JPH08231614A - 塩化ビニル系重合体の製造方法 - Google Patents

塩化ビニル系重合体の製造方法

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JPH08231614A
JPH08231614A JP5998595A JP5998595A JPH08231614A JP H08231614 A JPH08231614 A JP H08231614A JP 5998595 A JP5998595 A JP 5998595A JP 5998595 A JP5998595 A JP 5998595A JP H08231614 A JPH08231614 A JP H08231614A
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JP
Japan
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vinyl chloride
suspending agent
monomer
degree
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JP5998595A
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English (en)
Inventor
Toshimichi Koga
俊通 古閑
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Shin Etsu Chemical Co Ltd
Original Assignee
Shin Etsu Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 平均重合度が 150〜600 であり、かつ、けん
化度が20〜60モル%である部分けん化ポリビニルアルコ
ールの存在下に塩化ビニル単量体の重合を開始するとと
もに、重合開始から重合率が2〜4%に達する時までの
間、更にこれに平均重合度が 700〜900 であり、けん化
度が65〜80モル%であり、4%水溶液の20℃における粘
度が15cP以下であり、かつ1%水溶液の波長 280nmにお
ける吸光度が4以上である部分けん化ポリビニルアルコ
ールを連続的に添加する方法であり、かつ重合開始直前
までの撹拌所要動力、重合開始から部分けん化ポリビニ
ルアルコールの連続添加が終了するまでの間、及び連続
添加が終了した時以後の撹拌所要動力を所定の範囲にす
る塩化ビニル系重合体の製造方法。 【効果】 ポロシティーが高く、加工性が良好で、か
つ、例えば分子量が1500以上の高分子可塑剤を用い
て混練りを浅くしたような場合でもフィッシュアイの発
生が少ない高品質の塩化ビニル系重合体を得ることがで
き、また、重合器内にスケールが付着するのを防止する
ことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、塩化ビニル系重合体の
懸濁重合による製造方法に関し、更に詳述すると、ポロ
シティーが高い粒子構造を有し、可塑剤吸収性及び加工
性に優れ、特に高分子可塑剤使用時におけるフィッシュ
アイの発生が少ない塩化ビニル系重合体の製造方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】従来より、加工性の改良、フィッシュア
イ発生の減少、かつブレンド性の改良を目的として塩化
ビニル系重合体の製造方法が数多く提案されている。例
えば、特開昭52-5866 号、同52-15890号、同55-112210
号、同53-6392 号、特公昭61-18562号公報等には、懸濁
剤として、けん化度55モル%以下、平均重合度 600以下
のいわゆる油溶性ポリビニルアルコールを用い、塩化ビ
ニル単量体を水性媒体中に懸濁分散させて懸濁重合を行
う塩化ビニル系重合体の製造方法が開示されている。
【0003】しかしながら、これらの方法で得られた塩
化ビニル系重合体は、ある程度ポロシティーが高く、フ
ィッシュアイの発生も低減されるものの、その程度はな
お十分満足できるものではない。また、最近では、電
線、ホース、シート等に用いられる耐油性に優れた軟質
ポリ塩化ビニル樹脂組成物を得ようとする場合、平均重
合度1000〜3000のポリ塩化ビニル樹脂に対し
て、フタル酸エステル等の低分子可塑剤を添加混合する
かわりに、ポリエステル系高分子可塑剤やエチレン・ビ
ニルアセテート系高分子可塑剤等の分子量1500以上
の高分子可塑剤が用いられることが多い。この場合に
は、塩化ビニル系重合体を練りの浅い条件下で加工に供
することがあり、このような条件では、加工によって得
られた塩化ビニル系重合体の成形品にフィッシュアイの
発生が増加する不都合が生じる。
【0004】また、特願平5-217012号には、ポロシティ
ーを高め、フィッシュアイの発生を低減する目的で、平
均重合度が 150〜600 であり、けん化度が20〜60モル%
の部分けん化ポリビニルアルコールの存在下に塩化ビニ
ル単量体の重合を開始し、これに水溶性に富む部分けん
化ポリビニルアルコールを重合開始時から添加する方法
が開示されている。しかし、同方法において、水溶性の
高い部分けん化ポリビニルアルコールとして、けん化度
が65〜80モル%であり、平均重合度が 700〜900 であ
り、4%水溶液の20℃における粘度が15cP以下であり、
1%水溶液の波長 280nmにおける吸光度が4以上である
部分ケン化ポリビニルアルコールを用いた場合には、通
常の撹拌条件、即ち、重合開始時から重合終了時までの
間、攪拌機や攪拌軸の回転数を一定に維持する条件で
は、重合中、重合体粒子を均一に形成することができ
ず、大きなブロック状重合体ができたり、重合体粒子を
形成しなかったり、重合体粒子を形成しても重合器内に
スケールが多く付着する等の不都合を生じる。
【0005】特開平4-311708号には、ケン化度が60〜80
モル%であり、平均重合度 500〜1000、4%水溶液の20
℃における粘度が15cP以下、1%水溶液の波長 280nmに
おける吸光度が4以上である部分ケン化ポリビニルアル
コールを重合開始前に仕込み、重合開始と共に、重合器
内を攪拌する所要動力を低下させる方法が開示されてい
る。しかし、この方法で得られた塩化ビニル系重合体
は、ある程度ポロシティーが高く、フィッシュアイの発
生も低減されるものの、その程度は未だ不十分である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記事情に
鑑みなされたもので、ポロシティーが高い粒子構造を有
し、可塑剤吸収性及び加工性に優れ、特に高分子可塑剤
使用時におけるフィシュアイが少ない塩化ビニル系重合
体を得ることができ、また重合器内にスケールが付着す
るのを防止することができる塩化ビニル系重合体の製造
方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、塩化ビニル単
量体又は塩化ビニル単量体を含む単量体混合物を水性媒
体中で懸濁剤の存在下に攪拌しながら懸濁重合を行う塩
化ビニル系重合体の製造方法において、
【0008】前記単量体 100重量部当り0.01〜1重量部
の下記懸濁剤(1)の存在下で重合を開始し;重合開始
から重合転化率が2〜4%に達する時までの間、下記懸
濁剤(2)を総量が前記単量体 100重量部当り0.01〜1
重量部となるように、反応混合物に連続的に添加し;そ
の際に、重合開始直前まで前記攪拌の撹拌所要動力 130
〜170kg・m/sec ・ton で行い;重合開始から該懸濁剤
(2)の添加が終了するまでの間に、前記攪拌の撹拌所
要動力を前記 130〜170 kg・m/sec ・ton から20〜60kg
・m/sec ・ton だけ連続して低下させ;
【0009】前記懸濁剤(2)の添加が終了した時点で
直ちに撹拌所要動力を 130〜170kg・m/sec ・ton に増
加させ、重合終了までその撹拌所要動力を保つことを特
徴とする塩化ビニル系重合体の製造方法である。 懸濁剤(1):平均重合度が 150〜600 であり、かつ、
けん化度が20〜60モル%である部分けん化ポリビニルア
ルコール 懸濁剤(2):平均重合度が 700〜900 であり、けん化
度が65〜80モル%であり、4%水溶液の20℃における粘
度が15cP以下であり、かつ1%水溶液の波長280nmにお
ける吸光度が4以上である部分けん化ポリビニルアルコ
ール 以下、本発明について更に詳しく説明する。
【0010】本発明の塩化ビニル系重合体の製造方法
は、懸濁剤(1)の存在下で塩化ビニル単量体又は塩化
ビニル単量体を含む単量体混合物(以下、単量体とい
う)の重合を開始し;重合開始から所定の重合転化率に
達するまでの間は、懸濁剤(2)を連続的に添加しつ
つ、重合を行うものである。
【0011】本発明に用いる懸濁剤(1)は、平均重合
度が 150〜600 、好ましくは 150〜400 であり、けん化
度が20〜60モル%、好ましくは40〜55モル%である油溶
性部分ケン化ポリビニルアルコールである。この平均重
合度やけん化度が小さ過ぎると、懸濁系が不安定とな
り、粗粒が発生したり、重合器内にスケールが多く付着
するなどの不都合が生じる。また平均重合度やけん化度
が大き過ぎるとフィッシュアイの発生が増加する。懸濁
剤(1)の使用量は、単量体 100重量部当り0.01〜1重
量部、好ましくは0.03〜0.5 重量部である。
【0012】本発明においては、前記油溶性部分けん化
ポリビニルアルコールのみを重合開始時の懸濁剤(1)
とする。
【0013】また、本発明においては、懸濁剤(1)と
しての前記油溶性部分けん化ポリビニルアルコールを用
いるだけでは、重合反応の全期間に亘って懸濁系を安定
に保つことができないので、重合開始と同時にこの懸濁
剤(1)に比べ、より水溶性に富む懸濁剤(2)を連続
的に添加する必要がある。
【0014】このように重合開始と同時に、より水溶性
に富む懸濁剤(2)の連続添加を開始するのは、重合の
進行と共に合粒し易くなる液滴粒子に応じて懸濁剤を追
加する必要があるためであり、例えば、重合開始前に一
括して前記懸濁剤(1)と懸濁剤(2)とを仕込み、こ
れらの存在下で単量体を重合させた場合には、単量体に
対する懸濁剤(2)の液滴保護作用が強いため、重合開
始前に単量体の分散性が低下したり、得られた重合体の
スキン層が厚くなり、フィッシュアイの発生が増加す
る。
【0015】本発明に用いる懸濁剤(2)は、平均重合
度が 700〜900 、好ましくは 750〜850 であり、けん化
度が65〜80モル%、好ましくは65〜75モル%であり、4
%水溶液の20℃における粘度が15cP以下であり、かつ1
%水溶液の波長 280nmにおける吸光度が4以上である部
分けん化ポリビニルアルコールである。なお、この平均
重合度やけん化度が小さ過ぎると、懸濁系が不安定とな
り、粗粒が発生したり、重合器内にスケールが多く付着
するなどの問題がある。また、平均重合度やけん化度が
大き過ぎると、フィシュアイの発生が増加する。また、
前記吸光度が小さ過ぎると、フィシュアイの発生が増加
する。
【0016】前記懸濁剤(2)の添加量は、仕込単量体
100重量部当り0.01〜1重量部、好ましくは0.03〜0.5
重量部である。
【0017】前記懸濁剤(2)の添加時期は、重合開始
時から、単量体の重合転化率が2〜4%に到達した時ま
でであり、この間、懸濁剤(2)は連続して、好ましく
は単位時間(分)当りの添加量が一定になるように添加
される。
【0018】本発明において重合開始時とは、実質的に
前記単量体の重合が開始する時であり、具体的には、重
合器内に重合開始剤を添加すると同時に重合器内を昇温
した時を意味する。
【0019】なお、前記重合転化率が前記範囲の下限に
達しないうちに懸濁剤(2)の添加を中止したり、或い
は前記範囲の上限を超えてから懸濁剤(2)の添加を中
止すると、懸濁系が不安定となり、塩化ビニル系重合体
が粒子を形成しなかったり、粗粒が発生するという不都
合を生じる。
【0020】本発明の製造方法においては、重合開始直
前まで、即ち、単量体を仕込んだ後、仕込み内容物、例
えば、懸濁剤(1)、脱イオン水、単量体等を均一に混
合するために撹拌するわけであるが、その時の撹拌所要
動力は、 130〜170kg・m/sec ・ton 、好ましくは 140
〜160 kg・m/sec ・ton である。また、本発明の製造方
法においては、重合開始から該懸濁剤(2)の添加が終
了するまでの間に、撹拌所要動力を前記の 130〜170kg
・m/sec ・ton から20〜60kg・m/sec ・ton 、好ましく
は30〜50kg・m/sec ・ton だけ連続的に低下させる。
【0021】なお、懸濁剤の添加中に撹拌所要動力の低
下を終了すると、重合器内にスケールが多く付着し、ま
た懸濁剤の添加が終了しても、撹拌所要動力の低下が終
了していないと塩化ビニル系重合体が粒子を形成しなか
ったり、粗粒が発生するなどの不都合を生じる。なお、
低下させる撹拌所要動力が小さ過ぎると、粒子を形成し
なかったり、粗粒が発生したりし、大き過ぎると、重合
器内にスケールが多く付着するなどの不都合を生じる。
【0022】また、本発明の製造方法においては、前記
懸濁剤の添加が終了した時点で直ちに撹拌所要動力を 1
30〜170kg ・m/sec ・ton 、好ましくは 140〜160kg・m
/sec ・ton に高め、重合終了までその撹拌所要動力を
保つ。なお、この撹拌所要動力が小さ過ぎると、重合器
内にスケールが多く付着するなどの不都合を生じ、大き
過ぎると、塩化ビニル系重合体が粒子を形成しなかった
り、粗粒が発生するなどの不都合を生じる。
【0023】なお、ここで撹拌所要動力とは、重合器内
の重合混合物系に加えられる単位時間当りの正味のエネ
ルギーであり、それは撹拌軸の回転数及び撹拌軸に取り
つけられたトルクメーター等で正確に把握され、重合器
内に仕込まれた単量体、仕込み純水等の内容物の単位重
量(t)当りの値で表される。
【0024】本発明の製造方法で用いる撹拌系の構造は
特に限定されず、例えば、撹拌翼としてパドル、ファウ
ドラー、ブルマージン、プロペラ、タービン等を使用す
ることができ、また必要に応じ、これらの攪拌翼とバッ
フルとを組合せて用いることができる。
【0025】本発明の重合体の製造方法に用いる単量体
は、前述のとおり、塩化ビニル単量体のほか、塩化ビニ
ル単量体を主体とするこれと共重合可能なビニル系単量
体(コモノマー)との混合物(塩化ビニルが50重量%以
上)であってもよく、このコモノマーとしては、酢酸ビ
ニル、プロピオン酸ビニルなどのビニルエステル;アク
リル酸メチル、アクリル酸エチルなどのアクリル酸エス
テルもしくはメタアクリル酸エステル;エチレン、プロ
ピレンなどのオレフィン;ラウリルビニルエーテル、イ
ソブチルビニルエーテルなどのビニルエーテル;無水マ
レイン酸;アクリロニトリル;スチレン;塩化ビニリデ
ン;その他塩化ビニルと共重合可能な単量体などが挙げ
られ、これらは単独または2種以上の組合せで用いられ
る。
【0026】重合開始剤は、従来塩化ビニル系重合体の
製造に使用されているものでよく、通常、油溶性重合開
始剤が使用される。油溶性重合開始剤としては、例え
ば、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ−2
−エチルヘキシルパーオキシジカーボネート、ジエトキ
シエチルパーオキシジカーボネートなどのパーカーボネ
ート化合物;t−ブチルパーオキシネオデカネート、t
−ブチルパーオキシビバレート、t−ヘキシルパーオキ
シビバレート、α−クミルパーオキシネオデカネート、
2,4,4−トリメチルペンチル−2−パーオキシ−2
−ネオデカネートなどのパーエステル化合物;アセチル
シクロヘキシルスルホニルパーオキシド、2,4,4−
トリメチルペンチル−2−パーオキシフェノキシアセテ
ート、3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキシ
ド、ラウロイルパーオキシドなどの過酸化物;アゾビス
−2,4−ジメチルバレロニトリル、アゾビス(4−メ
トキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)などのアゾ
化合物等が挙げられ、これらは、1種単独または2種以
上の組み合わせで使用することができる。
【0027】重合開始剤の反応系への添加量は、前記単
量体 100重量部当り0.03〜0.20重量部の割合で用いられ
る。また、この添加方法は上記単量体の仕込み後、溶剤
で希釈するか、水性エマルジョンとして反応系にポンプ
で圧入される。また、重合開始剤は、例えば、懸濁剤
(1)、脱イオン水及び単量体を重合器内に仕込んだ
後、仕込み内容物の温度が20〜45℃の範囲のときに
重合器内に仕込むのが好ましい。
【0028】この重合に際しての他の条件、重合器への
水性媒体、塩化ビニル単量体、場合によっては他のコモ
ノマー、などの仕込み方法は従来と同様にして行えばよ
く、これらの仕込み割合、重合温度などの重合条件もま
た同様でよい。
【0029】さらに必要に応じて、塩化ビニル系重合体
の製造に適宜使用される重合度調整剤、連鎖移動剤、pH
調整剤、ゲル化改良剤、帯電防止剤、架橋剤、安定剤、
充てん剤、酸化防止剤、緩衝剤、スケール防止剤などを
添加することも任意である。
【0030】本発明の塩化ビニル系重合体の製造方法
は、平均重合度1000〜3000のポリ塩化ビニル樹
脂を製造する場合に特に有効である。平均重合度100
0〜3000のポリ塩化ビニル樹脂を製造する場合は、
重合温度が35〜58℃の範囲にあることが好ましい。
【0031】
【実施例】以下、実施例と比較例を示し、本発明を具体
的に示すが、本発明は下記の実施例に制限されるもので
はない。
【0032】〔実施例1及び2、並びに比較例1〜9〕
内容積2.1m3 のステンレス製重合器に、46℃の脱イオン
水890kg 及び下記懸濁剤1を表1又は表2に示す量仕込
んだ。 懸濁剤1:平均重合度が270 であり、けん化度が49.5モ
ル%である油溶性部分けん化ポリビニルアルコールの濃
度が20重量%になるように、メタノール/水混合溶液
(重量比1/1)に分散させた懸濁液
【0033】次に重合器内を50mmHgになるまで排気した
後、塩化ビニル単量体700kg を仕込んだ。撹拌を開始
し、重合開始前の撹拌所要動力を表1又は表2に示した
ように設定し、3分後(このときの重合器内の仕込み内
容物の温度は35℃であった)に重合開始剤ジ−2−エ
チルヘキシルパーオキシジカーボネート420gを重合器内
に圧入すると同時に昇温しながら重合を開始した(この
時を重合開始時、重合転化率0%とする)。そして、重
合開始後、下記懸濁剤2を表1又は表2の添加時期及び
添加時間で、添加量が表1又は表2に示す量となるよう
に連続的に重合器内に添加した。なお、表中、添加時期
は、添加開始時の単量体の重合転化率と添加終了時の単
量体の重合転化率を示し、添加量は、懸濁剤の合計添加
量である。そして、撹拌所要動力を表1又は表2に示し
た条件で変更した。なお、表中、比較例9の所要攪拌動
力の増加時期は、増加したときの単量体の重合転化率で
表した。
【0034】懸濁剤2:平均重合度が770 であり、けん
化度が72.4モル%であり、4%水溶液の20℃における粘
度が5.7cP であり、1%水溶液の波長 280nmにおける吸
光度が6.5 の部分けん化ポリビニルアルコールの5重量
%水溶液
【0035】その後、重合器内の内容物の温度を57℃に
保ちながら、重合反応を行なって重合器内の内圧が6.0k
g/cm2Gに降下した時点で未反応単量体を回収し、重合体
をスラリー状で重合器外に抜き出して、重合器内のスケ
ール付着状態を観察した。次に重合体スラリーを脱水、
乾燥し重合体を得た。得られた重合体について、下記方
法により嵩比重、粒度分布、可塑剤吸収量、フィシュア
イ及び平均重合度の測定を行なった。結果を表3及び表
4に示す。
【0036】嵩比重 JIS K-6721に従って測定した。
【0037】粒度分布 JIS Z-8801に準じた#60 、#100、#200の各篩を用いて篩
分けし、通過量(重量%)を計量した。
【0038】可塑剤吸収量 内径25mm、深さ85mmのアルミニウム合金製容器の底にグ
ラスファイバーを詰め、試料の塩化ビニル重合体10g を
採取して投入した。これにジオクチルフタレート(DOP)
15ccを加え、30分放置してDOP を重合体に十分浸透させ
た。その後、1500G の加速度下に過剰のDOP を遠心分離
し、重合体10g に吸収されたDOP の量を測定して、重合
体100g当りに換算した。
【0039】フィッシュアイ 試料の塩化ビニル重合体を 100重量部、カーボンブラッ
ク 0.1重量部、Ba−Zn系安定剤2.0 重量部、エポキシ化
大豆油 5.0重量部及びポリエステル系高分子可塑剤PN−
650(商品名、旭電化製、分子量:1800)を65重量部
の割合で調製した混合物を、ロールを用いて 150℃でそ
れぞれ5分間及び6分間混練した後、それぞれ厚さ 0.3
mmのシートに成形し、シート100cm2当りに含まれるフィ
ッシュアイの個数を計数した。
【0040】平均重合度 JIS K-6721に従って測定した。
【0041】重合器内のスケール付着状態 スラリーを重合器外に抜き出した後の重合器内における
スケールの付着状態を以下の判断基準で評価した。 スケールの付着がほとんどない ………○ 重合器内壁に部分的にスケールが付着 ………△ 重合器内壁のほぼ全面にスケールが付着………×
【0042】〔比較例10〕重合開始前に表2に示す懸濁
剤1と懸濁剤2を一緒に仕込み、重合中に懸濁剤2の添
加を行なわなった以外は実施例1と同様とした。なお、
表中、比較例10の所要攪拌動力の増加時期は、増加し
たときの単量体の重合転化率で表した。
【0043】
【表1】
【0044】
【表2】
【0045】
【表3】
【0046】
【表4】
【0047】
【発明の効果】本発明の塩化ビニル系重合体の製造方法
によれば、ポロシティーが高く、加工性が良好で、かつ
例えば、分子量1500以上の高分子可塑剤を用いて混
練りを浅くしたような場合でもフィッシュアイの発生が
少ない高品質の塩化ビニル系重合体を得ることができ、
また、重合器内にスケールが付着するのを防止すること
ができる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 塩化ビニル単量体又は塩化ビニル単量体
    を含む単量体混合物を水性媒体中で懸濁剤の存在下に攪
    拌しながら懸濁重合を行う塩化ビニル系重合体の製造方
    法において、 前記単量体 100重量部当り0.01〜1重量部の下記懸濁剤
    (1)の存在下で重合を開始し;重合開始から重合転化
    率が2〜4%に達する時までの間、下記懸濁剤(2)を
    総量が前記単量体 100重量部当り0.01〜1重量部となる
    ように、反応混合物に連続的に添加し;その際に、重合
    開始直前まで前記攪拌の撹拌所要動力 130〜170kg・m/s
    ec ・ton で行い;重合開始から該懸濁剤(2)の添加
    が終了するまでの間に、前記攪拌の撹拌所要動力を前記
    130〜170 kg・m/sec ・ton から20〜60kg・m/sec ・to
    n だけ連続して低下させ;前記懸濁剤(2)の添加が終
    了した時点で直ちに撹拌所要動力を 130〜170kg・m/sec
    ・ton に増加させ、重合終了までその撹拌所要動力を
    保つことを特徴とする塩化ビニル系重合体の製造方法。 懸濁剤(1):平均重合度が 150〜600 であり、かつ、
    けん化度が20〜60モル%である部分けん化ポリビニルア
    ルコール 懸濁剤(2):平均重合度が 700〜900 であり、けん化
    度が65〜80モル%であり、4%水溶液の20℃における粘
    度が15cP以下であり、かつ1%水溶液の波長280nmにお
    ける吸光度が4以上である部分けん化ポリビニルアルコ
    ール
JP5998595A 1995-02-23 1995-02-23 塩化ビニル系重合体の製造方法 Pending JPH08231614A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7109275B2 (en) 2002-04-12 2006-09-19 Akzo Nobel N.V. Co-metering of organic initiators and protective colloids during polymerization reactions
WO2021225394A1 (ko) * 2020-05-07 2021-11-11 주식회사 엘지화학 염화비닐계 중합체 복합체의 제조방법, 염화비닐계 중합체 복합체 및 이를 포함하는 염화비닐계 중합체 복합체 조성물

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US7109275B2 (en) 2002-04-12 2006-09-19 Akzo Nobel N.V. Co-metering of organic initiators and protective colloids during polymerization reactions
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