JP2000109504A - 塩化ビニル系重合体の製造方法 - Google Patents

塩化ビニル系重合体の製造方法

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JP2000109504A
JP2000109504A JP10279928A JP27992898A JP2000109504A JP 2000109504 A JP2000109504 A JP 2000109504A JP 10279928 A JP10279928 A JP 10279928A JP 27992898 A JP27992898 A JP 27992898A JP 2000109504 A JP2000109504 A JP 2000109504A
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vinyl chloride
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hydroxide
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JP10279928A
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Minoru Nakayama
稔 中山
Toshihiko Tanaka
利彦 田中
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TAIYO ENBI KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 大型重合器で還流凝縮器の除熱負荷を大きく
して高速重合を行った場合に、重合中に発生する泡状の
粗大粒子の発生を抑制し、嵩比重の高い塩化ビニル系重
合体を高生産性で製造する塩化ビニル系重合体の製造方
法を提供すること。 【解決手段】 攪拌機、外部ジャケットおよび還流凝縮
器を付設した内容積100m3以上の重合器を使用し、
重合中における該還流凝縮器による除熱量を全除熱量に
対して30%以上とし、重合時間を6時間以内とする重
合条件下で、塩化ビニル系単量体を油溶性重合開始剤の
存在下、水性媒体中で懸濁重合する際、所定の分散安定
剤を使用するとともに、重合初期から重合転化率10%
までの間にメルカプト基とヒドロキシル基を有する化合
物を所定量添加する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は塩化ビニル系重合体
の製造方法に関するものである。更に詳しくは、大型重
合器で還流凝縮器の除熱負荷を大きくして高速重合を行
った場合、重合中に発生する泡状の粗大粒子の発生を抑
制し、嵩比重の高い塩化ビニル系重合体を高生産性で製
造する塩化ビニル系重合体の製造方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】塩化ビニル系重合体は、優れた物理特
性、機械的特性を有しているため多方面の分野にわたり
使用されている。この塩化ビニル系重合体の成形法とし
ては、押出成形、カレンダー成形、射出成形などが一般
的であるが、その中でも、近年、押出成形用途では、生
産性の面から加工機の吐出量の増大を図る傾向にあり、
安価で嵩比重の高い塩化ビニル系重合体の開発が要望さ
れている。
【0003】一方、塩化ビニル系重合体の製造業界で
は、生産効率を高めるため、従来の低容量の重合器から
100m3以上の大型重合器への切り替えが検討されて
いる。この様な大型重合器で生産効率を高めるため開始
剤を増量して重合時間を短縮した場合、従来のジャケッ
ト方式による除熱だけでは、冷却能力が追いつかないた
め、還流凝縮器を付設した重合器を使用して、余剰の反
応熱を除去する方法が行われている。しかしながら、生
産効率を高めるため還流凝縮器の除熱量を大きくする
と、重合進行に伴い生成粒子内部から塩化ビニル系単量
体が気化するため、粒子内部空隙の大きい粒子が生成し
てしまい、得られる重合体の嵩比重が大きく低下してし
まうという問題があった。また、この様な大型重合器で
還流凝縮器に除熱負荷をかけて重合を行った場合、粗大
粒子選別除去のために設置しているJIS基準の48メ
ッシュの篩上に多数の泡状の粗大粒子が発生し、最悪、
篩目を閉塞してしまい、生産効率が大幅にダウンしてし
まうという問題があった。
【0004】この様な問題を回避するため、還流凝縮器
の除熱割合を全重合除熱量の30%未満として重合を行
う方法が取られているが、この方法では還流凝縮器の除
熱性能を十分に引き出しているとはいえず、重合時間を
6時間以内とすることは困難であり、高速高生産性重合
という面から課題を残している。
【0005】高速高生産性重合を行うには、大型重合器
を使用して還流凝縮器の除熱割合を重合除熱量の少なく
とも30%以上、望ましくは40%以上にして重合を行
う必要がある。
【0006】高速高生産性重合の問題解決について、幾
つかの提案がなされており、例えば、特開平5−500
8号公報には、高生産性で高品質の重合体を得るため、
大型重合器を使用し、還流凝縮器の除熱負荷の割合を重
合転化率とともに変える方法が提示されている。また、
特開平1−256504号公報には、還流凝縮器の除熱
負荷による嵩比重低下を解決するため、分散剤として、
ケン化度70〜76モル%の部分ケン化ポリビニルアル
コールと、高分子量のポリエチレンオキサイドを使用す
ることが提示されている。また、特開平2−18090
8号公報には、還流凝縮器の除熱負荷が原因と考えられ
る48メッシュ篩上の泡状粗大粒子の発生を解決するた
め、重合途中に消泡剤を添加する方法が提示されてい
る。
【0007】しかしながら、特開平5−5008号公報
に提示されている方法では、高速高生産性の面から、還
流凝縮器の除熱性能を十分に引き出しているとはいえ
ず、また、品質的な面からは嵩比重低下防止、泡状の粗
大粒子抑制の点でまだ不十分である。また、特開平1−
256504号公報に提示されている方法では、嵩比重
の低下防止が不十分であり、ポリエチレンオキサイドが
重合体の熱安定性を悪化させるため、品質的に満足する
ものでは無い。また、特開平2−180908号公報に
提示されている方法では、還流凝縮器の除熱量が10〜
20%と軽い時は、ある程度の改良効果は見られるもの
の、除熱量が30%を超える様な場合には、泡状の粗大
粒子の抑制が不十分である。また、消泡剤の種類によっ
ては、重合体の熱安定性および体積固有抵抗率を悪化さ
せるなどの問題がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記事情に
鑑み、大型重合器で還流凝縮器の除熱負荷を大きくして
高速重合を行った場合に、重合中に発生する泡状の粗大
粒子の発生を抑制し、嵩比重の高い塩化ビニル系重合体
を高生産性で製造する塩化ビニル系重合体の製造方法を
提供することを課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決する本発
明には、以下に示す構成を有する。
【0010】攪拌機、外部ジャケットおよび還流凝縮
器を付設した内容積100m3以上の重合器を使用し、
重合中における該還流凝縮器による除熱量を全除熱量に
対して30%以上とし、重合時間を6時間以内とする重
合条件下で、塩化ビニル系単量体を油溶性重合開始剤の
存在下、水性媒体中で懸濁重合する際、分散安定剤とし
て、 (A)ケン化度75〜90モル%、平均重合度1500
〜3000の部分ケン化ポリビニルアルコールを塩化ビ
ニル系単量体100重量部に対して0.02〜0.2重
量部 (B)メトキシ置換度が15〜40重量%、ヒドロキシ
プロポキシ置換度が5〜25重量%でその2重量%水溶
液の20℃における粘度が10〜80cpsであるヒド
ロキシプロピルメチルセルロースおよび/またはケン化
度25〜65モル%、平均重合度200〜1000の部
分ケン化ポリビニルアルコールを塩化ビニル系単量体1
00重量部に対して0.001〜0.01重量部を使用
し、重合初期から重合転化率10%までの間にメルカプ
ト基とヒドロキシル基を有する化合物を塩化ビニル系単
量体100重量部に対して0.001〜0.01重量部
添加することを特徴とする塩化ビニル系重合体の製造方
法。
【0011】前記塩化ビニル系単量体100重量部に
対し、金属塩を0.0005〜0.01重量部添加して
重合を行うことを特徴とするに記載の塩化ビニル系重
合体の製造方法。
【0012】前記金属塩が、アルカリ金属および/ま
たはアルカリ土類金属の水酸化物であることを特徴とす
るに記載の塩化ビニル系重合体の製造方法。
【0013】前記水酸化物が、水酸化カルシウム、水
酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化マグネシウ
ム、水酸化バリウム、および水酸化リチウムからなる群
より選択された少なくとも1種以上の水酸化物であるこ
とを特徴とするに記載の塩化ビニル系重合体の製造方
法。
【発明の実施の形態】本発明において使用される重合器
は、撹拌機、外部ジャケット、還流凝縮器を付設した内
容積100m3以上、好ましくは120m3以上、更に好
ましくは150m3以上の重合器である。内容積が10
0m3未満の重合器では、通常の外部ジャケット冷却方
式で除熱の対応ができ、必ずしも還流凝縮器を必要とし
ない。また、内容積100m3未満の重合器では、1バ
ッチ当たりの生産量が少ないため、生産量を上げるには
多数の重合器を持つ必要がある。このため、重合設備が
煩雑化したり、設備投資が膨らむなどのコスト的な問題
がある。また、この様な大容量の重合器では、還流凝縮
器の除熱量を大きくすれば、従来のジャケット方式の重
合器に比べ、著しく重合時間を短縮することができ、こ
れまで成し得なかった高速高生産性重合が可能である。
還流凝縮器の除熱割合は全重合除熱量の30%以上、好
ましくは40%以上、更に好ましくは50%以上とす
る。除熱割合が30%未満では、除熱の問題から重合時
間の短縮ができないので、生産効率が低下してしまい好
ましくない。また、30%未満の除熱割合では、嵩比重
の低下、泡状の粗大粒子の発生も少ないことから、従来
技術で十分対応可能であり特に大きな問題とはならな
い。一方、除熱割合を30%以上とすると重合時間の短
縮が可能となり、特に40%以上とすることにより重合
時間の大幅な短縮が可能となって生産効率の向上が図ら
れる。
【0014】本発明において使用される分散安定剤
(A)は、ケン化度が75〜90モル%、好ましくは7
5〜88モル%、更に好ましくは75〜85モル%であ
り、平均重合度が1500〜3000、好ましくは17
00〜3000、更に好ましくは1700〜2800の
部分ケン化ポリビニルアルコールである。分散安定剤
(A)の添加量は、塩化ビニル系単量体100重量部に
対して0.02〜0.2重量部、好ましくは0.02〜
0.18重量部、更に好ましくは0.02〜0.15重
量部とする。
【0015】ここで、分散安定剤(A)のケン化度が7
5モル%未満、または、平均重合度が1500未満の場
合、重合安定性が悪く、また、嵩比重の高い塩化ビニル
系重合体が得られない。一方、ケン化度が90モル%、
または、平均重合度が3000を超える場合、得られる
塩化ビニル系重合体の粒度分布がブロードになったり、
嵩比重が低下したり、満足の行く粉体特性を持った粒子
が得られない。また、その使用量が0.02重量部未満
では、重合安定性が悪く、0.2重量部を超えると嵩比
重の高い塩化ビニル系重合体が得られないので好ましく
ない。
【0016】本発明で使用される分散安定剤(B)とし
ては、ヒドロキシプロピルメチルセルロースおよび/ま
たは部分ケン化ポリビニルアルコールが用いられる。ヒ
ドロキシプロピルメチルセルロースは、メトキシ置換度
が15〜40重量%、好ましくは20〜35重量%、更
に好ましくは25〜30重量%であって、かつ、ヒドロ
キシプロポキシ置換度が5〜25重量%、好ましくは5
〜20重量%、更に好ましくは5〜15重量%であり、
さらに、その2重量%水溶液の20℃における粘度が1
0〜80cps、好ましくは20〜75cps、更に好
ましくは30〜70cpsである。部分ケン化ポリビニ
ルアルコールは、ケン化度が25〜65モル%、好まし
くは28〜55モル%、更に好ましくは30〜50モル
%であって、平均重合度が200〜1000、好ましく
は200〜900、更に好ましくは200〜800であ
る。これらの成分からなる分散安定剤(B)を、塩化ビ
ニル系単量体100重量部に対して0.001〜0.0
1重量部、好ましくは0.002〜0.01重量部、更
に好ましくは0.003〜0.01重量部使用する。
【0017】ここで、分散安定剤(B)のヒドロキシプ
ロピルメチルセルロースのメトキシ置換度、ヒドロキシ
プロポキシ置換度、水溶液粘度が上記範囲から外れた場
合、嵩比重の高い塩化ビニル系重合体を得ることが困難
である。また、分散安定剤(B)の部分ケン化ポリビニ
ルアルコールのケン化度が25モル%未満、または、平
均重合度が200未満では嵩比重の高い塩化ビニル系重
合体が得られない。一方、ケン化度が65モル%、また
は、平均重合度が1000を超える場合も、嵩比重の高
い塩化ビニル系重合体が得られない。また、分散安定剤
(B)の使用量が0.001重量部未満では、嵩比重ア
ップの効果が無く、0.01重量部を超えると、逆に嵩
比重が低下するため好ましくない。
【0018】本発明において、メルカプト基とヒドロキ
シル基を有する化合物を0.001〜0.01重量部、
好ましくは0.002〜0.01重量部、更に好ましく
は0.002〜0.008重量部添加する。添加時期
は、重合初期から重合転化率10重量%、好ましくは重
合初期から重合転化率8重量%、更に好ましくは重合初
期から重合転化率5重量%までとする。重合転化率が1
0重量%を超えた時点で上記化合物を添加したり、添加
量を0.001重量部未満とした場合は、泡状の粗大粒
子の発生抑制効果が無く、嵩比重が低下するので好まし
くない。上記化合物の添加量が0.01重量部を超えた
場合には、得られる塩化ビニル系重合体の嵩比重が低下
したり、また、重合度が大きく低下してしまい、重合度
調整のために重合温度を下げる等の措置が必要となり、
生産効率が大きく低下してしまうため好ましくない。
【0019】本発明において重合初期とは、水性媒体、
塩化ビニル系単量体などを重合器に仕込む時から重合が
実質的に開始される前、即ち、重合転化率1重量%未満
の時までのことをいう。
【0020】本発明において用いられるメルカプト基と
ヒドロキシル基を有する化合物としては、メルカプトア
ルカノール化合物であり、例えば、2−メルカプトエタ
ノール、3−メルカプトエタノール、4−メルカプトブ
タノール、1−チオグリセロール、チオグリセリン、チ
オフェノールなどが挙げられる。
【0021】メルカプト基とヒドロキシル基を有する化
合物の添加方法については、重合初期から重合転化率1
0重量%の範囲内であれば、特に制限はなく、例えば、
この化合物のまま、この化合物を水または有機溶剤に溶
解したものを一括添加、分割添加、連続添加する方法な
どが挙げられる。
【0022】本発明において得られる塩化ビニル系重合
体の嵩比重を、更に高吐出量が要求される押出成形に適
するように嵩比重の向上を図るには、重合系に金属塩を
0.0005〜0.01重量部、好ましくは0.001
〜0.01重量部、更に好ましくは0.002〜0.0
01重量部添加して重合することが好ましい。金属塩の
種類としては、硫酸カルシウム、硫酸ナトリウム、硫酸
カリウム、硫酸マグネシウム、硫酸バリウム、硫酸アル
ミニウムなどの硫酸塩;炭酸カルシウム、炭酸ナトリウ
ム、炭酸カリウム、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム、
炭酸アルミニウムなどの炭酸塩;水酸化カルシウム、水
酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化マグネシウ
ム、水酸化バリウム、水酸化アルミニウム、水酸化リチ
ウムなどの水酸化物などが挙げられる。この金属塩の中
のうち、アルカリ金属および/またはアルカリ土類金属
の水酸化物が好ましく、特に、水酸化カルシウム、水酸
化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化マグネシウム、
水酸化バリウム、水酸化アルミニウム、水酸化リチウム
などの水酸化物群から選択された少なくとも1種以上の
金属塩を使用すると嵩比重の向上効果が特に大きく好ま
しい。金属塩の添加方法については、金属塩を固体のま
ま、水に溶解させたもの、水に分散させたものを重合初
期、重合途中などに添加する方法が挙げられる。
【0023】本発明においては、一般に行われる懸濁重
合法をそのまま適用することができ、例えば具体的には
次のような方法で行われる。
【0024】攪拌機、外部ジャケットおよび還流凝縮器
を付設した耐圧重合器に脱イオン水、分散安定剤、重合
開始剤を入れ、減圧状態にする。次に塩化ビニル系単量
体を圧入し、この重合器内を撹拌しながら加温し重合を
開始する。その時の重合条件としては、たとえば重合温
度20〜90℃、重合時間1〜6時間とする。重合終了
後、未反応塩化ビニル系単量体を回収し、スラリーを取
り出して脱水乾燥を行うことにより塩化ビニル系重合体
が得られる。
【0025】本発明において用いられる重合開始剤とし
ては、一般的に懸濁重合法に重合開始剤として用いられ
るものでよく、例えば、tert−ブチルパーオキシネ
オデカノエート、tert−ヘキシルパーオキシネオデ
カノエート、tert−ヘキシルパーオキシピバレー
ト、tert−ブチルパーオキシピバレート、α−クミ
ルパーオキシネオデカノエート、tert−ヘキシルパ
ーオキシネオヘキサノエート、α,α’−ビス(ネオデ
カノイルパーオキシ)ジイソプロピルベンゼン、1,
1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシネオデカノ
エート、1−シクロヘキシル−1−メチルエチルパーオ
キシネオデカノエート、tert−ヘキシルパーオキシ
グリコレート、1,1−ジメチル−3−ヒドロキシブチ
ルパーオキシネオデカノエートなどのパーエステル化合
物;ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ−2
−エチルヘキシルパーオキシジカーボネート、ジ−2−
エトキシエチルパーオキシジカーボネート、ジメトキシ
イソプロピルパーオキシジカーボネートなどのパーカー
ボネート化合物;ベンゾイルパーオキサイド、クメンハ
イドロパーオキサイド、2,4−ジクロロベンゾイルパ
ーオキサイド、アセチルシクロヘキシルパーオキサイド
などのパーオキサイド化合物;2,2’−アゾビスイソ
ブチロニトリル、2,2’−アゾビス−2,4−ジメチ
ルバレロニトリルなどのアゾ化合物が挙げられ、これら
は1種または2種以上の組合せで使用することができ
る。
【0026】本発明においては、本発明を実施する際に
は、塩化ビニル単量体と共重合可能なビニル系単量体ま
たは塩化ビニル単量体とグラフト重合可能なポリマーを
必要に応じて添加して重合してもよい。
【0027】本発明における塩化ビニル系単量体とは、
塩化ビニル単量体、または、塩化ビニル単量体およびこ
れと共重合可能なビニル系単量体の混合物をいう。
【0028】塩化ビニル単量体と共重合可能なビニル系
単量体としては、例えば酢酸ビニル、プロピオン酸ビニ
ル、カプロン酸ビニル、ラウリン酸ビニル、ステアリン
酸ビニル等のビニルエステル類;エチレン、プロピレ
ン、イソブチレン等のオレフィン類;イソブチルビニル
エーテル、フェニルビニルエーテル、オクチルビニルエ
ーテル等のアルキルまたはアリールビニルエーテル類;
塩化ビニリデン、フッ化ビニル、塩化アリル、臭化ビニ
ル等のハロゲン化オレフィン類;エチルアクリレート、
n−ブチルアクリレート、n−ブチルメタクリレート、
2−エチルヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシル
メタクリレート、ステアリルメタクリレート等のアクリ
ル酸またはメタクリル酸エステル類;アクリル酸、メタ
クリル酸、クロトン酸、アクリロニトリル、無水マレイ
ン酸、無水イタコン酸等のアクリル系誘導体類などを挙
げられ、これらは1種または2種以上の組合せで使用す
ることができる。また、塩化ビニル単量体とグラフト共
重合可能なポリマーとしては、例えばエチレン−酢酸ビ
ニル共重合体(EVA)、エチレン−アクリル酸エチル
共重合体、塩素化ポリエチレン、ポリウレタン、ポリブ
タジエン−スチレン−メチルメタクリレート共重合体
(MBS)、ポリブタジエン−アクリロニトリル−(α
−メチル)スチレン共重合体(ABS)、ポリブチルア
クリレート、ブチルゴム、ポリスチレン、スチレン−ブ
タジエン共重合体、架橋アクリルゴムなどを挙げられ、
これらは1種または2種以上の組合せで使用することが
できる。
【0029】本発明において使用される分散安定剤の他
に、本発明の効果を阻害しない範囲内であれば、他の分
散安定剤を併用しても何ら問題は無く、例えば、水溶性
あるいは油溶性の部分ケン化ポリビニルアルコール;メ
チルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロ
キシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセ
ルロースなどの水溶性セルロース;アクリル酸重合体、
メチルビニルエーテル−無水マレイン酸共重合体、スチ
レン−無水マレイン酸共重合体、ゼラチンなどの水溶性
ポリマー;ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノ
ステアレート、グリセリンモノステアレート、エチレン
オキサイドプロピレンオキサイドブロックコポリマーな
どの油溶性乳化剤、ポリオキシエチレンソルビタンモノ
ラウレート、ポリオキシエチレングリセリンオレート、
ラウリン酸ナトリウムなどの水溶性乳化剤が挙げられ、
これらは1種または2種以上の組合せで使用することが
できる。
【0030】本発明の製造方法においては、重合初期、
重合途中、あるいは重合後に、その他の重合添加剤とし
て、ゲル化改良剤、pH調整剤、連鎖移動剤、帯電防止
剤、架橋剤、消泡剤、安定剤、充填剤、酸化防止剤、ス
ケール付着防止剤などを使用してもよい。
【0031】本発明における重合時間は、6時間以内、
好ましくは1〜6時間、さらに好ましくは1〜4時間と
する。このようにすることによって生産性の高い塩化ビ
ニル系重合体の製造を実現することができる。ここで重
合時間とは、重合原料を仕込み、昇温して内温が所定の
温度に達した時点から、重合器内の圧力が初期の圧力よ
り1.8kg/cm2低下した時点までの時間を重合時
間とする。なお、内圧の低下幅が1.8kg/cm2
りも小さい時点で重合を終了させる重合方法であって
も、そのまま通常の条件下で重合を継続したときに6時
間以内に内圧の低下幅が1.8kg/cm2となる重合
は、本発明の範囲に含まれる。このような重合は、重合
終了時点を上記のように定義した上で6時間以内と規定
した本発明の重合方法と実質的に変わりはなく、どの時
点で重合を終了させるかは、用途によっても異なるから
である。
【0032】本発明の方法で使用する重合器に付設した
還流凝縮器は公知のものが使用でき、その制御方法につ
いても、還流凝縮器の除熱割合が重合除熱量の30%以
上で制御するならば、特に制限することは無く、公知の
方法、文献記載の方法などが適用される(例えば、佐
伯、長見編著:新ポリマー製造プロセス(工業調査会発
行)第158頁表6.5記載)。
【0033】本発明において重合器の撹拌機に特に制限
はなく、所望によりバッフルも使用される。撹拌機につ
いては通常塩化ビニル系単量体の重合に使用されるター
ビン翼、ファンタービン翼、ファウドラー翼及びブルー
マージン翼が、バッフルとしてはフィンガー型、円筒
型、D型及びループ型等が例示される。
【0034】
【実施例】以下、本発明の製造方法を実施例および比較
例によって説明するが、本発明はこれらに限定されるも
のではない。尚、表1、2に示した分散安定剤等の添加
量は、塩化ビニル系単量体100重量部に対する重量部
数を示す。
【0035】実施例および比較例において、平均粒径測
定、嵩比重測定、平均重合度測定、泡状の粗大粒子の有
無の判断は下記の方法で行った。 (1)平均粒径 JIS基準の金網を使用した篩分析により、50%通過
径とした。 (2)嵩比重、平均重合度 JIS K−6721に従って測定した。 (3)泡状の粗大粒子の有無 JIS基準の48メッシュの篩を使用して、その篩上に
残存した粗大粒子を目視により判断した。
【0036】(実施例1〜3、5、6)内容積が120
3の攪拌機、外部ジャケット、還流凝縮器を付設した
ステンレス製の重合器に脱イオン水54000kg、表
1に示す分散安定剤(A)、分散安定剤(B)、硫黄系
化合物、金属塩を仕込み、重合開始剤としてtert−
ブチルパーオキシネオデカノエート16.8kgを入れ
減圧状態にした。次いで、塩化ビニル単量体36000
kgを仕込み、重合器内を撹拌しながらジャケットに熱
水を通じて57℃まで昇温させ、この温度を保ちながら
重合を開始するとともに還流凝縮器に冷却水を通水し、
負荷を調整しながら、還流凝縮器の除熱割合が重合発熱
量の40%で重合を進めた。
【0037】重合器内の圧力が重合反応の定常状態にお
ける圧力から2.0kg/cm2下がった時点で、未反
応塩化ビニル単量体の回収を行った。重合時間は5時間
であった。
【0038】スラリーを重合器から取り出し脱水乾燥を
行ったところ、85%の重合転化率で塩化ビニル重合体
を得た。得られた塩化ビニル重合体の評価結果を表1に
示す。得られた塩化ビニル重合体は、1バッチ当たりの
生産量が高く、高嵩比重で48メッシュ篩上に泡状の粗
大粒子の発生の無いものであった。
【0039】(実施例4)表1に示す硫黄系化合物を重
合転化率5重量%で重合系に添加した以外は、実施例1
と同様の操作を行った。重合時間は5時間であった。
【0040】スラリーを重合器から取り出し脱水乾燥を
行ったところ、85%の重合転化率で塩化ビニル重合体
を得た。得られた塩化ビニル重合体の評価結果を表1に
示す。得られた塩化ビニル重合体は、生産効率が高く、
高嵩比重で48メッシュ篩上に泡状の粗大粒子の発生の
無いものであった。
【0041】(比較例1)表2に示す硫黄系化合物を添
加したなかったこと以外は、実施例1と同様の操作を行
った。重合時間は5時間であった。
【0042】スラリーを重合器から取り出し脱水乾燥を
行ったところ、85%の重合転化率で塩化ビニル重合体
を得た。得られた塩化ビニル重合体の評価結果を表2に
示す。得られた塩化ビニル重合体は、生産効率が高いも
のであったが、嵩比重が低く、48メッシュ篩上に泡状
の粗大粒子が多数観察された。 (比較例2)表2に示す硫黄系化合物を重合転化率20
重量%で重合系に添加した以外は、実施例1と同様の操
作を行った。重合時間は5時間であった。
【0043】スラリーを重合器から取り出し脱水乾燥を
行ったところ、85%の重合転化率で塩化ビニル重合体
を得た。得られた塩化ビニル重合体の評価結果を表2に
示す。得られた塩化ビニル重合体は、生産効率が高いも
のであったが、嵩比重が低く、48メッシュ篩上に泡状
の粗大粒子が多数観察された。
【0044】(比較例3)表2に示す分散安定剤(A)
に変更した以外は、実施例1と同様の操作を行った。重
合時間は5時間であった。
【0045】スラリーを重合器から取り出し脱水乾燥を
行ったところ、85%の重合転化率で塩化ビニル重合体
を得た。得られた塩化ビニル重合体の評価結果を表2に
示す。得られた塩化ビニル重合体は、生産効率が高く、
48メッシュ篩上に泡状の粗大粒子の発生の無いもので
あったが、平均粒径が大きく、嵩比重が低いものであっ
た。
【0046】(比較例4)表2に示す分散安定剤(B)
に変更した以外は、実施例1と同様の操作を行った。重
合時間は5時間であった。
【0047】スラリーを重合器から取り出し脱水乾燥を
行ったところ、85%の重合転化率で塩化ビニル重合体
を得た。得られた塩化ビニル重合体の評価結果を表3に
示す。得られた塩化ビニル重合体は、生産効率が高く、
48メッシュ篩上に泡状の粗大粒子の発生の無いもので
あったが、嵩比重が低いものであった。
【0048】(比較例4)表3に示す分散安定剤(B)
の添加量を変更した以外は、実施例1と同様の操作を行
った。重合時間は5時間であった。
【0049】スラリーを重合器から取り出し脱水乾燥を
行ったところ、85%の重合転化率で塩化ビニル重合体
を得た。得られた塩化ビニル重合体の評価結果を表3に
示す。得られた塩化ビニル重合体は、生産効率が高く、
48メッシュ篩上に泡状の粗大粒子の発生の無いもので
あったが、嵩比重が低いものであった。
【0050】
【表1】
【0051】
【表2】
【0052】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
大型重合器を用いて短時間重合により塩化ビニル系単量
体を重合させる際、特定の分散安定剤を用いるととも
に、重合初期から重合転化率10%までの間にメルカプ
ト基とヒドロキシル基を有する化合物を所定量添加す
る。また、アルカリ金属やアルカリ土類金属の水酸化物
等の金属塩を重合系に適宜、添加する。このため、重合
中に発生する泡状の粗大粒子の発生を抑制し、押出成形
加工に適した嵩比重の高い塩化ビニル系重合体を高速高
生産性で製造できる。
フロントページの続き Fターム(参考) 4J011 JA07 JA08 JA14 JB09 JB26 NA18 NA25 PA07 PA66 PC07 4J100 AA02Q AA03Q AA06Q AC03P AC04Q AC12Q AC23Q AE02Q AE09Q AE13Q AG04Q AG05Q AJ01Q AJ02Q AK32Q AL03Q AL04Q AL05Q AM02Q BC43Q CA01 FA02 FA03 FA04 FA21 FA47

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 攪拌機、外部ジャケットおよび還流凝縮
    器を付設した内容積100m3以上の重合器を使用し、
    重合中における該還流凝縮器による除熱量を全除熱量に
    対して30%以上とし、重合時間を6時間以内とする重
    合条件下で、塩化ビニル系単量体を油溶性重合開始剤の
    存在下、水性媒体中で懸濁重合する際、分散安定剤とし
    て、(A)ケン化度75〜90モル%、平均重合度15
    00〜3000の部分ケン化ポリビニルアルコールを塩
    化ビニル系単量体100重量部に対して0.02〜0.
    2重量部(B)メトキシ置換度が15〜40重量%、ヒ
    ドロキシプロポキシ置換度が5〜25重量%でその2重
    量%水溶液の20℃における粘度が10〜80cpsで
    あるヒドロキシプロピルメチルセルロースおよび/また
    はケン化度25〜65モル%、平均重合度200〜10
    00の部分ケン化ポリビニルアルコールを塩化ビニル系
    単量体100重量部に対して0.001〜0.01重量
    部を使用し、重合初期から重合転化率10%までの間に
    メルカプト基とヒドロキシル基を有する化合物を塩化ビ
    ニル系単量体100重量部に対して0.001〜0.0
    1重量部添加することを特徴とする塩化ビニル系重合体
    の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記塩化ビニル系単量体100重量部に
    対し、金属塩を0.0005〜0.01重量部添加して
    重合を行うことを特徴とする請求項1に記載の塩化ビニ
    ル系重合体の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記金属塩が、アルカリ金属および/ま
    たはアルカリ土類金属の水酸化物であることを特徴とす
    る請求項2に記載の塩化ビニル系重合体の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記水酸化物が、水酸化カルシウム、水
    酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化マグネシウ
    ム、水酸化バリウム、および水酸化リチウムからなる群
    より選択された少なくとも1種以上の水酸化物であるこ
    とを特徴とする請求項3に記載の塩化ビニル系重合体の
    製造方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2002062854A1 (fr) * 2001-02-02 2002-08-15 Shin-Etsu Chemical Co., Ltd. Procede de production de polymere de chlorure de vinyle
JP2007510790A (ja) * 2003-11-14 2007-04-26 エルジー・ケム・リミテッド 耐衝撃性に優れる塩化ビニル系ナノ複合体樹脂組成物及びその製造方法

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