーオキシジカーボネート、ジエトキシエチルパーオ
キシジカーボネート等のパーカーボネート化合物、t−
ブチルパーオキシネオデカネート、t−ブチルパーオキ
シピバレート、t−ヘキシルパーオキシピバレート、α
−クミルパーオキシネオデカネート、2,4,4−トリ
メチルペンチル−2−パーオキシ−2−ネオデカネート
等のパーエステル化合物、アセチルシクロヘキシルスル
ホニルパーオキシド、2,4,4−トリメチルペンチル
−2−パーオキシフェノキシアセテート、3,5,5−
トリメチルヘキサノイルパーオキシド、ラウロイルパー
オキシド等の過酸化物、アゾビス−2,4−ジメチルバ
レロニトリル、アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメ
チルバレロニトリル)等のアゾ化合物などを例示するこ
とができ、これらの1種を単独で又は2種以上を組み合
わせて使用することができる。これらの中ではパーカー
ボネート化合物、パーエステル化合物が好ましい。
【0015】重合開始剤の反応系への添加量は、塩化ビ
ニル単量体又は塩化ビニルを主体とするビニル系単量体
の混合物の全仕込量100重量部当り0.03〜0.2
重量部の割合で用いることができる。また、添加方法
は、上記単量体の仕込後、溶剤で希釈するか、あるいは
水性エマルジョンとして反応系にポンプで圧入する方法
を採用することができる。
【0016】本発明においては、この重合に際しての仕
込み方法、仕込み割合、重合温度等の他の条件は通常の
条件を採用することができるが、仕込みの水と単量体の
比は水/単量体=0.9〜1.5(重量比)の範囲が好
ましい。また、重合の途中で水を追加しても良い。更
に、昇温時間の短縮、懸濁系の安定のためには、脱イオ
ン水を40〜50℃の温水で仕込むことが好ましい。な
お、水/単量体の重量比が0.9未満であると、懸濁安
定性が損なわれて、得られる塩化ビニル系重合体の粒度
分布がブロードになったり、粗粒が生じたり、或いはス
ケール付着が生じ易くなる場合がある。一方、1.5を
超えると、嵩比重の向上の点で十分な効果が得られない
おそれがある。より好ましくは、水/単量体=1.0〜
1.25(重量比)である。
【0017】而して、本発明においては、重合開始から
の分散安定剤として、けん化度60〜80モル%、平均
重合度500〜1000、4%水溶液の20℃での粘度
が15cps以下、1%水溶液の波長280nmにおけ
る吸光度が4以上である部分けん化ポリビニルアルコー
ルを用いる。好ましくは、けん化度65〜75モル%、
平均重合度700〜1000、4%水溶液の20℃での
粘度4〜8cps、上記吸光度4.5〜7.5の部分け
ん化ポリビニルアルコールを用いる。
【0018】この値を満足しない部分けん化ポリビニル
アルコールを用いると、かさ比重が上がらないばかり
か、フィッシュアイが増加することになり、本発明の目
的を達成することができない。
【0019】このような部分けん化ポリビニルアルコー
ルの仕込み量は、仕込み単量体に対し、0.02〜0.
08重量%の範囲が好ましく、また、仕込み方法は、水
などの溶媒に分散溶解させて重合缶内に仕込むことが好
ましい。
【0020】ビニル系単量体、上記分散安定剤などを仕
込んだ後、仕込内容物を均一分散させるために撹拌を開
始するが、この場合、本発明においては、その時の撹拌
所要動力を80〜120kg・m/s・ton、好まし
くは90〜110kg・m/s・tonに設定し、この
初期撹拌所要動力を重合率20〜50%、好ましくは3
0〜40%の間維持するようにする。
【0021】この初期撹拌所要動力が上記値でないと、
得られる重合体のかさ比重が上がらず、しかも重合缶内
へのスケール付着、粗粒の発生が起こり、好ましくな
い。
【0022】次に、本発明においては、その後、回転数
を変化させて撹拌所要動力を130〜200kg・m/
s・ton、好ましくは130〜180kg・m/s・
tonに上昇させ、この最終撹拌所要動力を重合終了時
まで維持する。
【0023】この最終撹拌所要動力が130kg・m/
s・tonより低いと、嵩比重が低下したり、可塑剤吸
収性が低下したり、残留単量体量が多くなり、好ましく
ない。また、重合末期の徐熱が困難になり、リフラック
スコンデンサー使用時に重合体がコンデンサー内に飛散
する(carry over)現象が生じて好ましくな
い。一方、200kg・m/s・tonを超えると、粒
径が細かくなり、フリーフロー性が低下する。
【0024】また、本発明においては、重合率30〜6
0%、好ましくは40〜50%の間に、けん化度75〜
85モル%、平均重合度1500〜2700、好ましく
はけん化度80〜85モル%、平均重合度2000〜2
700の部分けん化ポリビニルアルコールを仕込み単量
体に対し0.001〜0.5重量%、好ましくは0.0
01〜0.2重量%、更に好ましくは0.001〜0.
1重量%添加する。
【0025】この添加時期が重合率30%より低いと、
粒径が細かくなり、かさ比重が低下すると共に、フリー
フロー性が悪化する。重合率が60%を超えた時点で添
加すると、かさ比重上昇効果が期待できない。
【0026】また、平均重合度1500未満、けん化度
75モル%未満の部分けん化ポリビニルアルコールを用
いると、かさ比重上昇効果がなく、平均重合度2700
を越え、けん化度85モル%を超える部分けん化ポリビ
ニルアルコールを用いると、かさ比重向上効果が不十分
になると共に、フィッシュアイが増加する。
【0027】更に、添加量が0.001重量%より少な
いと、かさ比重向上効果が生じず、0.5重量%より添
加量を多くすると、効果が飽和してしまい、経済的に不
利になる。
【0028】本発明は、上述したように特に重合率に応
じて撹拌動力を選定したものであるが、これに伴い重合
器及び撹拌系の構造が重要であり、重合器としてはL/
Dが1.5〜2.5の範囲が好ましく、撹拌機として
は、パドル、ファウドラー、プロペラ、タービンなどを
多段で用いるのが良く、バッフルとの組み合わせが良
い。
【0029】なお、本発明においては、必要に応じて塩
化ビニル系の重合に適宜使用される重合調整剤、連鎖移
動剤、pH調整剤、ゲル化改良剤、帯電防止剤、架橋
剤、安定剤、充填剤、酸化防止剤、緩衝剤、スケール防
止剤等を通常時期に添加することも任意である。
【0030】
【発明の効果】本発明の塩化ビニル系重合体の製造方法
によれば、かさ比重が高く、フリーフロー性、脱モノマ
ー性、ゲル化性、可塑剤吸収性などが良好であると共
に、フィッシュアイが少ない高品質の塩化ビニル系重合
体を反応系内におけるスケール付着が少なく製造するこ
とができる。
【0031】
【実施例】以下、実施例と比較例を示し、本発明を具体
的に示すが、本発明は下記の実施例に制限されるもので
はない。
【0032】[実施例1、2、比較例1〜5]内容積
2.1m3のステンレス製重合缶に45℃の脱イオン水
845kg及び表1、2に示す分散安定剤を同表に示す
量で仕込み、缶内を50mmHgになるまで脱気した。
次に、塩化ビニル単量体760kgを仕込み、表1、2
に示す条件で撹拌しながらジャケットに熱水を通して昇
温を開始すると同時に、ジ−2−エチルヘキシルパーオ
キシジカーボネート420gを重合缶内に圧入して重合
を開始した。
【0033】その後、57℃の温度を保ちながら重合反
応を行い、重合途中で表1、2に示す懸濁剤を添加する
と共に、同表に示すように撹拌条件を変更した。
【0034】重合缶内の圧力が6.0kg/cm2Gに
達した時点で未反応単量体を回収し、重合体をスラリー
状で缶外に抜き出し、脱水乾燥して塩化ビニル重合体を
得た。
【0035】[比較例6]内容積2.1m3のステンレ
ス製重合缶に45℃の脱イオン水845kg及び分散剤
Aを塩化ビニル単量体に対して0.04重量%仕込み、
缶内を50mmHgになるまで脱気した。次に、塩化ビ
ニル単量体760kgを仕込み、撹拌動力を120kg
・m/s・tonで撹拌しながらジャケットに熱水を通
して昇温を開始すると同時に、ジ−2−エチルヘキシル
パーオキシジカーボネート420gを重合缶内に圧入し
て重合を開始した。
【0036】その後、57℃の温度を保ちながら重合反
応を行い、重合途中の撹拌条件において、重合率10%
で撹拌動力を110kg・m/s・ton、重合率20
%で撹拌動力を100kg・m/s・ton、重合率6
0%で撹拌動力を140kg・m/s・tonに変更
し、重合終了まで続けた。重合缶内の圧力が6.0kg
/cm2Gに達した時点で未反応単量体を回収し、重合
体をスラリー状で缶外に抜き出し、脱水乾燥して塩化ビ
ニル重合体を得た。
【0037】得られた塩化ビニル重合体について、下記
に示す方法により、かさ比重、粒度分布、DOP吸収
量、フィッシュアイ、残留単量体量、ゲル化を測定し、
また、重合缶内のスケール付着を目視で観察した。結果
を表2に併記する。かさ比重 JIS K−6721に従って測定した。粒度分布 JIS Z−8801に準じた。#60、#100、#
200の各篩を用いて篩分し、通過量(重量%)を計量
した。DOP吸収量 内径25mm、深さ85mmのアルミニウム合金製容器
の底にグラスファイバーを詰め、得られた塩化ビニル重
合体10gを採取して投入する。これにジオクチルフタ
レート(DOP)15ccを加え、30分放置してDO
Pを樹脂に十分浸透させる。その後、1500Gの加速
度下に過剰のDOPを遠心分離し、樹脂に吸収されたD
OPの量を樹脂100重量部当りの値で求めた。フィッシュアイ 得られた塩化ビニル重合体100重量部、DOP50重
量部、ステアリン酸バリウム0.1重量部、ステアリン
酸カドミウム0.1重量部、セタノール0.8重量部、
スズ系安定剤2.0重量部、二酸化チタン0.5重量部
及びカーボンブラック0.1重量部を、140℃の6イ
ンチロールで5分間混合混練し、厚さ0.3mmのシー
トとして分取し、このシート100cm2中の白色透明
粒子の数で示した。残留単量体量 得られた塩化ビニル重合体の一定量をテトラヒドロフラ
ンに溶解してガスクロマトグラフにより重合体中の単量
体含有量を定量した。残存モノマー量は、乾燥重合体当
りのppmで表した。ゲル化 塩化ビニル重合体100重量部に対して三塩基性硫酸鉛
0.5重量部、ステアリン酸鉛2.5重量部、ステアリ
ン酸バリウム0.7重量部をヘンシェルミキサーにて配
合した試料67gをブラベンダープラスチコーダーに入
れて、210℃、40rpmで混練し、最大トルクを示
すまでの時間をゲル化時間とした。重合缶内のスケール付着状態 スラリーを器外に取り出した後の重合器内におけるスケ
ールの付着状態を観察し、次の基準で評価した。 ◎:スケールの付着がなくて金属鏡面の光沢がある。 ○:金属鏡面にやや曇がある。 ×:金属表面全面にフィルム状のスケールがある。
【0038】
【表1】
【0039】
【表2】 分散剤A けん化度72.4モル%、平均重合度770、4%水溶
液の粘度5.7cps、1%水溶液の波長280nmに
おける吸光度6.5の部分けん化ポリビニルアルコール分散剤B けん化度80.2モル%、平均重合度2600の部分け
ん化ポリビニルアルコール分散剤C メトキシ置換度が29.2重量%、ヒドロキシプロポキ
シ置換度が8.9重量%であり、その2重量%水溶液の
20℃における粘度が49.5cpsであるヒドロキシ
プロピルメチルセルロース分散剤D けん化度72.4モル%、平均重合度770、4%水溶
液の粘度5.7cps、1%水溶液の波長280nmに
おける吸光度3.2の部分けん化ポリビニルアルコール
【0040】表1の結果より、本発明の製造方法によれ
ば、かさ比重が高く、微粉が少なく、フィッシュアイが
少ない上、残留単量体量が少ない塩化ビニル重合体が得
られると共に、缶内へのスケール付着が少ないことが認
められる。
【0041】これに対し、重合途中で分散剤を添加しな
い場合は、撹拌条件を本発明と同様にしてもかさ比重が
低い(比較例2)。また、重合途中で分散剤を本発明と
同様に添加しても、撹拌条件が最初から最後まで同じで
あるとフィッシュアイが多く、残留単量体量も多い(比
較例3)。更に、本発明の重合条件をはずれると、缶内
へのスケール付着が多いことが認められる。
【0042】次に、上記実施例1、比較例6の塩化ビニ
ル重合体の押出量を下記方法で比較した。配合組成 塩化ビニル重合体 100 重量部 鉛系安定剤 2.5 〃 ステアリン酸バリウム 0.5 〃 ステアリン酸 0.3 〃 ポリエチレンワックス 0.3 〃 10リットルヘンシェルミキサーに上記成分を上記割合
で入れ、撹拌混合し、内温が120℃に到達した時点で
ヘンシェルミキサーのジャケット内に冷却水を通水し、
ヘンシェルミキサー内のコンパウンドを冷却して、塩化
ビニル重合体硬質押出用コンパウンドを得た。
【0043】20mmφの押出機を使用し、下記条件で
上記コンパウンドから5×10mm角棒を押出し、その
時の押出量を調べた。結果を下記に示す。押出条件 スクリュー CR=3.0,L/D=20,
回転数30rpm シリンダー温度 C1=160℃ 〃 C2=180℃ 〃 C3=170℃ ダイス温度 D=180℃押出量結果 実施例1の塩化ビニル重合体 43g/min 比較例6の 〃 39g/min
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−301908(JP,A) 特開 平5−295008(JP,A) 特開 平5−262807(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08F 2/18 - 2/20

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 塩化ビニル又は塩化ビニルを含むビニル
    系単量体混合物を水性媒体中で懸濁重合する際、(A)
    重合開始時に、分散安定剤として、けん化度60〜80
    モル%、平均重合度500〜1000、4%水溶液の2
    0℃での粘度が15cps以下、1%水溶液の波長28
    0nmにおける吸光度が4以上である部分けん化ポリビ
    ニルアルコールを用い、(B)重合率30〜60%の間
    に、けん化度75〜85モル%、平均重合度1500〜
    2700の部分けん化ポリビニルアルコールを仕込み単
    量体に対し0.001〜0.5重量%添加し、(C)重
    合開始前から重合率20〜50%までの間は、重合懸濁
    液に対する撹拌動力を80〜120kg・m/s・to
    nとすると共に、(D)その後から重合終了までの間
    は、重合懸濁液に対する撹拌動力を130〜200kg
    ・m/s・tonとすることを特徴とする塩化ビニル系
    重合体の製造方法。
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